JP2000331357A - 光学的情報記録再生装置 - Google Patents

光学的情報記録再生装置

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JP2000331357A
JP2000331357A JP11138653A JP13865399A JP2000331357A JP 2000331357 A JP2000331357 A JP 2000331357A JP 11138653 A JP11138653 A JP 11138653A JP 13865399 A JP13865399 A JP 13865399A JP 2000331357 A JP2000331357 A JP 2000331357A
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track
actuator
optical
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recording
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JP11138653A
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Hiroto Kitai
博人 北井
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  • Moving Of The Head For Recording And Reproducing By Optical Means (AREA)
  • Optical Recording Or Reproduction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 粗動モータを駆動して光ヘッド全体をトラッ
ク横断方向に移動させると、光ヘッドの対物レンズ駆動
系に振動を与え、正確なトラッキング動作が妨げられ
る。 【解決手段】 光カード1をトラック横断方向に移動さ
せる移動機構を設け、トラッキング制御信号に基づいて
第2のアクチュエータ200を駆動し、光カード1をト
ラック横断方向に移動させることにより、光スポットが
常時その中心に位置するように第2のトラッキングサー
ボを行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学的情報記録媒
体に情報を記録し、または記録情報を再生する光学的情
報記録再生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、光学的情報記録媒体に光学的に情
報を記録し、あるいは記録情報を読み出す媒体の形態と
してディスク状、カード状、テープ状等の各種のものが
知られている。これらの光学的情報記録媒体には記録及
び再生の可能なものや再生のみ可能なもの等がある。記
録可能な媒体への情報の記録は、記録情報に従って変調
され、微小スポット状に絞られた光ビームを情報トラッ
ク上に走査することにより、光学的に検出可能な情報ビ
ット列として情報の記録を行う。
【0003】この記録媒体を用いて情報の記録/再生を
行う光学的情報記録再生装置は、記録媒体の面振れに追
従して媒体面上に常に所定の大きさの光スポットを形成
するためのオートフォーカシング(AF)制御を行い、
また、走査方向に対する情報トラックのずれに基づいて
情報トラックの振れや外部振動に追従して情報トラック
上に正確に光スポットを位置させるためのオートトラッ
キング(AT)制御を行っている。
【0004】光学的情報記録媒体として光カードを用い
る場合は、走査方向に対する情報トラックのずれには光
カード辺に対する情報トラックの傾き(スキュー)も含
まれている。このような光カードは小型軽量で持ち運び
に便利な比較的大容量の光学的情報記録媒体として大き
な需要が見込まれている。ところで、光カードは数千本
から数万本の情報トラックを有していて、所望の情報ト
ラックに情報の記録再生を行うには、これら多くのトラ
ックから正確に目的のトラックを選択することが必要で
ある。
【0005】一般に、この様なトラック選択の動作はト
ラックアクセスまたは単にアクセスと呼ばれ、このアク
セスは光ヘッド全体又は光カードを搭載したトレイを情
報トラックと直交する方向に移動させるシーク動作と、
光ヘッドを全体として固定しておき、光ヘッド中の光学
系の一部、例えば対物レンズのみを情報トラックと直交
する方向へと移動させるキック動作とからなっている。
【0006】そこで、一般には、光学的情報記録再生装
置はデータの記録再生中に光カードを支持固定する支持
手段と、光カードに記録再生のための光ビームを照射す
るヘッド部と、このヘッド部を光カードの縦方向(X方
向:トラック直交方向)に摺動させるX方向摺動手段
と、このX方向摺動手段をその摺動方向に対し直交する
方向(Y方向:トラック方向)に摺動させるY方向摺動
手段とを設け、両摺動手段によってヘッド部を光カード
上の所望のトラックに移動させてデータの記録再生を行
っている。
【0007】図6は従来のヘッド部の駆動機構を含む光
カード記録再生装置を示すブロック図である。図6にお
いて、まず、1は光カードである。光カード1は図示し
ないカードトレイに載置され、この光カード1にヘッド
部100から光ビームを照射することにより情報の記録
/再生を行う。ヘッド部100はX方向(トラック直交
方向)への電磁駆動手段であるX方向摺動手段200に
取付けられ、X方向摺動手段200はY方向(トラック
方向)への電磁駆動手段であるY方向摺動手段300に
取付けられている。ヘッド部100はX方向摺動手段2
00上をX方向に摺動し、X方向摺動手段200はY方
向摺動手段300上をY方向に摺動し、ヘッド部100
は両摺動手段の駆動によりX、Y方向に移動するように
構成されている。
【0008】X方向摺動手段200は、コの字形のヨー
ク201、その内側に設けられた永久磁石202、もう
1つのヨーク203から成っている。ヨーク203の上
下の面にはV字形の溝が形成されていて、この溝に沿っ
てスライダ204が摺動するように構成されている。ス
ライダ204の端面にはボビン(図示せず)が取付けら
れ、このボビンの上にはコイル205が巻装されてい
る。
【0009】Y方向摺動手段300はX方向摺動手段と
基本的構造は同じである。即ち、ヨーク301、永久磁
石302、上下にV字形溝をもったヨーク303、スラ
イダ304、このスライダ304に取付けられたボビン
(図示せず)、このボビン上に巻装されたコイル305
から成っている。X方向摺動手段200と同様にスライ
ダ304はヨーク303上をY方向に摺動する構成であ
る。ここで重要な点はスライダ304にX方向摺動手段
200のヨーク201が固着されている点である。従っ
て、スライダ304がY方向に摺動すると、X方向摺動
手段200全体がこれに伴なってY方向に摺動し、ヘッ
ド部100がY方向に移動するように構成されている。
【0010】ヘッド部100には、オートフォーカシン
グ(AF)制御やオートトラッキング(AT)制御を行
うためのアクチュエータ、対物レンズ、レーザダイオー
ドを始め、データの記録再生に必要な光学系(図示せ
ず)が組込まれている。アクチュエータは、対物レンズ
をトラックに対し直角方向に駆動してトラッキングを行
う磁気回路、対物レンズをカード面に対し垂直方向に駆
動してオートフォーカスを行う磁気回路等からなってい
る。
【0011】図7(a)は光カードの概略的平面図であ
る。光カード1には情報記録再生トラックが多数平行に
配列され、その一部がT1,T2,T3…として示され
ている。このトラックはトラッキングトラックtt1〜
tt4でそれぞれ区分されている。トラッキングトラッ
クtt1〜tt4は、溝又はトラックT1〜T3とは光
の反射率の異なる物質で形成され、トラッキング制御信
号を得るガイドとして使用される。図7(a)はトラッ
クT3に情報を記録、または再生する場合の例を示して
いる。記録、再生、AF用の0次回折光110はトラッ
クT3上に、AT用±1次回折光111,112は各々
トラッキングtt3,tt4に照射されている。ここ
で、回折光111,112からの反射光によりトラッキ
ング制御信号が得られ、0次回折光110が正しくトラ
ックT3上を走査する様に制御される。また、回折光1
10,111,112は、AF及びAT制御のもとで同
一の位置関係を保ったまま図示しない駆動機構により光
カード1の情報トラック上を図面上左右に走査するよう
に構成されている。
【0012】この走査方式には、光学系を動かす方式と
光カードを動かす方式とがあるが、どちらの方式であっ
ても、光学系と光カードは相対往復運動をするために、
光カード両端に一定速度でない部分が生じる。この様子
を図7(b)に示している。図7(b)の横軸は光カー
ドの左右方向を表わし、縦軸は光学系と光カードとの相
対走査速度を表わしている。通常、光カード1の中央部
の定速走査領域が記録領域として使用される。
【0013】図8は図7(a)の各回折光110〜11
2の部分拡大図である。記録、再生及びAF用の0次回
折光110は、AT用の±1次回折光111,112の
中心に位置し、トラックT3の中心を走査する。斜線部
113a,b,cは、半導体レーザの強パワーによる0
次回折光110による記録列で、一般的にはピットと呼
ばれている。ピット113a,b,cはそれ以外の記録
列周辺と反射率が異なる為、再度弱い光スポット110
で走査すると0次回折光110の反射光はピット113
a,b,cで変調され、再生信号が得られる。また、A
T用の±1次回折光111,112は記録列周辺とトラ
ッキングトラックtt3とtt4とに照射され、その反
射光を用いてトラッキング制御信号が得られる。
【0014】図9はヘッド部100(光ヘッド)の構成
を示す図である。まず、ヘッド部100内には、記録/
再生用光源の半導体レーザ8が設けられている。半導体
レーザ8から発したレーザ光はコリメータレンズ9、整
形プリズム6、偏光プリズム5、1/4波長板4を経由
して対物レンズ3に入射し、対物レンズ3の集光作用に
より光カード1上に微小光スポットとして照射される。
11は対物レンズ3をトラッキング方向に移動させてト
ラッキングサーボを行うためのATアクチュエータコイ
ルである。また、光カード1からの反射光は対物レンズ
3、1/4波長板4、偏光プリズム5、全反射プリズム
7を経由して2分割乃至4分割光検出器10で検出さ
れ、光検出器10の検出信号をもとにトラッキング制御
信号や情報再生信号が生成される。なお、図9のヘッド
部100では板バネによって支持されたレンズ並進方式
のアクチュエータが用いられている。
【0015】ここで、図6の装置においてヘッド部10
0をトラック方向に走査する場合、MPU21から駆動
データをD/A変換器22に送って駆動信号を作成す
る。生成された駆動信号は位相補償器23で位相補償さ
れた後、VCM駆動回路24に供給され、駆動回路24
によりボイスコイルモータであるY方向摺動手段300
のコイル305が駆動される。これにより、スライダ3
04がY方向に移動し、ヘッド部100は光カード1の
トラック方向に移動する。25は光検出器10の出力信
号からトラッキング制御信号を出力する差動増幅器、2
6は位相補償回路、SW1はMPU21によってオン/
オフするスイッチ、28はコイル11を駆動するATア
クチュエータ駆動回路で、これらの構成要素によりレン
ズトラッキングサーボループが構成されている。
【0016】29は外部スケールで、ヘッド部100が
移動した位相を計測し、外部スケール信号を比較回路3
0を介してMPU21に供給する。また、位相補償器2
6の出力は位相補償器31からスイッチSW2、位相補
償器33を介してVCM駆動回路34に供給される。V
CM駆動回路34はX方向摺動手段200を駆動し、ヘ
ッド部100をX方向に移動させる。即ち、トラッキン
グ制御信号を用いてヘッド部100をトラッキング方向
に移動させるという2重トラッキングサーボループが構
成されている。
【0017】また、シーク時にはトラッキング制御信号
は比較回路35でパルス化され、トラック横断信号とし
てMPU21に供給される。このシーク時において、M
PU21はシーク制御のための制御データをD/A変換
器36、スイッチSW2、位相補償器33を介してVC
M駆動回路34に供給し、駆動回路34でX方向摺動手
段200を駆動することによりヘッド部100をトラッ
ク直交方向に移動させてシーク動作を行う。また、2重
トラッキングサーボにおいて位相補償器26の出力を位
相補償器31、スイッチSW2、位相補償器33、慣性
補償器37を介してATアクチュエータ駆動回路28に
供給し、慣性力の補正を行う。これについては詳しく後
述する。
【0018】次に、光カード1は図6の一点鎖線で示す
位置に支持固定されている。ヘッド部100の光ビーム
照射を光カード1の全記録領域に対して行うためには、
図6の一点鎖線で示す任意の領域内に対物レンズ3を移
動させればよい。今、コイル205に適当な電流を流し
たとすると、コイル205と永久磁石202との間の磁
気作用により、スライダ204がX方向に摺動し、コイ
ル305に適当な電流を流すと、コイル305と永久磁
石302との間の磁気作用により、スライダ204及び
X方向摺動手段200全体がY方向に摺動する。従っ
て、コイル205及びコイル305に与える電流を制御
することにより、対物レンズ3を光カード1上の任意の
位置へ移動させることができ、光カード1の情報読取り
記録走査をも行うことができる。
【0019】実際の動作状態においては、半導体レーザ
8から発した光ビームが対物レンズ3により集光され、
光カード1に微小光スポットとして照射される。この
際、光カード1からの反射光を検知した信号を使用して
不図示のフォーカシングアクチュエータで対物レンズ3
をフォーカシング方向に移動させ、光ビームを光カード
面に収束させる。また、ATアクチュエータコイル11
を駆動することにより対物レンズ3をトラック直角方向
に移動させてトラッキング制御を行う。トラッキング制
御は、まず、光カード1から反射した光を対物レンズ
3、1/4波長板4、偏光プリズム5、全反射プリズム
7を介して光検出器10で検出し、検出した信号を差動
増幅器25で差動増幅してトラッキング制御信号を生成
する。
【0020】このトラッキング制御信号を位相補償回路
26、スイッチSW1を介してATアクチュエータ駆動
回路28に供給し、駆動回路28によりATアクチュエ
ータコイル11を駆動することにより光スポットがトラ
ックに追従するようにトラッキングサーボを行う。一
方、外部スケール29で検出されたヘッド部100の位
置信号は比較回路30を介してMPU21に供給され
る。MPU21では、位置信号に基づいてヘッド部10
0の位置や移動速度を検出し、目標の走査速度になるよ
うにD/A変換器22に速度指令データを供給する。D
/A変換された制御信号は位相補償器23を介してVC
M駆動回路24に供給され、駆動回路24によりコイル
305を駆動することによりヘッド部100をトラック
方向に移動させて光スポットをトラック上に走査する。
【0021】ここで、光カード1上のトラックと走査方
向が平行で無い場合、ヘッド部100の走査につれて対
物レンズ3はトラックに追従するためにヘッド部100
に対して最初の位置からずれてくる。対物レンズ3は初
期に位置していた中心位置からずれるとオフセットが発
生し正常なトラッキングができなくなってくる。そこ
で、位相補償器26の出力を位相補償器31、スイッチ
SW2、位相補償器33を介してVCM駆動回路34に
供給し、駆動回路34でX方向摺動手段200を駆動す
ることによりヘッド部100をトラック直交方向に移動
させて対物レンズ3がその中心に位置するように制御を
行う。
【0022】このように光ビームがトラックを追従する
ためのトラッキング制御信号を検出し、トラッキング制
御信号に基づいて第1のアクチュエータ(ATアクチュ
エータ)で対物レンズ3を駆動し、第1のアクチュエー
タの制御信号を用いて第2のアクチュエータである粗動
モータ(X方向摺動手段200)を駆動することによ
り、ヘッド部100全体をトラック直角方向に移動させ
て対物レンズ3が常にその中心位置にあるように制御を
行う方式は、2重トラッキングサーボ方式と呼ばれてい
る。
【0023】図10は板バネによって支持されたレンズ
並進方式アクチュエータを使用した従来の光カード記録
再生装置の2重トラッキングサーボの原理を示す図であ
る。光ディスク技術(ラジオ技術社)p.149によれ
ば、図10に示すように板バネによって支持されたレン
ズ並進方式アクチュエータ(第1のアクチュエータ)を
使用した運動方程式は、粗動モータ系(第2のアクチュ
エータ)に粘性が無いとすると、 mT ・(d2 x/dt2 )+DT ・(dxT /dt)+KT ・xT =fT …(1) mC ・(d2 C /dt2 )=fC −fT …(2) で表わされる。ここで、(1)、(2)式において、 mC は第2のアクチュエータ(粗動モータ)の可動部
(ヘッド部)の質量 mT は第1のアクチュエータの可動部(対物レンズ系)
の質量 fC は第2のアクチュエータの可動部(ヘッド部)に作
用する力 fT は第1のアクチュエータの可動部(対物レンズ系)
に作用する力 DT は第1のアクチュエータのダンパ等による粘性係数 KT は第1のアクチュエータの推力定数 である。また、x=xT +xC を考慮して、(1)、
(2)式をラプラス変換すると、 XC (s)={FC (s)−FT (s)}/(mC ・s2 ) …(3) XT (s)=1/(mT ・s2 +DT ・s+KT )・{FT (s)・ (1−mT /mC )−(mT /mC )・FC (s)} …(4) となる。このように大変複雑な関係となる。
【0024】ここで、第1のアクチュエータの可動部
(対物レンズ系)と第2のアクチュエータ(粗動モー
タ)の可動部(ヘッド部)の質量比は十分大きい(mT
<<mC)ので、ヘッド部への第1のアクチュエータか
らの反力は無視し、第1のアクチュエータの可動部(対
物レンズ系)に作用する力に比べ第2のアクチュエータ
(粗動モータ)の可動部(ヘッド部)に作用する力が十
分大きい(fT <<fC )とすると、(3)、(4)式
は、 XC (s)=FC (s)/(mC ・s2 ) …(5) XT (s)=1/(mT ・s2 +DT ・s+KT )・ {FT (s)−(mT /mC )・FC (s)} …(6) と簡略化されるが、第2のアクチュエータの可動部の慣
性力によって、対物レンズ系側が受ける反作用による干
渉が制御系を不安定にする下記の慣性項が残ることにな
る。
【0025】 (mT /mC )・FC (s) …(7) そこで、図6の装置では慣性補償器37を用いてATア
クチュエータによるレンズの駆動にフィードバックし、
(7)式による慣性項を相殺している。
【0026】次に、光ディスクを用いた従来装置につい
て説明する。光ディスクを用いた場合も回転している光
ディスクに光スポットが焦点を結ぶようにオートフォー
カシング制御を行い、光スポットがトラックに追従する
ようにトラッキング制御を行う。また、光ディスクを用
いた場合は、走査方向に対する情報トラック配置のずれ
は偏心による情報トラックのスキューである。このよう
な光ディスクは数千本から数万本の情報トラックを有
し、目的の情報トラックに情報の記録再生を行うには、
多くのトラックから正確な選択を行うことが必要であ
る。
【0027】光ディスクの場合もこの様なトラック選択
の動作はトラックアクセスまたは単にアクセスと呼ば
れ、このアクセスは光ヘッド全体を情報トラックを横断
する方向に移動させるシーク動作と、光ヘッドを全体と
して固定しておき光ヘッド中の光学系の一部、例えば対
物レンズのみを情報トラックを横断する方向へ移動させ
るキック動作とからなっている。そこで、従来の光ディ
スク装置では、データの記録再生中に光ディスクを回転
させる回転手段、光ディスクに記録再生のための光ビー
ムを照射するヘッド部、このヘッド部を光ディスクのト
ラックを横切る方向に移動させるX方向摺動手段を設
け、両駆動手段によってヘッド部を光ディスク上の目的
位置に移動させてデータの記録再生を行っている。
【0028】図11は従来の光ディスク記録再生装置を
示すブロック図である。図11において、まず、光ディ
スク500はスピンドルモータ52の回転軸に支持され
ている。光ディスク500の下面にはヘッド部100が
配置されている。ヘッド部100は光ディスク500の
トラックを横切る方向(X方向)に移動させるための電
磁駆動手段であるX方向摺動手段56に取付けられ、ヘ
ッド部100はトラックを横切る方向に移動できる。ま
た、ヘッド部100からの光スポットは回転している光
ディスクのトラックに追従して走査することができる。
【0029】ヘッド部100の構成は図9とほぼ同様で
あり、半導体レーザ8、コリメータレンズ9、整形プリ
ズム6、偏光プリズム5、1/4波長板4、対物レンズ
3から成っている。また、光ディスク500からの反射
光を検出する2分割乃至4分割光検出器10、対物レン
ズ3をトラッキング方向に移動させるATアクチュエー
タコイル11を備えている。
【0030】また、25は光検出器10の出力信号の差
分をとってトラッキング制御信号を出力する差動増幅
器、26は位相補償回路、SW1はMPU21の制御に
よってオン/オフするスイッチ、28はコイル11を駆
動するATアクチュエータ駆動回路である。これらの2
5〜28の要素でレンズトラッキングのサーボループが
構成されている。位相補償器26の出力は位相補償器3
1、スイッチSW4、位相補償器54を介してVCM駆
動回路55に供給され、VCM駆動回路55でX方向摺
動手段56を駆動することによりヘッド部100をトラ
ッキング方向に移動させて2重トラッキングサーボを行
う。
【0031】シーク動作時はトラッキング制御信号が比
較回路35でパルス化され、トラック横断信号としてM
PU21に供給される。MPU21はシーク制御のため
の制御データをD/A変換器58に供給し、D/A変換
された制御信号をスイッチSW4、位相補償器54を介
してVCM駆動回路55に供給し、駆動回路55でX方
向摺動手段56を駆動することによりヘッド部100を
移動させてシーク動作を行う。また、位相補償器26の
出力を位相補償器31、スイッチSW4、位相補償器5
4、慣性補償器37を介してATアクチュエータ駆動回
路28に供給し、図6と同様に慣性力の補正を行う。
【0032】光ディスク500を用いた場合も光検出器
10の出力信号を差動増幅器25で差動検出することに
よりトラッキング制御信号を生成する。このトラッキン
グ制御信号を位相補償回路26、スイッチSW1を介し
てATアクチュエータ駆動回路28に供給し、アクチュ
エータ駆動回路28でATアクチュエータコイル11を
駆動することにより回転している光ディスク500のト
ラックに光スポットを走査している。
【0033】ここで、光ディスク500の回転中心とス
パイラル(または同心円)状のトラックの中心に偏心が
あると、光スポットの走査につれて対物レンズ3はトラ
ックに追従するためにヘッド部100に対して最初の位
置からずれてくる。対物レンズは初期に位置していた中
心位置からずれるとオフセットが発生し正常なトラッキ
ングが出来なくなってくる。そこで、位相補償器26の
出力を位相補償器31、スイッチSW4、位相補償器5
4を介してVCM駆動回路55に供給し、VCM駆動回
路55でX方向摺動手段56を駆動することにより対物
レンズ3が中心位置からずれないようにしている。これ
は、光カードのスキューに対する制御と同様である。
【0034】このように光ディスク500を用いた場合
も、トラッキング制御信号により第1のアクチュエータ
で対物レンズ3を駆動し、第1のアクチュエータの制御
信号で第2のアクチュエータである粗動モータ(X方向
摺動手段56)を駆動してヘッド部100全体をトラッ
ク横断方向に移動させることにより、対物レンズ3が常
時にその中心位置にあるように制御を行う方式は、2重
サーボ方式と呼ばれている。
【0035】図12は図11の装置の場合の板バネによ
って支持されたレンズ並進方式アクチュエータを使用し
た2重トラッキングサーボの原理を示す図である。記録
媒体が異なる以外は図10の光カードを用いた場合と同
じである。簡単に説明すると板バネによって支持された
レンズ並進方式アクチュエータ(第1のアクチュエー
タ)を使用した運動方程式は、粗動モータ系(第2のア
クチュエータ)に粘性が無いとすると、(1)、(2)
式で表わされる。x=xT+C を考慮して(1)、
(2)式をラプラス変換すると、(3)、(4)式が得
られる。
【0036】また、第1のアクチュエータの可動部(対
物レンズ系)と第2のアクチュエータ(粗動モータ)の
可動部(ヘッド部)の質量比は十分大きい(mT <<m
C )ので、ヘッド部への第1のアクチュエータからの反
力は無視し、かつ第1のアクチュエータの可動部(対物
レンズ系)に作用する力に比べ第2のアクチュエータ
(粗動モータ)の可動部(ヘッド部)に作用する力が十
分大きい(fT <<fC)とすると、(3)、(4)式
は(5)、(6)式のように簡略化されるが、第2のア
クチュエータの可動部の慣性力によって対物レンズ系側
が受ける反作用による干渉が制御系を不安定にする
(7)式の慣性項が残る。そこで、図11の装置では図
6と同様に慣性補償器37を用いてATアクチュエータ
によるレンズの駆動にフィードバックし、慣性力を相殺
している。
【0037】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
光カード記録再生装置においてトラッキング制御信号に
より第1のアクチュエータで対物レンズを駆動し、第1
のアクチュエータの駆動信号で第2のアクチュエータの
粗動モータを駆動する2重トラッキングサーボを行う場
合、粗動モータを駆動してヘッド部全体をトラック直交
方向に移動させると、ヘッド部に搭載された第1のアク
チュエータの可動部に振動が加わり、正確なトラッキン
グ動作が妨げられ、精度良い記録や再生が出来ないとい
う問題があった。第1のアクチュエータに回転摺動タイ
プのものを使用しても同様の問題があった。
【0038】また、第1のアクチュエータに板バネによ
って支持されたレンズ並進方式アクチュエータを使用し
た場合は、前述のように慣性力を補正するために、粗動
モータに加える電流からその慣性力を予測し、それに比
例した電流をアクチュエータに加えることにより、慣性
力補正を行っている。即ち、対物レンズ系に(7)式の
(mT /mC )・FC (s)の力を加えている。しか
し、このような補正を行うためには、補正を行う回路が
必要であるため、装置の構成が複雑となり、コスト高に
なるという問題があった。
【0039】更に、そのような補正を行っても、対物レ
ンズ系とヘッド部の質量比は十分大きい(mT <<
C )ので、ヘッド部への第1のアクチュエータからの
反力は無視し、第1のアクチュエータの可動部(対物レ
ンズ)に作用する力に比べ第2のアクチュエータ(粗動
モータ)の可動部(ヘッド部)に作用する力が十分大き
い(fT <<fC )としているためそれによる誤差が残
る。そのため、完全には補正出来ず、2重トラッキング
サーボ系の不安定さが残り、精度良い記録再生が出来な
いという問題があった。また、光ディスクを用いた装置
においても、光カードを用いた装置と全く同様に以上の
ような3つの問題があった。
【0040】本発明は、上記従来の問題点に鑑み、精度
良い2重トラッキングサーボを行うことができ、慣性力
を補正する特殊な回路も不要にできる光学的情報記録再
生装置を提供することを目的とする。
【0041】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、光ヘッ
ドの光スポットと記録媒体とのずれを示すトラッキング
制御信号を検出し、前記トラッキング制御信号に基づい
て前記光ヘッド内に設けられた第1のアクチュエータを
駆動することにより光スポットが記録媒体のトラックに
追従して走査するように第1のトラッキングサーボを行
い、且つ、前記トラッキング制御信号に基づいて第2の
アクチュエータを駆動し、光スポットが常時その中心に
位置するように第2のトラッキングサーボを行いながら
情報の記録又は記録情報の再生を行う光学的情報記録再
生装置において、前記記録媒体をトラック横断方向に移
動させる移動機構を備え、前記トラッキング制御信号に
基づいて前記第2のアクチュエータを駆動し、前記記録
媒体をトラック横断方向に移動させることにより前記第
2のトラッキングサーボを行うことを特徴とする光学的
情報記録再生装置によって達成される。
【0042】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の第1
の実施形態の構成を示すブロック図である。なお、第1
の実施形態では、記録媒体として図7(a)に示すよう
に直線状の複数のトラックを有する光カードを用いるも
のとする。また、図1では図6の従来装置と同一部分は
同一符号を付して説明を省略する。図1において、ま
ず、ヘッド部100はY方向(トラック方向)への電磁
駆動手段であるY方向摺動手段300に取り付けられ、
Y方向摺動手段300の駆動によりトラック方向に往復
移動する。
【0043】また、光カード1はキャリッジ400に載
置され、このキャリッジ400はX方向(トラック直交
方向)への電磁駆動手段であるX方向摺動手段200に
取り付けられている。キャリッジ400は光カード1を
載置した状態で、X方向摺動手段200の駆動によりト
ラック直交方向に移動する。ヘッド部100は図9のも
のと同等である。なお、X方向摺動手段200、Y方向
摺動手段300は、いずれもボイスコイルモータによる
移動手段である。
【0044】X方向摺動手段200は、コの字形のヨー
ク201、その内側に設けられた永久磁石202、もう
1つのヨーク203から成っていて、ヨーク203にス
ライダ204が摺動可能に取り付けられている。即ち、
ヨーク203の上下の面にはV字形の溝が形成されてい
て、この溝に沿ってスライダ204が摺動する構造であ
る。スライダ204にはボビンが取付けられ、ボビンの
外周にコイル205が巻装されている。コイル205に
駆動電流を供給すると、スライダ204がヨーク203
上を摺動し、キャリッジ400がトラック直交方向に移
動する。
【0045】Y方向摺動手段300はX方向摺動手段と
基本的構造は同じである。即ち、ヨーク301、永久磁
石302、上下にV字形溝が形成されたヨーク303、
ヨーク303上に取り付けられたスライダ304から成
っている。スライダ304にはボビンが取り付けられ、
ボビンの外周にコイル305が巻装されている。コイル
305に駆動電流を供給すると、スライダ304がヨー
ク303上を摺動し、ヘッド部100はトラック方向に
移動する。ここで重要な点は、スライダ304にヘッド
部100が固着され、スライダ204にはキャリッジ4
00が固着されていて、ヘッド部100はY方向、キャ
リッジ400はX方向にそれぞれ移動することである。
【0046】次に、本実施形態の具体的な動作について
説明する。まず、光カード1の複数のトラックのうち目
的のトラックを選択するシーク動作を行う場合、差動増
幅器25の出力を比較回路35で2値化したトラック横
断信号がMPU21に供給される。MPU21はトラッ
ク横断信号に基づいて位置信号や速度信号を得て、目標
トラックにシークするための制御データをD/A変換器
36に供給する。D/A変換器36でアナログ化された
制御信号はスイッチSW2、位相補償器33を介してV
CM駆動回路34に供給され、VCM駆動回路34によ
りY方向摺動手段200が駆動される。この駆動によ
り、キャリッジ400はトラック直交方向に移動し、ヘ
ッド部100を目的トラックに位置決めするシーク動作
を行う。
【0047】シーク動作を完了すると、MPU21はヘ
ッド部100をトラック方向に移動させるための制御デ
ータをD/A変換器22、位相補償器23を介してVC
M駆動回路24に供給し、VCM駆動回路24によりY
方向摺動手段300を駆動する。この際、外部スケール
29で検出された信号が比較回路30で2値化され、M
PU21に供給される。MPU21は比較回路30の出
力信号に基づいてヘッド部100の位置や移動速度を検
出し、それに応じて制御データを供給し、図7(b)に
示すように加速領域における加速制御、定速領域におけ
る速度制御、減速領域における減速制御を行う。
【0048】これにより、Y方向摺動手段300のスラ
イダ304がトラック方向に移動し、ヘッド部100が
図7(b)のような速度プロファイルでトラック方向に
移動する。また、MPU21は図7(b)の定速領域で
図示しないレーザ駆動回路を制御し、半導体レーザ8を
情報信号に応じて駆動することにより、目的トラックに
情報の記録を行う。一方、目的トラックの情報を再生す
る時は半導体レーザ8を一定の再生用スポットとなるよ
うに駆動し、再生用スポットを目的トラックに走査す
る。光カード1からの反射光は光検出器10で検出さ
れ、図示しない再生回路で光検出器10の出力信号をも
とに所定の信号処理を行うことにより記録情報の再生を
行う。
【0049】また、情報の記録再生時は光検出器10の
出力信号が差動増幅器25で差が検出され、光スポット
とトラックとのずれを示すトラッキング制御信号が検出
される。トラッキング制御信号は、位相補償器26、ス
イッチSW1を介してATアクチュエータ駆動回路28
に供給され、ATアクチュエータ駆動回路28によりヘ
ッド部100内のATアクチュエータコイル11を駆動
することにより、対物レンズ3をトラッキング方向に移
動させて光スポットが光カード1の目的トラックに追従
するようにトラッキング制御を行う。また、図1では省
略しているが、周知のフォーカシングサーボを行い、光
スポットが光カード1の記録層に合焦するようにフォー
カシング制御を行う。
【0050】ここで、光カード1のスキューによりトラ
ックとヘッド部100の走査方向が平行でないと、ヘッ
ド部100の走査に伴ない対物レンズ3はトラックに追
従するためにヘッド部100の初期位置からずれてく
る。対物レンズ3が初期位置の中心位置から可動範囲ず
れると、それ以上トラックに追従できなくなる。そこ
で、位相補償器26の出力を位相補償器31、スイッチ
SW2、位相補償器33を介してVCM駆動回路34に
供給し、VCM駆動回路34でX方向摺動手段200を
駆動することにより、キャリッジ400をトラック直交
方向に移動させている。即ち、トラッキング制御信号を
用いてキャリッジ400を移動させてトラッキングサー
ボを行い、対物レンズ3が常時その中心(可動範囲の中
心)に位置するように制御を行っている。
【0051】本実施形態では、光スポットのトラッキン
グはヘッド部100内のATアクチュエータコイル1
1、対物レンズ3で行っているので、ヘッド部100は
X方向に固定されていない。そのため、光カード1を載
置したキャリッジ400をトラック直交方向に移動させ
ても、ヘッド部100やATアクチュエータに振動が加
わることはなく、精度よいトラッキングサーボや2重ト
ラッキングサーボを行うことができる。また、光カード
1をトラック直交方向に移動させているので、X方向摺
動手段200による慣性力が対物レンズ3の駆動系に影
響を与えることがない。そのため、図6の従来装置のよ
うに慣性補償器37を用いてATアクチュエータによる
対物レンズ3の駆動系にフィードバックして補正する必
要はなく、従来に比べて構成を簡単化することができ
る。
【0052】図2は本実施形態の2重トラッキングサー
ボの原理を示す図である。図2においても、板バネによ
って支持されたレンズ並進方式アクチュエータを使用し
ている。まず、板バネによって支持されたレンズ並進方
式アクチュエータ(第1のアクチュエータ)を使用した
運動方程式は、粗動モータ系(第2のアクチュエータ)
に粘性が無いとすると、 mT ・(d2 T /dt2 )+DT ・(dxT /dt)+KT ・xT =fT …(8) mC ・(d2 C /dt2 )=fC …(9) で表わされる。mT 、mC 、fC 、fT 、DT 、KT
(1)、(2)式の場合と同様である。ここで、x=x
T-C を考慮して(8)、(9)式をラプラス変換する
と、 XC (s)=FC (s)/(mC ・s2 ) …(10) XT (s)=1/(mT ・s2 +DT ・s+KT )・FT (s) …(11) となる。
【0053】このように第1のアクチュエータの可動部
(対物レンズ系)は第2のアクチュエータ(粗動モー
タ)による慣性の影響を受けない。つまり、対物レンズ
系と粗動モータ系の干渉が無いので、精度良い制御が可
能になる。よって、(7)式のような慣性項はなく、そ
れを補正するための回路は不要である。
【0054】なお、第1の実施形態では、X方向摺動手
段200を用いて2重トラッキングサーボとシーク動作
の両方を行っているが、X方向摺動手段200で2重ト
ラッキングサーボのみを行い、X方向摺動手段200と
キャリッジ全体を別の駆動装置でX方向に移動させてシ
ーク動作を行ってもよい。また、X方向摺動手段として
ボイスコイルモータを用いているが、DCモータ、超音
波モータ、パルスモータ等であっても差し支えない。更
に、第1のアクチュエータで対物レンズを駆動してトラ
ッキングサーボを行っているが、ミラー方式のトラッキ
ング方式でも差し支えない。
【0055】また、2重トラッキングサーボにおいて、
第2のアクチュエータの駆動としてトラッキング制御信
号を位相補償した後の第1のアクチュエータの駆動信号
を使用しているが、トラッキング制御信号を使用しても
差し支えない。更に、2重トラッキングサーボにおい
て、第2のアクチュエータの駆動として第1のアクチュ
エータの駆動信号を使用しているが、この駆動信号をA
/D変換器でMPUに取り込み、MPU内でゲインや位
相補償を行った後、D/A変換器を介してVCM駆動回
路に入力して第2のアクチュエータを駆動しても差し支
えない。
【0056】図3は本発明の第2の実施形態の構成を示
すブロック図である。本実施形態では、記録媒体として
スパイラル状(または同心円状)の複数のトラックを有
する光ディスクを用いた記録再生装置を例としている。
また、図3では図11の従来装置と同一部分は同一符号
を付して説明を省略する。図3において、まず、ヘッド
部100はドライブ機構のベース501に固定されてい
る。また、ベース501にはモータ52をトラックを横
切る方向に移動させるための電磁移動手段であるX方向
摺動手段53が固定されている。光ディスク500はモ
ータ52の回転軸に支持された状態で、トラックを横切
る方向に移動することができる。ヘッド部100は図9
のものと同等である。
【0057】光ディスク500の目的トラックにヘッド
部100をシークする場合は、差動増幅器25の出力信
号が比較回路35で2値化され、トラック横断信号とし
てMPU21に供給される。MPU21はトラック横断
信号をカウントしてヘッド部100の位置を検出し、且
つ、トラック横断信号をもとに速度を検出し、それに基
づいて制御データを生成し、D/A変換器36に供給す
る。D/A変換器36でアナログ化された制御信号はス
イッチSW2、位相補償器50を介してVCM駆動回路
51に供給され、VCM駆動回路51によりX方向摺動
手段53が駆動される。X方向摺動手段53はヨーク5
3a、電磁石53b、スライダ53c、コイル53dか
ら成っていて、VCM駆動回路51からコイル53dに
駆動電流を供給すると、スライダ53cがヨーク53a
に沿って摺動し、モータ52が光ディスク500を支持
したままトラックを横切る方向に移動する。このように
してヘッド部100を光ディスク500の目的トラック
に移動させてシーク動作を行う。
【0058】シーク動作を完了すると、MPU21は図
示しないレーザ駆動回路を制御し、半導体レーザ8から
の記録用光スポットを光ディスク500の目的トラック
に走査することにより情報の記録を行う。一方、光ディ
スク500の記録情報を再生する時は半導体レーザ8か
らの一定の再生用光スポットを光ディスク500の目的
トラックに走査し、光ディスク500からの反射光を光
検出器10で検出し、その検出信号を用いて図示しない
再生回路で所定の信号処理を行うことにより記録情報の
再生を行う。
【0059】また、記録/再生時は差動増幅器25でト
ラッキング制御信号が検出され、位相補償器26、スイ
ッチSW1を介してATアクチュエータ駆動回路28に
供給される。ATアクチュエータ駆動回路28はヘッド
部100内のATアクチュエータコイル11を駆動し、
対物レンズ3をトラッキング方向に移動させることによ
りヘッド部100からの光スポットが回転している光デ
ィスク500のトラックに追従して走査するようにトラ
ッキング制御を行う。また、図3の装置ではフォーカシ
ングサーボにより光スポットが光ディスク500の記録
層に合焦するようにフォーカシング制御を行う。
【0060】ここで、光ディスク500の回転中心とト
ラック中心に偏芯があると、光スポットが走査するにつ
れて対物レンズ3はトラックに追従するためにヘッド部
100の最初の位置からずれてくる。対物レンズ3が初
期位置の中心位置から可動範囲ずれると、正常なトラッ
キングをできなくなる。MPU21は第1の実施形態と
同様に位相補償器26の出力信号を位相補償器31、ス
イッチSW2、位相補償器50を介してVCM駆動回路
51に供給する。VCM駆動回路51はX方向摺動手段
53を駆動し、光ディスク500をトラック横断方向に
移動させてヘッド部100内の対物レンズ3が常時その
中心(可動範囲の中心)に位置するようにトラッキング
サーボを行う。
【0061】この場合、光スポットのトラッキングはヘ
ッド部100内のアクチュエータで行うので、ヘッド部
100はトラックを横切る方向に固定されていない。従
って、X方向摺動手段53により光ディスク500を含
むモータ52全体を駆動しても、ヘッド部100やAT
アクチュエータに振動が加わることはなく、精度よいト
ラッキングや2重トラッキングサーボを行うことができ
る。また、図11の従来装置の慣性補償器が不要とな
り、構成を簡単化できる。
【0062】図4は本実施形態の2重トラッキングサー
ボの原理を示す図である。図4は光カードを用いた場合
の図2と基本的に同一である。この場合のレンズ並進ア
クチュエータ(第1のアクチュエータ)を用いた運動方
程式は、粗動モータ系(第2のアクチュエータ)に粘性
がないとすると、(8)、(9)式となる。また、x=
T-C を考慮して(8)、(9)式をラプラス変換す
ると、(10)、(11)式となる。よって、本実施形
態においても第1のアクチュエータの可動部(対物レン
ズ系)は第2のアクチュエータ(粗動モータ)による慣
性の影響を受けることはなく、対物レンズ系と粗動モー
タ系の干渉がないため、精度よい制御が可能である。ま
た、(7)式のような慣性項がないため、それを補正す
る回路も不要である。
【0063】図5は本発明の第3の実施形態の構成を示
すブロック図である。本実施形態では、図3の第2の実
施形態の構成に加えて、ヘッド部100を独立して光デ
ィスク500のトラックを横切る方向に移動可能とし、
ヘッド部100を目的トラックにシークできる構成とし
ている。具体的には、ドライブ機構のベース501上に
電磁移動手段であるX方向摺動手段56が設けられ、こ
の摺動手段56にヘッド部100が取り付けられてい
る。X方向摺動手段56は、ヨーク56a、永久磁石5
6b、スライダ56c、コイル56dから成り、コイル
56dを駆動することによりスライダ56cがヨーク5
6a上を摺動し、ヘッド部100がトラックを横切る方
向に移動する構成である。
【0064】MPU21はヘッド部100を目的トラッ
クにシークする場合、比較回路35から供給されるトラ
ック横断信号をカウントして位置信号を生成し、且つ、
トラック横断信号をもとに速度信号を生成する。そし
て、それに応じてヘッド部100を目的トラックにシー
クするための制御データを生成し、D/A変換器36に
供給する。D/A変換器36でアナログ化された制御信
号は位相補償器54を介してVCM駆動回路55に供給
され、VCM駆動回路55の駆動によりX方向摺動手段
56が駆動される。この駆動によりヘッド部100はト
ラック横断方向に移動し、目的トラックへのシーク動作
を行う。
【0065】また、その他の構成は図3と同様であり、
情報記録/再生時はトラッキング制御信号に基づいてA
Tアクチュエータ駆動回路28によりATアクチュエー
タコイル11を駆動し、対物レンズ3をトラッキング方
向に移動させて光スポットがトラックに追従するように
トラッキング制御を行う。また、光ディスク500の偏
芯により対物レンズ3が中心位置からずれてくると、ト
ラッキングできなくなる。そこで、位相補償器26の出
力信号を位相補償器31、スイッチSW2、位相補償器
56を介してVCM駆動回路51に供給し、VCM駆動
回路51はX方向摺動手段53を駆動し、光ディスク5
00を含むモータ52全体をトラック横断方向に移動さ
せている。このように、トラッキング制御信号を用いて
光ディスク500を移動させることにより、対物レンズ
3が常時その中心に位置するようにトラッキングサーボ
を行う。
【0066】なお、第2、第3の実施形態では、X方向
摺動手段53あるいは56としてボイスコイルモータを
用いているが、DCモータ、超音波モータ、パルスモー
タ等を用いてもよい。また、トラッキング方式として
は、ミラー方式を用いてもよく、更に、2重トラッキン
グサーボの場合、トラッキング制御信号を位相補償した
後のATアクチュエータコイルの駆動信号を使用してい
るが、トラッキング制御信号を使用してもよい。また、
2重トラッキングサーボにおいて第2のアクチュエータ
(X方向摺動手段53)の駆動信号として第1のアクチ
ュエータ(ATアクチュエータ)の駆動信号を使用して
いるが、この駆動信号をA/D変換器でMPU21に取
り込み、MPU21内でゲイン、位相補償を行い、その
後、D/A変換器を介してVCM駆動回路51に供給し
て第2のアクチュエータを駆動してもよい。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ト
ラッキング制御信号に基づいて記録媒体をトラック横断
方向に移動させて第2のトラッキングサーボを行ってい
るので、光ヘッド内の第1のアクチュエータの駆動系に
振動が加わることがなく、正確にトラッキングサーボを
行うことができる。また、慣性力を補正する特殊な回路
を必要とせずに、2重トラッキングサーボを行うことが
でき、構成を簡単化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の構成を示すブロック
図である。
【図2】図1の実施形態の2重トラッキングサーボの原
理を示す図である。
【図3】本発明の第2の実施形態の構成を示すブロック
図である。
【図4】図3の実施形態の2重トラッキングサーボの原
理を示す図である。
【図5】本発明の第3の実施形態の構成を示すブロック
図である。
【図6】従来例の光カード記録再生装置を示すブロック
図である。
【図7】光カード及び光カードの速度プロファイルを示
す図である。
【図8】光カード上の光スポットを示す図である。
【図9】図6の装置のヘッド部を示す図である。
【図10】図6の装置の2重トラッキングサーボの原理
を示す図である。
【図11】従来例の光ディスク記録再生装置を示すブロ
ック図である。
【図12】図11の装置の2重トラッキングサーボの原
理を示す図である。
【符号の説明】
1 光カード 3 対物レンズ 8 半導体レーザ 10 光検出器 11 ATアクチュエータコイル 21 MPU 22,36 D/A変換器 23,26,31,33,50 位相補償器 25 差動増幅器 24,34,51 VCM駆動回路 28 ATアクチュエータ駆動回路 30,35 比較回路 52 モータ 53,56,200 X方向摺動手段 100 ヘッド部 300 Y方向摺動手段 400 キャリッジ 500 光ディスク SW1,SW2 スイッチ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ヘッドの光スポットと記録媒体のトラ
    ックとのずれを示すトラッキング制御信号を検出し、前
    記トラッキング制御信号に基づいて前記光ヘッド内に設
    けられた第1のアクチュエータを駆動することにより光
    スポットが記録媒体のトラックに追従して走査するよう
    に第1のトラッキングサーボを行い、且つ、前記トラッ
    キング制御信号に基づいて第2のアクチュエータを駆動
    し、光スポットが常時その中心に位置するように第2の
    トラッキングサーボを行いながら情報の記録又は記録情
    報の再生を行う光学的情報記録再生装置において、前記
    記録媒体をトラック横断方向に移動させる移動機構を備
    え、前記トラッキング制御信号に基づいて前記第2のア
    クチュエータを駆動し、前記記録媒体をトラック横断方
    向に移動させることにより前記第2のトラッキングサー
    ボを行うことを特徴とする光学的情報記録再生装置。
  2. 【請求項2】 前記記録媒体は、直線状の複数のトラッ
    クを有する光カードから成り、前記第1のアクチュエー
    タが設けられた光ヘッドをトラック方向に移動させる移
    動機構を備え、前記光ヘッドをトラック方向に移動させ
    ることにより光スポットを記録媒体のトラックに走査す
    ることを特徴とする請求項1に記載の光学的情報記録再
    生装置。
  3. 【請求項3】 前記第2のアクチュエータを駆動し、前
    記記録媒体をトラック直交方向に移動させることによ
    り、前記光ヘッドの光スポットを目的トラックに移動さ
    せるシーク動作を行うことを特徴とする請求項1、2の
    いずれかに記載の光学的情報記録再生装置。
  4. 【請求項4】 前記記録媒体は、スパイラル状または同
    心円状の複数のトラックを有するディスク記録媒体から
    成り、前記第2のアクチュエータを駆動し、前記記録媒
    体をトラック横断方向に移動させることにより前記光ヘ
    ッドの光スポットを目的トラックに移動させるシーク動
    作を行うことを特徴とする請求項1に記載の光学的情報
    記録再生装置。
  5. 【請求項5】 前記光ヘッドをトラックを横切る方向に
    移動させる第3のアクチュエータを備え、前記記録媒体
    の目的トラックに前記光ヘッドの光スポットを移動させ
    るシーク動作を行う時は前記第3のアクチュエータの駆
    動により前記光ヘッドをトラックを横切る方向に移動さ
    せることを特徴とする請求項1、4のいずれかに記載の
    光学的情報記録再生装置。
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