JP2000337421A - 多段型油圧緩衝器 - Google Patents

多段型油圧緩衝器

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JP2000337421A
JP2000337421A JP11144164A JP14416499A JP2000337421A JP 2000337421 A JP2000337421 A JP 2000337421A JP 11144164 A JP11144164 A JP 11144164A JP 14416499 A JP14416499 A JP 14416499A JP 2000337421 A JP2000337421 A JP 2000337421A
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Japan
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stage
piston rod
stage piston
inner cylinder
spiral
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JP11144164A
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English (en)
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Kazuhiko Yonezawa
和彦 米澤
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KYB Corp
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Kayaba Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 2段目のピストンロッドのストローク位置に
対して1段目のピストンロッドの位置を規定し、緩衝器
が発生する減衰力を容易に制御できるようにするととも
に、緩衝器全体のストローク量が温度変化による油の体
積変化の影響を受けない構造を有する油圧緩衝器を提供
する。 【解決手段】 多段型油圧緩衝器において、1段目のピ
ストンロッド5内に2段目の螺旋状ガイドgを配設し、
この2段目の螺旋状ガイドgに摺って2段目のピストン
8を回転並進可能に嵌挿し、さらに、内筒1内に2段目
の螺旋状ガイドgとは巻方向が逆向きの1段目の螺旋状
ガイドGを配設或いは内筒1の内周面1aと1段目のピ
ストン6の外周面6bとにヘリカルギャHを設け、この
1段目の螺旋状ガイドG或いはヘリカルギャHに摺って
1段目のピストン6を回転並進可能に嵌挿し、2段目の
ピストンロッド7及び内筒1の回転を規制して使用す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 この発明は、車両の車体と
車軸間に介装される油圧緩衝器に関し、特に、四輪車両
における油圧緩衝器の使用に適する緩衝器の取付長さの
短縮について改良した多段型油圧緩衝器に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の多段型油圧緩衝器(以
下、緩衝器という)は、図3に示すように、主に内外筒
1,2、大小蓋3,4、1,2段目のピストンロッド
5,7等からなり、内外筒1,2と大蓋3とに囲まれて
リザーバ室Rが形成されている。
【0003】また、内筒1内には1段目のピストンロッ
ド5に締結された1段目のピストン6が摺動自在に嵌挿
し、油室C,Eを区画しており、上記のピストンロッド
5の先端は、内筒1内から大蓋3を介して大蓋3より突
出している。
【0004】1段目のピストンロッド5の内周面5a内
には、2段目のピストンロッド7に締結された2段目の
ピストン8が摺動自在に嵌挿し、油室A,Bを区画して
おり、上記のピストンロッド7の先端は、1段目のピス
トンロッド5内から小蓋4より突出している。
【0005】油室Aは、2段目のピストン8に設けた減
衰弁RV3を介して油室Bと連通し、油室Bは、1段目
のピストン6に設けた連通路6aを介して油室Eと連通
している。
【0006】油室Eは、1段目のピストン6に設けた減
衰弁RV2を介して油室Cと連通するとともに、内筒底
1bに設けた減衰弁RV1及び内筒1に設けた連通路1
cを介してリザーバ室Rと連通している。
【0007】そして、例えば、2段目のピストンロッド
7の縮み行程時には、2段目のピストンロッド7が1段
目のピストンロッド5内に侵入すると、油室B内の油
は、減衰弁RV3を介して減衰力を発生しながら油室A
に流出するとともに、2段目のピストンロッド7の侵入
体積分の増加分が連通路6a介して油室Bから油室Eに
流出する。
【0008】油室E内の油は、減衰弁RV2を介して減
衰力を発生しながら油室Cに流出し、1段目のピストン
ロッド5を内筒1内に侵入させる。
【0009】一方、1段目のピストンロッド5が内筒1
内に侵入すると、油室E内の油は、1段目のピストンロ
ッド5の侵入体積分の増加分が減衰弁RV1を介して減
衰力を発生しながら連通路1cを介してリザーバ室Rに
流出する。
【0010】また、2段目のピストンロッド7の伸び行
程時には、2段目のピストンロッド7が1段目のピスト
ンロッド5内より突き出ると、油室A内の油は、減衰弁
RV3を介して減衰力を発生しながら油室Bに流出する
とともに、2段目のピストンロッド7の退出体積分の減
少分が連通路6aを介して、油室Eから油室Bに流入す
る。
【0011】油室C内の油は、減衰弁RV2を介して減
衰力を発生しながら油室Eに流出すし、1段目のピスト
ンロッド5を内筒1内よりに突出させる。
【0012】更に、1段目のピストンロッド5の退出体
積分の減少分は、リザーバ室Rから通路1c、減衰弁R
V1を介して減衰力を発生しながら油室Eに流入する。
【0013】そして、2段目のピストンロッド7と1段
目のピストンロッド5との相対位置関係は、何方か一方
が伸び切るか圧縮して当接することにより得られ、中間
位置にあっては、相互位置関係を特定できず、2段目の
ピストンロッド7あるいは1段目のピストンロッド5の
ストロークが異なり、このため、減衰弁RV3,RV
2,RV1を通過する作動油の量も異なり、減衰力も変
わってくる。
【0014】又、他の従来例としては、図4に示すよう
に、油室Aは、2段目のピストン8に設けた減衰弁RV
3を介して油室Bと連通し、油室Bは、1段目のピスト
ンロッド5に設けた連通路5bを介して油室Cと連通
し、油室A,B,Cは、密室を形成している。
【0015】そして、2段目のピストンロッド7の断面
積S2と1段目のピストンロッド5の外側5cと内筒1
の内面1aとの間に形成される環状の断面積S1とをほ
ぼ等しくなるように設定してあり、2段目のピストンロ
ッド7が1段目のピストンロッド5内に侵入する長さX
と1段目のピストンロッド5が内筒1内に侵入する長さ
Yとをほぼ1対1の関係になるようにしてある。
【0016】そして、例えば、2段目のピストンロッド
7の縮み行程時には、2段目のピストンロッド7が1段
目のピストンロッド5内に侵入すると、油室B内の油
は、減衰弁RV3を介して減衰力を発生しながら油室A
に流出するとともに、2段目のピストンロッド7の侵入
体積分の増加分が連通路5b介して油室Bから油室Cに
流出する。
【0017】油室A,B,Cは、非圧縮性の作動油を注
入した密室からなり、全体の体積変化がないから、2段
目のピストンロッド7の侵入体積分の増加分が油室Cに
流入し、増加分の体積を補償する分だけ1段目のピスト
ンロッド5を内筒1内に侵入させる。
【0018】1段目のピストンロッド5が内筒1内に侵
入すると、油室E内の油は、減衰弁RV1を介して減衰
力を発生しながら連通路1cよりリザーバ室Rに流入す
る。
【0019】また、2段目のピストンロッド7の伸び行
程時には、2段目のピストンロッド7が1段目のピスト
ンロッド5内より突き出ると、油室A内の油は、減衰弁
RV3を介して減衰力を発生しながら油室Bに流出する
とともに、2段目のピストンロッド7の退出体積分の減
少分が連通路5bを介して、油室Cから油室Bに流入す
る。
【0020】油室A,B,Cは、非圧縮性の作動油を注
入した密室からなり、全体の体積変化がないから、2段
目のピストンロッド7の退出体積分の減少分が油室Cか
ら油室Bに流入し、減少分の体積を補償する分だけ1段
目のピストンロッド5を内筒1内より突き出させる。
【0021】1段目のピストンロッド5が内筒1内から
突出するに伴い、油室Eにはリザーバ室Rより、連通路
1c,減衰弁RV1を介して減衰力を発生しながら油が
流入し、減少分の体積を補償する分だけ1段目のピスト
ンロッド5を内筒1内より突出させるようになってい
る。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例の緩衝器にあっては、2段目のピストンロッドのス
トローク位置に対して1段目のピストンロッドの位置を
規定する構造を採っていないため、油圧緩衝器の伸縮作
動の状態によって、伸圧の各減衰力バルブを通過する流
量が変化し、緩衝器全体の伸縮速度に対して発生する減
衰力を制御することが困難であると言う問題がある。
【0023】更に、例えば、ピストンの伸び行程の場
合、内筒に対して1段目のピストンロッドが伸びきって
から2段目のピストンロッドの伸び動作が開始しする
か、1段目ピストンロッドに対して2段目のピストンロ
ッドが伸びきってから1段目のピストンロッドの伸び動
作が開始すると言うように、行程の途中で機械当たりに
よるショックが発生することがあり、このために車両の
乗り心地に悪影響を及ぼすと言う問題があった。
【0024】又、他の従来例の緩衝器にあっては、2段
目のピストンロッドのストローク位置に対して1段目の
ピストンロッドの位置を規定するために、1段目のピス
トン上側の油室を油の密室としているため、緩衝器の伸
縮作動による発熱で作動油の体積変化が起こり、2段目
のピストンロッドに対する1段目のピストンロッドの相
対位置関係が温度上昇前の設定と大きく変化し、その結
果、緩衝器全体のストローク量が減少し、このために車
両の乗り心地に悪影響を及ぼすと言う問題があった。
【0025】そこで、この発明は、上記した事情を鑑み
て創案されたものであって、その目的とするところは、
2段目のピストンロッドのストローク位置に対して1段
目ピストンロッドの位置を規定し、緩衝器が発生する減
衰力を容易に制御できるようにするとともに、緩衝器全
体のストローク量が温度変化による油の体積変化の影響
を受けない構造を有する油圧緩衝器を提供することであ
る。
【0026】
【課題を解決するための手段】第1の発明では、内外筒
と、内外筒と蓋とから形成されるリザーバ室と、内筒内
に嵌挿される1段目のピストンロッドと、1段目のピス
トンロッドに締結し内筒内を出没可能に嵌挿するととも
に油室C,Eを区画する1段目のピストンと、1段目の
ピストンに設けられ油室Cと油室Eとを連通する減衰力
を発生する第2の減衰弁或いは連通路と、内筒底に設け
られ減衰力を発生させる第1の減衰弁と、第1の減衰弁
を介して油室Eとリザーバ室とを連通する連通路と、1
段目のピストンロッド内に嵌挿される2段目のピストン
ロッドと、2段目のピストンロッドに締結し1段目のピ
ストンロッド内を出没可能に嵌挿するとともに油室A,
Bを区画する2段目のピストンと、2段目のピストンに
設けられ減衰力を発生する第3の減衰弁とを有する多段
型油圧緩衝器において、前記1段目のピストンロッド内
に2段目の螺旋状ガイドを配設し、この2段目の螺旋状
ガイドに摺って2段目のピストンを回転並進可能に嵌挿
し、さらに、内筒内に2段目の螺旋状ガイドとは巻方向
が逆向きの1段目の螺旋状ガイドを配設或いは内筒の内
周面と1段目のピストンの外周面とにヘリカルギャを設
け、この1段目の螺旋状ガイド或いはヘリカルギャに副
って1段目のピストンを回転並進可能に嵌挿し、2段目
のピストンロッド及び内筒の回転を規制して使用する。
【0027】第2の発明では、前記2段目の螺旋状ガイ
ドの螺旋の中心径D2とピッチ角θ2、1段目の螺旋状
ガイドの螺旋の中心径或いはヘリカルギャの有効径D1
と螺旋のピッチ角或いはヘリカルギャのリード角θ1と
の間に、D1/D2=tan θ2/tan θ1となる関係を
有するとともに、2段目のピストンロッドが1段目のピ
ストンロッドに侵入する長さXと、1段目のピストンロ
ッドが内筒に侵入する長さYとをX:Y=1:1にす
る。
【0028】第3の発明では、内筒の内周面に成形した
ヘリカルギャHを別部材で構成し、内筒内に一体的に嵌
挿する。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態について説明するに、前記従来例と同一の構成
要素に対しては同一の名称、符号を付して説明する。
【0030】この実施の形態に関わる多段型油圧緩衝器
(以下、緩衝器という)は、図1に示すように、主に内
外筒1,2、大小蓋3,4、1,2段目のピストンロッ
ド5,7等からなり、内外筒1,2は、大蓋3により同
心的に支承され、密封結合されており、内外筒1,2と
大蓋3とで囲まれてリザーバ室Rが形成されている。
【0031】内筒1内には1段目のピストンロッド5が
ピストン6に締結して出没可能に嵌挿されるとともに、
1段目のピストンロッド5内には2段目のピストンロッ
ド7が2段目のピストン8に締結されて出没可能に嵌挿
されている。
【0032】1段目のピストンロッド5内に2段目のピ
ストン8によって区画されるとともに、2段目のピスト
ン8に配設された第3の減衰弁RV3を介して相互に連
通するよう油室A,Bが形成されている。
【0033】内筒1内には1段目のピストン6によって
区画される油室C,Eが形成されており、油室Cは、1
段目のピストンロッド5に成形した通路5bを介して前
記油室Bと連通し、油室Eは、1段目のピストン6に配
設した第2の減衰弁RV2を介して前記油室Bと相互に
連通するようなっている。
【0034】1段目のピストン6に配設した第2の減衰
弁RV2は場合によっては不要で、単に、油室Bと油室
Eとを連通する連通路であっても差し支えない。
【0035】前記1段目のピストンロッド5内に直径を
D2とする2段目の螺旋状ガイドgを配置し、この2段
目の螺旋状ガイドgの上端側は、1段目のピストンロッ
ド5の上端を閉鎖して1段目のピストンロッド5と機械
的に一体に締結された小蓋体4に固定されており、螺旋
状ガイドgの下端側は、1段目のピストンロッド5に機
械的に結合した1段目のピストン6に固定されている。
【0036】2段目のピストン8には、上記2段目の螺
旋状ガイドgと同形状をしたガイド孔8cが設けられて
おり、このガイド孔8cに2段目の螺旋状ガイドgが貫
通している。
【0037】また、内筒1内に直径をD1とする1段目
の螺旋状ガイドGを配置し、この1段目の螺旋状ガイド
Gの上端側は、内筒1の上端を閉鎖し、内筒1と機械的
に一体に締結された大蓋体3に固定されており、螺旋状
ガイドGの下端側は、内筒1の底部1bに機械的に固定
されている。
【0038】1段目のピストン8には、上記1段目の螺
旋状ガイドGと同形状をしたガイド孔6cが設けられて
おり、このガイド孔6cに1段目の螺旋状ガイドGが貫
通している。
【0039】1段目のピストンロッド5内に配設した2
段目の螺旋状ガイドgは、2段目のピストン8を摺動可
能に貫通しており、1段目のピストンロッド5の軸線方
向の移動量を規制し、回転方向の移動を自由とした状態
において、2段目のピストンロッド7の回転を規制した
まま1段目のピストンロッド5内に挿入すると、その侵
入長さに応じて1段目のピストンロッド5は回転し、そ
の侵入・退出長さと回転角の関係は、2段目の螺旋状ガ
イドgの諸元によって定まり、螺旋のピッチをP2、螺
旋のピッチ角をθ2、螺旋の中心径をD2、とすると、 P2/(π×D2)=tan θ2 で表わせるここで、1段目のピストンロッド5に侵入・
退出する2段目のピストンロッド7の長さをX、その時
の1段目のピストンロッド5の回転角をΔθx、とする
と、 P2:2π=X:Δθx の関係により、 Δθx=2π×X/P2 =2π×X/(π×D2×tan θ2) =2×X/(D2×tan θ2) となる。
【0040】次に、1段目のピストンロッド5と内筒1
との関係についてみるに、内筒1内に配置した1段目の
螺旋状ガイドGは、1段目のピストン6に設けたガイド
孔6cを貫通し、1段目のピストン6を回転並進可能に
案内しており、内筒1を軸線方向の移動量及び回転を規
制した固定状態にあって、1段目のピストンロッド5を
回転させると、1段目のピストンロッド5は、その回転
角に応じて内筒1内に侵入あるいは退出し、前記2段目
のピストン8と1段目のピストンロッド5の関係と同様
に、1段目のピストンロッド5の侵入・退出長さと回転
角の関係は、1段目の螺旋状ガイドGの諸元によって定
まり、螺旋のピッチをP1、螺旋のピッチ角をθ1、螺
旋の中心径をD1、とすると、 P1/(π×D1)=tan θ1 で表わせる。
【0041】ここで、内筒1内に侵入・退出する1段目
のピストンロッド5の長さをY、その時の1段目のピス
トンロッド5の回転角をΔθy、とすると、 P1:2π=Y:Δθy の関係により、 Y=(P1×Δθy)/2π =(π×D1×tan θ1×Δθy)/2π =(D1×tan θ1×Δθy)/2 との関係がある。
【0042】上記個々の作動関係を踏まえて2段目のピ
ストンロッド7と内筒1の回転を規制した状態で本油圧
緩衝器を作動させた場合の全体の作動関係について説明
するに、2段目の螺旋状ガイドgの螺旋の巻方向を仮に
右方向とした場合、1段目の螺旋状ガイドGの螺旋の巻
方向を左方向に設定されていることが成立条件となり、
螺旋の巻方向は、双方逆の設定でも良い。
【0043】次に、その作用について説明する。今、仮
に、2段目のピストンロッド7が外力Fを受けて縮む行
程では、2段目のピストンロッド7が1段目のピストン
ロッド5内に配設した2段目の螺旋状ガイドgに摺って
移動し、1段目のピストンロッド5側からみて反時計方
向に回転しながら侵入すると、油室B内の油は、減衰弁
RV3を介して減衰力を発生しながら油室Aに流出する
とともに、2段目のピストンロッド7の侵入体積分の増
加分が連通路5bを介して油室Bから油室Cに流出す
る。
【0044】一方、内筒1に配設した1段目の螺旋状ガ
イドGが1段目のピストンロッド5内に配設した螺旋状
ガイドgとは逆方向に配設されているため、1段目のピ
ストンロッド5が回転しながら内筒内1aへ侵入する
と、油室E内の油は、減衰弁RV1を介して減衰力を発
生しながら油室Eから油室Bに流出するとともに、2段
目のピストンロッド5の侵入体積分の増加分が減衰弁R
V1を介して減衰力を発生しながら油室Eから連通路1
cを介してリザーバ室Rへ流出する。
【0045】その際、1段目のピストンロッド5は、2
段目のピストンロッド7及び内筒1と常時係合してお
り、緩衝器の伸縮位置に対して1段目のピストンロッド
5の位置は、1段目のピストンロッド5の回転角Δθ
x,Δθyに等しいので、Δθx=Δθyとおける。
【0046】この時、1段目のピストンロッド5内に侵
入する2段目のピストンロッド7の長さXと内筒1内に
侵入する1段目のピストンロッド5の長さYは、 Δθx=Δθy=2×X/(D2×tan θ2) で、これを Y=D1×tan θ1×Δθy/2 に代入して Y={D1×tan θ1/(D2×tan θ2)}×X の関係となり、そして、X:Y=1:1の関係が最も軸
方向の空間効率がよいことから、それぞれの螺旋の中心
径とピッチ角の関係は、 D1/D2=tan θ2/tan θ1 とする設定が望ましく、これにより緩衝器の伸縮位置に
対して1段目のピストンロッド5の位置は、一義的に決
まる。
【0047】また、油室A,B,C,Eは、減衰弁RV
3,RV2,RV1、連通路5b,1cを介してリザー
バRと常時連通するようになっており、各油室A,B,
C,Eにおいて作動油に温度変化が発生しても各油室
A,B,C,Eは連通しており、各室での作動油に温度
変化の差が少なく、温度変化による作動油の体積変化で
1段目のピストンロッド5の相対位置関係が変化するこ
とがない。
【0048】このように、1段目のピストンロッド5内
に2段目の螺旋状ガイドgを配設し、この2段目の螺旋
状ガイドgに摺って2段目のピストン8が回転並進可能
に嵌挿し、さらに、内筒1内に2段目の螺旋状ガイドg
とは巻方向が逆向きの1段目の螺旋状ガイドGを配設
し、この1段目の螺旋状ガイドGに副って1段目のピス
トン6を回転並進可能に嵌挿し、2段目のピストンロッ
ド7及び内筒1の回転を規制して使用するようにしたか
ら、油圧緩衝器のストローク位置に対して一義的に1段
目のピストンロッド5の位置が定まり、ピストンロッド
5,7が伸縮作動する際の速度に対して減衰弁RV3,
RV2,RV1を通過する作動油の流量が定まり、ピス
トンロッド5,7が伸縮作動する際に発生する減衰力を
容易に制御することができる。
【0049】また、前記他の従来例のように1段目のピ
ストンロッド5の位置を作動油の非圧縮性を利用して位
置決めせず、螺旋状ガイドg,Gによって機械的に位置
決めしているため、温度変化による作動油の体積変化で
1段目のピストンロッド5の相対位置関係が変化すると
いう不具合が起こらず、作動油の温度変化が発生しても
作動油の温度変化によって増減する密室内の体積変化の
絶対量が小さくなり、緩衝器の設定した長さ寸法の作動
油の温度変化による影響を小さくすることができ、取付
け寸法精度の向上に役立つとともに、作動油の体積変化
によって緩衝器のストローク量が減少することがなくな
り、乗り心地が悪化するという不具合を解消することが
できる。
【0050】次に、第2図に示す第2の実施の形態は、
前記第1の実施の形態例において内筒内に1段目のピス
トンに設けたガイド孔を貫通し、1段目のピストンを摺
動可能に案内して、内筒を軸線方向の移動量及び回転を
規制するように配設された螺旋状ガイドによる規制手段
の構成を相違させたもので、その他は、第1の実施の形
態例と同じであり、ここでは相違する構成についてのみ
説明し、他の構成要素の詳細については省略する。
【0051】そこで、第2の実施の形態の油圧緩衝器
は、図2に示すように、内筒1の内周面1aと1段目の
ピストン6の外周面6bとには、1段目のピストンロッ
ド5内に設けた2段目の螺旋状ガイドgの巻き方向とは
逆方向のヘリカルギャ(又はヘリカルスプライン)Hが
成形されており、両者はヘリカルギャHで常時噛み合っ
て配設されている。
【0052】そして、1段目のピストン6の外周面6b
に設けたヘリカルギャHのリードL1と1段目のピスト
ンロッド5内に設けた2段目の螺旋状ガイドgのピッチ
P2とをほぼ等しく設定されている。
【0053】1段目のピストン6の外周面6bに設けた
ヘリカルギャHと1段目のピストンロッド5内に設けた
2段目の螺旋状ガイドgとによって1段目のピストンロ
ッド5の軸線方向の移動量を規制するとともに、回転方
向に自由に移動できる状態にしてある。
【0054】そして、1段目のピストンロッド5と内筒
1との関係について説明すると、1段目のピストン6の
外周面6bと内筒1の内周面1aに成形したヘリカルギ
ャHは、常時噛み合っており、内筒1を固定(軸線方向
の移動量及び回転を規制)した状態においては、1段目
のピストンロッド5を回転させると、1段目のピストン
ロッド5は、その回転角に応じて内筒1内に侵入又は退
出する。
【0055】そこで、前述の2段目のピストンロッド7
と1段目のピストンロッド5との関係と同様に、1段目
のピストンロッド5の内筒1内への侵入、退出長さと回
転角の関係は成形したギャHの諸元によって定まり、リ
ードをL1、リード角をθ1、有効径をD1、とする
と、 L1/π×D1=tan θ1 で表わせる。
【0056】ここで、1段目のピストンロッド5の回転
角をΔθy、その時、内筒内に侵入、退出する1段目の
ピストンロッドの長さをY、とすると、 L1:2π=Y:Δθy の関係により、 Y=L1×Δθy/2π =(π×D1×tan θ1×Δθy)/2π =(D1×tan θ1×Δθy)/2 となり、前述した第1の実施例における1段目の螺旋状
ガイドGにおける諸元の螺旋のピッチP1をヘリカルギ
ャのリードL1と、螺旋のピッチ角θ1をヘリカルギャ
のリード角θ1と、螺旋の中心径D1をヘリカルギャの
有効径D1とに置き換えたことになり、その作用と効果
は、第1の実施の形態例と同じであり、以下の詳細につ
いては省略する。
【0057】さらに、内筒1の内周面1aに成形したヘ
リカルギャHを別部材で構成して内筒1に一体的に嵌挿
することもでき、内筒1の内周面1aに成形したヘリカ
ルギャHの加工不良や損傷に対してもギャ部材を速に交
換することで容易に対処でき、品質の保守管理に大変役
立てることができる。
【0058】
【発明の効果】第1の発明によれば、多段型油圧緩衝器
において、1段目のピストンロッド内に2段目の螺旋状
ガイドを配設し、この2段目の螺旋状ガイドに摺って2
段目のピストンが回転並進可能に嵌挿し、さらに、内筒
内に2段目の螺旋状ガイドとは巻方向が逆向きの1段目
の螺旋状ガイドを配設或いは内筒の内周面と1段目のピ
ストンの外周面とにヘリカルギャを設け、この1段目の
螺旋状ガイド或いはヘリカルギャに副って1段目のピス
トンが回転並進可能に嵌挿し、2段目のピストンロッド
及び内筒の回転を規制して使用するようにしたから、油
圧緩衝器のストローク位置に対して一義的に1段目のピ
ストンロッドの位置が定まり、ピストンロッドが伸縮作
動する際の速度に対して減衰弁を通過する作動油の流量
が定まり、ピストンロッドが伸縮作動する際に発生する
減衰力を容易に制御することができる。
【0059】また、他の従来例の緩衝器のように1段目
のピストンロッドの位置を作動油の非圧縮性を利用して
位置決めせず、螺旋状ガイドおよびヘリカルギャとの係
合によって機械的に位置決めしているため、温度変化に
よる作動油の体積変化で1段目のピストンロッドの相対
位置関係が変化するという不具合が起こらず、作動油の
温度変化が発生しても作動油の温度変化によって増減す
る密室内の体積変化の絶対量が小さくなり、緩衝器の設
定した長さ寸法の作動油の温度変化による影響を小さく
することができ、取付け寸法精度の向上に役立つととも
に、作動油の体積変化によって緩衝器のストローク量が
減少することがなくなり、乗り心地が悪化するという不
具合を解消することができる効果がある。
【0060】第2の発明によれば、2段目の螺旋状ガイ
ドの螺旋の中心径D2とピッチ角θ2、1段目の螺旋状
ガイドの螺旋の中心径或いはヘリカルギャの有効径D1
と螺旋のピッチ角或いはヘリカルギャのリード角θ1と
の間に、D1/D2=tan θ2/tan θ1となる関係を
有するとともに、2段目のピストンロッドが1段目のピ
ストンロッドに侵入する長さXと、1段目のピストンロ
ッドが内筒に侵入する長さYとをX:Y=1:1にした
から、2段目のピストンロッドが1段目のピストンロッ
ドに侵入あるいは退出する長さXと1段目のピストンロ
ッドが内筒に侵入あるいは退出する長さYとが等しく、
2段目のピストンロッドと1段目のピストンロッドとが
常に一体となって伸縮するためにスムーズな動作が得ら
れる効果がある。
【0061】第3の発明によれば、内筒の内周面に成形
したヘリカルギャHを別部材で構成し、内筒に一体的に
嵌挿するようにしたから、内筒の内周面に成形したヘリ
カルギャHの加工不良や損傷に対してもギャ部材を速に
交換することで容易に対処でき、品質の保守管理に大変
役立てることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す多段型緩衝器
の要部断面斜視図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態を示す多段型緩衝器
の要部断面斜視図である。
【図3】従来例を示す多段型緩衝器の正面断面図であ
る。
【図4】他の従来例を示す多段型緩衝器の正面断面図で
ある。
【符号の説明】
1 内筒 1a 内周面 1b 底 1c,5b,6a 連通路 2 外筒 3 大蓋 4 小蓋 5 1段目のピストンロッド 5a 内周面 5c 1段目のピストンロッドの外側 6 1段目のピストン 6b 1段目のピストンの外周面 6c,8c ガイド孔 7 2段目のピストンロッド 8 2段目のピストン A〜E 油室 D1 ギャHの有効径 D2 ギャhの有効径 F 外力 G 1段目の螺旋状ガイド g 2段目の螺旋状ガイド L1 ギャHのリード L2 ギャhのリード θ1 ギャHのリード角及び螺旋状ガイドGのピッチ角 θ2 ギャhのリード角及び螺旋状ガイドgのピッチ角 H,h ヘリカルギャ P1 1段目の螺旋状ガイドGのピッチ P2 2段目の螺旋状ガイドgのピッチ R リザーバ室 RV1 第1の減衰弁 RV2 第2の減衰弁 RV3 第3の減水弁 X 2段目のピストンロッドの侵入長さ Y 1段目のピストンロッドの侵入長さ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内外筒と、内外筒と蓋とから形成される
    リザーバ室と、内筒内に嵌挿される1段目のピストンロ
    ッドと、1段目のピストンロッドに締結し内筒内を出没
    可能に嵌挿するとともに油室(C,E)を区画する1段
    目のピストンと、1段目のピストンに設けられ油室
    (C)と油室(E)とを連通する減衰力を発生する第2
    の減衰弁或いは連通路と、内筒底に設けられ減衰力を発
    生させる第1の減衰弁と、第1の減衰弁を介して油室
    (E)とリザーバ室とを連通する連通路と、1段目のピ
    ストンロッド内に嵌挿される2段目のピストンロッド
    と、2段目のピストンロッドに締結し1段目のピストン
    ロッド内を出没可能に嵌挿するとともに油室(A,B)
    を区画する2段目のピストンと、2段目のピストンに設
    けられ減衰力を発生する第3の減衰弁とを有する多段型
    油圧緩衝器において、前記1段目のピストンロッド内に
    2段目の螺旋状ガイドを配設し、この2段目の螺旋状ガ
    イドに摺って2段目のピストンを回転並進可能に嵌挿
    し、さらに、内筒内に2段目の螺旋状ガイドとは巻方向
    が逆向きの1段目の螺旋状ガイドを配設或いは内筒の内
    周面と1段目のピストンの外周面とにヘリカルギャを設
    け、この1段目の螺旋状ガイド或いはヘリカルギャに副
    って1段目のピストンを回転並進可能に嵌挿し、2段目
    のピストンロッド及び内筒の回転を規制して使用するよ
    うにしたことを特徴とする多段型油圧緩衝器。
  2. 【請求項2】 前記2段目の螺旋状ガイドの螺旋の中心
    径(D2)とピッチ角(θ2)、1段目の螺旋状ガイド
    の螺旋の中心径或いはヘリカルギャの有効径(D1)と
    螺旋のピッチ角或いはヘリカルギャのリード角(θ1)
    との間に、D1/D2=tan θ2/tan θ1となる関係
    を有するとともに、2段目のピストンロッドが1段目の
    ピストンロッドに侵入する長さ(X)と、1段目のピス
    トンロッドが内筒に侵入する長さ(Y)とをX:Y=
    1:1にしたことを特徴とする請求項1に記載の多段型
    油圧緩衝器。
  3. 【請求項3】 前記内筒の内周面に成形したヘリカルギ
    ャ(H)を別部材で構成し、内筒に一体的に嵌挿するよ
    うにしたことを特徴とする請求項1に記載の多段型油圧
    緩衝器。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009174630A (ja) * 2008-01-24 2009-08-06 Fuji Latex Kk ショックアブソーバ
CN113669403A (zh) * 2021-08-06 2021-11-19 南京达钢新材料科技有限公司 低屈服点钢黏滞阻尼器及其阻尼墙

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