JP2000331429A - ドライブ装置 - Google Patents

ドライブ装置

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JP2000331429A
JP2000331429A JP11134421A JP13442199A JP2000331429A JP 2000331429 A JP2000331429 A JP 2000331429A JP 11134421 A JP11134421 A JP 11134421A JP 13442199 A JP13442199 A JP 13442199A JP 2000331429 A JP2000331429 A JP 2000331429A
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Shigeo Yamaguchi
茂男 山口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 あり得ない符号間隔の発生を検出し、再生信
頼性を向上させる。 【解決手段】 ビタビ復号処理で用いる振幅基準値の更
新状況から、RLL符号における最大符号間隔を越える
符号間隔を検出できるようにし、あり得ない符号間隔が
得られた場合にそれを認識して適切に対応できるように
する。例えばその場合はデコードエラーとして即座に再
生リトライを行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は記録媒体に対してデ
ータの記録再生を行うことのできるドライブ装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】光ディスク、光磁気ディスク等の記録媒
体に対して記録再生動作を行うドライブ装置では、例え
ばセクター(セクターとは記録媒体上のデータ単位)毎
にデータの記録や再生を行っていく。例えばホストコン
ピュータ等の機器から記録動作の指示があった場合は、
ドライブ装置は供給されたデータを所定のセクター(1
又は複数のセクター)に記録していく。また、ホストコ
ンピュータから或るセクターの読出指令があることに応
じて、そのセクターにアクセスし、データ再生処理を行
い、再生されたデータをホストコンピュータに転送する
動作を行う。
【0003】また、このようなドライブ装置の再生系と
しては、近年、ビタビ復号方式を採用しているものがあ
る。ビタビ復号については詳しくは後述するが、このビ
タビ復号が採用された再生系は、いわゆるビットバイビ
ット復号法等に比べて非常にリード能力が高いものとな
り、ドライブ装置としての再生能力が向上されたものと
なっている。また、ビタビ復号法では振幅基準値(後
述)を用いて復号を行うものであるが、この振幅基準値
を再生信号に適応化更新させていくことで、さらにリー
ド能力を向上させることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、RLL符号
(ランレングスリミテッドコード)として例えばRLL
(1,7)などでエンコードされた記録データでは、そ
の符号間隔は2T〜8Tとなる。一般化していえば、R
LL(m,n)の場合、最小符号間隔はm+1、最大符
号間隔はn+1となる。つまりディスクに記録されるデ
ータ列としてのマーク長(「1」期間)やスペース長
(「0」期間)としての符号間隔は、(m+1)T〜
(n+1)Tに限られる。なお、符号間隔とは、「0」
もしくは「1」の符号において、「1」と「1」の間隔
をいう。
【0005】通常、ビタビ復号器においては最小符号間
隔のみが考慮されているため、このようなRLL符号に
よるデータをビタビ復号方式を用いてデコードする場合
は、最大符号間隔を越える符号間隔となるデコード結果
が出力されたとしても、それが誤っていると判断できな
いという問題があった。つまり、例えばRLL(1,
7)の場合は、「9T」という符号間隔は存在しないも
のであるが、ビタビ復号器では、例え「9T」という復
号結果が得られたとしても、それを復号エラーと判断で
きないものとなっている。そして、場合によっては、そ
のような9T以上の誤ったパターンにより適切なエラー
訂正が不能となったり、誤った再生データを出力してし
まうことになり、これによって再生動作の信頼性が欠如
してしまう。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような事情
に応じて、RLL符号において最大符号間隔を越える符
号間隔を検出できるようにし、そのような場合に適切に
対応処理が実行されるようにすることを目的とする。
【0007】このためドライブ装置として、ヘッド手段
により読み出されたデータ信号に対して、適応化更新さ
れる振幅基準値を用いたビタビ復号処理を含む再生処理
を行い、再生データを得るデコード手段と、ビタビ復号
処理で用いる振幅基準値の更新状況から、ランレングス
リミテッド符号における最大符号間隔を越える符号間隔
を検出する検出手段と、検出手段の検出出力に応じて所
要の処理を行う制御手段とを備えるようにする。振幅基
準値の更新は、再生RF信号に対応して実行されるもの
であるため、その更新状況を監視することで、符号間隔
を検出できる。例えば、所定の振幅基準値の連続更新回
数をカウントすることや、振幅基準値から得られる立ち
上がりタイミングから立ち下がりタイミングまでの期
間、又は立ち下がりタイミングから立ち上がりタイミン
グまでの期間の間隔をカウントすることで検出できる。
また、制御手段は、検出手段により、前記最大符号間隔
を越える符号間隔が検出された場合は、再生動作のリト
ライを実行させる処理を行うようにする。これにより、
あり得ないデータパターンによる誤再生処理を避ける。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明するが、実施の形態の理解を容易とするために、
下記順序のように、まずビタビ復号方法を行う再生系を
有するディスクドライブ装置の構成、ビタビ復号方法等
について説明し、その後、実施の形態としてのディスク
ドライブ装置の構成及び動作を説明していく。 1.ビタビ復号方法を行う再生系を有するディスクドラ
イブ装置の説明 1−1 装置構成の概要 1−2 ビタビ復号方法 1−3 ビタビ復号器 2.実施の形態のディスクドライブ装置 2−1 ディスクドライブ装置の構成 2−2 RAAの構成 2−3 振幅基準値から得られる各種評価値 2−4 UCMの構成 2−5 UCM出力に基づく処理 2−6 LMDの構成 2−7 LMD出力に基づく処理
【0009】1.ビタビ復号方法を行う再生系を有する
ディスクドライブ装置の説明 1−1 装置構成の概要 まず、ビタビ復号方法を行う再生系を有する典型的なデ
ィスクドライブ装置(記録/再生装置)の一例について
説明する。図1は、光磁気ディスク又は光ディスクに対
して、ビタビ復号方法を行う再生系を有するディスクド
ライブ装置の一例の構成を示すブロック図である。但し
この図ではサーボ系等は省略してある。
【0010】記録時には、コントローラ2がホストコン
ピュータ1の指令に従って、記録すべきユーザデータを
受取リ、情報語としてのユーザデータに基づいてエンコ
ードを行って、符号語としてのRLL(1,7)符号を
生成する。この符号語が記録データとしてレーザパワー
コントロール部(以下、LPCと表記する)4に供給さ
れる。コントローラ2は、このような処理の他に、後述
する復号化処理、および記録、再生、消去等の各モード
の制御、並びにホストコンピュータ1との交信等の動作
を行う。なお、RLL符号(ランレングスリミテッドコ
ード)としてRLL(1,7)でエンコードされた記録
データでは、その符号間隔は2T〜8Tとなる。
【0011】LPC4は、再生時、記録時、消去時のそ
れぞれにおいて光ピックアップ7からのレーザ出力を実
行させるようにレーザ駆動信号(ドライブパルス)を発
生させる。このドライブパルスはAPC(Auto Power C
ontrol)及びドライブ部(以下APC)10に供給さ
れ、このAPC10によってドライブパルスに応じた電
流がレーザダイオードに印加されることで、光ピックア
ップ7内のレーザダイオードからのレーザ出力が行われ
る。またAPC10は、レーザレベルを所定値に保つよ
うにフィードバック制御を行っている。
【0012】このようにLPC4、APC10が、供給
された記録データに対応して、光ピックアップ7のレー
ザパワーを制御して、スピンドルモータ9により回転さ
れているディスク6上にピット列を形成することによ
り、記録が行なわれる。例えば書換可能型光磁気ディス
ク(MOディスク)に対応するドライブ装置の場合は、
ディスク6上に磁気極性を有するピット列を形成するこ
とになる。この場合、磁気へッド5がディスク6にバイ
アス磁界を付与する。また、追記型ディスク(WORM
ディスク)であって、いわゆるアブラティブタイプ(穴
開け型)のディスクに対応するドライブ装置の場合は、
レーザ光によりエンボスピット列が形成される。また追
記型ディスク(WORMディスク)であって、いわゆる
合金タイプのディスクに対応するドライブ装置の場合
は、レーザ光によりディスク記録面の反射率変化を生じ
させることによるピット列が形成される。さらに相変化
方式のディスクに対応するドライブ装置の場合は、レー
ザ光により相変化ピット列が形成される。
【0013】なおピット列としては、記録データに基づ
いて後述するように生成されるプリコード出力に従っ
て、後述するようなマークエッジ記録が行われる。形成
される各ピットを、記録データに基づいて後述するよう
にして生成されるプリコード出力中の各ピットに対応さ
せる方法について、図2を参照して説明する。プリコー
ド出力中の、例えば’1’に対してピットを形成し、’
0’に対してピットを形成しない記録方法をマーク位置
記録方法と称する。一方、各ピットのエッジによって表
現される、プリコード出力中の各ピットの境界における
極性の反転を、例えば’1’に対応させる記録方法をマ
ークエッジ記録方法と称する。再生時には、再生信号中
の各ピットの境界は、後述するようにして生成されるリ
ードクロックDCKに従って認識される。
【0014】図1の再生系の構成および動作は次のよう
になる。光ピックアップ7は、スピンドルモータ9によ
って回転されているディスク6にレーザ光を照射し、そ
れによって生じる反射光を受光して、反射光情報を生成
する。なお詳述は避けるが、反射光情報としては、再生
データに相当する再生RF信号以外に、フォーカスエラ
ー信号ならびにトラッキングエラー信号などがある。ま
た再生RF信号としても、例えば光磁気ディスクなど、
ディスク上のセクタフォーマットにおいて、エンボスピ
ットが形成される部分と、光磁気的にピット列が記録さ
れる部分が存在する場合は、いわゆる和信号、差信号の
2種類があり、セクター内のエリアに応じて切り換え処
理される。
【0015】RF信号は、アンプ8によってゲイン調整
等がなされた後にフィルタ部11に供給される。フィル
タ部11は、ノイズカットを行うローパスフィルタおよ
び波形等化を行う波形等化器から構成される。後述する
ように、この際の波形等化処理において用いられる波形
等化特性は、ビタビ復号器13が行うビタビ復号方法に
適合するものとされる。フィルタ部11の出力が供給さ
れるA/D変換器12は、後述するようにして供給され
るリードクロックDCKに従って再生信号値z[k]を
サンプリングする。
【0016】ビタビ復号器13は、再生信号値z[k]
に基づいて、ビタビ復号方法によって復号データを生成
する。かかる復号データは、上述したようにして記録さ
れる記録データに対する最尤復号系列である。従って、
復号エラーが無い場合には、復号データは、記録データ
と一致する。このビタビ復号器13には、ブランチメト
リックブロック(BMC)132、アッドコンペアセレ
クトブロック(ACS)133、ステータスメモリユニ
ット(SMU)134、マージブロック135が設けら
れる。これらについては後述する。また、ビタビ復号器
13には、シフトレジスタ131、振幅基準値適応化部
(RAA)136も設けられる。そしてA/D変換器1
2の出力はシフトレジスタ15にも供給され、このシフ
トレジスタ131によって所定の遅延時間が与えられた
後に振幅基準値適応化部(RAA)136に供給され
る。これらの動作についても後述する。
【0017】ビタビ復号器13によって得られる復号デ
ータは、コントローラ2に供給される。上述したよう
に、記録データは、ユーザデータからチャンネル符号化
等の符号化によって生成された符号語である。従って、
復号エラーレートが充分低ければ、復号データは、符号
語としての記録データとみなすことができる。コントロ
―ラ2は、復号データに、上述のチャンネル符号化等の
符号化に対応する復号化処理を施すことにより、ユーザ
データ等を再生する。
【0018】また、フィルタ部11の出力は、PLL部
14にも供給される。PLL部14は、供給された信号
に基づいて、リードクロックDCKを生成する。このP
LL部14は、例えば光磁気ディスク6中に記録される
一定周波数の信号を利用して位相エラーを検出する構成
とされている。リードクロックDCKは、コントローラ
2、A/D変換器12、ビタビ復号器13等に供給され
る。コントローラ2、A/D変換器12、ビタビ復号器
13の動作は、リードクロックDCKに従うタイミング
でなされる。
【0019】1−2 ビタビ復号方法 以下、ビタビ復号器13によって行われるビタビ復号方
法について説明する。上述したように、ユーザデータ
は、様々な符号化方法によって記録データとしての符号
語に変換される。符号化方法は、記録媒体の性質および
記録/再生方法等に応じて適切なものが採用される。図
1に示したディスクドライブ装置においては、ブロック
符号化において、”1”と”1”の間の”0”の数を制
限するRLL(Run Length Limited)符号化方法が用い
られている。このようなRLL符号化方法と、上述した
マークエッジ記録方法との組合わせによって記録された
テータから再生される再生信号を復号するために、ビタ
ビ復号方法を用いることができる。
【0020】このようなRLL符号化方法は、記録密度
の向上、および再生動作の安定性の確保という2つの観
点から、符号化方法に要求される条件に対応できるもの
である。まず、上述したように、マークエッジ記録方法
は、記録データに基づいて後述するように生成されるプ
リコード出力における”1”を各ピットのエッジによっ
て表現される極性の反転に対応させるものなので、”
1”と”1”の間の”0”の数を多くする程、各ピット
l個当たりに記録されるピット数を多くすることができ
る。したがって、記録密度を大きくすることができる。
【0021】一方、再生系の動作タイミングを合わせる
ために必要な再生クロックDCKは、上述したように、
再生信号に基づいてPLL部14によって生成される。
このため、記録データにおいて”1”と”1”の間の”
0”の数を多くすると、再生動作の際にPLL部14の
動作が不安定となるので、再生動作全体が不安定なもの
となる。
【0022】これら2つの条件を考慮すると、”1”
と”1”の間の”0”の数は、多過ぎたり、少な過ぎた
りしない、適切な範囲内に設定される必要がある。この
ような、記録データ中の”0”の数の設定に関して、R
LL符号化方法が有効となる。
【0023】ところで、図3に示すように、上述したR
LL(1,7)符号化方法とマークエッジ記録方法の組み
合わせにおいては、記録データに基づいて生成されるプ
リコード出力中の”1”と”1”の間に最低1個の”
0”が含まれるので、最小反転幅(RLmin)が2とな
る。このような、最小反転幅が2となる符号化方法が用
いられる場合に、符号間干渉およびノイズ等の影響を受
けている再生信号から記録データを復号する方法とし
て、後述するように、4値4状態(6値4状態)ビタビ
復号方法を適用することができる。
【0024】上述したように、再生信号には、フィルタ
部11によって波形等化処理が施される。ビタビ復号方
法の前段として行われるこのような波形等化処理には、
符号間干渉を積極的に利用するパーシャルレスポンス方
法が用いられる。この際に用いられる波形等化特性は、
一般に(1+D)nで表されるパーシャルレスポンス特
性の内から、記録/再生系の線記録密度およびMTF(M
odulation Transfer Function)を考慮して決められる。
上述したRLL(1,7)符号化方法とマークエッジ記録
方法の組み合わせによって記録されたデータに対して、
PR(1,2,1)を用いる波形等化処理は、4値4状態
ビタビ復号方法の前段となる。
【0025】図3のように、マークエッジ記録方法にお
いては、光磁気ディスク等に対する実際の記録に先立っ
て、上述のRLL符号化等によって符号化された記録デ
ータに基づくプリコードが行われる。各時点kにおける
記録データ列をa[k]、これに基づくプリコード出方を
b[k]とすると、プリコードは、以下のように行われ
る。 b[k]=mod2{a[k]+b[k−1]}・・・(1) このようなプリコード出力b[k]が実際にディスク6に
記録される。
【0026】このような記録データの再生時にフィルタ
部11中の波形等化器によってなされる波形等化特性P
R(1,2,1)での波形等化処理について説明する。但
し、以下の説明においては、信号の振幅を規格化せず
に、波形等化特性をPR(B,2A,B)とする。ま
た、ノイズを考慮しない場合の再生信号の値をc[k]と
表記する。さらに、ノイズを含む実際の再生信号(すな
わち、ディスク6から再生された再生信号)をz[k]と
表記する。
【0027】PR(B,2A,B)は、ある時点kにお
ける再生信号の値に対して、時点kにおける振幅の寄与
が振幅値の2A倍とされ、さらに前後の時点k−1およ
びk+1における振幅の寄与が各々の時点での信号の振
幅のB倍とされるものである。したがって、再生信号の
値の最大値は、時点k−l、k、k+1において何れも
パルスが検出される場合である。このような場合には、
再生信号の値の最大値は、以下のようになる。
【0028】B+2A+B=2A+2B また、再生信号の値の最少値は0となる。但し、実際の
取り扱いにおいては、c[k]として、DC成分のA+B
を差し引いた以下のようなものが用いられる。 c[k]=B×b(k−2)+2A×b(k−1)+B×b[k]−A−B・・・(2)
【0029】したがって、ノイズを考慮しない場合の再
生信号c[k]は、A+B,A,−A,−A−Bの内の何
れかの値をとることになる。一般に、再生信号の性質を
示す方法のひとつとして、例えば5個の時点を単位とし
て、再生信号を多数重ね合わせたものをアイパターンと
称する。この発明を適用することができる記録再生装置
において、PR(B,2A,B)の下で波形等化処理され
た実際の再生信号z[k]についてのアイパターンの一例
を図4に示す。図4から各時点における再生信号z[k]
の値は、ノイズによるばらつきを有するが、ほぼ、A+
B,A,−A,−A−Bの内の何れかになることが確認
できる。後述するように、A+B,A,−A,−A−B
の値は、識別点として用いられる。
【0030】上述したような波形等化処理が施された再
生信号を復号するビタビ復号方法の概略は、ステップ
乃至ステップに示すようにされる。 ステップ・・・・符号化方法および記録媒体に対す記
録方法に基づいて、生じ得る全ての状態を特定する。 ステップ・・・ある時点における各状態を起点とし
て、次の時点において生じ得る全ての状態遷移と、各状
態遷移が生じるときの記録データa[k]および再生信号
の値c[k]を特定する。 なお、ステップおよびの結果として特定された全て
の状態および状態遷移と、各状態遷移が生じるときの
{記録データの値a[k]/再生信号の値c[k]}を模式
的に示すと後で説明する図6に示すような状態遷移図と
なる。そして、この状態遷移図に基づく復号動作を行う
ように、ビタビ複号器13が構成される。
【0031】ステップ・・・ステップ、に示す状
態遷移を前提として、記録媒体から各時点kにおいて再
生される再生信号z[k]に基づく最尤な状態遷移が選択
される。但し、上述したように、再生信号z[k]は、ビ
タビ復号器13に供給される前段において波形等化され
たものである。このような最尤な状態遷移の選択が行わ
れる毎に、選択された状態遷移に対応して、記録データ
a[k]の値を復号値とすることによって、記録データに
対する最尤復号値系列としての復号データa’[k]を得
ることができる。もしくは選択された状態遷移そのもの
を表現する状態データ値を得ることができる。図1の例
では、SMU134によって状態データ値sm[k+
n]の系列の状態データを得るようにしている。
【0032】以下、上述のステップ〜について説明
する。まずステップについて詳しく説明する。ここで
用いられる状態として、ある時点kにおける状態を、時
点kおよびそれ以前のプリコード出力を用いて次のよう
に定義する。すなわち、n=b[k]、m=b[k−1]、
l=b[k−2]のときの状態をSnmlと定義する。こ
のような定義によって、23=8個の状態があると考え
られるが、上述したように、実際に生じ得る状態は、符
号化方法等に基づいて制限される。RLL(1,7)符号
として符号化された記録データ列a[k]においては、”
1”と”1”の間に最低1個の”0”が含まれるので、
2個以上の”1”が連続することがない。記録データ列
a[k]に課されるこのような条件に基づいてプリコード
出力b[k]について一定の条件が課され、その結果とし
て生じ得る状態に制限が加えられる。
【0033】このような制限について具体的には次のよ
うになる。上述したようにRLL(1,7)符号化によっ
て生成される記録データ列中に、2個以上の”1”が連
続するもの、すなわち以下のパターンはあり得ない。 a[k]=1,a[k−1]=1,a[k−2]=1 ・・・ (3) a[k]=1,a[k−1]=1,a[k−2]=0 ・・・ (4) a[k]=0,a[k−1]=1,a[k−2]=1 ・・・ (5) 記録データ列に課されるこのような条件に基づいて、上
述の(1)式にしたがってb[k]について課される条件に
ついて検討すると、上記Snmlの定義において、S0
10およびS101の2個の状態は生じ得ないことがわ
かる。したがって、生じ得る状態は、23−2=6個で
ある。
【0034】次に、ステップについて説明する。ある
時点jにおける状態を起点として、次の時点j+1にお
いて生じ得る状態を求めるためには、時点j+1におけ
る記録データの値a[j+1]が1となる場合、または0
となる場合に分けて調べる必要がある。
【0035】ここでは、状態S000を例として説明す
る。上述の(1)式にしたがって、S000すなわちn=
b[j]=0,m=b[j−1]=0,l=b[j−2]=0
とプリコードされる記録データとしては、以下の2個が
考えられる。 a[j]=0、a[j−1]=0、a[j−2]=1・・・(6) a[j]=0、a[j−1]=0、a[j−2]=0・・・(7)
【0036】・・・a[j+1]=1のとき このとき、(1)式にしたがって、b[j+1]は、以下の
ように計算される。 したがって、再生信号c[j]の値は、上述の(2)式にし
たがって、次のように計算される。
【0037】 c[j+1]={B×b[j+1]+2A×b[j]+B×b[j−1]−A−B ={B×1+2A×0+B×0}−A−B =−A ・・・(9)
【0038】また、次の時点[j+1]での状態Snml
については、n=b[j+1],m=b[j],l=b[j
−1]である。そして、上述したようにb[j+1]=
1,b[j]=0,b[j−1]=0となるので、次の時
点、j+1における状態は、S100である。したがっ
て、a[j+1]=1の場合には、S000→S100と
いう遷移が生じることが特定できる。
【0039】・・・ a[j+1]=0のとき このとき、(1)式にしたがって、b[j+1]は、以下の
ように計算される。 したがって、再生信号c[j+1]の値は、上述の(2)式
にしたがって、次のように計算される。
【0040】 c[j+1]={B×b[j+1]+2A×bj]+B×b[j−1]}−A−B ={B×0+2A×0+B×0}−A−B =−A−B ・・・(11)
【0041】また、次の時点j+1における状態Snm
lについては、n=b[j+1],m=b[j],l=b
[j−1]である。そして、上述したようにb[j+1]=
0,b[j]=0,b[j−1]=0となるので、次の時点
における状態は、S000である。したがって、a[j
+1]=0の場合には、S000→S000という遷移
が生じることが特定できる。
【0042】このようにして、時点jにおけるS000
以外の各状態についても、それらを起点として次の時点
j+1において生じ得る状態遷移と、そのような各状態
遷移が生じるときの記録テータ値a[j+1]および再生
信号値c[j+1]との対応を求めることができる。
【0043】上述したようにして、各状態について、そ
れらを起点として生じ得る状態遷移と、各状態遷移が生
じるときの記録データの値および再生信号の値との対応
を求め、模式図として示したのが図5である。上述の時
点jおよびj+1は、特別の時点ではない。したがっ
て、上述したようにして求まる、生じ得る状態遷移とそ
れらに伴う記録データの値および再生信号の値との対応
は、任意の時点において適用することができる。このた
め図5においては、任意の時点kにおいて生じる状態遷
移に伴う記録データの値をa[k]と表記し、再生信号の
値をc[k]と表記する。
【0044】図5において状態遷移は矢印によって表さ
れる。また、各矢印に付した符号が{記録データ値a
[k]/再生信号値c[k]}を示している。状態S00
0,S001,S111およびS110を起点とする状
態遷移は、2通りあるのに対して、状態S011および
S100を起点として生じ得る遷移は1通りのみであ
る。さらに、図5においてS000とS001は、何れ
もa[k]=1に対しては、c[k]=−Aという値を取
り、S100に遷移している。一方、a[k]=0に対し
ては、c[k]=−A−Bという値を取りS000に遷移
している。また、S111とS110も同様に、同じa
[k+1]の値について同じc[k+1]の値を取り、且
つ、同じ状態に遷移している。したがって、S000と
S001をまとめてS00と表現し、S111とS11
0をまとめてS11と表現することができる。さらに、
S011をS10とし、S100をS01と表現するこ
とにして、整理したものが図6である。
【0045】図6が4値4状態ビタビ復号方法に用いら
れる状態遷移図である。例えば4値4状態ビタビ復号方
法等の4個の状熊を有する場合には、かかる4個の状態
を2ビットで表現できるので、このような2ビットのデ
ータを状態データ値として用いることができる。そこ
で、図6においては、それぞれ2ビットの状態データ
値、00,01,11,10を用いて、各状態をS0
0,S01,S11,S10と表記することにしてい
る。
【0046】また図6に対応して、状態遷移を時間に沿
って表現する形式として、図7に示すようなトレリス線
図が用いられる。図7では、2個の時点間の遷移を示し
ているが、さらに多数の時点間の遷移を示すこともでき
る。時間経過に伴い、順次右の時点に遷移していく様子
が表現される。したがって、水平な矢印は、例えばS0
0→S00等の同じ状態への遷移を表し、斜めの矢印
は、例えばS01→S11等の異なる状態への遷移を表
すことになる。
【0047】上述したビタビ復号方法のステップ、す
なわち図6に示した状態遷移図を前提として、ノイズを
含む実際の再生信号z[k]から最尤な状態遷移を選択
する方法は次のようになる。
【0048】最尤な状態遷移を選択するためには、ま
ず、ある時点kにおける状態について、その状態に至る
過程において経由してきた複数時点間の状態遷移の尤度
の和を計算し、さらに、計算された尤度の和を比較し
て、最尤の復号系列を選択することが必要である。この
ような尤度の和をパスメトリックと称する。
【0049】パスメトリックを計算するためには、ま
ず、隣接する時点間の状態遷移の尤度を計算することが
必要となる。このような尤度の計算は、上述の状態遷移
図を参照して、再生信号z[k]の値に基づいて以下の
ようになされる。まず、一般的な説明として、時点k−
1において、状態Saである場合について考える。この
時、ビタビ復号器13に再生信号z[k]が入力された
場合に、状態Sbへの状態遷移が生じる尤度が次式に従
って計算される。但し、状態Saおよび状態Sbは、図
7の状態遷移図に記載されている4個の状態の何れかと
する。
【0050】 (z[k]−c(Sa,Sb))2 ・・・(12) 上式において、c(Sa,Sb)は、状態Saから状態
Sbへの状態遷移について、図6の状態遷移図に記載さ
れている再生信号の値である。すなわち、上述の図7に
おいて、例えば状態遷移S0→S1について、−Aと算
出されている値である。従って、式(12)は、ノイズ
を含む実際の再生信号z[k]の値と、ノイズを考慮せ
ずに計算された再生信号c(Sa,Sb)の値の間のユ
ークリッド距離となる。ある時点におけるパスメトリッ
クは、その時点に至るまでのこのような隣接時点間の状
態遷移の尤度の総和として定義される。
【0051】1−3 ビタビ復号器 ビタビ復号器13では、BMC132、ACS133、
SMU134によって以上のような状態遷移に応じた状
態データを検出していき、その状態データに対してマー
ジブロック135が復号を行うことで、コントローラ2
に復号データを供給できることになる。このビタビ復号
器13の構成及び動作を説明していく。
【0052】なお、以下の説明においては、波形等化特
性として、上述のPR(B,2A,B)の代わりに、P
R(α,β,γ)を前提とする。このような前提は、実
際のディスクドライブ装置においては、理想通りのパー
シャルレスポンス特性を得ることが難しく、波形等化特
性が非対称なものとなることが多いことを考慮したもの
である。理想通りのパーシャルレスポンス特性を得るこ
とが難しい原因としては、波形等化器の動作精度の限
界、記録時のレーザパワーが過大または過小であること
に起因するアシンメトリー(波形の非対称性)および再
生信号からA/D変換器12によるサンプリングを行う
際に用いられるリードクロックの位相誤差等がある。
【0053】4値4状態ビタビ復号方法の場合では、記
録時にRLL(1,7)符号化等のRLmin=2とな
る符号化を行い、且つ、再生時のパーシャルレスポンス
特性がPR(α,β,γ)である場合には、6値4状態
となることがわかる。すなわち、RLmin=2という
条件によって除かれる2個の状態以外の23−2=6個
の{b〔j−1〕,b〔j〕,b〔j+1〕}の組の各
々について、識別点の値すなわちノイズが無い理想的な
場合における波形等化後の再生信号値c〔j+1〕が異
なる値をとる。(理想的には4値であるが、実際には次
に述べるc011とc110、及びc100とc001
が一致しないため、6値となる。)
【0054】このような6個の識別点の値をcpqrと
表記する。ここでp,q,rは、それぞれb〔j−
1〕,b〔j〕,b〔j+1〕を表現している。図6に
は、各状態S00,S01,S11,S10の遷移にか
かる識別点の値cpqrを付記している。即ちc00
0、c001、c011、c111、c110、c10
0である。なお、RLmin=2であるため、c010
およびc101は無い。以下の説明は、図6の状態遷移
図に従う6値4状態を前提として行う。
【0055】また、図6中の6個の状態遷移に対応して
計算されるブランチメトリックを以下のように表記す
る。まず、遷移前の状態と遷移後の状熊を表記するそれ
ぞれ2ビットの状態データ値を書き並べて4個の数字の
列とする。次に、中央寄りの2個の(すなわち2番目と
3番目の)数字を1個の数字とすることによって、3個
の数字の列として、1リードクロックの間に生じ得るブ
ランチメトリックを表記する。例えば状態遷移S11→
S10に伴うブランチメトリックは、bm110と表記
される。このようにして、図6中の6種類の状態遷移に
対応するブランチメトリックを、図7に示すように表記
できる。
【0056】さらに、リードクロックに従って動作する
A/D変換器12によってサンプリングされる実際の再
生信号値z〔k〕と各識別点の値のユークリッド距離と
して定義されるブランチメトリックは、以下のように計
算される。
【0057】 bm000=(z〔k〕−c000)2 ・・・(13) bm001=(z〔k〕−c001)2 ・・・(14) bm011=(z〔k〕−c011)2 ・・・(15) bm111=(z〔k〕−c111)2 ・・・(16) bm110=(z〔k〕−c110)2 ・・・(17) bm100=(z〔k〕−c100)2 ・・・(18) ブランチメトリックをこのように計算する場合には、各
識別点の値がそのまま振幅基準値とされる。なお2乗計
算を避ける等の目的で規格化パスメトリックを用いる場
合には、規格化パスメトリックに対応するブランチメト
リックは、式(13)〜(18)に従うものとは異な
る。このような場合には、振幅基準値として各識別点の
値をそのまま用いることはできないが、この発明を適用
することは可能である。
【0058】このようなブランチメトリックの値を用い
て、時点kにおける状態Sijのパスメトリックmij
〔k〕が以下のように計算される。 m10〔k〕=m11〔k−1〕+bm110 ・・・(19) m11〔k〕=min{m11〔k−1〕+bm111, m01〔k−1〕+bm011} ・・・(20) m01〔k〕=m00〔k−1〕+bm001 ・・・(21) m00〔k〕=min{m00〔k−1〕+bm000, m10〔k−1〕+bm100} ・・・(22)
【0059】図1に示したように、A/D変換器12の
出力はビタビ復号器13において、BMC132とシフ
トレジスタ131に供給される。ビタビ復号器13は、
A/D変換器12から供給される再生信号値z[k]に
基づいて、BMC132、ACS133、SMU134
の動作で最尤な状態遷移を選択し、選択される状態遷移
そのものを表現する状態データsm[k+n]を生成す
る。そして状態データに基づいてマージブロック135
で復号データを生成し、コントローラ2に供給する。コ
ントローラ2は、上述した光磁気ディスク装置の一例と
同様に、供給される復号データに基づく復号化処理を行
い、ユーザデータおよびアドレスデータ等を再生する。
【0060】また、SMU134からの状態データは振
幅基準値適応化部(RAA)136にも供給される。さ
らにシフトレジスタ131は、A/D変換器12から供
給される再生信号値z[k]を所定時間遅延させてRA
A136に供給する。この遅延は、ビタビ復号器13に
よって生成される状態データが、再生信号値z[k]に
対してnリードクロックの遅延を有することにタイミン
グを合わせるために行われるものである。なお従って、
ビタビ復号器13内のSMU134が生成する状態デー
タ値を、この遅延時間のため、sm[k+n]と表記す
る。
【0061】RAA136は、各時点において供給され
る状態データ値sm[k+n]及びシフトレジスタ13
1でnクロック分遅延させられた再生信号値z[k]に
基づいて、振幅基準値をリードクロック毎に更新する。
そして更新された振幅基準値をビタビ復号器13内のB
MC132に供給する。
【0062】ここで、ビタビ復号器13内の各ブロック
について説明していく。ビタビ復号器13内の各ブロッ
ク、即ちBMC132,ACS133、SMU134、
マージブロック135、シフトレジスタ131、RAA
136は、PLL部14からリードクロックDCK(以
下、単にクロックともいう)が供給され、動作タイミン
グが合わされる。
【0063】BMC132は、再生信号値z[k]に基
づいて、RAA16から供給される振幅基準値のもと
で、上記式(13)〜式(18)に従ってブランチメト
リックbm000〜bm111を計算し、計算したブラ
ンチメトリックをACS133に供給する。
【0064】ACS133は、供給されるブランチメト
リックの値に基づいて、式(19)〜式(22)に従っ
てパスメトリックの値を計算し、計算値を比較すること
によって最尤な状態遷移を選択する。そして選択信号S
EL00及びSEL11をSMU134に供給する。
【0065】SMU134について図8を参照して説明
する。SMU134は、2ビットの状態データ値を単位
とする処理を行ない、その処理によって、状態データ値
sm[k+n]の系列としての状態データが生成され
る。
【0066】図8に示すように、SMU134は、2個
のA型ステータスメモリ150、151、並びに2個の
B型ステータスメモリ152、153を有している。さ
らにセレクト信号SEL00、SEL11、クロック、
並びに他のステータスメモリとの状態データの受渡し等
のための信号線が接続されて構成される。A型ステータ
スメモリ150と151は、それぞれ、状態S00とS
11に対応する。また、B型ステータスメモリ152と
153は、それぞれ状態S01とS10に対応する。こ
れら4個のステータスメモリ相互の接続は、図6の状態
遷移図に従うものとされる。
【0067】図9に、状態S00に対応するA型ステー
タスメモリ150の構成を示す。A型ステータスメモリ
150は、n個の処理段を有する。すなわち、n個のセ
レクタ201-0・・・201-(n-1)と、n個のレジスタ
202-0・・・202-(n-1)とが交互に接続されてい
る。各セレクタ201-0〜201-(n-1)には、セレクト
信号SEL00が供給される。さらに、各セレクタに
は、上述したように、S10に対応するB型ステータス
メモリ153から継承する状態データがnビットからな
るPM3として供給される。また、各レジスタには、上
述したように、S01に対応するB型ステータスメモリ
152に継承される状態データがn−1個の状態データ
値からなるPM0として出力される。また、各レジスタ
202-0〜202-(n-1)には、クロックが供給される。
【0068】各セレクタの動作について説明する。図6
に示すように、S00にて遷移し得る1クロック前の状
態は、S00およびS10の何れかである。1クロック
前の状態がS00である時は、自身を継承する遷移がな
されることになる。このため、1段目のセレクタ201
-0には、シリアルシフトによって生成される状態データ
中の最新の状態データ値として、’00’が入力され
る。セレクタ201-0には、パラレルロ―ドとして、B
型ステータスメモリ153から供給される状態データ中
の最新の状態データ値PM3[1]が供給される。セレ
クタ201-0は、上述の選択信号SEL00に従って、
これら2個の状態データ値の内の1個を後段のレジスタ
202-0に供給する。
【0069】また、2段目以降の各セレクタ201-1〜
201-(n-1)は、2個のデータすなわち、パラレルロー
ドとしてS10に対応するB型ステータスメモリ153
から供給される1個の状態データ値と、シリアルシフト
として前段のレジスタから供給される1個の状態データ
値とを受取る。そして、これら2個の状態データの内か
ら、選択信号SEL00に従って、最尤なものと判断さ
れた状態データ値を後段のレジスタに供給する。セレク
タ201-0〜201-(n-1)が全て同一の選択信号SEL
00に従うので、ACS133が選択する最尤な状態デ
ータ値の系列としての状態データが継承される。
【0070】さらに、各レジスタ202-0〜202-(n-
1)は、上述したように供給される状態データ値をクロッ
クに従って取込むことによって、保持している状態デー
タ値を更新する。また、上述したように、各レジスタの
出力は、1クロック後に遷移し得る状態に対応するステ
ータスメモリに供給される。すなわち、S00自身に遷
移し得るので、シリアルシフトとして後段のセレクタに
供給される。また、パラレルロードとして、S01に対
応するB型ステータスメモリ152に対して供給され
る。最終段のレジスタ202-(n-1)から、状態データ値
VM00が出力される。状態データ値VM00がクロッ
クに従って出力されることにより、全体として状態デー
タが生成される。
【0071】状態S11に対応するA型ステータスメモ
リ151は、A型ステータスメモリ150と同様に構成
される。但し、図6中の状態遷移S01→S11に対応
するパラレルロードとして、S01に対応するB型ステ
ータスメモリ152から状態データPM1を供給され
る。また、図6中の状態遷移S11→S10に対応する
パラレルロードとして、S10に対応するB型ステータ
スメモリ153に状態データPM2を供給する。
【0072】次に図10を参照して、状態S01に対応
するB型ステータスメモリ152について説明する。B
型ステータスメモリは、図6において自身を継承せず、
且つ、1クロック後に遷移し得る状態が1個だけである
状態に対応するものである。このため、シリアルシフト
を行わず、且つ、セレクタが設けられていない。従っ
て、n個のレジスタ212-0,212-1,・・・212
-(n-1)が設けられ、各レジスタにクロックが供給されて
動作タイミングが合わされる。
【0073】各レジスタ212-0,212-1,・・・2
12-(n-1)には、S00に対応するA型ステータスメモ
リ150から継承する状態データがn−1個の状態デー
タ値からなるPM0として供給される。但し、最初の処
理段となるレジスタ2120には、クロックに同期して
常に’00’が入力される。かかる動作は、図6に示さ
れるように、S01に遷移し得る最新の状態遷移が常に
S00であることに対応している。各レジスタ212-0
〜212-(n-1)は、供給される状態データ値をクロック
に従って取込むことによって、保持している状態データ
値を更新する。また、クロックに従ってなされる各レジ
スタの出力は、n-1個の状態データ値からなる状態デー
タPM1として、1クロック後に遷移し得る状態S11
に対応するA型ステータスメモリ151に供給される。
最終段のレジスタ212-(n-1)から、状態データ値VM
01が出力される。状態データ値VM01がクロックに
従って出力されることにより、全体として状態データが
生成される。
【0074】状態S10に対応するB型ステータスメモ
リ153は、B型ステータスメモリ152と同様に構成
される。但し、図6中の状態遷移S11→S10に対応
するパラレルロードとして、S11に対応するA型ステ
ータスメモリ151から状態データPM2を供給され
る。また、図6中の状態遷移S10→S00に対応する
パラレルロードとして、S00に対応するA型ステータ
スメモリ150に状態データPM3を供給する。また、
最初の処理段となるレジスタには、クロックに同期し
て、常に’11’が入力される。かかる動作は、図6に
示すように、S10に遷移し得る1クロック前の状態が
S11であることに対応するものである。
【0075】ところで、ビタビ復号方法においては、各
ステータスメモリが生成する状態データ値VM00,V
M11,VM01およびVM10は、ステータスメモリ
のメモリ長nを充分大きくとれば互いに―致する。この
ような場合には、4個のステータスメモリが生成する状
態データ値の内の何れをsm〔k+n〕として後段に出
力しても良い。メモリ長nは、再生信号のC/Nおよび
周波数特性等を考慮して決められる。
【0076】このようなSMU134で得られた状態デ
ータsm〔k+n〕はマージブロック135に供給され
る。マージブロック135は、ROM等の手段に図11
に示す復号マトリクスのテーブルを記憶している。そし
て、かかる復号マトリクスを参照して、状態データに基
づく復号データを生成し、コントロ―ラ2に供給する。
図6の状態遷移図から、復号データ値は、連続する2個
の状態データ値に対応していることがわかる。すなわ
ち、再生信号値z〔k〕に対応して生成される状態デー
タ値sm〔k+n〕と、その1クロック前に、再生信号
値z〔k−l〕に対応して生成される状態データ値sm
〔k+n−1〕に基づいて、時点k+nにおける復号デ
ータ値を決めることができる。
【0077】例えば、sm〔k+n〕が'01'で、sm
〔k+n−1〕が'00'である場合には、図6から、復号
データ値として'1'が対応することがわかる。このよう
な対応をまとめたものが図11の復号マトリクスのテー
プルである。
【0078】次にRAA136による振幅基準値の更新
について説明する。前述したように6つの振幅基準値c
000〜c111の値は様々な要因により変動する。し
かもその変動の度合いは一定ではないので、予め振幅基
準値をシフトすることはできない。そこで、振幅基準値
を適応化制御してやれば、RF信号の歪みや変動、クロ
ックの位相誤差等に対して振幅基準値を追従させること
ができ、これによりブランチメトリックの計算値の精度
を向上させることができる。
【0079】上述したように、SMU134によって生
成される状態データおよびシフトレジスタ131によっ
て遅延させられた再生信号値z〔k〕に基づいて、RA
A136が振幅基準値を更新するための計算をクロック
毎に行う。この計算は次にように行われる。
【0080】再生信号値z〔k〕に対応して生成される
状態データ値sm〔k+n〕と、その1クロック前に生
成された状態データ値sm〔k+n−1〕とから、図6
に従って、これら2個の状態データ値間に生じた状態遷
移およびかかる状態遷移に対応する振幅基準値を特定す
ることができる。このようにして特定された振幅基準値
について、既存の値と、再生信号値z〔k〕とから、新
たな振幅基準値が計算される。なお、光磁気ディスクの
ようにエンボスピットエリアと光磁気エリアが混在する
ディスクの場合は、振幅基準値の計算は、各エリアにつ
いて別個に行われる。従ってその場合は、6値4状態ビ
タビ復号方法については、6・2=12個の振幅基準値
が適応化されることになる。
【0081】振幅基準値の計算について、sm〔k+
n〕=’01’、およびsm〔k+n−1〕=’11’
である場合を例として具体的に説明する。これは図6に
おける状態遷移S01→S11が生じる場合である。ま
た、かかる状態遷移に対応する振幅基準値がc011で
あることが図6に示されている。従って、RAA136
は、振幅基準値を更新する計算を以下のように行う。 c011(新)=δ・z〔k〕+(1−δ)・c011(旧)・・(23)
【0082】また一般には、sm〔k+n〕=pq、お
よびsm〔k+n−1〕=qrである場合に、振幅基準
値の新たな値が以下のように計算される。 cpqr(新)=δ・z〔k〕+(1−δ)・cpqr(旧)・・(24)
【0083】これらの式において、δは修正係数であ
る。δの値を設定するに際しては、再生信号の振幅およ
びその変動、アシンメトリー等の歪み、波形等化器の動
作における誤差等の記録系および再生系の比較的継続的
な特性、並びに記録媒体上の欠陥等に起因するイレギュ
ラーな特性を考慮する必要がある。すなわち、δの値が
大きい程、式(23)または(24)に従ってなされる
更新によって、振幅基準値が再生信号の振幅変動、アシ
ンメトリーおよび波形等化器の動作における誤差等をよ
り強く反映するものとなる。反面、振幅基準値が記録媒
体上の欠陥等に起因するディフェクト等のイレギュラー
な信号によっても影響され易い。一方、δの値を小さく
すると、振幅基準値がディフェクト等のイレギュラーな
信号に影響されにくくなるが、反面、振幅基準値の再生
信号に対する追従が緩やかなものとなるため、式(2
3)または(24)に従ってなされる更新による振幅基
準値の適応化の効果が減少する。
【0084】上記式(23)、式(24)に従ってRA
A16で新たな振幅基準値が算出され、BMC132に
供給される。そしてこれまでの説明から理解されるよう
に、例えば6値4状態のビタビ復号の場合、適応化され
る振幅基準値は、c000、c001、c011、c1
00、c110、c111となる。そしてこのような振
幅基準値が、記録状況やデフォーカスなどの様々な要因
に応じて適応的に変動させられることで、各種要因によ
る影響を吸収することができる。
【0085】図12に状態sm[k+n−1]、sm
[k+n]に対して、どの振幅基準値が更新されるかを
まとめた一覧を示す。例えば状態データsm[k+n−
1]が’00’、状態データsm[k+n]が’00’
の場合、即ち状態S00からS00に遷移した際には、
振幅基準値c000が更新される。また、状態S00か
らS01に遷移した際には、振幅基準値c001が更新
される。その他も、この図12に示すとおり、状態遷移
に応じて特定の振幅基準値が更新されることになる。
【0086】2.実施の形態のディスクドライブ装置 2−1 ディスクドライブ装置の構成 以上説明してきたビタビ復号方式を採用した例として、
本発明の実施の形態となるディスクドライブ装置につい
て説明していく。この例は、MOディスクに対応するデ
ィスクドライブ装置として説明する。
【0087】図13は本例のディスクドライブ装置の構
成を示すものである。なお、図1で説明した構成と同一
機能部分には同一符号を付し、それらについての重複的
な詳細説明は省略する。また、このブロック図は主に記
録再生信号の処理系を示し、サーボ系その他、省略して
ある部位もある。
【0088】記録媒体となるディスク6(MOディス
ク)は、ドライブ装置内においてスピンドルモータ9に
よって回転駆動された状態で、光ピックアップ7及び磁
気ヘッド5の動作によって情報の記録/再生/消去が行
われる。記録/再生/消去時の光ピックアップ7及び磁
気ヘッド5の位置制御(シーク、トラッキングサーボ、
スレッドサーボ)や、光ピックアップ7からのレーザ光
のフォーカスサーボ、さらにはスピンドルモータ9の回
転サーボは、図示しないサーボ系によって行われること
になる。
【0089】ドライブコントローラ(以下、コントロー
ラという)2は、このドライブ装置のマスターコントロ
ーラとして各種の動作制御を行うとともに、ホストコン
ピュータ1との通信を行う部位とされる。即ちコントロ
ーラ2はホストコンピュータ1からの記録指示に応じ
て、供給されたデータをディスク6に記録する動作を制
御するとともに、同じくホストコンピュータ1からの指
示に応じて要求されたデータをディスク6から読み出し
てホストコンピュータ1に転送する動作の制御を行う。
またコントローラ2はデータのエンコード、デコードを
行う機能も有している。
【0090】CPU3は、コントローラ2の指示に基づ
いて記録再生動作のために各部の制御を行う部位とされ
る。例えば再生系のRFブロック20に対する各種の制
御や、サーボプロセッサとして機能するDSP17に対
する指示等を行う。
【0091】記録時には、コントローラ2がホストコン
ピュータ1からの指令に従って、記録すべきユーザデー
タを受取り、情報語としてのユーザデータに基づいてエ
ンコードを行って、例えば符号語としてのRLL(1,
7)符号を生成する。この符号語が記録データWDAT
AとしてLPC4に供給される。またコントローラ2は
WGATE信号としてLPC4に記録モードとしての発
光動作及びそのタイミングを指示する。
【0092】LPC4及びAPC10は、図1で説明し
たように記録データWDATA、WGATE信号に応じ
て、光ピックアップ7からのレーザ出力を実行させ、デ
ィスク6へのデータ記録を実行させる。なお、再生時、
記録時のそれぞれにおけるレーザ出力レベル、即ちLP
C4が出力するレーザのドライブパルス値は、DSP1
7(CPU3)の指示に応じて設定される。また従っ
て、コントローラ2はCPU3に指示することで、記録
レーザパワー、再生レーザパワーを変化させることがで
きる。
【0093】再生時(通常の再生時、及び記録直後にデ
ータを読み出して適正記録の確認(ベリファイ)を行う
ライトアンドベリファイ時のベリファイ動作のためのデ
ータ読出時)においては、コントローラ2及びCPU3
の制御によって次のような動作が行われる。
【0094】コントローラ2はRGATE信号、PGA
TE信号をLPC4及びRFブロック20に供給して、
再生動作制御を行う。即ちコントローラ2はRGATE
信号、PGATE信号により、LPC4に再生レベルと
してのレーザパワーによる連続発光を指示するととも
に、RFブロック20に対しての再生処理の指示を行
う。またPGATE信号により、ディスク6上のエリア
(セクター内のエンボスピットエリアと光磁気エリア)
に応じた切換処理を実行させる。
【0095】再生時において、まずLPC4はRGAT
E信号に応じてレーザドライブパルスを発生させ、光ピ
ックアップ7から再生動作のためのレーザ出力を実行さ
せる。光ピックアップ7は、光磁気ディスク6にレーザ
光を照射し、それによって生じる反射光を受光する。さ
らにその反射光量に応じた信号の演算処理により各種信
号を生成する。即ち、再生RF信号および図示しないフ
ォーカスエラー信号、トラッキングエラ−信号などであ
る。
【0096】再生RF信号は、RFブロック20におい
て、可変ゲインアンプ8によってゲイン調整等がなされ
た後にフィルタ部11に供給される。可変ゲインアンプ
8におけるゲインセッティングはCPU3からの制御信
号によって行われる。例えばディスクの種別や特性によ
って変動するRF信号レベルに応じて、再生信号処理に
最適なRF信号が得られるようにゲインセッティングが
変更される。図中、矢印CはCPU3との制御信号の送
受信系を示している。この送受信系によりCPU3は、
各部のパラメータ設定等の制御を行う。
【0097】なお、光ピックアップ7から可変ゲインア
ンプ8に供給される再生RF信号としては、いわゆる和
信号、差信号の2種類があり、PGATE信号に応じ
て、セクター内のエリアによって切換処理される。つま
りエンボスピットが形成される部分の再生データは和信
号について、また光磁気的にピット列が記録される部分
の再生データは差信号について処理される。また反射光
情報としては、再生データに相当する再生RF信号以外
に、フォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号な
どもあり、フォーカスエラー信号、トラッキングエラー
信号は図示していないが、DSP17に供給され、DS
P17によるサーボ系の制御に用いられる。
【0098】フィルタ部11は、RF有効帯域のブース
ト回路、ノイズカットを行うローパスフィルタおよび波
形等化を行う波形等化器などから構成される。そして入
力された信号は、ビタビ復号器13が行うビタビ復号方
法に適合するパーシャルレスポンス特性が得られるよう
にイコライジングされるものとなる。フィルタ部11の
出力はA/D変換器12に供給される。
【0099】また、フィルタ部11の出力は、PLL部
14にも供給される。PLL部14は、供給された信号
に基づいて、リードクロックDCKを生成する。このP
LL部14は、例えば光磁気ディスク6中に記録される
一定周波数の信号を利用して位相エラーを検出する構成
とされている。リードクロックDCKは、コントローラ
2、A/D変換器12、ビタビ復号器13等に供給され
る。コントローラ2、A/D変換器12、ビタビ復号器
13における再生データのデコードのための動作は、リ
ードクロックDCKに従うタイミングでなされる。
【0100】A/D変換器12は、PLL部14からの
再生クロックDCKに従って、フィルタ部11の出力に
対してA/D変換を行い、再生信号値z〔k〕を出力す
る。
【0101】ビタビ復号器13は、再生クロックDCK
に従って再生信号値z〔k〕に基づいて、ビタビ復号方
法によって復号データDDを生成する。ビタビ復号器1
3における各ブロック、即ちBMC132、ACS13
3、SMU134、マージブロック135、シフトレジ
スタ131によるビタビ復号動作は前述したとおりであ
るため説明を省略する。
【0102】また、RAA136は前述したように振幅
基準値c000〜c111の適応化更新処理を行う。そ
してまたRAA136に対しては、更新のために算出さ
れる振幅基準値c000〜c111をCPU3が参照し
て、後述するように各種の評価値、例えばアシンメトリ
値、振幅値、MTF等の計算に用いることができるよう
にされている。このRAA136については内部の構成
例を後述する。
【0103】さらに本例のビタビ復号器13では、 レ
ジスタ137、UCM(Update Count Monitor)13
8、LMD(Long Mark Detector)139が設けられて
いる。レジスタ137には例えばRAA136で用いる
各種係数が保持される。UCM138は、振幅基準値の
更新回数をカウントし、振幅基準値の信頼性を判断する
信号UPを生成してコントローラ2に供給する。LMD
139は、本例においてはあり得ない符号間隔、つまり
9T以上のスペース長又はマーク長を検出する部位であ
る。UCM138及びLMD139の構成及び動作につ
いては後に詳述する。
【0104】ビタビ復号器13で復号された復号データ
DDは、コントローラ2に供給される。そしてコントロ
ーラ2は、復号データDDに、チャンネル符号化等の符
号化に対応する復号化処理を施すことにより、ユーザデ
ータ等を再生する。例えば(1−7)RLL方式のデコ
ード処理、ECCデコード処理(エラー訂正処理)など
を行なう。そしてデコードされたデータ(ユーザーデー
タ等)を、再生データとしてホストコンピュータ1に転
送する。また再生時には、或るセクターがデコードNG
として再生データが得られなかった場合には、コントロ
ーラ2はそのセクターへの再生リトライを実行させるよ
うに制御する。
【0105】なお、この例のビタビ復号を行う再生系で
は、フィルタ部11でパーシャルレスポンス特性とした
後にA/D変換を行い、再生信号値z〔k〕をビタビ復
号器13に供給するようにしているが、再生RF信号に
ついてA/D変換を行った後にトランスバーサルフィル
タなどによりパーシャルレスポンス特性を得るようにし
てもよい。その様な構成の場合でも、後述する本例の動
作は同様に適用できるものである。
【0106】以上のようなRFブロック20内の所要各
部に対しては、CPU3は再生処理に関する各種パラメ
ータを可変設定することができる。例えば可変ゲインア
ンプ8のゲイン、フィルタ部11におけるカットオフ周
波数、ブースト帯域、ブーストレベル、PLL部14に
おけるループゲイン或いは帯域、RAA136によって
BMC132にセットされる振幅基準値及び振幅基準値
の適応化ゲインなどであり、これらの可変設定制御が矢
印Cの経路で行われる。
【0107】2−2 RAAの構成 RAA136の構成例を図14に示す。RAA136
は、レジスタ201及び217〜222、マトリクス回
路202、乗算器203及び211〜216、減算器2
04、加算器205〜210を有する。各レジスタ20
1及び217〜222にはクロックDCKが供給され
る。
【0108】SMU134から、このRAA136に供
給される状態データsm[k+n]は、マトリクス回路
202に供給されるとともに、レジスタ201で1クロ
ック遅延され、1つ前の状態データsm[k+n−1]
としてマトリクス回路202に供給される。マトリクス
回路202は、前述した図12に示したように、状態デ
ータsm[k+n]、sm[k+n−1]から、更新す
べき振幅基準値cijkを特定する処理を行う。そし
て、更新するとして特定された振幅基準値についてのイ
ネーブル信号をアクティブとする。すなわち、6つ振幅
基準値のそれぞれに対応する6つのイネーブル信号c0
00en〜c111enのうちの1つがアクティブとさ
れる。例えば状態データsm[k+n−1]=「0
0」、sm[k+n]=「01」であった場合は、イネ
ーブル信号c001enがアクティブとなる。各イネー
ブル信号c000en〜c111enは、それぞれ各レ
ジスタ217〜222に供給されるように接続されてい
る。
【0109】一方、シフトレジスタ136から供給され
る再生信号値z〔k〕(すなわちA/D変換器12でA
/D変換され、BMC132〜SMU134での遅延時
間に合わせてシフトレジスタ131で所定時間遅延され
た信号値)は、乗算器203に供給される。乗算器20
3には修正係数δが供給されているため、乗算器203
の出力は、δ・z[k]となる。この出力δ・z[k]
は加算器205〜210に供給される。
【0110】また、減算器204には、値「1」及び修
正係数δが供給され、出力(1−δ)が得られる。この
出力(1−δ)は、乗算器211〜216に供給され
る。また乗算器211〜216には、それぞれレジスタ
217〜222の出力が供給される。レジスタ217〜
222の出力とは、その時点での(更新前の)振幅基準
値となる。そして乗算器211〜216では、(1−
δ)と現在の振幅基準値が乗算されて、加算器205〜
210に供給される。加算器205〜210の出力は、
それぞれレジスタ217〜222へのデータ入力とな
る。
【0111】加算器205、乗算器211、レジスタ2
17は、新たな振幅基準値c000を算出するユニット
となる。また加算器206、乗算器212、レジスタ2
18は、新たな振幅基準値c001を算出するユニット
となる。同様に、他の振幅基準値c100、c011、
c110、c111についても、図示するようにそれぞ
れ加算器、乗算器、レジスタによる算出ユニットが設け
られている。そして各ユニットは、それぞれイネーブル
信号c000en〜c111enに応じて新たな振幅基
準値を算出し、算出後はそれぞれその新たな振幅基準値
c000〜c111をBMC132に供給することにな
る。
【0112】例えば、ある時点でイネーブル信号c00
0enがアクティブとなったとすると、レジスタ217
のユニットで新たな振幅基準値c000が算出される。
すなわち加算器211でそれまでの振幅基準値c000
と(1−δ)が乗算され、さらにその値に加算器205
でδ・z[k]が加算される。そしてその加算結果がレ
ジスタ217に取り込まれる。その値が新たな振幅基準
値c000として、レジスタ217から出力され、BM
C132に供給される。つまり振幅基準値c000が更
新される。他のユニットも同様に、それぞれイネーブル
信号c001en〜C111enがアクティブとなるこ
とに応じて、レジスタ218〜222から出力される振
幅基準値c001〜c111の更新を行う。
【0113】つまり各ユニットは各状態遷移に応じて、
式(24)として上述したように、 cpqr(新)=δ・z〔k〕+(1−δ)・cpqr
(旧) の演算処理を行って振幅基準値の更新を行うことにな
る。このようなRAA136の処理により、BMC13
2で用いられる振幅基準値が、逐次更新されていく。つ
まり各タイミングで、状態遷移に応じて1つの振幅基準
値が更新される。
【0114】なお、このように振幅基準値の適応化を行
った場合、再生RF信号の振幅の変動や、アシンメトリ
ー、イコライジング誤差などに応じて振幅基準値は変動
する。振幅基準値の変動量は修正係数δの値は、そのシ
ステム(この例の場合光磁気ディスクドライブ)におけ
る再生RF信号の振幅、C/N比、変動の程度、アシン
メトリーなどを考慮して設計される。修正係数δを大き
くする程、振幅基準値は、再生RF信号の歪やエンベロ
ープのゆらぎなどをより忠実に反映する。しかし、その
場合、振幅基準値はディフェクトなどのイレギュラーな
信号に対しても大きく影響されるので、修正係数δを実
際のシステムにおいてはあまり大きくできない。又、修
正係数δを小さくすると、ディフェクトなどのイレギュ
ラーな応答に対して振幅基準値が受ける影響は小さい
が、再生RF信号の特性に対する追従も緩やかなものに
なるため、適応化の効果は低減する。又、ディフェクト
には様々な種類が存在するので、どの程度のイレギュラ
ー信号に振幅基準値を追従させるかを一意に決めるのは
難しい。そこで、振幅基準値が予め設定したスレッショ
ルドを超えた値に更新された場合、その適応化はイレギ
ュラーな再生RF信号をリードしたために起こったと認
識し、その適応化をストップさせ、振幅基準値を初期値
に戻すようにすることが考えられる。振幅基準値の初期
設定は、必ずしも最適な値ではないが、ディフェクト応
答によって異常な値に更新された振幅基準値よりは適切
である。
【0115】ところで図14に示されるように、マトリ
クス回路202からのイネーブル信号c000en〜c
111enは、UCM138及びLMD139へ供給さ
れる。すなわちイネーブル信号c000en〜c111
enは、各振幅基準値についての更新の発生を示す信号
となるため、これがUCM138に供給されることで、
UCM138では各振幅基準値についての更新回数がカ
ウントできる。またLMD139では、イネーブル信号
c000en〜c111enのうちの一部をカウントす
ることで、符号間隔を検出できる。これらの動作につい
ては後述する。
【0116】2−3 振幅基準値から得られる各種評価
値 再生RF信号に応じて適応化更新されていく振幅基準値
を用いることで、再生RF信号の評価が可能となる各種
の評価値を得ることができる。すなわち、振幅、アシン
メトリー、MTFなど、再生RF信号の様子を表す評価
値が得られる。
【0117】PR(1,2,1)で6値4状態ビタビ復
号器にける6個の適応化された振幅基準値c000〜c
111を用いる場合は、振幅(AMP)、MTF、アシ
ンメトリー(γasy)はそれぞれ次のように算出でき
る。 AMP=c111-c000 (25) MTF=((c011+c110)/2-(c001+c100)/2)/(c111-c000) (26) γssy=((c111+c000)/2-(c001+c011+c110+c100)/4)/(c111-c000) (27)
【0118】また、アイパターンの開口部に相当する2
Tパターンの振幅(VFO)は、厳密に言えば、誤差は
あるが、次の式で近似的に示される。 VFO=(c011+c110)/2-(c001+c100)/2 (28) で与えられる。さらに式(25)(26)(28)よ
り、MTFはまた次のように示すことも可能である。 MTF=VFO/AMP (29)
【0119】これらの式(25)〜式(29)で示され
る各値は、可変ゲインアンプ8のゲイン設定のキャリブ
レーションや記録レーザパワー設定のキャリブレーショ
ンに用いられる。また、任意の記録データに対するデー
タ再生システムの評価に用いられることもある。後者の
例として、アシンメトリー値を用いて記録されたレーザ
パワーを推定し、これをベリファイ条件とする場合があ
る。
【0120】ここで、アシンメトリ値を記録レーザパワ
ーの推定に使用できる理由や、上記式(25)〜式(2
9)として、各評価値を振幅基準値から求めることがで
きる理由について述べていく。まず、アシンメトリ値と
記録レーザパワーの関係についてのべ、その後、式(2
5)〜式(29)の意味を説明する。
【0121】通常の光ディスクシステムでは、記録レー
ザパワーはそのときのメディアや、ドライブ装置の状態
や温度に応じて最適なパワーに設定されている。またそ
の最適な記録レーザパワーを求めるために記録時にキャ
リブレーションが行われる。しかし実際上は、必ずしも
常に最適な記録レーザパワーで記録が行われるわけでは
ない。例えばキャリブレーションとしては、メディア上
のある領域で試し書きを行ってそれを再生し、適正に記
録が実行できたか否かで最適な記録レーザパワーを探す
ことになるが、そのキャリブレーションを行った領域
と、その後実際にデータ記録を行う領域が、記録感度特
性が異なるような場合、キャリブレーションで求められ
た記録レーザパワーは適切なパワーとはならない。もち
ろん何らかの原因でキャリブレーションが正しく行われ
なかったという場合や、キャリブレーションで求められ
た記録レーザパワーの設定が正しく行われなかった場合
もあり得る。
【0122】また記録時には、記録を行った直後にその
セクターの再生を行い、正しくデータが記録できたか否
かをチェックする動作、いわゆるライトアンドベリファ
イと呼ばれる動作が行われることがある。この場合、そ
のベリファイ時点で記録レーザパワーが不適切で良好に
記録ができなかったことが検出できれば、ライトリトラ
イ処理として、適切な記録レーザパワーで記録動作をや
り直すことも可能となる。ところが、ライトアンドベリ
ファイ動作は、必ずしも全てのデータセクターに対して
実行されるものではない場合もあり、さらにはライトア
ンドベリファイを実行しないような使用法も多く存在す
る。
【0123】これらのことから再生時においては、再生
しようとするデータが、全て適切な記録レーザパワーで
記録されたものであると考えることはできない。そして
光磁気ディスクやWORMディスクなど、光変調方式で
ディスク6にデータを記録する場合は、ディスク上に記
録されるマーク(ピット)の大きさは記録レーザパワー
の値に大きく依存し、またこれは再生RF信号の波形に
も大きく影響する。従って再生時には、記録レーザパワ
ーが不適切であったことに起因して再生エラーとなるこ
とも発生する。
【0124】記録レーザパワーの大きさが再生RF信号
にどのように影響を与えるかをインパルス応答を例にと
って説明する。図15に、記録レーザパワーの大きさと
再生RF信号のインパルス応答の関係を示す。これはP
R(1,2,1)のパーシャルレスポンス応答の場合の
例である。記録レーザパワーが最適値にある場合は、イ
ンパルス応答は図15の曲線(b)として示すようにな
る。このときA/D変換のサンプリング時点としてのk
−1、k、k+1の3つの時点の振幅比は1:2:1と
なる。
【0125】ところが記録レーザパワーが高くなると、
ディスク上の記録マークは大きくなるため、そのインパ
ルス応答は曲線(a)のようになり、即ちパルス幅が太
くなる。そのためサンプリング時点k−1,k+1での
振幅は、ピーク値の半分より大きくなる。一方、記録レ
ーザパワーが低くなると、ディスク上の記録マークは小
さくなるため、そのインパルス応答は曲線(c)のよう
になり、即ちパルス幅が細くなる。そのためサンプリン
グ時点k−1,k+1での振幅は、ピーク値の半分より
小さくなる。
【0126】実際の再生RF信号に対するアイパターン
は、任意の時点kに対するインパルス応答の重ね合わせ
で表すことができる。記録レーザパワーの差によるアイ
パターンのアイの開き具合を図16に示す。図16
(b)は記録レーザパワーが最適な状態のアイパターン
を示しており、アイは上下対称の状態にある。一方、記
録レーザパワーが大きい場合、及び小さい場合は、それ
ぞれ図16(a)(c)に示されるように、アイが上側
もしくは下側にシフトした状態となる。この図16
(a)(b)のように記録レーザパワーが最適でないこ
とによりアイが非対称に開いている状態をアシンメトリ
と呼ぶ。つまりアシンメトリとは、記録レーザパワーの
過不足によって再生RF信号波形に生じる非対称な歪み
である。
【0127】アシンメトリを定量的に表すために、アシ
ンメトリ値γasyについては次のように定義される。 γasy=(2Tエンベロープの中心電圧−8Tエンベロープの中心電圧)/ (8Tエンベロープのピークトゥピーク電圧) ・・・(30)
【0128】図17(a)(b)に2Tパターンの信号
波形と8Tパターンの信号波形を示す。2Tパターンに
対する再生RF信号について波形等化処理すると、図1
7(a)に示すように、振幅基準値c001、c01
1、c110、c100を周期的に繰り返す波形とな
る。また8Tパターンに対する再生RF信号について波
形等化処理すると、図17(b)のように、振幅基準値
c000、c000、c000、c000、c000、
c000、c001、c011、c111、c111、
c111、c111、c111、c111、c110、
c100、c001を周期的に繰り返す波形となる。
【0129】このような2Tパターン及び8Tパターン
の波形を合わせて示したものが図18であるが、この図
18では上記アシンメトリ値γasyを視覚的に表して
いる。この図18と上記式(30)により、図16の各
アイパターンとして示した場合について、アシンメトリ
値γasyは次のようになることがわかる。 記録レーザパワーが過大な場合・・・γasy>0 記録レーザパワーが最適な場合・・・γasy=0 記録レーザパワーが過小な場合・・・γasy<0
【0130】このようにアシンメトリ値γasyから記
録レーザパワーがどの程度の値とされているかを推定す
ることができる。従って、アシンメトリ値γasyがあ
る範囲内に入るように記録レーザパワーを設定すれば、
それは適正な記録レーザパワーになることになる。
【0131】ところで上記式(30)によれば、再生R
F信号のアシンメトリ値γasyを計算するには、「2
Tエンベロープの中心電圧」、「8Tエンベロープの中
心電圧」、「8Tエンベロープのピークトゥピーク電
圧」をそれぞれ検出することが必要になる。ここで図1
7、図18からわかるように、これら各値は、ビタビ復
号器13における振幅基準値から算出できる。即ち、
「2Tエンベロープの中心電圧」は、振幅基準値c00
1、c011、c110、c100の平均値として求め
ることができる。また「8Tエンベロープの中心電圧」
は、振幅基準値c000、c111の平均値として求め
ることができる。さらに「8Tエンベロープのピークト
ゥピーク電圧」は、振幅基準値c000とc111の差
として求めることができる。従って、上記式(30)に
振幅基準値を当てはめると、 γasy=((c001+c011+c110+c100)/4-(c000+c111)/2)/(c111-c000) =((c111+c000)/2-(c001+c011+c110+c100)/4)/(c111-c000) つまり上述した式(27)となる。
【0132】上述したように振幅基準値c000〜c1
11は、それぞれビタビ復号器13内のRAA136で
適応化され、BMC132において更新されていくこと
になる。このように振幅基準値が適応化されるとする
と、再生RF信号にアシンメトリがある場合には、各振
幅基準値はそれに追従することになる。従って、図13
のCPU3(又はコントローラ2)は、RAA136で
算出される振幅基準値を用いて、上記式(27)の計算
を行うことで、そのときの再生RF信号についての記録
レーザパワーの値を知ることができる。
【0133】ところで、アシンメトリ値γasyがどの
ような範囲内にあれば、記録レーザパワーが適切である
かを考える。図19(a)は、記録レーザパワー(Writ
e Power)に対するバイトエラーレート(BER)の特
性を示している。ここで、は再生信号処理系としてビ
タビ復号法を採用した場合の特性、はビットバイビッ
ト法を採用した場合の特性である。
【0134】この図からわかるように、記録レーザパワ
ーが低い(LP1以下)A領域では、ビタビ復号法の場
合もビットバイビット法の場合も、エラーレートは高く
なる。つまり記録レーザパワーがLP1以下である場合
は、パワーが過小であるといえる。また記録レーザパワ
ーが高い(LP3以上)D領域でも、ビタビ復号法、ビ
ットバイビット法のいづれの場合も、エラーレートは高
くなる。つまり記録レーザパワーがLP3以上である場
合は、パワーが過大であるといえる。記録レーザパワー
がLP2〜LP3の範囲となるC領域では、いづれの復
号方式でもエラーレートは低い。つまりLP2〜LP3
の範囲は好適な記録レーザパワーといえる。記録レーザ
パワーがLP1〜LP2の範囲となるB領域では、ビタ
ビ復号方式の場合はエラーレートは低い。つまりビタビ
復号方式のドライブ装置にとっては、LP1〜LP3の
範囲は好適な記録レーザパワーといえる。ところがこの
B領域では、ビットバイビット法の場合はエラーレート
が高くなる。つまりビットバイビット復号方式のドライ
ブ装置にとっては、LP1〜LP2の範囲は適切な記録
レーザパワーとはいえない。以上のことから、ビタビ復
号方式、ビットバイビット復号方式のいづれの場合であ
っても記録レーザパワーがLP2〜LP3の範囲であれ
ばOKであることになる。
【0135】図19(b)には、図19(a)に対応さ
せて再生RF信号のアシンメトリ値を示している。この
ようにアシンメトリ値は記録レーザパワーに比例したも
のとなる。そして最適な記録レーザパワーの範囲がLP
2〜LP3であるとすると、アシンメトリ値γasyと
しては、 γasy2<γasy<γasy3 ・・・・・(31) となっていればよいものとなる。つまり、例えば再生時
において、上記式(27)で算出されるアシンメトリ値
γasyが、上記式(31)の範囲内にあれば、その再
生すべきデータについては、記録時の記録レーザパワー
は適切な値であったと判断してよい。
【0136】次に、再生RF信号の振幅値AMP、VF
Oについての上述した式(25)、式(28)の意味を
図20に示す。再生RF信号の振幅値も、適応化した6
つの振幅基準値から得ることができる。図20は上記図
18と同様に2Tパターン(最小振幅パターン)、8T
パターン(必ずしも8Tでない場合もあるが最大振幅パ
ターン)を示しているが、PR(1,2,1)では、6
つの振幅基準値は図示するように推移するので、再生R
F信号の振幅AMPは、振幅基準値c111とc000
の差であることが理解される。従って振幅値AMPは、
上記式(25)により算出できる。また、アイパターン
の開口部の大きさに相当する、2Tパターンの振幅VF
Oは、振幅基準値c011とc110の平均値と、振幅
基準値c001とc100の平均値との差により近似的
に求められることが理解される。従って振幅値VFO
は、上記式(28)により算出できる。さらにMTFに
ついては、上記式(29)のとおり、このような振幅基
準値から算出したVFOとAMPから求められる。
【0137】上述したように、式(25)〜式(29)
で示される各評価値は、再生RFアンプのゲイン設定の
キャリブレーションや記録レーザパワー設定のキャリブ
レーション、さらには任意の記録データに対するデータ
再生システムの評価等に用いられるが、これらの場合
は、通常1セクターなどのある範囲内で更新された振幅
基準値を用いる。
【0138】ところが、2Tパターンをリードした場合
には、シンク、リシンク領域以外では図17(a)に示
したような振幅となり、振幅基準値のうちのc000、
c111については更新は行われないことになるため、
そのようなセクターをリードした後の振幅基準値c00
0、c111については再生RF信号の様子を端的に表
しているとは言い難い。従って、これを用いて計算され
るアシンメトリー値も記録レーザパワーに対応している
とは言えなくなる。記録レーザパワーのキャリブレーシ
ョンの場合には、データパターンを予め決めておくこと
が可能であるので記録データパターンをうまく選ぶこと
によりアシンメトリー値を記録レーザパワーに対応させ
ることは可能である。しかし、ベリファイ条件にアシン
メトリーを用いる場合には、2Tパターンなど更新回数
の極端に少ない振幅基準値を含むデータパターンを取る
ことも有り得るので、ベリファイの信頼性に問題が生ず
る。
【0139】このように再生RF信号の振幅状態によっ
ては、振幅基準値の一部について適応化更新が十分に行
われないことがあるが、そのような更新が不十分な振幅
基準値(つまり再生RF信号に十分追従していない振幅
基準値)を再生RF信号の評価値の算出に用いると、そ
の評価値は再生RF信号の状態を正確に表すものとはい
えない。そこで本例では、例えばセクター区間などの所
定の区間内に各振幅基準値の更新が何回行われたかをカ
ウントし、更新回数が所定の回数に満たない場合、その
振幅基準値は再生RF信号に十分に対応していないとし
て、振幅基準値から算出された評価値を、例えばベリフ
ァイ条件などの各種の処理に用いることをやめるように
するものである。このような処理がUCM138、コン
トローラ2、CPU3によって行われる。まずUCM1
38について説明する。
【0140】2−4 UCMの構成 UCM138の構成を図21に示す。UCM138は、
カウンタ301〜306、コンパレータ307〜31
2、オアゲート313を有する構成とされる。各カウン
タ301〜306は、コントローラ2からのリセット信
号RSTによりカウント値がリセットされる。またクロ
ックDCKが供給される。そして、図14に示した各イ
ネーブル信号c000en〜c111enが、それぞれ
各カウンタ301〜306に供給される。従って各カウ
ンタ301〜306は、それぞれ供給される各イネーブ
ル信号c000en〜c111enがアクティブとなっ
たタイミングで、クロックDCKの計数を行うことにな
る。つまり各カウンタ301〜306のカウント値は、
それぞれ振幅基準値c000〜c111の更新回数を示
すものとなる。
【0141】各カウンタ301〜306のカウント値
は、それぞれコンパレータ307〜312に供給され
る。またコンパレータ307〜312には、所定の比較
基準値thが供給されている。そして各コンパレータ3
07〜312は、各カウンタ301〜306のカウント
値と比較基準値thを比較して、カウント値≦thの場
合は「H」を出力し、カウント値>thの場合は「L」
を出力する。つまり、例えば振幅基準値c000の更新
回数が比較基準値th以下である時点では、コンパレー
タ307の出力は「H」、振幅基準値c000の更新回
数が比較基準値thを越えた以降の時点では、コンパレ
ータ307の出力は「L」となる。
【0142】各コンパレータ307〜312の出力は、
オアゲート313に供給され、オアゲート313の出力
が信号UPとなる。この信号UPはコントローラ2に供
給される。
【0143】この様な構成のUCM138によれば、6
つの振幅基準値のうちの1つでも、その更新回数が規定
回数(つまり比較基準値thとして設定される回数)以
下である限りは、信号UPは「H」となる。そして、全
ての振幅基準値が規定回数以上更新されたことで、信号
UPは「L」となる。この信号UPは、すなわち適応化
更新されている振幅基準値の全てが、再生RF信号に十
分追従して更新されたものであるか否か、言い換えれ
ば、振幅基準値を用いて算出される各種評価値が、信頼
性に足るものであるか否かを検出する信号となる。つま
りコントローラ2は、ある時点(例えばあるセクターの
リードを行った時点)で振幅基準値から算出した評価値
を得た際(又は得ようとする際)に、その時点で信号U
Pが「L」であれば、その評価値は再生RF信号の様子
を表しているものと判別でき、一方信号UPが「H」で
あれば、その評価値は再生RF信号には的確に対応して
いないと判断することができる。
【0144】2−5 UCM出力に基づく処理 このようなUCM138からの信号UPによって実現さ
れるコントローラ2の処理例を説明する。上述のように
本例では、例えばセクター区間などの所定の区間内に、
UCM138によって各振幅基準値の更新が何回行われ
たかをカウントし、そのカウント結果により生成される
信号UPにより振幅基準値から算出された評価値の信頼
性を判断できる。そこで、評価値が信頼できるものであ
る場合は、評価値を用いた所要の処理を行うが、評価値
が信頼できな場合は、評価値を用いた所要の処理を実行
しないようにするものである。例えば所要の処理を、ベ
リファイ処理とすると、他のベリファイ条件だけでベリ
ファイを行い、評価値を用いたベリファイ(例えばアシ
ンメトリ値による記録レーザパワーの検証等)を実行し
ないようにする。この場合、ベリファイ処理の信頼性は
多少低下することとなるが、十分に再生RF信号を反映
していない振幅基準値を用いて誤った判断(ベリファイ
OK/NGの誤判断等)をおこなうことを防止し、結果
的に装置の信頼性をあげることができる。
【0145】例えばセクターリード時の処理を図22に
示す。コントローラ2は、セクターリードの開始前に、
ステップF101としてリセット信号RSTによりUC
M138の各カウンタ301〜306をリセットさせ
る。そしてステップF102でRGATE信号により各
部に指示を出してセクターリードを実行させる。なお、
セクターリード処理の間は、振幅基準値はRAA136
の処理で逐次更新されているものである。セクターリー
ドが完了したらステップF103で、その時点の振幅基
準値c000〜c111により、CPU3に各種必要な
評価値(アシンメトリ値γasy、振幅値AMP、VF
O、MTFなど)を算出させ、それを取り込む。このと
きステップF104で、UCM138からの信号UPを
確認し、信号UP=「L」であれば、ステップF105
で、取り込んだ評価値を用いた所要の処理を実行する。
一方ステップF104で、信号UP=「H」であった場
合は、ステップF106で、取り込んだ評価値を用いた
処理を実行しないようにするものである。
【0146】このようにコントローラ2は評価値を用い
た処理について、その評価値の元となった振幅基準値の
適応化状態(つまり振幅基準値が再生RF信号を十分に
反映した値となっているか否か)に応じて、実行/不実
行を決めるようにしている。
【0147】図22のように実行される処理として、よ
り具体的な処理例を図23で説明する。ここではライト
アンドベリファイ処理を例にあげる。すなわち本例で
は、ライトアンドベリファイ処理など、評価値を使用す
る処理において、図22のような処理が付加されるもの
となる。上述したように再生RF信号のアシンメトリ値
γasyから、記録レーザパワーが適切であるか否かが
判断できることになるが、本例では、ディスク6へのデ
ータ記録時にベリファイ(ライトアンドベリファイ動
作)の際に、記録データが正しく読み込めたか否かのチ
ェックに加えて、アシンメトリ値γasyにより記録レ
ーザパワーの適否も判断するようにしている。
【0148】ホストコンピュータ1からデータ記録指示
があり、記録すべきユーザーデータが転送されてくる際
には、コントローラ2は、そのユーザーデータのディス
ク6への記録制御を開始する。即ち上述したようにWG
ATE信号、記録クロックWCLKを各部に送信すると
ともに、ホストコンピュータ1から転送されてきた、記
録データに対してエンコード処理を行い、記録データW
DATAとしてLPC4に供給して。記録動作を実行さ
せていくことになる。
【0149】なお、記録動作はセクター単位で行われて
いくが、記録直後の読出による記録確認動作、つまりベ
リファイ動作は、記録した全セクターについてそれぞれ
行うようにしてもよいし、一部のセクターのみでもよ
い。図23のライトアンドベリファイ処理は、ベリファ
イを行うセクターに対する記録動作時の処理(1つのセ
クター記録に関してのライトアンドベリファイ処理)と
して示している。
【0150】1つのセクターの記録動作処理としては、
コントローラ2は、まずステップF201として、記録
レーザパワーを初期値に設定する。そしてステップF2
02として、上記各種制御により所要各部の動作を実行
させ、ユーザーデータをディスク6上のあるセクターに
記録していく動作制御を行う。
【0151】ステップF202でのセクターへの記録動
作が完了したら、コントローラ2はステップF203か
らベリファイ動作に移る。まずステップF203ではE
CCクライテリア、リシンククライテリアを通常より厳
しい値に設定する。即ちベリファイ時にリード条件(ベ
リファイOKの条件)を厳しくするための設定変更であ
る。また、セクターのリードに先立って、リセット信号
RSTによりUCM138内のカウンタ301〜306
をリセットさせる。そしてステップF204で実際のベ
リファイ動作として、ステップF202でデータを記録
したセクターからのデータの読出を行う。なお、この読
出処理期間にRAA136によって振幅基準値が適応化
更新されていくことはいうまでもない。
【0152】ステップF205では、データ読出が適切
に完了したか否か、つまり同期処理やECC処理、及び
デコードについて、ベリファイ時のリード条件を満たす
状態が得られたか否かを判別する。ここで読出OKとな
る場合とは、そのセクターに大きなディフェクトが無い
と判断できる場合となる。一方、読出NGとなった場合
は、リード条件が厳しく設定されていることから、再生
能力の低いドライブ装置までを考慮に入れた上で、再生
動作に影響を与えるようなディフェクトが存在する可能
性が高いと判断できる。
【0153】ステップF205で読出OKとなった場合
は、ステップF106に進む。ここコントローラ2は、
UCM138からの信号UPを確認する。そして信号U
P=「L」であれば、ステップF207に進む。そして
ステップF207では、コントローラ2はCPU3によ
りアシンメトリ値γasyを計算させ、ステップF20
8でアシンメトリ値γasyが所定範囲内の値であるか
否かを判断する。
【0154】アシンメトリ値γasyの算出は、CPU
3が、データ読出時においてRAA136で更新される
振幅基準値を取り込んで、上述した式(27)により行
う。また所定範囲内とは上記式(31)の範囲であり、
つまり計算されたアシンメトリ値γasyが、γasy
2<γasy<γasy3を満たせばよいものとする。
これは即ち、記録レーザパワーが上記図19のC領域内
であることを意味する。つまり本例のようなビタビ復号
方式を用いたドライブ装置だけでなく、比較的リード能
力の低いビットバイビット復号法を用いたドライブ装置
でも、適正に読出ができる記録レーザパワーの範囲であ
る。
【0155】ステップF208でアシンメトリ値γas
yが所定範囲内であると判断されれば、ステップF20
2で行った記録動作に関してレーザーパワーは適切であ
ったと判断できることになる。そこで、これによってベ
リファイOKとし、ステップF209でリード条件(E
CCクライテリア、リシンククライテリア)を通常値に
戻し、ステップF210でリトライ回数を示すリトライ
カウンタRCをクリアして、そのセクターに関してのラ
イトアンドベリファイ処理を正常終了する。つまりこの
場合は、セクターデータの読出が適正に行われた(つま
り記録動作が適切であった)ことが確認されるととも
に、さらに記録レーザパワーについても適切であったこ
とが確認されたものとなる。
【0156】ところが、ステップF206で信号UP=
「H」であった場合は、ステップF207,F208の
処理を行わずにステップF209以降に進む。つまり、
その場合は、振幅基準値に基づいて算出される評価値
(アシンメトリ値γasy)が、必ずしもそのセクター
の再生RF信号を反映したものとはいえないとして、ア
シンメトリ値を用いた記録レーザパワーの判別処理をキ
ャンセルするものである。これによって、適切でないア
シンメトリ値により、記録レーザパワーについて誤った
判断が行われることが防止される。
【0157】ところで、ステップF205で読出NGと
なった場合、或いはステップF205で読出OKとなっ
てもステップF208でアシンメトリ値γasyが所定
範囲内でないと判断された場合は、ベリファイNGとな
り、ライトアンドベリファイのリトライ処理に移る。
【0158】まずステップF205で読出NGとなった
場合は、ステップF211でリトライカウンタRCの値
のチェックを経てステップF213に進み、リトライカ
ウンタRCをインクリメントする。最初のリトライ時点
ではリトライカウンタRC=1となる。そしてステップ
F214でのリトライカウンタRCの値のチェックを介
して、ステップF202に戻り、セクターにデータ記録
を行う。なお、リトライ時に記録を行うセクターは、最
初の記録時と同一セクターでもよいし、交替セクターで
もよい。但しステップF205でNGとなる場合は、セ
クターにディフェクトが存在する可能性があることにな
るため、それを避けるためにリトライ時には記録を行う
セクターを変更させることが好ましい。(なお、ディス
ク6がライトワンス型の場合は、当然、セクターは変更
しなければならない)
【0159】このようにステップF205から最初のリ
トライ動作に移行した場合は、記録を行ったセクターに
ディフェクトが存在した可能性が高いとして、特に記録
レーザパワーについては変更しないまま別のセクターに
記録リトライを行う。
【0160】このような記録リトライを行った後は、ス
テップF203以降の処理で同様にベリファイが行われ
ることになり、ステップF205〜F208の処理でそ
のベリファイがOKとなれば、セクターの記録は正常終
了される。ところが、再度ステップF205で読出NG
となった場合は、再度のリトライを同様に行うことにな
る。但し、このようなリトライ(つまりディフェクトの
可能性が高いと判断され、レーザパワーは変更せずに実
行されるリトライ)は、ステップF211のx回として
上限回数が設定されている。即ち、上記リトライを数回
行っても、ステップF205で依然としてNGの場合
は、ディフェクトではなく、記録レーザパワーに問題が
ある可能性が高いと判断する。
【0161】そこでステップF211でリトライカウン
タRC≧xと判断される時点、つまり既にx回のリトラ
イを行って、(x+1)回目のリトライを開始する時点
では、コントローラ2はステップF215で、まず信号
UPを確認する。そして信号UP=「L」であれば、ス
テップF216に進んで、CPU3によりその時点の振
幅基準値からアシンメトリ値γasyを計算させ、ステ
ップF217でアシンメトリ値γasyが所定範囲内の
値であるか否かを判断する。ここで、アシンメトリ値γ
asyが所定範囲内であったとすれば、記録レーザパワ
ーには問題はないことになるため、ステップF213に
進んで、記録レーザパワーについては変更せずに、上記
同様にリトライを行なっていく。なお、このような場合
は、他の記録条件を変更してリトライを行うようにして
もよい。
【0162】また、ステップF215で信号UP=
「H」であった場合は、アシンメトリ値を用いた記録レ
ーザパワーの判別を行ってしまうことは適切ではないの
で、ステップF216、F217の処理を行わずにステ
ップF213に進んで、つまり記録レーザパワーについ
ては変更せずに、上記同様にリトライを行なっていく。
【0163】一方、ステップF216でアシンメトリ値
γasyが所定範囲内にないと判断された場合、又はス
テップF205では読出OKとなったが、ステップF2
08でアシンメトリ値γasyが所定範囲内にないと判
断されリトライ処理に移行する場合は、ステップF21
2に進み、記録レーザパワーのキャリブレーション(変
更)を行う。これは、算出されたアシンメトリ値γas
yに応じて記録レーザパワーを上下する処理となる。例
えばアシンメトリ値γasyがγasy2以下であれ
ば、記録レーザパワーが不足しているため、記録レーザ
パワーをあげる方向に再設定する。このとき、γasy
2−γasyの値に応じて、適切な上げ幅を算出して再
設定してもよい。また算出されたアシンメトリ値γas
yがγasy3以上であれば、記録レーザパワーが過大
であるため、記録レーザパワーを下げる方向に再設定す
る。もちろん、γasy−γasy3の値に応じて、適
切な下げ幅を算出して再設定してもよい。
【0164】なお、キャリブレーションとして、例えば
ディスク上の所定の領域に特定のデータパターンの試し
書きを行って、それを再生してアシンメトリ値γasy
を算出することで、適切な記録レーザパワーを探してい
くようにしてもよい。特にディスク6が書換可能な光磁
気ディスク等であれば、この処理は有用である。ライト
ワンス型のディスク6であっても、このような試し書き
は可能であるが、セクター消費が大きくなることから、
状況に応じて試し書きを実行するか否かを判断するよう
にしてもよい。例えば試し書きに用いる領域として残り
が十分にあれば試し書きを行うようにすることなども考
えられる。
【0165】ステップF212で記録レーザパワーを再
設定したら、ステップF213、F214、F202と
進んで、記録リトライを行う。
【0166】以上のようにリトライが1回又は複数回繰
り返されることになるが、リトライ処理回数としては上
限回数yが設定されており、ステップF214でリトラ
イ回数がチェックされることで、y回のリトライを行っ
た時点では、次のリトライには進まない(ステップF2
14でRC>yとなった時点)。その場合は、リトライ
を上限回数実行してもベリファイOKとはならなかった
ことで、エラー終了することになる。この場合、コント
ローラ2はホストコンピュータ1にセクターの記録動作
についてエラー終了を報告することになる。
【0167】以上のようなライトアンドベリファイ処理
により、ベリファイ動作の信頼性は高いものとなり、つ
まりデータ記録のOK/NGが的確に判別される。また
振幅基準値が十分に更新されている場合は、その振幅基
準値から算出されたアシンメトリ値により記録レーザパ
ワーの適否の判別も行われるため、ベリファイ動作はよ
り高度なものとなる。一方で、振幅基準値が十分に更新
されていない場合は、振幅基準値から算出されるアシン
メトリ値による記録レーザパワーの適否の判別は実行さ
れないため、不適切なアシンメトリ値により誤った適否
判別が行われることはなく、これによってもベリファイ
動作の信頼性を向上されることになる。
【0168】なお図22のような処理(信号UPに基づ
く処理)は、このようなライトアンドベリファイ処理に
適用できるだけでなく、各評価値を用いた処理に適用で
きることはいうまでもない。特にMTFや振幅AMP、
VFO等の値を用いた処理について、各種の処理に適用
できる。
【0169】ところで本例では、振幅基準値の更新回数
が不十分な場合は、振幅基準値から求められた評価値を
用いた処理を実行しないものとして説明してきたが、場
合によっては、あえて振幅基準値を更新させることで、
評価値を利用できるようにする(信頼できる値とする)
ことも可能である。例えば、評価値を使用しようとする
ある時点で信号UP=「H」であった場合は、ディスク
上の他の領域でランダムにデータ読込を行い、振幅基準
値を更新させる。そして、十分に更新され信号UP=
「L」となった時点で、そのときの振幅基準値から評価
値を算出して、所要の処理に使用するようにすることが
考えられる。
【0170】2−6 LMDの構成 続いてLMD139の構成を説明する。LMD139
は、上述したように、あり得ない符号間隔、つまりRL
L(1,7)の場合において9T以上のスペース長又は
マーク長を検出する部位である。このLMD139とし
ては、図24のような構成や、図26のような構成が考
えられる。いずれの構成も、ビタビ復号過程で、9T以
上のスペース又はマークが発生したときに、その情報を
信号LMとしてコントローラ2に供給し、何らかの原因
で誤った復号が行われたことを報告できるようにしたも
のである。本例のドライブ装置としては、この図24、
図26のいずれかの構成のLMD139が搭載されれば
よく、もしくは図24のLMDと図26のLMDの2単
位のLMDが搭載されるようにしてもよい。
【0171】まず図24の構成例を説明する。このLM
D139は、カウンタ401,402、コンパレータ4
03,404、オアゲート405を有する。
【0172】各カウンタ401,402にはクロックD
CKが供給される。カウンタ401には、図14のRA
A136からのイネーブル信号c001enがリセット
信号として供給されるとともに、計数タイミングの指示
信号としてイネーブル信号c000enが供給される。
そしてカウンタ401は、イネーブル信号c000en
がアクティブとなったタイミングから、イネーブル信号
c001enによってリセットされる間での期間、クロ
ックDCKの計数を行うことになる。
【0173】また、カウンタ402には、RAA136
からのイネーブル信号c110enがリセット信号とし
て供給されるとともに、計数タイミングの指示信号とし
てイネーブル信号c111enが供給される。そしてカ
ウンタ402は、イネーブル信号c111enがアクテ
ィブとなったタイミングから、イネーブル信号c110
enによってリセットされる間での期間、クロックDC
Kの計数を行うことになる。
【0174】カウンタ401,402でこのようにカウ
ントが行われることで、カウンタ401ではスペース期
間長に対応したカウント値を出力し、またカウンタ40
2はマーク期間長に対応したカウント値を出力すること
になる。
【0175】そしてカウンタ401のカウント値はコン
パレータ403に、カウンタ402のカウント値はコン
パレータ404に、それぞれ供給される。またコンパレ
ータ403,404には、比較基準値「6」が供給され
ている。各コンパレータ403,404は、各カウンタ
401,402のカウント値と比較基準値「6」を比較
して、カウント値≦「6」の場合は「L」を出力し、カ
ウント値>「6」の場合は「H」を出力する。このコン
パレータ403,404の出力はオアゲート405を介
して信号LMとなるが、従ってコンパレータ403,4
04の少なくとも一方が「H」である場合は、信号LM
=「H」となる。この信号LM=「H」とは、9T以上
の符号間隔が検出されたことを意味する。
【0176】このLMD139の検出動作を図25で説
明する。図25は8Tマーク及び8Tスペースの再生R
F信号振幅を示し、同時に各クロックタイミングで更新
される振幅基準値を示している。図からわかるように、
8Tマークの期間では、振幅基準値c111が6回連続
して更新されることになる。ここでカウンタ402は、
最初に振幅基準値c111が更新されるタイミング(イ
ネーブル信号c111enがアクティブとなるタイミン
グ)から計数が開始され、連続更新がとぎれたタイミン
グ(イネーブル信号c110enがアクティブとなるタ
イミング)でリセットされるため、そのカウント値は、
8Tマークの期間では「6」となる。また、図示しない
が、7Tマークの場合はカウント値は「5」、6Tマー
クの場合はカウント値は「4」・・・となる。つまり通
常は、カウンタ402のカウント値は7以上となること
はない。もしカウント値=「7」となった場合は、それ
は9Tマークが発生したことになる。そしてこのように
カウント値が「7」以上となって、異常なマーク長が検
出された場合は、コンパレータ404の出力が「H」と
なるため、信号LM=「H」となる。
【0177】また、8Tスペースの期間では、振幅基準
値c000が6回連続して更新されることになる。カウ
ンタ401は、最初に振幅基準値c000が更新される
タイミング(イネーブル信号c000enがアクティブ
となるタイミング)から計数が開始され、連続更新がと
ぎれたタイミング(イネーブル信号c001enがアク
ティブとなるタイミング)でリセットされるため、その
カウント値は、8Tスペースの期間では「6」となる。
また、図示しないが、7Tスペースの場合はカウント値
は「5」、6Tスペースの場合はカウント値は「4」・
・・となる。つまり通常は、カウンタ401のカウント
値は7以上となることはなく、もしカウント値=「7」
となった場合は、それは9Tスペースが発生したことに
なる。そしてこのようにカウント値が「7」以上となっ
て、異常なスペース長が検出された場合は、コンパレー
タ403の出力が「H」となるため、信号LM=「H」
となる。
【0178】以上のようにLMD139では、9T以上
のマーク又はスペースが検出された場合に「H」となる
信号LMを発生させる。
【0179】次に図26の構成例を説明する。この図2
6のLMD139は、カウンタ411,412、コンパ
レータ413,414、オアゲート415を有する。
【0180】各カウンタ411,412にはクロックD
CKが供給される。カウンタ411には、図14のRA
A136からのイネーブル信号c110enがリセット
信号として供給されるとともに、計数タイミングの指示
信号としてイネーブル信号c001enが供給される。
そしてカウンタ411は、イネーブル信号c001en
がアクティブとなったタイミングから、イネーブル信号
c110enによってリセットされる間での期間、クロ
ックDCKの計数を行う。
【0181】また、カウンタ412には、RAA136
からのイネーブル信号c001enがリセット信号とし
て供給されるとともに、計数タイミングの指示信号とし
てイネーブル信号c110enが供給される。そしてカ
ウンタ412は、イネーブル信号c110enがアクテ
ィブとなったタイミングから、イネーブル信号c001
enによってリセットされる間での期間、クロックDC
Kの計数を行う。なお、イネーブル信号c001en、
c110en(振幅基準値c001,c110の更新タ
イミング)は、それぞれ波形の立ち上がり、立ち下がり
を示すタイミング信号となる(図6参照)。
【0182】カウンタ411,412でこのようにカウ
ントが行われることで、カウンタ411ではマーク期間
長に対応したカウント値を出力し、またカウンタ412
はスペース期間長に対応したカウント値を出力すること
になる。
【0183】そしてカウンタ411のカウント値はコン
パレータ413に、カウンタ412のカウント値はコン
パレータ414に、それぞれ供給される。またコンパレ
ータ413,414には、比較基準値「8」が供給され
ている。各コンパレータ413,414は、各カウンタ
411,412のカウント値と比較基準値「8」を比較
して、カウント値≦「8」の場合は「L」を出力し、カ
ウント値>「8」の場合は「H」を出力する。このコン
パレータ413,414の出力はオアゲート415を介
して信号LMとなるが、従ってコンパレータ413,4
14の少なくとも一方が「H」である場合は、信号LM
=「H」となる。この信号LM=「H」は、上記図24
の場合と同じく、9T以上の符号間隔が検出されたこと
を意味する。
【0184】この図26のLMD139の検出動作を図
27で説明する。図27は図25と同様に8Tマーク及
び8Tスペースの再生RF信号振幅を示しており、上述
したように8Tマークの期間では、振幅基準値c111
が6回連続して更新され、また8Tスペースの期間で
は、振幅基準値c000が6回連続して更新される。こ
こでカウンタ411は、波形の立ち上がりタイミング
(イネーブル信号c001enがアクティブとなるタイ
ミング)から計数が開始され、波形の立ち下がりタイミ
ング(イネーブル信号c110enがアクティブとなる
タイミング)でリセットされるため、そのカウント値
は、8Tマークの期間では「8」となる。また、7Tマ
ークの場合はカウント値は「7」、6Tマークの場合は
カウント値は「6」・・・となる。つまり通常は、カウ
ンタ411のカウント値は9以上となることはない。も
しカウント値=「9」となった場合は、それは9Tマー
クが発生したことになる。そしてこのようにカウント値
が「9」以上となって、異常なマーク長が検出された場
合は、コンパレータ413の出力が「H」となるため、
信号LM=「H」となる。
【0185】またカウンタ412は、波形の立ち下がり
タイミング(イネーブル信号c110enがアクティブ
となるタイミング)から計数が開始され、波形の立ち上
がりタイミング(イネーブル信号c001enがアクテ
ィブとなるタイミング)でリセットされるため、そのカ
ウント値は、8Tスペースの期間では「8」となる。ま
た、7Tスペースの場合はカウント値は「7」、6Tス
ペースの場合はカウント値は「6」・・・となる。つま
り通常は、カウンタ412のカウント値は9以上となる
ことはない。もしカウント値=「9」となった場合は、
それは9Tスペースが発生したことになる。そしてこの
ようにカウント値が「9」以上となって、異常なスペー
ス長が検出された場合は、コンパレータ414の出力が
「H」となるため、信号LM=「H」となる。
【0186】以上のように図26のLMD139でも、
9T以上のマーク又はスペースが検出された場合に
「H」となる信号LMを発生させる。
【0187】2−7 LMD出力に基づく処理 以上のようにLMD139がある振幅基準値が連続更新
される回数もしくは更新間隔(立ち上がり−立ち下がり
間隔)をモニタすることで、9T以上の符号間隔を検出
する信号LMを発生させるため、コントローラ2は、9
T以上のパターンの発生を発見することができる。従っ
て、ビタビ復号器13を用いてデータのデコードを行っ
た場合、9Tなど本来あり得ないデータをデコードし
て、訂正不能となることや、その誤りにすら気付かない
といったことがなくなる。
【0188】これにより、例えばセクターの再生動作時
においてコントローラ2は、例えば図28のような処理
を行うことができるようになる。
【0189】ホストコンピュータ1からデータ再生指示
があった場合、コントローラ2は、その指示されたセク
ターデータのディスク6からの再生のための動作制御を
開始する。即ち上述したようにRGATE信号、PGA
TE信号により各部に指示を出してDSP17によるサ
ーボ制御、レーザ発光動作、RFブロック20での再生
処理を実行させるとともに、ビタビ復号器13から供給
される復号データに対してのデコード処理、及びホスト
コンピュータ1への転送処理を行うものとなる。なお図
28の処理は、再生を行うある1つのセクターに対する
再生動作時の処理として示している。
【0190】1つのセクターの再生動作処理としては、
コントローラ2は、まずステップF301として、ホス
トコンピュータ1から指示されたセクターにピックアッ
プ7をアクセスさせる。そしてステップF302とし
て、上記各種制御により所要各部の動作を実行させ、デ
ィスク6上のあるセクターの再生動作制御、及び供給さ
れてくる復号データDDについてデコード処理(1−7
デコード/エラー訂正等)を行う。もちろんこの再生動
作中には、ビタビ復号器13においては、RAA136
の動作により、振幅基準値は逐次適応化されている。
【0191】ここでセクターデータの読出動作中には、
コントローラ2はLMD139からの信号LMを監視し
ており、信号LM=「H」となることがなくセクターデ
ータの読出を終えたら、ステップF304に進む。そし
てステップF304では、データ読出が適切に完了した
か否か、つまり同期処理やECC処理にエラーがなく、
デコードが適正に完了したか否かを判別する。そしてセ
クターの再生動作が適正に完了と判別されたら、ステッ
プF304からF305に進み、リトライ回数を示すリ
トライカウンタRCをクリアして、そのセクターに関し
ての再生処理を正常終了する。そしてまだ再生すべき次
のセクターがある場合は、そのセクターの再生処理に移
る。
【0192】ところが、ステップF304でデコードエ
ラーと判断された場合は、及び、セクターデータ再生中
にステップF303において信号LM=「H」となるこ
とが発生した場合は、ステップF306以降のリトライ
処理に移る。すなわちリトライカウンタRCをインクリ
メントした後、ステップF307でのリトライカウンタ
RCの値のチェックを経て、ステップF302に戻り、
現在のセクターに対する再生リトライを行う。
【0193】このように本例では、エラー訂正処理や同
期処理においてエラーが発生してデコードエラーと判別
された場合にリトライ処理に移行するだけでなく、再生
中に信号LM=「H」、つまりあり得ない符号間隔が検
出された場合にもリトライ処理に移行する。これによ
り、9Tパターン等のあり得ない符号間隔があった場合
に、即座にリトライが行われ、処理の効率化がはかられ
るとともに、あり得ない符号間隔のままで誤った処理が
行われることも防止される。
【0194】なお、デコードエラーもしくはあり得ない
符号間隔の検出がある限りは、リトライが複数回繰り返
されることになるが、リトライ処理回数としては上限回
数yが設定されている。すなわちステップF307でリ
トライ回数がチェックされることで、y回のリトライを
行った時点では、次のリトライには進まない(ステップ
F307でRC>yとなった時点)。その場合は、リト
ライを上限回数実行してもデコードOKとはならなかっ
たことで、エラー終了することになる。この場合、コン
トローラ2はホストコンピュータ1にセクターの再生が
エラー終了されることを報告することになる。このエラ
ー報告の際には、もしそのエラー終了があり得ないデー
タパターンに起因して発生した場合は、それをホストコ
ンピュータ1に報告するようにすれば、それが異常原因
のヒントともなり、適切な対応処理をとることも可能と
なる。
【0195】なお、この処理例は説明の簡略化のために
処理を単純化して示しているが、実際には再生及びリト
ライに関し、多様な処理が行われる。例えばリトライ毎
に各種の再生処理に関するパラメータを変更させること
なども行われる。例えば可変ゲインアンプ8でのゲイン
変更、フィルタ部11でのブーストレベルやブーストす
る周波数帯域、カットオフ周波数の変更、BMC132
の振幅基準値の初期値の設定変更、RGATE信号の立
ち上がりタイミングの変更、PLLループゲインの変更
などが考えられる。
【0196】ところで、信号LMを監視してリトライ動
作に進むような処理は、図23のようなライトアンドベ
リファイ時の処理としても適用できる。例えば図23の
ステップF204でのデータリード時に信号LMを監視
し、信号LM=「H」となった場合は、即座にステップ
F211以降のリトライ処理に進むようにすればよい。
【0197】以上本発明の実施の形態を説明してきた
が、本発明は上記例に限定されることなく、多様な変形
例が考えられる。また、本発明は上記ドライブ装置以外
に、3値4状態、7値6状態など、各種のビタビ復号方
法を採用したドライブ装置にも適用することができる。
さらに本発明は、記録媒体に記録されたデータを再生す
る各種の再生装置に適用することができる。すなわち、
光磁気デイスク(MO)以外にも、例えばDVD等の相
変化型ディスク、CD−RW(CD-Rewritable)等の書
き換え可能ディスク、CD−R(CD−WO)、WOR
M等の追記型ディスク、DVD−ROM、CD−ROM
等の読み出し専用ディスク等に対応するディスク再生装
置に適用することが可能である。
【0198】
【発明の効果】以上の説明からわかるように本発明のド
ライブ装置では、ビタビ復号処理で用いる振幅基準値の
更新状況から、ランレングスリミテッド符号における最
大符号間隔を越える符号間隔を検出できるようにしてい
るため、あり得ない符号間隔が得られた場合にそれを認
識して適切に対応できるという効果がある。例えばその
場合はデコードエラーとして再生リトライを行うこと
で、適正な再生データが得られるようになる。もしくは
リトライが失敗したとしても、あり得ないデータパター
ンによる誤再生データを出力すること避けることができ
る。また、所定の振幅基準値の連続更新回数をカウント
することや、振幅基準値から得られる立ち上がりタイミ
ングから立ち下がりタイミングまでの期間、又は立ち下
がりタイミングから立ち上がりタイミングまでの期間の
間隔をカウントすることで容易な処理で符号間隔の検出
が可能となる。また、このようにあり得ない符号間隔の
発生を認識できることは、デコードエラーの場合のエラ
ー原因のヒントともすることができる。例えばエラーレ
ートが悪い場合に、ホスト機器に符号間隔の状況を伝え
るようにすれば、以上の原因追究のためのヒントとする
ことができ、的確な対応処理も実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用できるビタビ復号を用いた一般的
なディスクドライブ装置のブロック図である。
【図2】マーク位置記録方法およびマークエッジ記録方
法の概要の説明図である。
【図3】RLL(1,7)符号化方法における最小磁化
反転幅の説明図である。
【図4】RLL(1,7)符号とマークエッジ記録方法
によって記録されたデータの再生信号をPR(1,2,
1)で波形等化したときのアイパターンの説明図であ
る。
【図5】ビタビ復号方法の状態遷移の過程の説明図であ
る。
【図6】ビタビ復号方法の状態遷移の説明図である。
【図7】ビタビ復号方法の状態遷移のトレリス線図の説
明図である。
【図8】ビタビ復号器のSMUのブロック図である。
【図9】ビタビ復号器のSMUのA型ステータスメモリ
のブロック図である。
【図10】ビタビ復号器のSMUのB型ステータスメモ
リのブロック図である。
【図11】ビタビ復号器のマージブロックにおける状態
データ値の選択動作の説明図である。
【図12】ビタビ復号器で適応化される振幅基準値の説
明図である。
【図13】実施の形態のドライブ装置のブロック図であ
る。
【図14】実施の形態のドライブ装置のRAAのブロッ
ク図である。
【図15】記録レーザパワーとインパルス応答の関係の
説明図である。
【図16】記録レーザパワーとアイパターンの関係の説
明図である。
【図17】2T及び8Tパターンのエンベロープの説明
図である。
【図18】2T及び8Tパターンのエンベロープにみら
れるアシンメトリ値の説明図である。
【図19】実施の形態における適切なアシンメトリ値範
囲の説明図である。
【図20】2T及び8Tパターンの振幅値の説明図であ
る。
【図21】実施の形態のドライブ装置のUCMのブロッ
ク図である。
【図22】実施の形態の評価値の処理のフローチャート
である。
【図23】実施の形態のライトアンドベリファイ動作の
フローチャートである。
【図24】実施の形態のドライブ装置のLMDのブロッ
ク図である。
【図25】実施の形態のLMDの動作の説明図である。
【図26】実施の形態のドライブ装置のLMDのブロッ
ク図である。
【図27】実施の形態のLMDの動作の説明図である。
【図28】実施の形態のセクターリード時の処理のフロ
ーチャートである。
【符号の説明】
1 ホストコンピュータ、2 ドライブコントローラ、
3 CPU、4 LPC、5 磁気ヘッド、6 ディス
ク、7 光ピックアップ、8 アンプ、9 スピンドル
モータ、10 APC、11 フィルタ部、12 A/
D変換器、13ビタビ復号器、14 PLL部、131
シフトレジスタ、132 BMC、133 ACS、
134 SMU、135 マージブロック、136 R
AA、138 UCM、139 LMD

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録媒体に対するレーザ光照射を行っ
    て、ランレングスリミテッド符号として記録されたデー
    タ信号の読出を行うことのできるヘッド手段と、 前記ヘッド手段により読み出されたデータ信号に対し
    て、適応化更新される振幅基準値を用いたビタビ復号処
    理を含む再生処理を行い、再生データを得るデコード手
    段と、 前記ビタビ復号処理で用いる振幅基準値の更新状況か
    ら、ランレングスリミテッド符号における最大符号間隔
    を越える符号間隔を検出する検出手段と、 前記検出手段の検出出力に応じて所要の処理を行う制御
    手段と、 を備えたことを特徴とするドライブ装置。
  2. 【請求項2】 前記制御手段は、前記検出手段により、
    前記最大符号間隔を越える符号間隔が検出された場合
    は、再生動作のリトライを実行させる処理を行うことを
    特徴とする請求項1に記載のドライブ装置。
  3. 【請求項3】 前記検出手段は、所定の振幅基準値の連
    続更新回数をカウントすることで検出動作を行うことを
    特徴とする請求項1に記載のドライブ装置。
  4. 【請求項4】 前記検出手段は、振幅基準値から得られ
    る立ち上がりタイミングから立ち下がりタイミングまで
    の期間、及び/又は、立ち下がりタイミングから立ち上
    がりタイミングまでの期間の間隔をカウントすることで
    検出動作を行うことを特徴とする請求項1に記載のドラ
    イブ装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7616547B2 (en) 2004-02-16 2009-11-10 Samsung Electronics Co., Ltd. High-speed mixed analog/digital PRML data detection and clock recovery apparatus and method for data storage
JP2010033656A (ja) * 2008-07-29 2010-02-12 Nec Corp データ再生装置及び再生方法

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