JP2000337087A - シールド掘進機 - Google Patents

シールド掘進機

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JP2000337087A
JP2000337087A JP14839299A JP14839299A JP2000337087A JP 2000337087 A JP2000337087 A JP 2000337087A JP 14839299 A JP14839299 A JP 14839299A JP 14839299 A JP14839299 A JP 14839299A JP 2000337087 A JP2000337087 A JP 2000337087A
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努 水谷
Nobuyuki Maehara
信之 前原
Takayoshi Otsuka
孝義 大塚
Kazuhisa Tomizuka
一寿 富塚
Terumasa Yokosaki
照将 横崎
Masato Honda
正人 本多
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Mitsui Construction Co Ltd
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Nippon Civic Consulting Engineers Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カッタスポークの作業室への水や土砂の浸入
を確実に防止してカッタビットの交換作業を安全かつ支
障なく行えるシールド掘進機を提供する。 【解決手段】 カッタヘッド2のカッタスポーク2−1
の内部に作業室8を形成して、この作業室8からカッタ
ビット3−1,3−2をカッタスポーク2−1に交換可
能に取り付け得るようにしたシールド掘進機において、
作業室内8に圧縮空気を供給できるようにするととも
に、開閉装置で開閉可能な機内側出入口11a,12a
と開閉装置で開閉可能な機外側出入口11b,12bと
通行可能な内部空間とを有する中心部密閉室7−1、周
辺部密閉室7−2を設けて、シールド本体1の中心部に
回転可能に設置したセンタドラム2−3を中心部密閉室
7−1と作業室8とに連絡し、また、周辺部密閉室7−
2を前後方向に移動可能に設置して、前方に移動したと
きに作業室8に気密に連絡できるように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カッタヘッドを構
成するカッタスポークの内部に作業室を形成するととも
に、このカッタスポークの作業室からカッタビットをカ
ッタスポークに交換可能に取り付け得るようにしたシー
ルド掘進機に関するもので、特に大口径のシールド掘進
機に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】シールド掘進機では、カッタヘッドで地
山を掘削する過程においてカッタビットが摩耗又は損傷
しないようにカッタビットに超硬チップを用いてカッタ
ビットの耐摩耗性を向上させるようにしている。しかし
ながら、掘進時に硬質の地山に遭遇したり掘進距離が長
くなったりすると、カッタビットの摩耗量が実用上の限
界値を超え、場合によっては破損することもあるため、
掘進中にカッタビットの交換をすることが必要になる。
そのカッタビットの交換をする場合、通常、地山の崩落
や湧水の防止等の安全対策を切羽周辺に施した後、作業
員が切羽に出てカッタビットの交換作業を行っていた。
こうした方法によるカッタビットの交換作業は、多大の
時間と経費を要するだけでなく、シールド掘進機外の切
羽で行わなければならないため、必ずしも安全に行える
とは限らない。
【0003】こうしたことから、特に、カッタヘッドを
大型のカッタスポークで構成した大口径のシールド掘進
機において、カッタスポークの内部にカッタビットを交
換するための作業室を形成するようにした技術が従来開
発されている。この種の技術として、例えば特開平2ー
225795号公報に記載の技術を挙げることができ
る。この従来の技術は、カッタスポークを中心部から放
射状に設けたカッタヘッドを有するシールド掘進機にお
いて、カッタスポークを中空状に形成してその内部に作
業室を形成するとともに、この作業室に機内から出入り
できるようにするための通路を設けたものである。そし
て、カッタビットをカッタスポークにその作業室から交
換できるように取り付けるようにし、カッタビットを交
換する際には、作業員が機内からカッタスポークの作業
室に入ってカッタビットの交換作業を行えるようにした
ものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この従来の技術は、カ
ッタビットの交換作業をカッタスポークの作業室で行え
ば、支障なく安全に行えるとの認識のもとに考えられた
ものであるが、実際上はカッタビットの交換時に重大な
問題が生じる。この点について述べると、この種の従来
の技術では、カッタビットの交換時にカッタスポークの
作業室でカッタビットの着脱が行えるようにするため、
カッタビットのシャンクを挿入するためのシャンク挿入
孔をカッタスポークに設けてシャンクをそのシャンク挿
入孔に挿入してカッタビットを固定するようにしてい
る。そして、カッタビットの交換時には、カッタビット
をシャンク挿入孔からカッタスポークの作業室内に抜き
取ったり、新しいカッタビットをその作業室内からシャ
ンク挿入孔に挿入して取り付けたりすることができるよ
うにしている。そのため、カッタビットの交換時におい
て、古いカッタビットを抜き取ってから新しいカッタビ
ットをシャンク挿入孔に挿入するまでの間にシャンク挿
入孔を通じて切羽周辺の水や土砂が浸入してカッタビッ
トの交換作業に支障をもたらし、場合によっては、作業
員が危険にさらされる危惧もある。
【0005】本発明は、従来の技術にみられるこうした
問題を解決するために創作されたものであって、その技
術課題は、カッタビットの交換作業をカッタスポークの
作業室で行う場合に作業室内への水や土砂の浸入を確実
に防止してその交換作業を安全かつ支障なく行えるシー
ルド掘進機を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のこうした技術課
題は、カッタスポークを中心部から複数放射状に設けた
カッタヘッドをカッタ駆動装置で回転駆動して地山を掘
削し得るようにシールド本体前部に設置し、カッタスポ
ークの内部に作業室を形成するとともに、このカッタス
ポークの作業室からカッタビットをカッタスポークに交
換可能に取り付け得るようにしたシールド掘進機におい
て、カッタスポークの作業室内に圧縮空気を供給できる
ようにするとともに、気密に閉鎖できる開閉装置で開閉
されシールド本体の内側に通じる機内側出入口と気密に
閉鎖できる開閉装置で開閉されシールド本体の外側寄り
に位置する機外側出入口と通行可能な内部空間とを有す
る少なくとも一つの密閉室を設けて、この密閉室をカッ
タスポークの作業室に気密に連絡できるように構成し
た、ことにより達成される。
【0007】本発明のシールド掘進機は、このように構
成しているので、カッタビットの交換作業をカッタスポ
ークの作業室で行おうとする場合において、カッタスポ
ークの作業室内に水や土砂が浸入する危惧のあるときに
は、密閉室が連絡された状態にあるカッタスポークの作
業室に圧縮空気を供給してその作業室内の気圧を高め
る。一方、作業員は、密閉室の機内側出入口の開閉装置
を操作することによりその機内側出入口を開放してシー
ルド本体内から入室し、しかる後、これを閉鎖する。こ
の間、密閉室の機外側出入口が閉鎖されていて、カッタ
スポークの作業室は、大気と遮断されているので、この
ように密閉室の機内側出入口を一時開放しても、作業室
の気圧が低下することはない。
【0008】次いで、この密閉室の内部空間を通過後、
今度は、機外側出入口の開閉装置を操作することにより
その機外側出入口を開放して通過し、しかる後、機外側
出入口を閉鎖してからカッタスポークの作業室に向か
う。この間、カッタスポークの作業室が一時的に密閉室
に通じるが、この密閉室は、機内側出入口が閉鎖されて
いて大気とは遮断されているので、カッタスポークの作
業室の気圧は実質上低下することがない。このように、
カッタスポークの作業室の気圧は、圧縮空気の供給によ
り高められており、また、その作業室へ作業員が入るま
での間に実質上低下するようなこともないので、カッタ
ビットの交換作業時に水や土砂がカッタスポークのシャ
ンク挿入孔を通じてカッタスポークの作業室へ浸入する
のを確実に防止することができてその交換作業を安全か
つ支障なく行うことがでる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明が実際上どのように
具体化されるのかを示す具体化例を図1及び図2に基づ
いて説明することにより、本発明の実施の形態を明らか
にする。図1は、本発明の具体化例のシールド掘進機の
縦断面図、図2は図1のシールド掘進機の矢印A−A方
向からみた矢視図、図3は、図1のシールド掘進機の要
部の縦断面図である。
【0010】1はシールド掘進機の胴体をなすシールド
本体、1−1,1−2はこのシールド本体1の前部を機
外から遮断する隔壁としてのバルクヘッドで、1−1は
バルクヘッドの中央部をなす中央部バルクヘッド、1−
2はバルクヘッドの周辺部をなす周辺部バルクヘッドで
あり、これらのバルクヘッド1−1,1−2の前方に
は、掘削土砂を取り込んで充満させ土圧をたてるための
チャンバCが形成されている。シールド本体1内にはそ
の周方向に適宜の間隔を置いて複数本のシールドジャッ
キ15が設置されている。また、シールド本体1の後部
では、セグメント16が組み立てられてシールド掘進機
で掘削した地下坑を覆工する。シールド本体1は、この
組み立てられたセグメント16で反力をとりながらシー
ルドジャッキ15により推進される。
【0011】2はシールド本体1の前部のバルクヘッド
1−1,1−2に回転可能に支承され切羽を掘削するカ
ッタヘッド、2−1はこのカッタヘッド2を形成するカ
ッタスポーク、2−2はこのカッタスポーク2−1に取
り付けられカッタヘッド2の中心部と外周部との中間を
支持する支持部材としての中間ビーム、3−1はカッタ
スポーク2−1に固着され普通の硬さの地山を掘削する
カッタビット(ティースビット)、3−2はカッタスポ
ーク2−1に固着され切羽を先掘りするカッタビット
(先行ビット)、4はバルクヘッド1−1,1−2に取
り付けられ中間ビーム2−2を旋回可能に支持するカッ
タ支持軸受としての旋回ベアリング、5はカッタヘッド
2を回転駆動するための原動機とその原動機の回転を減
速するための減速機とで構成されカッタヘッド2を減速
して回転駆動するカッタ駆動装置であり、ここに示す例
では、原動機として電動機を用いている。
【0012】カッタヘッド2は、その中心部をなすボス
とその外周部を形成するリング状の外周部フレームとを
複数のカッタスポーク2−1で放射状に連結することに
より骨格が形成される。各カッタスポーク2−1には、
図2に示すように多数のカッタビット3−1,3−2が
固着されており、前述したように、シールド掘進機の掘
進中にその何れかが摩耗又は損傷したときには新しいカ
ッタビットに交換される。中間ビーム2−2は、複数本
設けられ、ここに示す例では、各カッタスポーク2−1
に対応して設けている。これらの各中間ビーム2−2
は、それぞれ、一端部がカッタスポーク2−1に取り付
けられ、多端部が旋回ベアリング4に取り付けられて、
カッタヘッド2を回転可能に支持する。以上は、通常の
シールド掘進機が備えている一般的な構造である。
【0013】次に、本発明に直接関連する技術内容につ
いて説明する。2−3は通行可能な内部空間を有しシー
ルド本体1の中心部に回転可能に設置されたセンタドラ
ム、6はカッタビット3−1,3−2の交換時にカッタ
ヘッド2を所望の位置に回転させる、後に詳述するカッ
タ微速回転用の油圧モータ、7−1,7−2は圧力容器
と通行可能な内部空間を有する筒状体で形成される密閉
室で、7−1はシールド本体1の中心部に配置された中
心部密閉室、7−2はシールド本体1の周辺部に配置さ
れた周辺部密閉室、8はカッタスポーク2−1の内部に
形成されカッタビット3−1,3−2の交換作業をする
ための通路や作業スペースとなる作業室、9はセンタド
ラム2−3の内部に形成され作業室8へ出入りするため
の通路となるセンタドラム内スペースである。
【0014】カッタスポーク2−1の作業室8は、図示
していない圧縮機や配管により、必要に応じて、センタ
ドラム2−3や密閉室7−1,7−2を通じて室内に圧
縮空気を供給できるように構成しており、この点で従来
の技術における作業室とは基本的に異なる。中心部密閉
室7−1は、気密に閉鎖できる開閉装置で開閉されシー
ルド本体1の内側に通じる機内側出入口11aを圧力容
器の部分に有するとともに、気密に閉鎖できる開閉装置
で開閉されシールド本体1の外側寄りすなわちチャンバ
C寄りに位置する機外側出入口11bを筒状体の部分に
有する。同様にして、周辺部密閉室7−2も、気密に閉
鎖できる開閉装置で開閉されシールド本体1の内側に通
じる機内側出入口12aと、気密に閉鎖できる開閉装置
で開閉されシールド本体1の外側寄りに位置する機外側
出入口12bとを有しており、中心部密閉室7−1と周
辺部密閉室7−2とは、それ自体の構造に基本的な差は
ない。これらの密閉室7−1,7−2は、何れも、カッ
タスポーク2−1の作業室8に気密に連絡できるように
構成しているが、そのための具体的構造は異なる。そこ
で、密閉室7−1,7−2を作業室8に気密に連絡でき
るように構成するためのそれぞれの構造について述べ
る。
【0015】まず、中心部密閉室7−1について述べる
と、中心部密閉室7−1は、センタドラム2−3を介し
て作業室8に気密に連絡できるようにしている。このセ
ンタドラム2−3は、中心部密閉室7−1の機外側出入
口11bと連絡可能な連絡口9aと、各々のカッタスポ
ーク2−1の作業室8と連絡可能な他端部の連絡口9b
とを有し、筒状体をなしている。
【0016】センタドラム2−3は、一端部を中心部密
閉室7−1の機外側出入口11bに接続し、他端部をカ
ッタヘッド2に取り付けて作業室8に接続している。そ
れゆえ、センタドラム2−3及び中心部密閉室7−1
は、カッタヘッド2と共に回転する。図1に示す例で
は、この筒状体のセンタドラム2−3を、特に、カッタ
ヘッド2側に向かって径が小さくなるように略円錐状に
形成しているが、円筒状のものでもよい。カッタヘッド
2で掘削される土砂は、隣接するカッタスポーク2−1
の間隙からチャンバC内に流入して取り込まれるが、図
1に示す例のようにセンタドラム2−3をカッタヘッド
2側に向かって小径にすることにより、チャンバーC内
への掘削土砂の流入路を、センタドラム2−3を円筒状
に形成した場合に比べて塞がないようにすることができ
るため、チャンバーC内への掘削土砂の流れを相対的に
良好にすることができる。
【0017】周辺部密閉室7−2について述べると、周
辺部密閉室7−2は、前後方向に移動できるように設置
することにより、直接、カッタスポーク2−1の作業室
8に気密に連絡できるようにしている。そのため、図3
に示すように、周辺部密閉室7−2の筒状体の部分を周
辺部バルクヘッド1−2に対して摺動できるように設置
するとともに、周辺部バルクヘッド1−2の摺動部に土
砂浸入防止用のシール14を取り付けている。また、図
示していない油圧ジャッキで周辺部密閉室7−2を前後
方向に駆動できるようにしているとともに、周辺部密閉
室7−2の機外側出入口12bと連絡可能な作業室8の
出入り口13をカッタスポーク2−1に設けて、周辺部
密閉室7−2を前方に移動したときに、その前端をカッ
タスポーク2−1に気密に接触させて機外側出入口12
bを作業室8の出入り口13に連絡できるようにしてい
る。図には、こうした周辺部密閉室7−2を一つ設けた
例しか示していないが、適宜のカッタスポーク2−1に
対応して複数設けるようにしてもよい。
【0018】作業室8の出入り口13は、シールド掘進
機の掘進中に水や土砂が作業室8内に浸入しないよう
に、図示していない開閉装置で閉鎖できるようにしてお
り、機外側出入口12bを連絡した後に開放する。周辺
部密閉室7−2を前方に移動して機外側出入口12bを
作業室8の出入り口13に連絡する場合、カッタヘッド
2を回転させることによりその出入り口13を周辺部密
閉室7−2の機外側出入口11bに位置合わせする。そ
の位置合わせをするとき、地山を掘削時に用いる電動機
によるカッタ駆動装置5によりカッタヘッド2を回転さ
せて位置合わせをすることもできるが、図1に示す例で
は、特に油圧モータと減速機とで構成したカッタ微速回
転用駆動装置6を別途設け、カッタ微速回転用駆動装置
6でカッタヘッド2を微速回転させることにより位置合
わせできるようにしている。
【0019】カッタスポーク2−1内に作業室8を形成
できるような大口径のシールド掘進機では、効率の良さ
から電動機でカッタヘッドを回転するのが一般的である
が、電動機は、ブレーキにより定位置で停止させるのが
困難であること、低速回転に不適であること等の特性を
もつことから、前記の位置合わせ時にカッタヘッド2を
正確に位置決めして停止させることが難しい。これに対
し、油圧モータは、圧油の供給量を調整することにより
微速回転を容易に行うことができ、慣性力も電動機に比
べてはるかに小さいため、カッタヘッド2を正確に位置
決めして停止させることができる。こうしたことから、
電動機を用いたカッタ駆動装置5で地山を効率的に掘削
できるようにするほか、油圧モータを用いたカッタ微速
回転用駆動装置6を別途設け、このカッタ微速回転用駆
動装置6でカッタヘッド2を回転させて位置決めするこ
とにより作業室8の出入り口13を周辺部密閉室7−2
の機外側出入口12bに容易かつ正確に位置合わせでき
るようにしている。
【0020】本発明のシールド掘進機は、このように構
成しているので、カッタビット3−1,3−2の交換作
業をカッタスポーク2−1の作業室8で行おうとすると
きには、カッタ微速回転用駆動装置6でカッタヘッド2
を回転させて作業室8の出入り口13を周辺部密閉室7
−2の機外側出入口12bに位置合わせした後、周辺部
密閉室7−2を油圧ジャッキで前方に移動して、中心部
密閉室7−1と同様に作業室8に気密に連絡する。しか
る後、作業員は、中心部密閉室7−1及び周辺部密閉室
7−2の所望の側を通じてカッタスポーク2−1の作業
室8に入る。その場合、特に、作業室8内に水や土砂が
浸入する危惧のあるときには、作業室8に圧縮空気を供
給してその作業室8内の気圧を高める。そして、例え
ば、中心部密閉室7−1の側から作業室8に入るときに
は、作業員は、中心部密閉室7−1の機内側出入口11
aの開閉装置を操作することによりその機内側出入口1
1aを開放してシールド本体1内から入室し、しかる
後、これを閉鎖する。この間、中心部密閉室7−1の機
外側出入口11bが閉鎖されていて、カッタスポーク2
−1の作業室8は、大気と遮断されているので、このよ
うに機内側出入口11aを一時開放しても、作業室8の
気圧が低下することはない。
【0021】次いで、中心部密閉室7−1を作業室8と
同じ気圧になるように加圧して、作業員がこの中心部密
閉室7−1の内部空間を通過した後、今度は、機外側出
入口11bの開閉装置を操作することによりその機外側
出入口11bを開放して通過し、しかる後、機外側出入
口11bを閉鎖してからセンタドラム2−3を通ってカ
ッタスポーク2−1の作業室8に入る。この間、その作
業室8が一時的に中心部密閉室7−1に通じるが、この
中心部密閉室7−1は、機内側出入口11aが閉鎖され
ていて大気とは遮断されているので、作業室8の気圧は
実質上低下することがない。このように、カッタスポー
ク2−1の作業室8の気圧は、圧縮空気の供給により高
められており、また、その作業室8へ作業員が入るまで
の間に実質上低下するようなこともないので、カッタビ
ット3−1,3−2の交換作業時に水や土砂がカッタス
ポーク2−1のシャンク挿入孔を通じてカッタスポーク
2−1の作業室8へ浸入するのを確実に防止することが
できてその交換作業を安全かつ支障なく行うことができ
る。
【0022】一方、周辺部密閉室7−2の側からカッタ
スポーク2−1の作業室8に入るときには、作業員は、
周辺部密閉室7−2に、その機内側出入口12aを開放
して入室し、これを閉鎖する。次いで、周辺部密閉室7
−2を作業室8と同じ気圧になるように加圧し、作業員
は、この周辺部密閉室7−2の内部空間を通った後、周
辺部密閉室7−2の機外側出入口12bと作業室8の出
入り口13を開放して通過し、作業室8に入った後、機
外側出入口12bを閉鎖する。したがって、周辺部密閉
室7−2の側から作業室8に入るときにも、中心部密閉
室7−1の側から入るときと同様の作用効果を奏するこ
とができる。
【0023】以上、カッタスポーク2−1の作業室8で
カッタビット3−1,3−2の交換作業を行う場合に作
業室8内に水や土砂が浸入する危惧のあるときの作用効
果について述べたが、こうした危惧のないときには、中
心部密閉室7−1の出入口11a,11bと周辺部密閉
室7−2の出入口12a,12bや作業室8の出入り口
13を開放してカッタビット3−1,3−2の交換作業
を行う。そうすると、各密閉室7−1,7−2の出入口
11a,11b,12a,12b,13を換気孔に利用
して作業室8内の空気を循環させ、作業室8内の換気を
円滑に行うことができる。また、このように二つの密閉
室7−1,7−2を設けて出入口を二系統にしているた
め、不測の事態により緊急避難を要する場合でも、これ
ら二系統の出入口を選択的に利用して避難することがで
きて非常に安全である。
【0024】ところで、シールド掘進機は、カッタヘッ
ド2の支持方式から大別すると、カッタヘッド2の中心
部を回転駆動軸としてのセンタシャフトで支持するタイ
プのセンタシャフト支持方式のシールド掘進機と、カッ
タヘッド2をセンターシャフトで支持しないでその外周
部や中間部をカッタ支持部材で支持するタイプの非セン
ターシャフト支持方式のシールド掘進機とに大別するこ
とができる。また、非センターシャフト支持方式のシー
ルド掘進機についは、カッタヘッド2の外周部をシール
ド本体1より若干小径の円筒体で支持する周辺支持タイ
プのシールド掘進機、カッタヘッド2の外周部付近を複
数の外周ビームで支持する外周ビーム支持タイプのシー
ルド掘進機、カッタヘッド2の中心部と外周部との中間
部を複数の中間ビーム2−2で支持する中間ビーム支持
タイプのシールド掘進機を挙げることができる。
【0025】図に示すシールド掘進機は、カッタヘッド
2を複数の中間ビーム2−2で支持する中間ビーム支持
タイプにしているため、密閉室として中心部密閉室7−
1と周辺部密閉室7−2の二つの密閉室を設けることが
できるが、シールド掘進機をセンタシャフト支持方式に
した場合には、密閉室をシールド本体1の中心部に設け
ることはできない。こうした場合に本発明を実施すると
きには、シールド本体1の中心部以外の部位すなわちシ
ールド本体1の周辺部に配置する周辺部密閉室7−2だ
けを設置して、前述した構造により前後方向に移動でき
るようにすればよい。こうした方法を採用した場合、周
辺部密閉室7−2と作業室8との間を他の通路部材を介
さずに直接連絡するように構成できるため、これらの室
7−2,8を連絡するための構造を簡素化することがで
きる。
【0026】また、非センターシャフト支持方式のシー
ルド掘進機でも、周辺支持タイプや外周ビーム支持タイ
プのシールド掘進機では、中心部密閉室7−1と周辺部
密閉室7−2の二つの密閉室を設けることが一般的には
困難であり、そのときには、前述した構造によりセンタ
ドラム2−3を設けて中心部密閉室7−1だけを設置す
るようにすればよい。こうした方法を採用した場合、中
心部密閉室7−1をカッタスポーク2−1の作業室8に
常時連絡するように構成できるため、これら中心部密閉
室7−1と作業室8とを連絡するための移動機構を要せ
ずに中心部密閉室7−1を作業室8に連絡することがで
きて、全体の構造をシンプルにすることができるととも
に関連設備の設置に必要なスペースを小さくすることが
できる。また、カッタビット3−1,3−2の交換作業
の際に、中心部密閉室7−1と作業室8とを連絡するた
めの中心部密閉室7−1の移動操作も要せず、その交換
作業の便もよい。
【0027】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
は、カッタスポークを中心部から複数放射状に設けたカ
ッタヘッドをカッタ駆動装置で回転駆動して地山を掘削
し得るようにシールド本体前部に設置し、カッタスポー
クの内部に作業室を形成するとともに、このカッタスポ
ークの作業室からカッタビットをカッタスポークに交換
可能に取り付け得るようにしたシールド掘進機におい
て、「カッタスポークの作業室内に圧縮空気を供給でき
るようにするとともに、気密に閉鎖できる開閉装置で開
閉されシールド本体の内側に通じる機内側出入口と気密
に閉鎖できる開閉装置で開閉されシールド本体の外側寄
りに位置する機外側出入口と通行可能な内部空間とを有
する少なくとも一つの密閉室を設けて、この密閉室をカ
ッタスポークの作業室に気密に連絡できるように構成し
た」ので、本発明によれば、カッタビットの交換作業を
カッタスポークの作業室で行う場合に作業室内への水や
土砂の浸入を確実に防止してその交換作業を安全かつ支
障なく行えるシールド掘進機が得られる。
【0028】本発明を具体化する場合、特に、特許請求
の範囲の請求項2に記載のように具体化すれば、こうし
た優れた効果を発揮できることに加え、密閉室をシール
ド本体の中心部に配置してカッタスポークの作業室に常
時連絡するように構成しているため、これら密閉室と作
業室とを連絡するための移動機構を要せずに密閉室を作
業室に連絡することができて、全体の構造をシンプルに
することができるとともに関連設備の設置に必要なスペ
ースを小さくすることができる。また、カッタビットの
交換作業の際に、密閉室と作業室とを連絡するための密
閉室の移動操作も要せず、その交換作業の便もよい。本
発明を具体化する場合、特に、特許請求の範囲の請求項
3に記載のように具体化すれば、密閉室をシールド本体
の中心部以外の部位に配置しなければならない場合で
も、このシールド本体の中心部以外の部位すなわちシー
ルド本体の周辺部に配置する周辺部密閉室を前後方向に
移動できるように設置することにより、周辺部密閉室と
作業室との間を他の通路部材を介さずに直接連絡するよ
うに構成できるため、これらの室を連絡するための構造
を簡素化することができる。
【0029】本発明を具体化する場合、特に、特許請求
の範囲の請求項4に記載のように具体化すれば、中心部
密閉室と周辺部密閉室の二つの密閉室を設けているた
め、カッタスポークの作業室内に水や土砂が浸入する危
惧のない場合に各密閉室の機内側出入口や機外側出入口
を開放することにより、これらの各密閉室の各出入口を
換気孔に利用してカッタスポークの作業室内の空気を循
環させ、作業室内の換気を円滑に行うことができる。ま
た、このように二つの密閉室を設けて出入口を二系統に
しているため、不測の事態により緊急避難を要する場合
でも、これら二系統の出入口を選択的に利用して避難す
ることができて非常に安全である。
【0030】本発明を具体化する場合、特に、特許請求
の範囲の請求項5に記載のように具体化すれば、筒状体
をカッタヘッド側で小径とすることにより、チャンバー
内への掘削土砂の流入路を、筒状体を円筒状に形成した
場合に比べて塞がないようにすることができるため、チ
ャンバー内への掘削土砂の流れを相対的に良好にするこ
とができる。本発明を具体化する場合、特に、特許請求
の範囲の請求項6に記載のように具体化すれば、電動機
を用いたカッタ駆動装置で地山を効率的に掘削できるほ
か、別途設けた油圧モータを用いたカッタ微速回転用駆
動装置によりカッタヘッドを回転させて位置決めするこ
とができるため、周辺部密閉室を作業室に連絡する場合
において作業室の出入り口を周辺部密閉室の機外側出入
口に位置合わせするときに、容易かつ正確に位置合わせ
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の具体化例のシールド掘進機の縦断面図
である。
【図2】図1のシールド掘進機の矢印A−A方向からみ
た矢視図である。
【図3】図1のシールド掘進機の要部の縦断面図であ
る。
【符号の説明】
1 シールド本体 1−1 周辺部バルクヘッド 1−2 中央部バルクヘッド 2 カッタヘッド 2−1 カッタスポーク 2−2 中間ビーム 2−3 センタドラム 3−1 カッタビット(ティースビット) 3−2 カッタビット(先行ビット) 4 旋回リング(カッタ支持軸受) 5 カッタ駆動装置 6 カッタ微速回転用の油圧モータ 7−1 中心部密閉室 7−2 周辺部密閉室 8 カッタスポークの作業室 9 センタードラム内スペース 10 作業者 11a 中心部密閉室の機内側出入口 11b 中心部密閉室の機外側出入口 12a 周辺部密閉室の機内側出入口 12b 周辺部密閉室の機外側出入口 13 作業室の出入口 14 土砂浸入防止用のシール 15 シールドジャッキ C チャンバ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 000174943 三井建設株式会社 東京都千代田区大手町一丁目2番3号 (72)発明者 水谷 努 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 (72)発明者 前原 信之 東京都千代田区大手町二丁目6番2号 日 立建機株式会社内 (72)発明者 大塚 孝義 東京都日野市多摩平2−5−3−205 (72)発明者 富塚 一寿 千葉県印西市木刈2−32−4 (72)発明者 横崎 照将 東京都台東区台東一丁目2番1号 不動建 設株式会社内 (72)発明者 本多 正人 千葉県千葉市美浜区中瀬一丁目9番1号 三井建設株式会社内 Fターム(参考) 2D054 BA07 BB02 BB07

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カッタスポークを中心部から複数放射状
    に設けたカッタヘッドをカッタ駆動装置で回転駆動して
    地山を掘削し得るようにシールド本体前部に設置し、カ
    ッタスポークの内部に作業室を形成するとともに、この
    カッタスポークの作業室からカッタビットをカッタスポ
    ークに交換可能に取り付け得るようにしたシールド掘進
    機において、カッタスポークの作業室内に圧縮空気を供
    給できるようにするとともに、気密に閉鎖できる開閉装
    置で開閉されシールド本体の内側に通じる機内側出入口
    と気密に閉鎖できる開閉装置で開閉されシールド本体の
    外側寄りに位置する機外側出入口と通行可能な内部空間
    とを有する少なくとも一つの密閉室を設けて、この密閉
    室をカッタスポークの作業室に気密に連絡できるように
    構成したことを特徴とするシールド掘進機。
  2. 【請求項2】 密閉室として、シールド本体の中心部に
    配置する中心部密閉室を設け、カッタスポークの作業室
    と連絡可能な連絡口と中心部密閉室の機外側出入口と連
    絡可能な連絡口と通行可能な内部空間とを有する筒状体
    をシールド本体の中心部に回転可能に設置し、この筒状
    体の各連絡口をそれぞれカッタスポークの作業室と中心
    部密閉室の機外側出入口とに連絡させて、中心部密閉室
    を筒状体を介してカッタスポークの作業室に気密に連絡
    できるように構成したことを特徴とする請求項1記載の
    シールド掘進機。
  3. 【請求項3】 密閉室として、シールド本体の周辺部に
    配置する周辺部密閉室を設けてこの周辺部密閉室を前後
    方向に移動できるように設置するとともに、周辺部密閉
    室の機外側出入口と連絡可能な作業室の出入り口をカッ
    タスポークに設け、カッタヘッドを回転させることによ
    りこの作業室の出入り口を周辺部密閉室の機外側出入口
    に位置合わせして周辺部密閉室を前方に移動したとき
    に、周辺部密閉室の機外側出入口を作業室の出入り口に
    連絡できるようにして、周辺部密閉室をカッタスポーク
    の作業室に気密に連絡できるように構成したことを特徴
    とする請求項1記載のシールド掘進機。
  4. 【請求項4】 密閉室として、シールド本体の中心部に
    配置する中心部密閉室とシールド本体の周辺部に配置す
    る周辺部密閉室との二つの密閉室を設け、中心部密閉室
    を設ける場合、カッタスポークの作業室と連絡可能な連
    絡口と中心部密閉室の機外側出入口と連絡可能な連絡口
    と通行可能な内部空間とを有する筒状体をシールド本体
    の中心部に回転可能に設置し、この筒状体の各連絡口を
    それぞれカッタスポークの作業室と中心部密閉室の機外
    側出入口とに連絡させて、中心部密閉室を筒状体を介し
    てカッタスポークの作業室に気密に連絡できるように構
    成し、周辺部密閉室を設置する場合、周辺部密閉室を前
    後方向に移動できるように設置するとともに、周辺部密
    閉室の機外側出入口と連絡可能な作業室の出入り口をカ
    ッタスポークに設け、カッタヘッドを回転させることに
    よりこの作業室の出入り口を周辺部密閉室の機外側出入
    口に位置合わせして周辺部密閉室を前方に移動したとき
    に、周辺部密閉室の機外側出入口を作業室の出入り口に
    連絡できるようにして、周辺部密閉室をカッタスポーク
    の作業室に気密に連絡できるように構成したことを特徴
    とする請求項1記載のシールド掘進機。
  5. 【請求項5】 筒状体をカッタヘッド側に向かって径が
    小さくなるように形成したことを特徴とする請求項2又
    は請求項4に記載のシールド掘進機。
  6. 【請求項6】 カッタ駆動装置を電動機と減速機とで構
    成し、カッタ駆動装置でカッタヘッドを回転駆動して地
    山を掘削し得るようにするとともに、油圧モータと減速
    機とで構成したカッタ微速回転用駆動装置を別途設け、
    カッタ微速回転用駆動装置でカッタヘッドを回転させる
    ことにより作業室の出入り口を周辺部密閉室の機外側出
    入口に位置合わせし得るようにしたことを特徴とする請
    求項3又は請求項4に記載のシールド掘進機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009228261A (ja) * 2008-03-21 2009-10-08 Ihi Corp シールド掘進機
JP2009299260A (ja) * 2008-06-10 2009-12-24 Kawasaki Heavy Ind Ltd カッターヘッド
JP2011032820A (ja) * 2009-08-05 2011-02-17 Ihi Corp シールド掘進機のカッタメンテナンス装置
CN105507911A (zh) * 2015-12-22 2016-04-20 中国铁建重工集团有限公司 盾构机的刀盘及盾构机

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