JP2000330527A - 表示装置 - Google Patents

表示装置

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JP2000330527A JP2000075142A JP2000075142A JP2000330527A JP 2000330527 A JP2000330527 A JP 2000330527A JP 2000075142 A JP2000075142 A JP 2000075142A JP 2000075142 A JP2000075142 A JP 2000075142A JP 2000330527 A JP2000330527 A JP 2000330527A
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舜平 山崎
Jun Koyama
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 D/A変換回路の構成を複雑にすることな
く、多階調表示を可能とする表示装置を提供すること。 【解決手段】 外部から入力されるmビットデジタルビ
デオデータのうち、nビットを電圧階調の情報として、
かつ(m−n)ビットを時間階調の情報として用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
【0002】本発明は、表示装置に関する。特に、電圧
階調と時間階調との両方によって階調表示を行う表示装
置に関する。
【0003】
【従来の技術】
【0004】最近安価なガラス基板上に半導体薄膜を形
成した半導体装置、例えば薄膜トランジスタ(TFT)
を作製する技術が急速に発達してきている。その理由
は、アクティブマトリクス型表示装置、特にアクティブ
マトリクス型液晶表示装置の需要が高まってきたことに
よる。
【0005】アクティブマトリクス型表示装置は、マト
リクス状に配置された数十〜数百万個もの画素領域にそ
れぞれ画素TFTが配置され、各画素TFTに接続され
た画素電極に出入りする電荷を画素TFTのスイッチン
グ機能により制御するものである。
【0006】近年、画像の高精細化、高解像度化ととも
に、望ましくはフルカラー表示が行える多階調表示が求
められている。
【0007】また、アクティブマトリクス型表示装置の
中でも、表示装置の高精細化、高解像度化に伴い、高速
駆動が可能なデジタル駆動方式のアクティブマトリクス
型表示装置が注目されてきている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】デジタル駆動方式のアクティブマトリクス
型表示装置には、外部から入力されるデジタルビデオデ
ータをアナログデータ(階調電圧)に変換するD/A変
換回路(DAC)が必要である。D/A変換回路には、
様々な種類のものが存在する。
【0010】デジタル駆動方式のアクティブマトリクス
型表示装置の多階調表示能力は、このD/A変換回路の
能力、つまりD/A変換回路が何ビットのデジタルビデ
オデータをアナログデータに変換することができるかに
依存している。例えば、一般的に、2ビットのデジタル
ビデオデータを処理するD/A変換回路を有する表示装
置であれば、22=4階調表示を行うことができ、8ビ
ットならば28=256階調表示を行うことができ、ま
たnビットならば2n階調表示を行うことができる。
【0011】しかし、D/A変換回路の能力を上げるた
めには、D/A変換回路の回路構成が複雑になり、かつ
レイアウト面積が大きくなる。最近では、D/A変換回
路をアクティブマトリクス回路と同一基板上にポリシリ
コンTFTによって形成する表示装置が報告されてきて
いる。しかし、この場合、D/A変換回路の回路構成が
複雑になると、D/A変換回路の歩留まりが低下し、表
示装置の歩留まりも低下してしまう。また、D/A変換
回路のレイアウト面積が大きくなると、小型の表示装置
を実現することが困難になる。
【0012】
【課題を解決するための手段】
【0013】そこで、本発明は上述の問題に鑑みてなさ
れたものであり、多階調の表示を実現することのできる
アクティブマトリクス型表示装置を提供するものであ
る。
【0014】まず、図1を参照する。図1には、本発明
の表示装置の概略構成図が示されている。101はデジ
タルドライバを有する表示パネルである。101−1は
ソースドライバであり、101−2および101−3は
ゲートドライバであり、101−4は複数の画素TFT
がマトリクス状に配置されたアクティブマトリクス回路
である。ソースドライバ101−1およびゲートドライ
バ101−2ならびに101−3は、アクティブマトリ
クス回路を駆動する。102はデジタルビデオデータ時
間階調処理回路である。なお、本明細書においては、表
示装置と表示パネルとを使い分けているが、デジタルビ
デオデータ時間階調処理回路を含む表示パネルを表示装
置と呼ぶこともある。
【0015】デジタルビデオデータ時間階調処理回路1
02は、外部から入力されるmビットデジタルビデオデ
ータのうちnビットのデジタルビデオデータを、nビッ
トの電圧階調の為のデジタルビデオデータに変換する。
mビットのデジタルビデオデータのうち(m−n)ビッ
トの階調情報は、時間階調によって表現される。
【0016】デジタルビデオデータ時間階調処理回路1
02によって変換されたnビットデジタルビデオデータ
は、表示パネル101に入力される。表示パネル101
に入力されたnビットデジタルビデオデータは、ソース
ドライバに入力され、ソースドライバ内のD/A変換回
路でアナログ階調データに変換され、各ソース信号線に
供給される。
【0017】次に、本発明の表示装置の別の例を図2に
示す。図2において、201はアナログドライバを有す
る表示パネルである。201−1はソースドライバであ
り、201−2および201−3はゲートドライバであ
り、201−4は複数の画素TFTがマトリクス状に配
置されたアクティブマトリクス回路である。ソースドラ
イバ201−1およびゲートドライバ201−2ならび
に201−3は、アクティブマトリクス回路を駆動す
る。202はA/D変換回路であり、外部から供給され
るアナログビデオデータをmビットデジタルビデオデー
タに変換する。203はデジタルビデオデータ時間階調
処理回路である。デジタルビデオデータ時間階調処理回
路203は、入力されるmビットデジタルビデオデータ
のうちnビットのデジタルビデオデータを、nビットの
電圧階調の為のデジタルビデオデータに変換する。入力
されるmビットのデジタルビデオデータのうち(m−
n)ビットの階調情報は、時間階調によって表現され
る。デジタルビデオデータ時間階調処理回路203によ
って変換されたnビットデジタルビデオデータは、D/
A変換回路204に入力され、アナログビデオデータに
変換される。D/A変換回路204によって変換された
アナログビデオデータは、表示パネル201に入力され
る。表示パネル201に入力されたアナログビデオデー
タは、ソースドライバに入力され、ソースドライバ内の
サンプリング回路によってサンプリングされ、各ソース
信号線に供給される。
【0018】以下に本発明の構成を述べる。
【0019】本発明によると、複数の画素TFTがマト
リクス状に配置されたアクティブマトリクス回路と、前
記アクティブマトリクス回路を駆動するソースドライバ
およびゲートドライバと、を有する表示装置であって、
外部から入力されるmビットデジタルビデオデータのう
ち、nビットを電圧階調の情報として、かつ(m−n)
ビットを時間階調の情報として(m、nは共に2以上の
正数、かつm>n)用いることによって、電圧階調と時
間階調とを同時に行うことを特徴とする表示装置が提供
される。
【0020】本発明によると、複数の画素TFTがマト
リクス状に配置されたアクティブマトリクス回路と、前
記アクティブマトリクス回路を駆動するソースドライバ
およびゲートドライバと、外部から入力されるmビット
デジタルビデオデータをnビットデジタルビデオデータ
に変換し、前記ソースドライバに前記nビットデジタル
ビデオデータを供給する回路と(m、nは共に2以上の
正数、m>n)、を有する表示装置であって、電圧階調
と時間階調とを同時に行い、2m-n個のサブフレームに
よって1フレームの映像を形成することによって表示を
行うことを特徴とする表示装置が提供される。
【0021】本発明によると、複数の画素TFTがマト
リクス状に配置されたアクティブマトリクス回路と、前
記アクティブマトリクス回路を駆動するソースドライバ
およびゲートドライバと、を有する表示装置であって、
外部から入力されるmビットデジタルビデオデータのう
ち、nビットを電圧階調の情報として、かつ(m−n)
ビットを時間階調の情報として(m、nは共に2以上の
正数、かつm>n)用いることによって、電圧階調と時
間階調とを同時に行い、(2m−(2m-n−1))通りの
表示階調を得ることを特徴とする表示装置が提供され
る。
【0022】本発明によると、複数の画素TFTがマト
リクス状に配置されたアクティブマトリクス回路と、前
記アクティブマトリクス回路を駆動するソースドライバ
およびゲートドライバと、外部から入力されるmビット
デジタルビデオデータをnビットデジタルビデオデータ
に変換し、前記ソースドライバに前記nビットデジタル
ビデオデータを供給する回路と(m、nは共に2以上の
正数、m>n)、を有する表示装置であって、電圧階調
と時間階調とを同時に行い、2m-n個のサブフレームに
よって1フレームの映像を形成し、(2m−(2m-n
1))通りの表示階調を得ることを特徴とする表示装置
が提供される。
【0023】前記表示装置には、V字型の電気光学特性
を示す無しきい値反強誘電性混合液晶が用いられてもよ
い。
【0024】前記mは8、前記nは2であるようにして
もよい。
【0025】前記mは12、前記nは4であるようにし
てもよい。
【0026】
【発明の実施の形態】
【0027】以下に本発明の表示装置を実施形態をもっ
て説明する。ただし、本発明の表示装置は、以下の実施
形態に限定されるわけではない。
【0028】(実施形態1)
【0029】本実施形態の表示装置の概略構成図を図3
に示す。本実施形態においては、説明の簡略のため、外
部から5ビットデジタルビデオデータが供給される表示
装置を例にとる。
【0030】301はデジタルドライバを有する表示パ
ネルである。301−1はソースドライバであり、30
1−2および301−3はゲートドライバであり、30
1−4は複数の画素TFTがマトリクス状に配置された
アクティブマトリクス回路である。
【0031】デジタルビデオデータ時間階調処理回路3
02は、外部から入力される5ビットデジタルビデオデ
ータのうち2ビットのデジタルビデオデータを、2ビッ
トの電圧階調の為のデジタルビデオデータに変換する。
5ビットのデジタルビデオデータのうち3ビットの階調
情報は、時間階調によって表現される。
【0032】デジタルビデオデータ時間階調処理回路3
02によって変換された後の2ビットデジタルビデオデ
ータは、表示パネル301に入力される。表示パネル3
01に入力された2ビットデジタルビデオデータは、ソ
ースドライバに入力され、ソースドライバ内のD/A変
換回路(図示せず)でアナログ階調データに変換され、
各ソース信号線に供給される。なお、本実施形態の表示
パネルに内蔵されるD/A変換回路は、2ビットのデジ
タルビデオデータをアナログ階調電圧に変換する。
【0033】ここで、本実施形態の表示装置に表示媒体
として液晶を用いた場合について説エ魅する。表示パネ
ル301の回路回路構成、特にアクティブマトリクス回
路301−4について、図4を用いて説明する。
【0034】アクティブマトリクス回路301−4は、
(x×y)個の画素を有している。それぞれの画素に
は、説明の便宜上、P1,1、P2,1、・・・、Py,x等の
符号が付けられている。また、それぞれの画素は、画素
TFT301−4−1、保持容量301−4−3を有し
ている。また、ソースドライバ301−1、ゲートドラ
イバ301−2ならびに301−3、およびアクティブ
マトリクス回路301−4が形成されているアクティブ
マトリクス基板と対向基板との間には、液晶が挟まれて
いる。液晶301−4−2は、各画素に対応する液晶を
模式的に示したものである。
【0035】本実施形態のデジタルドライバ表示パネル
は、1ライン分の画素(例えば、P1,1、P1,2、・・
・、P1,x)を同時に駆動する、いわゆる線順次駆動を
行う。言い換えると、1ライン分の画素に同時にアナロ
グ階調電圧を書き込む。全ての画素(P1,1〜Py,x)に
アナログ階調電圧を書き込むのに要する時間を1フレー
ム期間(Tf)と呼ぶことにする。また、本実施形態で
は、1フレーム期間(Tf)を8分割した期間をサブフ
レーム期間(Tsf)と呼ぶことにする。さらに、1ライ
ン分の画素(例えば、P1,1、P1,2、・・・、P1,x)
にアナログ階調電圧を書き込むのに要する時間を1サブ
フレームライン期間(Tsfl)と呼ぶことにする。
【0036】本実施形態の表示装置の階調表示について
説明する。本実施形態の表示装置に外部から供給される
デジタルビデオデータは5ビットであり、32階調の情
報を有している。ここで、図5を参照する。図5には、
本実施形態の表示装置の表示階調レベルが示されてい
る。電圧レベルVLはD/A変換回路に入力される最低
の電圧レベルであり、また、電圧レベルVHはD/A変
換回路に入力される最高の電圧レベルである。
【0037】本実施形態においては、2ビット、つまり
4階調の電圧レベルを実現するために、電圧レベルVH
と電圧レベルVLとの間をほぼ等電圧レベルに4分割
し、その電圧レベルのステップをαとした。なお、α=
(VH−VL)/4である。よって、本実施形態のD/A
変換回路が出力する電圧階調レベルは、デジタルビデオ
データのアドレスが(00)の時はVLとなり、デジタ
ルビデオデータのアドレスが(01)の時はVL+αと
なり、デジタルビデオデータのアドレスが(10)の時
はVL+2αとなり、デジタルビデオデータのアドレス
が(11)の時はVL+3αとなる。
【0038】本実施形態のD/A変換回路が出力できる
電圧階調レベルは、上述の様にVL、(VL+α)、(V
L+2α)、および(VL+3α)の4通りである。そこ
で、本発明においては、時間階調表示を組合わせること
によって、表示装置の表示階調レベルの数を上げること
ができる。本実施形態においては、5ビットデジタルビ
デオデータのうちの3ビット分の情報を時間階調表示に
用いることによって、電圧レベルのステップαをほぼ8
等分した電圧階調レベルに相当する表示階調レベルを実
現することができる。つまり、本実施例の表示装置は、
VL、(VL+α/8)、(VL+2α/8)、(VL+3
α/8)、(VL+4α/8)、(VL+5α/8)、
(VL+6α/8)、(VL+7α/8)、(VL+
α)、(VL+9α/8)、(VL+10α/8)、(V
L+11α/8)、(VL+12α/8)、(VL+13
α/8)、(VL+14α/8)、(VL+15α/
8)、(VL+2α)、(VL+17α/8)、(VL+
18α/8)、(VL+19α/8)、(VL+20α/
8)、(VL+21α/8)、(VL+22α/8)、
(VL+23α/8)、(VL+3α)の電圧階調レベル
に相当する表示階調レベルを実現することができる。
【0039】ここで、外部から入力される5ビットデジ
タルビデオデータアドレスと、時間階調処理後デジタル
ビデオデータアドレスおよびそれに対応する電圧階調レ
ベルと、時間階調を組み合わせた表示階調レベルとの対
応を下記の表1および表2に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】本実施形態の表示装置は、1フレーム期間
Tfを8個のサブフレーム期間(1st Tsf、2nd Tsf、
3rd Tsf、4th Tsf、5th Tsf、6th Tsf、7th Tsfお
よび8th Tsf)に分割して表示を行っている。さらに、
本実施形態の表示装置は、線順次駆動を行うので、各画
素は1サブフレームライン期間(Tsfl)の間、階調電
圧が書き込まれる。よって、各サブフレーム期間(1st
Tsf、2nd Tsf、3rdTsf、4th Tsf、5th Tsf、6th
Tsf、7th Tsfおよび8th Tsf)に対応する各サブフレ
ームライン期間(1st Tsfl、2nd Tsfl、3rd Tsfl、4
th Tsfl、5thTsfl、6th Tsfl、7th Tsflおよび8th
Tsfl)に、時間階調処理後の2ビットデジタルビデオ
データのアドレスがD/A変換回路に入力され、D/A
変換回路から階調電圧が出力される。8個のサブフレー
ムライン期間(1st Tsfl、2ndTsfl、3rd Tsfl、4th
Tsfl、5th Tsfl、6th Tsfl、7th Tsflおよび8th T
sfl)に書き込まれる階調電圧によって8個のサブフレ
ームの表示が高速に行われ、結果として、1フレームの
表示階調が各サブフレームライン期間の階調電圧レベル
の総和を時間平均したものになる。このようにして、電
圧階調と時間階調とを同時に行う。
【0043】なお、表1および表2に示すように、本実
施例においては、5ビットデジタルビデオデータのアド
レスが(11000)〜(11111)までは同じ階調
電圧レベル(VL+3α)が出力される。
【0044】よって、本実施形態の表示装置において
は、2ビットデジタルビデオデータを扱うD/A変換回
路をした場合でも、25−7=25階調の階調レベルの
表示を行うことができる。
【0045】なお、各サブフレームライン期間(1st T
sfl、2nd Tsfl、3rd Tsfl、4thTsfl、5th Tsfl、6t
h Tsfl、7th Tsflおよび8th Tsfl)に書き込まれる
デジタルビデオデータのアドレス(または階調電圧レベ
ル)は、表1および表2以外の組合わせによっても設定
され得る。例えば、表1および表2においては、デジタ
ルビデオデータアドレスが(00100)の時には、第
5サブフレームライン期間(5th Tsfl)、第6サブフ
レームライン期間(6th Tsfl)、第7サブフレームラ
イン期間(7th Tsfl)、および第8サブフレームライ
ン期間(8th Tsfl)に、(VL+α)の階調電圧が書き
込まれるように示されているが、本発明を実現するため
には、この組合わせに限定されるわけではない。つま
り、デジタルビデオデータアドレスが(00100)の
時には、第1サブフレームライン期間〜第8サブフレー
ムライン期間の8個のサブフレーム期間のうち、計4個
のサブフレーム期間に(VL+α)の階調電圧が書き込
まれるようにすればよく、どのサブフレーム期間に(V
L+α)の階調電圧が書き込まれるようにするかは自由
に設定できる。
【0046】図6および図7には、本実施例の表示装置
の駆動タイミングチャートが示されている。図6および
図7には、画素P1,1〜画素Py,1が例にとって示されて
いる。なお、図面の都合上、図6および図7の2図を用
いて説明している。
【0047】画素P1,1を例にとって説明すると、画素
P1,1には、各サブフレームライン期間(1st Tsfl、2n
d Tsfl、3rd Tsfl、4th Tsfl、5th Tsfl、6th Tsf
l、7th Tsflおよび8th Tsfl)に、それぞれデジタル
ビデオデータ1,1-1、1,1-2、1,1-3、1,1-4、1,1-5、1,1
-6、1,1-7、および1,1-8がD/A変換回路によってアナ
ログ階調電圧に変換され書き込まれる。これらのデジタ
ルビデオデータ1,1-1、1,1-2、1,1-3、1,1-4、1,1-5、
1,1-6、1,1-7、および1,1-8は、5ビットのデジタルビ
デオデータを時間階調処理した3ビットデジタルビデオ
データである。このようなデ動作が、全ての画素につい
て行われる。
【0048】ここで、図8を参照する。図8は、ある画
素(例えば、画素P1,1)に書き込まれる階調電圧レベ
ルと、サブフレーム期間およびフレーム期間との関係の
例を示したものである。
【0049】まず、1フレーム期間目に着目すると、第
1のサブフレームライン期間(1stTsfl)には(VL+
α)の階調電圧が書き込まれ、第1のサブフレーム期間
(1st Tsf)には階調電圧(VL+α)に対応した階調
表示が行われる。第2サブフレームライン期間(2nd T
sfl)には(VL+α)の階調電圧が書き込まれ、第2の
サブフレーム期間(2nd Tsf)には階調電圧(VL+
α)に対応した階調表示が行われる。第3のサブフレー
ムライン期間(3rd Tsfl)には(VL+2α)の階調電
圧が書き込まれ、第3のサブフレーム期間(3rd Tsf)
には階調電圧(VL+2α)に対応した階調表示が行わ
れる。第4のサブフレームライン期間(1stTsfl)には
(VL+α)の階調電圧が書き込まれ、第4のサブフレ
ーム期間(4th Tsf)には階調電圧(VL+α)に対応
した階調表示が行われる。第5のサブフレームライン期
間(5th Tsfl)には(VL+α)の階調電圧が書き込ま
れ、第5のサブフレーム期間(5th Tsf)には階調電圧
(VL+α)に対応した階調表示が行われる。第6のサ
ブフレームライン期間(6th Tsfl)には(VL+2α)
の階調電圧が書き込まれ、第6のサブフレーム期間(6t
h Tsf)には階調電圧(VL+2α)に対応した階調表
示が行われる。第7のサブフレームライン期間(7th T
sfl)には(VL+α)の階調電圧が書き込まれ、第7の
サブフレーム期間(7th Tsf)には階調電圧(VL+
α)に対応した階調表示が行われる。第8のサブフレー
ムライン期間(8th Tsfl)には(VL+2α)の階調電
圧が書き込まれ、第8のサブフレーム期間(8th Tsf)
には階調電圧(VL+2α)に対応した階調表示が行わ
れる。よって、1フレーム目の階調表示レベルは、(V
L+11α/8)の階調電圧レベルに対応した階調表示
となる。
【0050】次に、2フレーム期間目に着目する。第1
のサブフレームライン期間(1st Tsfl)には(VL+3
α)の階調電圧が書き込まれ、第1のサブフレーム期間
(1st Tsf)には階調電圧(VL+3α)に対応した階
調表示が行われる。第2サブフレームライン期間(2nd
Tsfl)には(VL+2α)の階調電圧が書き込まれ、第
2のサブフレーム期間(2nd Tsf)には階調電圧(VL
+2α)に対応した階調表示が行われる。第3のサブフ
レームライン期間(3rd Tsfl)には(VL+3α)の階
調電圧が書き込まれ、第3のサブフレーム期間(3rd T
sf)には階調電圧(VL+3α)に対応した階調表示が
行われる。第4のサブフレームライン期間(1st Tsf
l)には(VL+3α)の階調電圧が書き込まれ、第4の
サブフレーム期間(4th Tsf)には階調電圧(VL+3
α)に対応した階調表示が行われる。第5のサブフレー
ムライン期間(5th Tsfl)には(VL+3α)の階調電
圧が書き込まれ、第5のサブフレーム期間(5th Tsf)
には階調電圧(VL+3α)に対応した階調表示が行わ
れる。第6のサブフレームライン期間(6th Tsfl)に
は(VL+2α)の階調電圧が書き込まれ、第6のサブ
フレーム期間(6th Tsf)には階調電圧(VL+2α)
に対応した階調表示が行われる。第7のサブフレームラ
イン期間(7th Tsfl)には(VL+3α)の階調電圧が
書き込まれ、第7のサブフレーム期間(7th Tsf)には
階調電圧(VL+3α)に対応した階調表示が行われ
る。第8のサブフレームライン期間(8th Tsfl)には
(VL+3α)の階調電圧が書き込まれ、第8のサブフ
レーム期間(8th Tsf)には階調電圧(VL+3α)に
対応した階調表示が行われる。よって、2フレーム目の
階調表示レベルは、(VL+22α/8)の階調電圧レ
ベルに対応した階調表示となる。
【0051】なお、本実施例においては、4階調の電圧
レベルを実現するために、電圧レベルVHと電圧レベル
VLとの間をほぼ等電圧レベルに分割し、その電圧レベ
ルのステップをαとしたが、電圧レベルVHと電圧レベ
ルVLとの間を等電圧レベルに分割せず任意に設定した
場合でも、本発明の効果はある。
【0052】また、本実施形態においては、表示パネル
のD/A変換回路に電圧レベルVHと電圧レベルVLとを
入力し階調電圧レベルを実現できるようにしたが、3以
上の電圧レベルの入力によって階調電圧レベルを実現す
るようにすることもできる。
【0053】また、本実施例においては、各サブフレー
ムライン期間に書き込まれる階調電圧レベルを表1およ
び表2のように設定したが、既述したように、表1およ
び表2に限定されるわけではない。
【0054】また、本実施例においては、外部から入力
される5ビットデジタルビデオデータのうち2ビットの
デジタルビデオデータを、2ビットの電圧階調の為のデ
ジタルビデオデータに変換し、5ビットのデジタルビデ
オデータのうち3ビットの階調情報は、時間階調によっ
て表現されるようにした。ここで、一般に、外部からm
ビットのデジタルビデオデータが時間階調処理回路によ
って、nビットデジタルビデオデータが、階調電圧の為
のデジタルビデオデータに変換され、(m−n)ビット
の階調情報は、時間階調によって表現される場合を考え
る。なお、m、nは共に2以上の整数であり、m>nと
する。
【0055】この場合、フレーム期間(Tf)とサブフ
レーム期間(Tsf)との関係は、 Tf=2m-n・Tsf となり、(2m−(2m-n−1))通りの階調表示を行う
ことができる。
【0056】なお、本実施形態においては、m=5かつ
n=2の場合を例にとって説明したが、これらの場合に
限定されるわけではないことは、言うまでもない。m=
12かつn=4であってもよい。また、m=8かつn=
2であってもよい。また、m=8かつn=6であっても
よい。また、m=10かつn=2であってもよいし、そ
の他の場合であってもよい。
【0057】また、電圧階調および時間階調を、それぞ
れ前、後、または相前後して行うようにしてもよい。
【0058】(実施形態2)
【0059】本実施形態においては、8ビットデジタル
ビデオデータが入力される表示装置について説明する。
図9を参照する。図9には、本実施例の表示装置の概略
構成図が示されている。801はデジタルドライバを有
する表示装置である。801−1ならびに801−2は
ソースドライバであり、801−3はゲートドライバで
あり、801−4は複数の画素TFTがマトリクス状に
配置されたアクティブマトリクス回路であり、801−
5はデジタルビデオデータ時間階調処理回路である。図
に示すように、本実施形態においては、デジタルビデオ
データ時間階調処理回路が表示パネル内に一体形成され
ている。
【0060】デジタルビデオデータ時間階調処理回路8
01−5は、外部から入力される8ビットデジタルビデ
オデータのうち6ビットのデジタルビデオデータを、6
ビットの電圧階調の為のデジタルビデオデータに変換す
る。8ビットのデジタルビデオデータのうち2ビットの
階調情報は、時間階調によって表現される。
【0061】デジタルビデオデータ時間階調処理回路8
01−5によって変換された6ビットデジタルビデオデ
ータは、ソースドライバ801−1および801−2に
入力され、ソースドライバ内のD/A変換回路(図示せ
ず)でアナログ階調電圧に変換され、各ソース信号線に
供給される。なお、本実施形態の表示装置に内蔵される
D/A変換回路は、6ビットのデジタルビデオデータを
アナログ階調電圧に変換する。
【0062】なお、本実施形態の表示装置においては、
ソースドライバ801−1ならびに801−2、ゲート
ドライバ801−3、アクティブマトリクス回路801
−4、およびデジタルビデオデータ時間階調処理回路8
01−5が同一基板上に一体形成されている。
【0063】ここで、図10を参照する。図10には、
本実施形態の表示装置の回路構成がより詳しく示されて
いる。ソースドライバ801−1は、シフトレジスタ回
路801−1−1、ラッチ回路1(801−1−2)、
ラッチ回路2(801−1−3)、D/A変換回路(8
01−1−4)を有している。その他、バッファ回路や
レベルシフタ回路(いずれも図示せず)を有している。
また、説明の便宜上、D/A変換回路801−1−4に
はレベルシフタ回路が含まれている。
【0064】ソースドライバ801−2は、ソースドラ
イバ801−1と同じ構成を有する。なお、ソースドラ
イバ801−1は、奇数番目のソース信号線に画像信号
(階調電圧)を供給し、ソースドライバは、偶数番目の
ソース信号線に画像信号を供給するようになっている。
【0065】なお、本実施例のアクティブマトリクス型
表示装置においては、回路レイアウトの都合上、アクテ
ィブマトリクス回路の上下を挟むように2つのソースド
ライバ801−1および801−2を設けたが、回路レ
イアウト上、可能であれば、ソースドライバを1つだけ
設けるようにしても良い。
【0066】また、801−3はゲートドライバであ
り、シフトレジスタ回路、バッファ回路、レベルシフタ
回路等(いずれも図示せず)を有している。
【0067】アクティブマトリクス回路801−4は、
1920×1080(横×縦)の画素を有している。各
画素の構成は、上記実施形態1で説明したものと同様で
ある。
【0068】本実施形態の表示装置は、6ビットデジタ
ルビデオデータを扱うD/A変換回路801−1−4を
有している。また、外部から供給される8ビットデジタ
ルビデオデータのうち2ビット分の情報を時間階調を行
うために用いる。なお、時間階調については、上述の実
施形態1と同様に考えられる。
【0069】よって、本実施形態の表示装置は、28
3=253通りの階調表示を行うことができる。
【0070】(実施形態3)
【0071】図11を参照する。1001はアナログド
ライバを有する表示パネルである。1001−1はソー
スドライバであり、1001−2および1001−3は
ゲートドライバであり、1001−4は複数の画素TF
Tがマトリクス状に配置されたアクティブマトリクス回
路である。
【0072】デジタルビデオデータ時間階調処理回路1
002は、外部から入力される5ビットデジタルビデオ
データのうち2ビットのデジタルビデオデータを、2ビ
ットの電圧階調の為のデジタルビデオデータに変換す
る。5ビットのデジタルビデオデータのうち3ビットの
階調情報は、時間階調によって表現される。
【0073】デジタルビデオデータ時間階調処理回路1
002によって変換された2ビットデジタルビデオデー
タは、D/A変換回路1003に入力され、アナログビ
デオデータに変換される。おして、このアナログビデオ
データは、表示パネル1001に入力される。
【0074】ここで、本実施形態の表示装置に表示媒体
として液晶を用いた場合について説明する。表示パネル
1001の回路構成、特にアクティブマトリクス回路1
001−4について、図12を用いて説明する。
【0075】アクティブマトリクス回路1001−4
は、(x×y)個の画素を有している。それぞれの画素
には、説明の便宜上、P1,1、P2,1、・・・、Py,x等
の符号が付けられている。また、それぞれの画素は、画
素TFT1001−4−1、保持容量1001−4−3
を有している。また、ソースドライバ1001−1、ゲ
ートドライバ1001−2ならびに1001−3、およ
びアクティブマトリクス回路1001−4が形成されて
いるアクティブマトリクス基板と対向基板との間には、
液晶が挟まれている。液晶1001−4−2は、各画素
に対応する液晶を模式的に示したものである。
【0076】本実施形態のアナログドライバ表示パネル
は、1つの画素を順に駆動する、いわゆる点順次駆動を
行う。全ての画素(P1,1〜Py,x)にアナログ階調電圧
を書き込むのに要する時間を1フレーム期間(Tf)と
呼ぶことにする。また、1フレーム期間(Tf)を8分
割した期間をサブフレーム期間(Tsf)と呼ぶことにす
る。さらに、1つ分の画素(例えば、P1,1、P1,2、・
・・、P1,x)にアナログ階調電圧を書き込むのに要す
る時間を1サブフレームドット期間(Tsfd)と呼ぶこ
とにする。
【0077】本実施形態の表示装置の階調表示について
説明する。本実施形態の表示装置に外部から供給される
デジタルビデオデータは、5ビットであり、32階調の
情報を有している。なお、本実施例の表示装置の表示階
調レベルは、実施形態1で説明した図5に示したものと
同様であるので、図5を参照する。
【0078】図13および図14には、本実施例の表示
装置の駆動タイミングチャートが示されている。図13
および図14には、説明の便宜上、画素P1,1、P1,2、
P1,3、および画素Py,xが例にとって示されている。な
お、図面の都合上、図13および図14の2図を用いて
説明している。
【0079】画素P1,1を例にとって説明すると、画素
P1,1には、各サブフレームドット期間(1st Tsfd、2n
d Tsfd、3rd Tsfd、4th Tsfd、5th Tsfd、6th Tsf
d、7th Tsfd、および8th Tsfd)に、それぞれ、デジ
タルビデオデータ1,1-1、1,1-2、1,1-3、1,1-4、1,1-
5、1,1-6、1,1-7、および1,1-8がD/A変換回路によっ
てアナログビデオデータに変換され書き込まれる。
【0080】他の全ての画素についても同様に、各サブ
フレームドット期間に対応したアナログビデオデータが
書き込まれる。
【0081】よって、本実施形態の表示装置において
も、上述の実施形態1と同様、25階調の階調表示が行
える。
【0082】なお、本実施形態の表示装置に外部からア
ナログビデオデータが入力される場合には、入力される
アナログビデオデータをデジタルビデオデータ変換し、
デジタルビデオデータ時間階調処理回路1002に入力
するようにすれば良い。
【0083】また、本実施形態においても、一般に、外
部からmビットのデジタルビデオデータが時間階調処理
回路によって、nビットデジタルビデオデータが、階調
電圧の為のデジタルビデオデータに変換され、(m−
n)ビットの階調情報は、時間階調によって表現される
場合を考える。なお、m、nは共に2以上の整数であ
り、m>nとする。
【0084】この場合、フレーム期間(Tf)とサブフ
レーム期間(Tsf)との関係は、 Tf=2m-n・Tsf となり、(2m−(2m-n−1))通りの階調表示を行う
ことができる。
【0085】なお、本実施形態のような点順次走査を行
う場合には、画素へ左から右に画像信号を書き込むだけ
でなく、右から左に書き込むこともできる。また、画素
へランダムに書き込むこともできる。また、画素1つお
き、2つおき、または3つおきに書き込むこともでき
る。
【0086】(実施形態4)
【0087】本実施形態では、本発明の表示装置の作製
方法について説明する。ここでは、アクティブマトリク
ス回路とその周辺に設けられる駆動回路のTFTを同時
に作製する方法について説明する。
【0088】〔島状半導体層、ゲート絶縁膜形成の工
程:図15(A)〕図15(A)において、基板700
1には、無アルカリガラス基板や石英基板を使用するこ
とが望ましい。その他にもシリコン基板や金属基板の表
面に絶縁膜を形成したものを基板としても良い。
【0089】そして、基板7001のTFTが形成され
る表面には、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、または
窒化酸化シリコン膜からなる下地膜7002をプラズマ
CVD法やスパッタ法で100〜400nmの厚さに形
成した。例えば下地膜7002として、窒化シリコン膜
7002を25〜100nm、ここでは50nmの厚さ
に、酸化シリコン膜7003を50〜300nm、ここ
では150nmの厚さとした2層構造で形成すると良
い。下地膜7002は基板からの不純物汚染を防ぐため
に設けられるものであり、石英基板を用いた場合には必
ずしも設けなくても良い。
【0090】次に下地膜7002の上に20〜100n
mの厚さの、非晶質シリコン膜を公知の成膜法で形成し
た。非晶質シリコン膜は含有水素量にもよるが、好まし
くは400〜550℃で数時間加熱して脱水素処理を行
い、含有水素量を5atom%以下として、結晶化の工程を
行うことが望ましい。また、非晶質シリコン膜をスパッ
タ法や蒸着法などの他の作製方法で形成しても良いが、
膜中に含まれる酸素、窒素などの不純物元素を十分低減
させておくことが望ましい。ここでは、下地膜と非晶質
シリコン膜とは、同じ成膜法で形成することが可能であ
るので両者を連続形成しても良い。下地膜を形成後、一
旦大気雰囲気にさらされないようにすることで表面の汚
染を防ぐことが可能となり、作製されるTFTの特性バ
ラツキを低減させることができる。
【0091】非晶質シリコン膜から結晶質シリコン膜を
形成する工程は、公知のレーザー結晶化技術または熱結
晶化の技術を用いれば良い。また、シリコンの結晶化を
助長する触媒元素を用いて熱結晶化の方法で結晶質シリ
コン膜を作製しても良い。その他に、微結晶シリコン膜
を用いても良いし、結晶質シリコン膜を直接堆積成膜し
ても良い。さらに、単結晶シリコンを基板上に貼りあわ
せるSOI(SiliconOn Insulators)の公知技術を使
用して結晶質シリコン膜を形成しても良い。
【0092】こうして形成された結晶質シリコン膜の不
要な部分をエッチング除去して、島状半導体層7004
〜7006を形成した。結晶質シリコン膜のnチャネル
型TFTが作製される領域には、しきい値電圧を制御す
るため、あらかじめ1×10 15〜5×1017cm-3程度
の濃度でボロン(B)を添加しておいても良い。
【0093】次に、島状半導体層7004〜7006を
覆って、酸化シリコンまたは窒化シリコンを主成分とす
るゲート絶縁膜7007を形成した。ゲート絶縁膜70
07は、10〜200nm、好ましくは50〜150n
mの厚さに形成すれば良い。例えば、プラズマCVD法
でN2OとSiH4を原料とした窒化酸化シリコン膜を7
5nm形成し、その後、酸素雰囲気中または酸素と塩酸
の混合雰囲気中、800〜1000℃で熱酸化して11
5nmのゲート絶縁膜としても良い。(図15(A))
【0094】〔n-領域の形成:図15(B)〕島状半
導体層7004、7006及び配線を形成する領域の全
面と、島状半導体層7005の一部(チャネル形成領域
となる領域を含む)にレジストマスク7008〜701
1を形成し、n型を付与する不純物元素を添加して低濃
度不純物領域7012を形成した。この低濃度不純物領
域7012は、後にCMOS回路のnチャネル型TFT
に、ゲート絶縁膜を介してゲート電極と重なるLDD領
域(本明細書中ではLov領域という。なお、ovとはover
lapの意味である。)を形成するための不純物領域であ
る。なお、ここで形成された低濃度不純物領域に含まれ
るn型を付与する不純物元素の濃度を(n-)で表すこ
ととする。従って、本明細書中では低濃度不純物領域7
012をn-領域と言い換えることができる。
【0095】ここではフォスフィン(PH3)を質量分
離しないでプラズマ励起したイオンドープ法でリンを添
加した。勿論、質量分離を行うイオンインプランテーシ
ョン法を用いても良い。この工程では、ゲート絶縁膜7
007を通してその下の半導体層にリンを添加した。添
加するリン濃度は、5×1017〜5×1018atoms/cm 3
の範囲にするのが好ましく、ここでは1×1018atoms/
cm3とした。
【0096】その後、レジストマスク7008〜701
1を除去し、窒素雰囲気中で400〜900℃、好まし
くは550〜800℃で1〜12時間の熱処理を行な
い、この工程で添加されたリンを活性化する工程を行な
った。
【0097】〔ゲート電極用および配線用導電膜の形
成:図15(C)〕第1の導電膜7013を、タンタル
(Ta)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、タン
グステン(W)から選ばれた元素またはいずれかを主成
分とする導電性材料で、10〜100nmの厚さに形成
した。第1の導電膜7013としては、例えば窒化タン
タル(TaN)や窒化タングステン(WN)を用いるこ
とが望ましい。さらに、第1の導電膜7013上に第2
の導電膜7014をTa、Ti、Mo、Wから選ばれた
元素またはいずれかを主成分とする導電性材料で、10
0〜400nmの厚さに形成した。例えば、Taを20
0nmの厚さに形成すれば良い。また、図示しないが、
第1の導電膜7013の下に導電膜7013、7014
(特に導電膜7014)の酸化防止のためにシリコン膜
を2〜20nm程度の厚さで形成しておくことは有効で
ある。
【0098】〔p−chゲート電極、配線電極の形成と
+領域の形成:図16(A)〕レジストマスク701
5〜7018を形成し、第1の導電膜と第2の導電膜
(以下、積層膜として取り扱う)をエッチングして、p
チャネル型TFTのゲート電極7019、ゲート配線7
020、7021を形成した。なお、nチャネル型TF
Tとなる領域の上には全面を覆うように導電膜702
2、7023を残した。
【0099】そして、レジストマスク7015〜701
8をそのまま残してマスクとし、pチャネル型TFTが
形成される半導体層7004の一部に、p型を付与する
不純物元素を添加する工程を行った。ここではボロンを
その不純物元素として、ジボラン(B26)を用いてイ
オンドープ法(勿論、イオンインプランテーション法で
も良い)で添加した。ここでは5×1020〜3×1021
atoms/cm3の濃度にボロンを添加した。なお、ここで形
成された不純物領域に含まれるp型を付与する不純物元
素の濃度を(p++)で表すこととする。従って、本明細
書中では不純物領域7024、7025をp++領域と言
い換えることができる。
【0100】なお、この工程において、レジストマスク
7015〜7018を使用してゲート絶縁膜7007を
エッチング除去して、島状半導体層7004の一部を露
出させた後、p型を付与する不純物元素を添加する工程
を行っても良い。その場合、加速電圧が低くて済むた
め、島状半導体膜に与えるダメージも少ないし、スルー
プットも向上する。
【0101】〔n―chゲート電極の形成:図16
(B)〕次に、レジストマスク7015〜7018は除
去した後、レジストマスク7026〜7029を形成
し、nチャネル型TFTのゲート電極7030、703
1を形成した。このときゲート電極7030はn-領域
7012とゲート絶縁膜を介して重なるように形成し
た。
【0102】〔n+領域の形成:図16(C)〕次に、
レジストマスク7026〜7029を除去し、レジスト
マスク7032〜7034を形成した。そして、nチャ
ネル型TFTにおいて、ソース領域またはドレイン領域
として機能する不純物領域を形成する工程を行なった。
レジストマスク7034はnチャネル型TFTのゲート
電極7031を覆う形で形成した。これは、後の工程に
おいてアクティブマトリクス回路のnチャネル型TFT
に、ゲート電極と重ならないようにLDD領域を形成す
るためである。
【0103】そして、n型を付与する不純物元素を添加
して不純物領域7035〜7039を形成した。ここで
も、フォスフィン(PH3)を用いたイオンドープ法
(勿論、イオンインプランテーション法でも良い)で行
い、この領域のリンの濃度は1×1020〜1×1021at
oms/cm3とした。なお、ここで形成された不純物領域7
037〜7039に含まれるn型を付与する不純物元素
の濃度を(n+)で表すこととする。従って、本明細書
中では不純物領域7037〜7039をn+領域と言い
換えることができる。また、不純物領域7035、70
36は既にn-領域が形成されていたので、厳密には不
純物領域7037〜7039よりも若干高い濃度でリン
を含む。
【0104】なお、この工程において、レジストマスク
7032〜7034およびゲート電極7030をマスク
としてゲート絶縁膜7007をエッチングし、島状半導
体膜7005、7006の一部を露出させた後、n型を
付与する不純物元素を添加する工程を行っても良い。そ
の場合、加速電圧が低くて済むため、島状半導体膜に与
えるダメージも少ないし、スループットも向上する。
【0105】〔n--領域の形成:図17(A)〕次に、
レジストマスク7032〜7034を除去し、アクティ
ブマトリクス回路のnチャネル型TFTとなる島状半導
体層7006にn型を付与する不純物元素を添加する工
程を行った。こうして形成された不純物領域7040〜
7043には前記n-領域と同程度かそれより少ない濃
度(具体的には5×1016〜1×1018atoms/cm3)の
リンが添加されるようにした。なお、ここで形成された
不純物領域7040〜7043に含まれるn型を付与す
る不純物元素の濃度を(n --)で表すこととする。従っ
て、本明細書中では不純物領域7040〜7043をn
--領域と言い換えることができる。また、この工程では
ゲート電極で隠された不純物領域7067を除いて全て
の不純物領域にn-の濃度でリンが添加されているが、
非常に低濃度であるため無視して差し支えない。
【0106】〔熱活性化の工程:図17(B)〕次に、
後に第1の層間絶縁膜の一部となる保護絶縁膜7044
を形成した。保護絶縁膜7044は窒化シリコン膜、酸
化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜またはそれらを組み
合わせた積層膜で形成すれば良い。また、膜厚は100
〜400nmとすれば良い。
【0107】その後、それぞれの濃度で添加されたn型
またはp型を付与する不純物元素を活性化するために熱
処理工程を行った。この工程はファーネスアニール法、
レーザーアニール法、またはラピッドサーマルアニール
法(RTA法)で行うことができる。ここではファーネ
スアニール法で活性化工程を行った。加熱処理は、窒素
雰囲気中において300〜650℃、好ましくは400
〜550℃、ここでは450℃、2時間の熱処理を行っ
た。
【0108】さらに、3〜100%の水素を含む雰囲気
中で、300〜450℃で1〜12時間の熱処理を行
い、島状半導体層を水素化する工程を行った。この工程
は熱的に励起された水素により半導体層のダングリング
ボンドを終端する工程である。水素化の他の手段とし
て、プラズマ水素化(プラズマにより励起された水素を
用いる)を行っても良い。
【0109】〔層間絶縁膜、ソース/ドレイン電極、遮
光膜、画素電極、保持容量の形成:図17(C)〕活性
化工程を終えたら、保護絶縁膜7044の上に0.5〜
1.5μm厚の層間絶縁膜7045を形成した。前記保
護絶縁膜7044と層間絶縁膜7045とでなる積層膜
を第1の層間絶縁膜とした。
【0110】その後、それぞれのTFTのソース領域ま
たはドレイン領域に達するコンタクトホールが形成さ
れ、ソース電極7046〜7048と、ドレイン電極7
049、7050を形成した。図示していないが、本実
施例ではこの電極を、Ti膜を100nm、Tiを含む
アルミニウム膜300nm、Ti膜150nmをスパッ
タ法で連続して形成した3層構造の積層膜とした。
【0111】次に、パッシベーション膜7051とし
て、窒化シリコン膜、酸化シリコン膜、または窒化酸化
シリコン膜で50〜500nm(代表的には200〜3
00nm)の厚さで形成した。その後、この状態で水素
化処理を行うとTFTの特性向上に対して好ましい結果
が得られた。例えば、3〜100%の水素を含む雰囲気
中で、300〜450℃で1〜12時間の熱処理を行う
と良く、あるいはプラズマ水素化法を用いても同様の効
果が得られた。なお、ここで後に画素電極とドレイン電
極を接続するためのコンタクトホールを形成する位置に
おいて、パッシベーション膜7051に開口部を形成し
ておいても良い。
【0112】その後、有機樹脂からなる第2の層間絶縁
膜7052を約1μmの厚さに形成した。有機樹脂とし
ては、ポリイミド、アクリル、ポリアミド、ポリイミド
アミド、BCB(ベンゾシクロブテン)等を使用するこ
とができる。有機樹脂膜を用いることの利点は、成膜方
法が簡単である点や、比誘電率が低いので、寄生容量を
低減できる点、平坦性に優れる点などが上げられる。な
お上述した以外の有機樹脂膜や有機系SiO化合物などを
用いることもできる。ここでは、基板に塗布後、熱重合
するタイプのポリイミドを用い、300℃で焼成して形
成した。
【0113】次に、アクティブマトリクス回路となる領
域において、第2の層間絶縁膜7052上に遮光膜70
53を形成した。遮光膜7053はアルミニウム(A
l)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)から選ばれた
元素またはいずれかを主成分とする膜で100〜300
nmの厚さに形成した。そして、遮光膜7053の表面
に陽極酸化法またはプラズマ酸化法により30〜150
nm(好ましくは50〜75nm)の厚さの酸化膜70
54を形成した。ここでは遮光膜7053としてアルミ
ニウム膜またはアルミニウムを主成分とする膜を用い、
酸化膜7054として酸化アルミニウム膜(アルミナ
膜)を用いた。
【0114】なお、ここでは遮光膜表面のみに絶縁膜を
設ける構成としたが、絶縁膜をプラズマCVD法、熱C
VD法またはスパッタ法などの気相法によって形成して
も良い。その場合も膜厚は30〜150nm(好ましく
は50〜75nm)とすることが好ましい。また、酸化
シリコン膜、窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、D
LC(Diamond like carbon)膜または有機樹脂膜を
用いても良い。さらに、これらを組み合わせた積層膜を
用いても良い。
【0115】次に、第2の層間絶縁膜7052にドレイ
ン電極7050に達するコンタクトホールを形成し、画
素電極7055を形成した。なお、画素電極7056、
7057はそれぞれ隣接する別の画素の画素電極であ
る。画素電極7055〜7057は、透過型表示装置と
する場合には透明導電膜を用い、反射型の表示装置とす
る場合には金属膜を用いれば良い。ここでは透過型の表
示装置とするために、酸化インジウム・スズ(ITO)
膜を100nmの厚さにスパッタ法で形成した。
【0116】また、この時、画素電極7055と遮光膜
7053とが酸化膜7054を介して重なった領域70
58が保持容量を形成した。
【0117】こうして同一基板上に、ドライバー回路と
なるCMOS回路とアクティブマトリクス回路とを有し
たアクティブマトリクス基板が完成した。なお、ドライ
バー回路となるCMOS回路にはpチャネル型TFT7
081、nチャネル型TFT7082が形成され、アク
ティブマトリクス回路にはnチャネル型TFTでなる画
素TFT7083が形成された。
【0118】CMOS回路のpチャネル型TFT708
1には、チャネル形成領域7061、ソース領域706
2、ドレイン領域7063がそれぞれp+領域で形成さ
れた。また、nチャネル型TFT7082には、チャネ
ル形成領域7064、ソース領域7065、ドレイン領
域7066、ゲート絶縁膜を介してゲート電極と重なっ
たLDD領域(以下、Lov領域という。なお、ovとはov
erlapの意である。)7067が形成された。この時、
ソース領域7065、ドレイン領域7066はそれぞれ
(n-+n+)領域で形成され、Lov領域7067はn-
領域で形成された。
【0119】また、画素TFT7083には、チャネル
形成領域7068、7069、ソース領域7070、ド
レイン領域7071、ゲート絶縁膜を介してゲート電極
と重ならないLDD領域(以下、Loff領域という。な
お、offとはoffsetの意である。)7072〜707
5、Loff領域7073、7074に接したn+領域70
76が形成された。この時、ソース領域7070、ドレ
イン領域7071はそれぞれn+領域で形成され、Loff
領域7072〜7075はn--領域で形成された。
【0120】本発明は、アクティブマトリクス回路およ
びドライバー回路が要求する回路仕様に応じて各回路を
形成するTFTの構造を最適化し、半導体装置の動作性
能および信頼性を向上させることができた。具体的に
は、nチャネル型TFTは回路仕様に応じてLDD領域
の配置を異ならせ、Lov領域またはLoff領域を使い分
けることによって、同一基板上に高速動作またはホット
キャリア対策を重視したTFT構造と低オフ電流動作を
重視したTFT構造とを実現した。
【0121】例えば、nチャネル型TFT7082は高
速動作を重視するシフトレジスタ回路、分周波回路、信
号分割回路、レベルシフタ回路、バッファ回路などのロ
ジック回路に適している。また、nチャネル型TFT7
083は低オフ電流動作を重視したアクティブマトリク
ス回路、サンプリング回路(サンプルホールド回路)に
適している。
【0122】また、チャネル長3〜7μmに対してLov
領域の長さ(幅)は0.5〜3.0μm、代表的には
1.0〜1.5μmとすれば良い。また、画素TFT7
083に設けられるLoff領域7072〜7075の長
さ(幅)は0.5〜3.5μm、代表的には2.0〜
2.5μmとすれば良い。
【0123】以上の工程を経てアクティブマトリクス基
板が完成する。
【0124】次に、上記の工程によって作製されたアク
ティブマトリクス基板をもとに、表示装置を作製する工
程を説明する。
【0125】図17(C)の状態のアクティブマトリク
ス基板に配向膜(図示せず)を形成する。本実施形態で
は、配向膜にはポリイミドを用いた。次に、対向基板を
用意する。対向基板は、ガラス基板、透明導電膜から成
る対向電極、配向膜(いずれも図示せず)とで構成され
る。
【0126】なお、本実施形態では、配向膜にはポリイ
ミド膜を用いた。なお、配向膜形成後、ラビング処理を
施した。なお、本実施形態では、配向膜に比較的大きな
プレチル角を持つようなポリイミドを用いた。
【0127】次に、上記の工程を経たアクティブマトリ
クス基板と対向基板とを公知のセル組み工程によって、
シール材やスペーサ(いずれも図示せず)などを介して
貼り合わせる。その後、両基板の間に液晶を注入し、封
止剤(いずれも図示せず)によって完全に封止する。本
実施形態では、液晶にネマチック液晶を用いた。
【0128】よって、表示装置が完成する。
【0129】なお、本実施形態で説明した非晶質シリコ
ン膜の結晶化の方法の代わりに、レーザー光(代表的に
はエキシマレーザー光)によって、非晶質シリコン膜の
結晶化を行ってもよい。
【0130】また、多結晶シリコン膜を用いる代わり
に、スマートカット、SIMOX、エルトラン等のSO
I構造(SOI基板)を用いて他のプロセスを行っても
よい。
【0131】(実施形態5)
【0132】本実施形態では、本発明の表示装置の別の
作製方法について説明する。ここでは、アクティブマト
リクス回路とその周辺に設けられる駆動回路のTFTを
同時に作製する方法について説明する。
【0133】〔島状半導体層、ゲート絶縁膜形成の工
程:図18(A)〕図18(A)において、基板600
1には、無アルカリガラス基板や石英基板を使用するこ
とが望ましい。その他にもシリコン基板や金属基板の表
面に絶縁膜を形成したものを基板としても良い。
【0134】そして、基板6001のTFTが形成され
る表面には、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、または
窒化酸化シリコン膜からなる下地膜6002をプラズマ
CVD法やスパッタ法で100〜400nmの厚さに形
成した。例えば下地膜6002として、窒化シリコン膜
6002を25〜100nm、ここでは50nmの厚さ
に、酸化シリコン膜6003を50〜300nm、ここ
では150nmの厚さとした2層構造で形成すると良
い。下地膜6002は基板からの不純物汚染を防ぐため
に設けられるものであり、石英基板を用いた場合には必
ずしも設けなくても良い。
【0135】次に下地膜6002の上に20〜100n
mの厚さの、非晶質シリコン膜を公知の成膜法で形成し
た。非晶質シリコン膜は含有水素量にもよるが、好まし
くは400〜550℃で数時間加熱して脱水素処理を行
い、含有水素量を5atom%以下として、結晶化の工程を
行うことが望ましい。また、非晶質シリコン膜をスパッ
タ法や蒸着法などの他の作製方法で形成しても良いが、
膜中に含まれる酸素、窒素などの不純物元素を十分低減
させておくことが望ましい。ここでは、下地膜と非晶質
シリコン膜とは、同じ成膜法で形成することが可能であ
るので両者を連続形成しても良い。下地膜を形成後、一
旦大気雰囲気にさらされないようにすることで表面の汚
染を防ぐことが可能となり、作製されるTFTの特性バ
ラツキを低減させることができる。
【0136】非晶質シリコン膜から結晶質シリコン膜を
形成する工程は、公知のレーザー結晶化技術または熱結
晶化の技術を用いれば良い。また、シリコンの結晶化を
助長する触媒元素を用いて熱結晶化の方法で結晶質シリ
コン膜を作製しても良い。その他に、微結晶シリコン膜
を用いても良いし、結晶質シリコン膜を直接堆積成膜し
ても良い。さらに、単結晶シリコンを基板上に貼りあわ
せるSOI(SiliconOn Insulators)の公知技術を使
用して結晶質シリコン膜を形成しても良い。
【0137】こうして形成された結晶質シリコン膜の不
要な部分をエッチング除去して、島状半導体層6004
〜6006を形成した。結晶質シリコン膜のnチャネル
型TFTが作製される領域には、しきい値電圧を制御す
るため、あらかじめ1×10 15〜5×1017cm-3程度
の濃度でボロン(B)を添加しておいても良い。
【0138】次に、島状半導体層6004〜6006を
覆って、酸化シリコンまたは窒化シリコンを主成分とす
るゲート絶縁膜6007を形成した。ゲート絶縁膜60
07は、10〜200nm、好ましくは50〜150n
mの厚さに形成すれば良い。例えば、プラズマCVD法
でN2OとSiH4を原料とした窒化酸化シリコン膜を7
5nm形成し、その後、酸素雰囲気中または酸素と塩酸
の混合雰囲気中、800〜1000℃で熱酸化して11
5nmのゲート絶縁膜としても良い。(図18(A))
【0139】〔n-領域の形成:図18(B)〕島状半
導体層6004、6006及び配線を形成する領域の全
面と、島状半導体層6005の一部(チャネル形成領域
となる領域を含む)にレジストマスク6008〜601
1を形成し、n型を付与する不純物元素を添加して低濃
度不純物領域6012、6013を形成した。この低濃
度不純物領域6012、6013は、後にCMOS回路
のnチャネル型TFTに、ゲート絶縁膜を介してゲート
電極と重なるLDD領域(本明細書中ではLov領域とい
う。なお、ovとはoverlapの意味である。)を形成する
ための不純物領域である。なお、ここで形成された低濃
度不純物領域に含まれるn型を付与する不純物元素の濃
度を(n-)で表すこととする。従って、本明細書中で
は低濃度不純物領域6012、6013をn -領域と言
い換えることができる。
【0140】ここではフォスフィン(PH3)を質量分
離しないでプラズマ励起したイオンドープ法でリンを添
加した。勿論、質量分離を行うイオンインプランテーシ
ョン法を用いても良い。この工程では、ゲート絶縁膜6
007を通してその下の半導体層にリンを添加した。添
加するリン濃度は、5×1017〜5×1018atoms/cm 3
の範囲にするのが好ましく、ここでは1×1018atoms/
cm3とした。
【0141】その後、レジストマスク6008〜601
1を除去し、窒素雰囲気中で400〜900℃、好まし
くは550〜800℃で1〜12時間の熱処理を行な
い、この工程で添加されたリンを活性化する工程を行な
った。
【0142】〔ゲート電極用および配線用導電膜の形
成:図18(C)〕第1の導電膜6014を、タンタル
(Ta)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、タン
グステン(W)から選ばれた元素またはいずれかを主成
分とする導電性材料で、10〜100nmの厚さに形成
した。第1の導電膜6014としては、例えば窒化タン
タル(TaN)や窒化タングステン(WN)を用いるこ
とが望ましい。さらに、第1の導電膜6014上に第2
の導電膜6015をTa、Ti、Mo、Wから選ばれた
元素またはいずれかを主成分とする導電性材料で、10
0〜400nmの厚さに形成した。例えば、Taを20
0nmの厚さに形成すれば良い。また、図示しないが、
第1の導電膜6014の下に導電膜6014、6015
(特に導電膜6015)の酸化防止のためにシリコン膜
を2〜20nm程度の厚さで形成しておくことは有効で
ある。
【0143】〔p−chゲート電極、配線電極の形成と
+領域の形成:図19(A)〕レジストマスク601
6〜6019を形成し、第1の導電膜と第2の導電膜
(以下、積層膜として取り扱う)をエッチングして、p
チャネル型TFTのゲート電極6020、ゲート配線6
021、6022を形成した。なお、nチャネル型TF
Tとなる領域の上には全面を覆うように導電膜602
3、6024を残した。
【0144】そして、レジストマスク6016〜601
9をそのまま残してマスクとし、pチャネル型TFTが
形成される半導体層6004の一部に、p型を付与する
不純物元素を添加する工程を行った。ここではボロンを
その不純物元素として、ジボラン(B26)を用いてイ
オンドープ法(勿論、イオンインプランテーション法で
も良い)で添加した。ここでは5×1020〜3×1021
atoms/cm3の濃度にボロンを添加した。なお、ここで形
成された不純物領域に含まれるp型を付与する不純物元
素の濃度を(p++)で表すこととする。従って、本明細
書中では不純物領域6025、6026をp++領域と言
い換えることができる。
【0145】なお、この工程において、レジストマスク
6016〜6019を使用してゲート絶縁膜6007を
エッチング除去して、島状半導体層6004の一部を露
出させた後、p型を付与する不純物元素を添加する工程
を行っても良い。その場合、加速電圧が低くて済むた
め、島状半導体膜に与えるダメージも少ないし、スルー
プットも向上する。
【0146】〔n―chゲート電極の形成:図19
(B)〕次に、レジストマスク6016〜6019は除
去した後、レジストマスク6027〜6030を形成
し、nチャネル型TFTのゲート電極6031、603
2を形成した。このときゲート電極6031はn-領域
6012、6013とゲート絶縁膜を介して重なるよう
に形成した。
【0147】〔n+領域の形成:図19(C)〕次に、
レジストマスク6027〜6030を除去し、レジスト
マスク6033〜6035を形成した。そして、nチャ
ネル型TFTにおいて、ソース領域またはドレイン領域
として機能する不純物領域を形成する工程を行なった。
レジストマスク6035はnチャネル型TFTのゲート
電極6032を覆う形で形成した。これは、後の工程に
おいてアクティブマトリクス回路のnチャネル型TFT
に、ゲート電極と重ならないようにLDD領域を形成す
るためである。
【0148】そして、n型を付与する不純物元素を添加
して不純物領域6036〜6040を形成した。ここで
も、フォスフィン(PH3)を用いたイオンドープ法
(勿論、イオンインプランテーション法でも良い)で行
い、この領域のリンの濃度は1×1020〜1×1021at
oms/cm3とした。なお、ここで形成された不純物領域6
038〜6040に含まれるn型を付与する不純物元素
の濃度を(n+)で表すこととする。従って、本明細書
中では不純物領域6038〜6040をn+領域と言い
換えることができる。また、不純物領域6036、60
37は既にn-領域が形成されていたので、厳密には不
純物領域6038〜6040よりも若干高い濃度でリン
を含む。
【0149】なお、この工程において、レジストマスク
6033〜6035およびゲート電極6031をマスク
としてゲート絶縁膜6007をエッチングし、島状半導
体膜6005、6006の一部を露出させた後、n型を
付与する不純物元素を添加する工程を行っても良い。そ
の場合、加速電圧が低くて済むため、島状半導体膜に与
えるダメージも少ないし、スループットも向上する。
【0150】〔n--領域の形成:図20(A)〕次に、
レジストマスク6033〜6035を除去し、アクティ
ブマトリクス回路のnチャネル型TFTとなる島状半導
体層6006にn型を付与する不純物元素を添加する工
程を行った。こうして形成された不純物領域6041〜
6044には前記n-領域と同程度かそれより少ない濃
度(具体的には5×1016〜1×1018atoms/cm3)の
リンが添加されるようにした。なお、ここで形成された
不純物領域6041〜6044に含まれるn型を付与す
る不純物元素の濃度を(n --)で表すこととする。従っ
て、本明細書中では不純物領域6041〜6044をn
--領域と言い換えることができる。また、この工程では
ゲート電極で隠された不純物領域6068を除いて全て
の不純物領域にn-の濃度でリンが添加されているが、
非常に低濃度であるため無視して差し支えない。
【0151】〔熱活性化の工程:図20(B)〕次に、
後に第1の層間絶縁膜の一部となる保護絶縁膜6045
を形成した。保護絶縁膜6045は窒化シリコン膜、酸
化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜またはそれらを組み
合わせた積層膜で形成すれば良い。また、膜厚は100
〜400nmとすれば良い。
【0152】その後、それぞれの濃度で添加されたn型
またはp型を付与する不純物元素を活性化するために熱
処理工程を行った。この工程はファーネスアニール法、
レーザーアニール法、またはラピッドサーマルアニール
法(RTA法)で行うことができる。ここではファーネ
スアニール法で活性化工程を行った。加熱処理は、窒素
雰囲気中において300〜650℃、好ましくは400
〜550℃、ここでは450℃、2時間の熱処理を行っ
た。
【0153】さらに、3〜100%の水素を含む雰囲気
中で、300〜450℃で1〜12時間の熱処理を行
い、島状半導体層を水素化する工程を行った。この工程
は熱的に励起された水素により半導体層のダングリング
ボンドを終端する工程である。水素化の他の手段とし
て、プラズマ水素化(プラズマにより励起された水素を
用いる)を行っても良い。
【0154】〔層間絶縁膜、ソース/ドレイン電極、遮
光膜、画素電極、保持容量の形成:図20(C)〕活性
化工程を終えたら、保護絶縁膜6045の上に0.5〜
1.5μm厚の層間絶縁膜6046を形成した。前記保
護絶縁膜6045と層間絶縁膜6046とでなる積層膜
を第1の層間絶縁膜とした。
【0155】その後、それぞれのTFTのソース領域ま
たはドレイン領域に達するコンタクトホールが形成さ
れ、ソース電極6047〜6049と、ドレイン電極6
050、6051を形成した。図示していないが、本実
施例ではこの電極を、Ti膜を100nm、Tiを含む
アルミニウム膜300nm、Ti膜150nmをスパッ
タ法で連続して形成した3層構造の積層膜とした。
【0156】次に、パッシベーション膜6052とし
て、窒化シリコン膜、酸化シリコン膜、または窒化酸化
シリコン膜で50〜500nm(代表的には200〜3
00nm)の厚さで形成した。その後、この状態で水素
化処理を行うとTFTの特性向上に対して好ましい結果
が得られた。例えば、3〜100%の水素を含む雰囲気
中で、300〜450℃で1〜12時間の熱処理を行う
と良く、あるいはプラズマ水素化法を用いても同様の効
果が得られた。なお、ここで後に画素電極とドレイン電
極を接続するためのコンタクトホールを形成する位置に
おいて、パッシベーション膜6052に開口部を形成し
ておいても良い。
【0157】その後、有機樹脂からなる第2の層間絶縁
膜6053を約1μmの厚さに形成した。有機樹脂とし
ては、ポリイミド、アクリル、ポリアミド、ポリイミド
アミド、BCB(ベンゾシクロブテン)等を使用するこ
とができる。有機樹脂膜を用いることの利点は、成膜方
法が簡単である点や、比誘電率が低いので、寄生容量を
低減できる点、平坦性に優れる点などが上げられる。な
お上述した以外の有機樹脂膜や有機系SiO化合物などを
用いることもできる。ここでは、基板に塗布後、熱重合
するタイプのポリイミドを用い、300℃で焼成して形
成した。
【0158】次に、アクティブマトリクス回路となる領
域において、第2の層間絶縁膜6053上に遮光膜60
54を形成した。遮光膜6054はアルミニウム(A
l)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)から選ばれた
元素またはいずれかを主成分とする膜で100〜300
nmの厚さに形成した。そして、遮光膜6054の表面
に陽極酸化法またはプラズマ酸化法により30〜150
nm(好ましくは50〜75nm)の厚さの酸化膜60
55を形成した。ここでは遮光膜6055としてアルミ
ニウム膜またはアルミニウムを主成分とする膜を用い、
酸化膜6055として酸化アルミニウム膜(アルミナ
膜)を用いた。
【0159】なお、ここでは遮光膜表面のみに絶縁膜を
設ける構成としたが、絶縁膜をプラズマCVD法、熱C
VD法またはスパッタ法などの気相法によって形成して
も良い。その場合も膜厚は30〜150nm(好ましく
は50〜75nm)とすることが好ましい。また、酸化
シリコン膜、窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、D
LC(Diamond like carbon)膜または有機樹脂膜を
用いても良い。さらに、これらを組み合わせた積層膜を
用いても良い。
【0160】次に、第2の層間絶縁膜6053にドレイ
ン電極6051に達するコンタクトホールを形成し、画
素電極6056を形成した。なお、画素電極6057、
6058はそれぞれ隣接する別の画素の画素電極であ
る。画素電極6056〜6058は、透過型表示装置と
する場合には透明導電膜を用い、反射型の表示装置とす
る場合には金属膜を用いれば良い。ここでは透過型の表
示装置とするために、酸化インジウム・スズ(ITO)
膜を100nmの厚さにスパッタ法で形成した。
【0161】また、この時、画素電極6056と遮光膜
6054とが酸化膜6055を介して重なった領域60
59が保持容量を形成した。
【0162】こうして同一基板上に、ドライバー回路と
なるCMOS回路とアクティブマトリクス回路とを有し
たアクティブマトリクス基板が完成した。なお、ドライ
バー回路となるCMOS回路にはpチャネル型TFT6
081、nチャネル型TFT6082が形成され、アク
ティブマトリクス回路にはnチャネル型TFTでなる画
素TFT6083が形成された。
【0163】CMOS回路のpチャネル型TFT608
1には、チャネル形成領域6062、ソース領域606
3、ドレイン領域6064がそれぞれp+領域で形成さ
れた。また、nチャネル型TFT6082には、チャネ
ル形成領域6065、ソース領域6066、ドレイン領
域6067、ゲート絶縁膜を介してゲート電極と重なっ
たLDD領域(以下、Lov領域という。なお、ovとはov
erlapの意である。)6068が形成された。この時、
ソース領域6066、ドレイン領域6067はそれぞれ
(n-+n+)領域で形成され、Lov領域6068はn-
領域で形成された。
【0164】また、画素TFT6083には、チャネル
形成領域6070、6071、ソース領域6072、ド
レイン領域6073、ゲート絶縁膜を介してゲート電極
と重ならないLDD領域(以下、Loff領域という。な
お、offとはoffsetの意である。)6074〜607
7、Loff領域6075、6076に接したn+領域60
78が形成された。この時、ソース領域6072、ドレ
イン領域6073はそれぞれn+領域で形成され、Loff
領域6074〜6077はn--領域で形成された。
【0165】本発明は、アクティブマトリクス回路およ
びドライバー回路が要求する回路仕様に応じて各回路を
形成するTFTの構造を最適化し、半導体装置の動作性
能および信頼性を向上させることができた。具体的に
は、nチャネル型TFTは回路仕様に応じてLDD領域
の配置を異ならせ、Lov領域またはLoff領域を使い分
けることによって、同一基板上に高速動作またはホット
キャリア対策を重視したTFT構造と低オフ電流動作を
重視したTFT構造とを実現した。
【0166】例えば、アクティブマトリクス型表示装置
の場合、nチャネル型TFT6082は高速動作を重視
するシフトレジスタ回路、分周波回路、信号分割回路、
レベルシフタ回路、バッファ回路などのロジック回路に
適している。また、nチャネル型TFT6083は低オ
フ電流動作を重視したアクティブマトリクス回路、サン
プリング回路(サンプルホールド回路)に適している。
【0167】また、チャネル長3〜7μmに対してLov
領域の長さ(幅)は0.5〜3.0μm、代表的には
1.0〜1.5μmとすれば良い。また、画素TFT6
083に設けられるLoff領域6073〜6076の長
さ(幅)は0.5〜3.5μm、代表的には2.0〜
2.5μmとすれば良い。
【0168】以上の工程によって作製されたアクティブ
マトリクス基板をもとに、表示装置を作製する。作製工
程例については、実施形態5を参照されたい。
【0169】(実施形態6)
【0170】図21は、本発明の表示装置のアクティブ
マトリクス基板の別の構成の例である。8001はpチ
ャネル型TFT、8002はnチャネル型TFT、80
03はnチャネル型TFT、8004はnチャネル型T
FTである。8001、8002、および8003はド
ライバの回路部を構成し、8004はアクティブマトリ
クス回路部を構成している。
【0171】8005〜8013は、アクティブマトリ
クス回路を構成する画素TFTの半導体層である。80
05、8009および8013はn+領域、8006、
8008、8010および8012はn--領域、800
7および8011はチャネル形成領域である。8014
は絶縁膜のキャップ層であり、チャネル形成領域にオフ
セット部を形成するために設けられる。
【0172】なお、本実施形態については、本出願人の
特許出願である、特願平11−67809号を参照する
ことができる。
【0173】(実施形態7)
【0174】上述の本発明の表示装置には、TN液晶以
外にも様々な液晶を用いることが可能である。例えば、
1998, SID, "Characteristics and Driving Scheme of
Polymer-Stabilized Monostable FLCD Exhibiting Fast
Response Time and High Contrast Ratio with Gray-S
cale Capability" by H. Furue et al.や、1997,SID DI
GEST, 841, "A Full-Color Thresholdless Antiferroel
ectric LCD Exhibiting Wide Viewing Angle with Fast
Response Time" by T. Yoshida et al.や、1996, J. M
ater. Chem. 6(4), 671-673, "Thresholdless antiferr
oelectricity in liquid crystals and its applicatio
n to displays" by S. Inui et al.や、米国特許第5594
569 号に開示された液晶を用いることが可能である。
【0175】ある温度域において反強誘電相を示す液晶
を反強誘電性液晶という。反強誘電性液晶を有する混合
液晶には、電場に対して透過率が連続的に変化する電気
光学応答特性を示す、無しきい値反強誘電性混合液晶と
呼ばれるものがある。この無しきい値反強誘電性混合液
晶は、いわゆるV字型の電気光学応答特性を示すものが
あり、その駆動電圧が約±2.5V程度(セル厚約1μ
m〜2μm)のものも見出されている。
【0176】ここで、いわゆるV字型の電気光学応答を
示す無しきい値反強誘電性混合液晶の印加電圧に対する
光透過率の特性を示す例を図22に示す。図22に示す
グラフの縦軸は透過率(任意単位)、横軸は印加電圧で
ある。なお、表示装置の入射側の偏光板の透過軸は、表
示装置のラビング方向にほぼ一致する無しきい値反強誘
電性混合液晶のスメクティック層の法線方向とほぼ平行
に設定されている。また、出射側の偏光板の透過軸は、
入射側の偏光板の透過軸に対してほぼ直角(クロスニコ
ル)に設定されている。
【0177】図22に示されるように、このような無し
きい値反強誘電性混合液晶を用いると、低電圧駆動かつ
階調表示が可能となることがわかる。
【0178】このような低電圧駆動の無しきい値反強誘
電性混合液晶をアナログドライバを有する表示装置に用
いた場合には、画像信号のサンプリング回路の電源電圧
を、例えば、5V〜8V程度に抑えることが可能とな
る。よって、ドライバの動作電源電圧を下げることがで
き、表示装置の低消費電力化および高信頼性が実現でき
る。
【0179】また、このような低電圧駆動の無しきい値
反強誘電性混合液晶をデジタルドライバを有する表示装
置に用いた場合にも、D/A変換回路の出力電圧を下げ
ることができるので、D/A変換回路の動作電源電圧を
下げることができ、ドライバの動作電源電圧を低くする
ことができる。よって、表示装置の低消費電力化および
高信頼性が実現できる。
【0180】よって、このような低電圧駆動の無しきい
値反強誘電性混合液晶を用いることは、比較的LDD領
域(低濃度不純物領域)の幅が小さなTFT(例えば、
0nm〜500nmまたは0nm〜200nm)を用い
る場合においても有効である。
【0181】また、一般に、無しきい値反強誘電性混合
液晶は自発分極が大きく、液晶自体の誘電率が高い。こ
のため、無しきい値反強誘電性混合液晶を表示装置に用
いる場合には、画素に比較的大きな保持容量が必要とな
ってくる。よって、自発分極が小さな無しきい値反強誘
電性混合液晶を用いるのが好ましい。また、表示装置の
駆動方法を線順次駆動とすることにより、画素への階調
電圧の書き込み期間(ピクセルフィードピリオド)を長
くし、保持容量が小くてもそれを補うようにしてもよ
い。
【0182】なお、このような無しきい値反強誘電性混
合液晶を用いることによって低電圧駆動が実現されるの
で、表示装置の低消費電力が実現される。
【0183】なお、図22に示すような電気光学特性を
有する液晶であれば、いかなるものも本発明の表示装置
の表示媒体として用いることができる。
【0184】(実施形態8)
【0185】上述の本発明の表示装置は、図23に示す
ような3板式のプロジェクタに用いることができる。
【0186】図23において、2401は白色光源、2
402〜2405はダイクロイックミラー、2406な
らびに2407は全反射ミラー、2408〜2410は
本発明の表示装置、および2411は投影レンズであ
る。
【0187】(実施形態9)
【0188】また、上述の本発明の表示装置は、図24
に示すような3板式のプロジェクタに用いることもでき
る。
【0189】図24において、2501は白色光源、2
502ならびに2503はダイクロイックミラー、25
04〜2506は全反射ミラー、2507〜2509は
本発明の表示装置、および2510はダイクロイックプ
リズム、および2511は投影レンズである。
【0190】(実施形態10)
【0191】また、上述の実施形態1〜3で説明した本
発明の表示装置は、図25に示すような単板式のプロジ
ェクタに用いることもできる。
【0192】図25において、2601はランプとリフ
レクターとから成る白色光源である。2602、260
3、および2604は、ダイクロイックミラーであり、
それぞれ青、赤、緑の波長領域の光を選択的に反射す
る。2605はマイクロレンズアレイであり、複数のマ
イクロレンズによって構成されている。2606は本発
明の表示装置である。2607はフィールドレンズ、2
608は投影レンズ、2609はスクリーンである。
【0193】(実施形態11)
【0194】上記実施形態8〜10のプロジェクター
は、その投影方法によってリアプロジェクターとフロン
トプロジェクターとがある。
【0195】図26(A)はフロント型プロジェクタ−
であり、本体10001、本発明の表示装置1000
2、光源10003、光学系10004、スクリーン1
0005で構成されている。なお、図26(A)には、
表示装置を1つ組み込んだフロントプロジェクターが示
されているが、表示装置を3個(R、G、Bの光にそれ
ぞれ対応させる)組み込んことによって、より高解像度
・高精細のフロント型プロジェクタを実現することがで
きる。
【0196】図26(B)はリア型プロジェクターであ
り、10006は本体、10007は表示装置であり、
10008は光源であり、10009はリフレクター、
10010はスクリーンである。なお、図26(B)に
は、アクティブマトリクス型半導体表示装置を3個
(R、G、Bの光にそれぞれ対応させる)組み込んだリ
ア型プロジェクタが示されている。
【0197】(実施形態12)
【0198】本実施形態では、本発明の表示装置をゴー
グル型ディスプレイに用いた例を示す。
【0199】図27を参照する。2801はゴーグル型
ディスプレイ本体である。2802−Rならびに280
2−Lは本発明の表示装置であり、2803−Rならび
に2803−LはLEDバックライトであり、2804
−Rならびに2804−Lは光学素子である。
【0200】(実施形態13)
【0201】本実施形態においては、本発明の表示装置
のバックライトにLEDを用いて、フィールドシーケン
シャル駆動を行うものである。
【0202】図28に示すフィールドシーケンシャル駆
動方法のタイミングチャートには、画像信号書き込みの
開始信号(Vsync信号)、赤(R)、緑(G)ならびに
青(B)のLEDの点灯タイミング信号(R、Gならび
にB)、およびビデオ信号(VIDEO)が示されてい
る。Tfはフレーム期間である。また、TR、TG、TB
は、それぞれ赤(R)、緑(G)、青(B)のLED点
灯期間である。
【0203】表示装置に供給される画像信号、例えばR
1は、外部から入力される赤に対応する元のビデオデー
タが時間軸方向に1/3に圧縮された信号である。ま
た、表示パネルに供給される画像信号、例えばG1は、
外部から入力される緑に対応する元のビデオデータが時
間軸方向に1/3に圧縮された信号である。また、表示
パネルに供給される画像信号、例えばB1は、外部から
入力される青に対応する元のビデオデータが時間軸方向
に1/3に圧縮された信号である。
【0204】フィールドシーケンシャル駆動方法におい
ては、LED点灯期間TR期間、TG期間およびTB期間
に、それぞれR、G、BのLEDが順に点灯する。赤の
LEDの点灯期間(TR)には、赤に対応したビデオ信
号(R1)が表示パネルに供給され、表示パネルに赤の
画像1画面分が書き込まれる。また、緑のLEDの点灯
期間(TG)には、緑に対応したビデオデータ(G1)が
表示パネルに供給され、表示パネルに緑の画像1画面分
が書き込まれる。また、青のLEDの点灯期間(TB)
には、青に対応したビデオデータ(B1)が表示装置に
供給され、表示装置に青の画像1画面分が書き込まれ
る。これらの3回の画像の書き込みにより、1フレーム
が形成される。
【0205】(実施形態14)
【0206】本実施形態においては、本発明の表示装置
をノートブック型パーソナルコンピュータに用いた例を
図29に示す。
【0207】3001はノートブック型パーソナルコン
ピュータ本体であり、3002は本発明の表示装置であ
る。また、バックライトにはLEDが用いられている。
なお、バックライトに従来のように陰極管を用いても良
い。
【0208】(実施形態15)
【0209】本発明の表示装置には他に様々な用途があ
る。本実施形態では、本発明の表示装置を組み込んだ半
導体装置について説明する。
【0210】このような半導体装置には、ビデオカメ
ラ、スチルカメラ、カーナビゲーション、パーソナルコ
ンピュータ、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携
帯電話など)などが挙げられる。それらの一例を図30
に示す。
【0211】図30(A)は携帯電話であり、本体11
001、音声出力部11002、音声入力部1100
3、本発明の表示装置11004、操作スイッチ110
05、アンテナ11006で構成される。
【0212】図30(B)はビデオカメラであり、本体
12001、本発明の表示装置12002、音声入力部
12003、操作スイッチ12004、バッテリー12
005、受像部12012で構成される。
【0213】図30(C)はモバイルコンピュータであ
り、本体13001、カメラ部13002、受像部13
003、操作スイッチ13004、本発明の表示装置1
3005で構成される。
【0214】図30(D)は携帯書籍(電子書籍)であ
り、本体14001、本発明の表示装置14002、1
4003、記憶媒体14004、操作スイッチ1400
5、アンテナ14006で構成される。
【0215】図31(A)はパーソナルコンピュータで
あり、本体2601、映像入力部2602、表示部26
03、キーボード2604等を含む。本発明の表示装置
は表示部2603に用いることができる。
【0216】図31(B)は電子遊戯機器(ゲーム機
器)であり、本体2701、記録媒体2702、表示部
2703およびコントローラー2704を含む。この電
子遊戯機器から出力された音声や映像は筐体2705お
よび表示部2706を含む表示ディスプレイにて再生さ
れる。コントローラー2704と本体2701との間の
通信手段または電子遊戯機器と表示ディスプレイとの間
の通信手段は、有線通信、無線通信もしくは光通信が使
える。本実施例では赤外線をセンサ部2707、270
8で検知する構成となっている。本発明の表示装置は表
示部2703に用いることができる。
【0217】図31(C)はプログラムを記録した記録
媒体(以下、記録媒体と呼ぶ)を用いるプレーヤー(画
像再生装置)であり、本体12801、表示部1280
2、スピーカ部12803、記録媒体12804及び操
作スイッチ12805を含む。なお、この画像再生装置
は記録媒体としてDVD(Digtial Versa
tile Disc)、CD等を用い、音楽鑑賞や映画
鑑賞やゲームやインターネットを行うことができる。本
発明の表示装置は表示部12802に用いることができ
る。
【0218】図31(D)はデジタルカメラであり、本
体2901、表示部2902、接眼部2903、操作ス
イッチ2904、受像部(図示せず)を含む。本発明の
表示装置は表示部2902に用いることができる。
【0219】(実施形態16)本実施形態では、本発明
の表示装置としてEL(エレクトロルミネッセンス)表
示装置を作製した例について説明する。
【0220】図32(A)は本実施形態のEL表示装置
の上面図である。図31(A)において、4010は基
板、4011は画素部、4012はソース側駆動回路、
4013はゲート側駆動回路であり、それぞれの駆動回
路は配線4014〜4016を経てFPC4017に至
り、外部機器へと接続される。
【0221】図32(B)は本実施形態のEL表示装置
の断面構造である。このとき、少なくとも画素部、好ま
しくは駆動回路及び画素部を囲むようにしてカバー材1
6000、シール材17000、密封材(第2のシール
材)17001が設けられている。
【0222】また、基板4010、下地膜4021の上
に駆動回路用TFT(但し、ここではnチャネル型TF
Tとpチャネル型TFTを組み合わせたCMOS回路を
図示している。)4022及び画素部用TFT4023
(但し、ここではEL素子への電流を制御するTFTだ
け図示している。)が形成されている。
【0223】駆動回路用TFT4022、画素部用TF
T4023が完成したら、樹脂材料でなる層間絶縁膜
(平坦化膜)4026の上に画素部用TFT4023の
ドレインと電気的に接続する透明導電膜でなる画素電極
4027を形成する。透明導電膜としては、酸化インジ
ウムと酸化スズとの化合物(ITOと呼ばれる)または
酸化インジウムと酸化亜鉛との化合物を用いることがで
きる。そして、画素電極4027を形成したら、絶縁膜
4028を形成し、画素電極4027上に開口部を形成
する。
【0224】次に、EL層4029を形成する。EL層
4029は公知のEL材料(正孔注入層、正孔輸送層、
発光層、電子輸送層または電子注入層)を自由に組み合
わせて積層構造または単層構造とすれば良い。どのよう
な構造とするかは公知の技術を用いれば良い。また、E
L材料には低分子系材料と高分子系(ポリマー系)材料
がある。低分子系材料を用いる場合は蒸着法を用いる
が、高分子系材料を用いる場合には、スピンコート法、
印刷法またはインクジェット法等の簡易な方法を用いる
ことが可能である。
【0225】本実施形態では、シャドーマスクを用いて
蒸着法によりEL層を形成する。シャドーマスクを用い
て画素毎に波長の異なる発光が可能な発光層(赤色発光
層、緑色発光層及び青色発光層)を形成することで、カ
ラー表示が可能となる。その他にも、色変換層(CC
M)とカラーフィルターを組み合わせた方式、白色発光
層とカラーフィルターを組み合わせた方式があるがいず
れの方法を用いても良い。勿論、単色発光のEL表示装
置とすることもできる。
【0226】EL層4029を形成したら、その上に陰
極4030を形成する。陰極4030とEL層4029
の界面に存在する水分や酸素は極力排除しておくことが
望ましい。従って、真空中でEL層4029と陰極40
30を連続成膜するか、EL層4029を不活性雰囲気
で形成し、大気解放しないで陰極4030を形成すると
いった工夫が必要である。本実施形態ではマルチチャン
バー方式(クラスターツール方式)の成膜装置を用いる
ことで上述のような成膜を可能とする。
【0227】なお、本実施形態では陰極4030とし
て、LiF(フッ化リチウム)膜とAl(アルミニウ
ム)膜の積層構造を用いる。具体的にはEL層4029
上に蒸着法で1nm厚のLiF(フッ化リチウム)膜を
形成し、その上に300nm厚のアルミニウム膜を形成
する。勿論、公知の陰極材料であるMgAg電極を用い
ても良い。そして陰極4030は4031で示される領
域において配線4016に接続される。配線4016は
陰極4030に所定の電圧を与えるための電源供給線で
あり、導電性ペースト材料4032を介してFPC40
17に接続される。
【0228】4031に示された領域において陰極40
30と配線4016とを電気的に接続するために、層間
絶縁膜4026及び絶縁膜4028にコンタクトホール
を形成する必要がある。これらは層間絶縁膜4026の
エッチング時(画素電極用コンタクトホールの形成時)
や絶縁膜4028のエッチング時(EL層形成前の開口
部の形成時)に形成しておけば良い。また、絶縁膜40
28をエッチングする際に、層間絶縁膜4026まで一
括でエッチングしても良い。この場合、層間絶縁膜40
26と絶縁膜4028が同じ樹脂材料であれば、コンタ
クトホールの形状を良好なものとすることができる。
【0229】このようにして形成されたEL素子の表面
を覆って、パッシベーション膜16003、充填材16
004、カバー材16000が形成される。
【0230】さらに、EL素子部を囲むようにして、カ
バー材16000と基板4010の内側にシール材17
000が設けられ、さらにシール材17000の外側に
は密封材(第2のシール材)17001が形成される。
【0231】このとき、この充填材16004は、カバ
ー材16000を接着するための接着剤としても機能す
る。充填材16004としては、PVC(ポリビニルク
ロライド)、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、PVB
(ポリビニルブチラル)またはEVA(エチレンビニル
アセテート)を用いることができる。この充填材600
4の内部に乾燥剤を設けておくと、吸湿効果を保持でき
るので好ましい。
【0232】また、充填材16004の中にスペーサー
を含有させてもよい。このとき、スペーサーをBaOな
どからなる粒状物質とし、スペーサー自体に吸湿性をも
たせてもよい。
【0233】スペーサーを設けた場合、パッシベーショ
ン膜16003はスペーサー圧を緩和することができ
る。また、パッシベーション膜とは別に、スペーサー圧
を緩和する樹脂膜などを設けてもよい。
【0234】また、カバー材6000としては、ガラス
板、アルミニウム板、ステンレス板、FRP(Fibe
rglass−Reinforced Plastic
s)板、PVF(ポリビニルフルオライド)フィルム、
マイラーフィルム、ポリエステルフィルムまたはアクリ
ルフィルムを用いることができる。なお、充填材160
04としてPVBやEVAを用いる場合、数十μmのア
ルミニウムホイルをPVFフィルムやマイラーフィルム
で挟んだ構造のシートを用いることが好ましい。
【0235】但し、EL素子からの発光方向(光の放射
方向)によっては、カバー材16000が透光性を有す
る必要がある。
【0236】また、配線4016はシール材17000
および密封材17001と基板4010との隙間を通っ
てFPC4017に電気的に接続される。なお、ここで
は配線4016について説明したが、他の配線401
4、4015も同様にしてシール材17000および密
封材17001の下を通ってFPC4017に電気的に
接続される。
【0237】(実施形態17)本実施形態では、実施形
態16とは異なる形態のEL表示装置を作製した例につ
いて、図33(A)、33(B)を用いて説明する。図
32(A)、32(B)と同じ番号のものは同じ部分を
指しているので説明は省略する。
【0238】図32(A)は本実施形態のEL表示装置
の上面図であり、図33(A)をA-A'で切断した断面
図を図33(B)に示す。
【0239】実施形態9に従って、EL素子の表面を覆
ってパッシベーション膜16003までを形成する。
【0240】さらに、EL素子を覆うようにして充填材1
6004を設ける。この充填材16004は、カバー材
16000を接着するための接着剤としても機能する。
充填材16004としては、PVC(ポリビニルクロラ
イド)、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、PVB(ポリ
ビニルブチラル)またはEVA(エチレンビニルアセテ
ート)を用いることができる。この充填材16004の
内部に乾燥剤を設けておくと、吸湿効果を保持できるの
で好ましい。
【0241】また、充填材16004の中にスペーサー
を含有させてもよい。このとき、スペーサーをBaOな
どからなる粒状物質とし、スペーサー自体に吸湿性をも
たせてもよい。
【0242】スペーサーを設けた場合、パッシベーショ
ン膜16003はスペーサー圧を緩和することができ
る。また、パッシベーション膜とは別に、スペーサー圧
を緩和する樹脂膜などを設けてもよい。
【0243】また、カバー材16000としては、ガラ
ス板、アルミニウム板、ステンレス板、FRP(Fib
erglass−Reinforced Plasti
cs)板、PVF(ポリビニルフルオライド)フィル
ム、マイラーフィルム、ポリエステルフィルムまたはア
クリルフィルムを用いることができる。なお、充填材1
6004としてPVBやEVAを用いる場合、数十μm
のアルミニウムホイルをPVFフィルムやマイラーフィ
ルムで挟んだ構造のシートを用いることが好ましい。
【0244】但し、EL素子からの発光方向(光の放射
方向)によっては、カバー材6000が透光性を有する
必要がある。
【0245】次に、充填材16004を用いてカバー材
16000を接着した後、充填材16004の側面(露
呈面)を覆うようにフレーム材16001を取り付け
る。フレーム材16001はシール材(接着剤として機
能する)16002によって接着される。このとき、シ
ール材16002としては、光硬化性樹脂を用いるのが
好ましいが、EL層の耐熱性が許せば熱硬化性樹脂を用
いても良い。なお、シール材16002はできるだけ水
分や酸素を透過しない材料であることが望ましい。ま
た、シール材16002の内部に乾燥剤を添加してあっ
ても良い。
【0246】また、配線4016はシール材16002
と基板4010との隙間を通ってFPC4017に電気
的に接続される。なお、ここでは配線4016について
説明したが、他の配線4014、4015も同様にして
シール材16002の下を通ってFPC4017に電気
的に接続される。
【0247】(実施形態18)本実形態では、EL表示
パネルにおける画素部のさらに詳細な断面構造を図34
に、上面構造を図35(A)に、回路図を図35(B)
に示す。図34、図35(A)及び図35(B)では共
通の符号を用いるので互いに参照すれば良い。
【0248】図35において、基板3001上に設けら
れたスイッチング用TFT3002は実施形態7のTFT
構造を用いてもよいし、公知のTFTの構造を用いても
よい。本実施形態ではダブルゲート構造としているが、
構造及び作製プロセスに大きな違いはないので説明は省
略する。但し、ダブルゲート構造とすることで実質的に
二つのTFTが直列された構造となり、オフ電流値を低
減することができるという利点がある。なお、本実施形
態ではダブルゲート構造としているが、シングルゲート
構造でも構わないし、トリプルゲート構造やそれ以上の
ゲート本数を持つマルチゲート構造でも構わない。
【0249】また、電流制御用TFT3003はNTF
Tを用いて形成される。このとき、スイッチング用TF
T3002のドレイン配線3035は配線3036によ
って電流制御用TFTのゲート電極3037に電気的に
接続されている。また、3038で示される配線は、ス
イッチング用TFT3002のゲート電極3039a、
3039bを電気的に接続するゲート配線である。
【0250】電流制御用TFTはEL素子を流れる電流
量を制御するための素子であるため、多くの電流が流
れ、熱による劣化やホットキャリアによる劣化の危険性
が高い素子でもある。そのため、電流制御用TFTのド
レイン側に、ゲート絶縁膜を介してゲート電極に重なる
ようにLDD領域を設ける本発明の構造は極めて有効で
ある。
【0251】また、本実施形態では電流制御用TFT3
003をシングルゲート構造で図示しているが、複数の
TFTを直列につなげたマルチゲート構造としても良
い。さらに、複数のTFTを並列につなげて実質的にチ
ャネル形成領域を複数に分割し、熱の放射を高い効率で
行えるようにした構造としても良い。このような構造は
熱による劣化対策として有効である。
【0252】また、図35(A)に示すように、電流制
御用TFT3003のゲート電極3037となる配線は
3004で示される領域で、電流制御用TFT3003
のドレイン配線3040と絶縁膜を介して重なる。この
とき、3004で示される領域ではコンデンサが形成さ
れる。このコンデンサ3004は電流制御用TFT30
03のゲートにかかる電圧を保持するためのコンデンサ
として機能する。なお、ドレイン配線3040は電流供
給線(電源線)3006に接続され、常に一定の電圧が
加えられている。
【0253】スイッチング用TFT3002及び電流制
御用TFT3003の上には第1パッシベーション膜3
041が設けられ、その上に樹脂絶縁膜でなる平坦化膜
3042が形成される。平坦化膜3042を用いてTF
Tによる段差を平坦化することは非常に重要である。後
に形成されるEL層は非常に薄いため、段差が存在する
ことによって発光不良を起こす場合がある。従って、E
L層をできるだけ平坦面に形成しうるように画素電極を
形成する前に平坦化しておくことが望ましい。
【0254】また、3043は反射性の高い導電膜でな
る画素電極(EL素子の陰極)であり、電流制御用TF
T3003のドレインに電気的に接続される。画素電極
3043としてはアルミニウム合金膜、銅合金膜または
銀合金膜など低抵抗な導電膜またはそれらの積層膜を用
いることが好ましい。勿論、他の導電膜との積層構造と
しても良い。
【0255】また、絶縁膜(好ましくは樹脂)で形成さ
れたバンク3044a、3044bにより形成された溝
(画素に相当する)の中に発光層3045が形成され
る。なお、ここでは一画素しか図示していないが、R
(赤)、G(緑)、B(青)の各色に対応した発光層を
作り分けても良い。発光層とする有機EL材料としては
π共役ポリマー系材料を用いる。代表的なポリマー系材
料としては、ポリパラフェニレンビニレン(PPV)
系、ポリビニルカルバゾール(PVK)系、ポリフルオ
レン系などが挙げられる。
【0256】なお、PPV系有機EL材料としては様々
な型のものがあるが、例えば「H. Shenk,H.Becker,O.Ge
lsen,E.Kluge,W.Kreuder,and H.Spreitzer,“Polymers
forLight Emitting Diodes”,Euro Display,Proceeding
s,1999,p.33-37」や特開平10−92576号公報に記
載されたような材料を用いれば良い。
【0257】具体的な発光層としては、赤色に発光する
発光層にはシアノポリフェニレンビニレン、緑色に発光
する発光層にはポリフェニレンビニレン、青色に発光す
る発光層にはポリフェニレンビニレン若しくはポリアル
キルフェニレンを用いれば良い。膜厚は30〜150n
m(好ましくは40〜100nm)とすれば良い。
【0258】但し、以上の例は発光層として用いること
のできる有機EL材料の一例であって、これに限定する
必要はまったくない。発光層、電荷輸送層または電荷注
入層を自由に組み合わせてEL層(発光及びそのための
キャリアの移動を行わせるための層)を形成すれば良
い。
【0259】例えば、本実施形態ではポリマー系材料を
発光層として用いる例を示したが、低分子系有機EL材
料を用いても良い。また、電荷輸送層や電荷注入層とし
て炭化珪素等の無機材料を用いることも可能である。こ
れらの有機EL材料や無機材料は公知の材料を用いるこ
とができる。
【0260】本実施形態では発光層3045の上にPE
DOT(ポリチオフェン)またはPAni(ポリアニリ
ン)でなる正孔注入層3046を設けた積層構造のEL
層としている。そして、正孔注入層3046の上には透
明導電膜でなる陽極3047が設けられる。本実施形態
の場合、発光層3045で生成された光は上面側に向か
って(TFTの上方に向かって)放射されるため、陽極
は透光性でなければならない。透明導電膜としては酸化
インジウムと酸化スズとの化合物や酸化インジウムと酸
化亜鉛との化合物を用いることができるが、耐熱性の低
い発光層や正孔注入層を形成した後で形成するため、可
能な限り低温で成膜できるものが好ましい。
【0261】陽極3047まで形成された時点でEL素
子3005が完成する。なお、ここでいうEL素子30
05は、画素電極(陰極)3043、発光層3045、
正孔注入層3046及び陽極3047で形成されたコン
デンサを指す。図22Aに示すように画素電極3043
は画素の面積にほぼ一致するため、画素全体がEL素子
として機能する。従って、発光の利用効率が非常に高
く、明るい画像表示が可能となる。
【0262】ところで、本実施形態では、陽極3047
の上にさらに第2パッシベーション膜3048を設けて
いる。第2パッシベーション膜3048としては窒化珪
素膜または窒化酸化珪素膜が好ましい。この目的は、外
部とEL素子とを遮断することであり、有機EL材料の
酸化による劣化を防ぐ意味と、有機EL材料からの脱ガ
スを抑える意味との両方を併せ持つ。これによりEL表
示装置の信頼性が高められる。
【0263】以上のように本実施形態のEL表示パネル
は図21のような構造の画素からなる画素部を有し、オ
フ電流値の十分に低いスイッチング用TFTと、ホット
キャリア注入に強い電流制御用TFTとを有する。従っ
て、高い信頼性を有し、且つ、良好な画像表示が可能な
EL表示パネルが得られる。
【0264】(実施形態19)本実施形態では、実施形
態18に示した画素部において、EL素子3005の構
造を反転させた構造について説明する。説明には図35
を用いる。なお、図34の構造と異なる点はEL素子の
部分と電流制御用TFTだけであるので、その他の説明
は省略することとする。
【0265】図36において、電流制御用TFT310
3はPTFTを用いて形成される。
【0266】本実施形態では、画素電極(陽極)305
0として透明導電膜を用いる。具体的には酸化インジウ
ムと酸化亜鉛との化合物でなる導電膜を用いる。勿論、
酸化インジウムと酸化スズとの化合物でなる導電膜を用
いても良い。
【0267】そして、絶縁膜でなるバンク3051a、
3051bが形成された後、溶液塗布によりポリビニル
カルバゾールでなる発光層3052が形成される。その
上にはカリウムアセチルアセトネートでなる電子注入層
3053、アルミニウム合金でなる陰極3054が形成
される。この場合、陰極3054がパッシベーション膜
としても機能する。こうしてEL素子3101が形成さ
れる。
【0268】本実施形態の場合、発光層3052で発生
した光は、矢印で示されるようにTFTが形成された基
板の方に向かって放射される。
【0269】また、実施形態12,13、14または1
5の電子機器の表示部として本実施形態のEL表示パネ
ルを用いることは有効である。
【0270】(実施形態20)本実施形態では、図35
(B)に示した回路図とは異なる構造の画素とした場合
の例について図37(A)〜(C)に示す。なお、本実
施形態において、3201はスイッチング用TFT32
02のソース配線、3203はスイッチング用TFT3
202のゲート配線、3204は電流制御用TFT、3
205はコンデンサ、3206、3208は電流供給
線、3207はEL素子とする。
【0271】図37(A)は、二つの画素間で電流供給
線3206を共通とした場合の例である。即ち、二つの
画素が電流供給線3206を中心に線対称となるように
形成されている点に特徴がある。この場合、電源供給線
の本数を減らすことができるため、画素部をさらに高精
細化することができる。
【0272】また、図37(B)は、電流供給線320
8をゲート配線3203と平行に設けた場合の例であ
る。なお、図37(B)では電流供給線3208とゲー
ト配線3203とが重ならないように設けた構造となっ
ているが、両者が異なる層に形成される配線であれば、
絶縁膜を介して重なるように設けることもできる。この
場合、電源供給線3208とゲート配線3203とで専
有面積を共有させることができるため、画素部をさらに
高精細化することができる。
【0273】また、図35(C)は、図35(B)の構
造と同様に電流供給線3208をゲート配線3203と
平行に設け、さらに、二つの画素を電流供給線3208
を中心に線対称となるように形成する点に特徴がある。
また、電流供給線3208をゲート配線3203のいず
れか一方と重なるように設けることも有効である。この
場合、電源供給線の本数を減らすことができるため、画
素部をさらに高精細化することができる。
【0274】(実施形態21)図35(A)、35
(B)では電流制御用TFT3003のゲートにかかる
電圧を保持するためにコンデンサ3004を設ける構造
としているが、コンデンサ3004を省略することも可
能である。本実施形態の場合、電流制御用TFT300
3として、ゲート絶縁膜を介してゲート電極に重なるよ
うに設けられたLDD領域を有しているTFTを用いて
いる。この重なり合った領域には一般的にゲート容量と
呼ばれる寄生容量が形成されるが、本実施形態ではこの
寄生容量をコンデンサ3004の代わりとして積極的に
用いる点に特徴がある。
【0275】この寄生容量のキャパシタンスは、上記ゲ
ート電極とLDD領域とが重なり合った面積によって変
化するため、その重なり合った領域に含まれるLDD領
域の長さによって決まる。
【0276】また、本実施形態20に示した図36
(A),(B),(C)の構造においても同様に、コン
デンサ3205を省略することは可能である。
【0277】
【発明の効果】
【0278】本発明の表示装置によると、D/A変換回
路の能力以上の多階調表示をおこなうことができる。よ
って、小型の表示装置を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の表示装置の概略構成図である。
【図2】 本発明の表示装置の概略構成図である。
【図3】 本発明の表示装置のある実施形態の概略構成
図である。
【図4】 本発明の表示装置のある実施形態のアクティ
ブマトリクス回路、ソースドライバおよびゲートドライ
バの回路構成図である。
【図5】 本発明の表示装置のある実施形態の階調表示
レベルを示す図である。
【図6】 本発明の表示装置のある実施形態の駆動タイ
ミングチャートを示す図である。
【図7】 本発明の表示装置のある実施形態の駆動タイ
ミングチャートを示す図である。
【図8】 本発明の表示装置のある実施形態の駆動タイ
ミングチャートを示す図である。
【図9】 本発明の表示装置のある実施形態の概略構成
図である。
【図10】 本発明の表示装置のある実施形態の概略構
成図である。
【図11】 本発明の表示装置のある実施形態の概略構
成図である。
【図12】 本発明の表示装置のある実施形態のアクテ
ィブマトリクス回路、ソースドライバおよびゲートドラ
イバの回路構成図である。
【図13】 本発明の表示装置のある実施形態の駆動タ
イミングチャートを示す図である。
【図14】 本発明の表示装置のある実施形態の駆動タ
イミングチャートを示す図である。
【図15】 本発明の表示装置の作製工程例を示す図で
ある。
【図16】 本発明の表示装置の作製工程例を示す図で
ある。
【図17】 本発明の表示装置の作製工程例を示す図で
ある。
【図18】 本発明の表示装置の作製工程例を示す図で
ある。
【図19】 本発明の表示装置の作製工程例を示す図で
ある。
【図20】 本発明の表示装置の作製工程例を示す図で
ある。
【図21】 本発明の表示装置の作製工程例を示す図で
ある。
【図22】 無しきい値反強誘電性混合液晶の印加電圧
−透過率特性を示すグラフである。
【図23】 本発明の表示装置を用いた3板式プロジェ
クタの概略構成図である。
【図24】 本発明の表示装置を用いた3板式プロジェ
クタの概略構成図である。
【図25】 本発明の表示装置を用いた単板式プロジェ
クタの概略構成図である。
【図26】 本発明の表示装置を用いたフロントプロジ
ェクタおよびリアプロジェクタの概略構成図である。
【図27】 本発明の表示装置を用いたゴーグル型ディ
スプレイの概略構成図である。
【図28】 フィールドシーケンシャル駆動のタイミン
グチャートである。
【図29】 本発明の表示装置を用いたノートブック型
パーソナルコンピュータの概略構成図である。
【図30】 本発明の表示装置を用いた電子機器の例で
ある。
【図31】 本発明の表示装置を用いた電子機器の例で
ある。
【図32】 EL表示装置の上面構造および断面構造を
示す図である。
【図33】 EL表示装置の上面構造および断面構造を
示す図である。
【図34】 EL表示装置の断面構造を示す図である。
【図35】 EL表示装置の上面構造および回路構造を
示す図である。
【図36】 EL表示装置の断面構成を示す図である。
【図37】 EL表示装置の画素部の回路構成を示す図
である。
【符号の説明】
101 表示装置 101−1 ソースドライバ 101−2 ゲートドライバ 101−3 ゲートドライバ 101−4 アクティブマトリクス回路 102 デジタルビデオデータ時間階調処理回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G09G 3/20 641 G09G 3/20 641K 680C 680 680A 680T G02F 1/136 500

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の画素TFTがマトリクス状に配置さ
    れたアクティブマトリクス回路と、 前記アクティブマトリクス回路を駆動するソースドライ
    バおよびゲートドライバと、 を有する表示装置であって、 外部から入力されるmビットデジタルビデオデータのう
    ち、nビットを電圧階調の情報として、かつ(m−n)
    ビットを時間階調の情報として(m、nは共に2以上の
    正数、かつm>n)用いることによって、電圧階調と時
    間階調とを同時に行うことを特徴とする表示装置。
  2. 【請求項2】複数の画素TFTがマトリクス状に配置さ
    れたアクティブマトリクス回路と、 前記アクティブマトリクス回路を駆動するソースドライ
    バおよびゲートドライバと、 外部から入力されるmビットデジタルビデオデータをn
    ビットデジタルビデオデータに変換し、前記ソースドラ
    イバに前記nビットデジタルビデオデータを供給する回
    路と(m、nは共に2以上の正数、m>n)、を有する
    表示装置であって、 電圧階調と時間階調とを同時に行い、2m-n個のサブフ
    レームによって1フレームの映像を形成することによっ
    て表示を行うことを特徴とする表示装置。
  3. 【請求項3】複数の画素TFTがマトリクス状に配置さ
    れたアクティブマトリクス回路と、 前記アクティブマトリクス回路を駆動するソースドライ
    バおよびゲートドライバと、を有する表示装置であっ
    て、 外部から入力されるmビットデジタルビデオデータのう
    ち、nビットを電圧階調の情報として、かつ(m−n)
    ビットを時間階調の情報として(m、nは共に2以上の
    正数、かつm>n)用いることによって、電圧階調と時
    間階調とを同時に行い、(2m−(2m-n−1))通りの
    表示階調を得ることを特徴とする表示装置。
  4. 【請求項4】複数の画素TFTがマトリクス状に配置さ
    れたアクティブマトリクス回路と、 前記アクティブマトリクス回路を駆動するソースドライ
    バおよびゲートドライバと、 外部から入力されるmビットデジタルビデオデータをn
    ビットデジタルビデオデータに変換し、前記ソースドラ
    イバに前記nビットデジタルビデオデータを供給する回
    路と(m、nは共に2以上の正数、m>n)、を有する
    表示装置であって、 電圧階調と時間階調とを同時に行い、2m-n個のサブフ
    レームによって1フレームの映像を形成し、(2m
    (2m-n−1))通りの表示階調を得ることを特徴とす
    る表示装置。
  5. 【請求項5】前記表示装置には、V字型の電気光学特性
    を示す無しきい値反強誘電性混合液晶が用いられること
    を特徴とする請求項1乃至4のいずれか一に記載の表示
    装置。
  6. 【請求項6】前記mは8、前記nは2であることを特徴
    とする請求項1乃至4のいずれか一に記載の表示装置。
  7. 【請求項7】前記mは12、前記nは4であることを特
    徴とする請求項1乃至4のいずれか一に記載の表示装
    置。
  8. 【請求項8】請求項1乃至7のいずれか一に記載の表示
    装置を3個有するリアプロジェクター。
  9. 【請求項9】請求項1乃至7のいずれか一に記載の表示
    装置を3個有するフロントプロジェクター。
  10. 【請求項10】請求項1乃至7のいずれか一に記載の表
    示装置を1個有する単板式リアプロジェクター。
  11. 【請求項11】請求項1乃至7のいずれか一に記載の表
    示装置を2個有するゴーグル型ディスプレイ。
  12. 【請求項12】請求項1乃至7のいずれか一に記載の表
    示装置を有する携帯情報端末。
  13. 【請求項13】請求項1乃至7のいずれか一に記載の表
    示装置を有するノートブック型パーソナルコンピュー
    タ。
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