JP2000337986A - 静電容量型圧力検出素子およびその製造方法 - Google Patents

静電容量型圧力検出素子およびその製造方法

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JP2000337986A
JP2000337986A JP11150203A JP15020399A JP2000337986A JP 2000337986 A JP2000337986 A JP 2000337986A JP 11150203 A JP11150203 A JP 11150203A JP 15020399 A JP15020399 A JP 15020399A JP 2000337986 A JP2000337986 A JP 2000337986A
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Seiichi Yokoyama
誠一 横山
Fumio Kaize
文男 海瀬
Yukimitsu Sekimori
幸満 関森
Naohiko Maruno
尚彦 丸野
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Nagano Keiki Co Ltd
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Nagano Keiki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低流量域での微小な差圧を検出するための感
度を維持しつつ、高流量域での応答性を確保でき、しか
も、同相の圧力振動が印加される場合においても、誤っ
た交番差圧の検出を防止できる静電容量型圧力検出素子
およびその製造方法を提供する。 【解決手段】 ダイアフラム1と、それを挟んでそのダ
イアフラムの周縁部両面に接合された2枚の絶縁部材
4,5とを有する静電容量型圧力検出素子において、絶
縁部材に形成された圧力導入口8,9のダイアフラム1
に面する端部における面積A1、A2が、ダイアフラム
1の感応部1Aの面積Bの1/5ないし1/50の範囲
であって、(A1−A2)/Bが1/300以内とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、静電容量型圧力検
出素子およびその製造方法に関する。とくに、気体の流
量計のうちフルイディック式流量計など、気体の振動を
利用した流量計において、気体の振動を検出するのに好
適な静電容量型圧力検出素子およびその製造方法に関す
る。
【0002】
【背景技術】フルイディック式流量計は、流路に設けた
フルイディック素子に生じる流体振動(フルイディック
発振という)の周波数が流量に比例することを利用する
もので、構造が簡単で可動部がなく、しかも、レンジア
ビリテイが大きいことから、流体の体積流量を精度よく
測定できる。これは、フルイディック発振が流量に比例
して変化する周波数の交番差圧を発生するため、この交
番差圧を直接検出することにより流量を測定するもので
あるが、そのため、このフルイディック発振周波数の交
番差圧を検出する素子として差圧検出素子が必要とな
る。
【0003】従来からある静電容量型圧力検出素子を、
フルイディック発振周波数の交番差圧を検出するために
使うなら、具体的には図6に示す差圧検出素子がある。
これは、シリコン製のダイアフラム1と、このダイアフ
ラム1を挟んで接合されかつダイアフラム1との間に空
隙2,3を有するガラス製の2枚の絶縁部材4,5とを
備える。ダイアフラム1は、中央部が薄肉部に加工さ
れ、この薄肉部が圧力に応じて変位する感応部1Aとさ
れている。各絶縁部材4,5には、前記ダイアフラム1
と対向する面に電極6,7がそれぞれ形成されていると
ともに、ダイアフラム1の中央部分と対向する位置に前
記空隙2,3に連通する圧力導入口8,9が貫通形成さ
れている。
【0004】差圧検出素子の両面に差圧が生じると、圧
力は圧力導入口8,9を経てダイアフラム1と電極6,
7が形成された絶縁部材4,5とで形成される空隙2,
3に伝播していき、ダイアフラム両面の差圧とダイアフ
ラム剛性がつり合う位置にダイアフラム1が変位され
る。このとき、ダイアフラム1とその両側の電極6,7
との間の静電容量が変化する。この静電容量変化が、差
圧検出素子とは別に設けられた電気回路によって電気信
号に変換され、差圧として検出される。
【0005】この静電容量型の差圧検出素子は、専ら圧
力導管内部の差圧検出に用いられるため、圧力導入口径
を大きくすると、片側からの過大な圧力によって、ダイ
アフラム1が絶縁部材4,5に押し付けられたとき、ダ
イアフラム1が圧力導入口8,9から破れ飛散する虞が
あるため、圧力導入口8,9の径を小さくしていた。ち
なみに、図6に示す静電容量型の差圧検出素子のサイズ
は、概略、以下のサイズ、ないし、これらの1/3程度
のサイズである。すなわち、外形は10×10mmの四
角形、ダイアフラム1の厚さ10μm、ダイアフラム1
と絶縁部材4,5とで形成される空隙2,3は両側とも
に同じ大きさの15μm、絶縁部材4,5を貫通する圧
力導入口8,9の口径は直径1mmである。具体的に
は、外形が7×7mmの四角形で、ダイアフラム1の感
応部1Aの直径が5mmのとき、圧力導入口8,9の直
径が0.5mm程度である。
【0006】上述した静電容量型の差圧検出素子は、マ
イクロマシニング技術により製作されるため、差圧検出
時の内容積変化が少なく、流路に対称性があるから、単
に差圧の検出だけでなく、同相圧力の変動に感度を持ち
にくい構造の静電容量型圧力検出素子である。また、外
形が四角形をしているのは、多数の素子の絶縁部材要素
が形成された1組の大きな絶縁部材ウェーハとダイアフ
ラム要素が形成されたシリコンウェーハとを接合し、そ
の接合ウェーハから切り出すことにより1度に多数の素
子を作るためである。
【0007】従来、圧力導入口の加工方法としては、絶
縁部材の材質がガラスであることから、ドリル加工、超
音波加工、サンドブラスト加工などが用いられている
が、品質とコストの関係で超音波加工、あるいは、サン
ドブラスト加工が最も多く用いられている。超音波加工
は、図7に示すように、加工する圧力導入口の1つ1つ
に対応する位置にワイヤー11が埋め込まれた超音波加
工用ホーン12を用い、これを超音波を印加しながら、
研磨砥粒中で絶縁部材ウェーハ(多数の素子の絶縁部材
要素が形成可能なウェーハ)10に押し付けて圧力導入
口を加工する方法である。この加工方法によって加工さ
れた圧力導入口は、図6に示すように、外側開口端部か
らダイアフラム1の対向面端部まで径が等しい円柱状に
形成される。サンドブラスト加工は、図9に示すよう
に、加工する圧力導入口の1つ1つに対応する位置に孔
21を開けたゴムレジスト(加工用マスク)22を絶縁
部材ウェーハ10のダイアフラム対向面とは反対側面に
貼り、その上から数十ミクロンの砥粒をエアで吹きつけ
て絶縁部材ウェーハ10に圧力導入口を加工する方法で
ある。この加工方法によって加工された圧力導入口は、
図8に示すように、外側開口端部からダイアフラム1の
対向面端部に向かうに従って径が次第に小さくなるテー
パ状に形成される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この差圧検
出素子に必要な特徴としては、低流量域での微小な差圧
を検出できるような差圧感度と、高流量域での応答性で
あり、さらには、気体そのものの圧力が動的に変動して
も同相圧力の変動を差圧変動と誤認して応答することの
無い特性が求められる。従来の静電容量型圧力検出素子
を流体振動の交番差圧検出に用いると、高流量域での応
答性に問題が生じた。これは、圧力導入口径が小さすぎ
たことが要因の1つと考えられる。
【0009】また、使用環境によっては、流路内の圧力
が頻繁に変動する場合がある。また、流体のフルイディ
ック発振周波数の高い領域では、流体の圧力もまた高低
に振動し、フルイディック発振の差圧だけでなく、圧力
検出素子に同相の圧力振動が印加される場合がある。こ
のとき、急激な圧力変化によってダイアフラムの両側に
生じる力のバランスが一時的に崩れるような容量変化を
生じて、瞬間的に誤って交番差圧が印加されるような信
号を検出することがあった。これは、2つの絶縁部材に
開けられた圧力導入口の大きさなどに差異があることが
要因の1つと考えられる。
【0010】圧力が頻繁に変動する場合、まず、圧力は
圧力導入口開口部のダイアフラムに印加され、引き続き
開口部近傍の15μm以下の空隙を通して奥の空隙全体
へと広がりながら、次第にダイアフラムの両面全体に圧
力が伝達していく。この過程で伝達される圧力がダイア
フラムの両面で常に平衡しているとダイアフラムは変位
しない。
【0011】圧力導入口に印加された圧力が、ゆっくり
とした変化である場合は、絶縁部材を貫通する圧力導入
口の孔径はそれぞれが多少異なっていても、差圧として
検出されない。しかし、圧力が急変する場合は、伝達さ
れる圧力がダイアフラムの両面で平衡しきれずに、ダイ
アフラムに変位を生じさせてしまう。この誤作動の現象
は差圧検出時の流路の対称性を高めることで防止できる
ことは推定されていたが、今まで、流路の対称性の必要
レベルや、特にどの部分が大きく影響しているかについ
ては把握できていないのが実状である。
【0012】本発明の目的は、このような課題を解決
し、低流量域での微小な差圧を検出するための感度を維
持しつつ、高流量域での応答性を確保でき、しかも、同
相の圧力振動が印加される場合においても、誤った交番
差圧の検出を防止できる静電容量型圧力検出素子および
その製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】今まで、静電容量型圧力
検出素子の圧力導入口は超音波加工やサンドブラスト加
工であるため均一であり、さらに、ダイアフラムと電極
が形成された絶縁部材とで形成される空隙も、マイクロ
マシニング技術により製作されるため均一であり、圧力
検出素子としては十分な対称性の管理がなされているも
のと考えられていた。
【0014】ところが、原因究明のためのいくつかの測
定と試験を行った結果、フルイディック発振の差圧検出
に用いる圧力検出素子としては十分な対称性が確保され
ていず、とりわけ、性能への影響度合の大きさに対して
流路の対称性を確保しにくい部分は、静電容量型圧力検
出素子の絶縁部材を貫通する圧力導入口の孔径のうち、
特にダイアフラムに面する部分の圧力導入口端部孔径で
あることを突き止めた。この部分が加工時のチッピング
などにより成り行きにまかされており、回路や要求され
るスペックにもよるが、通常の使用環境において、ダイ
アフラムに面する部分の圧力導入口端部の互いの孔径の
誤差が、圧力導入口端部の面積の差に換算して、概ねダ
イアフラム総面積の1/300以上になると性能への影
響が大きくなることが判った。また、これが1/100
0以下になるとほとんど性能への影響はなくなり、ダイ
アフラム側の圧力導入口端部とダイアフラムとの間隔な
どの、他の要素が支配的となる。
【0015】この素子では両側の2枚の絶縁部材から引
きだされる電極とダイアフラムの電位を素子の一方の側
から取り出すことができるように、絶縁部材にはそれぞ
れ固有の加工穴が設けられているため、絶縁部材の圧力
導入の加工方法として超音波加工を用いた場合、絶縁部
材の各々に対して、相応の加工孔に対応した専用の超音
波加工用ホーンを用いて加工することになる。その結
果、2枚の絶縁部材の圧力導入口として同一サイズの孔
を開けようとしてもホーンが異なるため、超音波の伝わ
り方や隣のピンの振動の干渉量が異なり、同一サイズの
孔に仕上がらず、圧力導入口端部孔径も50〜100μ
m程度ばらつく場合がある。
【0016】また、絶縁部材の圧力導入口の加工方法と
してサンドブラスト加工を用いた場合、両側の2枚の絶
縁部材の圧力導入口は加工コストを抑えるため、図9の
ごとく1方向から加工している。この場合、加工孔の断
面形状がテーパーとなるから(図8参照)、ダイアフラ
ムと対向する電極の有効面積を大きくとるために、加工
方位は絶縁部材のダイアフラム対向面とは反対面側から
開けることが行われていた。このような加工方法では、
サンドブラスト加工装置の加工条件が多少変化しただけ
で、微妙にダイアフラムと対向する面の圧力導入口端部
孔径のサイズが異なってしまうことがあり、結果、誤っ
た交番差圧の信号を検出する素子ができてしまうことが
ある。
【0017】本発明の静電容量型圧力検出素子は、上記
目的を達成するため、次の構成を採用する。請求項1に
記載の発明は、中央部分が圧力に応じて変位する感応部
とされかつその感応部に電極部を有するダイアフラム
と、このダイアフラムを挟んでそのダイアフラムの周縁
部両面に接合された2枚の基板とを有し、この2枚の基
板にはダイアフラムとの対向面に静電容量を生じさせる
ための電極が形成され、かつ、各基板を貫通して前記ダ
イアフラムと電極を含む基板とにより形成された空隙に
連通する圧力導入口を有する静電容量型圧力検出素子に
おいて、前記各基板に形成された圧力導入口のダイアフ
ラムに面する端部における面積A1、A2が、ダイアフ
ラムの感応部の面積Bの1/5ないし1/50の範囲で
あって、(A1−A2)/Bが1/300以内であるこ
とを特徴とする。
【0018】ここで、ダイアフラムにおいて、感応部に
電極部を有するとは、ダイアフラムが絶縁体で構成され
る場合には、たとえば、半導体プロセスなどの技術によ
り電極を形成すればよく、また、ダイアフラム自体が半
導体または導体で構成される場合には、このダイアフラ
ム自体が電極を構成する。また、(A1−A2)/B
は、1/300以内であればよいが、好ましくは1/5
00以内、より好ましくは1/1000以内がよい。1
/1000以内であれば、性能への影響はほとんどなく
なる。
【0019】この発明によれば、2枚の基板に形成され
た圧力導入口のダイアフラムに面する端部における面積
A1、A2をダイアフラムの感応部の面積Bの1/5以
下としたので、低流量域での微小な差圧を検出するため
の感度を確保でき、また、圧力導入口の面積A1、A2
をダイアフラムの面積Bの1/50以上としたので、必
要な高流量域での応答性を確保できる。つまり、低流量
域での微小な差圧を検出するための感度を維持しつつ、
高流量域での応答性を確保できる。また、(A1−A
2)/Bを1/300以内としたので、圧力検出素子に
同相の圧力振動が印加される場合において、誤った交番
差圧の信号を検出する虞がほとんどない。
【0020】本発明の静電容量型圧力検出素子の製造方
法は、上記目的を達成するため、次の構成を採用する。
請求項2に記載の発明は、前記基板に前記圧力導入口を
超音波加工用ホーンを用いて超音波加工し、同一の超音
波加工用ホーンを用いて超音波加工された圧力導入口を
有する2枚の基板と前記ダイアフラムとを接合して静電
容量型圧力検出素子を製造することを特徴とする。この
発明によれば、2枚の絶縁部材の圧力導入口を、同一の
超音波加工用ホーンで加工したので、超音波の伝わり方
や隣のピンの振動の干渉量が一定となり、2枚の絶縁部
材の圧力導入口のサイズだけでなく、圧力導入口の周り
の欠け方も同様となり、圧力導入口のダイアフラムに面
する部分の孔径を極めて高精度に等しくできる。このた
め、差圧検出時の流路の対称性の完全さが増し、圧力検
出素子に印加された同相の圧力振動による急激な圧力変
化によってもダイアフラムの両側に生じる力のバランス
が崩れることなく、実用計測周波数域において、誤った
交番差圧の信号を検出することがない。
【0021】請求項3に記載の発明は、請求項1に記載
の静電容量型圧力検出素子の製造方法であって、前記基
板の前記ダイアフラムとの対向面側から基板の厚さの少
なくとも1/5以上の厚さをサンドブラスト加工して圧
力導入口を形成し、このサンドブラスト加工された圧力
導入口を有する2枚の基板と前記ダイアフラムとを接合
して静電容量型圧力検出素子を製造することを特徴とす
る。この発明によれば、2枚の絶縁部材の圧力導入口
は、加工の方向と深さが絶縁部材の各々につき、ダイア
フラムとの対向面側から絶縁部材の厚さの少なくとも1
/5以上の厚さに亘って加工されているから、圧力導入
口のダイアフラムに面する部分の孔径を極めて均一で安
定した形状にできる。このため、差圧検出時の流路の対
称性の完全さが増し、圧力検出素子に印加された同相の
圧力振動による急激な圧力変化によっても、ダイアフラ
ムの両側に生じる力のバランスが崩れることなく、誤っ
た交番差圧の信号を検出することがない。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。 (第1実施形態)図1は超音波加工により圧力導入口を
加工した静電容量型圧力検出素子を示す断面図である。
なお、この静電容量型圧力検出素子を構成する構成要素
は、図6に示した静電容量型圧力検出素子の構成要素と
基本的に同一であるので、詳細な説明は省略する。
【0023】だだし、具体的寸法については、次の通り
である。外形を約7×7mmの正方形、ダイアフラム1
の感応部1Aの直径を約5mm、ダイアフラム1の感応
部1Aの厚さを約6μm、ダイアフラム1と絶縁部材
4,5とで形成される空隙2,3を両側ともに同じ大き
さの約10μmとしたとき、各絶縁部材4,5に形成さ
れる圧力導入口8,9のダイアフラム1に面する端部に
おける面積A1、A2が、ダイアフラム1の感応部1A
の面積Bの1/5ないし1/50の範囲に設定され、か
つ、(A1−A2)/Bが1/300以内に設定されて
いる。
【0024】2つの圧力導入口8,9の直径を2mmと
した場合、交番差圧を検出においては、高流量域での応
答性が低流量域での微小な差圧を検出するための感度が
低下しすぎる問題が現れ始めた。また、2つの圧力導入
口8,9の直径を0.7mmとした場合、高流量域での
応答性に問題が現れ始めた。以上から、圧力導入口の面
積A1、A2の適切なサイズの範囲は、圧力導入口端部
においてダイアフラム1の感応部1Aの面積Bの1/5
ないし1/50の範囲に設定されている。ここでは、2
枚の絶縁部材4,5を貫通する圧力導入口8,9の口径
の直径が約1mmに設定され、その両圧力導入口8,9
のダイアフラム1に面する端部の有効径の差が40μm
以内に設定されている。
【0025】上述した静電容量型圧力検出素子の製造方
法は、次の通りである。まず、2枚の絶縁部材4,5の
圧力導入口8,9を、同一の超音波加工用ホーンで開け
る。具体的には、図2に示すように、多数の素子の絶縁
部材要素が形成される1組2枚の大きな絶縁部材ウェー
ハ10A,10Bに対して、ワイヤー11の径が1mm
の同一の超音波加工用ホーン12を用いて、圧力導入口
8,9を超音波加工する。これにより、2枚の絶縁部材
4,5の圧力導入口8,9の端部の有効径の差を30μ
m以内にでき、(A1−A2)/Bを1/300以内と
することができる。実際には、2枚の絶縁部材4,5の
圧力導入口8,9の端部の有効径の差を12μm以内に
でき、(A1−A2)/Bを1/1000以内とするこ
とができる。
【0026】その後、2枚の絶縁部材ウェーハ10A,
10Bに圧力導入口8,9以外の孔を他のホーンで開け
る。次に、圧力導入口を含む所定の孔が開けられた2枚
の絶縁部材ウェーハ10A,10Bの両面から、電極
6,7のための金属薄膜を蒸着により形成しフォトリソ
グラフィーにより所定のパターンにエッチングする。こ
のようにして、作成された2枚の絶縁部材ウェーハ10
A,10Bと、エッチングによりダイアフラム1が形成
されたシリコンウェーハ(図示省略)とを、300℃か
ら400℃の温度で陽極接合し、1枚の接合ウェーハを
作る。これを切断し個々の静電容量型圧力検出素子とす
る。
【0027】本実施形態によれば、圧力導入口8,9の
ダイアフラム対向面端部における面積A1、A2をダイ
アフラム1の感応部1Aの面積Bの1/5以下としたこ
とにより、低流量域での微小な差圧を検出するための感
度を確保しつつ、圧力導入口8,9の面積A1、A2を
ダイアフラム1の感応部1Aの面積Bの1/50以上と
したことにより、必要な高流量域での応答性が確保し得
ることができる。また、(A1−A2)/Bを1/30
0以内としたので、圧力検出素子に同相の圧力振動が印
加される場合において、誤った交番差圧の信号を検出し
てしまうという不具合をなくすことができる。
【0028】また、2枚の絶縁部材4,5の圧力導入口
8,9を、同一の超音波加工用ホーン12で加工するよ
うにしたので、超音波の伝わり方や隣のピンの振動の干
渉量が一定となり、2枚の絶縁部材4,5の圧力導入口
8,9のサイズだけでなく、孔の周りの欠け方も同様と
なり、圧力導入口8,9のダイアフラム対向面端部の孔
径を極めて高精度に等しくできる。このため、差圧検出
時の流路の対称性の完全さが増し、圧力検出素子に印加
された同相の圧力振動による急激な圧力変化によっても
ダイアフラム1の両側に生じる力のバランスが崩れるこ
となく、誤った交番差圧の信号を検出することがない。
【0029】(第2実施形態)図3はサンドブラスト加
工により圧力導入口を加工した静電容量型圧力検出素子
を示す断面図である。なお、この静電容量型圧力検出素
子を構成する構成要素については、図1に示した静電容
量型圧力検出素子の構成要素と基本的に同一であるの
で、詳細な説明は省略する。だだし、2枚の絶縁部材
4,5を貫通する圧力導入口8,9は、ダイアフラム1
に面する端部から外側開口端へ向かうに従って径が次第
に小さくなったテーパ状に形成されているが、第1実施
形態と同様に、圧力導入口8,9のダイアフラム1に面
する端部における面積A1、A2が、ダイアフラム1の
感応部1Aの面積Bの1/5ないし1/50の範囲に設
定され、かつ、(A1−A2)/Bが1/300以内に
設定されている。
【0030】上述した静電容量型圧力検出素子の製造方
法は、次の通りである。まず、2枚の絶縁部材4,5の
圧力導入口8,9を、サンドブラスト加工する。具体的
には、図4に示すように、加工する圧力導入口の1つ1
つに対応する位置に孔21を開けたゴムレジスト(加工
用マスク)22を、絶縁部材ウェーハ10のダイアフラ
ム1との対向面に貼り、その上から数十ミクロンの砥粒
をエアで吹きつけて絶縁部材ウェーハ10に圧力導入口
8,9を加工する。つまり、絶縁部材ウェーハ10のダ
イアフラム対向面側からサンドブラスト加工する。この
とき、少なくもと圧力導入口8,9については、絶縁部
材4,5の厚さtの1/5以上を、ダイアフラム対向面
側からのサンドブラスト加工によって行う。
【0031】ここで、ダイアフラム対向面側からのサン
ドブラスト加工を厚さtの1/5以上行うとは、サンド
ブラスト加工による加工孔の形状は断面がテーパとなる
が、テーパの会合部が加工方向から見て絶縁部材4,5
の厚さtの1/5以上となることであり、ダイアフラム
対向面側からのサンドブラスト加工部分が絶縁部材4,
5の厚さtの1/5以下になると、圧力導入口8,9の
ダイアフラム1との対向面側端部の形状が一定でなくな
るため好ましくない。ダイアフラム対向面側からのサン
ドブラスト加工は、1組2枚の絶縁部材ウェーハを同一
の加工ロットとするのが望ましい。
【0032】これにより、2枚の絶縁部材4,5の圧力
導入口8,9の端部の有効径の差を30μm以内にで
き、(A1−A2)/Bが1/300以内にできる。実
際には、2枚の絶縁部材4,5の圧力導入口8,9の端
部の有効径の差を12μm以内にでき、(A1−A2)
/Bが1/1000以内にできる。次に、圧力導入口
8,9を含む所定の孔が開けられた2枚の絶縁部材ウェ
ーハの両面から、電極6,7のための金属薄膜を蒸着に
より形成しフォトリソグラフィーにより所定のパターン
にエッチングする。このようにして、作成された2枚の
絶縁部材ウェーハと、エッチングによりダイアフラム1
が形成されたシリコンウェーハ(図示省略)とを、30
0℃から400℃の温度で陽極接合し、1枚の接合ウェ
ーハを作る。これを切断し個々の静電容量型圧力検出素
子とする。
【0033】本実施形態によれば、2枚の絶縁部材4,
5の圧力導入口8,9は、加工の方向と深さが絶縁部材
4,5の各々につき、ダイアフラム1との対向面側から
絶縁部材4,5の厚さtの少なくとも1/5以上の厚さ
亘ってサンドブラスト加工されているから、圧力導入口
8,9のダイアフラム1に面する部分の孔径を極めて均
一で安定した形状にできる。このため、差圧検出時の流
路の対称性の完全さが増し、圧力検出素子に印加された
同相の圧力振動による急激な圧力変化によっても、ダイ
アフラム1の両側に生じる力のバランスが崩れることな
く、誤った交番差圧の信号を検出することない。
【0034】以上の各実施形態において、加工端部の形
状を整えるためにエッチングを行うことは加工端部を曖
昧にするため、不適当であるが、1μm程度のエッチン
グは行ってもよい。また、圧力導入口8,9のサンドブ
ラスト加工においては、加工形状を整えるため、コスト
は上昇するがダイアフラム1との対向面に対して反対面
からの加工も絶縁部材4,5の厚さtの1/5未満にお
いて行ってもよい。つまり、図5に示すように、ダイア
フラム1との対向面に対して反対面側からも超音波加工
やサンドブラスト加工などによる加工を併用してもよ
い。ただし、少なくもと圧力導入口8,9については、
絶縁部材4,5の厚さtの1/5以上はダイアフラム対
向面側からのサンドブラスト加工が必要である。
【0035】
【発明の効果】本発明の静電容量型圧力検出素子および
その製造方法によれば、低流量域での微小な差圧を検出
するための感度を維持しつつ、高流量域での応答性を確
保でき、しかも、同相の圧力振動が印加される場合にお
いても、誤った交番差圧の検出を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る静電容量型圧力検出素子の第1実
施形態を示す断面図である。
【図2】同上実施形態の検出素子の製造方法において、
圧力導入口の加工方法を示す図である。
【図3】本発明に係る静電容量型圧力検出素子の第2実
施形態を示す断面図である。
【図4】同上実施形態の検出素子の製造方法において、
圧力導入口の加工方法を示す図である。
【図5】第2実施形態の素子の製造方法において、圧力
導入口の他の加工方法を示す図である。
【図6】従来の静電容量型圧力検出素子(圧力導入口を
超音波加工用ホーンにより超音波加工した検出素子)を
示す平面図および断面図である。
【図7】図6の検出素子における圧力導入口の加工方法
を示す図である。
【図8】従来の静電容量型圧力検出素子(圧力導入口を
サンドブラスト加工した検出素子)を示す断面図であ
る。
【図9】図8の検出素子における圧力導入口の加工方法
を示す図である。
【符号の説明】
1 ダイアフラム 1A 感応部 2,3 空隙 4,5 絶縁部材 6,7 電極 8,9 圧力導入口 10,10A,10B 絶縁部材ウェーハ 11 ワイヤー 12 超音波加工用ホーン 21 孔 22 ゴムレジスト(加工用マスク)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 関森 幸満 東京都大田区東馬込1−30−4 長野計器 株式会社内 (72)発明者 丸野 尚彦 東京都大田区東馬込1−30−4 長野計器 株式会社内 Fターム(参考) 2F030 CA04 CA05 CC11 CE40 CH01 CH05 2F055 AA39 BB06 CC02 DD05 EE25 FF17 GG01 GG12 GG25 HH05 4M112 AA01 BA07 CA03 CA16 DA02 DA05 DA08 DA18 EA02 EA11

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中央部分が圧力に応じて変位する感応部
    とされかつその感応部に電極部を有するダイアフラム
    と、このダイアフラムを挟んでそのダイアフラムの周縁
    部両面に接合された2枚の基板とを有し、この2枚の基
    板にはダイアフラムとの対向面に静電容量を生じさせる
    ための電極が形成され、かつ、各基板を貫通して前記ダ
    イアフラムと電極を含む基板とにより形成された空隙に
    連通する圧力導入口を有する静電容量型圧力検出素子に
    おいて、 前記各基板に形成された圧力導入口のダイアフラムに面
    する端部における面積A1、A2が、ダイアフラムの感
    応部の面積Bの1/5ないし1/50の範囲であって、
    (A1−A2)/Bが1/300以内であることを特徴
    とする静電容量型圧力検出素子。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の静電容量型圧力検出素
    子の製造方法であって、 前記基板に前記圧力導入口を超音波加工用ホーンを用い
    て超音波加工し、同一の超音波加工用ホーンを用いて超
    音波加工された圧力導入口を有する2枚の基板と前記ダ
    イアフラムとを接合して静電容量型圧力検出素子を製造
    することを特徴とする静電容量型圧力検出素子の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の静電容量型圧力検出素
    子の製造方法であって、 前記基板の前記ダイアフラムとの対向面側から基板の厚
    さの少なくとも1/5以上の厚さをサンドブラスト加工
    して圧力導入口を形成し、このサンドブラスト加工され
    た圧力導入口を有する2枚の基板と前記ダイアフラムと
    を接合して静電容量型圧力検出素子を製造することを特
    徴とする静電容量型圧力検出素子の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1323287C (zh) * 2004-11-10 2007-06-27 中国科学院长春光学精密机械与物理研究所 柔性平板波压差式微流量传感器及其制作方法

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