JP2000331891A - 蓄電素子及びその製造方法 - Google Patents

蓄電素子及びその製造方法

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JP2000331891A
JP2000331891A JP14038699A JP14038699A JP2000331891A JP 2000331891 A JP2000331891 A JP 2000331891A JP 14038699 A JP14038699 A JP 14038699A JP 14038699 A JP14038699 A JP 14038699A JP 2000331891 A JP2000331891 A JP 2000331891A
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electrode
voltage
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collector
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JP14038699A
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Masaki Fujiwara
正樹 藤原
Masahito Kurosaki
雅人 黒崎
Shinako Kaneko
志奈子 金子
Manabu Harada
学 原田
Toshihiko Nishiyama
利彦 西山
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NEC Corp
Original Assignee
NEC Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 蓄電素子のESRを低減し,電極の外表面か
ら集電体に至る全域において電子伝導の経路を確保し,
蓄電素子の電気容量又は蓄電可能な電荷量を増大する蓄
電素子及びその製造方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 活性炭粉末又は活物質粉末と,導電補助
材と,有機バインダーと,から成る電極合剤を集電体上
に塗工し,乾燥する工程と,集電体と電極を一体化する
工程と,電極と一体化された前記集電体を上下から加圧
すると同時に直流電圧を印加する工程と,より成ること
による。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は蓄電素子(電池,電
気化学キャパシタ,電気二重層コンデンサ等)及びその
製造方法に関し,特に高蓄電容量,低内部抵抗を実現す
る蓄電素子及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年,携帯機器の軽薄短小化,高機能
化,省力化に対応すべく,薄型,低背高,高エネルギー
密度の蓄電素子が盛んに開発され,実用に供されてい
る。
【0003】蓄電素子を構成する電極構造体は,集電体
上に,活物質粉末(電気二重層コンデンサの場合は活性
炭粉末),導電補助材,有機バインダーから成る電極合
材を塗工して作製される。集電体上に集電体と一体化し
て形成せしめた電極の機能を十分に発現させるために
は,電極の外表面から集電体に至る全域において電子伝
導の経路を確保する必要がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし,特に集電体と
してゴム系のマトリックス材料と導電性のフィラーを混
練した導電シートを用いる場合,マトリックス材料の凝
集部分がシートの断面方向である厚み方向に点在するこ
とになる。これによって,電極構造体の断面方向におい
て導通不良が生じ,蓄電素子の内部抵抗が上昇するとい
う問題がある。また,電極合剤中に含まれる有機バイン
ダーが凝集,分散不良を生じ,活物質表面を被覆した
り,あるいは集電体と電極の界面に絶縁性の層を形成す
る結果,蓄電素子の内部抵抗である等価直列抵抗(以
下,ESRと略す:Equivalent Serie
s Resistance)が増大するという問題もあ
る。
【0005】以上の従来技術における問題に鑑み,本発
明は,蓄電素子のESRを低減し,電極の外表面から集
電体に至る全域において電子伝導の経路を確保し,蓄電
素子の電気容量又は蓄電可能な電荷量を増大する蓄電素
子及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する本出
願第1の発明の蓄電素子の製造方法は,活性炭粉末又は
活物質粉末と,導電補助材と,有機バインダーと,から
成る電極合剤を集電体上に塗工し,乾燥する工程と,集
電体と電極を一体化する工程と,電極と一体化された前
記集電体を上下から加圧すると同時に直流電圧を印加す
る工程と,より成ることを特徴とする。
【0007】したがって,本出願第1の発明の蓄電素子
の製造方法によれば,電体,電極の断面方向に点在する
絶縁部分を破壊せしめることによって,電極の外表面か
ら集電体に至る全域に亘って電子伝導の経路を確保で
き,これによって,蓄電素子のESRを低減し,電極の
外表面から集電体に至る全域において電子伝導の経路を
確保し,蓄電素子の電気容量又は蓄電可能な電荷量を増
大することを可能にする。
【0008】本出願第2の発明の蓄電素子の製造方法
は,本出願第1の発明の蓄電素子の製造方法において,
集電体と電極を一体化する工程前に,集電体を上下から
加圧すると同時に集電体に直流電圧を印加する工程を有
することを特徴とする。
【0009】したがって,本出願第2の発明の蓄電素子
の製造方法によれば,この集電体と電極を一体化する工
程前に,集電体を上下から加圧すると同時に集電体に直
流電圧を印加する工程を設けない場合よりも,電極の外
表面から集電体に至る全域に亘って電子伝導の経路をよ
り確保でき,これによって,蓄電素子のESRをより低
減し,電極の外表面から集電体に至る全域において電子
伝導の経路を確保し,蓄電素子の電気容量又は蓄電可能
な電荷量をより増大することを可能にする。特に,導電
ゴムシートのように弾性を有し,厚み方向の電子伝導性
が加圧力に依存して大きく変化する材料を集電体として
使用する場合に有効である。
【0010】本出願第3の発明の電気二重層コンデンサ
は,活性炭粉末と,導電補助材と,有機バインダーと,
から成る電極合剤を集電体上に塗工し,乾燥する工程
と,集電体と電極を一体化する工程と,電極と一体化さ
れた前記集電体を上下から加圧すると同時に直流電圧を
印加する工程より成ることを特徴とする蓄電素子の製造
方法により製造されて成る電気二重層コンデンサであっ
て,電気容量が1.1(F)以上であり,かつ等価直列
抵抗値が48(mΩ)以下であることを特徴とする。
【0011】したがって,本出願第3の発明の電気二重
層コンデンサによれば,電体,電極の断面方向に点在す
る絶縁部分を破壊せしめることによって,電極の外表面
から集電体に至る全域に亘って電子伝導の経路を確保で
き,これによって,電気二重層コンデンサのESRを低
減し,電極の外表面から集電体に至る全域において電子
伝導の経路を確保し,電気二重層コンデンサの電気容量
を増大することを可能にする。電気二重層コンデンサの
ESRは,従来の技術の電気二重層コンデンサのESR
の約79%に抑制され,電気二重層コンデンサの電気容
量は,従来の技術の電気二重層コンデンサの電気容量の
約1.5倍になる。上述したように,電気容量が1.1
(F)以上であり,かつESR値が48(mΩ)以下で
ある電気二重層コンデンサを用いることにより,精密機
械,特に軽薄短小化,高機能化,省力化を必要とする携
帯機器のメモリ等に適用することができる。また,電気
容量が1.1(F)未満であるか,又はESR値が48
(mΩ)を越える電気二重層コンデンサでは,電気容量
が不足して,電気二重層コンデンサの内部抵抗が増加
し,軽薄短小化,高機能化,省力化を必要とする携帯機
器等では,所望の性能を発揮することができない。
【0012】本出願第4の発明の電気二重層コンデンサ
は,本出願第3の発明の電気二重層コンデンサにおい
て,集電体と電極を一体化する工程前に,集電体を上下
から加圧すると同時に集電体に直流電圧を印加する工程
を有することを特徴とする。
【0013】したがって,本出願第4の発明の電気二重
層コンデンサによれば,この集電体と電極を一体化する
工程前に,集電体を上下から加圧すると同時に集電体に
直流電圧を印加する工程を設けない場合よりも,電極の
外表面から集電体に至る全域に亘って電子伝導の経路を
より確保でき,これによって,電気二重層コンデンサの
ESRをより低減し,電極の外表面から集電体に至る全
域において電子伝導の経路を確保し,電気二重層コンデ
ンサの電気容量をより増大することを可能にする。電気
二重層コンデンサのESRは,従来の技術の電気二重層
コンデンサのESRの約66%に抑制され,電気二重層
コンデンサの電気容量は,従来の技術の電気二重層コン
デンサの電気容量の約1.7倍になる。特に,導電ゴム
シートのように弾性を有し,厚み方向の電子伝導性が加
圧力に依存して大きく変化する材料を集電体として使用
する場合に有効である。
【0014】本出願第5の発明の電気化学キャパシタ
は,活物質粉末と,導電補助材と,有機バインダーと,
から成る電極合剤を集電体上に塗工し,乾燥する工程
と,集電体と電極を一体化する工程と,電極と一体化さ
れた前記集電体を上下から加圧すると同時に直流電圧を
印加する工程より成ることを特徴とする蓄電素子の製造
方法により製造されて成る電気化学キャパシタであっ
て,蓄電可能な電荷量が0.75(mAh)以上であ
り,かつ等価直列抵抗値が30(mΩ)以下であること
を特徴とする。
【0015】したがって,本出願第5の発明の電気化学
キャパシタによれば,電体,電極の断面方向に点在する
絶縁部分を破壊せしめることによって,電極の外表面か
ら集電体に至る全域に亘って電子伝導の経路を確保で
き,これによって,電気化学キャパシタのESRを低減
し,電極の外表面から集電体に至る全域において電子伝
導の経路を確保し,電気化学キャパシタの蓄電可能な電
荷量を増大することを可能にする。電気化学キャパシタ
のESRは,従来の技術の電気化学キャパシタのESR
の約43%に抑制され,電気化学キャパシタの蓄電可能
な電荷量は,従来の技術の電気化学キャパシタの電気容
量の約1.8倍になる。上述したように,蓄電可能な電
荷量が0.75(mAh)以上であり,かつESR値が
30(mΩ)以下である電気化学キャパシタを用いるこ
とにより,精密機械,特に軽薄短小化,高機能化,省力
化を必要とする携帯機器のバックアップ電源等に適用す
ることができる。また,蓄電可能な電荷量が0.75
(mAh)未満であるか,又はESR値が30(mΩ)
を越える電気化学キャパシタでは,蓄電可能な電荷量が
不足して,電気化学キャパシタの内部抵抗が増加し,軽
薄短小化,高機能化,省力化を必要とする携帯機器等で
は,所望の性能を発揮することができない。
【0016】本出願第6の発明の電気化学キャパシタ
は,本出願第5の発明の電気化学キャパシタにおいて,
集電体と電極を一体化する工程前に,集電体を上下から
加圧すると同時に集電体に直流電圧を印加する工程を有
することを特徴とする。
【0017】したがって,本出願第6の発明の電気化学
キャパシタによれば,この集電体と電極を一体化する工
程前に,集電体を上下から加圧すると同時に集電体に直
流電圧を印加する工程を設けない場合よりも,電極の外
表面から集電体に至る全域に亘って電子伝導の経路をよ
り確保でき,これによって,蓄電素子のESRをより低
減し,電極の外表面から集電体に至る全域において電子
伝導の経路を確保し,蓄電素子の蓄電可能な電荷量をよ
り増大することを可能にする。電気化学キャパシタのE
SRは,従来の技術の電気化学キャパシタのESRの約
40%に抑制され,電気化学キャパシタの蓄電可能な電
荷量は,従来の技術の電気化学キャパシタの電気容量の
約2.0倍になる。特に,導電ゴムシートのように弾性
を有し,厚み方向の電子伝導性が加圧力に依存して大き
く変化する材料を集電体として使用する場合に有効であ
る。
【0018】本出願第7の発明の非水溶媒二次電池は,
活物質粉末と,導電補助材と,有機バインダーと,から
成る電極合剤を集電体上に塗工し,乾燥する工程と,集
電体と電極を一体化する工程と,電極と一体化された前
記集電体を上下から加圧すると同時に直流電圧を印加す
る工程より成ることを特徴とする蓄電素子の製造方法に
より製造されて成る非水溶媒二次電池であって,蓄電可
能な電荷量が1260(mAh)以上であり,かつ等価
直列抵抗値が75(mΩ)以下であることを特徴とす
る。
【0019】したがって,本出願第7の発明の非水溶媒
二次電池によれば,電体,電極の断面方向に点在する絶
縁部分を破壊せしめることによって,電極の外表面から
集電体に至る全域に亘って電子伝導の経路を確保でき,
これによって,蓄電素子のESRを低減し,電極の外表
面から集電体に至る全域において電子伝導の経路を確保
し,蓄電素子の蓄電可能な電荷量を増大することを可能
にする。非水溶媒二次電池のESRは,従来の技術の非
水溶媒二次電池のESRの約58%に抑制され,非水溶
媒二次電池の蓄電可能な電荷量は,従来の技術の非水溶
媒二次電池の電気容量の約1.4倍になる。上述したよ
うに,蓄電可能な電荷量が1260(mAh)以上であ
り,かつESR値が75(mΩ)以下である非水溶媒二
次電池を用いることにより,精密機械,特に軽薄短小
化,高機能化,省力化を必要とする携帯機器の電源等に
適用することができる。また,蓄電可能な電荷量が12
60(mAh)未満であるか,又はESR値が75(m
Ω)を越える非水溶媒二次電池では,蓄電可能な電荷量
が不足して,非水溶媒二次電池の内部抵抗が増加し,軽
薄短小化,高機能化,省力化を必要とする携帯機器等で
は,所望の性能を発揮することができない。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明における実施の形態の蓄電
素子及びその製造方法を図1,図2,図3を参照して説
明する。本発明の蓄電素子及びその製造方法の構成は下
記のとおりである。集電体上に形成した電極を対向配置
してなる蓄電素子(電池,電気化学キャパシタ,電気二
重層コンデンサ)の製造工程において, 集電体を上下から加圧しながら直流電圧を印加す
る。又は, 電極を形成後の集電体を上下から加圧しながら直流
電圧を印加する。 これらの工程によって,集電体,電極の断面方向に点在
する絶縁部分を破壊せしめることができる。
【0021】本発明の蓄電素子の製造方法の製法と手順
を以下に順をおって説明する。 1.集電体の両面を上下から加圧しながら,直流電圧を
印加する。集電体として,所定の形状に切り出したもの
を用いる場合には,形状を併せた金属板2で集電体1を
挟持しつつ,加圧しながらこの金属板2を介してパルス
電源3より直流電圧を印加する。集電体1として長尺シ
ートを用いる場合には,一対のロール状の電極を用いて
所望の線圧をくわえてこの長尺シートを圧延しながら,
同時に金属製のロール状電極を介して直流電圧を印加す
る。 2.当該集電体上に,活物質粉末(電気二重層コンデン
サの場合には活性炭粉末),導電補助材,有機バインダ
ーからなる電極合剤を塗布,乾燥して電極4を形成せし
める。つぎに,図2に示した装置を用い,上記方法と同
様の方法により,電極と一体化された集電体を両面から
加圧しながら直流電圧を印加する。導電ゴムシートのよ
うに弾性を有し,厚み方向の電子伝導性が加圧力に依存
して大きく変化する材料を集電体として使用する場合に
は,上記の,双方のステップで加圧,直流電圧印加
を実施するのが最良である。炭素板,炭素シート,金属
箔を集電体として使用する場合には,,の双方の実
施,のみ実施の何れでも効果はほとんど変化しないの
で,,の双方の実施,のみ実施の何れでもよい。
ここで,集電体又は電極と一体化された集電体を加圧す
る最適な加圧力は1〜100(kgf/cm2)の範囲
内であり,集電体を印加する最適な直流電圧は数mV〜
数Vの範囲内である。具体的には,用いる集電体の性質
に応じて,最適な加圧力と電圧の組合せを決定すればよ
い。印加する直流電圧のパターンも特に制限されない
が,定常的な直流よりも,連続する矩形波,パルス波の
ほうが効果的である。また,集電体は,導電ゴムシー
ト,炭素板,炭素シート,金属箔を用いることができ,
特に制限されない。更に,集電体は所定の形状に切り出
したものであっても,長尺シートであっても何れでもよ
く,特に制限されない。
【0022】ESRが低減する現象を,図3を参照して
以下に詳細に説明する。ESRが低減されるのは,集電
体,電極の厚み方向に点在する絶縁部分が破壊され,電
極の外表面から集電体に至る全域に亘って電子伝導の経
路が確保されるためである。蓄電素子を構成する電極構
造体は,集電体1上に,活物質粉末7(電気二重層コン
デンサの場合には活性炭粉末),導電補助材8,有機バ
インダー9からなる電極合剤を塗工して作製される。集
電体としてゴム系のマトリックス材料(図3では導電性
のフィラー5の全ての周辺部6として図示してある)を
含有する導電シートを用いる場合には,導電性のフィラ
ー5同士の接触により電子伝導の経路が形成される。た
だし,導電シートの厚み方向には,絶縁物であるマトリ
ックス材料6が凝集して点在することが避けられないた
め,厚み方向の導電性を十分に確保することは困難であ
る。一方,導電フィラー5の粒子間に介在するマトリッ
クス材料6の膜が極く薄い場合には,導電フィラー5の
粒子間でトンネル電流が生じ,電子伝導の経路となり得
る。この導電シートを両面から加圧すると電子伝導性が
向上するのは,加圧に伴って導電性のフィラー5の間に
介在するゴム系のマトリックス6が収縮し,導電フィラ
ー5の粒子間でトンネル電流が生じ易くなるためであ
る。ただし,ゴム系のマトリックス材料は弾性を有する
ので,加圧力を緩和するに従い,徐々に形状が復元す
る。そして,導電性フィラー5同士が離れ,電子伝導性
が低下する。以上のように,ゴム系のマトリックス材料
を含有する導電シートの厚み方向の導電性は,加圧力に
大きく依存する。
【0023】一方,導電性粒子の間に絶縁物の膜が介在
しても,ここに一定値を超える電界強度が加えられる
と,膜が破壊して抵抗が急速に低下する現象が認められ
る。「金属接点技術」(土屋金彌著,総合電子出版社,
1980年)によれば,絶縁膜が金属酸化物の場合,上
記の現象はFrittingと称され,絶縁破壊に要す
る電界強度として,100000(V/cm)の値が報
告されている。本発明では,導電ゴムシートを10〜2
0(kgf/cm2)で加圧しながら,300〜500
mVの直流パルス電圧を印加した時のESR低減効果が
顕著である。加圧,直流電圧印加前の導電シートの断面
をSEM(ScanningElectron Mic
roscope:走査型電子顕微鏡)観察に供したとこ
ろ,最外表面では画像の輝度が著しく高く,正常な二次
電子像が得られない。これは導電シートの最外表面が絶
縁性であり,照射された電荷が貯えられて,正常な二次
電子の放出が妨げられる,いわゆるチャージアップ現象
が生じたためと認められる。また,この絶縁性の層の厚
みは約1μmであった。以上の結果から,導電シートの
絶縁破壊の電界強度は3000〜5000(V/cm)
と算定される。上記の「金属接点技術」による金属酸化
物のFrittingと比較すると,絶縁破壊の電界強
度の値は二桁低い。また,加圧,直流電圧印加後の導電
シートの断面をSEM観察に供したところ,チャージア
ップを示す最外表面の絶縁層の中に,黒色の斑点が不規
則な間隔で無数に観察された。これらの斑点の部位は導
電性を有しており,二次電子の放出効率が高かったた
め,周囲の絶縁性の部分と明確なコントラストをなして
観察されたものと認められる。
【0024】更にいえば,電極合剤中に含まれる有機バ
インダー9もまた,電極構造体の厚み方向の導通不良の
原因となる。有機バインダーは,理想的には電極の内部
において,活物質粒子間,あるいは活物質粒子と導電補
助材粒子間を点で結着させるのが理想的である。しか
し,「高密度リチウム二次電池」(株式会社テクノシス
テム,1998年)では,電極合剤の塗布,乾燥工程の
条件によっては,有機バインダーが活物質粒子の表面を
被覆したり,あるいは電極と集電体の界面に層を形成し
て介在する現象が観察されると報告されている。本発明
では,前述した集電体の加圧,直流電圧印加を行わず,
電極と一体化された集電体の加圧,直流電圧印加を行う
だけでもESRを低減できる。これは,電極構造体の断
面方向において,点在するバインダー層が絶縁破壊を生
じ,電子伝導の経路が確保されるためと認められる。
【0025】電気容量又は蓄電可能な電荷量が向上する
のは,活物質粉末(電気二重層コンデンサの場合には活
性炭粉末)と導電補助材との接触点が増加するためであ
る。詳細な現象は,上記のESRが低減する現象の記述
と同様なので繰り返さない。結果として,活物質粉末
(活性炭粉末)と導電補助材の間の電気的な接触点が増
大し,電極の外表面から集電体の全域に亘って電子伝導
の経路が確保される。
【0026】以下,本発明の蓄電素子及びその製造方法
の実施例として,蓄電素子が電気二重層コンデンサ,電
気化学キャパシタ,非水溶媒二次電池の場合の構成,作
用及び効果を説明する。電気二重層コンデンサは,第1
(上記及びの工程を含む)及び第2(上記の工程
のみを含む)の実施例で説明する。また,電気化学キャ
パシタは,第3(上記及びの工程を含む)及び第4
(上記の工程のみを含む)の実施例で説明する。更
に,非水溶媒二次電池は,第5(上記及びの工程を
含む)及び第6(上記の工程のみを含む)の実施例で
説明する。それぞれの蓄電素子の場合において,その蓄
電素子の従来技術を比較例としてその構成,作用及び効
果を説明して,それぞれの実施例とその比較例を比較検
討する。
【0027】
【実施例】第1の実施例 本発明における第1の実施例を図4(a),図4
(b),図5を参照して説明する。図4(a)は本発明
の第1の実施例の電気二重層コンデンサの内部構造の断
面図である。図4(b)は,その単位素子11a内部の
構造を模式的に示す図である。集電体1a上に形成され
た電極4aは,絶縁性でイオン透過性を有する微多孔性
のセパレータ16を介して対向配置される。個々の電極
4aは周端部を絶縁性のガスケット17aによって囲ま
れ,保持されている。本実施例の電気二重層コンデンサ
作製プロセスは(1)集電体1aの加圧,直流電圧印
加,(2)電極4aの形成,(3)電極4aと一体化さ
れた集電体1aの加圧,直流電圧印加,(4)単位素子
11aの作製,及び(5)複数の単位素子の積層と一体
化の計五つのステップから成る。以下に各ステップにつ
いて詳細に説明する。
【0028】(1)集電体1aの加圧,直流電圧印加 集電体1aとしての導電性ブチルゴム(厚み50μm)
を直径40mmの円形に打ち抜く。この集電体1aを6
枚積層し,表面に金蒸着を施した白金板(厚み2mm)
で挟み込み,引っ張り圧縮試験機(今田製作所TCLZ
−500KA型)に設置し,上下から10(kgf/c
m2)の圧力で,5秒間加圧する。同時に,パルス電源
ユニット(高砂製作所,電源BWS−400型,スイー
プアダプタKP−4KS型から構成)を用いて,白金板
を介してブチルゴムに直流電圧を印加する。電圧パター
ンは,高さ500mV,Duty比(ON時間/OFF
時間+ON時間の比率)10%のパルス波とする。 (2)電極4aの形成 活性炭粉末(平均粒径20μm,比表面積1500(m
2/g))を95wt.%(wt.%は重量パーセント
を示す),バインダーとしてのポリフッ化ビニリデン5
wt.%を混合し,この活性炭粉末とポリフッ化ビニリ
デンとの混合物に溶媒としてのN−メチル−2−ピロリ
ドンを適量添加して十分に混練し,電極合剤を作製す
る。加圧,直流電圧印加を施した集電体1a上に,直径
23mmの円形に打ち抜き加工したメタルマスク(厚み
100μm)を設置し,前記の電極合剤を充填せしめて
成膜し,150℃で30分間乾燥させ,直径23mm,
厚み50μmの円盤状の電極4aを集電体1aの上に一
体化して形成する。更に該電極4aと同軸円状に集電体
1aを切り出す。その同軸円状の集電体1aの直径は3
0mmである。このようにして電極4aと一体化した集
電体1aを二枚用意する。 (3)電極4aと一体化した集電体1aの加圧,直流電
圧印加 電極4aと一体化した集電体1aを上記(1)の手順と
同様に,金蒸着を施した白金板で挟み込み,引っ張り圧
縮試験機に設置し,集電体1aの上下から10(kgf
/cm2)の圧力で,5秒間加圧する。同時に,500
mV,Duty比10%の直流電圧パルスを印加する。
この際の極性は,集電体1aを負,電極4aを正とす
る。 (4)単位素子11aの作製 電極4aと一体化した集電体1aを加圧,通電処理した
ものを二枚用意し,各電極に駆動用電解液としての40
wt.%硫酸水溶液(図示せず)を含浸せしめる。つぎ
に,電極4aの周端部に相当する集電体1aの上に,内
径24mm,外形30mmのリング状に打ち抜いたガス
ケット17aとしての絶縁性ブチルゴム(厚み50μ
m)を設置する。ガスケット17aの上下から5(kg
f/cm2)の圧力で10秒間圧着してガスケット17
aと集電体1aを一体化する。つぎに,ポリプロピレン
製で厚み25μmの多孔性セパレータ16を直径26m
mの円形に切り抜く。そして,このセパレータ16を介
して一対の電極4aを同軸円状に貼り合わせる。その
後,電極4aの上下から10(kgf/cm2)の圧力
で加圧し,この状態を保持したまま電極4aの周端部に
形成したガスケット17aの部分を160℃で60秒間
熱融着して電気二重層コンデンサの単位素子11aを完
成させる。 (5)複数の単位素子の積層と一体化 得られた電気二重層コンデンサの単位素子11aを六個
直列に積層し,積層体12aを構成する。この積層体1
2aの両面に密接して,外部端子14を有する端子板1
3を配置する。こうして,二枚の端子板13で挟持して
なる積層体12aを樹脂モールド用のキャビティに配置
し,積層体12aの上下方向に30(kgf/cm2)
の圧力を加える。そして,この状態を保持したままエポ
キシ樹脂でトランスファーモールド成型を施して外装体
15を形成し,最終的に耐圧5.0Vの電気二重層コン
デンサを完成させる。
【0029】本実施例で作製した単位素子11aを金蒸
着を施した白金板(厚み2mm)で挟み込む。そして,
加圧力を変化させながら両端子間に周波数1kHz,振
幅10mAの交流信号を与えて,両端子間の電圧降下か
らESRを算出する。ESR(単位面積当たりの値とし
て規格化)の加圧力依存性を図5に示す。本実施例で作
製した単位素子はESRの加圧力依存性が,ほとんど認
められないのが特徴である。
【0030】完成した耐圧5Vの電気二重層コンデンサ
50個を5Vで5分間充電する。その後,1分間の休止
期間を置き,10mAで定電流放電した。得られた放電
曲線から放電時間に対する端子電圧の変化を求め,これ
に放電電流値を乗じて容量を求めたところ,50個の平
均値は1.25Fであった。更にESRを測定したとこ
ろ,50個の平均値は40mΩであった。本実施例で
は,集電体,及び電極と一体化した集電体の加圧,直流
電圧印加に際してDuty比10%のパルス波を用い
る。Duty比10%に該当するON時間,OFF時間
の組合せの例を挙げると,(50μs−ON,450μ
s−OFF)(5ms−ON,45ms−OFF),
(10ms−ON,90ms−OFF),などが挙げら
れ,いずれも同様の効果が得られる。また,Duty比
の値自体も特に制限されない。通電処理を短時間で完了
させ,絶縁破壊を生じさせるためには5〜50%の範囲
が好適である。また,直流電圧印加時の極性に関して
は,集電体単独で通電する時には極性は全く問題になら
ない。次のステップで,電極と一体形成した集電体に電
圧を印加するに際して,集電体側,電極側の何れを正,
負に接続すべきか考慮し,検討する必要がある。その結
果,印加される直流電圧の値が適正な範囲内であれば,
極性は全く問題にならず,同様の効果が得られることが
分かった。
【0031】第2の実施例 本発明における第2の実施例を図4(a),図4(b)
を参照して説明する。本実施例は,集電体1aの加圧,
直流電圧印加を実施しなかったことを除き,作製方法は
第1の実施例と同様である。すなわち,本実施例の電気
二重層コンデンサ作製プロセスは(1)電極4aの形
成,(2)電極4aと一体化した集電体1aの加圧,直
流電圧印加,(3)単位素子11aの作製,(4)複数
の単位素子の積層と一体化の四つのステップから成る。
各ステップでの作業手順は,第1の実施例と同様であ
る。
【0032】本実施例の方法で作製した耐圧5Vの電気
二重層コンデンサ50個を第1の実施例と同様に5Vで
5分間充電する。その後,1時間の休止期間を置き,1
0mAで定電流放電した。得られた放電曲線から放電時
間に対する端子電圧の変化を求め,これに放電電流値を
乗じて電気容量を求めたところ,50個の平均値は1.
1Fであった。更にESRを測定したところ,50個の
平均値は48mΩであった。
【0033】第1の比較例 第1の比較例は,集電体の加圧,直流電圧印加,及び電
極と一体化した集電体の加圧,直流電圧印加を全く行わ
ない従来技術の電気二重層コンデンサである。すなわ
ち,第1の比較例の電気二重層コンデンサ作製プロセス
は(1)電極4aの形成,(2)単位素子11aの作
製,(3)複数の単位素子の積層と一体化の計三つのス
テップから成る。ただし,(1)〜(3)の各ステップ
での作業手順,内容は,第1及び第2の実施例と同様で
ある。
【0034】第1及び第2の実施例と第1の比較例とを
表1を参照して比較する。完成した耐圧5Vの電気二重
層コンデンサ50個を5Vで5分間充電し,その後,1
分間の休止期間を置き,10mAで定電流放電した。得
られた放電曲線から放電時間に対する端子電圧の変化を
求め,これに放電電流値を乗じて電気容量を求める。こ
れら電気二重層コンデンサ50個の電気容量の平均値を
表1に記す。また,単位素子11aを金蒸着を施した白
金板(厚み2mm)で挟み込み,その白金板への加圧力
を変化させながら両端子間に周波数1kHz,振幅10
mAの交流信号を与えて,両端子間の電圧降下からES
Rを算出した。この方法によって電気二重層コンデンサ
50個のESRの平均値を求めた数値も表1に記す。
【0035】
【表1】
【0036】第1の比較例の耐圧5Vの電気二重層コン
デンサ50個の電気容量とESRを測定したところ,電
気容量の平均値は,0.74F,ESRの平均値は61
mΩである。第1の実施例の電気二重層コンデンサは,
第1の比較例の電気二重層コンデンサに比して,電気容
量は約1.7倍と高く,ESRは,約66%に抑制され
ている。第2の実施例の電気二重層コンデンサは,第1
の比較例の電気二重層コンデンサに比して,電気容量は
約1.5倍,ESRは約79%の値に抑制されている。
以上により,第1及び第2の実施例のほうが,第1の比
較例よりも,電気容量の増大とESRの低減において優
れていると認められる。
【0037】また,ESRの加圧力依存性を求めたデー
タを,第1の実施例及び従来技術の第1の比較例ととも
に図5に示す。本実施例で作製した単位素子は,前述し
た第1の実施例の単位素子に比して,加圧力が最低の時
(図5では,0.1(kgf/cm2))のESRが高
い。しかし,従来技術の方法で作製した単位素子と比較
すると,ESRの加圧力依存性は非常に小さいのが優れ
た特徴である。
【0038】第3の実施例 本実施例はポリビニルスルホン酸アニオンを正,負極活
物質にドープしたポリアニリン(以下,PAn/PVS
−と表記),駆動用電解液3Mポリビニルスルホン酸
(以下PVS−と表記)を用いた電気化学キャパシタで
ある。その構造は図6(a)に示したとおりであり,素
子の基本的な構造は本発明の第1及び第2の実施例の電
気二重層コンデンサと同様である。また,単位素子11
bの構造は図6(b)に示したとおりである。本実施例
の電気化学キャパシタ作製は,(1)集電体1bの加
圧,直流電圧印加,(2)活物質PAn/PVS−粉末
の作製,(3)電極4bの作製,(4)電極4bと一体
化した集電体1bの加圧,直流電圧印加,(5)単位素
子11bの作製,及び(6)複数の単位素子の積層と一
体化の計六つのステップから成る。以下に各ステップに
ついて詳細に説明する。
【0039】(1)集電体1bの加圧,直流電圧印加 集電体1bとしての導電性ブチルゴム(厚み50μm)
を40mm四方の正方形に切り出す。この集電体1bを
2枚積層し,表面に金蒸着を施した白金板(厚み2m
m)で挟み込み,引っ張り圧縮試験機(今田製作所TC
LZ−500KA型)に設置し,上下から20(kgf
/cm2)の圧力で,5秒間加圧する。同時に,パルス
電源ユニット(高砂製作所,電源BWS−400型,ス
イープアダプタKP−4KS型から構成)を用いて,白
金板を介して導電性ブチルゴムに直流電圧を印加する。
電圧のパターンは,高さ300mV,Duty比20%
のパルス波とする。 (2)活物質PAn/PVS−粉末の作製 1Mペルオキソ二硫酸アンモニウム水溶液と1Mアニリ
ンモノマー水溶液を室温で3時間混合攪拌して,徐々に
重合反応を進行させる。得られた重合反応生成物は,メ
ノウ製の乳鉢を用いて60メッシュ以下に粉砕する。そ
の粉砕された重合反応生成物に1Mポリビニルスルホン
酸水溶液を添加して,65℃で12時間攪拌してポリア
ニリンにポリビニルスルホン酸アニオンのドーピングを
行ない,導電性を有するPAn/PVS−の粉末を得
る。 (3)電極4bの作製 上記の方法で作製したPAn/PVS−粉末80wt.
%,導電補助剤としての気相成長炭素繊維粉末15w
t.%,バインダーとしてのポリフッ化ビニリデン5.
0wt.%を混合し,この混合物に溶媒としてN,Nジ
メチルホルムアミドをくわえて電極合剤を作製する。以
降の電極作製方法は,基本的に第1の実施例と同様であ
る。すなわち,加圧及び直流電圧印加処理を施した集電
体1bとしての導電性ブチルゴム(厚み50μm)上に
30mm四方の正方形に打ち抜き加工したメタルマスク
(厚み200μm)を設置し,前記の電極合剤を充填せ
しめて成膜し,120℃で15分間乾燥させる。こうし
て,正方形のPAn/PVS−電極4b(30mm四
方,厚み100μm)を導電性ブチルゴム上に一体化し
て形成する。 (4)電極4bと一体化した集電体1bの加圧,直流電
圧印加 PAn/PVS−電極4bと一体化して形成された集電
体1bを金蒸着を施した白金板で挟み込み,引っ張り圧
縮試験機に設置し,集電体1bの上下から10(kgf
/cm2)の圧力で,5秒間加圧する。同時に,500
mV,Duty比20%の直流電圧パルスを印加する。
この際の極性は,集電体1bを負,電極4bを正とす
る。 (5)単位素子11bの作製 電極4bと一体化した集電体1bを加圧し,直流電圧印
加処理したものを二枚用意し,双方の電極に駆動用電解
液としての3Mポリビニルスルホン酸(以下,PVS
−)水溶液(図示せず)を含浸せしめる。更にガスケッ
ト17bとしての絶縁性ブチルゴム(厚み100μm)
を外寸40mm四方,内寸33mm四方の正方形の枠状
に打ち抜く。このガスケット17bをPAn/PVS−
電極4bの周端部に相当する集電体1bの上に設置し,
ガスケット17bの上下から5(kgf/cm2)の圧
力で10秒間圧着してガスケット17bと集電体1bを
一体化する。つぎに,ポリプロピレン製の多孔性セパレ
ータ16(厚み25μm)を35mm四方の正方形に切
り抜いた。そして,このセパレータ16を介して一対の
PAn/PVS−電極4bを対向配置させて貼り合わせ
る。その後,PAn/PVS−電極4bの上下から10
(kgf/cm2)の圧力で加圧し,この状態を保持し
たままガスケット17bの部分を160℃で60秒間熱
融着して電気化学キャパシタの単位素子11bを完成さ
せる。 (6)複数の単位素子の積層と一体化 得られた電気化学キャパシタの単位素子11bを4個直
列に積層した積層体12bの両面に密接して外部端子1
4を有する端子板13を配置する。こうして,二枚の端
子板13で挟持してなる積層体12bを樹脂モールド用
のキャビティに配置し,積層体の上下方向に30(kg
f/cm2)の圧力を加える。この状態を保持しながら
エポキシ樹脂でトランスファーモールド成型を施して外
装体15を形成し,最終的に図6(a)に示す耐圧2.
0Vの電気化学キャパシタを完成させる。
【0040】作製した電気化学キャパシタ100個を2
Vで10分間充電した。その後,1mAで定電流放電し
た。電流値と通電時間より蓄電可能な電荷量を算出した
ところ,100個の平均値は,0.8mAhであった。
更に1kHz,振幅10mAの交流電流を与えて,両端
子間の電圧降下からESRを算出したところ,100個
の平均値は28mΩであった。
【0041】第4の実施例 本実施例は,集電体1bの加圧,直流電圧印加を行わな
かったことを除けば,第3の実施例と同様である。すな
わち,本実施例4の電気化学キャパシタの作製プロセス
は(1)活物質であるPAn/PVS−粉末の作製,
(2)PAn/PVS−電極4bの形成,(3)PAn
/PVS−電極4bと一体化した集電体1bの加圧,直
流電圧印加,(4)単位素子11bの作製,(5)複数
の単位素子の積層と一体化の計五つのステップから成
る。各ステップでの作業手順そのものは,第3の実施例
と同様である。
【0042】本実施例で作製した電気化学キャパシタの
蓄電可能な電荷量を算出したところ,100個の平均値
は,0.75mAhであった。また,ESRを算出した
ところ,100個の平均値は30mΩであった。
【0043】このように,本実施例の電気化学キャパシ
タは,集電体層1bの加圧,直流電圧印加を行っていな
いにもかかわらず,第3の実施例に比肩する特性が得ら
れ,安定した動作を示す。実施例3,4で同等の特性が
得られたことから,集電体1bの内部よりも,むしろP
An/PVS−電極4bの内部,又はPAn/PVS−
電極と集電体界面の抵抗低減効果が大きいものと認めら
れる。
【0044】第2の比較例 第2の比較例は,集電体1bの加圧,直流電圧印加,及
びPAn/PVS−電極4bと一体化した集電体1bの
加圧,直流電圧印加処理を全く行わない従来技術の方法
による電気化学キャパシタの製造方法である。そのプロ
セスは(1)活物質であるPAn/PVS−粉末の作
製,(2)PAn/PVS−電極4bの形成,(3)単
位素子11bの作製,(4)複数の単位素子の積層と一
体化の計四つのステップから成る。また,両極の活物質
にはポリビニルスルホンアニオンをドープしたポリアニ
リン(PAn/PVS−),駆動用電解液は3M−ポリ
ビニルスルホン酸水溶液を使用する。加圧,直流電圧印
加を一切行わない点を除けば,各ステップでの作業手順
そのものは,第3及び第4の実施例と同様である。
【0045】第3及び第4の実施例と第2の比較例とを
表2を参照して比較する。電気化学キャパシタ100個
を2Vで10分間充電し,その後,1mAで定電流放電
した。電流値と通電時間より蓄電可能な電荷量を算出
し,電気化学キャパシタ100個についての蓄電可能な
電荷量の平均値を求めた数値を表2に記す。また,両端
子間に周波数1kHz,振幅10mAの交流電流を与え
て,両端子間の電圧降下からESRを算出し,電気化学
キャパシタ100個についてのESRの平均値を求めた
数値も表2に記す。
【0046】
【表2】
【0047】第2の比較例の耐圧5Vの電気化学キャパ
シタの蓄電可能な電荷量とESRを測定したところ,蓄
電可能な電荷量の平均値は0.41mAh,ESRの平
均値は70mΩである。第3の実施例の電気化学キャパ
シタの特性を,第2の比較例の電気化学キャパシタに比
して,蓄電可能な電荷量は約2.0倍,ESRは約40
%の値に抑制されている。このように本発明の本実施例
の電気化学キャパシタは蓄電可能な電荷量,ESRに優
れ,安定した動作を示す。一方,第4の実施例の電気二
重層コンデンサは,第2の比較例の電気化学キャパシタ
に比して,蓄電可能な電荷量は約1.5倍,ESRは約
79%の値に抑制されている。以上により,第3及び第
4の実施例のほうが,第2の比較例よりも,電気容量の
増大とESRの低減において優れていると認められる。
【0048】第5の実施例 第5の実施例は,捲回型の電極構造体を有する非水溶媒
二次電池の作製方法である。正,負極の集電体には,長
尺シート状の金属箔が用いられ,電極合剤が連続的に塗
工,乾燥され集電体上に一体化して形成される。こうし
た長尺シート状の集電体と電極を用いるプロセスにも本
発明の加圧,直流電圧印加は有効である。すなわち,一
対のロール状の電極を用いて所望の線圧で長尺シートを
圧延しながら,同時に該ロール状電極から直流電圧を印
加する。図7に長尺シート状の集電体,電極を加圧し,
直流電圧を印加する時に用いる装置の概要を示す。本装
置の構造は極く簡単であり,市販のコンプレッションロ
ール(サンク,HSR−200型)を一部改造したもの
である。すなわち,電極密度を高めるための加圧用ロー
ル18に近接して,加圧,直流電圧印加用の金属製ロー
ル状電極19を別途設ける。更にパルス電源3を接続す
る。図7では長尺シート20は,右から左に向かって搬
送されるため,金属製ロール状電極19を通過して加圧
される。更に,直流電圧が印加された後,加圧用ロール
18を通過して電極密度が高められ,捲回されて収納さ
れる。本実施例の非水溶媒二次電池は,正極集電体にア
ルミ箔(厚み20μm),正極活物質に立方晶スピネル
型マンガン酸リチウム(以下,LiMn2O4),負極
集電体に銅箔(厚み17μm),負極活物質に天然黒鉛
を用いる。また,電解液に1M6フッ化リン酸リチウム
(以下,LiPF6)を支持塩とするプロピレンカーボ
ネートとジメトキシエタン(以下,PC+DME)混合
溶媒を用いる。本実施例の非水溶媒二次電池作製プロセ
スは,(1)集電体の加圧,直流電圧印加,(2)正極
活物質LiMn2O4及び正極の作製,(3)負極の作
製,(4)正極,負極の加圧,直流電圧印加,(5)電
池の組立ての計五つのステップからなる。以下に各ステ
ップについて順をおって説明する。
【0049】(1)集電体の加圧,直流電圧印加 図7に示した装置に,正極集電体であるアルミ箔(厚み
20μm,幅250mm)を設置する。加圧,直流電圧
印加用の金属製ロール状電極19は,線圧を50kgf
に設定し,アルミ箔を加圧しながら50mV,Duty
比30%の直流電圧パルスを連続的に供給し続ける。加
圧用ロール18は使用せず,ただ単にアルミ箔を通過さ
せる。アルミ箔の搬送速度は1m/分とする。つぎに,
負極集電体である銅箔のロール(厚み17μm,幅25
0mm)を設置する。金属製ロール状電極19は線圧を
50kgfに設定し,銅箔を加圧しながら50mV,D
uty比30%の直流電圧パルスを連続的に供給し続け
る。加圧用ロール18は使用せず,ただ単に銅箔を通過
させる。銅箔の搬送速度はアルミ箔と同様に1m/分と
する。 (2)正極活物質LiMn2O4及び正極の作製 出発原料として炭酸リチウムと化学合成ニ酸化マンガン
(国際共通試料,IC12)を用いる。これらを所定の
モル比で秤量し,両者をメノウ製の自動乳鉢で粉砕し,
混合する。そして混合した粉末を空気中500℃で5時
間仮焼成し,700℃で20時間本焼成する。更に,ボ
ールミル(遊星,SKF−04型)を用いて得られた試
料粉末を100メッシュ以下に粉砕して所望のLiMn
2O4を得る。つぎにLiMn2O4,導電補助剤とし
てのアセチレンブラック粉末,及びバインダーとしての
ポリテトラフルオロエチレン(以下,PTFE)粉末を
70:25:5の重量比で混合し,ここに溶剤としてN
−メチル2−ピロリドン(以下,NMP)を適量添加し
た後,混練して正極合剤を作製する。更に,コーター
(サンク,HSP−250型)を用い,加圧し,直流電
圧印加を施した正極集電体としてのアルミ箔(厚み20
μm)の両面に正極合剤を連続的に塗工,乾燥させ,正
極を形成する。 (3)負極の作製 活物質としての天然黒鉛とバインダーとしてのPTFE
を80:20の重量比で混合した後,NMPを加えなが
らメノウ製の自動乳鉢で混練し,負極合剤を作製する。
その後,コーターを用いて,加圧,直流電圧印加を施し
た負極集電体としての銅箔(厚さ20μm)の両面に負
極合剤を塗工,乾燥させ,負極を形成する。 (4−1)正極の加圧,直流電圧印加 図7に示した装置に,正極を形成したアルミ箔を設置す
る。金属製ロール状電極19は線圧を80kgfに設定
し,アルミ箔を加圧しながら50mV,Duty比30
%の直流電圧パルスを連続的に供給し続ける。また,加
圧用ロール18は,線圧1tに設定し,アルミ箔を通過
させる。アルミ箔の搬送速度は1m/分として一連の処
理を行ない,最終的に平均厚み180μm,密度3.5
(g/cm3)の正極を得る。 (4−2)負極の加圧,直流電圧印加 図7に示した装置に,負極を形成した銅箔を設置する。
加圧,直流電圧印加用の金属ロール状電極19は線圧を
60kgfに設定し,銅箔を加圧しながら50mV,D
uty比30%の直流電圧パルスを連続的に供給し続け
る。また,加圧用ロール18は,線圧1tに設定し,銅
箔を通過させる。銅箔の搬送速度は1m/分として,一
連の処理を行ったところ,最終的に平均厚み120μ
m,密度2.1(g/cm3)の負極を得る。 (5)電池の組立て 作製した正,負極を所望の形状,面積に切り出す。そし
て,微多孔性セパレーター(ポリエチレン製,厚み25
μm)を介して正,負極を対向配置させて積層,捲回し
たものを,円筒状のSUS304缶(形式は1865
0)に収納する。その後,従来公知の方法と同様の方法
で組み立て,電解液としての1MLiPF6−PC+D
ME溶液を注ぎ入れる。更に,封口し,外装フィルムを
装着して円筒型18650タイプの電池を完成させる。
なお,正,負極とセパレータの積層,捲回以降の作業
は,全て露点−40℃,乾球温度21℃の雰囲気中で行
う。
【0050】作製した非水溶媒二次電池50個を4.2
Vで1時間充電した。その後,300mAの定電流で放
電した。蓄電可能な電荷量の平均値は,1260mAh
であった。また,周波数1kHz,振幅10mAの交流
電流を非水溶媒二次電池の両端子に与えて,両端子間の
電圧降下からESRを算出したところ,50個の平均値
は75mΩであった。
【0051】第6の実施例 本実施例は,集電体の加圧,直流電圧印加処理を行わな
かったことを除けば,第5の実施例と同様である。すな
わち,本実施例の非水溶媒二次電池の作製プロセスは
(1)正極活物質LiMn2O4及び正極の作製,
(2)負極の作製,(3)正極,負極の加圧,直流電圧
印加,(4)電池の組立ての四つのステップからなる。
各ステップに於ける作業手順そのものは,第5の実施例
と同様である。
【0052】第5の実施例と同様にして,本実施例の電
池50個の蓄電可能な電荷量とESRを求めた。蓄電可
能な電荷量,ESRの平均値はそれぞれ1310mA
h,69mΩであった。
【0053】本実施例で作製した非水溶媒二次電池は,
集電体の加圧,直流電圧印加も併せて実施した第5の実
施例の電池に比肩する優れた蓄電可能な電荷量,ESR
を示す。一方,電極を形成した集電体の加圧,直流電圧
印加は,著しい蓄電可能な電荷量増大効果,ESR低減
効果を有しており,電極内部,及び電極と集電体界面の
抵抗低減効果が顕著であったものと推察される。
【0054】第3の比較例 第3の比較例は,集電体の加圧,直流電圧印加,及び電
極と一体化した集電体の加圧,直流電圧印加を全く行わ
ない従来技術による非水溶媒二次電池の製造方法であ
る。正極活物質には立方晶スピネル型のマンガン酸リチ
ウム,負極活物質には天然黒鉛,駆動用電解液には1M
−6フッ化リン酸リチウム(以下,LiPF6)を支持
塩とするプロピレンカーボネートとジメトキシエタン
(以下,PC+DME)混合溶媒を使用する。第3の比
較例の非水溶媒二次電池の作製プロセスは(1)正極活
物質LiMn2O4及び正極の作製,(2)負極の作
製,(3)電池の組立ての三つのステップからなる。各
ステップに於ける作業手順そのものは,前記の実施例
5,6と同様なので,詳細内容には言及しない。
【0055】第5及び第6の実施例と第3の比較例とを
表3を参照して比較する。非水溶媒二次電池50個を電
圧4.2Vで1時間充電し,その後,300mAの定電
流で放電した。電流値と通電時間より蓄電可能な電荷量
を算出し,非水溶媒二次電池50個についての蓄電可能
な電荷量の平均値を求めた数値を表2に記す。また,両
端子間に周周波数1kHz,振幅10mAの交流電流を
与えて,両端子間の電圧降下からESRを算出し,非水
溶媒二次電池50個についてのESRの平均値を求めた
数値を表2に記す。
【0056】
【表3】
【0057】第3の比較例の非水溶媒二次電池50個の
蓄電可能な電荷量,ESRの平均値はそれぞれ970m
Ah,120mΩであった。加圧,直流電圧印加の有無
を除けば,第5及び第6の実施例と同一の材料を用い,
同一の設計を行っているにもかかわらず,第3の比較例
の非水溶媒二次電池の特性値は著しく劣っていた。第5
の実施例で作製した非水溶媒二次電池の特性と,第3の
比較例の非水溶媒二次電池に比して,蓄電可能な電荷量
は約1.3倍,ESRは約63%の値に抑制されてい
る。一方,第6の実施例の非水溶媒二次電池は,第3の
比較例の電気化学キャパシタに比して,蓄電可能な電荷
量は約1.4倍,ESRは約58%の値に抑制されてい
る。以上により,第5及び第6の実施例のほうが,第3
の比較例よりも,電気容量の増大とESRの低減におい
て優れていると認められる。
【0058】以上の本発明の実施の形態の蓄電素子及び
その製造方法によれば,活性炭粉末又は活物質粉末と,
導電補助材と,有機バインダーと,から成る電極合剤を
集電体上に塗工し,乾燥する工程と,集電体と電極を一
体化する工程と,電極と一体化された前記集電体を上下
から加圧すると同時に直流電圧を印加する工程と,より
成ることにより,電体,電極の断面方向に点在する絶縁
部分を破壊せしめることによって,電極の外表面から集
電体に至る全域に亘って電子伝導の経路を確保でき,こ
れによって,蓄電素子のESRを低減し,電極の外表面
から集電体に至る全域において電子伝導の経路を確保
し,蓄電素子の電気容量又は蓄電可能な電荷量を増大す
ることを可能にする。また,従来の技術と比較して優れ
た電気二重層コンデンサ,電気化学キャパシタ,非水溶
媒二次電池を製造することを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明における実施の形態の蓄電素子及びそ
の製造方法の集電体を加圧し,直流電圧を印加する時に
用いた装置の模式図である。
【図2】 本発明における実施の形態の蓄電素子及びそ
の製造方法の電極と一体化した集電体を加圧し,直流電
圧を印加する時に用いた装置の模式図である。
【図3】 本発明における実施の形態の蓄電素子及びそ
の製造方法の集電体,電極の厚み方向に点在する絶縁部
分が破壊され,電極の外表面から集電体全域に亘って電
子伝導の経路が確保される様子の模式図である。
【図4】(a) 本発明における第1及び第2の実施例
の電気二重層コンデンサの内部構造の断面図である。 (b) 本発明における第1及び第2の実施例の電気二
重層コンデンサの単位素子の内部構造図である。
【図5】 本発明における第1及び第2の実施例及び従
来技術による第1の比較例の電気二重層の単位素子のE
SRの加圧力依存性を示す図である。
【図6】(a) 本発明における第3及び第4の実施例
の電気化学キャパシタの内部構造の断面図である。 (b) 本発明における第3及び第4の実施例の電気化
学キャパシタの単位素子の内部構造図である。
【図7】 本発明における第5及び第6の実施例におい
て長尺シート状の集電体,電極を加圧し,直流電圧を印
加する時に用いる装置の模式図である。
【符号の説明】
1 集電体 1a 電気二重層コンデンサの集電体 1b 電気化学キャパシタの集電体 2 金属板 3 パルス電源 4 電極 4a 電気二重層コンデンサの電極 4b 電気化学キャパシタの電極 5 導電性のフィラー 6 ゴム系のマトリックス材料 7 活物質粉末,又は活性炭粉末 8 導電補助材 9 有機バインダー 10 加圧,直流電圧印加によって形成された電子伝導
の経路 11a 電気二重層コンデンサの単位素子 11b 電気化学キャパシタの単位素子 12a 電気二重層コンデンサの単位素子の積層体 12b 電気化学キャパシタの単位素子の積層体 13 端子板 14 外部端子 15 外装体 16 セパレータ 17a 電気二重層コンデンサのガスケット 17b 電気化学キャパシタのガスケット 18 加圧用ロール 19 加圧,直流電圧印加用の金属製ロール状電極 20 長尺シート状の集電体,電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金子 志奈子 東京都港区芝5丁目7番1号 日本電気株 式会社内 (72)発明者 原田 学 東京都港区芝5丁目7番1号 日本電気株 式会社内 (72)発明者 西山 利彦 東京都港区芝5丁目7番1号 日本電気株 式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活性炭粉末又は活物質粉末と,導電補助
    材と,有機バインダーと,から成る電極合剤を集電体上
    に塗工し,乾燥する工程と,集電体と電極を一体化する
    工程と,電極と一体化された前記集電体を上下から加圧
    すると同時に直流電圧を印加する工程と,より成ること
    を特徴とする蓄電素子の製造方法。
  2. 【請求項2】 集電体と電極を一体化する工程前に,集
    電体を上下から加圧すると同時に集電体に直流電圧を印
    加する工程を有することを特徴とする請求項1に記載の
    蓄電素子の製造方法。
  3. 【請求項3】 活性炭粉末と,導電補助材と,有機バイ
    ンダーと,から成る電極合剤を集電体上に塗工し,乾燥
    する工程と,集電体と電極を一体化する工程と,電極と
    一体化された前記集電体を上下から加圧すると同時に直
    流電圧を印加する工程より成ることを特徴とする蓄電素
    子の製造方法により製造されて成る電気二重層コンデン
    サであって,電気容量が1.1(F)以上であり,かつ
    等価直列抵抗値が48(mΩ)以下であることを特徴と
    する電気二重層コンデンサ。
  4. 【請求項4】 集電体と電極を一体化する工程前に,集
    電体を上下から加圧すると同時に集電体に直流電圧を印
    加する工程を有することを特徴とする請求項3に記載の
    電気二重層コンデンサ。
  5. 【請求項5】 活物質粉末と,導電補助材と,有機バイ
    ンダーと,から成る電極合剤を集電体上に塗工し,乾燥
    する工程と,集電体と電極を一体化する工程と,電極と
    一体化された前記集電体を上下から加圧すると同時に直
    流電圧を印加する工程より成ることを特徴とする蓄電素
    子の製造方法により製造されて成る電気化学キャパシタ
    であって,蓄電可能な電荷量が0.75(mAh)以上
    であり,かつ等価直列抵抗値が30(mΩ)以下である
    ことを特徴とする電気化学キャパシタ。
  6. 【請求項6】 集電体と電極を一体化する工程前に,集
    電体を上下から加圧すると同時に集電体に直流電圧を印
    加する工程を有することを特徴とする請求項5に記載の
    電気化学キャパシタ。
  7. 【請求項7】 活物質粉末と,導電補助材と,有機バイ
    ンダーと,から成る電極合剤を集電体上に塗工し,乾燥
    する工程と,集電体と電極を一体化する工程と,電極と
    一体化された前記集電体を上下から加圧すると同時に直
    流電圧を印加する工程より成ることを特徴とする蓄電素
    子の製造方法により製造されて成る非水溶媒二次電池で
    あって,蓄電可能な電荷量が1260(mAh)以上で
    あり,かつ等価直列抵抗値が75(mΩ)以下であるこ
    とを特徴とする非水溶媒二次電池。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007180251A (ja) * 2005-12-27 2007-07-12 Tdk Corp 電気化学キャパシタ用電極の製造方法及び電気化学キャパシタ用電極の製造装置
KR20180061671A (ko) * 2016-11-30 2018-06-08 삼신디바이스 주식회사 리튬이온 커패시터용 리튬 부착장치 및 부착방법

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