JP2000338109A - ニオイセンサ及びニオイ物質検出方法 - Google Patents

ニオイセンサ及びニオイ物質検出方法

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JP2000338109A
JP2000338109A JP11263260A JP26326099A JP2000338109A JP 2000338109 A JP2000338109 A JP 2000338109A JP 11263260 A JP11263260 A JP 11263260A JP 26326099 A JP26326099 A JP 26326099A JP 2000338109 A JP2000338109 A JP 2000338109A
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odor
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Mineo Ikematsu
峰男 池松
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Sanyo Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ニオイ結合蛋白質を用いて、一定の幅のあ
るニオイ物質を高感度に検出し得るニオイセンサを提供
する。 【解決手段】 本発明のニオイセンサ10は、基板16
と、前記基板16を覆う誘電性を有する電解質層13と
を備えている。また、基板16にはニオイ結合蛋白質1
2が固定され、このニオイ結合蛋白質12は、上記基板
16と電解質層13との界面15に配置されている。従
って、このニオイ結合蛋白質12にニオイ物質11が吸
着すると、この界面15の屈折率が変化し、この変化に
基づいてニオイ物質11を検知することができる。この
ニオイ結合蛋白質12としては、ウシ由来のニオイ結合
蛋白質を用いることができ、この蛋白質は、テルペノイ
ド、エステル類、アルデヒド類、芳香族等と幅広く親和
性を有するため、このような幅広いニオイ物質を特異的
に検知することが可能となる。また、屈折率の変化は、
例えば、これと関係する共鳴角の変化、光の干渉作用の
変化又は誘電率の変化として計測することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ニオイ物質を検出
するニオイセンサ及びニオイ物質の検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】商品、例えば食品などの品質の管理試験
の一つとしてニオイ検出が行われている。このニオイ検
出は、例えば、製造又は保存している食品等が劣化した
際に生じるニオイの検出や、ペットボトルなどの容器の
ニオイなどが内部の食品などに移行していることを検出
する場合などに用いられている。また、地雷の火薬のニ
オイを地表から検出することにより、地雷の存在場所な
どを検出することが試みられている。
【0003】こうしたニオイ物質の検出は、従来では、
例えば、高分子基板や膜などを用い、この基板又は膜に
ニオイ物質が付着した際の基板の導電性の変化や膜電位
の変化を測定することにより行われていた。
【0004】しかし、こうした方法では、ニオイ物質の
結合とニオイ物質以外の物質の結合とを区別することが
できないという問題がある。そのため、こうした問題を
回避するために、抗体を用いる方法が開発されている
(「J.E.Roederer and G.J.Bastiaans,Anal.Chem.,55(1
983)2333.」「K.A.Davis and T.R.,Leary,Anal.Chem.,6
1(1989)1227.」「H.Muramatsu et al.,Anal.Chem.,59(1
987)2760.」「M.Thompson et al.,IEEETrans.Ultrasoni
cs,Ferroelectrics,Frequency Control,UFFC-34(1987)1
27.」「M.Thompson et al.,Anal.Chem.,58(1986)120
6.」「F.Caruso et al.,Colloid Interface Sci.,178(1
996)104.」)。すなわち、抗体を高分子基板や膜に固定
して、この抗体に特異的なニオイ物質のみを結合させる
こととしている。そして、この抗体に特異的なニオイ物
質が結合すると、高分子基板の誘電率が変化し、また
は、膜電位が変化するため、この変化に基づいて特定の
ニオイ物質の検出が行われ、非特異的な物質の結合を排
除することが可能となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のニオイ
センサはその感度が低いもの(〜ppm)が多い。また
感度が高くても(〜ppb)、ニオイ吸着のために必要
な基板表面修飾にバリエーションが乏しく(高々十数種
類)、対応できるニオイが制限されていた。また、ニオ
イ物質に対する抗体を用いた検出法では特異性が非常に
高いため、通常非常に多数の物質から構成される“ニオ
イ”を検出するにはその種類に対応した抗体を用意する
必要があり、抗体作成に要する費用、抗体の熱的不安定
性を考慮すると現実的ではない。
【0006】これらの課題に対し本発明では、ニオイ物
質の解離が極めて少ない結合性タンパク質を使用してい
るため感度は検出時間に依存しており、従来の方法では
不可能な高感度検出を可能にしている。さらに複数のニ
オイ物質に対する結合能を有するため、抗体を利用した
センサの弱点も克服できる。
【0007】一方、種々の動物は嗅覚器官を有し、この
嗅覚器官においてニオイを検知して識別している。近年
では、この嗅覚器官のメカニズムが分子生物学的に解析
が進められている。この解析において、ニオイ物質は、
嗅覚粘膜の上皮細胞に存在する特異的な受容体と結合
し、この受容体を介して嗅覚細胞内にシグナルを伝達し
て、ニオイ物質を検知し識別を行っていることが明らか
になっている。
【0008】また、この一連のニオイ物質の検知、認識
のメカニズムの詳細な解明の中で、ニオイ物質と結合す
る蛋白(以下、ここではニオイ結合蛋白質という)が同
定、単離等されている(「J.Pevsner et al.,Science,2
41(1988)336.」)。この蛋白の生物学的作用としては、
ニオイ物質と結合して、このニオイ物質を粘膜細胞上の
受容体まで運び、受容体にニオイ物質を受け渡す役割を
有していると推測されている。また、この蛋白は、生化
学的にも解析され、一定のニオイ物質に対する結合力を
ピークとして、このニオイ物質と類似の物質に対する広
い結合力を有していることが明らかにされている(「J.
Pevsner et al.,J.Biolog.Chem.,265(1990)6118.」「M.
A.Bianchet et al.,Nature Struc.Biolog.,3(1996)93
4.」「M.Tegoni et al.,Nature Struc.Biolog.,3(1996)
863」)。特に、こうしたニオイ結合蛋白質は、遺伝子
がクローニングされているものも存在し(上記J.Pevsne
rら)大量生成を行うことも可能である。
【0009】そこで、本発明は上記課題に鑑みてなされ
たものであり、その目的は、ニオイ結合蛋白を用いて、
一定の幅のあるニオイ物質を高感度に検出し得るニオイ
センサを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のニオイセンサは、基板と、前記基板を覆う
誘電性を有する被覆層と、前記基板に固定され、前記基
板と被覆層との界面に配置されたニオイ結合蛋白質と、
を備え、前記ニオイ結合蛋白質へのニオイ物質の吸着を
前記界面の物理的変化に基づいて検知することを特徴と
する。
【0011】上記発明によれば、ニオイ物質に対して親
和性のあるニオイ結合蛋白質により、幅広いニオイ物質
の検出を高感度に行うことが可能となる。
【0012】本発明は、上記発明において、前記ニオイ
結合蛋白質が、ウシ由来のニオイ結合蛋白質であること
を特徴とする。
【0013】ウシ由来のニオイ結合蛋白質は、テルペノ
イド、エステル類、アルデヒド類、芳香族等と幅広く親
和性を有するため、このような幅広いニオイ物質を高感
度で検知することが可能となる。また、ブタ由来のニオ
イ結合蛋白質も類似の特性を有することが知られている
(M,-F,Herent et al.,Chem.Senses,20(1995)601.)。
【0014】本発明は、前記基板には、異なるニオイ結
合蛋白質がそれぞれ群を形成して、多数、配列されてい
ることを特徴とする。
【0015】ニオイ結合蛋白質は、幅広いニオイ物質に
対して親和性があるが、親和性の程度には強弱があるた
め、多数のニオイ結合蛋白質を用いることにより、その
親和性の相違からニオイ物質の同定を行うことも可能と
なる。
【0016】上記発明において、前記物理的変化を屈折
率の変化として検出することができる。ニオイ結合蛋白
質にニオイ物質が吸着したことは、直接視覚的に検知す
ることができないため、この吸着により生じる界面の物
理的変化、具体的には、屈折率の変化として検出するこ
とができる。すなわち、ニオイ結合蛋白質は、基板と被
覆層との界面に配置されるため、この蛋白質にニオイ物
質が吸着することは、界面にニオイ物質が吸着すること
となる。このニオイ物質の界面への吸着により、界面の
屈折率は変化し、この変化を検出することにより、ニオ
イ物質の吸着を検知することが可能となる。
【0017】本発明は、上記発明において、前記基板
が、光透過性を有する材料から構成され、前記ニオイ結
合蛋白質が固定される固定面には金属薄膜を備えて、前
記屈折率の変化が、前記基板の固定面と対向する面から
光を照射した際の共鳴角の変化として測定されることを
特徴とする。
【0018】上記発明によれば、屈折率の変化を、屈折
率に関連する共鳴角、すなわち、金属と誘電体との間で
生じる表面プラズモン共鳴により、入射された光エネル
ギーが表面プラズモン共鳴に移行して反射光の強度が急
激に低下又は消失する角度における変化として検出する
ことができる。
【0019】さらに、本発明は、上記発明において、前
記基板が、前記ニオイ結合蛋白質が固定される固定面に
多数の孔が形成されたシリコン板から構成され、前記屈
折率の変化が前記固定面に光を照射した際の光の干渉度
の変化として測定されることを特徴とする。
【0020】上記発明によれば、屈折率の変化を屈折率
に関連する光干渉作用の変化として簡便に検出すること
ができ、これにより、ニオイ結合蛋白質にニオイ物質が
結合したことを検知することができる。
【0021】さらに、本発明は、上記発明において、前
記基板が、導電性材料から構成され、前記ニオイ結合蛋
白質が固定される固定面には金属薄膜を備えて、前記屈
折率の変化が前記基板及び誘電性を有する被覆層から構
成されるキャパシタンスの電気容量の変化として測定さ
れることを特徴とする。
【0022】上記発明によれば、屈折率の変化と密接に
関係する電気容量の変化として簡便に測定することがで
き、これにより、ニオイ結合蛋白質にニオイ物質が結合
したことを検知することができる。
【0023】また、本発明は、試料中に含まれるニオイ
物質を、当該ニオイ物質と特異的に結合し得るニオイ結
合蛋白質に連結された検出体を介して検出する方法であ
って、前記ニオイ結合蛋白質にニオイ物質が含まれる試
料を接触させる接触工程と、前記接触工程後、前記ニオ
イ結合蛋白質が固定化された前記検出体の物理的性質を
分析する分析工程と、前記分析値を、前記ニオイ物質が
結合していない際の前記ニオイ結合蛋白質が固定化され
た検出体の物理的性質の対照分析値と比較する比較工程
とを含むことを特徴とする。
【0024】上記発明によれば、ニオイ物質に特異的に
結合し得るニオイ結合蛋白質を用いて、試料中に含まれ
るニオイ物質をニオイ結合蛋白質に結合させ、この結合
をニオイ結合蛋白質が固定化されている検出体の物理的
性質に基づき検出される。
【0025】本発明は、上記発明において、前記ニオイ
結合蛋白質が前記接触工程前に前記検出体に固定化され
ていることを特徴とする。
【0026】また、本発明は、前記ニオイタンパク質
が、接触工程後であって分析工程前に、上記検出体に固
定化されることを特徴とする。
【0027】接触工程においてニオイ結合蛋白質とニオ
イ物質とを結合させた後、ニオイ結合蛋白質を検出体に
固定化することにより、固定化難易度(固定化量)によ
ってニオイ物質の種類を識別することが可能になる。こ
の方法では、あらかじめニオイ結合蛋白質を検出体に固
定化した上でニオイ物質が結合した際の、検出体上の信
号変化によってのみニオイ物質種を定量する手法よりニ
オイ物質の結合による信号変化が大きくなる為、感度が
向上する。
【0028】本発明は、前記検出体が、ニオイ結合蛋白
質を複数固定化し得る基板であり、前記ニオイ結合蛋白
質の複数が一つの基板に連結され、前記検出体の物理的
性質が前記基板表面の屈折率であることを特徴とする。
【0029】上記発明によれば、ニオイ結合蛋白質にニ
オイ物質が結合した際の前記基板の屈折率を測定するこ
とにより、ニオイ物質の検出を行うことが可能となる。
【0030】本発明は、上記ニオイ結合蛋白質が、ウシ
由来のニオイ結合蛋白質であることを特徴とする。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態を
図面を用いて説明する。
【0032】[第一の実施形態]第一の実施形態では、図
1に示すように基板16と誘電性を有する被覆層(ここ
では、電解質層13)との間の界面15に配置されたニ
オイ結合蛋白質12にニオイ物質11が吸着した際に生
じる界面15の屈折率の変化を表面プラズモン共鳴に基
づく共鳴角の変化として検出する。
【0033】この表面プラズモン共鳴(PM)法は、詳
細にはP.B.Garlandらの文献(Quarterly Reviews of Bi
ophysics 29,(1996)91.)に記載されている。このPM
法の概要を図2に示す。図2に示すように、屈折率が異
なる2つの透明媒体1、2が接触して界面3を形成し、
かつ、そこに金属薄膜層が存在すると、この界面3に高
い屈折率側から光を全反射する条件で入射した場合、入
射光の一部はエバネッセント波4として低屈折率側に光
エネルギーが滲み出す。
【0034】また、前記金属薄膜の界面近傍において、
表面プラズモン(PM)と呼ばれる界面と垂直な電界成
分が形成される。このような界面3に、入射光5として
単色光で平行な成分のみを一定の角度で入射すると、上
述したエバネッセント波4により励起されてPM7が生
じる。このようなPM7が生じた状態を共鳴状態とい
い、この共鳴状態では、入射光エネルギーがPM7に移
行する。よって、PM7の発生により、界面3によって
反射される反射光6の強度は大きく低下することにな
る。
【0035】このような共鳴状態が形成される入射角度
は、屈折率に依存することが明らかとなっている。その
ため、このような共鳴状態を形成する入射角度を測定
し、この角度の変化から屈折率の変化を測定することが
できる。本実施形態では、屈折率の変化の測定として、
この原理を利用したものであり、詳細には、本ニオイセ
ンサの構成を図1を用いて説明する。
【0036】図1において、基板16は、光を透過する
材料、例えばガラスから構成され、後述するニオイ結合
蛋白質を固定する固定面16aには表面プラズモン共鳴
を形成し得る金属薄膜17が被覆されている。この金属
薄膜17は、表面プラズモン共鳴を形成し得る金属であ
ればよく、例えば、金、銀などから構成することができ
る。図2では、ここでは、後述するニオイ結合蛋白質を
固定する固定材の足場にもなり得る金(Au)を用いて
いる。
【0037】この金属薄膜17が形成された表面は誘電
性のある電界質液で覆われ、電解質層13が形成されて
いる。そして、この電解質層13と金属薄膜17との間
には界面15が形成される。また、上記金属薄膜17に
は、ニオイ物質を幅広く特異的に吸着し得るニオイ結合
蛋白質12が固定材14を介して固定され、このニオイ
結合蛋白質12は上記界面15に沿って配置される。
【0038】このニオイ結合蛋白質12は、検知したい
ニオイ物質11に対する親和性を有するものから任意に
選択して用いることができる。例えば、ウシのニオイ結
合蛋白質(OBP;odorant binding protein, J. Pevsner
et.al., J Biolog. Chem.265(1990)6118)の場合には、
以下の種々のテルペノイド、シクロペンタン及びジャス
ミン誘導体、エステル類、ムスク類、アルデヒド類、芳
香族類と結合し得るため、これら幅広いニオイ物質の検
知に好適に利用することができる。
【0039】上記テルペノイドには、具体的には、前記
ニオイ結合蛋白質12と高親和性のものとして、ジメチ
ルオクタノール、シトラルバ、ジハイドロミルセノー
ル、シトロネロール、中程度の親和性のものとして、酢
酸ゲラニル、シトロネラール、シトラルヂメチルアセタ
ール、ジメチルオクタン、ゲラニルアセトアルデヒド、
レチノール、イオノン、酢酸シトロネリル、ジメトー
ル、ネロール、カルボン、ゲラニオール、リナルール、
メントン、レチナール、ジメチルオクテン、ネオアロオ
シメンなどが含まれる。
【0040】上記シクロペンタン及びジャスミン誘導体
には、中程度の親和性のものとして、シスジャスモン、
ジャスマール、ジェセマール、バクダノール、メチルジ
ヒドロジャスモネート、エピメチルジヒドロジャスモネ
ートなどが含まれる。
【0041】上記エステル類には、高親和性のものとし
て、イソ吉草酸ベンジル、安息香酸ベンジルなどが含ま
れ、また中程度の親和性のものとして、イソ吉草酸ボリ
ニル、ジエチルフタレート、ベルテネックス、イソ吉草
酸オクチル、オクチルイソブチレート、ヘキシルメチル
ブチレートなどが含まれる。
【0042】上記ムスク類には、高親和性のものとし
て、ムスク89が含まれ、中程度の親和性のものとして、
コニフェラン、アムブレットリド(ambrettolide)、ガ
ラクソリド、カシメランなどが含まれる。
【0043】上記アルデヒド類には、高親和性のものと
して、テトラデカナール、アミルシナミックアルデヒ
ド、ウンデカナール、ヘキシルシナミックアルデヒド、
中程度の親和性のものとして、デカナール、ノナナー
ル、ヘプタナール、ヘプテナール、シトロネラール、ゲ
ラニルアセトアルデヒド、ピノアセトアルデヒド、ピニ
ルイソブチルアルデヒド、コカール、ミルマクアルデヒ
ドなどが含まれる。
【0044】また、上記芳香族類には、高親和性のもの
として、イソ吉草酸ベンジル、ベンゾフェノン、ヘキシ
ルシナミックアルデヒド、ヘキシルピリジン、スカトー
ルなどがあり、中程度の親和性のものとして、アグルメ
ア(agrumea)、オイゲノール、フェネチルアルコール
などが含まれる。
【0045】このように、ウシ由来のニオイ結合蛋白質
は、これら種々のニオイ物質を特異的に検知する際に好
適に利用することができる。また、ウシニオイ結合蛋白
質以外にも、ラット、ウサギ、ブタ、マウス、シカ、ネ
コ等由来のニオイ結合蛋白質(A.Felicioli et al.,Lif
e Chem.Reports,11(1994)347.)も精製されている。
【0046】また、このニオイ結合蛋白質は、天然に単
離された蛋白質である必要はなく、例えば、ニオイ結合
蛋白質をコードする遺伝子が単離又はクローニング等さ
れている場合には、この遺伝子をインビトロで翻訳させ
た蛋白質を用いることもできる。
【0047】さらに、前記ニオイ結合蛋白質をコードし
た遺伝子の塩基配列を改変し、ニオイ物質に対する親和
性の変化させたものを用いることもできる。この遺伝子
の改変方法については、既知の点突然変異導入方法、ラ
ンダムミュータジェネシスPCR、クンケル(kunkel)
法などを好適に利用することができる。
【0048】上記ニオイ結合蛋白質12を上記基板16
に固定させる固定材14は、ニオイ結合蛋白質を基板に
固定させ得るものであればよく、例えば、図3に示すN
TAリンカー20とヒスチジンタグ18とから構成する
ことができる。
【0049】図3に示すように、NTAリンカー20
は、下端にSH基20cを備え、このSH基20cを上
記基板16の金属薄膜17中のAuと結合させることに
より、NTAリンカー20が基板16に固定される。
【0050】また、NTAリンカー20には、中央にニ
オイ物質11の検出効率を高めるために炭化水素鎖20
bが備えられている。この炭化水素鎖20bを備えるこ
とにより、隣接するニオイ結合蛋白質12の間の立体障
害を解消させて基板16上に多数のニオイ結合蛋白質1
2を結合させることを可能にする。また、この炭化水素
鎖20bを用いることにより、基板に対しニオイ結合蛋
白質12が柔軟に固定されることになるためニオイ物質
11との会合率を高めることも可能となる。従って、こ
こで用いる炭化水素鎖20bは、このような効果を奏す
るものであれば、その長さ、側鎖の有無に関わらず好適
に使用することができ、さらには、親水性の置換基を有
し水との親和性が高いものをさらに好適に使用すること
ができる。一般に、リンカーは疎水性が高いほど溶液を
はじき、疎水性相互作用によって自分自身が丸まってし
まう恐れがある。そのため、タンパク質をニオイ物質に
対して開放させた状態にしておくためにはリンカー部に
高い柔軟性が求められるが、これはリンカーの親水性を
高くすることによって実現できる。このような、性質を
有するリンカーとして、簡便には、市販されているキッ
ト(Qiagen社)やセンサチップ(Sensor
Chip NTA,Pharmacia社)を使用する
ことができる。
【0051】上記NTAリンカー20の上端には、NT
A(ニトリロトリ酢酸)20aが備えられている。この
NTA20aは、キレートされたニッケル(Ni)と後
述するタグ内のヒスチジンと相互作用によって固定化す
る。
【0052】上述したNTA20aに固定されるヒスチ
ジンタグ18は、上記ニオイ結合蛋白質12と融合形成
される。このニオイ結合蛋白質12とヒスチジンタグ1
8との融合は、蛋白質に合成した後であってもよいが、
簡便かつ確実な融合を行わせるためには、ニオイ結合蛋
白質12の遺伝子とヒスチジンタグ18との遺伝子とを
つなぎ、ハイブリッド遺伝子を構成した後、このハイブ
リッド遺伝子から融合蛋白質を生成させることがよい。
従って、この融合蛋白質中のヒスチジンタグ18を上記
NTA20aに結合させることにより、上記ニオイ結合
蛋白質12が基板16に固定される。
【0053】ここでは、ヒスチジンとNTAとの結合力
を利用したが、これ代わってビオチンとアビジン(又は
ストレプトアビジン)との組合せ、又は、GST(グル
タチオンSトランスフェラーゼ)とグルタチオンとの組
合せを等を用いることができる。また、これらタグは、
単に固定用として作用するだけでなく、タグと親和性の
ある他方の物質を精製カラム等に固定させることによ
り、これらタグを有するニオイ結合蛋白質の精製にも利
用することができる。
【0054】なお、図3では、このニオイ結合蛋白質
が、基板からかなり離れて配置されているように示され
ているが、これは理解を容易にするためにニオイ結合蛋
白質を拡大して示したためであり、実際は、基板の固定
面に近接し、界面15に配置されている。
【0055】一方、上記ニオイ結合蛋白質12が固定さ
れている基板の対向面16bには、光を透過させる透明
媒体としてプリズム26が設けられている。このプリズ
ム26が設けられた対向面16bに対向するように、共
鳴角を測定するための手段が設置されている。
【0056】すなわち、基板16の対向面16bから前
記界面15に向けて光を照射する照射部30が設けられ
ている。この照射部30は、基板16に対して入射角を
変えながら光を照射し得るように構成されている。ま
た、この照射部30から照射される光は屈折率を簡便に
測定し得るように単色光が用いられている。さらに、こ
の照射部30からの単色光は、後述する表面プラズモン
共鳴を形成するために界面15に対して平行な成分のみ
照射されるように構成されている。
【0057】上記照射部30と並ぶように、界面15か
らの反射光を受光する受光部32が備えられている。こ
の受光部32には、共鳴角測定部(屈折率測定部)34
とニオイ検知部35とが備えられている。この共鳴角測
定部34は、受光部32に反射された光に基づいて共鳴
角を測定し、これに基づき、検知部35は界面15の屈
折率の変化の有無を判定して、ニオイ結合蛋白質へのニ
オイ物質の吸着の有無を検知する。
【0058】次に、上記の通り構成されたニオイセンサ
10の作用を図1を用いて説明する。
【0059】上記ニオイセンサ10によりニオイ物質の
検索を行う場合には、先ず、ニオイ物質11が結合して
いない状態における界面15の屈折率を共鳴角から求め
ておき、これを基準値として検知部35に記録する。そ
して、ニオイ検知を開始する。
【0060】照射部30から界面15に向けて光照射を
開始する。この状態で、電解質層13に空気、電解質に
溶解した固体などの被検査体を注入する。この被検査体
中にニオイ物質11が存在する場合には、ニオイ結合蛋
白質12にニオイ物質11が結合して、界面15の状態
が変化する。そのため、照射部30から入射角を変化さ
せながら光が照射された場合、受光部32において受光
される反射光の強度が低下する角度、すなわち、共鳴角
が変化する。この共鳴角は、共鳴角測定部34において
受光部32において受光された反射光に基づき測定され
る。ここで測定された値は、検知部35において、屈折
率に換算されて基準値と比較され、その差によりニオイ
結合蛋白質12にニオイ物質が吸着したと判定される。
【0061】[第二の実施形態]第二の実施形態のニオイ
センサを図4に示す。なお、このニオイセンサ40は、
「V.V.Doan and M.J.Sailor,Science,256(1992)1791.」
「V.S.-Y.Lin et al.,Science,278(1997)840.」に記載
された原理を利用したものであり、界面に配置されたニ
オイ結合蛋白質へのニオイ物質の吸着を界面により反射
された光の干渉縞に基づいて検知する点で上記実施形態
と異なる。すなわち、光の干渉作用は、界面の屈折率と
関連するため、ニオイ物質の吸着に伴う光の干渉作用の
変化に基づいて界面の屈折率の変化を検出することとし
ている。
【0062】図4において、基板42は、ボロンドープ
のp型シリコンから構成され、後述するニオイ結合蛋白
質が固定される固定面42aは、後述する光を干渉させ
得るように、電解などでエッチングが施され無数の孔4
4が形成されている。この孔44は、後述する光の干渉
縞(ファブリ・ペロー干渉縞)を形成し得るものであれ
ば、特に孔の径や深さなどは限定はないが、例えば、半
径約200nm、深さ1〜5mmとすることができる。
また、この孔44には、光を透過させ得る電解質液45
が満たされ、この孔44の表面と電解質液45の境界に
は後述する入射光を反射させる界面46が形成される。
【0063】また、この孔44の表面には、図4の円で
囲んだ部分拡大図に示すように、固定材48を介してニ
オイ結合蛋白質50が結合され、このニオイ結合蛋白質
50は、上記孔44の表面と電解質液45の境界である
界面46に配置される。このニオイ結合蛋白質50は、
上記第一の実施形態と同様にウシ由来のニオイ結合蛋白
質等を用いることができる。
【0064】この界面46に配置されたニオイ結合蛋白
質50へのニオイ物質52の吸着を検出するために、前
記界面46に向かって白色入射光53を集光照射する照
射部54が備えられている。また、この照射部54と並
んで、孔44に沿った界面から反射される干渉反射光5
5を受光する受光部56が設けられている。この受光部
56には、測定検知部58が接続されている。この検知
部58は、受光部56で受光された干渉反射光に基づい
て干渉縞を形成させ、この測定された干渉縞と、ニオイ
結合蛋白質50にニオイ物質52が吸着していない場合
の基準干渉縞とを比較し、ニオイ結合蛋白質50へのニ
オイ物質52の吸着の有無を判定する。
【0065】次に、上記実施形態のニオイセンサの作用
を説明する。
【0066】先ず、ニオイ物質が結合していない状態
で、照射部54から光を照射し、界面で反射された干渉
反射光53を受光部56で受光する。この受光した反射
光55に基づき、測定検知部58は、干渉縞を作成し、
この干渉縞を基準干渉縞として記録する。この基準値の
記録が終了すると、ニオイ物質の検知を開始する。
【0067】被検査体を基板42上に満たされた電解質
液45に添加し、照射部54から白色入射光53を基板
42に集光照射する。受光部56では、基板42から反
射される干渉反射光を受光し、測定検知部58は、この
受光した光に基づいて干渉縞を作成する。そして、ここ
で作成された干渉縞と上記基準干渉縞とを比較する。
【0068】ここで、両干渉縞が一致した場合には、界
面の干渉作用には変化がないこと、すなわち、ニオイ結
合蛋白質50にはニオイ物質52が結合せず被検査体に
はニオイ物質52が含有されていないと判定される。
【0069】一方、測定検知部58において、上記干渉
縞の比較した結果、図5に示すような周波数方向に移動
が検出された場合には、界面46の干渉作用に変化があ
ったこと、すなわち、ニオイ結合蛋白質50にニオイ物
質52が結合したことが検知され、これによって、被検
査体中にニオイ物質52が含有されていると判定され
る。
【0070】[第三の実施形態]第三の実施形態のニオイ
センサを図6に示す。このニオイセンサ60では、基板
と基板を覆う被覆層との界面に配置されたニオイ結合蛋
白質にニオイ物質が吸着した際の界面の屈折率の変化を
基板内の誘電率の変化として検出し、ニオイ物質を検知
することとしている。
【0071】図6において、基板62は、導電性を有す
る材料、例えば、カーボンから構成することができる。
この基板62には、後述するニオイ結合蛋白質が固定さ
れる固定面62aに金属薄膜66が覆われている。ここ
では、この金属薄膜66は、上記第一の実施形態と同様
にニオイ結合蛋白質を固定する固定材の足場となり得る
金(Au)を用いている。
【0072】この金属薄膜66の表面には、電解質層6
4が形成され、この電解質層64と金属薄膜66との境
界には、界面67が形成される。また、この金属薄膜6
6の表面には、第一の実施形態と同様に固定材68を介
してニオイ結合蛋白質70が固定されている。このニオ
イ結合蛋白質70は、図2では、理解を容易にするため
拡大しているため、金属薄膜66の表面から離れて示さ
れているが、実際は、金属薄膜66の表面、すなわち、
界面67に配置されている。
【0073】また、ここでは、第一の実施形態と同様に
基板をAu薄膜で修飾し、このAu薄膜に固定材68の
末端のチオール基を結合させることにより、固定材68
を基板62に固定することとしているが、これ以外に
も、次の表1に示す組合わせで基板62に固定材68を
固定することができる。
【0074】
【表1】 基板修飾 固定材の末端基 二酸化ケイ素(SiO2) アルカリシロキサン Al,Ag n-アルカン酸 Au ジアルキルジスルフィド, ジアルキルスルフィド Au,Ag,Cu及びGaAs アルカンチオール 一方、基板62には、界面に配置されたニオイ結合蛋白
質70にニオイ物質72が吸着した際の界面67の誘電
率の変化を計測するために、導線75を介して参照電極
76が接続されている。そして、この参照電極76は電
解質層64内に配置され、基板62と参照電極76と
が、導線75と電解質層64を介して回路が形成され
る。また、この参照電極76と基板62とをつなぐ導線
75内にはインピーダンス解析計74が設置されてい
る。
【0075】誘電率εは、界面67に配置されたニオイ
結合蛋白質70及び固定材68における電気容量Cと関
係を有し、この関係はC=εS/dの式として表すこと
ができる(S:電極面積、d:電極間距離)。従って、
インピーダンス解析計74では、電気容量Cを計測する
ことにより、誘電率εを算出することが可能となる。
【0076】次に、本実施形態のニオイセンサの作用を
説明する。
【0077】先ず、ニオイ物質が存在しない状態で、イ
ンピーダンス解析計74によりニオイ物質が結合してい
ない場合の電気容量Cが測定され、この値から誘電率ε
が算出されて基準値として記録される。
【0078】次に、被検査体を電解質層64に添加し、
同様にインピーダンス解析計74により電気容量Cを計
測し、この値に基づき誘電率εを求める。そして、この
誘電率εを基準値と比較し、この値が一致している場合
には、被検査体中にニオイ物質が存在しないと判定され
る。
【0079】一方、インピーダンス解析計74で計測さ
れた値に基づいて換算された誘電率εが、基準値と一致
しないには、ニオイ結合蛋白質70にニオイ物質72が
吸着していること、すなわち、被検査体中にニオイ物質
72が存在していることが検知される。 [第四の実施形態]第四の実施形態を図7に示す。上記実
施形態では、一つの基板上に一種類のニオイ結合蛋白質
を固定した場合を示したが、ここでは、一つの基板上に
異なるニオイ物質に高い親和性を示す、物質の異なる多
数のニオイ結合蛋白質をアレー状に配置させ、同時に多
数のニオイ結合蛋白質に対する吸着性(親和性)を測定
することとしている。すなわち、ニオイ結合蛋白質は、
ニオイ物質に対する親和性の程度が異なるため、多数の
異なるニオイ結合蛋白質に対する吸着性の強度を同時に
測定することにより複数のニオイ物質から構成される
“ニオイ”の種類を同定することも可能となる。
【0080】図7において、基板80には、センサ素子
82が多数配列されている。このセンサ素子82には、
それぞれ性質の異なるニオイ結合蛋白質86が固定材8
4を介して固定されている。ここで用いる多数のニオイ
結合蛋白質86は、天然に存在する親和性の異なるニオ
イ結合蛋白質を用いてもよい。また、一つのニオイ結合
蛋白質をコードする遺伝子に突然変異を導入し、ニオイ
物質に対する親和性を変化させた蛋白群を作成して用い
ることもできる。なお、図7には示していないが、これ
ら各センサ素子上のニオイ結合蛋白質は、電解質層に被
覆され、この電解質層とセンサ素子との界面に配置され
る。
【0081】この各界面に配置されたニオイ結合蛋白質
とニオイ物質の吸着は、上述した実施形態に示した共鳴
角の変化、光干渉作用の変化又は誘電率の変化のいずれ
を用いて検出してもよい。
【0082】また、基板80には、各センサ素子82上
の界面の物理的変化からニオイ物質を同定するための演
算処理部90が接続されている。この演算処理部90に
は、各センサ素子82上のニオイ結合蛋白質86との親
和性の強度が予め測定され記録されたデータベースが保
持されている。
【0083】従って、実際にニオイ物質の同定を行う場
合には、被検査体と接触させた際の各センサ素子82上
の物理的な変化から各センサ素子82上のニオイ結合蛋
白質86との親和性の強度が求められる。そして、測定
された親和性の強度値から、例えば、図7に示すような
マップ92が形成され、このマップ92と一致するデー
タベース中のニオイ物質を検索し、ニオイ物質が同定さ
れる。
【0084】一般に、一つのニオイ結合蛋白質では、幅
広いニオイ物質に対する親和性を有し、検出されたニオ
イ物質がいかなるものであるかを同定することは困難で
あるが、上記のように多数のニオイ結合蛋白質を用いる
ことにより、検出されたニオイ物質の特定を行うことが
可能となる。
【0085】[第五の実施形態]以下に第五の実施形態と
してニオイ検出方法を示す。
【0086】上述したニオイセンサの構成及び動作説明
では、図8に示す検出方法を実施する場合を説明した。
この方法の場合には、先ず、ニオイ結合蛋白質を予め基
板に固定し(S01)、その後試料をニオイ結合蛋白質
に接触させ、試料中のニオイ物質をニオイ結合蛋白質に
結合させる(S02)。この接触工程の後、基板の屈折
率を、上記実施形態のセンサの種類に対応させて、共鳴
角、干渉縞又は電気容量を介して測定する(S03)。
そして、ここで測定された測定値と、対照であるニオイ
物質が結合していないニオイ結合蛋白質が固定された基
板の屈折率の値(対照値)とを比較し(S04)、試料
接触後の測定値が対照値との間に変化があるかを判定す
る(S05)。ここで変化がない場合には、ニオイ物質
が非検出とされ(S06)、一方変化がある場合には、
ニオイ物質が検出される(S07)。
【0087】この検出方法によれば、予めニオイ結合蛋
白質が基板に固定されるため、試料をニオイ結合蛋白質
に接触させた後の工程が少なく、迅速に測定を行うこと
が可能となる。
【0088】また、ニオイ検出は、かならずしも上述し
た順序で実施する必要はなく、例えば、図9に示す順序
で実施することもできる。この図9に示す順序でニオイ
物質を検出した場合には、検出感度の向上が図られるこ
とが実験的に明らかとなっている。
【0089】すなわち、この第2の検出方法は、図9に
示す通り、先ず、ニオイ結合蛋白質と試料とを接触さ
せ、試料中のニオイ物質をニオイ結合蛋白質を結合させ
る(S11)。その後、ニオイ物質が結合した状態でニ
オイ結合蛋白質を基板に固定させる(S12)。ニオイ
結合蛋白質の基板への固定の修了後、基板の屈折率を測
定する(S13)。なお、この屈折率は、上記センサの
種類に応じて、共鳴角、干渉縞又は電気容量を介して測
定することができる。
【0090】ニオイ物質を結合させていないニオイ結合
蛋白質が固定された基板の屈折率を対照値として、この
対照値と上記において測定された測定値とを比較して
(S14)、ニオイ物質の結合による屈折率の変化の有
無を判定する(S15)。ここで屈折率が変化していな
い場合には、ニオイ物質は非検出とされ(S16)、一
方、屈折率が変化している場合には、ニオイ物質が検出
される(S17)。
【0091】
【実施例】[実施例1]ニオイ結合蛋白質遺伝子の合成 図10に示すウシ由来のニオイ結合蛋白質(OBP)遺
伝子配列の最上流の5’末端から30ベース(この配列
をOBP1という、配列番号1)と、OBP1下流部1
0ベースの相補配列を含むその下流相補配列30ベース
(OBP2、配列番号2)を用いて表2に示す条件でP
CRを行い、50ベースのフラグメントを得た(OBP
1/2、配列番号3)
【表2】 同様にOBP2下流10ベースを含む相補配列30ベー
ス(OBP3:配列番号4)を合成し、このOBP1/
2と共に、PCRを行い、OBP1/3を得た。
【0092】上記と同様に順次合成フラグメント長を伸
長させていき、最終的にOBP遺伝子の全長を合成し
た。
【0093】[実施例2]pETベクターへのOBPのク
ローニング及び大腸菌BL21の形質転換 図10に上記制限酵素部位NdeI配列を含む順方向の
プライマー1(配列番号5)とHindIII配列を含
む逆方向のプライマー2(配列番号6)とをそれぞれ合
成した。
【0094】これらプライマー1、2を用いて、OBP
遺伝子をPCRにより増幅し、結果として、それぞれの
末端にNdeI配列、HindIII配列を有するOB
P-NHを合成した(図10(Y))。
【0095】pET28a(+)(Novagen社)
をNdeIとHindIIIで切断後、カラム(Qia
gen製)を用いて精製し、脱リン酸化した。上記OB
P−NHとpET vectorをライゲーションし、
pETOBP−His(OBPのN端末にヒスチジン6
つをもつ融解タンパク質をコードする遺伝子保持)を得
た。
【0096】エレクトロポーレーション(Biorad
社)を用いてpETOBP−Hisを大腸菌BL21コ
ンピテント細胞に導入し、形質転換を行った。形質転換
したBL21/pETOBPをカナマイシン(30μg
/ml)を含むLBアガロースプレートに植え、37℃
一昼夜インキュベートし、pETOBP−Hisを有す
るBL21コロニーを得た。
【0097】[実施例3]OBPの大量発現と精製 BL21/pETOBPコロニーを5ml LB培地
(kan+)に移し、37℃で一昼夜振とうし、前培養
を行った。この前培養液を200mlのLB培地(ka
+)に移し、37℃で3時間振とう培養した。ここで
IPTGを1mMになるように添加し、さらに3時間振
とう培養した。
【0098】この培養液を4℃、3000rpmで30
分間遠心した後、上澄みを捨て、残ったペレットを−1
10℃で一昼夜冷凍保存した。この冷凍ペレットを氷上
で30分間放置した後、溶菌バッファ10mlに再懸濁
した。この懸濁液にリゾチームを1mg/mlとなるよ
うに添加し、氷上で、さらに30分間放置した。その
後、懸濁液を氷水につけた状態で、超音波破砕器で10
秒毎にオン/オフを繰り返して、2分間細胞を破砕処理
した。
【0099】処理後の細胞液を4℃、17000rpm
で30分間遠心し、上澄みにNi−NTAアガロース
(Qiagen社)を2.5ml加え、4℃でゆっくり
1時間回転させた。この上澄みをカラムに充填した後、
洗浄バッファ(4ml)で2回洗浄し、溶出バッファ
(500μl)で6回に分けてOBPを溶出した。
【0100】尚、本実施例3で用いたバッファの組成を
表3に示す。
【0101】
【表3】 [実施例4]BiacoreXによるOBPとゲラニオ
ールの結合(吸着)測定 NTAセンサーチップ(Pharmacia社)をセッ
ト後、温度を20℃に設定し、表4に示した溶出バッフ
ァによってプライミングを行った。その後ベースが安定
化したことを確認して、温度が設定値に達するまで流速
20μl/minで溶出バッファを継続的に流した。
【0102】再生溶液(30μl)を流速10μl/m
inで添加し、余分な2価カチオンを除去した。次に、
Ni溶液(30μl)を流速10μl/minで添加
し、NTAにNiをキレートさせた。精製したOBP
(20μl)を流速2〜5μl/minで添加し、セン
サーチップ上にOBPを固定化した。
【0103】1μMゲラニオール(20μl)を流速1
0μl/minで添加し、OBPへの結合を計測し、O
BPにゲラニオールが吸着することが確認できた(図示
せず)。
【0104】尚、本実施例4で用いたバッファの組成を
表4に示す。
【0105】
【表4】 [実施例5]OBP結合特性の温度依存性測定 ここでは、精製したOBPを30℃で24時間インキュ
ベートしたものと、50℃で4時間インキュベートした
ものを準備した。上記と同様に、1μMゲラニオール
(20μl)を流速10μl/minで添加し、OBP
への結合を測定した。結果を図11に示す。
【0106】図11に示すようにゲラニオールはOBP
に結合し、一定の流速で継続的に添加すると時間の経過
とともにゲラニオールの結合量が増加することが示され
た。この結果から、ゲラニオール存在の有無だけでな
く、結合量(相対的に存在量)をも測定することができ
ることが示された。よって、このニオイセンサは、ニオ
イ物質の有無を検知できるだけでなく、ニオイ物質の定
量をも行うことができることが明らかとなった。
【0107】特に、ここで用いたOBPは、30℃で2
4時間放置したものであるが、ゲラニオールとの結合力
が若干低下したものの、依然として結合活性が残存して
いた。従って、このOBPは、常温以上の30℃におい
ても比較的安定な蛋白であり、常温でのニオイ物質の検
出に有効に使用することができる。
【0108】また、ゲラニオール添加後には溶出バッフ
ァを流したが、この溶出バッファの添加ではゲラニオー
ルの解離は見られなかった。このことからOBPとニオ
イ物質であるゲラニオールとの結合が強固であることが
示された。
【0109】[実施例6]遺伝子突然変異誘導によるO
BP特性の改変 タンパク質遺伝子への突然変異導入による特性改変につ
いては、文献(M.M.Ling and B.H.Robinson,Anal.Bioch
em.,254(1997)157.)に詳細がある。ここでは、代表的
手法であるrandom mutagenesis(J.
C.Moore and F.H.Amold,Nature Biotech.,14(1996)45
8.)とDNA−shuffling(W.P.C.Stemmer,Pr
oc.Natl.Acad.Sci.USA,91(1994)10747.)について簡単
に説明する。
【0110】(1)Random Mutagenes
is(error−prone PCR) PCRによって遺伝子を増幅する場合、反応溶液には通
常、数mMのMgCl 2を入れるが、この濃度を高める
とランダムに突然変異が発生する確率が高くなる。ま
た、核酸をつなぐ役割を担っているポリメラーゼも種類
によって変異導入の割合が異なるため、この目的には正
確度が低いTaqポリメラーゼが用いられる。以下の表
5及び6に、p−ニトロベジルエステラーゼに対するr
andommutagenesis PCRの条件を示
す(J.C.Moore and F.H.Amold,Nature Biotech.,14(199
6)458.)。
【表5】
【表6】 表6の組成の反応液を調整し、表6に示す条件でPCT
を実施する。このPCR条件で、1000ベースに平均
1箇所の変異を挿入することができる。
【0111】(2)DNA−shuffling DNA−shufflingは、error−pron
e PCRで特性変化を起こさせたタンパク質遺伝子を
DNAseによって切り、それを再度つなぎ合わせるこ
とによって変異の塊ごと入れ替える方法である。これに
よってerror−prone PCRよりも大幅な変
異を導入することができる。従って、この方法によれば
OBPの親和性を劇的に変化させることができる。
【0112】[実施例7] ニオイ検出方法の改善及びO
BPとニオイ物質との結合の経時的変化 上記センサによるニオイ検出方法を改善することを試み
た。上記実施例においてはOBPを予めセンサの基板等
の固定し、その後にニオイ物質を含む試料を接触させて
いたが、本実施例7では、センサ基板にOBPを固定す
る前に、このOBPを試料と混合させ、試料中のニオイ
物質をニオイ結合蛋白質に結合させることとした。ま
た、本実施例では、OPBとニオイ物質とを混合させた
後の反応時間により、センサ感度に影響を与えるかを調
べた。なお、ここではニオイ物質を含む溶液として0.
0002%ローズマリー溶液を用い、Biacore装
置を用いて試験を行った。
【0113】Biacoreセンサチップを再生する。
この再生は、再生溶液(上記表4)30μlを流速10
μl/minにて添加し、ニッケルを除去する。次に、
同流量のニッケル溶液30μlを添加して、センサチッ
プ上のNTAにニッケルをキレートさせる。
【0114】チップの再生が修了したら、OBPを最終
濃度1μMになる様に上記ローズマリー溶液に溶解し
て、OBPとニオイ物質との混合液を調製する。この混
合後、「混合後0時間目」の試料として、この混合液1
0μlを流速2μl/minで添加し、チップへの固定
化量を屈折率に基づいてを測定する。なお、残りの混合
液は25℃で保温する。
【0115】「0時間目」の測定が修了したら、再び、
上述した操作によりチップの再生を行い、混合後30分
経過したら、再び、25℃で保存されていた混合液10
μlを同一の流速でチップ上に添加し、チップにニオイ
物質が結合したOPB等を固定化する。そして、この時
の固定化量を「反応30分後」の測定値とする。
【0116】この操作を繰り返して、反応後「1時
間」、「1時間半」、「2時間」、「二時間半」の固定
化量を測定する。この測定値をグラフ化したものを図1
2に示す。
【0117】図12に示す通り、混合後、1時間から1
時間半の時点でもっとも固定化量が多く、センサ感度が
最大となることが示された。
【0118】[実施例8] 固定化量におけるニオイ物質
の依存性 次に、種々のニオイ物質とOBPとの混合液をチップ上
に添加した際の固定化量に違いがあるかを調べた。
【0119】ここでは、ニオイ物質として、シネオー
ル、酢酸リナリル、α−ピネン、ゲラニオール、シトロ
ネロール、酸化シトロネロールを用い、これらをそれぞ
れ溶出バッファに溶解して108M溶液とした。なお、
この酸化シトロネロールは、シトロネロールを50℃下
で16時間、空気に曝して調製した。
【0120】OBPの最終濃度が0.5μMとなる様
に、上記ニオイ物質の溶液で溶解し、OPB/ニオイ物
質混合液を調製した。この混合液をそれぞれ25℃で1
時間保温し、保温後の混合液を再生済みのチップ上に流
速2μl/minにて10μl添加して、それぞれの固
定化量を測定した。その結果を図13に示す。
【0121】図13に示すように、「バッファのみ」
(すなわち、ニオイ物質非添加のOBPのみ)のコント
ロールと比較すると、それぞれ固定化量に変化があるこ
とが示された。また、この結果から、シネオール、αー
ピネン及びゲラニオールを含む群と酢酸リナールと、シ
トロネロールとを識別することができることが示され
た。
【0122】さらに、シトロネロールと、酸化シトロネ
ロールとの結果より、酸化によりOBPの固定化量が変
化して、固定化量に差が生じることが示された。従っ
て、この方法によれば、シトロネロールにおける酸化の
有無を検出することができることが明らかになった。ま
た、ここでは、シトロネロールにおける酸化の有無の検
知が可能であることを示したが、このシトロネロールに
限らず、このように酸化の有無により固定化量に差が生
じるものであれば、どのようなものにも適用することが
できる。
【0123】
【配列表】 配列番号:1 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:その他 合成DNA 配列 ATGGCGCAAG AGGAGGAAGC TGAGCAAAAT 30 配列番号:2 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:その他 合成DNA 配列 GGTCCTGAAA GCTCTGAGAG ATTTTGCTCA 30 配列番号:3 配列の長さ:50 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:その他 合成DNA 配列 ATGGCGCAAG AGGAGGAAGC TGAGCAAAAT CTCTCAGAGC TTTCAGGACC 50 配列番号:4 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:その他 合成DNA 配列 CAATGTACAC TGTTCTCCAT GGTCCTGAAA 30 配列番号:5 配列の長さ:18 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:その他 合成DNA 配列 TCAGTCCATA TGGCGCAA 18 配列番号:6 配列の長さ:18 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:その他 合成DNA 配列 TGCAAAGCTT CTATTCAG 18
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、ニオイ結
合蛋白質を用いることにより幅広いニオイ物質を特異的
に検出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第一の実施形態のニオイセンサの全体構成を
示す図である。
【図2】 第一の実施形態のニオイセンサの原理を示す
図である。
【図3】 第一の実施形態におけるニオイ結合蛋白質の
基板への固定化方法を示す図である。
【図4】 第二の実施形態のニオイセンサの全体構成を
示す図である。
【図5】 第二の実施形態のニオイセンサにおいて、干
渉縞のシフトによりニオイ物質が検知される場合の結果
を示すグラフである。
【図6】 第三の実施形態のニオイセンサの全体構成を
示す図である。
【図7】 第四の実施形態のニオイセンサの全体構成を
示す図である。
【図8】 第五の実施形態におけるニオイ検出方法のフ
ローチャートを示す図である。
【図9】 第五の実施形態における第二のニオイ検出方
法のフローチャートを示す図である。
【図10】 実施例におけるOBP遺伝子の合成経過を
示す図である。
【図11】 実施例のニオイセンサにおけるOBPへの
ゲラニールの吸着を示すグラフである。
【図12】 実施例7におけるOBPとニオイ物質との
混合時間とチップ上へのOBPの固定化量への経時的変
化を示すグラフである。
【図13】 実施例8における各種イオン物質における
固定化量の依存性を示すグラフである。
【符号の説明】
10,60 ニオイセンサ、11,52,72 ニオイ
物質、12,50,70 ニオイ結合蛋白質、13 電
解質層、14,68 固定材、15,46 界面、1
6,42,62 基板、17,66 金属薄膜、44
孔、30,54照射部、32,56 受光部、74 イ
ンピーダンス解析計。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C12N 1/21 C12N 1/21 15/09 ZNA C12P 21/02 C C12P 21/02 C12N 15/00 ZNAA Fターム(参考) 2G059 AA05 BB01 CC20 EE02 EE04 EE09 FF04 FF06 GG10 JJ12 KK01 MM01 MM05 MM10 2G060 AA01 AB26 AF06 AF10 AG05 4B024 AA11 AA19 BA80 CA07 CA20 DA06 EA04 GA14 GA19 GA25 HA03 4B064 AG01 CA02 CA19 CC01 CC24 CD09 CE02 CE03 CE10 DA13 4B065 AA26X AA90Y AB01 AC14 AC16 BA03 BA16 BB01 BC01 BC03 BC26 BD01 BD14 BD15 CA24 CA46

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板と、前記基板を覆う誘電性を有する
    被覆層と、前記基板に固定され、前記基板と被覆層との
    界面に配置されたニオイ結合蛋白質と、を備え、 前記ニオイ結合蛋白質へのニオイ物質の吸着を前記界面
    の物理的変化に基づいて検知することを特徴とするニオ
    イセンサ。
  2. 【請求項2】 前記ニオイ結合蛋白質が、ウシ由来のニ
    オイ結合蛋白質であることを特徴とする請求項1に記載
    のニオイセンサ。
  3. 【請求項3】 前記基板には、異なるニオイ結合蛋白質
    がそれぞれ群を形成して、多数、配列されていることを
    特徴とする請求項1に記載のニオイセンサ。
  4. 【請求項4】 前記物理的変化が屈折率の変化であるこ
    とを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のニオイ
    センサ。
  5. 【請求項5】 前記基板は、光透過性を有する材料から
    構成され、前記ニオイ結合蛋白が固定される固定面には
    金属薄膜が備えられ、 前記屈折率の変化が、前記基板の固定面と対向する面か
    ら光を照射した際の共鳴角の変化として測定されること
    を特徴とする請求項4に記載のニオイセンサ。
  6. 【請求項6】 前記基板は、前記ニオイ結合蛋白質が固
    定される固定面に多数の孔が形成されたシリコン板から
    構成され、 前記屈折率の変化が前記固定面に光を照射した際の光の
    干渉条件の変化として測定されることを特徴とする請求
    項4に記載のニオイセンサ。
  7. 【請求項7】 前記基板は、導電性材料から構成され、
    前記ニオイ結合蛋白質が固定される固定面には金属薄膜
    が備えられ、 前記屈折率の変化が、前記基板及び前記被覆層から構成
    されるキャパシタンスの電気容量の変化として測定され
    ることを特徴とする請求項4に記載のニオイセンサ。
  8. 【請求項8】 試料中に含まれるニオイ物質を、当該ニ
    オイ物質と特異的に結合し得るニオイ結合蛋白質が固定
    化された検出体を介して検出する方法であって、 前記ニオイ結合蛋白質にニオイ物質が含まれる試料を接
    触させる接触工程と、 前記接触工程後、前記ニオイ結合蛋白質が固定化された
    前記検出体の物理的性質を分析する分析工程と、 前記分析工程における分析値を、前記ニオイ物質が結合
    していない際の前記ニオイ結合蛋白を連結させた検出体
    の物理的性質の対照分析値と比較する比較工程とを含む
    ことを特徴とするニオイ物質検出方法。
  9. 【請求項9】 前記ニオイ結合蛋白質が、前記接触工程
    前に前記検出体に固定化されていることを特徴とする請
    求項8に記載のニオイ物質検出方法。
  10. 【請求項10】 前記ニオイ結合蛋白質が、前記接触工
    程後であって、前記分析工程前に前記検出体に固定化さ
    れることを特徴とする請求項8に記載のニオイ物質検出
    方法。
  11. 【請求項11】 前記検出体が、ニオイ結合蛋白質を複
    数固定化し得る基板であり、前記ニオイ結合蛋白質の複
    数が一つの基板に連結され、 前記検出体の物理的性質が前記基板表面の屈折率である
    ことを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載のニ
    オイ物質検出方法。
  12. 【請求項12】 前記ニオイ結合蛋白質が、ウシ由来の
    ニオイ結合蛋白質であることを特徴とする請求項8〜1
    1のいずれかに記載のニオイ物質検出方法。
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