JP2004193157A - 電子線照明光学系及び電子線露光装置 - Google Patents

電子線照明光学系及び電子線露光装置 Download PDF

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Abstract

【課題】効率よく大電流を発生することができ、かつ、それを効率よく使用することができる電子線照明光学系を提供する。
【解決手段】電子銃1から放出された電子ビーム6は、第1のレンズ4によりトリムアパーチャ2上に集光される。この集光された部分7はクロスオーバと呼ばれる。通常は、トリムアパーチャ2によりクロスオーバでのビームの半分程度が遮蔽される。トリムアパーチャ2を透過したビームは、第2のレンズ5によりシェーピングアパーチャ3にほぼ垂直になるよう集光される。図2において、Aは電子銃1のカソード面を紙面下側から見た図を表し、A2が正方形のエミッション面(電子放出領域)を表している。A2以外の部分は、カソード材質より仕事関数の高い金属でコートするか、又は表面を細かく荒らしてA2の面より仕事関数の高い面が露出するよう加工されている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は主に、半導体集積回路等のリソグラフィーに用いられる電子線露光装置に使用するのに好適な電子線照明光学系、及びそれを使用した電子線露光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイスを製造する工程においては、マスクまたはレチクルに形成されたパターンをウエハ等の感応基板に露光転写する工程が含まれる。近年、半導体デバイスの集積度の向上により微細化されたパターンは従来の紫外光を用いた露光方法では解像が困難になりつつあり、荷電粒子線や極短紫外線(EUV)を用いた新しい露光方法が使用されるようになってきている。中でも電子線を用いた露光装置は、電気的手段による制御性が良い等の利点を持ち、次世代の露光手段として有望である。
【0003】
このような電子線露光装置の方式のうち、近年新たに、露光の高解像と高スループットの両方を兼ね備えた電子線露光方式として、分割転写タイプのEPL(Electron beam projection Lithography)方式が注目を集めている。EPL方式とは、1ダイまたは複数ダイを一度に露光するのではなく、1ダイをサブフィールドと称する小さな領域に分割し、この小領域を偏向器によりつなぎ合わせながら転写露光するという方式である。現在のところ、この小領域の大きさはレチクル上で数100μm□以上(ウエハ上で25μm□以上)であり、従来の露光方式の数10倍以上の大きさである。
EPLで使われる電子銃としては温度制限領域で動作する低輝度(100kVにおいて10A/cm・sr以下)、高エミッタンス(100kVにおいて数1000μm・mrad)の電子銃が開発されている。EPLでは、レチクル面の前記小領域を照射する電流として100μA以上の電流が必要とされるため、EPL用電子銃としてはエミッション電流が1000μAを超えるものが要求されている。又、EPL方式では分解能を高めるため、中空ビーム(Hollow Beam)方式が提案されているが、この場合には、電子銃に数1000μAのエミッション電流が要求されている。
【0004】
代表的なEPLの照明光学系を図3に示す。図3は縦置きの照明光学系を横方向からみた図である。図3の1は電子を放出する電子銃であり、Aはそのカソードを紙面の下方向から見た図である。なお、電子銃は、通常カソード面から放出される電子をウェネルト電極で引き出し、それをアノードに印加される加速電圧で加速して電子を放出するように構成されているが、周知のものであり、本発明と直接の関係がないので、その詳細な図示と説明を省略する。
【0005】
カソードの形状は、ビームの位置調整を容易にするため、通常は円形のものが採用されている。電子銃1から放出された電子ビーム6は、第1のレンズ4によりトリムアパーチャ2上に集光される。この集光された部分はクロスオーバと呼ばれ、ビーム強度プロファイルはほぼGAUSS分布になっている。通常は、トリムアパーチャ2によりクロスオーバにおけるビームの半分程度が遮蔽される。
【0006】
トリムアパーチャ2を透過したビームは、第2のレンズ5によりシェーピングアパーチャ3にほぼ垂直になるよう集光される。このときカソードの結像面8は、シェーピングアパーチャ3から数mm以上、上方向又は下方向に離れるように設計されている。カソードの結像面8がシェーピングアパーチャ3上に来ないよう設計されているのは、カソード面上の微小なキズや結晶欠陥がシェーピングアパーチャ3の位置に結像されるのを防ぐためである。
【0007】
すなわち、シェーピングアパーチャ3は照明されるレチクルと共役な位置に置かれるので、シェーピングアパーチャ3の位置にカソードの面が結像されるようにすると、カソード面上の微小なキズや結晶欠陥が照明されるレチクルの面に結像され、照明ムラとなるので、これを防ぐためである。
【0008】
Bはシェーピングアパーチャ3を紙面上側から見た場合のカソード像B1、シェーピングアパーチャ3の開口B2を表している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の照明光学系の欠点は、エミッション電流の利用効率(=露光に利用される電流/エミッション電流)が極端に悪いということである。例えば、従来のEPL方式以外の電子ビーム露光装置においては、利用効率は1%以下であり、利用効率を改善したといわれるEPL方式においてさえ、利用効率は数%を達成している程度であった。
【0010】
利用効率が悪いと、エミッション電流として1000μA以上のエミッション電流を流さざるを得ない。しかしながら、EPL方式では加速電圧が100kVと高いため、数1000μAの電流を取り、且つ放電せずに安定して動作する電子銃を製作することは非常に困難であった。又、エミッション電流が数1000μAの場合には、数100Wの熱が発生し、この熱を管理・制御するための冷却機構も大規模にならざるを得ない。
【0011】
更にHollow Beam方式を採用する場合は、5000μAを越えるエミッション電流を流すことになるが、この場合にはBOERSCH効果として知られている電子ビームの異常エネルギー分散が無視できない程度に増大し、Hollow Beamで分解能を改善する効果が相殺されかねない。
【0012】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、効率よく大電流を発生することができ、かつ、それを効率よく使用することができる電子線照明光学系及びそれを使用した荷電子線露光装置を提供することを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための第1の手段は、温度制限領域で動作する電子銃と、当該電子銃より下流に設けられたビームの開き角を制限するためのトリムアパーチャ、ビームの視野を制限する矩形のシェーピングアパーチャと、前記電子銃と前記トリムアパーチャの間に設けられ、ビームのクロスオーバをトリムアパーチャ上に形成する第1のレンズと、前記トリムアパーチャと前記シェーピングアパーチャの間に設けられ、前記電子銃のカソード像位置を調整する第2のレンズとを有する電子線照明光学系であって、前記電子銃の電子放出領域の形が矩形をなし、かつ、前記トリムアパーチャ位置に、前記矩形の電子放出領域のシェーピングアパーチャ上への投影像の回転方向を可変に制御する回転レンズが設られていることを特徴とする電子線照明光学系(請求項1)である。
【0014】
本手段においては、電子銃の電子放出領域の形が矩形をなしているので、従来の円形の電子放出領域を有する電子銃を電子源とした電子線照明光学系に比して、シェーピングアパーチャによって遮蔽される電子線の量を少なくすることができる。とくに、この矩形の形を、シェーピングアパーチャの開口とほぼ相似としておくようにすれば、シェーピングアパーチャ位置における電子放出領域の像を、ほぼシェーピングアパーチャの開口と同じ大きさにすることができ、遮蔽される電子線の量を特に少なくすることができる。
【0015】
空間電荷制限領域で動作している電子銃では、ほぼ矩形の像をシェービングアパーチャ上に結像させることは難しいため、本発明では、温度制限領域で動作する電子銃を用いる。
【0016】
この場合、シェーピングアパーチャの位置における電子放出領域の像とシェーピングアパーチャの開口との間に角度のずれがあると、電子放出領域の像の端面の一部がシェーピングアパーチャの開口内に入ってしまい、シェーピングアパーチャが機能しなくなることがある。これを防ぐために像の大きさを多きくすると、シェーピングアパーチャで遮られる電子線の量が多くなるという問題が発生する。
【0017】
本手段においては、トリムアパーチャ位置に、矩形の電子放出領域のシェーピングアパーチャ上への投影像の回転方向を可変に制御する回転レンズが設られているので、この回転レンズにより、電子放出領域の像の方向とシェーピングアパーチャの開口の方向とを合わせることができ、これにより、シェーピングアパーチャで遮られる電子線の量を少なくして、電子線の有効利用を図ることができる。さらに、光学鏡筒の熱負荷が低減し、且つ電子銃の放電に対する安定性も向上するという副次的な効果を期待することができる。
【0018】
回転レンズをトリムアパーチャ位置に設けているのは、トリムアパーチャより下流のクロスオーバの位置・大きさに影響を与えず、シェーピングアパーチャ上でのカソード像の回転調整ができるようにするためである。すなわち、クロスオーバの位置、大きさが変わると、開き角が変わるという問題が生じるので、これを防止するためである。
【0019】
前記課題を解決するための第2の手段は、前記第1の手段であって、前記カソード上の矩形の電子放出領域は、当該矩形領域外にカソード材質よりも仕事関数の高い物質をコートして作成するか、又は矩形領域外の単結晶表面を荒らすことによって形成されていることを特徴とするもの(請求項2)である。
【0020】
前記第1の手段においては、要するに電子銃から放出される電子ビームの形状を矩形にすることが必要とされる。矩形の電子ビームを作る最も簡単な方法は、カソード自体を矩形にするか、カソードの前面に矩形のマスク(厚さ数100μm以上)を置くことである。しかしながらこれらのうち前者の方法では、電子放出面内の温度一様性が劣化し、その結果、矩形領域内の電流密度が大きく変動することになる。後者の方法では、カソード近傍の静電場までが乱されることになり、その結果幾何収差が増大しエミッタンスが低減してしまう。これらの結果、このような方法では矩形ビームを達成できたとしても、必要な大きさよりも大きな電子ビームとし、エッジ部をシェーピングアパーチャでカットして使用せざるを得ず、電子ビームの使用効率が低下する可能性がある。
【0021】
本手段においては、矩形の電子放出領域が、当該矩形領域外にカソード材質よりも仕事関数の高い物質をコートして作成するか、又は矩形領域外の単結晶表面を荒らすことによって形成されているので、カソードの周囲の部分をも加熱した場合でも、仕事関数の高い物質がコートされている部分や、単結晶表面が荒らされている部分からは電子が放出されない。よって、照明の一様性を保ちながら、電子放出面を矩形にでき、矩形の電子ビームを形成することができる。
【0022】
前記課題を解決するための第3の手段は、前記第1の手段又は第2の手段であって、前記矩形領域の大きさは、前記シェーピングアパーチャ上への投影像の大きさが、シェーピングアパーチャの開口より5〜30%大きくなるようにされていることを特徴とするもの(請求項3)である。
【0023】
電子線光学系の特性によっては、シェーピングアパーチャ位置に形成される電子放出領域の像の位置が変動したり、回転したりすることがある。このような場合に、電子放出領域の像の端部がシェーピングアパーチャの開口内に入ると、シェーピングアパーチャの役割が果たせなくなる。実際の電子線照明装置においては、電子放出領域の矩形の大きさを、シェーピングアパーチャ上への投影像の大きさが、シェーピングアパーチャより5%以上大きくなる(対応する辺同士の比較において)ようにしておくことにより、シェーピングアパーチャ位置に形成される電子放出領域の像の位置が変動したり、回転したりすることが発生しても、電子放出領域の像の端部がシェーピングアパーチャの開口内に入ることが防止できる。ただし、あまり大きくするとシェーピングアパーチャで遮蔽される電子線が多くなり効率が低下する。よって、本手段においては、電子放出領域の矩形の大きさを、シェーピングアパーチャ上への投影像の大きさが、シェーピングアパーチャより30%を超えて大きく(対応する辺同士の比較において)ならないようにしている。
【0024】
前記課題を解決する第4の手段は、前記第1の手段から第3の手段のいずれかであって、前記カソード像の結像位置はシェーピングアパーチャ上での開き角によるボケ(blur)が、10μmから100μm程度となる位置とされ、前記電子銃のカソード領域の機械的な回転方向は、前記回転レンズに一方向の電流を流した際に、カソード像の結像位置が前記シェーピングアパーチャから遠ざかる方向に移動しながら、前記カソード像と前記シェーピングアパーチャの開口の方向が合うよう設定されていることを特徴とするもの(請求項4)である。
【0025】
本手段においては、カソード像の結像位置はシェーピングアパーチャ上での開き角によるボケ(blur)が、10μnmから100μnm程度となる位置とされている。カソード面上には、その加工の際、μmのオーダの幅を有する疵や欠陥が残るが、開き角によるボケを10μm以上とすることにより、これらの疵や欠陥の像がレチクル面に形成されて照明むらを発生させることを防止することができる。また、このボケが100μmを超えると、レチクルパターンの露光転写精度に影響を及ぼすので、100μm以下に限定する。
【0026】
また、カソード像とシェーピングアパーチャの開口の方向を回転レンズで合わせるとき、回転量に対応してカソード像の結像位置が光軸方向に移動する。この移動に伴って、カソード像の結像位置がシェーピングアパーチャ位置に近づき、その結果、シェーピングアパーチャ上での開き角によるボケ(blur)が、10μm未満となると、前述のように、カソード面の疵や欠陥の像がレチクル面に形成されて照明むらを発生させる。
【0027】
よって、本手段においては、回転レンズによる調整の方向を、回転量に対応してカソード像の結像位置がシェーピングアパーチャ位置から遠ざかる方向とする。すなわち、回転レンズによる補正をかけない状態で、カソード像の結像位置がシェーピングアパーチャ上での開き角によるボケ(blur)が、10μm以上となるような状態であり、かつ、電子銃のカソード領域を少し回転させておき、回転レンズによる補正をかけない状態では、カソード像とシェーピングアパーチャの開口の回転方向がずれているような状態となるように、カソード領域の機械的な回転方向を決めておく。すると、使用状態において、カソード像とシェーピングアパーチャの開口の方向が合うように回転レンズを調整すると、カソード像の結像位置は、初期状態から遠ざかるような状態でカソード像とシェーピングアパーチャの方向が合う。よって、カソード像の結像位置がシェーピングアパーチャ位置に近づいて、カソード面の疵や欠陥の像がレチクル面に形成されて照明むらを発生させることが防止できる。
【0028】
前記課題を解決するための第5の手段は、前記第1の手段から第4の手段のいずれかである電子線照明光学系を有することを特徴とする電子線露光装置(請求項5)である。
【0029】
本手段においては、前記第1の手段から第4の手段のいずれかである電子線照明光学系を有するので、それぞれこれらの各手段が有する作用効果を奏することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の例を、図を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態であるEPLの照明光学系の概要を示す図である。電子銃1から放出された電子ビーム6は、第1のレンズ4によりトリムアパーチャ2上に集光される。この集光された部分はクロスオーバと呼ばれ、ビーム強度プロファイルはほぼGAUSS分布になっている。通常は、トリムアパーチャ2によりクロスオーバでのビームの半分程度が遮蔽される。
【0031】
トリムアパーチャ2を透過したビームは、第2のレンズ5によりシェーピングアパーチャ3にほぼ垂直になるよう集光される。このときカソードの結像面8は、シェーピングアパーチャ3から数mm以上、上方向又は下方向に離れるように設計されている。カソードの結像面8がシェーピングアパーチャ3上に来ないよう設計されているのは、カソード面上の微小なキズや結晶欠陥がシェーピングアパーチャ3の位置に結像されるのを防ぐためである。
【0032】
すなわち、シェーピングアパーチャ3は照明されるレチクルと共役な位置に置かれるので、シェーピングアパーチャ3の位置にカソードの面が結像されるようにすると、カソード面上の微小なキズや結晶欠陥が照明されるレチクルの面に結像され、照明ムラとなるので、これを防ぐためである。
【0033】
図1において、Aは電子銃1のカソード面を紙面下側から見た図を表し、A2が正方形のエミッション面(電子放出領域)を表している。A2以外の部分は、カソード材質より仕事関数の高い金属でコートするか、又は表面を細かく荒らしてA2の面より仕事関数の高い面が露出するよう加工されている。表面を荒らす場合には、カソードとして使用する物質は単結晶で且つカソード面はその単結晶の方位面のうちでも、最も仕事関数の低い面でなければならない。
【0034】
なお、電子銃は、通常カソード面から放出される電子をウェネルト電極で引き出し、それをアノードに印加される加速電圧で加速して電子を放出するように構成されているが、周知のものであり、本発明と直接の関係がないので、その詳細な図示と説明を省略する。
【0035】
図1におけるBは、シェーピングアパーチャ3部におけるカソード1面の電子放出領域A2の投影像B1とのシェーピングアパーチャ3の開口B2の関係を示す図である。
【0036】
この場合において、シェーピングアパーチャの開口B2は正方形をしており、カソード面の電子放出領域A2の大きさは、無駄電流を減少させるために、そのシェーピングアパーチャへの投影像B1の一辺がシェーピングアパーチャの開口B2の一辺の長さの1.05〜1.3倍の大きさになるように設定されている。
【0037】
電子放出領域A2のシェーピングアパーチャ3への投影像B1は、通常は投影レンズ4、5の作用により回転することになる。カソードを電子銃1に組み込む際には、電子放出領域の投影像B1が開口B2となるべく同じ方向を向くように調整されているが、それでも、各種誤差によりB1はB2に対して数度回転してしまうことは避け難い。そこで、本実施の形態では電子放出領域の投影像B1の回転調整をするためにトリムアパーチャ位置に回転レンズ9を設けている。この回転レンズ9により、トリムアパーチャ7より下流のクロスオーバの位置・大きさに影響を与えず、シェーピングアパーチャ3上での電子放出領域の投影像B1の回転調整ができるようになる。
【0038】
本実施の形態においては、電子放出領域A2の結像位置8はシェーピングアパーチャ3上での開き角に起因するボケが、10μmから100μm程度となるような位置になるよう設定され、カソードの機械的な回転方向設定は、電子放出領域の投影像B1と開口B2との方向を一致させるために、回転レンズ9に電流を流した際に、電子放出領域の投影像B1の結像位置が前記シェーピングアパーチャ3から遠ざかる方向に移動しながら方向が合うよう設定されている。
【0039】
このようにすることにより、電子放出領域の投影像B1の回転調整の結果、電子放出領域A2の像の形成位置がシェーピングアパーチャ3に近づいて、ボケが10μm未満となることが防止される。
【0040】
図2は、本発明の実施の形態の1例である電子線露光装置の光学系の概要図である。図2おいて、図1に示されたものと同じ構成要素には同じ符号を付している。図2において、1は電子線源、4、5、12は照明用レンズ、2はトリムアパーチャ、3はシェーピングアパーチャ、15はマスク、16は投影用レンズ、17はコントラストアパーチャ、18はウエハ、9は回転レンズである。
【0041】
電子線源1から放出された電子線は、照明用レンズ4、5、12によりマスク15上を均一に照明する。マスク15上に形成されたパターンの像は、投影用レンズ16によりウエハ18上に結像し、ウエハ18上のレジストを感光させる。開口角を制限するためにトリムアパーチャ2が設けられており、散乱線をカットするためにコントラストアパーチャ17が設けられている。これらの構成は従来の電子線露光装置と同じである。
【0042】
本実施の形態においては、電子線源1、照明用レンズ4、5、12、トリムアパーチャ2、シェーピングアパーチャ3で形成される電子線照明光学系に、回転レンズ9が設けられ、この照明光学系は、図1の説明で説明したような機能を発揮する。よって、図1の説明で述べたような効果を奏することができる。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、効率よく大電流を発生することができ、かつ、それを効率よく使用することができる電子線照明光学系及びそれを使用した荷電子線露光装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態であるEPLの照明光学系の概要を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態の1例である電子線露光装置の光学系の概要図である。
【図3】従来の代表的なEPLの照明光学系の概要を示す図である。
【符号の説明】
1:カソード、2:トリムアパーチャ、3:シェーピングアパーチャ、4:第1照明用レンズ、5:第2照明用レンズ、6:電子ビーム、7:クロスオーバ、8:カソードの結像面、9:回転レンズ、11:電子線源、12:照明用レンズ、15:マスク、16:投影用レンズ、17:コントラストアパーチャ、18:ウエハ、

Claims (5)

  1. 温度制限領域で動作する電子銃と、当該電子銃より下流に設けられたビームの開き角を制限するためのトリムアパーチャ、ビームの視野を制限する矩形のシェーピングアパーチャと、前記電子銃と前記トリムアパーチャの間に設けられ、ビームのクロスオーバをトリムアパーチャ上に形成する第1のレンズと、前記トリムアパーチャと前記シェーピングアパーチャの間に設けられ、前記電子銃のカソード像位置を調整する第2のレンズとを有する電子線照明光学系であって、前記電子銃の電子放出領域の形が矩形をなし、かつ、前記トリムアパーチャ位置に、前記矩形の電子放出領域のシェーピングアパーチャ上への投影像の回転方向を可変に制御する回転レンズが設られていることを特徴とする電子線照明光学系。
  2. 請求項1に記載の電子線照明光学系であって、前記カソード上の矩形の電子放出領域は、当該矩形領域外にカソード材質よりも仕事関数の高い物質をコートして作成するか、又は矩形領域外の単結晶表面を荒らすことによって形成されていることを特徴とする電子線照明光学系。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の電子線照明光学系であって、前記矩形領域の大きさは、前記シェーピングアパーチャ上への投影像の大きさが、シェーピングアパーチャの開口より5〜30%大きくなるようにされていることを特徴とする電子線照明光学系。
  4. 請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載の電子線照明光学系であって、前記カソード像の結像位置はシェーピングアパーチャ上での開き角によるボケ(blur)が、10μmから100μm程度となる位置とされ、前記電子銃のカソード領域の機械的な回転方向は、前記回転レンズに一方向の電流を流した際に、カソード像の結像位置が前記シェーピングアパーチャから遠ざかる方向に移動しながら、前記カソード像と前記シェーピングアパーチャの開口の方向が合うよう設定されていることを特徴とする電子線照明光学系。
  5. 請求項1から請求項4のうち、いずれか1項に記載の電子線照明光学系を有することを特徴とする電子線露光装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007053129A (ja) * 2005-08-15 2007-03-01 Nikon Corp 電子銃及び電子線露光装置。

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