JP2000338390A - 測距装置 - Google Patents

測距装置

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JP2000338390A
JP2000338390A JP14493099A JP14493099A JP2000338390A JP 2000338390 A JP2000338390 A JP 2000338390A JP 14493099 A JP14493099 A JP 14493099A JP 14493099 A JP14493099 A JP 14493099A JP 2000338390 A JP2000338390 A JP 2000338390A
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JP14493099A
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Osamu Nonaka
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Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】測距装置用の光電変換素子を工夫して、ワイド
レンジ化、マルチAF化等、種々の改良を行ったAF装
置に於いて、切換えポイント付近での誤測距を軽減し
て、全ての測距領域に於いて正確な測距を可能とした測
距装置を提供することである。 【解決手段】測距装置の基線長方向を長手方向とした受
光面と、この受光面内に設けられ光電変換特性が段階的
に変化する特性切換えポイントとを、センサアレイ2
a、2bが有している。上記センサアレイ2a、2bの
出力を受けて、上記特性切換えポイントにまたがる被写
体信号がCPU10によって判定される。そして、上記
CPU10の判定結果とセンサアレイ2a、2bに基い
て、被写体距離が求められる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はカメラのオートフ
ォーカス等に用いられる測距装置に関し、より詳細に
は、三角測距の原理に従って光信号を利用して距離測定
を行う測距装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、カメラ技術の発達により、従来の
カメラが苦手としていた被写体に対するピント合わせが
可能となってきているが、これには、原理的に単純なセ
ンサ構造に改良を加えた半導体技術の工夫による所も大
きい。
【0003】例えば、本件出願人は、特開平3−530
6号公報にて、近距離域と遠距離域で特性を変更した測
距装置によって、より遠距離からより近距離まで正しい
測距を可能とする技術を開示している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た特開平3−5306号公報に記載の技術は、2つの受
光素子の特性を切換えて用いたものにすぎず、上記受光
素子の特性の切変わりポイント付近の不連続点に関して
は、十分な考え方がなされていなかった。したがって、
実際に製品化の検討を行ってみると、切変わりポイント
付近で、正しい測距ができないことがわかってきた。
【0005】この発明は以上の点に鑑みてなされたもの
であり、測距装置用の光電変換素子を工夫して、ワイド
レンジ化、マルチAF化等、種々の改良を行ったAF装
置に於いて、切換えポイント付近での誤測距を軽減し
て、全ての測距領域に於いて正確な測距を可能とした測
距装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわちこの発明は、そ
の基線長方向を長手方向とした受光面と、この受光面内
に設けられ光電変換特性が段階的に変化する特性切換え
ポイントとを有する受光手段と、この受光手段の出力を
受け、上記特性切換えポイントにまたがる被写体信号を
判定する判定手段とを具備し、上記判定手段の判定結果
と上記受光手段の出力とに基いて被写体距離を求めるよ
うにしたことを特徴とする。
【0007】この発明にあっては、測距装置の基線長方
向を長手方向とした受光面と、この受光面内に設けられ
光電変換特性が段階的に変化する特性切換えポイントと
を、受光手段が有している。この受光手段の出力を受け
て、上記特性切換えポイントにまたがる被写体信号が判
定手段によって判定される。そして、上記判定手段の判
定結果と上記受光手段の出力とに基いて、被写体距離が
求められる。
【0008】この発明は、被写体の距離が変化するに従
って、信号光の入射位置が変化する、いわゆる基線長方
向に、光電変換特性の切換え点を設けた受光素子を用い
ている。更に、その信号光の上記切変わりポイント上へ
の入射を判断して、その場合に信号または測距結果に補
正を加えることにより、正確な測距を可能としたもので
ある。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照してこの発明の
第1の実施の形態について説明する。
【0010】初めに、図4を参照して、測距特性の切変
わりポイントを有する受光素子について説明する。
【0011】図4(a)に於いて、一対の受光レンズ1
a、1bは、基線長Sだけ離して配置されている。この
視差(基線長S)により、被写体6までの距離Lに従っ
て、受光素子(センサアレイ)2a、2b上に被写体6
の像が結像される。2つの像の相対的な位置は、距離L
に従って変化し、近距離になる程離れ、遠距離程受光レ
ンズの光軸に近付くことになる。この像信号を、センサ
アレイ2a、2bが検出すれば、いわゆるパッシブAF
となる。
【0012】このように、写真画面内の中央部を測距可
能な測距装置に価値を付加し、例えば、図5に示される
ように、画面5内の中央以外に被写体6が存在してもピ
ント合わせができる、いわゆるマルチAF機能を搭載し
たカメラも市場に出回っている。
【0013】そこで、図4(a)に示されるように、セ
ンサアレイ2a、2bのセンサの中央測距用部分の基線
長方向にセンサアレイを延長し、図中、3L、3Rで示
される測距ポイントの方向にも測距可能な、つまり像位
置検出の可能なエリアを設ければ、パッシブAFの考え
方の単純な延長によって、マルチAF化が可能である。
【0014】しかし、センサアレイだけで、受光素子チ
ップが構成されているのではなく、同一のチップ上に上
記センサアレイの出力信号を増幅し、積分するために、
各センサ毎に設けられた処理回路や、出力信号をモニタ
して積分時間を決定する回路等を配置しなければならな
い。
【0015】すなわち、図4(b)に示されるように、
センサアレイ2aの個々のセンサ毎に、それより大きな
処理回路7を並べて配置していくと、図中、左右方向に
面積が広がってしまうことになる。
【0016】そこで、中央測距用のセンサ21 以外のセ
ンサ22 の面積は、中央測距用のセンサ21 よりも幅を
広くして、処理回路7aを増加させすぎないようにする
改良が考えられる。こうすることによって、処理回路を
いたずらに増加させることによる回路規模、つまりチッ
プ面積の大型化を防止する策が考えられる。
【0017】この場合、中央のセンサ21 より左右のセ
ンサ22 の被写体像位置の分解能は低くなってしまう
が、主要被写体の存在確率は、左右に比べ中央のほうが
はるかに高く、その存在確率の低い場所の精度は、中央
部程にはこだわる必要のない設計によって、よりコスト
パフォーマンスの高い測距装置を提供することが可能と
なる。
【0018】このように、センサピッチが途中で変わる
ような測距装置に於いて、センサピッチの規則が変化す
る部分に信号光が来た場合、正しい対策を施さないと正
確な測距を実行することができない。
【0019】例えば、図1(a)に示されるように、被
写体距離Lが非常に近い場合、センサアレイ2aでは中
央部測距用のセンサに信号光が入射していても、センサ
アレイ2bのセンサには、視差の関係でピッチの粗い部
分に信号光が入射されてしまう場合がある。この場合、
正しい像比較ができないので、測距不能表示を出して撮
影シーケンスを禁止してもよいが、本発明ではこれを対
策して、正しい測距を可能としている。
【0020】図1は、この発明の測距装置の第1の実施
の形態の構成を示した図である。
【0021】この測距装置は、上述した受光レンズ1
a、1b及びセンサアレイ2a、2b以外に、上記セン
サアレイ2a、2bの出力信号をA/D変換するA/D
変換回路15のA/D変換結果を用いてピント合わせ距
離を決定するための、ワンチップマイクロコンピュータ
等にて構成される演算制御手段たるCPU10を有して
いる。
【0022】このCPU10には、ドライバ11を介し
て発光ダイオード(LED)12等から成る投光素子が
接続される。このLED12はドライバ11によって駆
動されるもので、集光投光用レンズ13を介して測距用
光を被写体6に対して集光投光するようになっている。
【0023】更に、CPU10には、上記ドライバ1
1、A/D変換回路15の他に、ピント合わせ部16及
びEEPROM17が接続されている。
【0024】CPU10は、A/D変換回路15の結果
に従ってピント合わせ部16を制御して、被写体6にピ
ントを合わせて撮影を行う。また、被写体6にコントラ
ストが少ない場合は、像の信号が明確にならないので、
LED12によって測距用光を集光投光するようになっ
ている。
【0025】更に、測距用光投射前と、投射時のセンサ
出力の差より、バックグラウンド光(定常光)を除去
し、信号光のみを取出す技術を併用すると、更に効果が
高まる。この場合、センサアレイに入射する信号光の形
状を示すと、図2(a)〜(c)に示されるようにな
る。
【0026】図2(a)は、センサアレイ2aに入射す
る光のパターンを示したもので、中央測距用の狭いピッ
チのセンサ上に光が取り込まれて、各センサからは図3
(a)に示されるような大小関係の出力が得られる。
【0027】しかし、センサのピッチの粗い部分で、図
2(b)に示されるように信号光が入射されると、個々
のセンサからの出力は1つのセンサの面積が大きい分大
きくなるものの、図2(a)に示される例では4つのセ
ンサで感応していた部分が半分の2つの出力しか得られ
なくなる。つまり、どの位置にピークがあるかという単
純な検出法でも、位置分解能が半分になっていることが
わかる(図3(b)参照)。
【0028】センサアレイ2a、2bが、共に粗い分解
能になるならば精度が少し劣化するだけである。しかし
ながら、センサアレイ2aには図2(a)に示されるよ
うに信号光が入射され、もう一方のセンサアレイ2bに
は図2(c)に示されるように信号光が入射された場合
は、左から2つのセンサは細かいピッチなので良いが、
3番目のセンサが粗いピッチなので、センサ面積が広い
分、出力も大きく、完全にピーク位置がずれた形で検出
され、誤測距となる。
【0029】したがって、この実施の形態では、図3
(c)に示されるような出力が、図3(d)に示される
ように補正される。すなわち、3番目のセンサの出力を
2等分して、3番目と4番目のセンサデータとして扱う
ようにする。これによって、ピーク位置がずれてしまう
ようなことはなくなる。
【0030】このように、細かいセンサと粗いセンサを
組合わせても、正しい測距が可能であれば、図1(b)
に示されるようにセンサアレイを構成することもでき
る。
【0031】図1(b)は、センサアレイ部7の構成を
示した図である。尚、ここではセンサアレイ2aを有す
るセンサアレイ部について説明するが、センサアレイ2
bについても同様であるので説明は省略する。
【0032】図1(b)に於いて、センサアレイ部7
は、ピッチが途中から変化している複数のセンサ21
2 を有するセンサアレイ2aと、上記複数のセンサ2
1 、2 2 に接続された複数の処理回路7aと、測光セン
サ8とから構成される。
【0033】上記処理回路7aは、バックグラウンド光
を除去したり、信号光を積分するもので、各々の処理回
路7aは、ピッチの細かい箇所にはセンサ21 の上下に
交互に配置され、センサ22 の粗い箇所には下側のみに
配置される。このような工夫により、粗いセンサ22
上側のスペースを確保することができる等、レイアウト
に自由度ができる。この空いたスペースに、カメラの露
出制御用の受光素子(測光センサ8)を配置すれば、カ
メラの小型化等に役立てることができる。
【0034】次に、図6のフローチャートを参照して、
このような補正を加える時の測距動作について説明す
る。
【0035】先ず、ステップS1にて測距用のIRED
が投光され、その反射信号光に従った積分が行われる。
次いで、ステップS2にて積分が終了したと判定された
ならば、ステップS3に移行してIREDの発光が終了
されると共に積分が終了される。
【0036】次いで、ステップS4にて、最大積分値の
センサが何番目のセンサであるかが検出される。続くス
テップS5では、センサアレイ2a側(図1(b)参
照)の各センサの積分値が読出されて、CPU10内の
所定のアドレスを先頭にA/D変換された積分値が順次
入力される。センサアレイ2a側では、細かいピッチの
センサ部でしか検出されないので、ステップS6以降の
センサアレイ2b側のような補正操作は行われない。
【0037】ステップS6以降は、センサアレイ2b側
のセンサについてであるので、図1(a)に示されるよ
うに、細かいセンサ21 と粗いセンサ22 にかかってい
る可能性がある。図1(b)に示されるように、粗いセ
ンサ22 の積分が始まるセンサNo.をnとすると、続
くステップS7にて、順次インクリメントされるセンサ
No.を表すmがnになった前と後で、アドレスへの入
力方法を変えるようにする。
【0038】最大値分値(ピーク位置)を表すセンサが
0 であるとすると、センサに入射された信号光のスポ
ットの大きさ(半径b)を考慮して、上記ステップS6
のように、n0 −4のセンサよりCPU10内のアドレ
スへの入力が開始される。
【0039】この“4”という数字は変更可能であり、
例えばEEPROM17に入力しておく。アドレスのN
o.は、単純化して“1”としている(Adはアドレス
の番地を示す)。n番目のセンサになる前の細かいセン
サの領域では、上記ステップS7からステップS11に
移行して、各アドレスに1つのセンサデータがそのまま
入力される。次いで、ステップS12にてアドレス番地
及びセンサNo.がインクリメントされる。このプロセ
スは、上記ステップS5にて説明を省略したプロセスと
同じである。
【0040】しかし、n番目のセンサになると、上記ス
テップS7からステップS8及びS9に移行して、並ん
だ2つのアドレスに各々センサデータの半分の値が入力
される。そして、ステップS10では、アドレス番地及
びセンサNo.がインクリメントされる。但し、アドレ
スの番地は2つずつ加算する必要がある。
【0041】こうして、ステップS13に於いて、16
個のアドレスに16のデータが入力されたか否かが判定
される。そして、上記16個のアドレスに16のデータ
が入力るまで上記ステップS7〜S13のステップが繰
返される。
【0042】こうして得られたセンサアレイ2a側と2
b側のセンサデータの列が用いられて、ステップS14
に於いて、CPU10により相関演算が行われ、2つの
像の類似度が調べられる。これにより、ずれ量が判定さ
れる。更に、ステップS15では、センサピッチ以上に
細かい精度で像のずれ量が求められる。すなわち、ピッ
チの間を補間する計算が行われる。
【0043】尚、上述した演算技術は公知であるので、
詳細な説明は省略する。
【0044】また、上述した実施の形態では、説明を容
易にするために、測距用光を投射してバックグラウンド
光は除去して反射信号光のみを取り出す例を示したが、
投光をせず、図7(a)に示されるように、被写体の像
信号のみを用いても本実施の形態の応用は可能である。
【0045】この場合、n番目のセンサ以降はn−1番
目以前のセンサの倍の幅で倍の面積としてあるので、実
際に各センサの出力は、図7(b)に示されるようにな
る。しかしながら、CPU10内のRAMのアドレス上
に入力する時は、図7(c)に示されるように、2つの
アドレスに均等に割振って2つのデータとしてから相関
演算を行うようにする。
【0046】以上説明したように、本実施の形態によれ
ば、センサのピッチを均一にしなくても、センサピッチ
の不均一を相関演算前に補正した形で、CPU内のRA
Mに展開するので、誤測距を軽減することができる。
【0047】つまり、半導体チップ上のセンサのレイア
ウトの自由度を増して、高機能、高精度の測距装置を廉
価で提供することができる。
【0048】次に、この発明の第2の実施の形態につい
て説明する。
【0049】図8は、この発明の測距装置をアクティブ
AFに応用した場合の例について説明する図である。
【0050】この第2の実施の形態では、センサアレイ
ではなく、図8(b)に示されるような抵抗層2rを有
する光位置検出素子(PSD)20を受光素子として使
用する。このPSDは、全面光電変換機能を有している
もので、光が照射されれば電流を生じるようになってい
る。
【0051】図8(b)に於いて、2dは導電層であ
り、この電流を抵抗層2rに導く。抵抗層2rは、2つ
の電極20F、20Nに接続されているので、信号光が
入射された位置に応じて、上記光電流は抵抗値に応じて
2つの電流信号に分流されて、各電極20F、20Nか
ら出力される。
【0052】この抵抗層の抵抗値が均一ならば、PSD
の真中の矢印部に光が入射されると、光電流は1:1に
分流される。しかし、図8(b)に等価的に示されるよ
うに、図示矢印部から左は高い抵抗率、右は低い抵抗率
とすると、左側が仮に200KΩ右側が50KΩとする
と、比率が2:1なので電極20Fからは1/5の電流
が、電極20Nからは4/5の電流が出力される。この
ような不連続点を有するPSDを利用したAFの測距特
性は、図8(c)に示されるようになる。
【0053】ここで、図8(a)を参照して、この関係
について説明する。
【0054】CPU10には、AFIC18を介して赤
外発光ダイオード(IRED)12′を駆動するための
ドライバ11と、上述した2つの電極20F、20Nを
有するPSD20が接続されている。上記IRED1
2′は、ドライバ11によって電流が供給され、集光投
光用レンズ13を介して被写体6に測距用光を投射す
る。距離Lを経て被写体6からの反射された信号光は、
受光レンズ1を介して、PSD20上のxのポイントに
結像する。このxは、三角測距の原理によって、 x=S・f/L となる。尚、Sは投受光レンズ間の距離、基線長であ
り、fは受光レンズの焦点距離である。
【0055】したがって、このxを求めれば、被写体距
離Lは求められるが、撮影レンズの繰り出しポイントは
1/Lに比例する傾向にあるので 1/L=x/S・f を用いてピント合わせ距離を算出すればよい。
【0056】このIC出力AFDATAは、PSD20
の2つの信号、iN とiF (各々電極20N,20Fか
ら出力される)をアナログ演算して得られるものであ
る。具体的には、iN /(iN +iF )を公知の対数圧
縮の技術等で計算する。
【0057】被写体が測距用光以外の背景光によっても
照明されている時には、AFIC18は、この背景光を
除去する回路を作動させる。信号光はパルス投光とし、
背景光と異なる周波数で動かすようにして、この周波数
差によって分離を行う方式が一般的であるので、この方
式を採用する。
【0058】図8(c)に於いて、横軸は距離Lの逆数
であり、縦軸はPSD20の出力信号をICにより上述
した方法で演算した後の結果、AFDATAである。
【0059】つまり、図8(b)に示される矢印部より
右に光が照射された場合には、その光の位置に従って、
1 の傾きでデータ変化が起こる(AFDATA=k1
×1/L+AD01)。しかし、より遠距離から光が反射
して来た場合には、抵抗率が高く、少しの位置変化で抵
抗値が比較的大きく変化するので、電流の分流が大きく
なり、1/Lに対してより大きな傾きとなる(AFDA
TA=k2 ×1/L+AD02)。
【0060】しかし、実際のIRED12′の反射信号
光スポットは、点ではなく所定の大きさを有している。
例えば、その大きさを図9に示されるように、2bとす
ると、図9(a)、(b)に示されるように、切変わり
ポイントにこのスポットがかかっている場合、k1 でも
2 でもないデータの傾きとなる。
【0061】図9(a)から図9(b)、つまり、矢印
のポイントをx0 としてスポット入射位置xがx0 −b
〜x0 +bの間は、なだらかに変化するk1 とk2 の中
間の傾き(k3 に近似可)をとる。したがって、この近
似された傾きk3 を考慮しないと、図10に示されるよ
うに、AFDATA=AD1 とAD2 の間で誤測距が起
こる(図中、Δ1/L)。
【0062】しかし、図9(c)、(d)に示されるよ
うに、全てのスポット22が、切換点の左または右に入
射した場合は、各々k2 とk1 の傾きで考えればよい。
【0063】CPU10は、AFDATAを基に距離の
逆数1/Lを算出し、この結果から撮影レンズのピント
合わせ制御を行う。ここで、1/LとAFDATAの関
係は、ICの出来映えや部品のバラつきによって変化す
るので、カメラ製造時に工場にてEEPROM17にそ
のバラつき分のデータを入力しておく。
【0064】したがって、撮影時には、CPU10はE
EPROM17内のデータを参照しながら測距を行う。
【0065】図11は、この第2の実施の形態に於ける
測距装置の測距動作を説明するフローチャートである。
【0066】先ず、ステップS21にて、CPU10に
よりEEPROM17の内容が読出される。すなわち、
傾きk1 、k2 、k3 または1/LとAFDATAの関
係の1/L=0の時のAFDATA値、AD01、A
02、AD03が入力される。
【0067】また、入射スポットの大きさのバラつき
や、ICの出力のバラつきを考慮して、傾き切変わりポ
イントのデータAD1 、AD2 もEEPROM17内に
記憶させてもよい。
【0068】次いで、ステップS22にて、IRED1
2′の発光に基く測距結果AFDATA(AD)がAF
IC18から出力される。この結果(AD)から、ステ
ップS23及びS24に於いて、所定のデータAD1
AD2 と比較される。
【0069】そして、上記ステップS23及びS24に
於ける比較結果に応じて、ステップS25〜S30に
て、各々の変換式の係数であるk、AD0 が求められ
る。
【0070】ステップS31では、上記ステップS25
〜30で得られた結果が用いられて、距離の逆数1/L
が求められる。この求められた1/Lに従って、CPU
10によりピント合わせ制御が行われる。
【0071】以上説明したように、第2の実施の形態に
よれば、近距離では反射信号光が大きいのでS/Nが良
好であることを考慮して、1/LとAFDATAの変化
の関係を小さくしておき、遠距離ではS/Nが劣化する
ので変化率を大きくして精度アップを図ったので、従
来、遠距離測距が苦手とされていたアクティブAFを、
より高精度に遠距離まで利用することが可能となる。
【0072】しかも、この特性切換えの副作用として、
切変わりポイントでの距離データ変化を十分に考慮した
ので、誤測距を起こすことなく、近距離から遠距離まで
正確なピント合わせが可能となる。
【0073】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、測距用
センサの光電変換特性に特性の切換えポイントを設け、
センサを無理なく構成すると共に、苦手な被写体を対策
すると共に、切換えポイントでの誤測距問題を対策し、
より正確な測距装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の測距装置の第1の実施の形態の構成
を示したもので、(a)は該測距装置の主要部の構成を
示した図、(b)はセンサアレイと処理回路の配置例を
示した図である。
【図2】センサアレイに入射する光のパターンを示した
もので、(a)は狭いピッチの場合の例を示した図、
(b)は粗いピッチの場合の例を示した図、(c)はピ
ッチが切変わる場合の例を示した図である。
【図3】センサアレイに入射する光の出力を示したもの
で、(a)は図2(a)に対応した例を示した図、
(b)は図2(b)に対応した例を示した図、(c)は
図2(c)に対応した例を示した図、(d)は図3
(c)に示される出力を補正した例を示した図である。
【図4】測距特性の切変わりポイントを有する受光素子
について説明するもので、(a)はセンサアレイと被写
体との関係を示した図、(b)はセンサアレイと処理回
路の関係を示した図である。
【図5】マルチAF機能を搭載したカメラの画面の例を
示した図である。
【図6】この発明の第1の実施の形態に於ける測距動作
について説明するフローチャートである。
【図7】測距用光を投光せず被写体の像信号のみを用い
た例を示したもので、(a)はセンサアレイに入射する
光のパターンを示した図、(b)は図7(a)に対応す
る出力を示した図、(c)は図7(b)の出力を補正し
た例を示した図である。
【図8】この発明の第2の実施の形態について説明する
もので、測距装置をアクティブAFに応用した場合の例
について説明する図である。
【図9】第2の実施の形態に於けるPSDとスポットと
の関係を示した図である。
【図10】AFDATAと距離の逆数1/Lとの関係を
示した図である。
【図11】第2の実施の形態に於ける測距装置の測距動
作を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1a、1b 受光レンズ、 2a、2b 受光素子(センサアレイ)、 21 、22 センサ、 5 画面、 6 被写体、 7、7a 処理回路、 8 測光センサ、 10 CPU、 11 ドライバ、 12 発光ダイオード(LED)、 13 集光投光用レンズ、 15 A/D変換回路、 16 ピント合わせ部、 17 EEPROM。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 その基線長方向を長手方向とした受光面
    と、この受光面内に設けられ光電変換特性が段階的に変
    化する特性切換えポイントとを有する受光手段と、 この受光手段の出力を受け、上記特性切換えポイントに
    またがる被写体信号を判定する判定手段とを具備し、 上記判定手段の判定結果と上記受光手段の出力とに基い
    て被写体距離を求めるようにしたことを特徴とする測距
    装置。
  2. 【請求項2】 被写体に対して測距用光を投射する投光
    手段を更に具備し、 上記判定手段は、上記受光面上に形成される上記測距用
    光による被写体からの反射光像の大きさを考慮して上記
    判定動作を行うことを特徴とする請求項1に記載の測距
    装置。
  3. 【請求項3】 上記判定手段の出力に応答して上記受光
    手段の出力信号の補正、若しくは測距結果の補正を行う
    補正手段を更に具備することを特徴とする請求項1に記
    載の測距装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100420579B1 (ko) * 2001-03-27 2004-03-02 삼성테크윈 주식회사 패시브 방식의 자동 초점 조절 장치 및 그 방법
JP2008158362A (ja) * 2006-12-25 2008-07-10 Canon Inc 焦点検出装置及び撮像装置

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