JP2000333682A - ヒト由来シアル酸転移酵素及びそれをコードするdna - Google Patents
ヒト由来シアル酸転移酵素及びそれをコードするdnaInfo
- Publication number
- JP2000333682A JP2000333682A JP11148603A JP14860399A JP2000333682A JP 2000333682 A JP2000333682 A JP 2000333682A JP 11148603 A JP11148603 A JP 11148603A JP 14860399 A JP14860399 A JP 14860399A JP 2000333682 A JP2000333682 A JP 2000333682A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- amino acid
- polypeptide
- dna
- cells
- acid sequence
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Enzymes And Modification Thereof (AREA)
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
Abstract
ース残基にシアル酸を転移してガングリオシドGM3を合
成する酵素及びその酵素をコードするDNAを提供す
る。 【解決手段】 癌細胞を分化誘導剤で処理することによ
り分化させ、分化した癌細胞からcDNAライブラリー
を作成して宿主細胞に導入し、ガングリオシドを細胞膜
上に発現した宿主細胞を検出し、上記で検出された宿主
細胞をソーティングしてライブラリーを濃縮して、濃縮
したライブラリーから導入した遺伝子を切り出す。
Description
及びそれをコードするDNAに関する。より詳細にはラ
クトシルセラミドのガラクトース残基にシアル酸を転移
してガングリオシドGM3を合成する酵素及びその酵素を
コードするDNAに関する。
性転換により無限増殖能を獲得した細胞株であり、白血
病細胞のモデルとして一般的に広く用いられている(Co
llins,S.J., Gallo, R.C., and Gallagher, R.E., Natu
re (London), 270, 347-349(1977); Collins, S.J., Bl
ood, 70, 1223(1987))。上記細胞株は、培養を続けた
際にも分化することはなく未分化な細胞のまま増殖を続
けるが、上記細胞株の培養培地に分化誘導剤として広く
用いられているホルボールエステルを添加して培養を続
けると、細胞増殖を停止し、単球或いはマクロファージ
と同様な形態を示すようになり、分化が誘導される。そ
の過程でガングリオシドの一種であるGM3量が顕著に増
大すること(Nojiri, H., Takaku, F., Tetsuka, T., a
nd Saito,M., Blood, 64, 534-541(1984))、及び上記
ガングリオシドGM3を外来性に添加した際もホルボール
エステルを添加した際と同様の変化、すなわち単球系分
化が細胞に起こることが報告されている(Saito, M., T
erui, Y., and Nojiri, H.,Biochem. Biophys. Res. Co
mmun., 132, 223-231(1985))。また、この分化の過程
において、GM3そのものが分化誘導活性を有しているこ
と(Nojiri, H., Takaku., F., Miura, Y., and Saito,
M., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 83, 782-786(19
86))、さらに化学合成GM3によっても分化が誘導され
ることが証明されている(Sugimoto,M. and Ogawa,T.,
Glycoconj. J., 2, 5-9(1985); Saito,M., Nojiri, H.,
Ogino, H., Yuo, A., Ogura, H., Itoh, M., Tomita,
K., Ogawa, T., Nagai, Y., and Kitagawa, S., FEBS L
ett., 271, 85-88(1990))。
にガングリオシドが様々な生物現象において重要な機能
を担っていることが明らかとなり、その機能のみならず
生合成が解明されつつある。脊椎動物において、多くの
ガングリオシド(ガングリオ系ガングリオシド)は主要
ガングリオシドのうちで最も単純な構造を持つGM3を共
通の前駆体としており、主要な機能を持つガングリオシ
ドの生合成の根幹をG M3の合成がなしている。
体が細胞・組織の増殖・分化に関与するとともに脊椎動
物においては様々な機能を有するより高級なガングリオ
シド群の前駆体となっていることが示唆されている。
ラミドシアル酸転移酵素(CMP-NeuAc;Galβ1-4Glcβ1-
1'Cerα2,3-sialyltransferase:SAT-1)によってラクト
シルセラミド中のガラクトース残基にシアル酸が転移す
ることによってラクトシルセラミドから合成されると考
えられているが、ヒト由来の当該酵素は単離されておら
ず、またその遺伝子も特定されていない。
トシド結合を介して転移する酵素としては、Wienstein
et al., J. Biol. Chem., 257, 13835(1982)、Gillespi
e etal., Glycoconj., 7, 469(1990)、Gillespie,W., K
elm,S. and Paulson,JC., J. Biol. Chem., 267, p2100
1-21010(1992)、Lee,YC., Kojima,N., Wada,E., Kurosa
wa,N., Nakaoka,T., Hashimoto,T. and Tsuji,S., J. B
iol. Chem., 269, p10028-10033(1994)、Kim,YJ., Kim,
KS., Kim,SH., Kim,CH., Ko,JH., Choe,IS.,Tsuji,S. a
nd Lee,YC., Biochem. Biophys. Res. Commun., 228, p
324-327(1996)、特開平5−336963号公報などが
知られているが、いずれの酵素もGM3の合成への関与は
知られておらず、ラクトシルセラミドにシアル酸をα2
−3ケトシド結合で転移する酵素活性を示してはいな
い。Sandhoff,K.らは、α2−8シアル酸転移酵素(S
AT4)と、GM3を合成する酵素が同一であると推定し
ている(J. Biol. Chem., 268, 5341(1993))が、それ
は間接的な方法に基づく推定であり、物質として同一で
あることを裏付けているものではない。
重要性が明らかになるにつれてその生合成を解明、制御
する試みがなされてきたが、GM3の合成に深く関わる上
記シアル酸転移酵素はその酵素タンパク質精製の困難性
のため未だヒトからは単離されておらず、遺伝子発現調
節機構はもとより、タンパク質化学的解析及び酵素学的
解析でさえ未だなされていない。
酸転移酵素の遺伝子発現調節機構、タンパク質化学的解
析及び酵素学的解析を進めることにより、細胞分化の制
御を解明すべく鋭意検討を重ねた結果、発現クローニン
グ法により上記GM3の合成に関与するシアル酸転移酵素
をコードする塩基配列を有するヒト由来のcDNAの単
離に成功し、当該cDNAの塩基配列をもとに上記シア
ル酸転移酵素の構造を明らかにした。その結果、当該酵
素が既知のシアル酸転移酵素と相同性が低く、また前記
Sandhoff,K.らが同一と推定したα2−8シアル酸転移
酵素とも別の新規酵素であることが明らかとなった。
ミノ酸配列におけるアミノ酸番号41〜362のアミノ
酸配列を少なくとも含むポリペプチドを含み、ガラクト
ース残基の3位水酸基にシアル酸を転移する作用を有す
るシアル酸転移酵素を提供する。
は、配列番号2記載のアミノ酸配列におけるアミノ酸番
号1〜362のアミノ酸配列を有するポリペプチドを含
む。
は、ラクトシルセラミドのガラクトース残基にシアル酸
を転移してα2→3結合を形成し、ガングリオシドGM3
を生成する活性を有する。
酸配列を少なくとも含むポリペプチドを含み、ガラクト
ース残基の3位水酸基にシアル酸を転移する作用を有す
るシアル酸転移酵素を提供する。
酸配列におけるアミノ酸番号41〜362のアミノ酸配
列を少なくとも含みポリペプチド及びそれをコードする
DNAを提供する。このポリペプチドは、好ましくは、
配列番号2記載のアミノ酸配列におけるアミノ酸番号1
〜362のアミノ酸配列を有する。上記DNAとして
は、配列番号1記載の塩基配列を有するものが挙げられ
る。
えベクター、上記DNAが導入され、かつ該DNAが発
現可能な形質転換体、および、この形質転換体を、好適
な培地で培養し、上記DNAがコードするシアル酸転移
酵素又はそのポリペプチドを培養物中に生成蓄積させ、
その培養物からシアル酸転移酵素又はそのポリペプチド
を採取することを特徴とする、シアル酸転移酵素又はそ
のポリペプチドの製造方法を提供する。
る」とは、当該酵素のポリペプチドをコードすることを
意味する。また、本明細書中では、以下、シアル酸供与
体からシアル酸受容体であるラクトシルセラミドに含ま
れるガラクトース残基の3位水酸基へ選択的にシアル酸
を転移してα2→3結合を形成しガングリオシドGM3を
生成する活性を有する本発明のシアル酸転移酵素を便宜
的にシアル酸転移酵素−1又はSAT−1とも記載す
る。
明する。
発明酵素)及びそれをコードするDNA(本発明DN
A) 本発明酵素は、配列番号2のアミノ酸配列におけるアミ
ノ酸番号41〜362のアミノ酸配列を少なくとも含む
ポリペプチドを含み、ガラクトース残基の3位水酸基に
シアル酸を転移する作用を有する。
化学的性質を有する。 作用:シアル酸供与体から、シアル酸受容体であるラ
クトシルセラミドに含まれるガラクトース残基の3位水
酸基へ選択的にシアル酸を転移してガングリオシドGM3
を生成する。すなわち、上記シアル酸受容体のガラクト
ース残基の3位の水酸基以外には実質的にシアル酸を転
移しない。シアル酸供与体としてはCMP−シアル酸が
好適には挙げられる。
的性質を有する。 至適反応pH:本酵素は、実施例中に記載の酵素活性
測定方法において、酵素反応液のpH6.0〜7.0の
範囲、特にpH6.5付近で高いシアル酸転移活性を有
する。 阻害及び活性化:10mM Mn2+存在下で、非存在
下と比して1.5倍以上に活性が上がる。
の3位水酸基にシアル酸を転移する作用(好ましくは上
記の作用)を有し、配列番号5のアミノ酸配列を少な
くとも含むポリペプチドを含むものも包含される。配列
番号5のアミノ酸配列は一般的にシアル酸転位酵素に存
在するいわゆるシアリルモチーフに相当する配列であ
り、通常には、シアル酸転移酵素−1のポリペプチドの
アミノ酸配列において、配列番号2のアミノ酸配列にお
けるアミノ酸番号136〜183の部分に相当する部分
に存在する。
コードしているものが包含され、これらのポリペプチド
をコードしているのであればその塩基配列は特に限定さ
れない。
ガラクトース残基の3位水酸基へシアル酸を転移する活
性を実質的に害さない1もしくは数個のアミノ酸残基の
置換、欠失、挿入又は転位を有していてもよく、そのよ
うなアミノ酸配列の置換、欠失、挿入又は転位を有する
ポリペプチドをコードする、塩基配列の置換、欠失、挿
入及び転位を有するDNAのいずれもが本発明DNAに
包含される。本明細書における「アミノ酸の数個」とは
当該酵素の活性が失われない程度の、変異を起こしても
よいアミノ酸の数を示し、例えば360アミノ酸残基か
らなるポリペプチドの場合、20程度以下、好ましくは
10程度以下の数を示す。当該酵素の活性の測定法は公
知の方法(特開平7−327678号公報)において宿
主細胞に導入するcDNAと酵素の基質を変更すること
によって容易に行うことが可能であり、例えば本明細書
中において具体的に示した方法により当業者であれば容
易に実施可能であるため、目的とする酵素活性の有無を
指標として、該活性を実質的に害さない1つ以上のアミ
ノ酸残基の置換、欠失、挿入又は転位を容易に選択する
ことができる。DNAの塩基配列の置換、欠失、挿入又
は転位は、両末端に制限酵素切断末端を持ち、変異点の
両側を含む配列を合成し、未変異DNAが有する塩基配
列の相当する部分と入れ換えることにより、DNAに導
入することができる。また、部位特異的変異法(Krame
r,W. and Frits, H. J., Meth. in Enzymol., 154, 350
(1987); Kunkel,T.A. et al., Meth. in Enzymol., 15
4, 367(1987))などの方法によっても、DNAに置換、
欠失、挿入又は転位を導入することができる。
由来のものであるが、個体間においてアミノ酸配列に活
性に影響を与えない相違があり得ること(同等の活性の
変異体が存在し得ること)が当然に予想される。従って
上記のガラクトース残基の3位水酸基へシアル酸を転移
する活性を実質的に害さない1もしくは数個のアミノ酸
残基の置換、欠失、挿入又は転位は、個体間変異程度の
範囲内であることが好ましい。
のアミノ酸配列の全てをコードする塩基配列又はその部
分塩基配列を有するDNAが挙げられ、かつ好ましいが
これに限定はされない。上記の「部分塩基配列を有する
DNA」とは、例えばシアル酸転移酵素−1のポリペプ
チド(特に、配列番号2のアミノ酸配列においてアミノ
酸番号30〜362、38〜362、41〜362又は
136〜183のアミノ酸配列の部分)をコードするD
NAとハイブリダイズしシアル酸転移酵素−1のDNA
を検出するためのプローブとして使用することができる
又はそれによってコードされるポリペプチドがシアル酸
転移酵素−1活性を有するあるいはシアル酸転移酵素−
1と同様の抗原性を有するDNA又はそれに相補的なD
NAもしくはRNAを示す。上記ハイブリダイズは、一
般にスクリーニング等のDNA又はRNAとDNAをハ
イブリダイズさせる際に用いられている方法によって行
えばよく、例えば、DNAのスクリーニングなどに使用
される条件としては、50%ホルムアミド、5×SSP
E(塩化ナトリウム/リン酸ナトリウム/EDTA緩衝
液)、5×デンハルト溶液(Denhardt's solution)、
0.5%SDSと50μg/mlの変性させたサケ精子
DNAを含む溶液中で目的DNAをプレハイブリダイズ
し、32Pラベルした本発明DNA(例えば配列番号1記
載の塩基配列を有するDNA)を添加し、42℃で16
時間ハイブリダイズさせた後、55℃で1×SSPE、
1%SDS、さらに0.1×SSPE、0.1%SDS
により洗浄することが挙げられる。一般的なハイブリダ
イズは上述のような条件下で行われることが多いが、当
業者であれば同様のハイブリダイズを目的として各溶液
の組成や詳細な条件を変更することにより同様のハイブ
リダイズを行うことが可能であるため、同様な効果を得
ることが可能な条件であれば上述の条件に特に限定はさ
れない。
具体的には、配列番号1に示す全塩基配列又はその部分
配列を有するDNAが挙げられ、かつ好ましい。このよ
うなDNAとして具体的には、配列番号1における塩基
番号278〜1363、365〜1363、389〜1
363、398〜1363又は682〜826の塩基配
列からなるDNAが挙げられる。
アル酸転移酵素−1のcDNAのオープンリーディング
フレームの5'末端部に3つのイン・フレームのATG
コドンが含まれている。3つのATGコドンの周囲の塩
基配列は、全て−3の位置のプリンが保存されている。
このことは効率的な翻訳に関するKozakの知見(Ko
zak, M. (1986) Cell, 44, 283-292)を満足しており、
いずれのATGコドンも開始コドンとして機能する可能
性がある。
ンスフェラーゼは、フレーム内に2つのATGコドンを
含むことが知られている(Nakazawa, K. et al. (1988)
J.Biochem, 104, 165-168、Shaper, N. et al. (1988)
J. Biol. Chem., 263, 10420-10428)。また、Shaper
らは、β−1,4−ガラクトシルトランスフェラーゼ
は、2箇所からの翻訳開始の結果、長いものと短いもの
との両方の形態が合成されることを示している。さら
に、Lopezらは、長い形態のものは原形質膜を優先的に
標的とし、短い形態のものは主としてゴルジ体内に存在
することを示唆する証拠を示している(Lopez, L. et a
l. (1991) J. Biol. Chem., 266, 15984-15591)。同様
に、シアル酸転移酵素−1についても、複数のATGコ
ドンが開始コドンとして機能する可能性はあるが、定か
ではない。しかし、いずれのATGコドンが開始コドン
であっても、上記のシアル酸転移酵素−1のポリペプチ
ドをコードする点では同じであり、第2番目、第3番目
のATGコドンから始まる塩基配列を有するDNAも本
発明に包含されるものである。従って、シアル酸転移酵
素−1のポリペプチドは配列番号2記載のアミノ酸配列
において少なくともアミノ酸番号41〜362に相当す
る領域を有するものである。
単一のオープンリーディングフレームからは、362ア
ミノ酸残基からなり、分子量41,754Da、N−結
合グリコシレーション部位である可能性がある2カ所の
部位を有するタンパク質が予測される。このアミノ酸配
列から作成したハイドロパシープロット(図1)から、
N末端から16〜29番目のアミノ酸残基に渡る長さ1
4残基の連続した1つの顕著な疎水性部分が認められ、
トランスメンブレンドメイン(膜貫通領域)を有するこ
とが予想される。
列を有するDNAも本発明DNAに包含されることは、
当業者であれば容易に理解されるところである。
相補的なDNA又はRNAも包含される。さらに本発明
DNAは、SAT−1をコードするコード鎖のみの一本
鎖であってもよく、この一本鎖およびこれと相補的な配
列を有するDNA鎖又はRNA鎖からなる二本鎖であっ
てもよい。
ペプチド全体をコードするコード領域全長の塩基配列を
有していてもよく、またSAT−1のポリペプチドの一
部分をコードする塩基配列を有するものであってもよ
い。
膜貫通領域を有するが、膜内の末端にあたるN末端部か
ら当該膜貫通領域を含む領域を欠失したSAT−1のポ
リペプチドの部分もまた本発明のポリペプチドに包含さ
れる。また、このようなポリペプチドがSAT−1とし
ての活性を有する限り、本発明のシアル酸転移酵素に含
まれるポリペプチドの範疇である。このようなポリペプ
チドを具体的に例示すると、例えば配列番号2に示すア
ミノ酸配列におけるアミノ酸番号30〜362、38〜
362又は41〜362などが挙げられる。
明によりSAT−1のポリペプチドのアミノ酸配列が明
らかにされたので、その配列に基づいて作成したオリゴ
ヌクレオチドプライマーを用いるPCR法(ポリメラー
ゼ・チェイン・リアクション法)によって染色体DNA
あるいはmRNAから本発明DNAを増幅することによ
って取得することも可能である。また、特に以下の各工
程からなる発現クローニング法により製造することが可
能である。 (1)ヒト由来の癌細胞を分化誘導剤で処理することに
より分化させる。 (2)分化した癌細胞からcDNAライブラリーを作成
し、宿主細胞に導入する。 (3)ガングリオシドを細胞膜上に発現した宿主細胞を
検出する。 (4)上記で検出された宿主細胞をソーティングして、
ライブラリーを濃縮する。 (5)濃縮したライブラリーから導入した遺伝子を切り
出す。
AT−1の完全長cDNAを選択する。
例を具体的に説明する。 (1)癌細胞の分化誘導 癌細胞としては、ヒト由来の浮遊系細胞が好ましく、そ
のような癌細胞として血球系のリンパ種及び白血病のヒ
ト由来の細胞が挙げられ好ましい。そのような細胞とし
て、例えばヒト由来のHL−60(ATCC CCL2
40)、MOLT−4(ATCC CRL1582)、
U937(ATCC CRL1593)等の細胞が好ま
しく、新鮮骨髄性白血病細胞なども用いることが可能で
ある。そのような癌細胞の中でも、特にHL−60が分
化誘導を行いやすいため好ましい。培養したこの癌細胞
株に分化誘導剤を添加して20時間以上、好ましくは2
4〜48時間程度培養することによって分化を誘導す
る。培養法としては使用する細胞によって適した条件下
で行えばよいが、通常、一般的な細胞培養条件として5
〜7vol%CO2、95〜93vol%空気条件下で37〜3
8℃が挙げられる。分化誘導剤としては例えばホルボー
ルエステル(12-O-テトラデカノイルホルボールエステ
ル(TPA)など)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、
レチノイン酸(RA)及び1α,25-ジヒドロキシビタミ
ンD3(1α,25(OH2)D3)等が挙げられ、特に限定はされ
ないが、その中でもTPAが多くの白血病細胞株に対し
て比較的同様な分化誘導活性を有するため好ましい。例
えば癌細胞としてHL−60、分化誘導剤としてTPA
を使用する場合は、24nM程度のTPA存在下で48
時間培養することにより、HL−60は単球・マクロフ
ァージ様に分化し、形態の変化が観察される。
築 分化した癌細胞からのRNAの調製 上記(1)で分化を誘導した癌細胞を好ましくは500
〜2000×gで遠心処理により回収し、細胞から例え
ばグアニジンチオシアネート/CsCl法(Kingston,
R. E.,(1991) in Current Protocols in Molecular Bio
logy, Suppl. 14, Unit 4.2, Green Publishing Associ
ates and Wiley Interscience, New York)等の公知の
方法により全RNAを調製する。このようにして得られ
る全RNAから、オリゴdT(oligo-(dT))セルロース
カラムクロマトグラフィー等によってポリ(A)+RNAを
精製する。
ライマーを用いた逆転写PCRにより、癌細胞由来のc
DNAを増幅することができる。PCRは、通常の方法
と同様にして行えばよいが、具体的方法を示すならば以
下の通りである。1μlのポリ(A)+RNA、それぞれ1
00pmolのオリゴdTとランダムオリゴヌクレオチ
ドプライマー、それぞれ500μMの4種類のデオキシ
ヌクレオシド三リン酸、200単位のM−MLV逆転写
酵素(ギブコBRL(Gibco BRL))、1mMジチオスレ
イトール(DTT)、120単位のRNase(リボヌ
クレアーゼ)インヒビター(宝酒造(株)製)を含む緩
衝液(終体積20μl)を50℃で60分間インキュベ
ートし、cDNA一次鎖を合成する。次に、上記の逆転
写反応混合液5μl、各100pmolのランダムオリ
ゴヌクレオチドプライマー、それぞれ250μMの4種
類のデオキシヌクレオシド三リン酸、1.25単位のT
aqポリメラーゼを含む反応液(終体積50μl)に対
し、95℃1分、46〜62℃1分、72℃2分を35
サイクル繰り返して行う。
は、発現ベクターに保持させた後、宿主細胞に導入して
宿主細胞をスクリーニングするために使用される。宿主
細胞としては、哺乳類由来の細胞株で、ラクトシルセラ
ミド陽性である細胞であれば用いることができる。その
ような細胞株としては例えばヒトナマルバ(Namalwa)
細胞(細井ら:Cytotechnology, 1, 151(1988))、チャ
イニーズハムスター由来のCHO細胞(ATCC CC
L61等)、サル由来のCOS細胞(ATCCCRL1
650等)、マウス由来の3LL細胞(Taniguchi,S.
(信州大学加齢適応研究センター))などが挙げられ
る。しかし、本発明においてSAT−1の酵素活性の検
出をより容易にすることが可能であるため、更にGM3陰
性の培養細胞が好ましい。そのような細胞としては3L
L細胞の突然変異株である3LL−HK46細胞(Inok
uchi,J.(生化学工業(株)))が挙げられ、好まし
い。発現ベクターとしてはpCEV18(Maruyama,K.
(東京大学医科学研究所、現東京医科歯科大学)より恵
与)、pCXN2(Niwa, H., Yamamura, K. and Miyaz
aki, J. (Gene, 108, p193-200(1991))、pFLAG−
CMV−2(Eastman Kodak製)、pAGE107(Miy
ajiら, Cytotechnology, 3, 133(1990))、pAS3−
3(特開平2−227075号公報)、pAMoERC
3Sc(特開平5−336963号公報)、pcD2
(Chen,C.ら, Mol. Cell. Biol., 7, 2745-2452(198
7))などが挙げられ、使用する宿主細胞に合わせて適宜
選択される。例えば宿主細胞として3LL−HK46を
使用した場合は、pCEV18を発現ベクターとして使
用することが好ましい。上記で癌細胞のポリ(A)+RNA
を基に調製されたPCR産物のベクターへの導入は、公
知の方法から使用するベクターに適した方法が選択され
る。
入 上記の方法により構築したcDNAライブラリーを公知
の手法を用いて宿主細胞へトランスフェクションする。
具体的には、例えばエレクトロポレーション法(Miyaji
ら,Cytotechnology, 3, 133(1990))、リン酸カルシウ
ム法(特開平2−227075号公報)及びリポフェク
ション法(Philip, L.F. et al., Proc.Natl. Acad. Sc
i. USA, 84, 7413(1987))などが挙げられ適宜選択され
るが、エレクトロポレーション法が好ましい。また、ヒ
トα2−8シアル酸転移酵素は、GM3からGD3を合成す
る酵素であり、該酵素をコードするDNAを導入した細
胞はGM3合成が可能になると細胞膜上にGD3を発現し、
このGD3の検出は容易であるので、SAT−1をコード
するcDNAを検出する際に、より正確な酵素活性の検
出を行うため、ヒトα2−8シアル酸転移酵素をコード
するDNA(特開平7−327678号公報など)を宿
主細胞に前もってトランスフェクションしておくこと、
及び、同時にトランスフェクションすることも可能であ
り、また、好ましい。従って、例えばベクターとしてp
CEV18を使用して構築したcDNAライブラリー
を、宿主細胞としてのGD3合成経路を持たない3LL−
HK46細胞に導入する際には、ライブラリーのcDN
Aを保持したpCEV18を、通常の3LL−HK46
細胞に直接トランスフェクションしてもよいし、また、
α2−8シアル酸転移酵素のcDNA導入したベクター
と同時に3LL−HK46細胞にトランスフェクション
してもよい。また更に、予めα2−8シアル酸転移酵素
を発現する3LL−ST28細胞に上記ライブラリーの
cDNAを保持したpCEV18等の真核生物発現ベク
ターを用いてトランスフェクションしてもよい。なお、
3LL−ST28は、3LL−HK46細胞にα2−8
シアル酸転移酵素のcDNAを、pCEV18を用いて
導入して作成したものである。
の検出 cDNAライブラリーを導入した宿主細胞は、一般的な
細胞培養条件下で培養される。cDNAを導入して24
時間後以降、好ましくは36〜48時間後に宿主細胞を
抗ガングリオシド抗体あるいはガングリオシドに結合す
るレクチンを用いた免疫染色により染色するが、抗体を
用いる染色法がより正確であり好ましい。例えば、宿主
細胞として3LL−HK46を用いた場合には、細胞膜
上に発現したGM3を認識する例えば抗GM3モノクローナ
ル抗体 M2590〔L612(ATCC CRL10724)が産生
するモノクローナル抗体:J. Biol. Chem., 260, 13328
-13333(1985)〕を用いて検出する。免疫染色は一般的な
方法に従って行えばよい。また、宿主細胞として例えば
上記の3LL−ST28を用いた場合には、本発明DN
Aが導入された際に生成されるGD3を検出する。GD3を
検出するための免疫染色法としては通常用いられる一般
的な方法(特開平2−327678号公報)によって行
うことができる。その際に、使用する一次抗体としては
GD3を認識する抗体であれば特に限定はされないが、モ
ノクローナル抗体が好ましく、そのような抗体としては
例えば抗GD3モノクローナル抗体 R24〔ハイブリド
ーマ(ATCC HB8445)が産生するモノクローナル抗体:Can
cer Res., 49, p191-196(1989)〕などが挙げられ、好ま
しい。上記の一般的な抗体を用いる免疫染色法が具体例
として挙げられる。すなわち、上記培養後の宿主細胞
(1×105個)をBSA溶液(0.1%BSA PB
S(+))で2〜3回程度遠心洗浄し、一次抗体を含む
100μlの前記BSA溶液に懸濁する。30分間氷冷
下で反応させた後、上記BSA溶液で2回程度洗浄す
る。さらに一次抗体に対するFITC標識二次抗体1μ
lを含むBSA溶液100μl中で、氷冷条件下で30
分間反応させる。BSA溶液で1回洗浄し、フローサイ
トメーター(FACScalibur:ベクトン・デッ
キンソン(Becton Dickinson)製)で、蛍光が強い細胞を
検出する。蛍光の強い、例えば全体の5%の細胞をセル
ソーターで選別し、これからプラスミドDNAを抽出す
る。プラスミドDNAの宿主細胞からの抽出は一般的な
公知の方法によって行われる。
グとcDNAの取得 上記の操作により得られたプラスミドDNAを、適当な
宿主細胞株にトランスフェクションし、例えば上記抗G
M3抗体を用いる免疫染色とフローサイトメーターによる
全体の5%の強い蛍光を発する細胞の回収の操作を2回
以上繰り返し、目的のcDNAをソーティングにより濃
縮する。前記ソーティングに用いる宿主細胞としては、
哺乳類の培養細胞が好ましく、特に3LL−HK46が
好ましい。また、使用するベクターとしては哺乳類細胞
用の発現ベクターであれば特に限定はされないが、pC
EV18が好ましい。ソーティングによって濃縮した目
的のcDNAを保持した前記ベクターを、pBKCMV
(ストラタジーン社製)などの哺乳類細胞用の発現ベク
ターにヒトα2−8シアル酸転移酵素のcDNAを導入
して作成した発現ベクターと同時に、3LL−HK46
細胞等のGD3合成経路を有さない哺乳類由来の培養細胞
にトランスフェクションし、上記と同様に免疫染色及び
フローサイトメーターによる検出を行い、強蛍光を発す
る全体の5%の細胞を得る。この細胞から公知の方法に
よりプラスミドDNAを抽出する。このプラスミドDN
Aから一般的な方法によってcDNAを切り出して得ら
れたcDNAにより、大腸菌DH10B(E. coli DH10
B:ギブコ社製)を形質転換し、これらを一穴あたり1
00コロニーを形成するよう植菌し、シブセレクション
を行うことにより、最終的に約2.1Kbpのインサー
ト(4C7)を含む単一のクローン、pCEV4C7を
得ることができる。
4C7の塩基配列の決定 上記のようにして得られたcDNAはそのままあるいは
pCRIIなどの適当なプラスミドにサブクレーニングし
て、既知の一般的な方法により塩基配列を決定すること
ができる。
コードするcDNAの塩基配列及びこの塩基配列から予
想されるアミノ酸配列を配列番号1に、アミノ酸配列の
みを配列番号2に示す。
溶化タンパク質形態のSAT−1のポリペプチドをコー
ドするDNAは以下のようにして取得することが可能で
ある。すなわち、まず配列番号1に示す塩基配列に基づ
き、当該酵素のポリペプチドのN−末端側で適当な短縮
化形態となるように選択したプライマーを合成し、クロ
ーン化したSAT−1のcDNAを鋳型としてPCR法
により増幅する。例えば、N−末端の37アミノ酸残基
が欠失した短縮化形態のポリペプチドをコードするDN
Aを得る場合には、例えば目的とする塩基配列の3'及
び5'末端部に存在する塩基配列を基にオリゴヌクレオ
チドプライマーを合成する。例えば配列番号3及び4に
示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドプライマーを
それぞれ5'プライマー及び3'プライマーとして用いて
PCRを行えばよい。次いで、増幅して得られたPCR
産物を必要により精製して目的DNAを得ることが可能
である。
ードされるSAT−1のポリペプチド 本発明は、上記の本発明DNAによってコードされるS
AT−1のポリペプチドも提供する。本ポリペプチドは
単独であってもよいし、他のポリペプチドと融合してい
てもよい。また、膜貫通領域を欠失していてもよい。
していなくてもよい。また、糖鎖の種類にも特に限定は
ない。
のポリペプチドの製造方法によって得ることができ、ま
た、上記の活性ないし機能の有無を判定することは、特
開平7−327678号公報記載の酵素活性測定法にお
いて、宿主細胞に導入するcDNAと酵素の基質を変更
することにより実施することが可能であり、例えば本明
細書中に具体的に記載されている方法により、当業者で
あれば容易に行うことができる。
又はそのポリペプチドの製造方法 上記本発明DNAで形質転換された細胞を、好適な培地
で培養し、本発明DNAがコードするSAT−1又はそ
のポリペプチドを培養物中に生成蓄積させ、その培養物
からSAT−1又はそのポリペプチドを採取することに
よって、SAT−1又はそのポリペプチドを製造するこ
とができる。
知の発現ベクターに本発明DNAの断片を挿入して組換
えプラスミドを構築し、この組換えプラスミドを用いて
形質転換を行うことによって得ることができる。なお、
本発明は、本発明酵素の製造に使用できる、本発明DN
Aを含む組換えプラスミドすなわち組換えベクター及び
本発明DNAが導入されており、かつ該DNAが発現可
能な形質転換体(例えば、上記組換えベクターを含む形
質転換体)も提供するものである。細胞としては大腸菌
等の原核細胞や、哺乳類細胞等の真核細胞が例示され
る。大腸菌などの原核細胞を用いた際は、本発明DNA
の発現によって生じるSAT−1のポリペプチドに糖鎖
の付加が起こらないため、純粋にSAT−1のポリペプ
チドのみを得ることが可能であり、また、哺乳類細胞等
の真核細胞を用いた際は、本発明DNAの発現によって
生じるSAT−1のポリペプチドに糖鎖が付加される。
そのため、糖鎖も含む通常のSAT−1と同様の形態で
得ることが可能である。
に通常用いられる宿主−ベクター系を使用することがで
きる。3LL−HK46細胞、3LL−ST28細胞又
はCOS−1細胞等の哺乳類由来の培養細胞とpCEV
18、pME18S(丸山ら,Med. Immunol., 20, 27(1
990))等の哺乳類細胞用発現ベクターとの組み合わせを
採用することが好ましいが、特に限定はされない。培地
や培養条件は、用いる宿主すなわち細胞に合わせて適宜
選択される。
いが、他のポリペプチドとの融合ポリペプチドとして発
現させてもよい。また、本発明DNAの一部を部分ペプ
チドとして発現させてもよい。
プラスミドの構築の具体例としては以下の方法が挙げら
れる。すなわち、pGIR201protA(Kitagaw
a,H.and Paulson,J.C., J. Biol. Chem., 269, 1394-14
01(1994))等のプラスミドに導入した遺伝子を融合タン
パクとして発現させるように構築されたベクターに通常
の方法により本発明のDNAを組み込み、複数のタンパ
ク質の遺伝子を同一読み出し領域に有するベクターを構
築する。ついで、このベクターから融合タンパク質をコ
ードするNheI断片を切り出し、上記と同様の操作に
よりpCEV18等の適当なベクターに連結させる。
チドの採取は、公知のポリペプチドの精製方法によって
行うことができる。具体的には例えば、ラクトシルセラ
ミドあるいはCMP−シアル酸などを結合したセファロ
ースカラムを用いたアフィニティ−クロマトグラフィー
が挙げられる。また融合ポリペプチドとして発現させた
場合は、宿主細胞の培養物を、SAT−1と融合したポ
リペプチドに対し親和性の高い物質(例えば抗体など)
を結合したアフィニティークロマトグラフィーに付する
ことによって融合ポリペプチドを精製することが可能で
ある。さらに、SAT−1と他のポリペプチドとの間に
リンカー、例えば特定のタンパク分解酵素が認識して切
断するアミノ酸配列を有するリンカーを予め組み込んで
おくことにより、融合ポリペプチドを精製した後にリン
カー部位で融合ポリペプチドを切断することにより、S
AT−1を得ることが可能である。上記特定のタンパク
質分解酵素とそれが認識する特定の配列の組合せとして
は例えばプロインスリンの合成時に働くシグナルペプチ
ダーゼとインスリンのシグナルペプチドの組合せが挙げ
られる。なお上記の培養物には、培地および当該培地中
の細胞が包含される。
は、一般的なガングリオシド合成の測定法(特開平7−
327678号公報など)において酵素の基質を変更す
ることにより実施することが可能である。例えば上記培
養物又は上記方法によって精製した酵素適量を、100
mM カコジル酸ナトリウム、10mM 塩化マンガ
ン、0.2mM CMP−放射性物質標識シアル酸、
0.4mM ラクトシルセラミド、0.3%Trito
n CF−54を含む反応液をpH6.5に調整し、3
7℃で2時間保温した後、一般的な薄層クロマトグラフ
ィーにより反応産物を展開し、フジックスBAS200
0バイオ・イメージング・アナライザー(富士写真フィ
ルム(株)製)により活性の測定を行うことができる。
が、本発明の目的を超えない限りこれに限定されるもの
ではない。
Aの構築 2〜3×105個/mlHL−60をTPA 24n
M、及10%牛胎児血清を含むRPMI−1640(ニ
ッスイ製)中で5vol%CO2、95vol%空気、37℃の
条件下で48時間培養し、分化を誘導した。上記細胞か
ら、インビトロゲン社製のFast Track mRNA単離キット
を用いてポリ(A)+シグナルを有するRNAを単離した。
し、DNAの一次鎖を構築し、更にこのDNAを用いて
2本鎖cDNAを合成した(Gubber, V. and Hoffman,
B.J., Gene, 25, 283(1983))。
に、制限酵素BstX1アダプター(インビトロゲン社
製)を連結し、pCEV18のBSTX1部位に導入し
てcDNAライブラリーを構築した。このcDNAライ
ブラリーを8つに分け、E.coli DH10B(ラ
イフテクノロジー社製)に導入して増幅した。増幅した
cDNAは、Qiagen社製のQiagen Tip
を用いてプラスミドDNAを精製した。
のトランスフェクション 上記のcDNAライブラリーを含むプラスミドDNA10
0μgを、5×106個の3LL−HK46細胞にエレクトロ
ポレーション法(180 V、600μF)を用いて導入し、3
8〜48時間、5vol%CO2、95vol%空気、37℃条
件下で培養をした。
の検出とcDNAの調製 培養後の3LL−HK46細胞を回収してPBS(-)で
洗浄した後、抗GM3抗体であるM2590と30分間、
氷冷下で反応させ、さらに氷冷下で30分間、FITC
標識ウサギ抗マウスIgMモノクローナル抗体により免
疫染色を行った。この染色した細胞をフローサイトメー
ター(FACScalibur)で蛍光が陽性の細胞を
検出し、陽性側の5%の細胞をコウルター社製のEPICS
EliteESP セルソーターで回収し、プラスミドDNAを
調製した後、さらに2回、3LL−HK46細胞へのエ
レクトロポレーション法による導入と48時間培養、免
疫染色及びフローサイトメーターによる検出、回収を繰
り返した。
を、pBKCMVGD3(ストラタジーン社製のpBK
CMVプラスミドベクターにヒトα2−8シアル酸転移
酵素(GD3合成酵素)を導入したプラスミド)と共に5
×106個の3LL−HK46細胞に導入した。この細胞
を48時間培養した後、抗GD3抗体であるR24とFI
TC標識ウサギ抗マウスIgG抗体で免疫染色して、フ
ローサイトメーターにより蛍光の強い細胞を検出し、蛍
光が強い側の0.6%の細胞を、ベクトンディッキンソン
社製のFACS Vantageセルソーターを用いて回収した。
し、エレクトロポレーション法によりこのプラスミドD
NAで大腸菌DH10B(ライフテクノロジー社製)を
形質転換した。トランスフェクションとアンピシリンに
よる選別とを2回繰り返した後、陽性コロニー群を96
穴マイクロプレート1穴あたり100コロニーの割合で
小分けした。9枚のマイクロプレートに植菌し、シブセ
レクション法を行い1穴に絞り込み、この1穴に由来す
る2,400コロニーを1穴あたり1コロニーの割合
で、96穴マルチプレート25枚に広げ、更にシブセレ
クションを行い陽性クローン(pCEV4C7)を得
た。
て使用すると、3LL−HK46細胞に本発明DNAを
含むプラスミドDNAとpBKCMVGD3を共導入す
る方法と比較してフローサイトメトリー上で3倍以上の
蛍光強度が得られたので、上述のシブセレクションにお
いては共導入法ではなく、宿主細胞として3LL−ST
28細胞を用いた。
イクルシークエンシングキット(ファルマシア社製)
と、ファルマシア A.L.F. DNAシークエンサー(フ
ァルマシア社製)を用いたデオキシチェーンターミネー
ション法により決定した。このように決定された塩基配
列とその塩基配列から予測されるアミノ酸配列を配列番
号1に、アミノ酸配列のみを配列番号2に示す。pCE
V4C7が有するcDNAインサート4C7は2,35
9kbpであり、278番目の塩基を翻訳開始点とする
362アミノ酸残基を有するタンパク質(分子量41,
754Da)をコードすることが明かとなった。アミノ
酸配列から予測される構造の模式図を図1に示す。ハイ
ドロパシープロットによる解析の結果、N末端部15番
目から33番目のアミノ酸残基の領域に膜貫通領域が存
在する2型膜タンパク質であることが判明した。この配
列をGenBankに登録されている遺伝子データベースで検
索した結果、高度に相同性を示す配列は認められなかっ
た。しかし、シアル酸転移酵素の配列の中央部及びC末
端側領域に存在するシアル酸転移酵素相同領域のシアリ
ルモチーフ(L及びS)については、多少の置換が見ら
れたものの、比較的高い相同性が認められた(図2)。
比較に用いたシアル酸転移酵素は、ST3N-1; Biochem. B
iophys. Res. Commun., 194, 375-382, 1993、ST3N-2;
J.Biol. Chem., 268, 22782-22787, 1993、ST30-1; J.
Biol. Chem., 269, 17872-17878, 1994、ST30-2; Eur.
J. Biochem., 247, 558-566, 1997、SThM; GenBankTMデ
ータベース、受入番号U14550、ST6N; J. Exp. Med., 17
2, 641-643, 1990、SAT-II; Proc. Natl. Acad. Sci.
U.S.A., 91, 7952-7956, 1994、 STX; J. Biol. Chem.,
270, 22685-22688, 1995、ST8SiaIII; GenBankTMデー
タベース、受入番号AF004668、 PST-1; Proc. Natl. Ac
ad. Sci. U.S.A., 92, 7031-7035, 1995、ST8SiaV; Bio
chem. Biophys. Res. Commun., 235, 327-330, 1997の
それぞれに記載の11種である。この結果から、pCE
V4C7のインサート4C7がコードするSAT−1は
シアル酸転移酵素ファミリーに属すると裏付けられた。
本発明DNAがコードするSAT−1には、シアリルモ
チーフL中に存在する177番目のアミノ酸において、
他のシアル酸転移酵素と比較して特徴的なアミノ酸の置
換が存在し(アスパラギン酸からヒスチジンへの置
換)、またアミノ酸配列からN−グリコシレーションサ
イトにコンセンサスな配列が2つ存在することが示され
た(図1中、△で示す)。
胞のGM3合成 上記SAT−1をコードするcDNA(4C7)を発現
ベクターpCEV18に導入したpCEV4C7を、エ
レクトロポレーション法により3LL−HK46及び3
LL−ST28に導入し、48時間培養後のこの細胞の
GM3合成活性を以下の方法により測定した。対照として
は、pCEV18を上記と同様に3LL−HK46及び
3LL−ST28に導入した。0.1mM CMP−[
14C]−シアル酸(2×103CPM)、0.4mMラク
トシルセラミド、0.3%(W/V)Triton CF−
54、10mM MgCl2、100mM カコジル酸
ナトリウム、150μgのpCEV4C7(又は対照ベ
クター)を導入した宿主細胞のホモジナイズ液及び1m
Mのシアリダーゼ阻害剤(2,3−デヒドロ-2-デオキシ-N
-アセチルシアル酸(2,3-dehydro-2-deoxy-NeuAc):ベー
リンガー・マンハイム社製)を含むpH6.5の20μ
lの反応液を、37℃で2時間インキュベートした後、
SepPak C18カラム(メルク社製)で脂質成分を精製し
た。精製物を乾固後、シリカゲル薄層クロマトグラフィ
ー 60HPTLCプレート(メルク社製)に供した。
クロロホルム−メタノール−0.5%CaCl2水溶液
(55:45:10, V/V/V)にて展開後、オルシノール硫酸に
より発色すると共に、ガングリオシドに取り込まれた放
射活性をフジックスBAS2000バイオ・イメージン
グ・アナライザー(富士写真フィルム(株)製)で測定
した。その結果、pCEV4C7導入細胞において、14
CのガングリオシドGM3への取り込みが検出され、SA
T−1によるGM3合成が起こっていることが明らかにな
った。
にpH6.5付近で高く、また、10mM Mn2+存在
下で1.5倍以上上昇した。
LL−HK46細胞及び3LL−ST28細胞を、導入
24時間後に免疫蛍光染色(3LL-HK46細胞については抗
GM3抗体M2590、3LL-ST28細胞については抗GM3抗体R24
をそれぞれ一次抗体として使用し、FITCを結合した抗マ
ウスIgM抗体又はIgG抗体を二次抗体として使用した)
し、フローサイトメトリーを用いて、染色された細胞の
分布を測定した。対照としてpCEV18を導入したそ
れぞれの宿主細胞を免疫染色した細胞を使用した。結果
を図4に示す。a及びbは3LL−ST28細胞、c及
びdは3LL−HK46細胞であり、a及びcはpCE
V18を導入したもの(対照)、b及びdはpCEV4
C7を導入したものである。本発明DNAを保持したプ
ラスミドDNAを導入した3LL−ST28が顕著な染
色性を示していることが明らかである。3LL−HK4
6細胞においてこの方法によるGM3の検出が難しかった
ことは、細胞系により、細胞表面でのGM3の局在性等が
異なることを示唆している。
グ法により確認した。すなわち、クロンテック社製のM
TNブロットを使用し、pCEV4C7からEcoRI
で切り出した2,066 bpのcDNAをアガロースゲル電気
泳動で調製し、常法に従って[α32P]dCTPを用いて
放射能ラベルを行って、放射能ラベルプローブを調製し
た。サンプル中のRNA量の標準化を行うために、内部
標準としては放射能ラベルをしたヒトグリセルアルデヒ
ド−3リン酸デヒドロゲナーゼのプローブを使用した。
その結果、脳、胎盤、骨格筋、及び精巣において特にS
AT−1が強く発現していることが明らかとなり、肝
臓、腎臓、膵臓、及び大腸においては発現量が特に少な
いことが明らかとなった。また、脳、胎盤、肺、骨格
筋、脾臓、及び末梢血において、約7 kbの薄いバンドが
現れた。
るために、同じプローブを用いて小脳、大脳皮質、髄
質、後頭葉、前頭葉、側頭葉、被殻、脊髄のノザンブロ
ッティングも行った結果、大脳皮質、前頭葉、及び被殻
において若干強く発現していたが、全体に渡って比較的
強く発現していることが判明した。
胞分化を誘導するガングリオシドGM3を合成するα2−
3シアル酸転移酵素(SAT−1)のDNAが提供され
る。また、本発明により、GM3合成酵素であるα2−3
シアル酸転移酵素が、上記DNAを使用することで容易
に得られる。
NAが得られたので、その発現機構を解明することによ
る細胞分化のメカニズムの解明が期待される。
−1)の構造の模式図。△は、アミノ酸配列から推定さ
れるN−グリコシレーション部位である。TMはアミノ
酸配列から推定される膜貫通領域である。
領域のアミノ酸配列と、他のシアル酸転移酵素のシアリ
ルモチーフ領域との対比を示す図。白抜き文字は1種類
のシアル酸転移酵素のみが他と異なったアミノ酸残基を
示す部位である。
ノ酸配列のハイドロパシープロット。
発現の、フローサイトメトリーによる分析結果。縦軸は
細胞数、横軸は蛍光強度を示す。
Claims (11)
- 【請求項1】 配列番号2記載のアミノ酸配列における
アミノ酸番号41〜362のアミノ酸配列を少なくとも
含むポリペプチドを含み、ガラクトース残基の3位水酸
基にシアル酸を転移する作用を有するシアル酸転移酵
素。 - 【請求項2】 配列番号2記載のアミノ酸配列における
アミノ酸番号1〜362のアミノ酸配列を有するポリペ
プチドを含む請求項1記載のシアル酸転移酵素。 - 【請求項3】 ラクトシルセラミドのガラクトース残基
にシアル酸を転移してα2→3結合を形成し、ガングリ
オシドGM3を生成する活性を有する請求項1又は2記載
のシアル酸転移酵素。 - 【請求項4】 配列番号5記載のアミノ酸配列を少なく
とも含むポリペプチドを含み、ガラクトース残基の3位
水酸基にシアル酸を転移する作用を有するシアル酸転移
酵素。 - 【請求項5】 配列番号2記載のアミノ酸配列における
アミノ酸番号41〜362のアミノ酸配列を少なくとも
含むポリペプチド。 - 【請求項6】 配列番号2記載のアミノ酸配列における
アミノ酸番号1〜362のアミノ酸配列を有するポリペ
プチド。 - 【請求項7】 請求項5又は6記載のポリペプチドをコ
ードするDNA。 - 【請求項8】 配列番号1記載の塩基配列を有するDN
A。 - 【請求項9】 請求項7又は8記載のDNAを含む組換
えベクター。 - 【請求項10】 請求項7又は8記載のDNAが導入さ
れ、かつ該DNAが発現可能な形質転換体。 - 【請求項11】 請求項10記載の形質転換体を、好適
な培地で培養し、前記DNAがコードするシアル酸転移
酵素又はそのポリペプチドを培養物中に生成蓄積させ、
その培養物からシアル酸転移酵素又はそのポリペプチド
を採取することを特徴とする、シアル酸転移酵素又はそ
のポリペプチドの製造方法。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14860399A JP4101976B2 (ja) | 1999-05-27 | 1999-05-27 | ヒト由来シアル酸転移酵素及びそれをコードするdna |
US09/425,488 US6555371B1 (en) | 1997-07-09 | 1999-10-22 | Sialyltransferase and DNA encoding the same |
US10/309,389 US7256278B2 (en) | 1997-07-09 | 2002-12-03 | Sialyltransferase and DNA encoding the same |
US11/771,606 US20080227172A1 (en) | 1997-07-09 | 2007-06-29 | Sialyltransferase and dna encoding the same |
US12/841,909 US8202705B2 (en) | 1997-07-09 | 2010-07-22 | Sialyltransferase and DNA encoding the same |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14860399A JP4101976B2 (ja) | 1999-05-27 | 1999-05-27 | ヒト由来シアル酸転移酵素及びそれをコードするdna |
Publications (3)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000333682A true JP2000333682A (ja) | 2000-12-05 |
JP2000333682A5 JP2000333682A5 (ja) | 2004-10-28 |
JP4101976B2 JP4101976B2 (ja) | 2008-06-18 |
Family
ID=15456476
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14860399A Expired - Fee Related JP4101976B2 (ja) | 1997-07-09 | 1999-05-27 | ヒト由来シアル酸転移酵素及びそれをコードするdna |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4101976B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003027297A1 (fr) * | 2001-09-26 | 2003-04-03 | Kyowa Hakko Kogyo Co., Ltd. | Procede de production de $g(a)2,3/$g(a)2,8-sialyltransferase et sucre complexe contenant de l'acide sialique |
WO2005067971A1 (ja) * | 2004-01-16 | 2005-07-28 | Takeda Pharmaceutical Company Limited | 動脈硬化の予防・治療用医薬 |
-
1999
- 1999-05-27 JP JP14860399A patent/JP4101976B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003027297A1 (fr) * | 2001-09-26 | 2003-04-03 | Kyowa Hakko Kogyo Co., Ltd. | Procede de production de $g(a)2,3/$g(a)2,8-sialyltransferase et sucre complexe contenant de l'acide sialique |
WO2005067971A1 (ja) * | 2004-01-16 | 2005-07-28 | Takeda Pharmaceutical Company Limited | 動脈硬化の予防・治療用医薬 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4101976B2 (ja) | 2008-06-18 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US8202705B2 (en) | Sialyltransferase and DNA encoding the same | |
US5858751A (en) | Compositions and methods for producing sialyltransferases | |
CA2167521C (en) | Compositions and methods for producing sialyltransferases | |
AU668714B2 (en) | Compositions and methods for the identification and synthesis of sialyltransferases | |
Kim et al. | Molecular cloning and expression of human α2, 8-sialyltransferase (hST8Sia V) | |
US20090269802A1 (en) | Alpha 1,4-galactosyltransferase and dna encoding thereof | |
US20070072268A1 (en) | Sulfotransferase and DNA encoding the enzyme | |
JP2810635B2 (ja) | 新規糖鎖合成酵素 | |
US6323332B1 (en) | Sulfotransferase for HNK-1 glycan | |
EP0737745A1 (en) | Novel sugar-chain synthetase and process for producing the same | |
US6040156A (en) | DNA encoding glucuronyltransferase | |
JP4101976B2 (ja) | ヒト由来シアル酸転移酵素及びそれをコードするdna | |
JPH1118778A (ja) | シアル酸転移酵素及びそれをコードするdna | |
JP4226693B2 (ja) | 硫酸基転移酵素及びそれをコードするdna | |
JP2001521399A (ja) | 哺乳類のグルクロニルc5−エピメラーゼをコードするdna配列およびその産生法 | |
JP3219585B2 (ja) | 新規糖鎖合成酵素 | |
JP2854803B2 (ja) | 新規糖鎖合成酵素 | |
JP4629214B2 (ja) | N−アセチルグルコサミン転移酵素 | |
JP2006314320A (ja) | シアル酸転移酵素及びそれをコードするdna | |
JP4377987B2 (ja) | ガラクトース転移酵素及びそれをコードするdna | |
JP3889863B2 (ja) | 糖転移酵素遺伝子 | |
JPH11137247A (ja) | β1,4−ガラクトース転移酵素の製造法 | |
US5965419A (en) | Purified sulfotransferase | |
VALLEJO-RUIZ et al. | Cloning, expression and gene organization of a human Neu5Acα2–3Galβ1–3GalNAc α2, 6-sialyltransferase: hST6GalNAc IV1 | |
WO1995015386A1 (fr) | Nouvelle tyrosine-kinase receptrice |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20061128 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070125 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070508 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070706 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20080311 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20080321 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110328 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110328 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120328 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130328 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130328 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140328 Year of fee payment: 6 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |