JPH10223165A - 電子銃 - Google Patents

電子銃

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JPH10223165A
JPH10223165A JP9031409A JP3140997A JPH10223165A JP H10223165 A JPH10223165 A JP H10223165A JP 9031409 A JP9031409 A JP 9031409A JP 3140997 A JP3140997 A JP 3140997A JP H10223165 A JPH10223165 A JP H10223165A
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JP
Japan
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cathode
electron gun
wehnelt electrode
anode
tip
Prior art date
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Pending
Application number
JP9031409A
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English (en)
Inventor
Shohei Suzuki
正平 鈴木
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Publication date
Application filed by Nikon Corp filed Critical Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 分割転写方式の電子線露光装置用に好適な低
輝度・高エミッタンス特性を有する電子銃を提供する。 【解決手段】 本発明の電子銃においては、カソード1
の先端が、径1mm以上の平らで仕事関数のそろった面と
なっている。そして、このカソード1の先端が、ウエー
ネルト電極2よりもアノード3側に突出している。この
電子銃は温度制限領域で動作する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主に、半導体集積
回路等のリソグラフィーに用いられる電子線露光装置に
使用する電子銃に関するものである。特には、分割転写
方式の電子線露光装置用に好適な、低輝度・高エミッタ
ンス特性を有する電子銃に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の電子線露光装置としては、可変整
形方式、セルプロ方式が用いられている。これらの露光
機用の電子銃カソードには、通常LaB6 が用いられて
おり、このようなLaB6 製カソードは空間電荷制限領
域で動作している。このLaB6 電子銃は、輝度が10
5 A/cm2・sr以上で、エミッタンスが数10μm・mrad(加
速電圧30kV時)とれ、従来タイプの電子線露光装置用
の電子銃としては十分な性能を発揮してきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、最近で
は半導体集積回路の更なる高解像化・高集積化が要求さ
れており、可変整形方式やセルプロ方式等の従来の電子
線露光式では、露光装置のスループットが要求に追いつ
かなくなってきた。そこで近年新たに、露光の高解像度
と高スループットの両方を兼ね備えた電子線露光方式の
検討が進められている。このような方式の内で最近注目
を集めている方式は、1ダイ又は複数ダイを一度に露光
するのではなく、従来より大きな光学フィールドを持つ
部分領域(小領域)にマスクを分割して転写露光すると
いう方式である。このような方式を、ここでは分割転写
方式と呼ぶこととする。この分割転写方式における1つ
の小領域の広さは、ウエハ上で数100μm 角以上が要
求され、従来露光方式の数10倍以上の大きさである。
【0004】この分割転写タイプの露光方式で使われる
電子銃の要求仕様は、加速電圧が100kV以上で、輝度
が103 A/cm2・sr以下、エミッタンスが数1,000μ
m・mradといわれている。しかしながら、これらの要求仕
様は、従来の空間電荷制限領域で使用されるLaB6
子銃と比べて、輝度が1/100以下で、エミッタンス
が100倍以上という桁違いのものであり、この仕様を
満足することは困難であった。
【0005】本発明は、分割転写方式の電子線露光装置
用に好適な低輝度・高エミッタンス特性を有する電子銃
を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記低輝度、高エミッタ
ンスという仕様を満足するため、本発明の電子銃は、カ
ソードの先端が、径1mm以上の平らで仕事関数のそろっ
た面を有し、 該カソードの先端が、ウエーネルト電極
と同位置か、又はウエーネルト電極よりもアノード側に
突出しており、温度制限領域で動作することを特徴とす
る。
【0007】本発明では、電子銃を、温度制限領域で動
作させるので、電子ビームの存在する領域中で電子ビー
ムのエネルギーが0eVとなる領域ができない。カソード
表面(先端面)でも電子は熱エネルギーを持ち、従って
そのエネルギーは0eVではない。このような動作条件下
においては、エミッタンス(この場合は加速電圧の影響
も考慮するならば、正確には正規化エミッタンス)は、
電子銃の収差が小さい限りは、ビームの存在する全空間
で常に一定に保たれる。例えば、カソード表面のエミッ
タンスが高ければ、そのままビームのどの位置でもエミ
ッタンスは高く保たれる。従って、カソード表面だけ考
慮してエミッタンスを高める工夫をすれば十分というこ
とになる。エミッタンスとは簡単にいうと、電流密度が
一定の面の大きさである。なお、本明細書においても、
エミッタンスの正確な意味は電子光学(共立出版、裏克
己著)に述べられているものと同意義である。
【0008】カソード表面のエミッタンスを高めるには
まずカソード表面を平らにして、その大きさを従来より
大きくする必要がある。従来の電子銃のカソード先端の
径は100μm 程度であるから、本発明ではその径を1
mm以上とした。なお、この径は好ましくは2mm以上であ
り、より好ましくは5mm以上である。カソード表面の表
面粗さは、好ましくは50μm 以下であり、より好まし
くは5μm 以下である。
【0009】カソード表面の仕事関数はできるだけそろ
っていた方がよく、そのバラツキは±0.1%以下が好
ましい。より好ましくは、仕事関数のバラツキは±0.
04%以下である。カソード表面の仕事関数を均一にす
るためには、カソードを表面の結晶方位をよくそろった
単結晶で作製する。
【0010】図5は、平行平板二極管の陽極電圧Vと、
陰極放出電流密度との関係をモデル的に示した図であ
る。電流密度は陽極電圧が小さいうちは印加電圧に敏感
に反応する。この領域がいわゆる空間電荷制限領域であ
り、この領域では陰極の温度T1、T2、T3(T1<
T2<T3)に対しての依存性はほとんどない。陽極電
圧を更に上げていくと、電圧に対して電流密度がゆるや
かに変化する領域になる。この領域が温度制限領域で、
この領域では陰極温度T1、T2、T3(T1<T2<
T3)に対して電流密度は敏感に反応するようになる。
【0011】温度制限領域で電子銃を動作させる場合
は、陰極電流密度の陽極電圧依存性が弱くなるとはい
え、電圧依存性が残っていることにかわりはない。した
がって、エミッタンスの大きなカソード面を作ろうとす
るなら、カソード面の表面電場は一様にそろえる必要が
ある。本発明者による電子銃のシミュレーション計算の
結果、幾何収差を小さくし、かつカソード表面の電場を
一様とするとの2条件を満たすには、カソードの先端
が、ウエーネルト電極と同位置か、又はウエーネルト電
極よりもアノード側に突出していることが有効であるこ
とがわかった。さらに、カソードの先端がウエーネルト
電極よりもアノード側に50μm 以上突出しており、ウ
エーネルト電極の電子線軸付近が、カソード側に窪んだ
形状をしていることが好ましいことがわかった。
【0012】ところで、本発明の電子銃も、空間電荷制
限領域で使用する従来の電子銃と同様に、ウエーネルト
電極にはカソードより低い電圧を印加する。ただし、空
間電荷制限領域でのウエーネルトの役割は輝度を調整又
は最大にすることであったが、それに対して本発明のウ
エーネルトの役割は、下記のようにエミッタンスを調整
すること、又は最大にすることである。このウエーネル
ト電圧を調整することにより、ある程度電流量が変化し
てもエミッタンスを常に一定に保持できる。
【0013】この様子を図6を参照しつつ説明する。図
6において、符号1はカソード、2はウエーネルト電
極、5は個々の電子ビームである。図6aはカソード温
度がT1の状態で、ウエーネルトにV1(<カソード電
圧)の電圧が印加されエミッタンスはE1の状態であっ
たとする。次にカソード温度をT2(T1<T2)に上
げると、電流密度が増えて互いの静電的な反発力も増す
ため、カソード近傍の電子流の様子は図6bのようにな
り、図6aに比べ膨らんだ状態になる。そのため、電子
流の軌道が変わって収差が悪化し、この図6bの状態で
のエミッタンスE2はE1より悪くなる。E1>E2で
ある。しかし、ここウエーネルト電圧をV1より低いV
2に設定すると(V2<V1<カソード電圧)、電子流
はウエーネルトからの反発を受け(6c参照)、その軌
道は図6aに近い状態、図6dになる。カソードから数
mm以上離れてしまえば、電子は光軸方向に十分なエネル
ギーをもち、電子同士の反発力は軌道を大きく変える程
の影響力がなくなる。したがって、図6dでの収差は図
6aとほぼ同じになり、エミッタンスE3も図6aに近
い状態に回復する。E3≒E1である。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の第1の実施例に
係る電子銃の構成と電子ビームの様子を示す図である。
図中において、符号1はカソードであり、2はウエーネ
ルト電極、3は第1アノード、4は第2アノード、5は
電子ビームである。カソード1は断面が円形の棒状であ
る。ウエーネルト電極2は、カソード1の下方に、光軸
(カソード1や電子ビーム5の中心線)の回りに対称に
設けられている。ウエーネルト電極2の中央部には、円
錐形に窪んだ凹部2aが存在する。ウエーネルト電極の
位置とは、ウエーネルト電極2の中央部の最も中心寄り
にとがった部分の高さ方向(図1の上下方向)の位置を
言い、その位置は、カソード1の下端面よりも上方にあ
り、逆に言えば、カソードの先端がウエーネルト電極2
の位置より下方(アノード3側)に突出している。な
お、ウエーネルト電極2の中央部断面の角度θは50〜
75°が適当である。第1アノード3、第2アノード4
共にリング状を有している。この電子銃の加速電圧10
0kVで、カソード径は2mmφである。
【0015】図2は、図1の光軸中心部を、光軸に垂直
な方向を光軸方向に対して25倍に拡大した図である。
第1アノード部に第1のクロスオーバ6ができ、次に第
1のカソード像7、第2のクロスオーバ8ができている
様子がわかる。第2のクロスオーバ8でビーム径が最も
細くなり、差動排気用のアパーチャを入れ易いビーム形
状をしている。
【0016】本実施例の電子銃の特性について説明す
る。図7は、カソードとしてLaB6 を用いた場合にお
ける、本実施例の電子銃の輝度とエミッタンス特性を表
わす。横軸はカソードの絶対温度である。従来の空間電
荷制限領域の電子銃では、輝度を変えるとエミッタンス
も大きく変化してしまった。それに対して、この電子銃
では温度を変化させると、輝度は103 A/cm2・srを中心
に一桁程度の範囲で簡単に変わるが、エミッタンスは常
に1,000μm・mrad以上に保たれている。ただし、ウ
エーネルト電圧は、それぞれの温度でエミッタンスが最
大になるよう調整されている。この例の場合、温度が
1,200Kから1,400Kに変化するに伴い、ウエ
ーネルト電圧はカソード電圧に対し、−22Vから−2
6Vまで変化させている。カソード材としては、LaB
6 以外に、従来からカソードとして用いられているタン
グステン(W)やタンタル(Ta)を用いることができ
る。その場合にもRichardson-Dushman方程式 Jc=A・T2 ・e-x/kT で求まる電流密度、Jcが同じになるような温度Tで動
作させれば、図2とまったく同じ特性が得られるように
なる。この式でkはボルツマン定数を、A、xは物質に
よって定まる定数を表わす。特にxは仕事関数である。
LaB6 の場合はAはほぼ60A/cm2・K2、xはほぼ2.
66eVである。
【0017】図3は、本発明の第2の実施例に係る電子
銃の構成と電子ビームの様子を示す図である。第1アノ
ード3の上面中央部が大きく下に窪み、かつ図1の場合
より高い電圧(6kV)が第1アノードにかけられてい
る。輝度とエミッタンス特性は図2の実施例と同様であ
る。図4は、光軸に垂直な方向を光軸の方向に対して2
5倍に拡大した図である。図3の場合より第1のカソー
ド像7と第2のクロスオーバ8の距離が離れている。こ
の程度カソード像とクロスオーバ像が離れていると、両
者を光学的に分離し易く、この電子銃より下流での照明
光学系の設計が容易になる。
【0018】設計した電子銃のエミッタンスは1,00
0μm・mradを超す程度であるが、これより大きなエミッ
タンスが必要ならばカソード径を大きくし、それに合わ
せて、ウエーネルト、第1アノード形状を設計し直せば
よい。
【0019】本発明の電子銃を温度制限領域で安定に動
作させるためには、以下の問題に注意しなければならな
い。 (1)電子ビームの電流密度がカソード表面の仕事関数
や温度に敏感に反応する。 (2)イオンボンバードによるカソード表面の荒れや、
カソード表面と残留気体との反応化合物等の汚れの付着
にも、電子ビームの電流密度が敏感に反応する。
【0020】これらの問題への対策としては以下があ
る。(1)については、 カソード表面の仕事関数をそろえるために、上述の
とおり、仕事関数の等しい平らな表面のカソードを使用
する。 カソードの温度変動を押さえるためには、空間電荷
制限領域で使用されているヒータ電源より高安定の電源
を使用する。カソードの温度変動は、±1℃程度以下
(望ましくは±0.1℃以下)とすることが好ましい。
【0021】(2)については、 カソード表面へのイオンボンバードや化合物、汚れ
の付着を極力防ぐために、超高真空下で電子銃を動作さ
せる。動作環境の真空度は、10-5Pa以下が好ましい。
より好ましくは、真空度は10-6Pa以下である。 カソードの表面が荒れ、化合物や汚れが付着した場
合には、カソード温度を使用温度より高い状態で維持
し、表面に流動性をもたせて表面荒れを直し、化合物、
汚れを蒸発させる処理を施した後、再び温度を使用温度
にもどす。ここで、カソード温度は、カソードがLaB
6 製の場合使用温度例は1,000℃前後、清浄処理時
温度は1,200〜1,500℃である。以上の対策を
すれば温度制限領域でも電子銃は安定に使用できるよう
になる。
【0022】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、分割転写タイプの露光方式で要求される輝度
及びエミッタンス仕様を満足する電子銃が提供できる。
また、このタイプの電子銃はカソード温度を調整するこ
とにより、エミッタンスを一定に保ったまま輝度を一桁
程度の範囲で簡単に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る電子銃の構成と電
子ビームの様子を示す図である。
【図2】図1の光軸中心部を、光軸に垂直な方向を光軸
方向に対して25倍に拡大したずである。
【図3】本発明の第2の実施例に係る電子銃の構成と電
子ビームの様子を示す図である。
【図4】光軸に垂直な方向を光軸の方向に対して25倍
に拡大した図である。
【図5】平行平板二極管の陽極電圧Vと、陰極放出電流
密度との関係をモデル的に示した図である。
【図6】ウエーネルト電圧によってビーム軌道を制御で
きることを表わす原理図である。
【図7】カソードとしてLaB6 を用いた場合におけ
る、本実施例の電子銃の輝度とエミッタンス特性を表わ
す図である。
【符号の説明】
1 カソード 2 ウエーネルト
電極 3 第1アノード 4 第2アノード 5 電子ビーム 6 第1クロスオ
ーバ 7 カソード像 8 第2クロスオ
ーバ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カソードの先端が、径1mm以上の平らで
    仕事関数のそろった面を有し、 該カソードの先端が、ウエーネルト電極と同位置か、又
    はウエーネルト電極よりもアノード側に突出しており、
    温度制限領域で動作することを特徴とする電子銃。
  2. 【請求項2】 上記カソード先端の面が、表面粗さ50
    μm 以下、仕事関数のバラツキ±0.1%以下であり、
    上記カソードの先端がウエーネルト電極よりもアノード
    側に50μm 以上突出していることを特徴とする請求項
    1記載の電子銃。
  3. 【請求項3】 上記ウエーネルト電極の電子線軸付近
    が、カソード側に窪んだ形状をしていることを特徴とす
    る請求項1又は2記載の電子銃。
  4. 【請求項4】 動作時に電子銃部の真空度が10-5Pa以
    下となるような排気系中において使用されることを特徴
    とする請求項1又は2記載の電子銃。
  5. 【請求項5】 電子銃の使用開始時に、一度使用温度よ
    りも高い温度にカソードを加熱してカソード表面を清浄
    化するカソード温度制御手段を有することを特徴とする
    請求項1又は2記載の電子銃。
JP9031409A 1997-01-31 1997-01-31 電子銃 Pending JPH10223165A (ja)

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JP9031409A JPH10223165A (ja) 1997-01-31 1997-01-31 電子銃

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JP9031409A JPH10223165A (ja) 1997-01-31 1997-01-31 電子銃

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000331632A (ja) * 1999-05-18 2000-11-30 Nikon Corp 電子銃、電子線露光転写装置及び半導体デバイスの製造方法
JP2009026653A (ja) * 2007-07-20 2009-02-05 Mitsubishi Electric Corp X線発生装置

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JP2000331632A (ja) * 1999-05-18 2000-11-30 Nikon Corp 電子銃、電子線露光転写装置及び半導体デバイスの製造方法
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