JP2000333673A - 連続無細胞タンパク質合成手段 - Google Patents

連続無細胞タンパク質合成手段

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JP2000333673A
JP2000333673A JP11151599A JP15159999A JP2000333673A JP 2000333673 A JP2000333673 A JP 2000333673A JP 11151599 A JP11151599 A JP 11151599A JP 15159999 A JP15159999 A JP 15159999A JP 2000333673 A JP2000333673 A JP 2000333673A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、効率的な連続無細胞タンパク質合成
手段を提供することを目的とする。 【構成】本発明は、自己のタンパク質合成反応の阻害物
質が実質的に排除された細胞抽出液からなる無細胞タン
パク質合成手段において、少なくとも合成反応の鋳型と
なるmRNA、エネルギー再生系酵素、基質、エネルギ
ー源から選ばれた要素について追加・保存・交換・排出
から選択される処置を導入することを特徴とする連続無
細胞タンパク質合成手段からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、連続無細胞タンパク質
合成手段に関する。さらに詳しくは、自己のタンパク質
合成反応の阻害物質が実質的に排除された細胞抽出物か
らなる無細胞タンパク質合成手段において、少なくとも
合成反応の鋳型となるmRNA、エネルギー再生系酵
素、基質、エネルギー源から選ばれた要素を追加・保存
・交換・排出から選択される処置を導入することを特徴
とする連続無細胞タンパク質合成手段に関係する。
【0002】
【従来の技術】従来、無細胞タンパク質合成系を用いた
タンパク質の合成方法は、ペプチド合成反応速度と翻訳
反応の正確性においては生細胞に匹敵する性能を保持し
ているものの、合成効率が生細胞のそれの0.1〜1%
以下と低く、反応時間も1時間以内と短いため、タンパ
ク質の生産性が低いという欠点があった。
【0003】今日、利用されている無細胞タンパク質合
成系は、大腸菌、コムギ胚芽や家兎網状赤血球由来の系
が主流で市販もされているが、いずれもタンパク質合成
効率が低いという欠点から、放射性同位体標識法や免疫
学的方法と組み合わせて遺伝子翻訳産物の分析手段とし
ての利用に限られ、タンパク質の調製手段としては殆ど
利用されていない。
【0004】これまで、無細胞タンパク質合成系の効率
化に関して多くの研究がなされてきたが、スピリン
(A.S.Spirin)らは、従来の方法で調製した
無細胞タンパク質合成系に、合成基質であるアミノ酸
と、エネルギー源であるATP、GTPを限外ろ過膜を
介して連続的に供給することによって(連続式無細胞タ
ンパク質合成系)、上記いずれの無細胞タンパク質合成
系においても反応時間を20時間以上にわたって持続さ
せることに成功し、従来の20倍を越えるタンパク質合
成収量を達成した(Spirin,A.S.et a
l.(1988),Science,242,1162
−1164)。
【0005】一般に無細胞タンパク質合成反応液におけ
るリボソームなどタンパク質合成因子の濃度は、生細胞
中に比べて10%前後と低いが、横山らは濃縮した大腸
菌抽出液を含む反応液と透析膜を用いる連続式無細胞タ
ンパク質合成を試み、CATやRasなど比較的小分子
のタンパク質を反応系1ml当たり3〜6mgの高収量
で合成することに成功している(木川ら、第21回日本
分子生物学会、WID6)(Kigawa,T.et
al.(1999),FEBS Lett.442,1
5−19)。
【0006】これらの成果は、基質濃度の低下が、無細
胞タンパク質合成系におけるタンパク質合成効率の低下
現象の一因であることを示している。言い換えると、連
続式無細胞タンパク質合成系による効率化は、アミノ酸
やエネルギー源の低下を防ぐ(反応中の基質濃度低下に
は、混在するそれら基質の代謝酵素群も関与すると考え
られる)と同時に、AMPやGMP等の代謝産物及びリ
ン酸やピロリン酸等の副生成物の蓄積を排出除去するこ
とにより、タンパク質合成効率が上昇した結果であると
説明できる。
【0007】従来の連続式無細胞タンパク質合成装置と
しては、限外ろ過膜法、透析膜法や樹脂に翻訳鋳型を固
定化したカラムクロマト法等(Spirin,A.et
al.(1993),Meth.in Enzymo
l.,217,123−142)を挙げることができ
る。なかでも、限外ろ過膜法と透析膜法は取り扱いが簡
便なため、汎用されている。本発明者等も、合成効率の
高い無細胞タンパク質合成用細胞抽出物を調製する方法
を発明し、透析膜法をもちいた連続式無細胞タンパク質
合成を試み,反応容量1ml当たり4mg程度のジヒド
ロ葉酸還元酵素の合成に成功している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、限外ろ
過膜法、透析膜法等によるアミノ酸やATP、GTP等
のエネルギー源の連続的供給と、リン酸やピロリン酸等
の副生成物の排出によって、無細胞系のタンパク質合成
の効率化が達成されつつあるが、本発明者は、まだ次の
ような課題が残されていることを見出した。すなわち、
(1)反応溶液中の鋳型となるmRNAは不安定であ
り、長時間の反応では極微量混在するリボヌクレアーゼ
による不可避的な消化によって鋳型活性が低下・消失す
る、(2)エネルギー再生系の酵素であるクレアチンキ
ナーゼも長時間の反応中にその活性が低下し、エネルギ
ー源の供給不足を来す、(3)透析外液は反応液容量の
10倍量程度を用いるが、長時間反応ではそれに含まれ
るアミノ酸やエネルギー源が枯渇すると同時に副生成物
が蓄積する等である。したがって、このような新規な課
題を解決する手段及びその具体化策として、これらのタ
ンパク質合成に必須な成分の活性低下及び/又は原料の
枯渇などに伴っておきる、タンパク質合成反応の低下も
しくは停止を防ぐ手段を提供することが課題の一であ
る。
【0009】さらに、透析法による連続式無細胞タンパ
ク質合成反応は、専用の反応装置が無いため、反応温度
制御、攪拌制御、透析外液交換、鋳型mRNA及びエネ
ルギー再生系酵素であるクレアチンキナーゼ等のタンパ
ク質合成反応液への添加などをすべて手動で行う必要が
ある。これらの操作は煩雑であり充分な経験と熟練した
手技が必要とされ、本合成法の欠点となっている。この
欠点を補う簡便で実用的な手段を提供することが課題の
別の一である。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、自己のタンパ
ク質合成反応の阻害物質が実質的に排除された細胞抽出
物からなる無細胞タンパク質合成手段において、少なく
とも合成反応の鋳型となるmRNA、エネルギー再生系
酵素、基質、エネルギー源から選ばれた要素について追
加・保存・交換・排出から選択される処置を導入するこ
とからなる。
【0011】本発明の手段の一は、無細胞タンパク質合
成系への、合成反応の鋳型となるmRNAの追加添加及
び/又はエネルギー再生系酵素の追加添加によって達成
される。
【0012】本発明の別の手段の一は、無細胞タンパク
質合成系において、基質・エネルギー源の補給及び合成
副生成物の排出によって達成される。
【0013】本発明の別の手段の一は、無細胞タンパク
質合成系に関与する要素の追加・保存・交換・排出を自
動化して処理することによって達成される。
【0014】本発明の別の手段の一は、無細胞タンパク
質合成系に関与する要素の追加・保存・交換・排出が実
施可能であり、かつ合成反応の温度制御、攪拌制御等の
条件設定が可能な連続無細胞タンパク質合成装置を提供
することによって達成される。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の連続式無細胞タン
パク質合成手段について詳細に説明する。
【0016】(細胞抽出物の説明)本発明の連続式無細
胞タンパク質合成系には、大腸菌、胚芽、家兎網状赤血
球等の既知の無細胞タンパク質合成系が適用可能であ
る。好ましい系は、胚芽であり、コムギ、大麦、いね、
コーン、及びほうれん草等が利用できる。この原料は、
自体公知の方法によって、無細胞タンパク質合成材料つ
まり無細胞タンパク質合成用細胞抽出物として調製され
る(Johnston,F.B.et al.(195
7),Nature,179,160−161)が、よ
り好ましくは、自己のタンパク質合成反応の阻害に関与
する系が排除されていることである。
【0017】無細胞タンパク質合成用細胞抽出物の、自
己のタンパク質合成反応の阻害物質を排除することと
は、原料細胞自身が含有する又は保持する自己タンパク
質の合成を制御する手段を除くことを意味する。特に、
本発明者が見出したリボソームに作用してその機能を抑
制する物質の排除を意味する。
【0018】原料細胞自身が含有する又は保持するタン
パク質合成機能を抑制する物質とは、例えば種子の胚乳
に大量に局在することが知られている、リボゾ−ムの機
能を抑制するトリチン(Massiah,A.J. a
nd Hartely,M.R.(1995),Pla
nta,197,633−640)、チオニンとよばれ
るシステインを多く含むタンパク質(Brummer,
J., Thole,H. and Kloppste
ch,K.(1994),Eur.J.Bioche
m.,219,425−433)、リボヌクレアーゼ
(Matsushita,S.,Mem.Res.In
st.Food Sci.Kyoto Univ.,N
o.19,1〜)等である。
【0019】胚芽の単離段階で混入する、胚乳局在性の
胚芽無細胞タンパク質合成抑制(阻害)タンパク質の一
群、たとえば、トリチン、チオニン、リボヌクレアーゼ
等を完全に胚芽試料から排除することによって、タンパ
ク質合成活性の抑制を解除することができる。
【0020】自己のタンパク質合成を抑制する物質を除
くための有用な手段は、界面活性剤特に非イオン性の界
面活性剤を用いて原料細胞を処理することである。非イ
オン性の界面活性剤であるかぎりは、広く利用ができる
が、好適なものとしては、ポリオキシエチレン誘導体で
ある、ブリッジ(Brij)、トリトン(Trito
n)、ノニデット(Nonidet)NP−40、ツィ
ーン(Tween)等が例示される。なかでも、ノニデ
ット(Nonidet)NP−40が最適である。その
添加量は、例えば0.5%である。
【0021】処理は、原料細胞を、例えばコムギ胚芽を
使った場合、既知の手段でミル・浮選・篩の工程によっ
て、胚芽抽出物を回収する。この胚芽抽出物に対して界
面活性剤による洗浄を数回おこない、洗浄液が白濁しな
くなるまで、洗浄を行う。この処理は、超音波処理との
組合せでおこなうことがより好ましく、より完全な効果
をうることができる。かくして、本発明の合成系で使用
される、無細胞タンパク質合成用細胞抽出物が調製され
る。
【0022】(合成反応の開始)かくして調製された無
細胞タンパク質合成用細胞抽出物は、所望により製剤化
され、要時、既知の方法例えばErickson等の方
法(Erickson,A.H.et al.(199
6),Meth. in Enzymol.,96
38−50)によって反応に供せられる。反応に際して
は、既知の方法に順じて、例えば合成基質、アミノ酸、
エネルギー源等を選択して、添加する。さらに所望によ
り、無細胞タンパク質合成系の反応効率を高める物質、
例えば各種イオン化合物、好ましくはカリウムイオン化
合物、マグネシウムイオン化合物等を添加することがで
きる。これらのイオン化合物の濃度は、用いる鋳型mR
NA種に応じて、至適濃度を選択する。さらに、溶解性
を高める物質例えば界面活性剤、前記リボソームの脱ア
デニン化を防御する物質等を、所望により添加すること
ができる。また、反応温度は、鋳型mRNA種に応じて
至適温度を選択する。
【0023】(各要素の追加添加)本発明においては、
反応開始後、要時又は継続的に、合成反応の鋳型となる
mRNAを、原料として添加したmRNAの鋳型活性が
低下傾向を示す前後に追加する。添加は、所望により、
極少量を継続的に添加してもよいし、一定期ごとに添加
してもよい。添加量は、原料mRNA量の10分の1か
ら同量程度である。この発明の特徴は、追加添加の効果
をはじめて確認したことにあり、添加量、添加時期につ
いては、合成効果の確認をもって、当業者が容易に変更
・特定可能である。なお、他の要素についても同様であ
り、以下の記載で特に記述されていなくても同様の意味
である。
【0024】本発明においては、反応開始後、要時又は
継続的に、エネルギー再生系酵素を、原料として添加し
たエネルギー再生系酵素活性が低下傾向を示す前後に追
加する。添加は、所望により、極少量を継続的に添加し
てもよいし、一定期ごとに添加してもよい。添加量は、
原料エネルギー再生系酵素量の10分の1から同量程度
である。エネルギー再生系酵素としては、クレアチンキ
ナ−ゼが適当である。無論、本化合物と同様の機能を有
する物質は同様にエネルギー再生系酵素として添加でき
る。その添加量・添加方法は、合成量をマーカーにし
て、要時変更可能である。
【0025】mRNAの追加添加とエネルギー再生系酵
素の追加添加は、別々に行ってもよいがより好ましくは
併用される。添加方法も、継続的あるいは断続的に行っ
てもよい。その添加量・添加方法は、合成量を指標にし
て、要時変更可能である。
【0026】本発明は、前記mRNAの追加添加及び/
又はエネルギー再生系酵素の追加添加に加えて、所望に
より、基質及び/又はエネルギー源が枯渇することを防
ぐ工程、及び/又は副生成物を排出する工程を導入する
ことが出来る。基質、エネルギーとしては、各種アミノ
酸、ATP、GTPなどが連続的に又は断続的に追加供
給されることが好ましい。その添加量としては、合成開
始時の各物質の濃度あるいはほぼそれに近い濃度が維持
されることが好ましい。しかし、この添加量もまた、合
成効果を指標にして要時、追加、変更可能である。
【0027】副生成物を排出するとは、AMPやGMP
等の代謝産物及びリン酸やピロリン酸等の反応物を排出
することであり、このような化合物は、継続的に又は断
続的に反応系から排出されることが好ましい。
【0028】基質及び/又はエネルギー源が枯渇するこ
とを防ぐ工程、及び/又は副生成物を排出する工程とし
ては、反応系の反応媒体を継続的又は断続的に、更新し
ていくことが好ましい。本発明では、例えば、透析膜を
使う方法を例示するが、その場合例えば透析外液を継続
的又は断続的に更新又は交換していく。
【0029】以上のような各要素の追加・保存・交換・
排出は、好ましくは自動化して処理する。自動化の手段
は、自体公知のコンピュータシステムの制御下にある装
置を準備し、各要素の追加・保存・交換・排出を一体化
して行う。これらに、使用する各要素としての試薬類は
キット化して調製されていることが好ましい。
【0030】(自動連続無細胞タンパク質合成装置)自
動連続無細胞タンパク質合成装置は自体公知のコンピュ
ータシステムの制御下にあり、各要素の追加・保存・交
換・排出を一体化して行う機能に加えて、タンパク質合
成に最も至適な環境を設定できる機能を併せ持つ。
【0031】すなわち、複数の透析容器を、例えば15
度摂氏より37度摂氏まで温度可変可能なそれぞれ独立
した複数の、電子冷却装置とヒーターとからなるチャン
バーに入れることで所望の温度に設定でき、目的とする
タンパク質の合成に最も至適な温度を維持することがで
きる。
【0032】また、透析容器の透析外液を継続的又は断
続的に更新又は交換していく方法として、例えば連続可
変若しくは断続的にペリスターポンプ若しくはシリンジ
ポンプ等の分注装置を用い、透析外液の更新又は交換の
速度を例えば、0.1〜1mL/時間の間で可変とする
ことにより、目的とするタンパク質の合成に最も至適な
条件を選定することができる。
【0033】さらに、鋳型mRNA及びエネルギー再生
系酵素であるクレアチンキナーゼ等のタンパク質合成に
必要な物質を、複数の透析容器中に設置されるタンパク
質合成反応系部分に、所望の時間毎に、例えば6時間〜
15時間の間隔を置いて、所望の量を追加添加できる。
【0034】上記装置において、鋳型mRNA、エネル
ギー再生系酵素基質、エネルギー源、透析外液等の各要
素は、個別に又は混合されて、透析容器に接続された貯
蔵容器に保存され、貯蔵容器とタンパク質合反応成系部
分又は透析容器とを連結する流路を通って供給される。
この貯蔵容器は好ましくは4度摂氏に維持される。
【0035】(連続無細胞タンパク質合成装置の構成)
本発明の具体化のための連続無細胞タンパク質合成系に
使用する装置の一例として、カートリッジ装置を説明す
る。但し、本発明の装置は、必ずしもカートリッジ式で
ある必要はない。
【0036】カートリッジ装置は、一般に有底中空体で
ある含浸槽とこれに密封可能に装着される蓋部とを含む
構成からなる連続無細胞タンパク質合成装置である。該
装置は基質及び/又はエネルギー源の導入手段である入
口と透析外液の含浸槽内の液室につながる出口をもつ流
路、透析外液中の代謝産物等の排出手段である含浸槽内
の液室に存する入口と外部につながる出口をもつ流路、
mRNA及び/又はエネルギー再生系酵素の導入手段で
ある入口と透析外液の含浸槽内の液室に存する透析膜の
機能を有する媒体を担持する。
【0037】図1はカートリッジ装置の斜視図であり、
図2はカートリッジ装置の中央断面図である。以下、図
をもって本発明のカートリッジ装置を詳細に説明する
が、図示した装置は実施の一態様であり、これに限定さ
れるものではない。
【0038】カートリッジ装置は、一般に有底中空体で
ある含浸槽1とこれに密封可能に装着される蓋部2を含
み、含浸槽1内には透析外液3が液面4まで満たされ
る。さらに詳しくは、エネルギー源等の導入手段である
入口5と透析外液3の含浸槽1内の液室につながる出口
6をもつ流路7、透析外液3中の代謝産物等の排出手段
である含浸槽1内の液室に存する入口8と外部につなが
る出口9及び/又は9aをもつ流路10、及び合成系物
質の導入手段である入口11と透析外液3の含浸槽1内
の液室に存する透析膜の機能を有する媒体12を基本的
な構成として担持する。実施の一態様として、図1及び
2には含浸槽が円筒体であるカートリッジ装置を示した
が、含浸槽の形は円筒体に限らない。
【0039】ここにおいて、出口6は、透析外液3と液
中において連絡しており、出口6の端部は、含浸槽1の
上半分に位置し、少なくとも液面4よりは下部に位置す
る。入口8は、透析外液3と液中において連絡してお
り、入口8の端部は、含浸槽1の下半分に位置する。出
口6の端部の位置と入口8の端部の位置は、上下が逆転
していても良い。
【0040】出口9aと導入部20aは、液面4と同部
位に接しかつ液面4より上部に位置する。出口9aと導
入部20aにより、排出は自然流出が可能となる。な
お、透析外液3中の代謝産物等の排出を出口9とその導
入部20を介して行う場合は、出口9aとその導入部2
0aを閉鎖するか、あるいは成形時に出口9aとその導
入部20aを付加しないで成形したものを使用すること
もできる。また、透析外液3中の代謝産物等の排出を出
口9aとその導入部20aを介して自然排出する場合
は、出口9とその導入部20を閉鎖するか、あるいは成
形時に出口9と導入部20を付加しないで成形したもの
を使用することもできる。さらにこの場合、図示してい
ないが、出口9aの導入部20aと入口8の導入部19
とが接続可能になるように、導入部19及び導入部20
aを成形して使用することもできる。この成形時、入口
8の導入部19は、出口9側の端部を蓋部に接続せず、
出口9aの導入部20aに接続可能なように成形しても
良い。
【0041】透析膜機能を有する媒体12は、入口11
の導入部13と一体成形されていてもよいが、例示する
ように留め具14によって、固接されていてもよい。媒
体12は、少なくとも透析外液3中に浸漬されるように
含浸槽1内に位置付けて設置される。媒体12の入口1
1につながる方向とは逆の端部は、少なくとも透析外液
3中に浸漬されるように含浸槽1内に位置付けて設置さ
れ、少なくとも閉鎖されておれば十分であり、一具体例
としては、膜端部15のように蓋形状のものによって閉
鎖するか、又は媒体12を口部が一つの袋状のものとし
て用いてもよい。
【0042】カートリッジ装置には、好ましくは透析外
液3の攪拌をする手段を導入してもよい。一具体例とし
ては、マグネティックスターラー16のような回転媒体
を含浸槽1内においてもよい。
【0043】含浸槽1は、恒温化を施すことが、合成効
率のためには好ましく、所望の恒温化手段との併用が可
能である。例えば、恒温槽に設置可能なように、含浸槽
1は調整できる。カートリッジ装置は、通常は透析外液
3及び合成系物質が浸漬のない状態で使用者に提供さ
れ、使用者が所望により随時入口11、入口5から各々
流入させることによって浸漬される。
【0044】入口5、出口9、入口11は、その流出入
について自動化制御する手段が導入されることが好まし
い。但し、より簡易な自動化手段としては、入口5から
出口6、そして入口8から出口9の流出入系が液面4を
一定に保つべく自動制御されていることが好ましい。こ
の場合、入口11からの物質の追加添加は、手動制御に
より行ってもよい。また、出口9a及び導入部20a
が、液面4より上部であってかつ液面に接した部位に設
置された場合には、自然流出が可能である。
【0045】本カートリッジ装置は、事前組立て装置で
あってもよいし、要時組立ての装置であってもよい。要
時組立ての場合は、含浸槽1、1の蓋部2、入口11の
導入部13、入口5の導入部17、出口6の導入部1
8、入口8の導入部19、出口9の導入部20、媒体1
2(導入部13と事前成形してもよい)を個々に用意
し、各々の接続は、例えばテーパー手段によって行う。
【0046】カートリッジ装置の材質は、広く公知のプ
ラスチック材料が利用できる。
【0047】
【実施例】以下、本発明をコムギ胚芽抽出物を使用した
無細胞タンパク質合成系を用いた参考例、実施例により
さらに具体的に説明するが、下記の実施例は本発明につ
いての具体的認識を得る一助とみなすべきものであり、
本発明の範囲は下記の参考例、実施例により何ら限定さ
れるものではない。
【0048】
【参考例1】コムギ胚芽抽出物の調製 ミル、浮選、篩を用いる種子から無傷(発芽能を有す
る)の単離方法はJohnstonらの方法(John
ston,F.B.et al.(1957),Nat
ure,179,160−161)を改良して用いた。
まず、コムギ種子を1分間に100gの割合でミル(F
ritsch社製Rotor SpeedMill p
ulverisette 14型)に添加し、回転数
8,000rpmで種子を温和に破砕した。これを再度
6,000rpmで破砕し、篩で粗胚芽画分(メッシュ
サイズ0.71mm〜1.00mm)を得た後、四塩化
炭素とシクロヘキサン混液(四塩化炭素:シクロヘキサ
ン=2.5:1)を用いた浮選によって、発芽能を有す
る胚芽を浮上画分から回収し、室温乾燥によって有機溶
媒を除去した。
【0049】この胚芽画分に混在する種皮等の不純物を
ポリエチレン板などの静電気帯電体を用いて吸着除去し
た。さらに胚芽粒子を篩と静電気帯電体を用いて、小粒
(0.71mm〜0.85mm)、中粒(0.85mm
〜1mm)、軽粒(0.85mm〜1mmでかつ軽量)
の3画分に分別し、最後に目による分別を行った。小粒
画分が最も高いタンパク質合成活性を示した。軽粒は、
種子破砕時に胚芽に生じた小傷胚芽が浮選操作中に破壊
が進行したものであると推察される。次に、この試料か
らコムギ胚乳成分を完全に除去するため、ガーゼにコム
ギ胚芽を入れ、冷却しながら冷蒸留水(DDW)で洗浄
し、非イオン性界面活性剤であるNP−40の0.5%
溶液に懸濁し、超音波洗浄器を用いて、洗浄液が白濁し
なくなるまで洗浄を繰り返した。蒸留水の存在下に再度
1回の超音波洗浄後、吸引ろ過によってコムギ胚芽をと
り、それを冷蒸留水(DDW)で何度も洗浄し、コムギ
胚芽を純化した。
【0050】コムギ胚芽抽出物の調製は常法(Eric
kson,A.H.et al.(1996),Met
h. in Enzymol.,96,38−50)
に準じた。以下の操作は4度摂氏で行う。液体窒素で凍
結した純化コムギ胚芽を乳鉢中で粉砕し、得た粉体1g
当たり、1mlのPattersonらの方法を一部改
変した抽出溶液(80mM HEPES−KOH pH
7.8、200mM酢酸カリウム、2mM 酢酸マグネ
シウム、4mM 塩化カルシウム、8mMジチオスレイ
トール、各0.6mM L型アミノ酸20種類、各1μ
Mのタンパク質分解酵素阻害剤であるFUT、E−6
4、PMSFを含む)を加えて、泡が発生しないように
注意しながら攪拌した。
【0051】30,000×g、15分間の遠心によっ
て得られる上清を胚芽抽出物として回収し、あらかじめ
溶液(40mM HEPES−KOH pH7.8、1
00mM 酢酸カリウム、5mM 酢酸マグネシウム、
4mM ジチオスレイトール)で平衡化しておいたセフ
ァデックスG−25カラム(Coarse)でゲル濾過
を行った。試料の濃度を、170〜250A260nm
(A260/A280=1.5)に調製した。
【0052】
【参考例2】無細胞タンパク質合成反応液の調製 無細胞タンパク質合成反応液は、上記の方法で調製した
コムギ胚芽抽出物を容量の20〜60%含み、Eric
ksonらの方法に準じた以下の成分組成である、30
mM HEPES−KOH pH7.6、95mM 酢
酸カリウム、2.65mM 酢酸マグネシウム、2.8
5mM ジチオスレイトール、0.5mg/ml クレ
アチンキナーゼ、1.2mM ATP、 0.25mM
GTP、 16mM クレアチンリン酸、0.380
mM スペルミジン、20種類のL型アミノ酸(各0.
3mM)、0.05% NP−40を添加することによ
り調製した。この反応液に、既に報告した方法(End
o,Y.et al.(1992),J.Biotec
h.,25,221−230)で調製したCAP付きの
ジヒドロ葉酸還元酵素(dihydrofolate
reductase)をコードするmRNA(80μg
/ml反応容量)を添加した。
【0053】
【実施例1】mRNA及びクレアチンキナーゼの追加に
よる反応維持時間の延長による合成の効率化 モデルとしてジヒドロ葉酸還元酵素をコードするmRN
Aを用い、24時間合成反応を行った。反応溶液は、容
量の48%のコムギ胚芽抽出物を含み、上記Erick
sonらの方法に準じた以下の成分組成である、1,0
00units/ml リボヌクレアーゼ阻害剤(RN
asin)、30mM HEPES−KOH pH7.
6、95mM 酢酸カリウム、2.65mM 酢酸マグ
ネシウム、2.85mM ジチオスレイトール、0.5
mg/ml クレアチンキナーゼ、1.2mM アデノ
シン−三−リン酸(ATP)、 0.25mM グアノ
シン−三−リン酸(GTP)、 16mM クレアチン
リン酸、0.380mMスペルミジン、20種類のL型
アミノ酸(各0.3mM)、0.05% NP−40の
他、既に報告した方法(Endo,Y.et al.
(1992),J.Biotech.,25,221−
230)で調製したCAP付きのジヒドロ葉酸還元酵素
(dihydrofolate reductase)
をコードするmRNA(80μg/ml反応容量)を含
む。
【0054】反応溶液を、その20倍容量の透析外液
(20mM HEPES−KOH pH7.6、95m
M 酢酸カリウム、2.65mM 酢酸マグネシウム、
4mMジチオスレイトール、1.2mM ATP、0.
25mM GTP、16mMクレアチンリン酸、0.3
80mM スペルミジン、20種類のL型アミノ酸(各
0.3mM)、0.005% アジ化ナトリウム、0.
05% NP−40、E−64、PMSF各1mM)に
対する透析系を用いて、23度摂氏で反応させた。
【0055】反応開始12時間後に、1mlの反応容量
当たり20μgのCAP付きのジヒドロ葉酸還元酵素を
コードするmRNAと、1mlの反応容量当たり200
μgのクレアチンキナーゼとを追加添加、又は1mlの
反応容量当たり20μgのCAP付きのジヒドロ葉酸還
元酵素をコードするmRNAのみを追加添加、若しくは
1mlの反応容量当たり200μgのクレアチンキナー
ゼのみを追加添加した。比較対照として、両物質とも追
加添加せず、反応を行った。操作は手動で行い、透析外
液の交換はしなかった。合成タンパク質量はSDS−ポ
リアクリルアミドゲル電気泳動後に、タンパク質をクマ
シーブルー染色し、デンシトメーターを用いてその染色
バンド強度と標準品との比から求めた(Endo,Y.
et al.(1992),J.Biotech.,
,221−230、 Endo,Y.et al.
(1975),Biochim.Biophys.Ac
ta,383,305−315)。
【0056】図3に示すように、反応開始12時間後
(矢印)におけるmRNA及びクレアチンキナーゼの追
加添加(○−○)によって合成反応がほぼ直線的に持続
することがわかる。いずれか一方のみの追加添加(△−
△)(▽−▽)では、追加添加しない(□−□)と同様
に反応が停止した。すなわち、上記で示した可能性(m
RNAの鋳型活性低下と、クレアチンキナーゼ活性の低
下によるエネルギー源の枯渇とに起因するタンパク質合
成反応の停止)がここで実験的に確認され、その解決方
法も完成した。
【0057】
【実施例2】透析外液の経時的交換による反応維持時間
の延長による合成の効率化 モデルとしてジヒドロ葉酸還元酵素をコードするmRN
Aを用い、反応液組成、温度等の条件は実施例1と同様
とし、反応開始後24時間及び45時間に透析外液を交
換して、60時間タンパク質合成を行った。比較対照と
して、透析外液を交換しないでタンパク質合成を行っ
た。いずれの反応系にも、1mlの反応容量当たり20
μgのCAP付きのジヒドロ葉酸還元酵素をコードする
mRNAと、1mlの反応容量当たり200μgのクレ
アチンキナーゼとを追加添加した。合成タンパク質量は
実施例1に記載した方法によって測定した。
【0058】図4に示すように、透析外液交換なし(△
−△)では24時間までほぼ直線的に合成が進行するも
のの、30時間程度で反応速度が極端に低下する。しか
し、24時間毎(矢印)に透析外液を交換することによ
り(○−○)、タンパク質合成が少なくとも60時間ま
で持続した。すなわち、上記で示した可能性(タンパク
質合成に必須な原料の枯渇と副生成物の蓄積によるタン
パク質合成反応の停止)がここで実験的に確認され、そ
の解決方法も完成した。
【0059】
【実施例3】自動連続無細胞タンパク質合成装置を用い
たmRNA及びクレアチンキナーゼの自動追加及び透析
外液の自動交換による、反応維持時間の延長と合成の効
率化 モデルとしてジヒドロ葉酸還元酵素をコードするmRN
Aを用い、反応液組成、温度等の条件は実施例1と同様
とし、自動連続無細胞タンパク質合成装置を用いてタン
パク質合成を60時間行った。反応開始12時間毎に、
別々に4度摂氏に保存しておいた1ml反応容量当たり
20μgのCAP付きのジヒドロ葉酸還元酵素をコード
するmRNA及び1ml反応容量当たり200μgのク
レアチンキナーゼを、それぞれ5μlずつ追加添加して
反応させた。透析外液は、4度摂氏に維持した貯蔵容器
から、透析容器に連続的に供給(0.3ml/時間)
し、同流速で透析容器から排出させた。開始反応溶液量
(0.5ml)に対して1μl相当量の反応溶液をSD
S−ポリアクリルアミドゲル電気泳動後に、タンパク質
をクマシーブルー染色した(図5(A))。比較対照と
して、CAP付きのジヒドロ葉酸還元酵素をコードする
mRNAを追加添加せずクレアチンキナーゼのみを追加
添加し、上記同様の方法でタンパク合成を行った(図5
(B))。また、反応0時間の試料1μlにジヒドロ葉
酸還元酵素標品1μgを添加して同様に泳動・染色した
(図5(A)右レーン)。合成タンパク質量は実施例1
に記載した方法で測定した(図5(C))。
【0060】図5に示すように、CAP付きのジヒドロ
葉酸還元酵素をコードするmRNAを追加添加せずクレ
アチンキナーゼのみを追加添加した(△−△)場合、反
応が15時間程度で停止した。図示していないが、クレ
アチンキナーゼを追加せずCAP付きのジヒドロ葉酸還
元酵素をコードするmRNAのみを追加添加した場合に
も同様に反応の停止が観察された。一方、12時間毎の
CAP付きのジヒドロ葉酸還元酵素をコードするmRN
A及びクレアチンキナーゼの自動追加と24時間目の透
析外液の自動交換(○−○)とによって、無細胞タンパ
ク質合成が自動的に効率よく進行した。すなわち、本装
置が有効に機能していることが確認できた。
【0061】
【発明の効果】既に特許出願中の無細胞タンパク質合成
反応方法と本願に示した合成方法の検討によって得た原
理を基に、透析式の自動連続タンパク質合成装置が発明
され、タンパク質の合成が簡便化された。
【図面の簡単な説明】
【図1】カートリッジ装置の斜視図である。
【図2】カートリッジ装置の中央断面図である。
【図3】mRNA及びクレアチンキナ−ゼの追加添加に
よるタンパク質の合成効果の維持を示した図である。○
−○はCAP付きのジヒドロ葉酸還元酵素をコードする
mRNAとクレアチンキナ−ゼを追加添加、△−△はm
RNAのみを追加添加、▽−▽はクレアチンキナ−ゼの
みを追加添加、□−□は追加添加せず、矢印は追加添加
時を示す。
【図4】透析外液の交換によるタンパク質の合成効果の
維持を示した図であり、○−○は透析外液の交換をした
もの、△−△は交換しなかったもの、矢印は交換時を示
す。
【図5】自動化装置によるタンパク質の合成効果の維持
を示した図である。○−○はCAP付きのジヒドロ葉酸
還元酵素をコードするmRNAとクレアチンキナ−ゼを
追加添加、△−△はmRNAを追加添加しなかったもの
を示し、白矢印は合成産物であるジヒドロ葉酸還元酵素
を、また★印は追加したクレアチンキナーゼの染色バン
ドを示す。
【符号の説明】
1 含浸槽 2 蓋部 3 透析外液 4 透析外液の液面 5 基質及び/又はエネルギー源等供給用の導入口 6 基質及び/又はエネルギー源等供給用の含浸槽
内出口 7 流路 8 透析外液排出用の含浸槽内導入口 9 透析外液排出用の外部排出口 9a 透析外液排出用の外部排出口 10 流路 11 mRNA及び/又はエネルギー再生系酵素供給
用の導入口 12 透析膜機能を有する媒体 13 導入口11の導入部 14 膜留具 15 膜端部 16 マグネティックスターラー 17 導入口5の導入部 18 含浸槽内出口6の導入部 19 含浸槽内導入口8の導入部 20 外部排出口9の導入部 20a 外部排出口9aの導入部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4B029 AA02 BB16 BB20 CC01 DA03 DF05 DG06 4B064 AG01 BH09 BH10 CA21 CB27 CC03 CC09 CC10 CC22 CD02 CD06 CD07 CD12 CD13 CD15 CD16 CD22 CE14 DA20

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】自己のタンパク質合成反応の阻害物質が実
    質的に排除された細胞抽出物からなる無細胞タンパク質
    合成手段において、少なくとも合成反応の鋳型となるm
    RNA、エネルギー再生系酵素、基質、エネルギー源か
    ら選ばれた要素について追加・保存・交換・排出から選
    択される処置を導入することを特徴とする連続無細胞タ
    ンパク質合成手段。
  2. 【請求項2】合成反応の鋳型となるmRNAを、原料と
    して添加したmRNAの鋳型活性が低下傾向を示す前後
    に追加添加することを特徴とする請求項1に記載の連続
    無細胞タンパク質合成手段。
  3. 【請求項3】エネルギー再生系酵素を、原料として添加
    したエネルギー再生系酵素活性が低下傾向を示す前後に
    追加添加することを特徴とする請求項1に記載の連続無
    細胞タンパク質合成手段。
  4. 【請求項4】エネルギー再生系酵素がクレアチンキナ−
    ゼである、請求項3に記載の連続無細胞タンパク質合成
    手段。
  5. 【請求項5】mRNAの追加添加量が、原料mRNA量
    の10分の1から同量である請求項2に記載の連続無細
    胞タンパク質合成手段。
  6. 【請求項6】エネルギー再生系酵素の追加添加量が、原
    料エネルギー再生系酵素量の10分の1から同量である
    請求項3又は4に記載の連続無細胞タンパク質合成手
    段。
  7. 【請求項7】mRNAの追加添加とエネルギー再生系酵
    素の追加添加が併用される請求項1〜6のいずれかに記
    載の連続無細胞タンパク質合成手段。
  8. 【請求項8】mRNAの追加添加及び/又はエネルギー
    再生系酵素の追加添加が、継続的に行われる請求項1〜
    7のいずれかに記載の連続無細胞タンパク質合成手段。
  9. 【請求項9】基質、エネルギー源が、枯渇することを防
    ぐ工程及び/又は副生成物を排出する工程を導入した請
    求項1〜7のいずれかに記載の連続無細胞タンパク質合
    成手段。
  10. 【請求項10】前記請求項9に記載の工程が、透析外液
    の交換である請求項9に記載の連続無細胞タンパク質合
    成手段。
  11. 【請求項11】追加・保存・交換・排出から選択される
    処置が自動制御された請求項1〜10のいずれかに記載
    の連続無細胞タンパク質合成手段。
  12. 【請求項12】手段が、合成方法である請求項1〜11
    のいずれかに記載の連続無細胞タンパク質合成手段。
  13. 【請求項13】手段が、自動制御システムである請求項
    11に記載の連続無細胞タンパク質合成手段。
  14. 【請求項14】手段が、装置である請求項1〜11のい
    ずれかに記載の連続無細胞タンパク質合成手段。
  15. 【請求項15】手段が、試薬キットである請求項1〜1
    1のいずれかに記載の連続無細胞タンパク質合成手段。
  16. 【請求項16】含浸槽とこれに密封可能に装着される蓋
    部とを含む構成からなる連続無細胞タンパク質合成装置
    であって、該装置に基質及び/又はエネルギー源の導入
    手段である入口と透析外液の含浸槽内の液室につながる
    出口をもつ流路、透析外液中の代謝産物等の排出手段で
    ある含浸槽内の液室に存する入口と外部につながる出口
    をもつ流路、mRNA及び/又はエネルギー再生系酵素
    の導入手段である入口と透析外液の含浸槽内の液室に存
    する透析膜の機能を有する媒体を担持する装置。
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