JP2000337226A - 噴霧パターン可変燃料噴射ノズル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 噴霧パターンを広角噴霧と狭角噴霧に切り替
える。 【解決手段】 ノズルボディ１先端に広角噴霧用噴口３
を、その外回りに狭角噴霧用噴口４を設け、ノズルボデ
ィ１の中心孔２に嵌合した狭角噴霧用ニードル５の先端
で狭角噴霧用噴口４を閉鎖し、狭角噴霧用ニードル５の
中心孔８に嵌合した広角噴霧用ニードル９の先端で広角
噴霧用噴口３を閉鎖し、広角噴霧用ニードル９を移動し
て広角噴霧用噴口３を開放すると、燃料供給通路７が渦
形成用燃料通路１１を経て広角噴霧用噴口３に連通し、
燃料が広角噴霧用噴口３から旋回しつつ噴霧されて広角
噴霧が行われ、狭角噴霧用ニードル５を移動して狭角噴
霧用噴口４を開放すると、燃料供給通路７が狭角噴霧用
噴口４に連通し、燃料が狭角噴霧用噴口４から旋回せず
に噴霧されて狭角噴霧が行われる噴霧パターン可変燃料
噴射ノズル。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、噴霧パターンを変
更することができる燃料噴射ノズルに関する。

【０００２】

【従来の技術】通常の圧縮着火内燃機関において、燃焼
室に噴霧されて圧縮着火した燃料の燃焼は、燃料噴霧の
分散領域内で燃焼が広がる燃焼方式である。この通常の
燃焼方式は、出力を広い範囲で容易に制御することがで
きる。しかし、排気中の窒素酸化物（ＮOx）やすすなど
の有害物質が多くなる。

【０００３】この通常燃焼方式に用いられる燃料噴射ノ
ズルは、噴霧角が狭くて、貫徹力が強い。

【０００４】一方、圧縮着火内燃機関において、高分散
急速燃焼方式がある。この高分散急速燃焼方式において
は、燃料を吸気管に噴霧して空気と混合し、予混合した
燃料を燃焼室に供給する。又は、燃料を早期に直接に燃
焼室に噴霧して良好に分散させる。すると、燃料が燃焼
室に高分散して均一に分布し、燃焼室の多点で同時に着
火して燃焼が急激に行われる。その際、燃料を均一に分
散させた混合気の濃度を理論空燃比より薄くしておく
と、排気中の窒素酸化物（ＮOx）やすすなどの有害物質
が低減する。

【０００５】この高分散急速燃焼方式に用いられる燃料
噴射ノズルは、噴霧角が広くて、貫徹力が弱い。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】ところが、高分散急速
燃焼方式の圧縮着火内燃機関においては、混合気の濃度
が薄い低負荷運転時には、排気中の有害物質が大幅に低
減するが、混合気の濃度が濃い中負荷運転時と高負荷運
転時には、排気中の有害物質が大幅に増加する。出力を
上げることができない。

【０００７】そこで、圧縮着火内燃機関において、排気
中の有害物質を低減するため、低負荷運転時には、高分
散急速燃焼方式を用い、中負荷運転時と高負荷運転時に
は、通常燃焼方式を用いることが考えられる。

【０００８】このように運転負荷に応じて燃焼方式を変
更する圧縮着火内燃機関においては、燃料噴射ノズル
は、噴霧パターンを、運転負荷に応じて、高分散急速燃
焼用の広角低貫徹力の噴霧と通常燃焼用の狭角高貫徹力
の噴霧に切り替える必要がある。

【０００９】ところが、このような噴霧パターン可変式
の燃料噴射ノズルは、知られていない。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明は、図１又は図６
に例示するように、ノズルボディ１の先端に広角噴霧用
噴口３をノズルボディ１の中心孔２に連通して設け、ノ
ズルボディ１の先端の広角噴霧用噴口３外回りに複数の
狭角噴霧用噴口４をノズルボディ１の中心孔２に連通し
て設け、ノズルボディ１の中心孔２に狭角噴霧用ニード
ル５を嵌合して軸心方向に移動可能にし、狭角噴霧用ニ
ードル５の先端をノズルボディ１の中心孔２の先端に突
き当てて各狭角噴霧用噴口４を閉鎖し、狭角噴霧用ニー
ドル５の中心孔８に広角噴霧用ニードル９を嵌合して軸
心方向に移動可能にし、広角噴霧用ニードル９の先端を
ノズルボディ１の中心孔２の先端に突き当てて広角噴霧
用噴口３を閉鎖し、図４又は図７に例示するように、各
狭角噴霧用噴口４が閉鎖した状態を維持し、広角噴霧用
ニードル９をその基端側に移動して広角噴霧用噴口３を
開放すると、ノズルボディ１の燃料供給通路７が渦形成
用燃料通路１１を経て広角噴霧用噴口３に連通し、燃料
が広角噴霧用噴口３から旋回しつつ噴霧されて、広角噴
霧が行われ、また、図５又は図８に例示するように、広
角噴霧用噴口３が閉鎖した状態を維持し、狭角噴霧用ニ
ードル５をその基端側に移動して各狭角噴霧用噴口４を
開放すると、ノズルボディ１の燃料供給通路７が各狭角
噴霧用噴口４に連通し、燃料が各狭角噴霧用噴口４から
旋回せずに噴霧されて、狭角噴霧が行われる構成にした
ことを特徴とする噴霧パターン可変燃料噴射ノズルであ
る。

【００１１】

【発明の効果】本発明の噴霧パターン可変燃料噴射ノズ
ルにおいては、噴霧パターンを、広角噴霧と狭角噴霧に
切り替えることができる。

【００１２】

【発明の実施の形態】［第１例（図１〜図５参照）］本
例の噴霧パターン可変燃料噴射ノズルは、図１と図２に
示すように、円形横断面のノズルボディ１に、その基端
面に開口する中心孔２を同心に形成している。

【００１３】ノズルボディ１は、先端の中心部に、大径
の広角噴霧用噴口３を、中心孔２に連通して軸心位置に
貫通し、先端の周辺部に、小径の狭角噴霧用噴口４を、
中心孔２に連通して広角噴霧用噴口３の外回りの等間隔
位置に貫通している。

【００１４】広角噴霧用噴口３は、噴射方向が中心孔２
の軸心方向である。複数の狭角噴霧用噴口４は、噴射方
向が放射方向であって、中心孔２の軸心方向と径方向の
中間の傾斜方向である。

【００１５】ノズルボディ１の中心孔２には、図１に示
すように、円形横断面の狭角噴霧用ニードル５を、同心
に嵌合して軸心方向に移動可能にし、狭角噴霧用ニード
ル５の先端円錐面を中心孔２の先端円錐面の周辺部に突
き当て面接触して各狭角噴霧用噴口４を閉鎖している。

【００１６】狭角噴霧用ニードル５は、基端側の大径部
分を中心孔２の周面に密接し、先端側の小径部分と中心
孔２の周面との間に円筒形状の燃料通路６を設けてい
る。ノズルボディ１は、その基端面と燃料通路６の基端
との間に燃料供給通路７を貫通している。

【００１７】燃料供給通路７は、図示しない燃料噴射ポ
ンプに接続する。燃料は、燃料供給通路７を経て燃料通
路６に流入する。

【００１８】狭角噴霧用ニードル５は、その基端側に移
動すると、燃料通路６が各狭角噴霧用噴口４に連通し、
その先端側に移動して突き当て位置に戻ると、燃料通路
６と各狭角噴霧用噴口４の間が遮断される。

【００１９】また、狭角噴霧用ニードル５は、図１に示
すように、その先端面に開口する中心孔８を同心に形成
している。狭角噴霧用ニードル５の中心孔８には、円形
横断面の広角噴霧用ニードル９を、同心に嵌合して軸心
方向に移動可能にし、広角噴霧用ニードル９の円錐状先
端を広角噴霧用噴口３の内端に差し込んでノズルボディ
１の中心孔２の先端に突き当て、広角噴霧用噴口３を閉
鎖している。

【００２０】広角噴霧用ニードル９は、基端側の大径部
分を狭角噴霧用ニードル５の中心孔８の周面に密接し、
先端側の小径部分と狭角噴霧用ニードル５の中心孔８の
周面との間に円筒形状の広角噴霧用燃料通路１０を設け
ている。

【００２１】狭角噴霧用ニードル５には、その外側の燃
料通路６から内側の広角噴霧用燃料通路１０に至る複数
の渦形成用燃料通路１１をそれぞれ先端側に傾斜して貫
通している。各渦形成用燃料通路１１は、図１のＡ−Ａ
線断面で見ると、図３に示すように、それぞれ、広角噴
霧用燃料通路１０にその横断面の円環形状の接線方向に
連通している。

【００２２】広角噴霧用ニードル９は、その基端側に移
動すると、燃料通路６が渦形成用燃料通路１１と広角噴
霧用燃料通路１０を経て広角噴霧用噴口３に連通し、そ
の先端側に移動して突き当て位置に戻ると、広角噴霧用
燃料通路１０と広角噴霧用噴口３の間が遮断される。

【００２３】狭角噴霧用ニードル５の中心孔８には、図
１に示すように、螺旋ばね１２を同心に挿入し、中心孔
８の基端面と広角噴霧用ニードル９の基端面との間に螺
旋ばね１２を嵌め込んでいる。中心孔８の螺旋ばね１２
挿入部分は、圧力室１３にしている。

【００２４】狭角噴霧用ニードル５は、基端側大径部分
の外周面と圧力室１３の周面との間に連絡通路１４を貫
通している。ノズルボディ１は、その基端面と中心孔２
の周面との間に、連絡通路１４に連通する圧力制御通路
１５を貫通している。

【００２５】圧力制御通路１５は、図示しないが、圧力
制御装置を介して燃料噴射ポンプに接続する。

【００２６】狭角噴霧用ニードル５の基端側には、図１
に示すように、狭角噴霧用ニードル５をその先端側に押
し付けるピストン式の押付機構２１を設け、押付機構２
１のピストンロッド２２の先端面を狭角噴霧用ニードル
５の基端面に当て、押付機構２１の圧力室２３を、図示
しないが、圧力制御装置を介して燃料噴射ポンプに接続
する。狭角噴霧用ニードル５をその先端側に押し付ける
力を制御する構成にする。

【００２７】本例の噴霧パターン可変燃料噴射ノズルに
おいては、非噴霧時には、燃料供給通路７に供給される
燃料は、燃料通路６、渦形成用燃料通路１１と広角噴霧
用燃料通路１０に流入して充填する。圧力制御通路１５
に供給される燃料は、連絡通路１４を経て狭角噴霧用ニ
ードル５の圧力室１３に流入して充填する。

【００２８】また、図１に示すように、押付機構２１で
狭角噴霧用ニードル５がその先端側に押し付けられて各
狭角噴霧用噴口４が閉鎖し、螺旋ばね１２の弾性力と、
圧力室１３に充填した燃料の圧力で広角噴霧用ニードル
９がその先端側に押し付けられて広角噴霧用噴口３が閉
鎖する。

【００２９】噴霧角が広くて貫徹力が弱い広角噴霧を行
う時は、押付機構２１で狭角噴霧用ニードル５を押し付
ける力を非噴霧時の値に維持したまま、圧力制御通路１
５に供給される燃料の圧力を非噴霧時の値から下げる。
圧力室１３の燃料の圧力が低下し、広角噴霧用ニードル
９をその先端側に押し付ける力が弱まり、広角噴霧用燃
料通路１０に充填した燃料の圧力で広角噴霧用ニードル
９をその基端側に押し上げる力がその反対向きの押し付
け力に勝る。

【００３０】すると、図４に示すように、広角噴霧用ニ
ードル９がその基端側に押し上げられ、広角噴霧用噴口
３が開放する。狭角噴霧用ニードル５が押し付けられて
狭角噴霧用噴口４が閉鎖した状態は、維持される。

【００３１】広角噴霧用噴口３が開放すると、燃料供給
通路７に供給される燃料は、燃料通路６、渦形成用燃料
通路１１と広角噴霧用燃料通路１０を経て広角噴霧用噴
口３から噴霧される。

【００３２】その際、渦形成用燃料通路１１から広角噴
霧用燃料通路１０に流入した燃料は、旋回しつつ広角噴
霧用噴口３側に流れる。広角噴霧用噴口３から噴霧され
る燃料は、旋回を伴い、旋回による遠心力で噴霧角が広
くなって、貫徹力が弱くなる。いわゆる渦巻噴射ノズル
と同様であり、広角噴霧が行われる。

【００３３】噴霧角が狭くて貫徹力が強い狭角噴霧を行
う時は、圧力制御通路１５に供給される燃料の圧力を非
噴霧時の値に維持したまま、押付機構２１で狭角噴霧用
ニードル５を押し付ける力を非噴霧時の値から下げる。
狭角噴霧用ニードル５について、螺旋ばね１２の弾性
力、圧力室１３の燃料の圧力と燃料通路６の燃料の圧力
で押し上げる力がその反対向きの押し付け力に勝る。

【００３４】すると、図５に示すように、狭角噴霧用ニ
ードル５がその基端側に押し上げられ、各狭角噴霧用噴
口４が開放する。広角噴霧用ニードル９が押し付けられ
て広角噴霧用噴口３が閉鎖した状態は、維持される。

【００３５】狭角噴霧用噴口４が開放すると、燃料供給
通路７に供給される燃料は、燃料通路６を経て狭角噴霧
用噴口４から放射方向に噴霧される。

【００３６】各狭角噴霧用噴口４から噴霧される燃料
は、それぞれ、旋回を伴なわず、旋回による遠心力がな
く、噴霧角が狭くなって、貫徹力が強くなる。通常の噴
射ノズルと同様に、狭角噴霧が行われる。

【００３７】本例の噴霧パターン可変燃料噴射ノズル
は、圧縮着火内燃機関の燃焼室に取り付け、低負荷運転
時には、燃焼室で、噴霧角が広くて貫徹力が弱い広角噴
霧を行って、高分散急速燃焼を行い、中負荷運転時と高
負荷運転時には、燃焼室で、噴霧角が狭くて貫徹力が強
い狭角噴霧を行って、通常燃焼を行う。このようにし
て、排気中の有害物質を低減し、出力を確保する。

【００３８】［第２例（図６〜図８参照）］本例の噴霧
パターン可変燃料噴射ノズルは、前例のそれにおいて、
狭角噴霧用噴口４の閉鎖性を高め、渦形成用燃料通路１
１の構造を変更した。

【００３９】ノズルボディ１の中心孔２に嵌合した狭角
噴霧用ニードル５は、図６に示すように、基端側の大径
部分と大径先端部をそれぞれ中心孔２の周面に密接し、
基端側大径部分と大径先端部との間の小径部分と中心孔
２の周面との間に円筒形状の燃料通路６を設けている。

【００４０】狭角噴霧用ニードル５は、その円環状先端
縁３１を中心孔２の先端円錐面の広角噴霧用噴口３と各
狭角噴霧用噴口４との中間位置に線接触し、各狭角噴霧
用噴口４を密に閉鎖している。

【００４１】狭角噴霧用ニードル５の中心孔８に嵌合し
た広角噴霧用ニードル９は、図６に示すように、基端側
の大径部分と大径先端部をそれぞれ狭角噴霧用ニードル
５の中心孔８の周面に密接し、基端側大径部分と大径先
端部との間の小径部分と狭角噴霧用ニードル５の中心孔
８の周面との間に円筒形状の燃料通路３２を設けてい
る。

【００４２】狭角噴霧用ニードル５には、その外側の燃
料通路６から内側の燃料通路３２に至る複数の燃料通路
３３をそれぞれ径方向に貫通している。

【００４３】広角噴霧用ニードル９は、その円錐状先端
を広角噴霧用噴口３の内端に差し込んでノズルボディ１
の中心孔２の先端に突き当て、広角噴霧用噴口３を閉鎖
している。

【００４４】広角噴霧用ニードル９の先端円錐面と狭角
噴霧用ニードル５の中心孔８の先端周面及びノズルボデ
ィ１の中心孔２の先端円錐面との間には、広角噴霧用燃
料通路１０を設けている。

【００４５】広角噴霧用ニードル９の大径先端部の周面
には、その基端側の燃料通路３２から先端側の広角噴霧
用燃料通路１０に至る複数の渦形成用燃料通路１１をそ
れぞれ螺旋状に貫通している。

【００４６】その他の構成は、前例におけるのと同様で
ある。

【００４７】本例の噴霧パターン可変燃料噴射ノズルに
おいては、非噴霧時には、燃料供給通路７に供給される
燃料は、燃料通路６、燃料通路３３、燃料通路３２、渦
形成用燃料通路１１と広角噴霧用燃料通路１０に流入し
て充填する。圧力制御通路１５に供給される燃料は、連
絡通路１４を経て狭角噴霧用ニードル５の圧力室１３に
流入して充填する。

【００４８】また、図６に示すように、押付機構２１で
狭角噴霧用ニードル５がその先端側に押し付けられて各
狭角噴霧用噴口４が閉鎖し、螺旋ばね１２の弾性力と圧
力室１３の燃料の圧力で広角噴霧用ニードル９がその先
端側に押し付けられて広角噴霧用噴口３が閉鎖する。

【００４９】噴霧角が広くて貫徹力が弱い広角噴霧を行
う時は、押付機構２１で狭角噴霧用ニードル５を押し付
ける力を非噴霧時の値に維持したまま、圧力制御通路１
５に供給される燃料の圧力を非噴霧時の値から下げる。
広角噴霧用ニードル９をその先端側に押し付ける力が弱
まり、広角噴霧用燃料通路１０の燃料の圧力で広角噴霧
用ニードル９をその基端側に押し上げる力がその反対向
きの押し付け力に勝る。

【００５０】すると、図７に示すように、広角噴霧用ニ
ードル９がその基端側に押し上げられ、広角噴霧用噴口
３が開放する。狭角噴霧用噴口４が閉鎖した状態は、維
持される。

【００５１】広角噴霧用噴口３が開放すると、燃料供給
通路７に供給される燃料は、燃料通路６、３３、３２、
渦形成用燃料通路１１と広角噴霧用燃料通路１０を経て
広角噴霧用噴口３から噴霧される。

【００５２】その際、渦形成用燃料通路１１から広角噴
霧用燃料通路１０に流入した燃料は、旋回しつつ広角噴
霧用噴口３側に流れる。広角噴霧用噴口３から噴霧され
る燃料は、旋回を伴い、遠心力で噴霧角が広くなって、
貫徹力が弱くなる。広角噴霧が行われる。

【００５３】噴霧角が狭くて貫徹力が強い狭角噴霧を行
う時は、圧力制御通路１５に供給される燃料の圧力を非
噴霧時の値に維持したまま、押付機構２１で狭角噴霧用
ニードル５を押し付ける力を非噴霧時の値から下げる。
狭角噴霧用ニードル５について、螺旋ばね１２の弾性力
と圧力室１３の燃料の圧力で押し上げる力がその反対向
きの押し付け力に勝る。

【００５４】すると、図８に示すように、狭角噴霧用ニ
ードル５がその基端側に押し上げられ、各狭角噴霧用噴
口４が開放する。広角噴霧用噴口３の閉鎖状態は、維持
される。

【００５５】狭角噴霧用噴口４が開放すると、燃料供給
通路７に供給される燃料は、燃料通路６、３３、３２を
経て狭角噴霧用噴口４から放射方向に噴霧される。

【００５６】各狭角噴霧用噴口４から噴霧される燃料
は、それぞれ、旋回を伴なわず、噴霧角が狭くなって、
貫徹力が強くなる。狭角噴霧が行われる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態の第１例における噴霧パター
ン可変燃料噴射ノズルの縦断側面図。

【図２】同燃料噴射ノズルの正面図。

【図３】図１のＡ−Ａ線断面図。

【図４】同燃料噴射ノズルの広角噴霧時の縦断側面図。

【図５】同燃料噴射ノズルの狭角噴霧時の縦断側面図。

【図６】実施形態の第２例における噴霧パターン可変燃
料噴射ノズルの縦断側面図。

【図７】同燃料噴射ノズルの広角噴霧時の縦断側面図。

【図８】同燃料噴射ノズルの狭角噴霧時の縦断側面図。

【符号の説明】

１ ノズルボディ ２ ノズルボディの中心孔 ３ 広角噴霧用噴口 ４ 狭角噴霧用噴口 ５ 狭角噴霧用ニードル ６、３２、３３ 燃料通路 ７ 燃料供給通路 ８ 狭角噴霧用ニードルの中心孔 ９ 広角噴霧用ニードル １０ 広角噴霧用燃料通路 １１ 渦形成用燃料通路

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河村 清美 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の１ 株式会社豊田中央研究所内 Ｆターム(参考） 3G066 AA07 AB02 AD12 BA02 BA16 BA24 BA25 CC06T CC08T CC12 CC14 CC21 CC42 CC43 CC48 CC64T CE13 DB06 DB08 DB09

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ノズルボディの先端に広角噴霧用噴口を
   ノズルボディの中心孔に連通して設け、ノズルボディの
   先端の広角噴霧用噴口外回りに複数の狭角噴霧用噴口を
   ノズルボディの中心孔に連通して設け、 ノズルボディの中心孔に狭角噴霧用ニードルを嵌合して
   軸心方向に移動可能にし、狭角噴霧用ニードルの先端を
   ノズルボディの中心孔の先端に突き当てて各狭角噴霧用
   噴口を閉鎖し、 狭角噴霧用ニードルの中心孔に広角噴霧用ニードルを嵌
   合して軸心方向に移動可能にし、広角噴霧用ニードルの
   先端をノズルボディの中心孔の先端に突き当てて広角噴
   霧用噴口を閉鎖し、 各狭角噴霧用噴口が閉鎖した状態を維持し、広角噴霧用
   ニードルをその基端側に移動して広角噴霧用噴口を開放
   すると、ノズルボディの燃料供給通路が渦形成用燃料通
   路を経て広角噴霧用噴口に連通し、燃料が広角噴霧用噴
   口から旋回しつつ噴霧されて、広角噴霧が行われ、 広角噴霧用噴口が閉鎖した状態を維持し、狭角噴霧用ニ
   ードルをその基端側に移動して各狭角噴霧用噴口を開放
   すると、ノズルボディの燃料供給通路が各狭角噴霧用噴
   口に連通し、燃料が各狭角噴霧用噴口から旋回せずに噴
   霧されて、狭角噴霧が行われる構成にしたことを特徴と
   する噴霧パターン可変燃料噴射ノズル。