JP2000329833A - 回転電機の異常検出装置 - Google Patents

回転電機の異常検出装置

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JP2000329833A JP14360599A JP14360599A JP2000329833A JP 2000329833 A JP2000329833 A JP 2000329833A JP 14360599 A JP14360599 A JP 14360599A JP 14360599 A JP14360599 A JP 14360599A JP 2000329833 A JP2000329833 A JP 2000329833A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数台の回転電機各々のノイズ除去条件に応
じてノイズを除去して、回転電機の部分放電を精度良く
検出して異常を検出する。 【解決手段】 異常検出装置は、回転電機の部分放電を
検出する複数の部分放電検出手段と、部分放電検出手段
から任意の少なくとも1つの信号を選択する切換器と、
選択された信号を計測する部分放電計測手段と、各部分
放電検出手段を任意に選定し、あるいは複数の回転電機
の各部分放電検出手段を逐次選定し、予め各部分放電検
出手段ごとに決定された計測条件、判定条件、管理条件
に従って、各部分放電検出手段ごとに計測、ノイズ除
去、絶縁診断判定、データ管理を行い、計測結果を表示
するコンピュータと、コンピュータから切換器と部分放
電計測手段を制御する制御手段とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、部分放電を計測す
る装置に関するものであり、特に高圧回転機の停止中や
運転中に部分放電を検出する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、一般産業のプラントの規模は大形
化の一途をたどっており、これに伴って回転電機も大形
化するとともにその設置数も増大している。従って、こ
のような電気機器においては高い信頼性が要求されるの
で、保守点検を確実に行い、絶縁破壊などの突発事故を
未然に防止する必要がある。
【0003】また、高度経済成長期に製造された多くの
電気機器は、既に25年以上経過したものが過半数を占
めており、これらの長期稼働した電気機器では、突発事
故の未然防止を目的として、運転中に連続監視する要求
が非常に強くなって来ている。
【0004】更に、平成8年度に電気事業法が改正さ
れ、規制緩和により自主保安への取り組みの強化ととも
に経営効率化を目指して、従来行っていた定期検査の間
隔を1.5倍程度延ばす取り組みが行われている。この
ことから、従来以上に運転中の絶縁状態監視が重要にな
って来ており、その監視項目として絶縁性状を現す部分
放電の連続監視技術が重要視されて来ている。回転電機
では、固定子巻線の絶縁層に運転ストレスによって亀裂
や剥離などの劣化が生じると、運転中の電圧により劣化
部で部分放電が発生する。この部分放電を計測すること
により絶縁の劣化状態を把握している。回転電機等の部
分放電は一般にノイズの中に埋もれているため、部分放
電信号とノイズを識別して部分放電のみを計測する必要
がある。運転中のノイズが部分放電計測を困難にする最
大の要因となっている。
【0005】部分放電とノイズを弁別して絶縁劣化した
ときの劣化部分の放電のみを計測する方法は、従来から
多くの方法が行われている。例えば、特開平3−125
74号公報には、回転電機の始動時の部分放電と定常運
転時の部分放電をそれぞれ測定するとともに、両者の差
を比較することが記載されている。また、回転電機の始
動期間の部分放電の取り込みを指示し、この期間の部分
放電量を測定し、この測定結果を保存し、その後、定常
運転時の部分放電を測定し、上記保存された始動時の部
分放電量と定常運転時の部分放電量の差を比較するよう
にした異常検出方法が開示されている。
【0006】更に、例えば、特開平1−116463号
公報に示される回転電機の部分放電測定装置では、部分
放電測定装置を運転中の回転電機の駆動用または出力用
の引き出し線の所定位置に設け、且つ引出線を伝播する
部分放電およびノイズの伝播波の電圧波、電流波を検出
して極性を判別し、この判別した電圧波、電流波の極性
の組み合わせから引き出し線上の伝播波の進行方向を判
別して、部分放電とノイズを識別して部分放電のみを検
出する構成の装置が明示されている。
【0007】また、絶縁の異常を検出する絶縁診断方法
として、コンピュータを使った方法が従来から行われて
いる。特開平3−238370号公報には、ガス絶縁機
器の部分放電測定において、予め多数の部分放電波形パ
ターンとその発生要因をニューラルネットワークに学習
させておき、ガス絶縁機器から検出された部分放電波形
のパターン化を行い、抽出した部分放電波形の特徴を前
記ニューラルネットワークに入力して部分放電の発生要
因を診断する部分放電診断方法が開示されている。
【0008】更に、特開平1−191071号公報に
は、回転電機の電源線路より抽出される放電に基く高周
波電気量を、予め一定の放電量に対応する高周波電気量
を減衰操作したときの操作量と減衰された出力との関係
が確認された減衰手段を介して、検出手段での検出に最
適なレベルまで減衰したのち測定するようにした回転電
気の監視方法が開示されている。
【0009】また、電気学会技術報告二部第402号に
はその他の種々の電力設備の運転中の絶縁診断方法や部
分放電計測方法および装置が報告されている。
【0010】このような従来技術の代表例として、図7
に回転電機を対象とした絶縁異常検出の例を示し、図7
に基づいて、この従来技術の構成と動作を説明する。図
7は上記特開平3−12574号公報に示された回転電
機の異常検出方法の構成図である。図7において、1は
3相電動機であり、この電動機1の固定子2の各相巻線
U,V,Wに3相線路3が接続されている。この線路3
には、高周波ロスの少ない固体コンデンサ4を結合コン
デンサとして接続している。そして、固体コンデンサ4
に、検出器5、切り替えスイッチ6、ノイズフィルタ7
および部分放電測定部8を接続している。また、部分放
電測定部8は、電動機1の始動時の部分放電および定常
運転中の部分放電を測定するための部分放電測定部9、
部分放電取り込み時間を制御する放電取り込み時間制御
部10および放電データを保存するための放電データ保
存部11より構成されている。
【0011】以上のように構成された従来の異常検出方
法による劣化状態の判断方法について説明する。上記の
構成において、電動機1の始動から定常運転に至るまで
の時間と負荷電流との間に、図8に示す関係があるとし
ている。この関係からまず、符号11で示す始動時に、
固体コンデンサ4を介して部分放電測定部8により部分
放電を測定する。この場合、始動時11は図8から12
秒と短い時間であり(大形機の場合も30秒)、放電取
り込み時間制御部10により始動期間の部分放電取り込
みを指示して、この期間の部分放電を測定し、測定結果
を放電データ保存部11に保存することにより、始動時
の部分放電量を確保する。
【0012】次いで、符号12で示す定常運転に移行さ
れる。この場合、定常運転は使用目的に応じて出力を変
えて使用され、出力30%運転は符号121、出力60
%運転は符号122、出力100%運転は符号123で
示すようになる。出力100%運転123の状態で、固
体コンデンサ4を介して部分放電測定部8により部分放
電を測定する。そして、放電データ保存部11に保存さ
れた始動時の部分放電量と定常運転時の部分放電量との
差を比較し、この結果から電動機1の固定子2の巻線劣
化を判断する。巻線劣化の判断は図8、図9に示す測定
結果に基づく。図8は時間と負荷電流の関係を示し、図
9は始動時と定常時の最大放電電荷量を示す。電動機1
の巻線に絶縁劣化や固定力劣化が生じると、図9の特性
131に示すように、始動時と定常運転時の最大放電電
荷量の差が顕著に現われる結果となる。巻線に絶縁劣化
や固定力劣化がない場合には、図9の特性132、13
3のように、始動時と定常運転時の最大放電電荷量の差
がほとんど無い。このようにして巻線異常を判断する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】運転中の部分放電計測
方法や計測装置では、部分放電とノイズを識別して除去
することが最大の課題である。また、経済効率化から回
転電機保守の低コスト化が大きく求められている。本発
明の計測対象となる発電所等の高圧電動機は多数台が同
時に運転されている。したがって、計測対象機以外の運
転によるノイズが非常に多く、且つ計測対象機以外で発
生する部分放電もノイズである。以上のように、多数台
の回転電機を低コストに、且つ各回転電機に応じたノイ
ズ除去条件でノイズを除去して部分放電を効率よく計測
し、回転電機の異常監視を行うことが解決すべき課題で
ある。
【0014】上述した従来技術の回転電機の異常検出方
法は、特開平3−12574号公報で示されたように、
回転電機の始動時の部分放電と定常運転時の部分放電を
それぞれ測定し、両者の差を比較するようにしている。
また回転電機の始動期間の部分放電の取り込みを指示
し、この期間の部分放電量を測定し、この測定結果を保
存し、その後定常運転時の部分放電を測定し、上記保存
された始動時の部分放電量と定常運転時の部分放電量の
差を比較するようにしている。しかしこの従来例では、
ノイズ除去の具体的な方法は明示されていない。
【0015】ノイズ除去に関しては、特開平1−116
463号公報に示される方法があるが、計測装置構成に
おいて信号を判別して計測し、得られた信号が部分放電
としている。したがって、多数台の回転電機の多数の部
分放電センサ信号のノイズ除去をするためには、計測装
置構成が多大となり、低コストと相反する。また、低コ
ストの観点から特開平3−12574号公報に記載され
た技術を見ると、この公報の図5に切り換えスイッチ7
が示されているが、これに対する記述が全く無い。すな
わち、ノイズ除去および低コストが考慮されていない。
【0016】また、多台数のノイズ除去や絶縁診断、絶
縁監視には、計算機の使用が不可欠である。前述した特
開平3−238370号公報には、ガス絶縁機器の部分
放電測定において、それまで部分放電の知識が豊富なエ
キスパートによって行われて来た診断を、ニューラルネ
ットワークを使用して、既知の部分放電波形だけでなく
未知の部分放電波形に対しても診断が可能で、且つ自動
化が可能な部分放電診断方法が述べられているが、多数
台の回転電機をそれぞれのノイズ除去条件でノイズ除去
し、データ管理する技術思想が無い。
【0017】本発明は上述した問題点を解消するために
なされたもので、1個の部分放電計測手段を用いて、複
数台の回転電機の各々に設けられた複数の部分放電検出
手段の信号を任意に選択し、その信号から、各々のノイ
ズ除去条件に応じたノイズ除去をソフトウエアを用いて
行うことにより、複数台の回転電機の部分放電を精度良
く検出することができる回転電機の異常検出装置を提供
するものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の一側面による回
転電機の異常検出装置は、回転電機の異常に伴って発生
する部分放電を計測する装置において、回転電機の部分
放電を検出する複数の部分放電検出手段と、前記複数の
部分放電検出手段から任意の1つの信号を選択する切換
器と、選択した前記部分放電検出手段の信号を計測する
部分放電計測手段と、前記複数の部分放電検出手段の一
つを任意に選定し、あるいは前記複数の部分放電検出手
段を逐次選定し、予め前記各部分放電検出手段ごとに決
定された計測条件、判定条件、管理条件に従って、各部
分放電検出手段ごとに計測、ノイズ除去、絶縁診断判
定、データ管理を行い、計測結果を表示するコンピュー
タと、前記コンピュータから前記切換器と前記部分放電
計測手段を制御する制御手段とを備えることを特徴とす
るものである。本発明の他の側面による回転電機の異常
検出装置は、回転電機の異常に伴って発生する部分放電
を計測する装置において、回転電機の部分放電を検出す
る複数の部分放電検出手段と、前記複数の部分放電検出
手段から任意の3つの信号を選択する切換器と、選択し
た前記部分放電検出手段の3つの信号を計測する部分放
電計測手段と、前記複数の部分放電検出手段の3つを任
意に選定し、あるいは前記複数の部分放電検出手段の3
つを逐次選定し、予め前記各部分放電検出手段ごとに決
定された計測条件、判定条件、管理条件に従って、各部
分放電検出手段ごとに計測、ノイズ除去、絶縁診断判
定、データ管理を行い、計測結果を表示するコンピュー
タと、前記コンピュータから前記切換器と前記部分放電
計測手段を制御する制御手段とを備えることを特徴とす
るものである。また、前記複数の部分放電検出手段は、
前記回転電機のフレーム内部に設置した複数の第1部分
放電検出手段より構成されることを特徴とするものであ
る。さらに、前記部分放電検出手段は、前記回転電機の
高圧給電線に設置した複数の第2部分放電検出手段より
構成されることを特徴とするものである。本発明の更に
他の側面による回転電機の異常検出装置は、回転電機の
異常に伴って発生する部分放電を計測する装置におい
て、複数台の回転電機のフレーム内部に設置した複数の
第1部分放電検出手段と、複数台の回転電機の高圧給電
線に設置した複数の第2部分放電検出手段と、前記複数
の第1部分放電検出手段から任意の1つの信号を選択す
るとともに、前記複数の第2部分放電検出手段から任意
の1つの信号を選択する切換器と、選択した前記第1お
よび第2部分放電検出手段の信号を計測する部分放電計
測手段と、前記第1および第2各部分放電検出手段から
それぞれ1つを任意に選定し、あるいは前記第1および
第2各部分放電検出手段を逐次選定し、予め前記各第1
および第2部分放電検出手段ごとに決定された計測条
件、判定条件、管理条件に従って、各第1および第2部
分放電検出手段ごとに計測、ノイズ除去、絶縁診断判
定、データ管理を行い、計測結果を表示するコンピュー
タと、前記コンピュータから前記切換器と前記部分放電
計測手段を制御する制御手段とを備えることを特徴とす
るものである。また、前記部分放電計測手段は、信号の
伝播特性を考慮した第1の狭帯域検出回路と第2の狭帯
域検出回路とから構成され、前記第1の狭帯域信号と前
記第2の狭帯域信号との比較から部分放電を識別して計
測することを特徴とするものである。さらに、前記第1
の狭帯域検出回路と前記第2の狭帯域検出回路の検出帯
域は5〜50MHzであり、前記第1の狭帯域信号と前
記第2の狭帯域信号との比較は信号強度比較であること
を特徴とするものである。さらにまた、前記回転電機の
フレーム内部に設置した前記複数の第1部分放電検出手
段は、温度検出素子およびリード線であることを特徴と
するものである。また、前記回転電機のフレーム内部に
設置した前記複数の第1部分放電検出手段はアンテナで
あり、前記部分放電計測手段を構成する第1の狭帯域検
出回路と第2の狭帯域検出回路で検出する電磁波の中心
周波数が300MHz〜3GHzの範囲にあり、第1の
狭帯域信号と第2の狭帯域信号との比較は信号強度比較
であることを特徴とするものである。さらに、前記回転
電機の高圧給電線に設置した複数の第2部分放電検出手
段は結合コンデンサと検出素子であることを特徴とする
ものである。さらにまた、予めプロブラミングされた内
容に従って、前記各部分放電検出手段を任意に選定し、
前記各部分放電検出手段ごとに設定された計測周波数帯
域で部分放電を計測し、各部分放電検出手段ごとに第1
の狭帯域信号と第2の狭帯域信号との比較から部分放電
を識別してノイズを除去し、絶縁診断判定し、各部分放
電計測部位ごとにデータ管理することを特徴とするもの
である。また、前記第1部分放電検出手段と前記第2部
分放電検出手段への到達時間差から部分放電とノイズを
識別して除去し、絶縁診断判定し、各部分放電計測部位
ごとにデータ管理することを特徴とするものである。さ
らに、前記第1部分放電検出手段の出力信号強度と前記
第2部分放電検出手段の出力信号強度とを比較して部分
放電とノイズを識別して除去し、絶縁診断判定し、各部
分放電計測部位ごとにデータ管理することを特徴とする
ものである。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて添付図面を参照して説明する。
【0020】実施の形態1.図1は、この発明の実施の
形態1による回転電機の異常検出装置の概略構成を示す
構成図である。この実施の形態1では、本発明を回転電
機として高電圧の電動機51に適用した場合を例に挙げ
て説明する。図1において、電動機51では、一般にフ
レーム52内の固定子鉄心(図示せず)のスロット溝に
固定子巻線53a,53b,53cが挿入されており、
口出し線54を介してフレーム52の外部に設置された
端子箱55の中に導かれ、高圧給電線56に接続されて
いる。発電所などでは、この高圧給電線56に、他の電
動機(図示せず)など複数の電動機51が並列に接続さ
れて運転されている。
【0021】異常検出装置50は、第1部分放電検出手
段60又は第2部分放電検出手段70と、切換器75
と、部分放電計測手段80と、コンピュータ90と、制
御手段95とから構成されている。以下、これらの構成
要素のそれぞれについて詳細に説明する。第1部分放電
検出手段60は、固定子巻線53a,53b,53cに
隣接して設けられた部分放電センサ61a、61b、6
1cと、それらの部分放電センサ61a、61b、61
cからフレーム52の内部に配線されたセンサリード線
62と、そのセンサリード線62に接続されてフレーム
52の外部に設けた信号ケーブルa63と、検出部64
aと、その検出部64aからの信号を切換器75に伝送
する信号ケーブルb67とで構成されている。検出部6
4aはコンデンサ65aと検出素子66aとで構成さ
れ、信号ケーブルa63は、コンデンサ65aに接続さ
れ、さらにコンデンサ65aから検出素子66aに接続
されて接地されている。信号ケーブル67は、結合コン
デンサ65aの検出素子66a側から切換器75の接点
回路76に接続されている。
【0022】第2部分放電検出手段70は、端子箱55
の内部で口出し線54に接続された検出部64bと、そ
の検出部64bからの信号を切換器75に導く信号ケー
ブル72とから構成されている。検出部64bはコンデ
ンサ65bと検出素子66bで構成され、口出し線54
に接続されたコンデンサ65aは、さらにコンデンサ6
5bから検出素子66bに接続されて接地されている。
信号ケーブル72は、結合コンデンサ65bの検出素子
66b側から切換器75の接点回路76に接続されてい
る。第1部分放電検出手段60と第2部分放電検出手段
70とは、いずれか一方を備えていれば、本願の目的を
達成できる。勿論、両方を備えていてもよい。切換器7
5は、第1部分放電検出手段60と第2部分放電検出手
段70からの信号をコンピュータ90からの指令に基い
て任意に選択するもので、多数の接点回路76から構成
されている。
【0023】部分放電計測手段80は、増幅・減衰器8
1、第1のフィルタ回路82、第2のフィルタ回路8
3、ピークホールド回路84、アナログ/デジタル変換
器85とから構成されいる。第1のフィルタ回路82と
第2のフィルタ回路83は、中心周波数と帯域幅を変え
ることができる構成となっている。コンピュータ90は
各部分放電検出手段毎の、計測条件、ノイズ除去条件、
異常判定基準、計測結果表示の方法、切換器75や部分
放電計測手段80の制御、などを行うソフトウエア(図
示せず)と、制御や計測を行う制御手段95とで構成さ
れる。
【0024】次に、本実施の形態1による回転電機の異
常検出装置の動作について、図1を参照して説明する。
【0025】高圧回転機などの電気機器では、固定子巻
線53a,53b,53cの絶縁劣化や絶縁異常が生じ
ると運転中の高電圧荷電により固定子巻線53a,53
b,53cで部分放電が発生する。この部分放電の発生
に伴って、固定子巻線53a,53b,53cにはパル
ス性の高周波電流が誘起され、固定子巻線53a,53
b,53cを伝播して口出し線54a,54b,54c
を通って高圧給電線に流れる。この過程で、第1部分放
電検出手段60や第2部分放電検出手段70に部分放電
が検出される。部分放電は数ナノ秒の高速現象であり、
放電発生に伴うパルス性の高周波電流は、放電発生近傍
では、数GHzまでの周波数帯域を持っている。しか
し、固定子巻線53a,53b,53cを伝播し第1部
分放電検出手段60や第2部分放電検出手段70に達す
る過程で減衰が生じる。減衰は電動機1の構造や固定子
巻線53a,53b,53cの構造によって異なるが、
高周波信号は減衰が大きく、周波数が低いものほど減衰
が小さい。部分放電センサ61や検出のための結合コン
デンサ65bによって異なるが、図1の実施の形態で
は、数MHzから数十MHzの範囲の信号を検出するよ
うに設計されている。
【0026】一方、電動機1の運転中には、前述したよ
うに、パルス性のノイズが多数発生しており、このノイ
ズは主に高圧給電線56を通って電動機1に侵入して固
定子巻線53a,53b,53cに伝播する。この過程
で、第1部分放電検出手段60や第2部分放電検出手段
70にノイズが検出される。
【0027】部分放電やノイズを含めて検出された信号
は、部分放電検出回路80に伝送される。部分放電検出
回路80では、増幅・減衰器81で検出に最適な信号レ
ベルに調整して、第1のフィルタ回路82と第2のフィ
ルタ回路83に分岐して入力される。第1のフィルタ回
路82と第2のフィルタ回路83はそれぞれ異なる周波
数の狭帯域バンドパスフィルタである。
【0028】部分放電とノイズでは、その周波数特性が
異なる特徴を持っていることが研究の結果明らかになっ
ている。この周波数特性は、第1部分放電検出手段60
と第2部分放電検出手段70でもそれぞれ異なる。ま
た、第1部分放電検出手段60の各部分放電センサによ
っても最適検出周波数は異なる。したがって、各電動機
1の各第1部分放電検出手段60と第2部分放電検出手
段70ごとに、第1のフィルタ回路82と第2のフィル
タ回路83の計測周波数が異なる。これらの、それぞれ
の検出手段ごとの最適計測周波数が予めコンピュータ9
0に登録されている。
【0029】ここで、コンピュータから切換器75を制
御して選択した部分放電センサに最適な計測周波数を、
予め登録した中から選択して計測するようにコンピュー
タ90にプログラミングされている。実施例の検出No
と検出手段と検出周波数との組み合わせは、表1に示す
通りである。今、A電動機の第2部分放電検出手段を用
いてV相の部分放電を検出する場合には、検出No,5
を選択すると切換器75でこのセンサが選択され、コン
ピュータ90からの制御によって第1のフィルタの検出
周波数が14MHz、第2のフィルタの検出周波数が2
0MHzに設定されて計測される。この最適な第1のフ
ィルタ回路82と第2のフィルタ回路83の計測周波数
は対象とする電動機1によって異なるので、最初に本願
装置を設置する時に調整して登録される。
【0030】第1のフィルタ回路82と第2のフィルタ
回路83を通過した狭帯域信号は、それぞれピークホー
ルド回路84で信号のピークが検出され、アナログ/デ
ジタル変換器85でデジタル変換されてコンピュータ9
0に格納される。コンピュータ90では、ノイズ除去ソ
フトウエアにより部分放電とノイズの識別を行い、ノイ
ズを除去して部分放電が測定結果として格納される。測
定結果は予め登録された異常判定基準と比較され、その
判定結果を表示する。更に、本願装置による計測は数年
におよぶ経年変化を把握するためにも使用するので、各
電動機の各センサごとに長期にデータを収集管理して、
対象電動機の経年変化特性を表示する。このためのデー
タ管理を行う。このように、コンピュータ90では本願
装置の切換器制御、信号レベル制御、周波数設定制御、
デジタルデータ取り込みなどの計測・制御、ノイズ除
去、判定、異常診断、計測データの管理、結果表示など
を行う。
【0031】実施の形態2.図2は、この発明の実施の
形態2による回転電機の異常検出装置の概略構成を示す
構成図である。発電所などの高圧電動機を運転している
所では、複数台の電動機を同時に運転している場合が多
い。そのような所では、1台の異常検出装置で複数台の
電動機1の異常監視をする要求が強い。実施の形態2は
そのような要求に応えるもので、複数の電動機1の異常
を、1台の切換器b75bと部分放電計測手段80とコ
ンピュータ90とで検出しようとするものである。以
下、図2を用いて実施の形態2の構成を説明する。電動
機1の構成、第1部分放電検出手段60、第2部分放電
検出手段70、部分放電検出手段80、コンピュータ9
0の構成は、実施の形態1と同じである。切換器b75
bは複数の電動機1の各センサ信号が選択できるよう
に、入力端子の数を多くしている。また、コンピュータ
90に組み込まれているソフトウエアは、複数台の部分
放電検出手段80を選択、計測、判定、表示、データ管
理する仕様に対応したものとなっている。
【0032】次に、本実施の形態2による回転電機の異
常検出装置の動作について、図2を参照して説明する。
試験員は最初に、測定対象電動機1、測定対象部分放電
検出手段80、測定対象部分放電センサを決定する。そ
の決定に従ってコンピュータ90にキーインすると、コ
ンピュータ90から制御手段95を介して切換器b75
bに指令が行き、該当する接点のみが閉じられ、測定対
象のセンサ信号が部分放電計測手段80に伝送される。
部分放電計測手段80の動作は実施の形態1と同じであ
る。コンピュータ90には、例えば表2に示すように、
対象電動機、検出手段、部分放電センサ、第1、第2の
フィルタ検出周波数の組み合わせに応じて、切換器75
bの接点選択、増幅・減衰器81、第1、第2フィルタ
回路の検出周波数の制御、ノイズ除去定数による信号識
別とノイズ除去を行う計測制御・ノイズ除去ソフトウエ
アが組み込まれている。複数台の電動機1を計測対象と
するため、各部分放電センサごとの計測条件、ノイズ識
別条件、データ管理条件は当然多くなる。これらに対応
したソフトウエアとなっている。コンピュータ90で
は、ノイズ除去ソフトウエアにより部分放電とノイズの
識別を行い、ノイズを除去して部分放電が測定結果とし
て格納される。測定結果は予め登録された異常判定基準
と比較され、その判定結果を表示する。更に、本装置に
よる計測は数年に及ぶ経年変化を把握するためにも使用
するので、各電動機の各センサごとに長期にデータを収
集管理して、対象電動機の経年変化特性を表示する。こ
のためのデータ管理を行う。
【0033】図2には、2台の電動機1の部分放電を計
測する構成を示したが、電動機1が3台、4台と増えて
も、切換器75bの端子数を増やすこと、およびソフト
ウエアの変更で対応することができることは自明であ
る。
【0034】実施の形態3.図3は、この発明の実施の
形態3による回転電機の異常検出装置の概略構成を示す
構成図である。電動機1の固定子巻線53の常時監視に
おいて、3相を同時に見ることができれば診断の精度が
向上する。また、第1部分放電検出手段60と第2部分
放電検出手段70で検出した信号を比較することで、ノ
イズと部分放電の識別がより高度化される。本実施の形
態3はこれらの要求に応えるものである。図3を用い
て、本実施の形態3の構成について説明する。図3にお
いて、電動機1、第1部分放電検出手段60、第2部分
放電検出手段70は、前記実施の形態1の構成と同じで
ある。本実施の形態3においても、第1部分放電検出手
段60と第2部分放電検出手段70の何れかを備えてい
ればよい。切換器75cは、U,V,Wの3相に設けら
れた部分放電センサの信号を同時に計測できるような接
点配置構成としている。部分放電計測手段80はU相の
部分放電を計測する部分放電計測手段80a、V相の部
分放電を計測する部分放電計測手段80b、W相の部分
放電を計測する部分放電計測手段80cの3つから構成
される。それぞれの部分放電計測手段80a,80b,
80cの構成は前記実施の形態1のものと同じ構成であ
る。コンピュータ90も実施の形態1と同じである。制
御手段95は、切換器75cと部分放電計測手段80
a,80b,80cとをコンピュータ90から制御す
る。
【0035】次に、本実施の形態3による回転電機の異
常検出装置の動作について、図3を参照して説明する。
第1部分放電検出手段60、および第2部分放電検出手
段70で部分放電パルスやノイズパルスを検出し、その
検出信号が信号ケーブル67で切換器75cに伝送され
る。ここまでは実施の形態1と同じである。ここで、固
定子巻線53のある箇所で部分放電が発生すると、その
部分放電の発生に伴う高周波信号は部分放電センサ61
a,61b,61cの何れにも検出される。このとき、
信号の発生箇所によって、部分放電センサ61a,61
b,61cそれぞれの検出強度が異なる。前記実施の形
態1および2では、1つの部分放電センサからの信号を
計測していたが、本実施の形態3では、第1部分放電検
出手段60の3つの部分放電センサ61a,61b,6
1cの信号を同時に検出する。部分放電計測手段80で
は、U相の部分放電を部分放電検出手段80aを用い
て、V相の部分放電を部分放電検出手段80bを用い
て、W相の部分放電を部分放電検出手段80cを用いて
計測し、コンピュータ90に伝送する。すなわち、同一
パルスを3つのセンサで検出してコンピュータ90に記
録する。コンピュータ90では、実施の形態1で述べた
部分放電とノイズの識別を行い、U,V,W相の部分放
電を同時に表示するとともに、各相ごとのトレンド管理
や計測結果比較から、どの相が最も絶縁劣化が進んでい
るか等を判定する。
【0036】同様にして、第2部分放電検出手段70か
らの信号を計測するように切換器75Cの接点回路を接
続して、U,V,W相の部分放電を計測することができ
る。第2部分放電検出手段70を用いて部分放電を計測
した後の処理は、第1部分放電検出手段60を用いた場
合と同じである。また、本実施の形態3では、1台の電
動機の部分放電を計測する構成について説明したが、切
換器75Cの接点回路を増やすことによって、複数台の
電動機の部分放電を測定することが出来ることは言うま
でもない。
【0037】実施の形態4.図4は、この発明の実施の
形態4による回転電機の異常検出装置の概略構成を示す
構成図である。電動機1の運転中には、多数のノイズパ
ルスが高圧給電線56を通って電動機1に侵入すること
は実施の形態1で述べた。本実施の形態4はこのノイズ
を識別するために提供するものである。図4を用いて、
本実施の形態4の構成について説明する。図4におい
て、電動機1、第1部分放電検出手段60、第2部分放
電検出手段70は実施の形態1の構成と同じである。本
実施の形態4では、第1部分放電検出手段60と第2部
分放電検出手段70の両方を備えている。切換器75d
の接点回路は、U相に設けられた第1部分放電検出手段
60の検出部64aと第2部分放電検出手段70の検出
部64bとの信号をそれぞれ選択して部分放電計測手段
80に伝送する構成となっている。部分放電計測手段8
0は、第1部分放電検出手段60からの信号を検出する
第1部分放電計測手段80aと、第2部分放電検出手段
70からの信号を検出する第2部分放電計測手段80b
とから構成される。第1部分放電計測手段80aと第2
部分放電計測手段80bの回路構成は、実施の形態1の
部分放電計測手段80と同じである。コンピュータ90
の基本的な構成も実施の形態1と同じである。制御手段
95を用いて、切換器75dと第1、第2部分放電計測
手段80a,80bとをコンピュータ90から制御す
る。
【0038】次いで本実施の形態4の動作を説明する。
コンピュータからU,V,Wのいずれかの相の検出指令
が出されると、例えば今、U相の計測指令が出される
と、制御手段95を通じて切換器d75dでは、接点回
路を、U相に設けられた第1部分放電検出手段60の検
出部64aと、U相に設けられた第2部分放電検出手段
70の検出部64bの信号を検出するように設定され
る。また、部分放電計測手段80では、第1部分放電検
出手段60と第2部分放電検出手段70ごとに、第1の
フィルタ回路82と第2のフィルタ回路83の計測周波
数が設定される。前述したように、電動機1の各第1部
分放電検出手段60と第2部分放電検出手段70ごと
に、第1のフィルタ回路82と第2のフィルタ回路83
の計測周波数が異なる。これらの、それぞれの検出手段
ごとの最適計測周波数が予めコンピュータ90に登録さ
れている。ここで、コンピュータから切換器75dを制
御して選択した部分放電センサに最適な計測周波数を、
予め登録した中から選択して計測するようにコンピュー
タ90にプログラミングされている。
【0039】U相固定子巻線53aのある箇所で部分放
電が発生すると、その部分放電の発生に伴う高周波信号
が、まずU相に設置した部分放電センサ61aに検出さ
れる。その後一定時間後に口出し線54aを伝播して結
合コンデンサ65bを介して信号が検出される。一方、
ノイズの場合は、前述したように高圧給電線65を経由
して電動機1内に伝播して来る。したがって、まずU相
口出し線に設けた結合コンデンサ65bを介して信号が
検出される。その後一定時間後にU相に設置した部分放
電センサ61aに検出される。この2つのセンサで検出
される時間差を用いて、部分放電とノイズを識別して部
分放電のみを検出する。同様にして、切換器75dで信
号接点を切り換えて、V相、W相の部分放電を計測す
る。また、本実施の形態4では、1台の電動機の部分放
電を計測する構成について説明したが、切換器75dの
接点回路を増やすことによって、複数台の電動機の部分
放電を測定することが出来ることは言うまでもない。ま
た、実施の形態4では、第1部分放電検出手段60と第
2部分放電検出70への到達時間差でノイズを識別する
内容について述べたが、部分放電とノイズの伝播特性の
差を利用して、第1部分放電検出手段60と第2部分放
電検出70で100ナノ秒以内で検出される同一パルス
の信号強度を比較してノイズを識別することもできる。
この場合には、第1部分放電検出手段60と第2部分放
電検出70の信号強度を比較して、第1部分放電検出手
段60の信号の方が大きければ回転電機1の固定子巻線
53で発生した部分放電であり、第2部分放電検出手段
70の信号の方が大きければ外部から侵入するノイズで
あると識別することができる。
【0040】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、異常
検出装置は、回転電機の部分放電を検出する複数の部分
放電検出手段と、前記複数の部分放電検出手段から任意
の1つの信号を選択する切換器と、選択した前記部分放
電検出手段の信号を計測する部分放電計測手段と、前記
複数の部分放電検出手段の一つを任意に選定し、あるい
は前記複数の部分放電検出手段を逐次選定し、予め前記
各部分放電検出手段ごとに決定された計測条件、判定条
件、管理条件に従って、各部分放電検出手段ごとに計
測、ノイズ除去、絶縁診断判定、データ管理を行い、計
測結果を表示するコンピュータと、前記コンピュータか
ら前記切換器と前記部分放電計測手段を制御する制御手
段とを備えるので、小型、軽量で、可搬型の装置を安価
に提供することができる効果がある。また、この発明に
よれば、異常検出装置は、回転電機の部分放電を検出す
る複数の部分放電検出手段と、前記複数の部分放電検出
手段から任意の3つの信号を選択する切換器と、選択し
た前記部分放電検出手段の3つの信号を計測する部分放
電計測手段と、前記複数の部分放電検出手段の3つを任
意に選定し、あるいは前記複数の部分放電検出手段の3
つを逐次選定し、予め前記各部分放電検出手段ごとに決
定された計測条件、判定条件、管理条件に従って、各部
分放電検出手段ごとに計測、ノイズ除去、絶縁診断判
定、データ管理を行い、計測結果を表示するコンピュー
タと、前記コンピュータから前記切換器と前記部分放電
計測手段を制御する制御手段とを備えるので、小型、軽
量で、可搬型の装置を安価に提供することができる上、
3相の部分放電を計測できる効果がある。さらに、この
発明によれば、異常検出装置は、複数台の回転電機のフ
レーム内部に設置した複数の第1部分放電検出手段と、
複数台の回転電機の高圧給電線に設置した複数の第2部
分放電検出手段と、前記複数の第1部分放電検出手段か
ら任意の1つの信号を選択するとともに、前記複数の第
2部分放電検出手段から任意の1つの信号を選択する切
換器と、選択した前記第1および第2部分放電検出手段
の信号を計測する部分放電計測手段と、前記第1および
第2各部分放電検出手段からそれぞれ1つを任意に選定
し、あるいは前記第1および第2各部分放電検出手段を
逐次選定し、予め前記各第1および第2部分放電検出手
段ごとに決定された計測条件、判定条件、管理条件に従
って、各第1および第2部分放電検出手段ごとに計測、
ノイズ除去、絶縁診断判定、データ管理を行い、計測結
果を表示するコンピュータと、前記コンピュータから前
記切換器と前記部分放電計測手段を制御する制御手段と
を備えるので、小型、軽量で、可搬型の装置を安価に提
供することができる効果がある。さらにまた、この発明
によれば、信号の伝播特性を考慮した第1の狭帯域検出
回路と第2の狭帯域検出回路とから構成されるので、第
1の狭帯域信号と第2の狭帯域信号との比較から部分放
電とノイズを識別して、部分放電のみを精度よく計測す
ることができる効果がある。また、この発明によれば、
第1の狭帯域検出回路と第2の狭帯域検出回路の検出帯
域を5〜50MHzとし、第1の狭帯域信号と第2の狭
帯域信号との信号強度比較によって部分放電とノイズを
識別するので、部分放電のみを精度よく計測することが
できる効果がある。さらに、この発明によれば、回転電
機のフレーム内部に設置した複数の部分放電検出手段と
して温度検出素子およびリード線を用いたので、センサ
の新規設置が不要であり、回転電機の信頼性を低下させ
ることなく、安価に異常を検出できる効果がある。さら
にまた、この発明によれば、回転電機のフレーム内部に
設置した複数の部分放電検出手段としてアンテナを使用
し、第1の狭帯域検出回路と第2の狭帯域検出回路で検
出する電磁波の中心周波数を300MHz〜3GHzの
範囲とし、第1の狭帯域信号と第2の狭帯域信号との信
号強度比較を行って部分放電とノイズを識別するので、
部分放電のみを精度よく計測することができる効果があ
る。また、この発明によれば、回転電機の駆動用引き出
し線に設置した複数の部分放電検出手段を結合コンデン
サと検出素子としたので、安価に部分放電検出手段を提
供出来る効果がある。さらに、この発明によれば、予め
プロブラミングされた内容に従って、前記各部分放電検
出手段を任意に選定し、前記各部分放電検出手段ごとに
設定された計測周波数帯域で部分放電を計測し、各部分
放電検出手段ごとに、第1の狭帯域信号と第2の狭帯域
信号との比較から部分放電を識別してノイズ除去して、
絶縁診断判定し、各部分放電計測部位ごとにデータ管理
を行うので、省力化ができ低コストで異常監視ができる
効果がある。さらにまた、この発明によれば、第1部分
放電検出手段と第2部分放電検出手段への到達時間差か
ら部分放電とノイズを識別することができるので、精度
よく部分放電を計測できる効果がある。また、この発明
によれば、前記第1部分放電検出手段の出力信号強度と
前記第2部分放電検出手段の出力信号強度とを比較して
部分放電とノイズを識別することができるので、精度よ
く部分放電を計測できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1による回転電機の異常
検出装置の構成を示す図である。
【図2】 本発明の実施の形態2による回転電機の異常
検出装置の構成を示す図である。
【図3】 本発明の実施の形態3による回転電機の異常
検出装置の構成を示す図である。
【図4】 本発明の実施の形態4による回転電機の異常
検出装置の構成を示す図である。
【図5】 本発明の実施の形態1による検出手段と検出
周波数の組み合わせを示す表である。
【図6】 本発明の実施の形態2による検出手段と検出
周波数の組み合わせを示す表である。
【図7】 従来の回転電機の異常検出装置の構成を示す
図である。
【図8】 従来の回転電機の異常検出装置の動作を説明
する図である。
【図9】 従来の回転電機の異常検出装置の動作を説明
する図である。
【符号の説明】
1 電動機、2 固定子、3 線路、4 固体コンデン
サ、5 検出器、6切り替えスイッチ、7 ノイズフィ
ルタ、8 部分放電測定部、9 部分放電測定部、10
放電取り込み時間制御部、11 放電データ保存部、
50 異常検出装置、51b 電動機、52 フレー
ム、53a 固定子巻線、53b 固定子巻線、53c
固定子巻線、54 口出し線、55 端子箱、56
高圧給電線、61a 部分放電センサ、61b 部分放
電センサ、61c 部分放電センサ、62 センサリー
ド線、63 信号ケーブル、64a 検出部、65 コ
ンデンサ、66 検出素子、67 信号ケーブル、70
第2部分放電検出手段、64b 検出部、72 信号
ケーブル、65 結合コンデンサ、66b 検出素子、
75 切換器、75c 切換器、75d 切換器、76
接点回路、80部分放電計測手段、81 増幅・減衰
器、82 第1のフィルタ回路、83 第2のフィルタ
回路、84 ピークホールド回路、85 アナログ/デ
ジタル変換器、90 コンピュータ、95 制御手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浦川 伸夫 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 2G014 AA23 AB06 AC19 2G015 AA12 BA10 CA01 2G016 BA03 BB09 BC02 BD06 BD09 BD11 5H611 AA01 BB01 PP02 QQ07 RR00 UA01

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転電機の異常に伴って発生する部分放
    電を計測する装置において、 回転電機の部分放電を検出する複数の部分放電検出手段
    と、 前記複数の部分放電検出手段から任意の1つの信号を選
    択する切換器と、 選択した前記部分放電検出手段の信号を計測する部分放
    電計測手段と、 前記複数の部分放電検出手段の一つを任意に選定し、あ
    るいは前記複数の部分放電検出手段を逐次選定し、予め
    前記各部分放電検出手段ごとに決定された計測条件、判
    定条件、管理条件に従って、各部分放電検出手段ごとに
    計測、ノイズ除去、絶縁診断判定、データ管理を行い、
    計測結果を表示するコンピュータと、 前記コンピュータから前記切換器と前記部分放電計測手
    段を制御する制御手段と、 を備えることを特徴とする回転電機の異常検出装置。
  2. 【請求項2】 回転電機の異常に伴って発生する部分放
    電を計測する装置において、 回転電機の部分放電を検出する複数の部分放電検出手段
    と、 前記複数の部分放電検出手段から任意の3つの信号を選
    択する切換器と、 選択した前記部分放電検出手段の3つの信号を計測する
    部分放電計測手段と、 前記複数の部分放電検出手段の3つを任意に選定し、あ
    るいは前記複数の部分放電検出手段の3つを逐次選定
    し、予め前記各部分放電検出手段ごとに決定された計測
    条件、判定条件、管理条件に従って、各部分放電検出手
    段ごとに計測、ノイズ除去、絶縁診断判定、データ管理
    を行い、計測結果を表示するコンピュータと、 前記コンピュータから前記切換器と前記部分放電計測手
    段を制御する制御手段と、 を備えることを特徴とする回転電機の異常検出装置。
  3. 【請求項3】 前記複数の部分放電検出手段は、前記回
    転電機のフレーム内部に設置した複数の第1部分放電検
    出手段より構成されることを特徴とする請求項1または
    2記載の回転電機の異常検出装置。
  4. 【請求項4】 前記部分放電検出手段は、前記回転電機
    の高圧給電線に設置した複数の第2部分放電検出手段よ
    り構成されることを特徴とする請求項1乃至3の何れか
    に記載の回転電機の異常検出装置。
  5. 【請求項5】 回転電機の異常に伴って発生する部分放
    電を計測する装置において、 複数台の回転電機のフレーム内部に設置した複数の第1
    部分放電検出手段と、 複数台の回転電機の高圧給電線に設置した複数の第2部
    分放電検出手段と、 前記複数の第1部分放電検出手段から任意の1つの信号
    を選択するとともに、前記複数の第2部分放電検出手段
    から任意の1つの信号を選択する切換器と、 選択した前記第1および第2部分放電検出手段の信号を
    計測する部分放電計測手段と、 前記第1および第2各部分放電検出手段からそれぞれ1
    つを任意に選定し、あるいは前記第1および第2各部分
    放電検出手段を逐次選定し、予め前記各第1および第2
    部分放電検出手段ごとに決定された計測条件、判定条
    件、管理条件に従って、各第1および第2部分放電検出
    手段ごとに計測、ノイズ除去、絶縁診断判定、データ管
    理を行い、計測結果を表示するコンピュータと、 前記コンピュータから前記切換器と前記部分放電計測手
    段を制御する制御手段と、 を備えることを特徴とする回転電機の異常検出装置。
  6. 【請求項6】 前記部分放電計測手段は信号の伝播特性
    を考慮した第1の狭帯域検出回路と第2の狭帯域検出回
    路とから構成され、前記第1の狭帯域信号と前記第2の
    狭帯域信号との比較から部分放電を識別して計測するこ
    とを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の回転電
    機の異常検出装置。
  7. 【請求項7】 前記第1の狭帯域検出回路と前記第2の
    狭帯域検出回路の検出帯域は5〜50MHzであり、前
    記第1の狭帯域信号と前記第2の狭帯域信号との比較は
    信号強度比較であることを特徴とする請求項6記載の回
    転電機の異常検出装置。
  8. 【請求項8】 前記回転電機のフレーム内部に設置した
    前記複数の第1部分放電検出手段は温度検出素子および
    リード線であることを特徴とする請求項3乃至7の何れ
    かに記載の回転電機の異常検出装置。
  9. 【請求項9】 前記回転電機のフレーム内部に設置した
    前記複数の第1部分放電検出手段はアンテナであり、前
    記部分放電計測手段を構成する第1の狭帯域検出回路と
    第2の狭帯域検出回路で検出する電磁波の中心周波数が
    300MHz〜3GHzの範囲にあり、第1の狭帯域信
    号と第2の狭帯域信号との比較は信号強度比較であるこ
    とを特徴とする請求項3乃至5の何れかに記載の回転電
    機の異常検出装置。
  10. 【請求項10】 前記回転電機の高圧給電線に設置した
    複数の第2部分放電検出手段は結合コンデンサと検出素
    子であることを特徴とする請求項4乃至9の何れかに記
    載の回転電機の異常検出装置。
  11. 【請求項11】 予めプロブラミングされた内容に従っ
    て、前記各部分放電検出手段を任意に選定し、前記各部
    分放電検出手段ごとに設定された計測周波数帯域で部分
    放電を計測し、各部分放電検出手段ごとに第1の狭帯域
    信号と第2の狭帯域信号との比較から部分放電を識別し
    てノイズを除去し、絶縁診断判定し、各部分放電計測部
    位ごとにデータ管理することを特徴とする請求項1乃至
    10の何れかに記載の回転電機の異常検出装置。
  12. 【請求項12】 前記第1部分放電検出手段と前記第2
    部分放電検出手段への到達時間差から部分放電とノイズ
    を識別して除去し、絶縁診断判定し、各部分放電計測部
    位ごとにデータ管理することを特徴とする請求項5乃至
    8の何れかに記載の回転電機の異常検出装置。
  13. 【請求項13】 前記第1部分放電検出手段の出力信号
    強度と前記第2部分放電検出手段の出力信号強度とを比
    較して部分放電とノイズを識別して除去し、絶縁診断判
    定し、各部分放電計測部位ごとにデータ管理することを
    特徴とする請求項5乃至8の何れかに記載の回転電機の
    異常検出装置。
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