JP2000331632A - 電子銃、電子線露光転写装置及び半導体デバイスの製造方法 - Google Patents
電子銃、電子線露光転写装置及び半導体デバイスの製造方法Info
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Abstract
しない電子銃及びそれを利用した電子線露光転写装置を
提供する。 【解決手段】 カソード1から放出された電子ビーム
2は、引き出し電極3に印加されたカソードに対して正
の電圧により加速されて、電子銃から放出される。カソ
ード1の周囲にはウェネルト電極5が設けられ、カソー
ド1に対して負の電圧により、電子ビーム2が外側に広
がるのを防止し、電子ビームが集中するクロスオーバー
を作り出している。電子銃から放出された電子ビーム
は、カソード−アース間電圧印加電源7でさらに加速さ
れ、電子線露光転写等に使用される。第1のクロスオー
バーは引き出し電極3内に形成されるようになってお
り、その位置にアパーチャー8が設けられて、クロスオ
ーバーで外周側に位置する、カソードの端面から放出さ
れた電子ビーム2’を遮蔽して吸収する。
Description
回路等のリソグラフィーに用いられる電子線露光装置に
使用する電子銃、それを使用した電子線露光転写装置、
及びその電子線露光転写装置を使用した半導体デバイス
の製造方法に関するものである。
が0.1μm以下となるに伴ない、従来の光学方式の露光
転写装置の使用が限界に達し、これを克服するものとし
て電子線露光装置の開発が進められている。従来、一般
的に使用されていた電子線露光装置は、電子線により描
画を行うものや、可変成形方式、セルプロ方式などの転
写方式のもので、スループットが著しく低いという問題
点を有していた。
ループットの両方を兼ね備えた電子線露光方式の検討が
進められている。このような方式の内で最近注目をあつ
めている方式は、1ダイまたは複数ダイを一度に露光す
るのではなく、サブフィールドと呼ばれる小さな領域に
分割して転写露光するという方式である。この分割転写
方式の小領域は数100μm角以上であることが要求され、
従来の可変成形方式やセルプロ方式の数10倍以上の大き
さである。
可能な電子銃を発明し、その内容は特開平10−223
165号公報に公開されている。これは、温度制限領域
において動作するもので、カソードの先端が、径1mm以
上の平で仕事関数のそろった面を有し、カソードの先端
が、ウェネルト電極と同電位か、又はウェネルト電極よ
りアノード側に突出しているものである。この電子銃
は、低輝度(103A/cm2・sr以下)、高エミッタンス(10
0kVにおいて数1000μm・mrad)という特性を有してい
る。
10−223165号公報に記載された電子銃では、露
光に寄与しない電子ビームが多いので、かなり大きな容
量の電源が必要であるという問題点があった。さらに、
無駄な電流による発熱を押さえるために、冷却機構も不
必要に大きなものが要求されるという問題点があった。
になされたもので、無駄な電子ビームをエネルギーが大
きくならないうちに吸収し、大きな容量の電源や大きな
冷却機構を必要としない電子銃及びそれを利用した電子
線露光転写装置を提供することを課題とする。
の第1の手段は、温度制限領域で動作させる電子銃にお
いて、カソードより下流にできる第1のクロスオーバ面
にクロスオーバの形状を制限するためのアパーチャーが
設けられていることを特徴とする電子銃(請求項1)で
ある。
ーが大きくない第1のクロスオーバー面において無駄な
電子ビームをカットしてしまうので、それ以後の加速に
より高エネルギーとされて電子線光学系を流れる電子ビ
ームは、ほとんど有効な電子ビームのみになる。よっ
て、必要な高電圧の電源の容量は小さくて済み、かつ、
高電圧の電流の有するエネルギーが小さくなるので、冷
却装置の容量も小さくて済むようになる。設けられるア
パーチャーで遮られる電子ビームの電流を吸収するため
には別の電源が必要であるが、第1クロスオーバー面に
おいては、まだ電子は十分に加速されておらず、そのエ
ネルギーが小さいので、高電圧の電源を必要としない。
のは以下の理由による。すなわち、電子線露光装置の光
学系は、クロスオーバー面上での電流分布が、そのまま
被露光面上での電流の入射角に対する強度分布となるよ
うに設計されている。よって、クロスオーバー面上で、
その外側に位置する電流をアパーチャーによりカットす
れば、被露光面上で、中心となる入射角から離れた入射
角の電子ビームがカットされることになる。特に、被露
光面に入射する電子ビームがテレセントリックなもので
ある場合は、入射角の大きな電子ビームがカットされる
ことになり、露光転写上好ましい。また、このことによ
り、投影光学系から発生する幾何収差を低減させること
が可能である。
領域で用いるものに制限しているのは、空間電荷制限領
域で使用する場合は、クロスオーバーをカソードに近い
位置にせざるを得ず、アパーチャーをこの位置に設ける
と、電子銃全体の設計が困難になるからである。
前記第1の手段であって、前記第1のクロスオーバー
が、引き出し電極内に形成されるようにされていること
を特徴とするもの(請求項2)である。
手前(カソード側)に形成すると、電子ビームの形状が
形成される場所にアパーチャーが置かれることになり、
その分電子銃の設計が困難になる。第1のクロスオーバ
ーを引き出し電極より後に形成すると、すでに電子線が
十分加速された後に、その一部をアパーチャーによりカ
ットする必要があり、高圧の電源が必要となって本発明
の効果が低減してしまう。本手段においては、前記第1
のクロスオーバーが、引き出し電極内に形成されるよう
にされているので、このような不都合が生じない。
前記第1の手段又は第2の手段であって、前記アパーチ
ャーにより反射された電子を吸収する反射防止板を有す
ることを特徴とするもの(請求項3)である。
反射電子となってカソード側に戻り、電子線の形状が形
成される部分の電場を乱す恐れがある。本手段において
は、アパーチャーにより反射された電子を吸収する反射
防止板が設けられているので、このようなことが防止さ
れる。
前記第1の手段から第3の手段のいずれかであって、電
子銃から放出される電子ビームのエネルギーが100kV程
度であり、カソードと前記第1のクロスオーバーの電位
差が20kV以下であることを特徴とするもの(請求項4)
である。
子銃の場合、カソードと第1のクロスオーバーの電位差
が20kV以下とすれば、アパーチャー用の電源の製造も容
易であり、かつ、この引き出し電極部でむだ電流を除去
すれば、100kVでアースに対して流れる電流が減少し、
その分だけ100kV電源の容量を小さくすることができ
る。
前記第1の手段から第4の手段に係る電子銃を有してな
ることを特徴とする電子線露光転写装置(請求項5)で
ある。
の手段に係る電子銃を有しているので、高電圧大容量電
源や、大きな冷却装置を必要としない。また、投影光学
系から発生する幾何収差を低減させることが可能であ
る。
前記第5の手段である電子線露光転写装置を用いて、マ
スク又はレチクル上に形成されたパターンを、ウェハー
に転写する工程を有することを特徴とする半導体デバイ
スの製造方法(請求項6)である。
大きな冷却装置を必要としない電子線露光転写装置を用
いているので、安価に半導体デバイスを製造できると共
に、幾何収差の少ない電子線露光転写装置を用いている
ので、パターン幅の小さい半導体デバイスを製造するこ
とができる。
図を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態の一
例である電子銃の構成を示す概要図である。図1におい
て、1はカソード、2はカソードから放出された電子ビ
ーム、2’はカソードの端面から放出された電子ビー
ム、3は引き出し電極、4はカソード−引き出し電極間
電圧印加電源、5はウェネルト電極、6はカソード−ウ
ェネルト間電圧印加電源、7はカソード−アース間電圧
印加電源、8はアパーチャー、9はアパーチャーを通過
した電子ビーム、10は反射電子防止板である。
は、引き出し電極3に印加されたカソードに対して正の
電圧により加速されて、電子銃から放出される。引き出
し電極3には、カソード−引き出し電極間電圧印加電源
4により、カソード1に対して正の電圧が印加されてい
る。カソード1の周囲にはウェネルト電極5が設けら
れ、カソード−ウェネルト間電圧印加電源6により印加
された、カソード1に対して負の電圧により、電子ビー
ム2が外側に広がるのを防止し、電子ビームが集中する
クロスオーバーを作り出している。電子銃から放出され
た電子ビームは、カソード−アース間電圧印加電源7で
さらに加速され、電子線露光転写等に使用される。
ーバー(第1のクロスオーバー)は引き出し電極3内に
形成されるようになっており、その位置にアパーチャー
8が設けられ、カソードの端面から放出された電子ビー
ム2’を遮蔽して吸収する。アパーチャー8は引き出し
電極3に接続されて、引き出し電極3と同電位にされて
おり、遮蔽された電子ビーム2’の電流は、カソード−
引き出し電極間電圧印加電源4に吸収される。アパーチ
ャー8を通過した電子ビーム9のみが露光転写等に使用
される。
よりカソード側に、反射防止板10が設けられている。
反射防止板10は、アパーチャー8で反射された反射電
子を吸収するもので、引き出し電極3から見てカソード
1側の電場を乱さない位置に設けられ、図に示す例で
は、引き出し電極3に接続、支持されている。反射防止
板10そのものは、電子ビーム2の流れを遮ることがな
いように、十分大きな開口を有している。
ビームの電流分布を示す図であり、Aが全電流分布、
A’がアパーチャー8でカットされる部分の電流分布を
示している。電子線露光装置の電子線光学系は、クロス
オーバ面上の電流分布が、そのまま被露光面上での電流
の角強度分布となるように設計される。すなわち、クロ
スオーバー面において光軸から離れた部分を通過する電
子ビームは、被露光面で入射光の光軸に対して、クロス
オーバー面での光軸からの距離に対応した傾きを持って
入射する。
レセントリックになるように電子線光学系が設計されて
いるので、クロスオーバー面において光軸から離れた部
分を通過する電子ビームは、それに応じた入射角で被露
光面に入射することになる。よって、図2は、被露光面
での電子ビームの入射角分布を示す図でもある。図2に
示すように引き出し電極内のアパーチャ8により、入射
角分布の裾がカットされ、9で示された部分のみ透過さ
せているので、この裾部分から発生する幾何収差を低減
させる効果も生じることになる。
ド−アース間電圧印加電源は100kV程度の電圧を印加す
る。この場合には、アパーチャー8とカソード1間の電
圧、すなわち図1の場合はカソード−引き出し電極間電
圧印加電源4の電圧は20kV以下とすると、アパーチャー
8用の電源として、特別な高圧電源とならない範囲で電
源装置を製造することができ、かつ、この引き出し電極
部でむだ電流を除去すれば、100kVでアースに対して流
れる電流が減少し、その分だけ100kV電源の容量を小さ
くすることができる。
する材料としては高融点金属が適当であり、例えば、タ
ングステンやモリブデンが使用できる。また、導電性で
高融点であることに加え、反射電子が少ない材料とし
て、炭素を使用することも可能である。
電子線露光転写装置の構成の概要を示す図である。図3
において、11は図1に示された電子銃、12は電子ビ
ーム、13a、13bは照明レンズ、14はマスク、1
5は第1投影レンズ、16は第2投影レンズ、17はウ
ェハー、18はアパーチャー、19、20は偏向器であ
る。
された電子ビームは、照明レンズ13a、13bでテレ
セン性を有する照明とされ、マスク14上に電子銃のカ
ソード面の像を作ることにより、マスク14面を一様に
照明する。マスク14上に形成された回路パターンは、
第1投影レンズ15と第2投影レンズ16により、ウェ
ハー17の表面に結像する。マスク14で散乱された電
子を除去するため、アパーチャー18が設けられてい
る。
化させ、偏向器20は、マスクからの電子ビームの、ウ
ェハー面での結像位置を変化させるのに使用される。マ
スク14、ウェハー17、アパーチャー18はアース電
位に保たれている。
使用されない電子ビームは、主としてアパーチャー18
で吸収された。この位置では電子ビームのエネルギーが
高いので、吸収する電源として高電圧大電流のものが必
要であった。
て、露光に使用されない電子ビームがカットされている
ので、アパーチャー18で吸収される電子ビームは少な
く、よって、電源として高電圧小電流のもので対処可能
である。また、これに伴ない、冷却装置の容量も小さく
て済むようになる。さらに、電子銃11中のアパーチャ
ーにより、マスク17に入射するときに開き角の大きな
電子線が初めからカットされているので、レンズ系の幾
何収差を低減することができる。
項1に係るものにおいては、電子ビームのエネルギーが
大きくない第1のクロスオーバー面において、無駄な電
流をカットしてしまうので、必要な高電圧の電源の容量
は小さくて済み、かつ、冷却装置の容量も小さくて済む
ようになる。また、投影光学系から発生する幾何収差を
低減させることが可能である。
ロスオーバーが、引き出し電極内に形成されるようにさ
れているので、電子銃の設計が困難にならず、かつ、電
子線のエネルギーが大きくならないうちに吸収すること
ができる。
ャーにより反射された電子を吸収する反射防止板が設け
られているので、カソード側に戻った反射電子により、
カソードがダメージを受けたり、多重散乱による絶縁物
のチャージアップが発生したりするのを回避することが
できる。
ャー用の電源の製造も容易であり、かつ、第1のクロス
オーバーの位置を電子銃の設計上適当な位置に設定する
ことができる。
係る電子銃を使用しているので、高電圧大容量電源や、
大きな冷却装置を必要とせず、さらに、投影光学系から
発生する幾何収差を低減させることが可能である。
導体デバイスを製造できると共に、パターン幅の小さい
半導体デバイスを製造することができる。
を示す概要図である。
ムの電流分布を示す図である。
写装置の構成の概要を示す図である。
ム、2’…カソードの端面から放出された電子ビーム、
3…引き出し電極、4…カソード−引き出し電極間電圧
印加電源、5…ウェネルト電極、6…カソード−ウェネ
ルト間電圧印加電源、7…カソード−アース間電圧印加
電源、8…アパーチャー、9…アパーチャーを通過した
電子ビーム、10…反射電子防止板、11…図1に示さ
れた電子銃、12…電子ビーム、13a、13b…照明
レンズ、14…マスク、15…第1投影レンズ、16…
第2投影レンズ、17…ウェハー、18…アパーチャ
ー、19、20…偏向器、A…全電流分布、A’…アパ
ーチャーでカットされる部分の電流分布
Claims (6)
- 【請求項1】 温度制限領域で動作させる電子銃におい
て、カソードより下流にできる第1のクロスオーバ面に
クロスオーバの形状を制限するためのアパーチャーが設
けられていることを特徴とする電子銃。 - 【請求項2】 請求項1に記載の電子銃であって、前記
第1のクロスオーバーが、引き出し電極内に形成される
ようにされていることを特徴とする電子銃。 - 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の電子銃で
あって、前記アパーチャーよりカソード側に、前記アパ
ーチャーにより反射された電子を吸収する反射防止板を
有することを特徴とする電子銃。 - 【請求項4】 請求項1から請求項3のうちいずれか1
項に記載の電子銃であって、電子銃から放出される電子
ビームのエネルギーが100kV程度であり、カソードと前
記第1のクロスオーバーの電位差が20kV以下であること
を特徴とする電子銃。 - 【請求項5】 請求項1から請求項4のうちいずれかに
記載の電子銃を有してなることを特徴とする電子線露光
転写装置。 - 【請求項6】 請求項5に記載の電子線露光転写装置を
用いて、マスク又はレチクル上に形成されたパターン
を、ウェハーに転写する工程を有することを特徴とする
半導体デバイスの製造方法。
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JP13693499A JP4214616B2 (ja) | 1999-05-18 | 1999-05-18 | 電子銃、電子線露光転写装置及び半導体デバイスの製造方法 |
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- 1999-05-18 JP JP13693499A patent/JP4214616B2/ja not_active Expired - Fee Related
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