JP3064429B2 - 動体測距装置および動体測距方法 - Google Patents

動体測距装置および動体測距方法

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JP3064429B2 JP40760990A JP40760990A JP3064429B2 JP 3064429 B2 JP3064429 B2 JP 3064429B2 JP 40760990 A JP40760990 A JP 40760990A JP 40760990 A JP40760990 A JP 40760990A JP 3064429 B2 JP3064429 B2 JP 3064429B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】この発明は、例えば焦点検出出力に基づい
て撮影レンズを合焦位置に駆動するカメラの自動焦点撮
影装置などに応用され、被写体の上記撮影レンズの光軸
方向への移動に伴う焦点ずれを防ぐためにその移動速度
を検出する動体測距装置および動体測距方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、撮影レンズの光軸方向に移動する
被写体を撮影しようとした場合、そのレリーズタイムラ
グ中の被写体移動にともなって焦点ずれが発生するとい
う欠点があった。
【0003】そこで、この焦点ずれを防ぐものとして、
たとえば特開昭63−159817号公報に、第1レリ
ーズ信号に応答して測距動作を複数回行い、露光開始時
の被写体の位置を予測して撮影レンズを駆動するように
したものが開示されている。また、カメラ以外の分野で
は、たとえば特開昭62−232571号公報に示され
るように、赤外線を被測定物に投射し、その反射信号に
もとづいて被測定物の移動速度を検出する方法が提案さ
れている。ここで、上記した特開昭63−159817
号公報を例に、従来の速度検出装置について説明する。
図7において、1は被写体であり、2〜4はそれぞれ測
距装置を構成する測距用光学系、発光素子駆動回路(ド
ライバ)、距離演算回路である。
【0004】すなわち、測距用光学系2に含まれる赤外
発光ダイオード(IRED)2aが発光素子駆動回路3
によりドライブされると、IRED2aからの光が投光
用レンズ2bを介して被写体1に投光される。この被写
体1に投光された光はそこで反射された後、受光レンズ
2cによって集光され、光位置検出素子(PSD)2d
上に結像される。すると、このPSD2dからは、上記
反射信号光の入射位置に応じた信号電流I1 ,I2 が出
力される。そして、この信号電流I1 ,I2 を距離演算
回路4で処理することにより、被写体1までの距離が求
められる。
【0005】この種の速度検出装置では、タイミング回
路5にしたがって上述のごとき測距動作が所定の時間間
隔で繰り返えされる。そして、それぞれの測距結果を距
離データ記憶回路6に記憶した後、所定時間内に被写体
1がどれだけ位置を変位させたかを計算することによ
り、その移動速度が検出される。
【0006】なお、この速度検出装置は、速度変化をも
判定するために、次数判定回路7aと1次関数決定回路
7bと2次関数決定回路7cとからなる専用の関数決定
回路7を具備するとともに、撮影時点(露光開始時)に
おける被写体距離を予測するための距離予測演算回路
8、およびそれらを制御する制御回路9などを含むもの
であった。
【0007】しかしながら、上述の速度検出装置におい
て、たとえば測距用光の反射光によって測距を行う、い
わゆるアクティブ式のオートフォーカス(AF)を採用
する場合、数十cmから∞までを1つのPSDで検出し
ようとすると、検出の分解能が低下してしまい、移動速
度の検出に十分な精度が得られなくなるという問題があ
る。
【0008】一般のカメラの測距装置を時間的に2回に
分けて動作させることにより速度を求めることは、測距
誤差がほとんどない場合か、2回の測距のタイミングが
大きく離れている場合でなければ成立しないため、あま
り現実的であるとはいいがたい。すなわち、実際の測距
には必ず誤差がつきまとうものであり、またシャッタチ
ャンスを考えた場合に、速度の検出に長い時間を要する
ということは、動体測距の目的からもあり得ない技術と
なる。
【0009】この動体測距は、静止していると見なせる
ほど動きの遅い被写体については勿論のこと、動きが大
きくても遠距離にあり、被写界深度によってそれをカバ
ーすることが可能なものに関しては不要な技術である。
いい換えれば、近距離にあって、比較的に動きの大きい
被写体についてのみ、動体測距の技術が必要ということ
になる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、従来
のアクティブ式のAFでは、数十cmから∞までを1つ
のPSDで検出しようとしているため、検出の分解能が
低下される。したがって、測距の間隔を長くしなければ
ならず、結果的にレリーズタイムラグが大きくなるとい
う欠点があった。そこで、この発明は、高精度で、かつ
レリーズタイムラグの小さい動体測距装置を提供するこ
とを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、被写体距離に応じた信号を出力する測距手段と、
この測距手段からの異なる2時点における出力信号に基
づいて、上記被写体の露光時の距離を測定する動体測距
手段と、上記測距手段からの上記信号に基づいて、上記
被写体が所定距離内にあるかを判定する距離判定手段
と、この距離判定手段によって上記所定距離内にあると
判定された場合にのみ、上記動体測距手段による動体測
距処理を実行する制御手段とを備える動体測距装置を提
供する。また、被写体光の入射位置に応じた位置信号を
出力するセンサ手段と、上記位置信号に基づいて上記被
写体の距離を演算する被写体距離演算手段と、上記セン
サ手段の異なる2時点の上記位置信号に基づいて上記被
写体の移動に応じた信号を演算する動体演算手段とを備
え、上記被写体距離演算手段による上記距離の演算時に
比べ、上記動体演算手段による上記移動に応じた信号の
演算時は、上記センサ手段の検出領域を狭くする動体測
距装置を提供する。さらに、近距離から遠距離まで測距
可能な広範囲測距手段と、この広範囲測距手段よりは測
距範囲の狭い狭範囲測距手段を有する動体測距装置にお
ける動体測距方法において、上記広範囲測距手段により
被写体までの距離を測定し、この測定結果が所定距離内
にあるかを判定し、上記所定距離内にあった場合には、
上記狭範囲測距手段の異なる2時点における測距結果を
用いて、上記被写体の露光タイミングにおける距離を演
算する動体測距方法を提供する。そして、被写体距離に
応じた信号を出力する測距手段と、この測距手段からの
異なる2時点における出力信号に基づいて、上記測距手
段の出力を補正する補正手段と、上記測距手段からの上
記信号に基づいて、被写体が所定距離内にあるかを判定
する距離判定手段と、この距離判定手段によって上記所
定距離内にあると判定された場合にのみ、上記補正手段
の補正動作を有効にする制御手段とを備える動体測距装
置を提供する。このように構成された動体測距装置によ
り、まず、通常の測距動作時の広範囲測距を用いて、被
写体までの距離が求められ、検出された距離が動体補正
に有効な範囲内であれば、測距範囲が狭い狭範囲測距手
段により速度情報を得て、測距結果に速度情報を加味
し、短時間で高精度な動体測距が行われる。
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【実施例】本発明の実施例を詳述する前に、実施例の動
作の原理を説明する。通常、人の歩く速さは、約秒速1
mであるが、これを例えば、0.3秒で検出しようとす
る場合、その移動量は30cmしかない。従って、アク
ティブ式のAFにおいて、被写体距離が遠い場合には、
S/Nの劣化が原因となり検出が困難となる。また、逆
に被写体距離が近く、しかもその被写体が構図内で移動
する動体である場合、例えば、1m以下の近距離からこ
ちらに向かって歩いてくる人を撮影しようとする場合、
撮影者にぶつかる可能性がある。従って、このような被
写体を撮影する状況はきわめてまれであると考えられ
る。このように考えると、一般的な測距においては、例
えば、60cmから∞(無限大)までをカバーする必要
があるカメラの場合でも、動体検出に関しては、1mか
ら4mまでと、測距のレンジを狭くすることが可能であ
ることが分かる。このように、動体検出の場合の測距レ
ンジを狭くすることにより、近距離にある比較的に動き
の大きい被写体について、検出能力を高めて速度を求め
ることができ、測距の間隔を短くすることができる。以
下、この発明の一実施例について図面を参照して説明す
る。図1は、本発明にかかる動体測距装置の概略ブロッ
ク図である。
【0016】すなわち、CPU11はこの装置全体の制
御を司るものであり、このCPU11には、タイミング
回路13、測距回路14、および動体検出回路15が接
続されている。タイミング回路13は、上記測距回路1
4、上記動体検出回路15、およびドライバ16の駆動
のタイミングをそれぞれ制御するものである。
【0017】ドライバ16は、測距用光学系20に含ま
れる赤外発光ダイオード(IRED)21を駆動するも
のであり、上記タイミング回路13の制御により、測距
動作または動体検出動作に応じてIRED21を発光せ
しめるようになっている。
【0018】測距用光学系20は、上記IRED21
と、このIRED21からの測距用光(赤外光信号)を
被写体10に向けて投光する投光用レンズ22と、上記
被写体10からの反射光を集光する受光レンズ23a,
23bと、各受光レンズ23a,23bで集光された反
射信号光の入射位置に応じた信号電流I1 ,I2 をそれ
ぞれ発生する光位置検出素子(PSD)24a,24b
とから構成されている。この場合、PSD24bは、反
射信号光の入射面(電極c,d間)が長く、その測距レ
ンジがカメラの撮影可能範囲のすべてをカバーするよう
になっている。一方、PSD24aはその長さ(電極
a,b間)がPSD24bよりも短いため、測距レンジ
が狭くなっている。
【0019】測距回路14は、上記PSD24bの出力
信号から信号光成分を抜き出してこれをアナログ的に演
算することにより、被写体10までの距離L1 を求める
ものである。この測距回路14は、上記IRED21の
測距動作時における点灯に対応して動作されるようにな
っている。
【0020】動体検出回路15は、上記PSD24aの
出力信号を用いて被写体距離Lの時間変位量を演算する
ものである。この動体検出回路15は、上記IRED2
1の動体検出動作時における点灯に対応して動作される
ようになっており、たとえば連続発光されるIRED2
1の発光の前半と後半とで被写体距離Lの逆数1/Lに
比例する信号電流の積分方向を切り変えることによって
速度検出を行うものである。
【0021】CPU11は、動体測距を含む、測距動作
にかかるすべてのシーケンスを司り、各種演算や判定な
どを行うものである。すなわち、CPU11は、タイミ
ング回路13を介してIRED21の発光を制御すると
ともに、この発光にかかる上記測距回路14の出力にも
とづいて距離の判定(前述の動体補正が有効となる距離
に被写体10がいるかの判定)を行うようになってい
る。また、動体補正が有効となる距離に被写体10がい
ると判定されたときには、再びIRED21を発光させ
るとともに、上記動体検出回路15を動作せしめ、この
動体検出回路15の出力と上記測距回路14の出力とか
ら撮影レンズ(ピント合わせ用レンズ)の繰り出し量を
決定するようになっている。
【0022】このように本実施例では、まず、ワイドレ
ンジをカバーするPSD24bの出力を用いて被写体1
0までの最初の距離を求め、その結果が所定範囲内、つ
まり動体補正が有効となる距離に被写体10がいる場合
には、測距レンジの狭いPSD24aの出力を用いて速
度を求めるようにしたものであり、測距結果に速度情報
を加味することで精度が高く、しかも検出時間の短い動
体測距を実現しようとするものである。図2は、上述し
た動体測距にかかる動作の一例を示すものである。
【0023】たとえば今、CPU11からの信号によ
り、タイミング回路13が動作される。すると、このタ
イミング回路13の制御のもとに、ドライバ16によっ
て、測距用光を投光用レンズ22を介して被写体10に
向けて投光するIRED21が駆動される。
【0024】まず、IRED21からは、通常の測距動
作用の光が発光(たとえば、2回)される。この光の投
光による上記被写体10からの反射光は、受光レンズ2
3bを介してPSD24bに結像される。
【0025】また、このとき、上記タイミング回路13
の制御のもとに、測距回路14が動作される。したがっ
て、この測距回路14では、上記PSD24bに結像さ
れた反射信号光の入射位置に応じた信号電流I1 ,I2
にもとづいて、被写体10までの距離L1 が求められ
る。
【0026】この測距回路14における測距結果
(L1 )はCPU11に送られ、距離の判定に供され
る。すなわち、測距回路14からの被写体距離L1 の逆
数1/L1 をもとに、動体補正が有効となる距離に被写
体10がいるか否か、つまり被写体10がたとえば1m
から4mまでの距離範囲にいるか否かが判定される。
【0027】そして、このCPU11により、動体補正
が有効となる距離に被写体10がいることが判定された
とする。すると、引き続き、動体検出を行うための制御
が行われる。この場合、同様にしてIRED21が駆動
され、IRED21からは動体検出動作用の光が発光
(たとえば、12回)される。この光の投光による上記
被写体10からの反射光は、受光レンズ23aを介して
PSD24aに結像される。
【0028】また、このとき、上記タイミング回路13
の制御のもとに、動体検出回路15が動作される。した
がって、この動体検出回路15では、上記PSD24a
に結像された反射信号光の入射位置に応じた信号電流I
1 ,I2 にもとづく速度検出積分により、被写体距離L
の時間変位量(速度v)が求められる。なお、速度検出
の詳細については後述する。
【0029】上記動体検出回路15における検出の結果
はCPU11に送られ、速度の判定およびレンズ繰り出
し量の決定に供される。すなわち、動体検出回路15の
出力にもとづく速度判定の結果と、上記測距回路14の
出力にもとづく測距結果とから、ピント合わせ用レンズ
の繰り出し量が決定される。図3は、上記測距用光学系
20の基本構成を示すものである。
【0030】この測距用光学系20は、PSDを採用す
る公知の一点用測距装置を構成するものであり、被写体
10にAF用光(測距用光)を投光する、いわゆるアク
ティブ方式となっている。
【0031】今、IRED21が発光されると、その光
はAF用光となって投光用レンズ22を介して被写体1
0に投光される。すると、このAF用光は被写体10に
よって反射され、受光レンズ23を介して集光されるこ
とによりPSD24上に像となって結ばれる。
【0032】この場合、反射光の入射位置xは、三角測
距の原理により、次式(1)で示されるように、被写体
距離Lの関数として表わされる。x=S・f/L…
(1)ここで、Sは投光用レンズ22と受光レンズ23
との主点間距離(基線長)であり、fは受光レンズ23
の焦点距離で、この位置にPSD24は配置されるよう
になっている。
【0033】PSD24からは、入射位置xの関数であ
る2つの信号電流I1 ,I2 が出力される。全信号光電
流をIp0 とし、PSD24の長さをtpとすると、次
式(2),(3),(4)のようにLを表わすことがで
きる。 I1 ={(a+x)/tp}・Ip0 …(2) I2 =[{tp−(a+x)}/tp]・Ip0 …(3) ∴ I1 /(I1 +I2 )=(a+x)/tp =(1/tp)・{a+(S・f)/L} …(4) ここで、aは、IRED21の発光中心と投光用レンズ
22の主点とを結んだ線と平行な線を受光レンズ23の
主点から延ばしたときに、PSD24とクロスする点か
らPSD24のIRED21側の端までの長さである。
次に、測距レンジと測距精度との関係について説明す
る。
【0034】たとえば、測距可能な最至近の距離をLm
inとし、理想的に、PSD24の端に反射光が入射し
たときの測距が可能であるとすると、そこには、 Lmin=(S・f)/(tp−a) …(5) の関係が成立する。この式(5)からは、PSD24の
長さtpが大きければ大きいほど、測距可能な最至近の
距離Lminは小さくなり、測距レンジが広がることが
分かる。
【0035】一方、前記式(4)からは、PSD24の
長さtpが小さいほど、被写体距離Lの逆数1/Lの変
化に対して、I1 /(I1 +I2 )が大きく変化するこ
とが分かる。これは、被写体距離Lの逆数1/Lの微小
な変化を検出しようとする場合、PSD24の長さtp
が小さいほど有利であることを示しており、先に述べた
ように、測距レンジを狭くした方が測距精度が上がると
いうことにほかならない。このように、PSD24の出
力によって、被写体距離Lの逆数1/Lが得られること
が分かる。
【0036】また、速度検出では、PSD24のこのよ
うな性質上、被写体距離Lの時間変化量を求めるより
も、被写体距離Lの逆数1/Lの変化量Δ1/Lを求め
る方が処理する上で簡単なので、この変化量Δ1/Lを
求めることで速度検出を行うようにしている。すなわ
ち、この変化量Δ1/Lは、図2の(e)における速度
検出積分の波形に示すように、IRED21の連続発光
の前半と後半とで被写体距離Lの逆数1/Lに比例する
信号電流の積分方向を変えることによって、最終的に得
られる初期電圧からの差分VOUT により求めることがで
きる。
【0037】ここで、前記の図2において、動体検出の
半分の時間をt1 とすると、この変化量Δ1/Lは、 Δ1/L=(1/L3 −1/L2 )/t1 …(6) で現わすことができる。この場合、図中の(イ),
(ロ)の間も被写体10は動いているため、式(6)に
おける1/L2 は(イ)の時間帯の半分の時点での被写
体距離L2 の逆数、同じく1/L3 は(ロ)の時間帯の
半分の時点での被写体距離L3 の逆数とする。
【0038】この関係から、速度vとの間には、 L3 =L2 −vt1 …(7) が成り立つ。
【0039】これにより、速度vは、 v=(L2 −L3 )/t1 …(8) により求められる。
【0040】今、露光タイミングをtxとすると、通常
測距の結果L1 より、露光タイミングでの被写体距離L
xは、 Lx=L1 −vtx …(9) となる。ここでは、速度vが求められれば、通常測距の
結果L1 はその逆数1/L1 より必然的に求めることが
できるため、露光タイミングでの被写体距離Lxが自動
的に決定される。
【0041】 すなわち、式(6),(8)より、速度vは、v=(L
2 −L3)/t1 =L2 ・L3 ・Δ1/L …(10) となる。
【0042】また、式(10)におけるL2 ,L3 は、
図2中のt0 により、それぞれ L2 =L1 −vt0 …(11) L3 =L1 −v(t0 +t1 ) …(12)として現
わすことができる。したがって、式(10),(1
1),(12)より、速度vは、 v=(L1 −vt0 ){L1 −v(t0 +t1 )} …(13) となる。
【0043】この式(13)は速度vについての2次の
方程式である。しかし、式(13)におけるL1
0 ,t1 はすべて既知なので、速度vは簡単に求める
ことができる。
【0044】そして、得られる結果を式(9)に代入す
ることにより、露光タイミングでの被写体距離Lx、つ
まりレンズの繰り出し量にかかる目標までの距離(繰り
出し目標距離)が求められる。次に、この発明の一実施
例についてさらに説明する。
【0045】図4は、受光レンズを共有化するととも
に、PSDに中間電極を設け、通常の測距動作時と動体
検出動作時とでPSDの長さを切り換えて用いるように
構成したものである。
【0046】すなわち、図4において、23は受光レン
ズ、24は中間電極b,cを持つPSD、25〜28は
プリアンプ、29はスイッチング回路、30はCPU、
31は演算回路、32は積分回路、33はリセット回
路、34は方向切換回路、35は出力端子である。
【0047】プリアンプ25〜28は、CPU30によ
る選択/非選択に応じて、PSD24の信号出力を低入
力インピーダンスまたは高入力インピーダンスにて増幅
するものである。スイッチング回路29は、上記CPU
30からの信号に応じて、プリアンプ25〜28の選択
/非選択を切り換えるものである。演算回路31は、P
SD24からの2つの信号電流I1 ,I2 を、前記の式
(4)に比例する電流に変換するための回路である。
【0048】積分回路32は、演算回路31の出力であ
る電流信号を積分し、電圧信号として出力端子35より
出力するとともに、この積分電圧を前記CPU30に供
給するものである。リセット回路33は、上記積分回路
32における積分電圧を、測距動作または動体検出動作
にさきだってリセットするためのものである。方向切換
回路34は、動体検出動作時に上記積分回路32におけ
る積分方向を切り換えるためのものである。
【0049】CPU30は、上記スイッチング回路29
および方向切換回路34を制御して、動体測距を含む、
測距動作のすべてのシーケンスを司るものである。ま
た、上記積分回路32の積分電圧をA/D変換して取り
込み、前述の1/L1 やVOUTなどを読み込んで繰り出
し目標距離を求めるようになっている。
【0050】なお、前述した図2には示していないが、
通常測距動作時にも同じ積分回路32が用いられる。こ
の場合、方向切換回路34は動作されず、CPU30が
測距の結果(1/L1 )を読み込んだ後、その積分出力
がリセット回路33によってリセットされ、動体検出動
作に備えるように制御される。図5は、中間電極b,c
を有するPSD24の一例を示すものである。本実施例
においては、通常の測距動作時に60cmから∞までの
範囲を測距できるようにするため、PSD24の長さt
psが1.6mmとされている。
【0051】すなわち、前記した図3において、S=5
0mm、f=14mmとした場合、60cmのときのP
SD24上における反射光の入射位置xの範囲は、式
(1)より、 x60cm=(50×14)/600=1.17mm となる。したがって、0.43mmの余裕が設けられて
いることになる。
【0052】一方、動体検出動作時に、たとえば1mか
ら4mまでの間を測定するようにした場合、その範囲x
1m,x4mは、それぞれ x1m=(50×14)/1000=0.7mm x4m=(50×14)/4000=0.175mm となる。この場合のレンジは、0.7−0.175=
0.525mmとなるから、これに上記の余裕0.43
mmを加えるとすると、動体検出動作時には0.955
mmの長さだけ必要となる。
【0053】こうした考えをもとに形成されたのが図5
に示すPSD24であり、長さ(tps)が1.6m
m、幅が0.5mmとされている。そして、両端電極
a,dからそれぞれ所定の位置には中間電極b,cが設
けられている。また、このPSD24における、各動作
時の長さの比は、前述したように、1.6mm/0.9
55mm=1.68であり、測距の精度は動体検出動作
時に1.7倍近く向上されることになる。短い時間で、
微小な変化量を求める場合には、通常の測距動作時以上
の精度が要求されるため、この効果は特に有効である。
次に、図6を参照して、前記の図5に示したような中間
電極b,cを持つPSD24を用いて、測距および速度
検出を行うための動作について説明する。
【0054】まず、CPU30の制御により測距動作が
行われる。この場合、スイッチング回路29を介してプ
リアンプ25,28がオンされるとともに、プリアンプ
26,27がオフされる。また、前述したように、IR
ED(図示していない)が測距のために発光され、測距
用光が被写体に向けて投光される。そして、被写体から
の反射光は、受光レンズ23を介してPSD24に結像
される。こうして、選択されたプリアンプ25,28の
入力は低入力インピーダンスとなってPSD24からの
信号出力を増幅し、このプリアンプ25,28による増
幅信号は演算回路31に供給される。なお、非選択とさ
れたプリアンプ26,27の入力は高入力インピーダン
スとなっている。
【0055】この演算回路31に供給された増幅信号
は、ここでI1 /(I1 +I2 )に比例する電流信号に
変換される。この電流信号は積分回路32により積分さ
れた後、CPU30によって取り込まれ、積分出力、つ
まり測距結果(1/L1 )が動体検出のレンジ内に入っ
ているか否かが判断される。
【0056】測距結果が上記レンジ内に入っている場合
には、CPU30の制御により前述の動体検出動作が行
われる。この場合、スイッチング回路29を介してプリ
アンプ26,27がオンされるとともに、プリアンプ2
5,28がオフされる。また、前述したように、IRE
D(図示していない)が動体検出のために複数回発光さ
れ、その測距用光の投光による被写体からの反射光が受
光レンズ23を介してPSD24に結像される。今度
は、選択されたプリアンプ26,27の入力が低入力イ
ンピーダンスとなってPSD24からの信号出力を増幅
し、このプリアンプ26,27による増幅信号は演算回
路31に供給される。なお、非選択とされたプリアンプ
25,28の入力は高入力インピーダンスとなってい
る。
【0057】この演算回路31に供給された増幅信号は
電流信号に変換され、さらに積分回路32によって積分
される。ここでは、方向切換回路34によってIRED
の発光の前半と後半とで積分の方向が切り換えられるこ
とにより、前記図2に示したような速度検出積分が行わ
れる。
【0058】この積分出力(VOUT )はCPU30に取
り込まれ、速度の判定が行われる。また、この動体検出
結果と上記測距結果とから予測ピント位置を求めるため
の動体補正動作が行われる。
【0059】この動体補正によってレンズの繰り出し量
が求められると、この繰り出し量にしたがって撮影レン
ズが駆動される。こうして、撮影レンズが繰り出し目標
距離に対応されることにより、ピント合わせが行われ
る。上記したように、近距離にある比較的に動きの大き
い被写体については、検出能力を高めて速度を求めるこ
とができるようにしている。
【0060】すなわち、通常の測距動作時にはワイドレ
ンジでありながら、動体検出動作時にはPSDの測距レ
ンジを狭めて測定を行うようにしている。これにより、
動体検出動作時におけるPSDの検出能力を簡単に高め
ることが可能となる。したがって、PSDの検出の分解
能を十分に確保し得るため、測距の間隔が短くても、精
度の良い動体測距が実現できるものである。なお、この
発明は上記実施例に限定されるものではなく、発明の要
旨を変えない範囲において、種々変形実施可能なことは
勿論である。
【0061】
【発明の効果】以上、詳述したようにこの発明によれ
ば、高精度で、かつレリーズタイムラグの小さい動体測
距装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる動体測距装置の一実施例を示
す概略ブロック図である。
【図2】同じく、動体測距装置の動作を説明するために
示すタイミングチャート。
【図3】同じく、測距用光学系の基本構成を示す図。
【図4】この発明の一実施例にかかる具体的な回路構成
例を示すブロック図。
【図5】同じく、中間電極を有するPSDの一構成例を
示す図。
【図6】同じく、動作の概要を説明するために示すフロ
ーチャート。
【図7】従来技術とその問題点を説明するために示す速
度検出装置のブロック図。
【符号の説明】
10…被写体、11,30…CPU、13…タイミング
回路、14…測距回路、15…動体検出回路、16…ド
ライバ、20…測距用光学系、21…IRED、22…
投光用レンズ、23(23a,23b)…受光レンズ、
24(24a,24b)…PSD、25〜28…プリア
ンプ、29…スイッチング回路、31…演算回路、32
…積分回路、33…リセット回路、34…方向切換回
路。

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被写体距離に応じた信号を出力する測距
    手段と、 この測距手段からの異なる2時点における出力信号に基
    づいて、上記被写体の露光時の距離を測定する動体測距
    手段と、 上記測距手段からの上記信号に基づいて、上記被写体が
    所定距離内にあるかを判定する距離判定手段と、 この距離判定手段によって上記所定距離内にあると判定
    された場合にのみ、上記動体測距手段による動体測距処
    理を実行する制御手段と、 を具備したことを特徴とする動体測距装置。
  2. 【請求項2】 上記動体測距手段は、第1の時刻におい
    て上記距離判定手段において用いられた上記信号と、上
    記第1の時刻に続く第2の時刻における上記測距手段か
    らの上記信号に基づいて、上記被写体の露光時における
    距離を演算することを持徴とする請求項1に記載の動体
    測距装置。
  3. 【請求項3】 上記測距手段は、上記被写体に向けて投
    光する投光手段と、上記被写体からの上記投光の反射光
    を受光し、光電変換信号を出力する受光手段とを具備す
    ることを特徴とする請求項1に記載の動体測距装置。
  4. 【請求項4】 上記所定距離内は、近距離側に設定され
    ていることを特徴とする請求項1に記載の動体測距装
    置。
  5. 【請求項5】 被写体光の入射位置に応じた位置信号を
    出力するセンサ手段と、 上記位置信号に基づいて上記被写体の距離を演算する被
    写体距離演算手段と、 上記センサ手段の異なる2時点の上記位置信号に基づい
    て上記被写体の移動に応じた信号を演算する動体演算手
    段と、 を具備し、上記被写体距離演算手段による上記距離の演
    算時に比べ、上記動体演算手段による上記移動に応じた
    信号の演算時は、上記センサ手段の検出領域を狭くする
    ことを特徴とする動体測距装置。
  6. 【請求項6】 上記センサ手段は、広範囲の第1センサ
    と、この第1センサの測距範囲よりも狭い別体の狭範囲
    の第2センサとから構成される請求項5に記載の動体測
    距装置。
  7. 【請求項7】 上記センサ手段は、両端電極とその中間
    に設けられた中間電極を有する光位置検出素子であり、
    上記両端電極および中間電極の中から2つの電極を選択
    することにより、上記検出領域を異ならせることを特徴
    とする請求項5に記載の動体測距装置。
  8. 【請求項8】 上記動体演算手段による上記演算は、上
    記被写体距離演算手段によって演算された上記距離が所
    定内の場合に、実行することを特徴とする請求項5に記
    載の動体測距装置。
  9. 【請求項9】 近距離から遠距離まで測距可能な広範囲
    測距手段と、この広範囲測距手段よりは測距範囲の狭い
    狭範囲測距手段を有する動体測距装置における動体測距
    方法において、 上記広範囲測距手段により被写体までの距離を測定し、
    この測定結果が所定距離内にあるかを判定し、上記所定
    距離内にあった場合には、上記狭範囲測距手段の異なる
    2時点における測距結果を用いて、上記被写体の露光タ
    イミングにおける距離を演算することを特徴とする動体
    測距方法。
  10. 【請求項10】 被写体距離に応じた信号を出力する測
    距手段と、 この測距手段からの異なる2時点における出力信号に基
    づいて、露光タイミングにおける予測ピント位置を求め
    る動体補正手段と、 上記測距手段からの上記信号に基づいて、被写体が所定
    距離内にあるかを判定する距離判定手段と、 この距離判定手段によって上記所定距離内にあると判定
    された場合にのみ、上記動体補正手段の動作を有効にす
    る制御手段と、 を具備したことを特徴とする動体測距装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101794029B1 (ko) * 2017-03-30 2017-12-01 백선욱 자기주도 학습서

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