JP2000336510A - 作業用手袋およびその製造方法 - Google Patents

作業用手袋およびその製造方法

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JP2000336510A
JP2000336510A JP14659099A JP14659099A JP2000336510A JP 2000336510 A JP2000336510 A JP 2000336510A JP 14659099 A JP14659099 A JP 14659099A JP 14659099 A JP14659099 A JP 14659099A JP 2000336510 A JP2000336510 A JP 2000336510A
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hand
rubber sheet
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yarn
original hand
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Shigeki Akagi
茂樹 赤木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の掌部分にゴムシートを貼着した作業用
手袋は、手に対するフィット感に欠け、また、Mサイズ
とLサイズを製造する必要があるため生産性が悪いと共
に、需用者も自分に合ったサイズを選ぶ作業が厄介であ
り、さらに、接着剤が内部にまで侵入するので、原手を
平板手型から外す作業が困難であると共に、手に対する
フィット感が悪い等の多くの問題がある。 【解決手段】 メリヤス編みした原手10の少なくとも
掌部分にゴムシート18を貼着した作業用手袋におい
て、前記原手10を、少なくとも、ウレタン製等の弾性
糸12を芯材としてその周囲に短繊維または長繊維ある
いは短繊維と長繊維の両方を絡ませた伸縮編糸(CSY
やFTYと称されるもの)11を使って編む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、掌部分にゴムシ
ートを貼着した作業用手袋、およびその製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】 従来から掌部分にゴムシートを貼着し
た作業用手袋が多く使用されている。この従来の作業用
手袋は、手袋状にメリヤス編みした原手を平板手型に被
せ、その掌部分、指先部分および甲部分の一部に、未加
硫ゴムシートを接着して平板状の半製品を作り、次に、
平板手形から原手を外して立体手型に被せた後、加熱処
理してゴムシートを加硫させている。そして、所定時間
経過後、立体金型から外して完成品としている。
【0003】この従来の作業手袋の原手は、ナイロン,
エステル,綿等の紡績糸で編まれているため、当該糸の
性質から、伸長性はある程度良いものの収縮性に乏しい
といった特徴がある。従って、手に対するフィット感に
欠け、大きすぎたり小さすぎたりして手に馴染まず、作
業がし難くなるといった問題がある。
【0004】係る点に鑑み、近年では全ての着用者の手
にフィットする製品を提供すべく、MサイズとLサイズ
の二種類に分けて製造販売している。しかし、こうする
ことによって、平板手型や立体手型等の成形部材もMサ
イズとLサイズの両方を必要とし、また、梱包や搬送に
おいても別々に取り扱う必要があるため、生産性が悪く
なるといった問題が発生する。
【0005】また、需用者も自分の手に合ったサイズの
手袋を選ぶ作業を必要とし、その選択作業が厄介である
といった問題もある。それに加えて、自分の手に合わな
いサイズを誤って購入してしまうといった問題も発生し
ている。
【0006】さらに、従来の作業用手袋は収縮性に欠け
るため、原手は平板手型より小さい寸法に編まれてい
る。原手を平板手型に被せた際に、当該原手に皺が発生
したり、だぶついたりするのを防止し、未加硫ゴムシー
トを円滑に貼着するためである。しかし、この場合、原
手を平板手型より小さくしているため、平板手型に被せ
た際に編目が開いてしまい、ゴムシート貼着用の接着剤
がその開いた編み目から原手の内部にまで侵入してしま
う。
【0007】その結果、原手が平板手型に接着してしま
い、平板手型から外す作業が困難になったり、また、こ
の作業手袋を装着した際、その接着剤が手に当たって、
フィット感の悪いものとなっている。ゴムシートを熱融
着で貼着する場合も、溶融したゴム材が編み目から侵入
するので、同様にフィット感の悪いものとなってしま
う。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】 解決しようとする課
題は、従来の掌部分にゴムシートを貼着した作業用手袋
は、手に対するフィット感に欠け、また、MサイズとL
サイズを製造する必要があるため生産性が悪いと共に、
需用者も自分に合ったサイズを選ぶ作業が厄介であり、
さらに、接着剤が内部にまで侵入するので、原手を平板
手型から外す作業が困難であると共に、手に対するフィ
ット感が悪いことである。
【0009】
【課題を解決するための手段】 図1乃至図6を参照し
て説明する。第1の発明に係る作業用手袋は、メリヤス
編みした原手10の少なくとも掌部分にゴムシート18
を貼着した作業用手袋において、前記原手10を、少な
くとも、弾性糸12を芯材としてその周囲に短繊維また
は長繊維あるいは短繊維と長繊維の両方を絡ませた伸縮
編糸11を使って編んでなるものである。
【0010】ここで言う弾性糸12は、ウレタン等の弾
性に富む素材で成形された糸を意味する。また、伸縮編
糸11は、一般に、CSY(コアスパンヤーン)やFT
Y(フィラメントツイストヤーン)と称されるものであ
る。
【0011】第2の発明に係る作業用手袋の製造方法
は、少なくとも、弾性糸12を芯材としてその周囲に短
繊維または長繊維あるいは短繊維と長繊維の両方を絡ま
せた伸縮編糸11を使って、平板手型16よりやや大き
な原手10をメリヤス編みし、続いて、原手10を平板
手型16に被せた後、加温処理して収縮させ、ゴムシー
ト18を接着剤17または熱融着によって原手10の少
なくとも掌部分に貼着し、さらに、原手10とゴムシー
ト18の一体物を平板手型16より外して立体手型19
に被せた後、ゴムシート18を加熱処理して加硫してな
るものである。
【0012】第3の発明に係る作業用手袋の製造方法
は、第2の発明において、ゴムシート18を加熱処理し
て加硫した後、原手10とゴムシート18の一体物を立
体手型19から外し、原手10を再加温処理して収縮さ
せてなるものである。
【0013】
【発明の実施の形態】 本発明に係る作業用手袋の一実
施形態について説明する。この作業用手袋は、メリヤス
編みした原手10の掌全体とその裏側の一部に連続的に
ゴムシート18を貼着したものである。そして、その原
手10を、弾性糸12を芯材としてその周囲に短繊維で
ある綿13を絡ませて構成した伸縮編糸11と、従来か
ら使用されている通常糸12と、同じく従来から使用さ
れているゴム糸15(手首部分のみ)とを従来と同様の
メリヤス編みして形成している。
【0014】この伸縮編糸11は、CSY(コアスパン
ヤーン)と称されるもので、ウレタン製の透明な弾性糸
12の周りに複数の糸状の綿13を絡ませて構成したも
のである。なお、綿13の他にアクリル等の他の短繊維
を絡めたものでも良い。また、この伸縮編糸11は、ウ
レタン製の弾性糸12の周囲にナイロンやエステル等の
長繊維を絡めたものであるFTY(フィラメントツイス
トヤーン)で構成することもできる。
【0015】この作業用手袋の作用について説明する。
この作業用手袋の原手10は弾性糸12を心材とした伸
縮編糸11によって編まれている。この弾性糸12は、
伸長性と共に収縮性にも優れるといった特性を有する。
従って、こうした特性を持つ弾性糸12を有する伸縮編
糸11で編んだ原手10は自在に伸縮し、Mサイズ、L
サイズあるいはLLサイズのいずれの手にも確実にフィ
ットする。
【0016】また、一種類のサイズを製造すればよいの
で、製造工程において、平板手型16や立体手型19等
の成形部材も一種類で足り、また、梱包や搬送において
も従来のように別々に取り扱う必要がないため、生産性
に優れる。
【0017】さらに、需用者は手にフィットさせるた
め、購買の都度、自分に合ったサイズを選択するといっ
た面倒な作業が不要となる。また、自分の手にあわない
サイズを誤って購入するといった問題も発生しないの
で、安心して買い求めることができる。
【0018】またさらに、原手10が収縮性に優れるこ
とから、収縮させて編み目を閉じた状態で接着剤17を
塗布してゴムシート18を貼着することとすると、接着
剤17が原手10の内部に侵入することがない。従っ
て、原手10を平板手型16から容易に外すことがで
き、また着用した手に接着剤17が接触することがな
く、手に対するフィット感が優れる。なお、熱融着によ
ってゴムシート18を貼着する場合も、溶融したゴム材
が編み目を通過することがないので、同様に良好なフィ
ット感を得ることができる。
【0019】なお、本実施形態にあっては、伸縮編糸1
1の他に通常糸12とゴム糸15とを使用しているが、
本発明に係る作業用手袋の原手10は伸縮編糸11の
み、あるいは伸縮編糸11とゴム糸15のみでも形成す
ることができる。その場合、使用する糸の種類を減らす
ことができるので製造コストの軽減につながる。また、
ゴム糸15を使用する場合、伸縮編糸11を構成する弾
性糸12が伸縮性に優れるので、その分、当該ゴム糸1
5は細くて短いもので済ますことができ、製造コストの
軽減化に貢献する。
【0020】次に、上記した作業用手袋の製造方法につ
いて説明する。まず、図1に示すように、透明なウレタ
ン製の弾性糸12を芯材としてその周囲に短繊維である
綿13を絡ませた伸縮編糸11(ここではCSY(コア
スパンヤーン)であるが、FTY(フィラメントツイス
トヤーン)でも良い)と、通常糸12と、ゴム糸15と
を使って、平板手型16よりやや大きな原手10をメリ
ヤス編みして形成する。この場合、編機(配列した針を
往復して袋状に編む装置)内では、目飛びを防止するた
めに伸縮編糸11に一定の張力をかけた状態で編み込
む。従って、弾性糸12が引っ張られた状態で編まれる
こととなり、編み上がって張力が解除された状態にある
原手10は、この弾性糸12の収縮作用で自然に縮もう
とする力がはたらく。また、加温処理により、この収縮
作用は加速される。
【0021】原手10を編んだ後、この原手10を平板
手型16に被せる。この際、原手10は平板手型16よ
りやや大きな寸法で形成しているので平板手形によって
引き延ばされることがなく、よって編み目は軽く閉じた
状態にある。この状態で、図2に示すように、原手10
を加温装置20で加温処理する。当該加温処理により弾
性糸12が収縮し、よって原手10の編み目は強く閉じ
た状態となる。
【0022】続いて、図3に示すように、原手10の掌
部分とその裏部分の一部に、ゴムシート18を貼着する
ための接着剤17を塗布する。この際、原手10の編み
目は強く閉じた状態にあるので、当該接着剤17は編み
目から侵入して原手10の内部に至ることがない。すな
わち、原手10の表糸(たて糸)のみに接着剤17層が
形成されることになる。従って、原手10を平板手型1
6から容易に外すことができる。また、完成品とされた
作業用手袋を装着した際、接着剤17が手に当たること
がなく、心地良く手にフィットすることになる。
【0023】接着剤17を塗布した後、未加硫ゴムシー
ト18を貼着する。この際、原手10は弾性糸12が収
縮したことによって平板手型16に皺やだぶつきがない
状態で被さっているため、ゴムシート18はその全体が
原手10に密着した状態で貼着される。ちなみに、原手
10に皺等が発生していると、原手10とゴムシート1
8との接着面が平端面とならず、接着力が不足してゴム
シート18が剥がれやすくなる。
【0024】次に、図4に示すように、原手10とゴム
シート18の一体物を平板手型16より外して立体手型
19に被せた後、ゴムシート18を加熱装置21によっ
て加熱処理して加硫する。この立体手型19は平板手型
16より表面積が大きい。従って、原手10とゴムシー
ト18の一体物は、立体手型19によって引き延ばされ
た状態となり、その全体に皺やだぶつきが発生せず、良
好な外観形態に整えられる。
【0025】加硫完了後、一定時間放置し、原手10と
ゴムシート18の一体物を立体手型19から外す。立体
手型19から外された当該一体物は、図6および図7に
示すように、弾性糸12の収縮性によって立体手型19
より小さくなる。立体手型19は平均的な大人の手の大
きさであるため、この収縮した一体物(完成品である作
業用手袋)は、大人が装着する手袋としては従来のもの
よりやや小さい。
【0026】しかし、この作業用手袋は、弾性糸12の
伸長性によって装着する人の手の大きさに対応して自由
に拡張し、また収縮するので、Mサイズ、Lサイズある
いはLLサイズの手のいずれも、抵抗なく容易に挿入す
ることができる。また、挿入後は心地良く手にフィット
する。これにより、従来のように複数のサイズを製造す
る必要がないので、生産性の向上に大きく貢献する。ま
た、この作業用手袋は従来のものと比較してやや小さい
ので、収納や搬送等において軽量で場所をとらないので
その取り扱いが容易である。
【0027】なお、原手10とゴムシート18の一体物
を立体手型19から外した後、図5に示すように、原手
10を加温装置20で再加温処理すると当該原手10は
弾性糸12のはたらきによってさらに収縮して小さくな
る。従って、その取り扱いがさらに容易となる。またこ
の収縮は、一体物(完成品)を一度引っ張る又はもむな
どしてほぐした後加温処理するとより加速される。
【0028】
【発明の効果】 本発明(請求項1乃至3に記載の発
明)は、原手10をウレタン製等の伸縮性に富む弾性糸
12を心材とした伸縮編糸11(一般にCSYやFTY
と称されるもの)によって編んでいるため伸長性と共に
収縮性にも優れ、手に確実にフィットする。
【0029】また、製造工程における成形部材も一種類
で足り、また、梱包や搬送においても従来のように別々
に取り扱う必要がないため、生産性に優れる。
【0030】さらに、購買者は、その都度、自分の手に
合ったサイズを選択するといった作業を必要とせず、ま
た、誤ったサイズのものを購入してしまうこともないの
で、安心して購入することができる。
【00031】またさらに、原手10を収縮させて編み
目を閉じた状態で、接着剤17を塗布してゴムシート1
8を貼着したり、あるいは熱融着でゴムシート18を貼
着することにより、接着剤17があるいはゴム材が原手
10の内部に侵入することを未然に防止することができ
る。従って、原手10が平板手型16に付着することが
ないので容易に外すことができる。また、着用した手に
接着剤17等が接触することがなく、手に対するフィッ
ト感に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る作業用手袋の製造
方法を示すもので、原手を平板手型に被せる状態を示す
正面図である。
【図2】 当該原手に加温処理する状態を示す正面図で
ある。
【図3】 当該原手に接着剤を介してゴムシートを貼着
する状態を示す正面図である。
【図4】 原手とゴムシートとの一体物を立体手型に被
せて加熱処理している状態を示す正面図である。
【図5】 当該原手を立体手型から外して再加温処理を
行っている状態を示す正面図である。
【図6】 本発明の一実施形態に係る作業用手袋を示す
正面図である。
【図7】 図6に示す作業用手袋の背面図である。
【符号の説明】
10 原手 11 伸縮編糸 12 弾性糸 13 綿 14 通常糸 15 ゴム糸 16 平板手型 17 接着剤 18 ゴムシート 19 立体手型 20 加温装置 21 加熱装置
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年4月17日(2000.4.1
7)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 作業用手袋およびその製造方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、掌部分にゴムシ
ートを貼着した作業用手袋、およびその製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】 従来から掌部分にゴムシートを貼着し
た作業用手袋が多く使用されている。この従来の作業用
手袋は、手袋状にメリヤス編みした原手を平板手型に被
せ、その掌部分、指先部分および甲部分の一部に、未加
硫ゴムシートを接着して平板状の半製品を作り、次に、
平板手形から原手を外して立体手型に被せた後、加熱処
理してゴムシートを加硫させている。そして、所定時間
経過後、立体金型から外して完成品としている。
【0003】この従来の作業手袋の原手は、ナイロン,
エステル,綿等の紡績糸で編まれているため、当該糸の
性質から、伸長性はある程度良いものの収縮性に乏しい
といった特徴がある。従って、手に対するフィット感に
欠け、大きすぎたり小さすぎたりして手に馴染まず、作
業がし難くなるといった問題がある。
【0004】係る点に鑑み、近年では全ての着用者の手
にフィットする製品を提供すべく、MサイズとLサイズ
の二種類に分けて製造販売している。しかし、こうする
ことによって、平板手型や立体手型等の成形部材もMサ
イズとLサイズの両方を必要とし、また、梱包や搬送に
おいても別々に取り扱う必要があるため、生産性が悪く
なるといった問題が発生する。
【0005】また、需用者も自分の手に合ったサイズの
手袋を選ぶ作業を必要とし、その選択作業が厄介である
といった問題もある。それに加えて、自分の手に合わな
いサイズを誤って購入してしまうといった問題も発生し
ている。
【0006】さらに、従来の作業用手袋は収縮性に欠け
るため、原手は平板手型より小さい寸法に編まれてい
る。原手を平板手型に被せた際に、当該原手に皺が発生
したり、だぶついたりするのを防止し、未加硫ゴムシー
トを円滑に貼着するためである。しかし、この場合、原
手を平板手型より小さくしているため、平板手型に被せ
た際に編目が開いてしまい、ゴムシート貼着用の接着剤
がその開いた編み目から原手の内部にまで侵入してしま
う。
【0007】その結果、原手が平板手型に接着してしま
い、平板手型から外す作業が困難になったり、また、こ
の作業手袋を装着した際、その接着剤が手に当たって、
フィット感の悪いものとなっている。ゴムシートを熱融
着で貼着する場合も、溶融したゴム材が編み目から侵入
するので、同様にフィット感の悪いものとなってしま
う。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】 解決しようとする課
題は、従来の掌部分にゴムシートを貼着した作業用手袋
は、手に対するフィット感に欠け、また、MサイズとL
サイズを製造する必要があるため生産性が悪いと共に、
需用者も自分に合ったサイズを選ぶ作業が厄介であり、
さらに、接着剤が内部にまで侵入するので、原手を平板
手型から外す作業が困難であると共に、手に対するフィ
ット感が悪いことである。
【0009】
【課題を解決するための手段】 図1乃至図6を参照し
て説明する。第1の発明に係る作業用手袋は、メリヤス
編みした原手10の少なくとも掌部分にゴムシート18
を貼着した作業用手袋において、前記原手10を、少な
くとも、弾性糸12を芯材としてその周囲に短繊維また
は長繊維あるいは短繊維と長繊維の両方を絡ませた伸縮
編糸11を使って編んでなるものである。
【0010】ここで言う弾性糸12は、ウレタン等の弾
性に富む素材で成形された糸を意味する。また、伸縮編
糸11は、一般に、CSY(コアスパンヤーン)やFT
Y(フィラメントツイストヤーン)と称されるものであ
る。
【0011】第2の発明に係る作業用手袋の製造方法
は、少なくとも、弾性糸12を芯材としてその周囲に短
繊維または長繊維あるいは短繊維と長繊維の両方を絡ま
せた伸縮編糸11を使って、平板手型16よりやや大き
な原手10をメリヤス編みし、続いて、原手10を平板
手型16に被せた後、加温処理して収縮させ、ゴムシー
ト18を接着剤17または熱融着によって原手10の少
なくとも掌部分に貼着し、さらに、原手10とゴムシー
ト18の一体物を平板手型16より外して立体手型19
に被せた後、ゴムシート18を加熱処理して加硫してな
るものである。
【0012】第3の発明に係る作業用手袋の製造方法
は、第2の発明において、ゴムシート18を加熱処理し
て加硫した後、原手10とゴムシート18の一体物を立
体手型19から外し、原手10を再加温処理して収縮さ
せてなるものである。
【0013】
【発明の実施の形態】 本発明に係る作業用手袋の一実
施形態について説明する。この作業用手袋は、メリヤス
編みした原手10の掌全体とその裏側の一部に連続的に
ゴムシート18を貼着したものである。そして、その原
手10を、弾性糸12を芯材としてその周囲に短繊維で
ある綿13を絡ませて構成した伸縮編糸11と、従来か
ら使用されている通常糸14と、同じく従来から使用さ
れているゴム糸15(手首部分のみ)とを従来と同様の
メリヤス編みして形成している。
【0014】この伸縮編糸11は、CSY(コアスパン
ヤーン)と称されるもので、ウレタン製の透明な弾性糸
12の周りに複数の糸状の綿13を絡ませて構成したも
のである。なお、綿13の他にアクリル等の他の短繊維
を絡めたものでも良い。また、この伸縮編糸11は、ウ
レタン製の弾性糸12の周囲にナイロンやエステル等の
長繊維を絡めたものであるFTY(フィラメントツイス
トヤーン)で構成することもできる。
【0015】この作業用手袋の作用について説明する。
この作業用手袋の原手10は弾性糸12を心材とした伸
縮編糸11によって編まれている。この弾性糸12は、
伸長性と共に収縮性にも優れるといった特性を有する。
従って、こうした特性を持つ弾性糸12を有する伸縮編
糸11で編んだ原手10は自在に伸縮し、Mサイズ、L
サイズあるいはLLサイズのいずれの手にも確実にフィ
ットする。
【0016】また、一種類のサイズを製造すればよいの
で、製造工程において、平板手型16や立体手型19等
の成形部材も一種類で足り、また、梱包や搬送において
も従来のように別々に取り扱う必要がないため、生産性
に優れる。
【0017】さらに、需用者は手にフィットさせるた
め、購買の都度、自分に合ったサイズを選択するといっ
た面倒な作業が不要となる。また、自分の手にあわない
サイズを誤って購入するといった問題も発生しないの
で、安心して買い求めることができる。
【0018】またさらに、原手10が収縮性に優れるこ
とから、収縮させて編み目を閉じた状態で接着剤17を
塗布してゴムシート18を貼着することとすると、接着
剤17が原手10の内部に侵入することがない。従っ
て、原手10を平板手型16から容易に外すことがで
き、また着用した手に接着剤17が接触することがな
く、手に対するフィット感が優れる。なお、熱融着によ
ってゴムシート18を貼着する場合も、溶融したゴム材
が編み目を通過することがないので、同様に良好なフィ
ット感を得ることができる。
【0019】なお、本実施形態にあっては、伸縮編糸1
1の他に通常糸14とゴム糸15とを使用しているが、
本発明に係る作業用手袋の原手10は伸縮編糸11の
み、あるいは伸縮編糸11とゴム糸15のみでも形成す
ることができる。その場合、使用する糸の種類を減らす
ことができるので製造コストの軽減につながる。また、
ゴム糸15を使用する場合、伸縮編糸11を構成する弾
性糸12が伸縮性に優れるので、その分、当該ゴム糸1
5は細くて短いもので済ますことができ、製造コストの
軽減化に貢献する。
【0020】次に、上記した作業用手袋の製造方法につ
いて説明する。まず、図1に示すように、透明なウレタ
ン製の弾性糸12を芯材としてその周囲に短繊維である
綿13を絡ませた伸縮編糸11(ここではCSY(コア
スパンヤーン)であるが、FTY(フィラメントツイス
トヤーン)でも良い)と、通常糸12と、ゴム糸15と
を使って、平板手型16よりやや大きな原手10をメリ
ヤス編みして形成する。この場合、編機(配列した針を
往復して袋状に編む装置)内では、目飛びを防止するた
めに伸縮編糸11に一定の張力をかけた状態で編み込
む。従って、弾性糸12が引っ張られた状態で編まれる
こととなり、編み上がって張力が解除された状態にある
原手10は、この弾性糸12の収縮作用で自然に縮もう
とする力がはたらく。また、加温処理により、この収縮
作用は加速される。
【0021】原手10を編んだ後、この原手10を平板
手型16に被せる。この際、原手10は平板手型16よ
りやや大きな寸法で形成しているので平板手形によって
引き延ばされることがなく、よって編み目は軽く閉じた
状態にある。この状態で、図2に示すように、原手10
を加温装置20で加温処理する。当該加温処理により弾
性糸12が収縮し、よって原手10の編み目は強く閉じ
た状態となる。
【0022】続いて、図3に示すように、原手10の掌
部分とその裏部分の一部に、ゴムシート18を貼着する
ための接着剤17を塗布する。この際、原手10の編み
目は強く閉じた状態にあるので、当該接着剤17は編み
目から侵入して原手10の内部に至ることがない。すな
わち、原手10の表糸(たて糸)のみに接着剤17層が
形成されることになる。従って、原手10を平板手型1
6から容易に外すことができる。また、完成品とされた
作業用手袋を装着した際、接着剤17が手に当たること
がなく、心地良く手にフィットすることになる。
【0023】接着剤17を塗布した後、未加硫ゴムシー
ト18を貼着する。この際、原手10は弾性糸12が収
縮したことによって平板手型16に皺やだぶつきがない
状態で被さっているため、ゴムシート18はその全体が
原手10に密着した状態で貼着される。ちなみに、原手
10に皺等が発生していると、原手10とゴムシート1
8との接着面が平端面とならず、接着力が不足してゴム
シート18が剥がれやすくなる。
【0024】次に、図4に示すように、原手10とゴム
シート18の一体物を平板手型16より外して立体手型
19に被せた後、ゴムシート18を加熱装置21によっ
て加熱処理して加硫する。この立体手型19は平板手型
16より表面積が大きい。従って、原手10とゴムシー
ト18の一体物は、立体手型19によって引き延ばされ
た状態となり、その全体に皺やだぶつきが発生せず、良
好な外観形態に整えられる。
【0025】加硫完了後、一定時間放置し、原手10と
ゴムシート18の一体物を立体手型19から外す。立体
手型19から外された当該一体物は、図6および図7に
示すように、弾性糸12の収縮性によって立体手型19
より小さくなる。立体手型19は平均的な大人の手の大
きさであるため、この収縮した一体物(完成品である作
業用手袋)は、大人が装着する手袋としては従来のもの
よりやや小さい。
【0026】しかし、この作業用手袋は、弾性糸12の
伸長性によって装着する人の手の大きさに対応して自由
に拡張し、また収縮するので、Mサイズ、Lサイズある
いはLLサイズの手のいずれも、抵抗なく容易に挿入す
ることができる。また、挿入後は心地良く手にフィット
する。これにより、従来のように複数のサイズを製造す
る必要がないので、生産性の向上に大きく貢献する。ま
た、この作業用手袋は従来のものと比較してやや小さい
ので、収納や搬送等において軽量で場所をとらないので
その取り扱いが容易である。
【0027】なお、原手10とゴムシート18の一体物
を立体手型19から外した後、図5に示すように、原手
10を加温装置20で再加温処理すると当該原手10は
弾性糸12のはたらきによってさらに収縮して小さくな
る。従って、その取り扱いがさらに容易となる。またこ
の収縮は、一体物(完成品)を一度引っ張る又はもむな
どしてほぐした後加温処理するとより加速される。
【0028】
【発明の効果】 本発明(請求項1乃至3に記載の発
明)は、原手10をウレタン製等の伸縮性に富む弾性糸
12を心材とした伸縮編糸11(一般にCSYやFTY
と称されるもの)によって編んでいるため伸長性と共に
収縮性にも優れ、手に確実にフィットする。
【0029】また、製造工程における成形部材も一種類
で足り、また、梱包や搬送においても従来のように別々
に取り扱う必要がないため、生産性に優れる。
【0030】さらに、購買者は、その都度、自分の手に
合ったサイズを選択するといった作業を必要とせず、ま
た、誤ったサイズのものを購入してしまうこともないの
で、安心して購入することができる。
【00031】またさらに、原手10を収縮させて編み
目を閉じた状態で、接着剤17を塗布してゴムシート1
8を貼着したり、あるいは熱融着でゴムシート18を貼
着することにより、接着剤17があるいはゴム材が原手
10の内部に侵入することを未然に防止することができ
る。従って、原手10が平板手型16に付着することが
ないので容易に外すことができる。また、着用した手に
接着剤17等が接触することがなく、手に対するフィッ
ト感に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る作業用手袋の製造
方法を示すもので、原手を平板手型に被せる状態を示す
正面図である。
【図2】 当該原手に加温処理する状態を示す正面図で
ある。
【図3】 当該原手に接着剤を介してゴムシートを貼着
する状態を示す正面図である。
【図4】 原手とゴムシートとの一体物を立体手型に被
せて加熱処理している状態を示す正面図である。
【図5】 当該原手を立体手型から外して再加温処理を
行っている状態を示す正面図である。
【図6】 本発明の一実施形態に係る作業用手袋を示す
正面図である。
【図7】 図6に示す作業用手袋の背面図である。
【符号の説明】 10 原手 11 伸縮編糸 12 弾性糸 13 綿 14 通常糸 15 ゴム糸 16 平板手型 17 接着剤 18 ゴムシート 19 立体手型 20 加温装置 21 加熱装置

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メリヤス編みした原手(10)の少なく
    とも掌部分にゴムシート(18)を貼着した作業用手袋
    において、前記原手(10)を、少なくとも、弾性糸
    (12)を芯材としてその周囲に短繊維または長繊維あ
    るいは短繊維と長繊維の両方を絡ませた伸縮編糸(1
    1)を使って編んでなる作業用手袋。
  2. 【請求項2】 少なくとも、弾性糸(12)を芯材とし
    てその周囲に短繊維または長繊維あるいは短繊維と長繊
    維の両方を絡ませた伸縮編糸(11)を使って、平板手
    型(16)よりやや大きな原手(10)をメリヤス編み
    し、 続いて、原手(10)を平板手型(16)に被せた後、
    加温処理して収縮させ、ゴムシート(18)を接着剤
    (17)または熱融着によって原手(10)の少なくと
    も掌部分に貼着し、 さらに、原手(10)とゴムシート(18)の一体物を
    平板手型(16)より外して立体手型(19)に被せた
    後、ゴムシート(18)を加熱処理して加硫してなる作
    業用手袋の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の作業用手袋の製造方法
    において、ゴムシート(18)を加熱処理して加硫した
    後、原手(10)とゴムシート(18)の一体物を立体
    手型(19)から外し、原手(10)を再加温処理して
    収縮させてなる作業用手袋の製造方法。
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JP2002201515A (ja) * 2000-12-27 2002-07-19 Atom Kk 作業用手袋およびその製造方法

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