JP2000337296A - 送風装置 - Google Patents
送風装置Info
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Abstract
目的とする。 【解決手段】 ファンの翼先端から間隔をあけて環状壁
を形成し、前記環状壁の吸引側には、翼先端とのクリア
ランスが実質広くなるように、内径を拡大させた第一領
域と、翼先端とクリアランスを小さくし、スリットを設
けた第二領域とを有することを特徴とする送風装置で、
翼先端部分より、より多くの空気を吸い込むとともに、
スリットから流入した空気流によりファン失速を効果的
に抑制し、送風装置の効率を向上させることができる。
Description
のである。
気回路の高密度実装が盛んに使用されるようになってき
た。これに伴い電子機器の発熱密度も増加するため、機
器冷却用に送風装置が使用されている。
ァン1の翼先端から間隔をあけて環状壁2が形成されて
おり、モータ部3に通電した送風状態では、軸流ファン
1が軸4を中心に回転し、吸引側から吐出側に向かう空
気流5が発生する。
送風状態においては、翼先端の背圧側において空気流の
速度が速くなり、これが圧力エネルギーに変換される翼
後縁側に翼間二次流れの影響による低エネルギー領域が
発生する。この部分は損失も大きく流れの剥離が生じ易
く、空気流がブレード面より離脱してしまい、その離脱
領域には渦発生が起き、これにより乱流騒音を増加さ
せ、騒音レベルならびに風量−静圧特性の悪化を招く問
題がある。
ステムインピーダンス)がかかった場合、翼先端の漏れ
渦の発生が大きくなり、ファンとして失速状態を呈する
状態に陥る場合に頻繁に見られる。
の先願特許(特願平8−174042号、特願平9−1
51450号、特願平9−260738号、特願平9−
326843号、特願平9−359593号、特願平1
0−001950号)に記載の送風装置のように、送風
状態において環状壁に設けたスリットから環状壁の内部
へ空気を吸い込み、これにより翼先端漏れ渦および旋回
失速が生じることを抑制することによって風量−静圧特
性の向上と、静音化を図る方法が記載されている。
送風装置を示した図である。(a)、(b)、(c)、
(d)はそれぞれ送風装置の側面図と正面図、断面図お
よびX−X’断面詳細図である。
ァン1の周囲を取り巻く環状壁2にスリット6が形成さ
れている。
わたってほぼ等しくなるように、スリット6の隙間の幅
および、スリットの本数、あるいはそのいずれか一方を
変化させることにより、環状壁2の外周形状の影響を打
ち消し、特性を向上させている。
ない送風装置の同一回転数での特性を示したものであ
る。
号記載の環状壁外周から空気を流入させた送風装置は、
同一のサイズの従来型送風装置と比較して、高中圧時の
風量、および騒音等には優れるものの、低圧時の風量が
若干低く、またファンを同一回転数で駆動する際の仕事
率(駆動トルクに回転数を乗した値、以下ファン駆動力
と称する)が高いため、送風装置の静圧効率がかえって
劣る場合があるという問題点を有していた。
ァンの翼先端から間隔をあけて環状壁を形成し、前記環
状壁には前記の翼先端と対向する部分に環状壁の内周部
と外周部を連通するスリットを形成し、ファンの回転に
伴って前記スリットから空気を環状壁の内周部に吸い込
む送風装置において、ファン翼先端部から吸い込む空気
流の分布に着目し、環状壁の形状を工夫することによ
り、更なる最適化を図り特性を向上するものである。
めることができ、機器の消費エネルギーの低減、または
冷却能力の向上等を実現することができる。
ファンの翼先端から間隔をあけて環状壁を形成し、前記
環状壁には前記の翼先端と対向する部分に環状壁の内周
部と外周部を連通するスリットを形成し、ファンの回転
に伴って前記スリットから空気を環状壁の内周部に吸い
込む送風装置であって、前記環状壁は、吸引側の羽根先
端とのクリアランスが実質広くなるように、内径を拡大
させた第一領域と、羽根先端とクリアランスを小さく
し、スリットを設けた第二領域とを有するもので、送風
装置のエネルギー率を向上できる。
壁の第一領域と第二領域の境界は、ファンの翼先端の吸
引側から30%から60%の間の位置であることを特徴
とする請求項1記載の送風装置で請求項1記載の送風装
置の効果を最大限に引き出す条件を示したものである。
翼先端から間隔をあけて環状壁を形成し、前記環状壁に
は前記の翼先端と対向する部分に環状壁の内周部と外周
部を連通するスリットを形成し、ファンの回転に伴って
前記スリットから空気を環状壁の内周部に吸い込む送風
装置であって、前記環状壁に設けたスリットは、吸引側
のスリットの隙間の幅を広く、吐出側のスリットの隙間
の幅を狭く設定したことを特徴とする送風装置で、請求
項1記載の送風装置とほぼ同様の効果が得られる。
翼先端から間隔をあけて環状壁を形成し、前記環状壁に
は前記の翼先端と対向する部分に環状壁の内周部と外周
部を連通するスリットを形成し、ファンの回転に伴って
前記スリットから空気を環状壁の内周部に吸い込む送風
装置であって、前記環状壁に設けたスリットは、吸引側
のスリットの間隔を狭く、吐出側のスリットの間隔を広
く設定したことを特徴とする送風装置で、請求項1記載
の送風装置とほぼ同様の効果が得られる。
ットの幅および本数、またはそのいずれか一方を変化さ
せることにより、前記スリットから環状壁内部に流入す
る空気の流量を全周にわたってほぼ等しくした、請求項
1から4いずれか1項に記載の送風装置で、環状壁の外
周形状が円形以外の場合でも、円形の場合と同様の性能
を維持するように改良したものである。
て説明する。
(d)は実施例1の送風装置の側面図と正面図、断面図
およびX−X’断面詳細図を示す。
吸引側の羽根先端とのクリアランスが実質広くなるよう
に、内径を部分的に拡大させた第一領域と、羽根先端と
クリアランスを小さくし、内周部と外周部を連通するス
リット6を設けた第二領域とから構成されている。ま
た、各スリット6は、各部の流入抵抗が全周にわたって
ほぼ等しくなるように、スリットの隙間の幅wを径方向
および周方向に変化させている。
を用いて説明する。
先端とのクリアランスが広くなるように、内径を拡大さ
せた場合を示している。
方向9の方向に回転駆動されることにより、吸引側から
吐出側に向かう空気流5が発生するとともに、翼先端部
分からも、空気流5が吸い込まれ、クリアランスが一定
の場合と比較して、特に低圧状態において風量を増大さ
せる効果がある。
いため、空気の粘性の影響が少なく、空気が流入する際
のエネルギー損失も小さく、効率的に風量を増大するこ
とができる。
けると、低圧時には風量を増大できるものの、ある程度
圧力が加わった状態で使用されると、図2に示すよう
に、翼先端において正圧側から背圧側に流れる漏れ渦7
が大きく成長し、空気流がブレード面より離脱してしま
い、その離脱領域には乱流渦8が発生し、これにより乱
流騒音を増加させ、騒音レベルならびに風量−静圧特
性、風量−静圧特性が悪化し、風量および騒音が極端に
悪化する。
は、あまり大きく成長することはなく、逆に、翼先端の
中間部以降では、大きく成長しファンの性能に対して大
きな影響を及ぼす。
スを小さくして環状壁全体にスリットを設けた構成とし
た場合を示している。
れることによって、翼先端背圧側には負の圧力が発生
し、環状壁2内外周の気圧差により、各スリット6から
環状壁2内側に向って空気流5の流れ込みが発生する。
スリット6の隙間の幅wを適切な値に設定することによ
り、各スリット6から流れ込む空気流5により、翼先端
において正圧側から背圧側に流れる翼先端漏れ渦7が抑
制され、背圧面での空気流の離脱が無くなり、風量−静
圧特性の向上、ならびに騒音低減の効果がある。
吸い込む際には、空気の粘性によるエネルギー損失が発
生し、ファン駆動力が増加するために、送風装置の静圧
効率が低下する傾向にある。
の送風装置の場合を示している。
翼先端とのクリアランスが実質広くなるように、内径を
拡大させた第一領域と、羽根先端とクリアランスを小さ
くし、内周部と外周部を連通するスリット6を設けた第
二領域とから構成されている。
があまり大きく成長することはないため、この部分の内
径を大きくし、より多くの空気を翼先端部から吸込むよ
うにし、翼端漏れ渦が大きく成長する翼先端中間部以降
に、スリット6を設けることにより、効果的に翼先端漏
れ渦7が抑制され、ファン失速が抑制されトータルとし
ては性能が向上する。
てはスリット各部の流入抵抗が全周にわたってほぼ等し
くなるように、スリットの隙間の幅および、スリットの
本数、あるいはそのいずれか一方を変化させることによ
り、環状壁外周形状の影響を打ち消し、翼にかかる周期
的な負荷変動等を抑制し、特に騒音を低減する効果があ
る。
め、特に翼先端部とのクリアランスが実質広くなるよう
に、内径を拡大させた、第一領域と、翼先端部とクリア
ランスを小さくし、内周部と外周部を連通するスリット
6を設けた第二領域とを設けるとともに、この境界の翼
先端に対する位置関係に着目し、実験によりこれらを最
適化する条件を導き出した。
X’断面詳細図である。図1(d)は内径を拡大させた
第一領域と第二領域の境界をファン翼先端部の寸法tの
吸引側から50%の位置に設定したもので、同様に20
%から70%まで10%おきに変化させた送風装置を試
作した。スリットについては、いずれもスリット本数2
本でスリットの隙間の幅も同一寸法に設定した。
回転数で駆動した場合の特性を示している。
性である。図5に示したとおり、最大静圧付近の特性は
大差ないものの、中低圧時の特性に大きな差が現れてい
る。第一領域と第二領域の境界を風の吐出し方向に移動
するに従い最大風量が大きくなる傾向にあるが、中圧時
には50%前後を境として急激な風量の落ち込みが見ら
れる。
静圧効率特性である。図6に示したとおり、風量−ファ
ン静圧効率曲線のピーク値、つまり最大効率は環状壁の
第一領域と第二領域の境界が50%の位置にあるときが
最大となった。境界が吸引側にある場合は、風量−静圧
特性の落ち込み等もなく安定した効率を示すものの、同
一回転数で回転駆動する際のファン駆動力が高いために
全体的に効率が低くなってしまう。一方境界が吐出側に
ある場合は、風量−静圧特性の落ち込みにより極端に効
率が下がる領域が存在し効率が低くなってしまう。
界の位置とファンの最大効率の関係を表わしたグラフで
ある。
第二領域の境界が50%の位置にあるときを頂点として
どちらに移動しても効率が低下する傾向が確認できる。
の境界は、ファン翼先端部の寸法の吸引側から50%に
したときに効率が最大となったが、実際には羽根の形状
等によりこのポイントは若干ながら前後する場合があ
る。したがって一般的には、この境界は、ファン翼先端
部の寸法の吸引側から30%から60%の位置に設定す
ることによりファンの最大静圧効率を高くすることがで
き、本実施例では最大静圧効率を約31%以上に向上す
ることができる。
第二領域の境界位置をファン翼先端部の寸法の吸引側か
ら40%から60%の位置に設定することにより、図5
で示すように風量−静圧特性において中風量領域での静
圧の落ち込みのない特性とすることができる。しかも、
図6で示すように、風量−静圧効率特性においても中風
量領域での静圧効率の落ち込みの少ない特性とすること
ができ、より広い動作領域で静圧効率が優れた送風装置
を提供できる。
羽根先端とのクリアランスが実質広くなるように、内径
を拡大させたが、以下は別の方法で同様の効果が得られ
るようにした例を示す。
(d)は実施例2の送風装置の側面図と正面図、断面図
およびX−X’断面詳細図を示す。
けたスリット6a〜6dは、吸引側のスリット6aの隙
間の幅を広く、吐出側のスリット6dの隙間の幅を狭く
設定している。
の隙間の幅を大きく設定すると、スリットによる空気流
の整流作用が十分に得られなくなり、ファン失速の抑制
効果が弱まるものの、吸引側のスリット6aの流入抵抗
が小さくなるため、より多くの空気がこの吸引側のスリ
ット6aから吸い込まれる。これにより環状壁の内径を
大きくした場合と同じように翼先端部分からより多くの
空気を吸い込むことができ、低圧時の風量が増加すると
ともに、吐出側の隙間の幅を小さく設定したスリット6
dにより吸い込まれる整流された空気流によりファン失
速を抑制できる。
トの隙間の幅を、各部で最適な値に設定することによ
り、実施例1の場合と同様送風装置の特性を向上でき
る。
(d)は実施例3の送風装置の側面図と正面図、断面図
およびX−X’断面詳細図を示す。
けたスリット6a〜6dの隙間の幅は全て等しいもの
の、吸引側のスリット6a、6bの間隔は狭く、吐出側
のスリット6c、6dの間隔は広く設定している。
リットの間隔を狭く設定すると、スリット一つ一つの流
入抵抗は変わらないものの、全体としての流入抵抗が小
さく収まる。吸引側のスリットの流入抵抗が小さくなる
ため、より多くの空気をこの吸引側のスリットから吸い
込むようになり、実施例2とほぼ同様の効果を得ること
ができる。
施例3はスリットの隙間またはスリットの間隔の一方の
みを変化させた場合を示しているが、図10に示すよう
にスリットの隙間の幅とスリットの間隔の両方を同時に
変化させることもできる。この場合は、各部の流入抵抗
の設計自由度が向上し、より特性の優れた送風装置が設
計できることはいうまでもない。
内径を大きくしようとすると、図1に示したように部分
的に内径を大きくするか、あるいは、送風装置全体のサ
イズを大きくする必要があるが、前者の場合は、形状が
不均一になることにより翼に周期的な負荷変動が生じ、
翼の振動等を起こし易く、騒音増加の原因となり、後者
の場合は送風装置の大型化の原因となる。
トのみで構成した場合は、環状壁の半径方向長さに合わ
せてスリットの隙間の幅およびスリットの本数、または
そのいずれか一方を変化させることにより、各部の流入
抵抗をほぼ等しく設定することができ、スリットから環
状壁内部に流入する空気の流量を全周にわたってほぼ等
しくできるために、環状壁外周形状の影響を打ち消し、
環状壁外周形状によらず優れた性能を維持できるという
特徴がある。
使用することにより、送風能力が高い分、ファンの回転
数を下げて使用することにより、機器の消費電力の低
減、あるいは静音化等の効果が得られる。または、消費
電力を合わせた場合は、機器の冷却性能の向上等の効果
が得られる。
請求項1記載の発明によれば、翼先端部分からより多く
の空気を取り込むとともに、スリットから流入した空気
流によりファン失速を効果的に抑制し、送風装置の効率
を向上させることができる。
図
図
図
率特性図
率特性図
記載)の送風装置の側面図 (b)同先行技術の正面図 (c)同先行技術の断面図 (d)同先行技術のX−X’断面詳細図
の送風装置の特性図
Claims (5)
- 【請求項1】 ファンの翼先端から間隔をあけて環状壁
を形成し、前記環状壁には前記の翼先端と対向する部分
に環状壁の内周部と外周部を連通するスリットを形成
し、ファンの回転に伴って前記スリットから空気を環状
壁の内周部に吸い込む送風装置であって、 前記環状壁は、吸引側の羽根先端とのクリアランスが実
質広くなるように、内径を拡大させた第一領域と、羽根
先端とクリアランスを小さくし、スリットを設けた第二
領域とを有することを特徴とする送風装置。 - 【請求項2】 環状壁の第一領域と第二領域の境界は、
ファンの翼先端の吸引側から30%から60%の間の位
置であることを特徴とする請求項1記載の送風装置。 - 【請求項3】 ファンの翼先端から間隔をあけて環状壁
を形成し、前記環状壁には前記の翼先端と対向する部分
に環状壁の内周部と外周部を連通するスリットを形成
し、ファンの回転に伴って前記スリットから空気を環状
壁の内周部に吸い込む送風装置であって、 前記環状壁に設けたスリットは、吸引側のスリットの隙
間の幅を広く、吐出側のスリットの隙間の幅を狭く設定
したことを特徴とする送風装置。 - 【請求項4】 ファンの翼先端から間隔をあけて環状壁
を形成し、前記環状壁には前記の翼先端と対向する部分
に環状壁の内周部と外周部を連通するスリットを形成
し、ファンの回転に伴って前記スリットから空気を環状
壁の内周部に吸い込む送風装置であって、 前記環状壁に設けたスリットは、吸引側のスリットの間
隔を狭く、吐出側のスリットの間隔を広く設定したこと
を特徴とする送風装置。 - 【請求項5】 スリットの幅および本数、またはそのい
ずれか一方を変化させることにより、前記スリットから
環状壁内部に流入する空気の流量を全周にわたってほぼ
等しくした、請求項1から4いずれか1項に記載の送風
装置。
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JP15168399A JP4284751B2 (ja) | 1999-05-31 | 1999-05-31 | 送風装置 |
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Family Applications (1)
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JP2011501040A (ja) * | 2007-10-30 | 2011-01-06 | 日本電産株式会社 | 軸流ファンおよびその製造方法 |
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JP2016211440A (ja) * | 2015-05-08 | 2016-12-15 | 株式会社デンソー | 送風装置 |
CN110805897A (zh) * | 2019-10-31 | 2020-02-18 | 浙江百特燃烧器有限公司 | 一种烟气回流式燃烧器 |
-
1999
- 1999-05-31 JP JP15168399A patent/JP4284751B2/ja not_active Expired - Fee Related
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