JP2000329209A - ハーフトロイダル型無段変速機用トラニオンとその加工方法 - Google Patents
ハーフトロイダル型無段変速機用トラニオンとその加工方法Info
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Abstract
と、平坦面29、段差面31、31、内側面38、38
等を切削加工する作業とを、能率良くしかも高精度で行
なわせる。 【解決手段】 主軸34を回転させつつ、切削工具39
により上記円孔15を加工する。この加工に前後して、
スライダ35によりチャック36を回転中心軸に対し直
角方向に平行移動する。そして、上記平坦面29と、そ
れぞれが部分円筒面である、上記段差面31、31及び
内側面38、38等を切削加工する。
Description
イダル型無段変速機は、例えば自動車の変速機用の変速
ユニットとして、或は各種産業機械用の変速機として、
それぞれ利用する。特に、本発明は、この様なハーフト
ロイダル型無段変速機に組み込むトラニオンの加工を容
易に行なえる様にするものである。
として、図7〜8に略示する様なハーフトロイダル型無
段変速機を使用する事が、研究されている。このハーフ
トロイダル型無段変速機は、例えば実開昭62−714
65号公報に開示されている様に、入力軸1と同心に入
力側ディスク2を支持し、この入力軸1と同心に配置さ
れた出力軸3の端部に出力側ディスク4を固定してい
る。ハーフトロイダル型無段変速機を納めたケーシング
の内側には、上記入力軸1並びに出力軸3に対して捻れ
の位置にある枢軸5、5を中心として揺動するトラニオ
ン6、6が設けられている。即ち、これら各枢軸5、5
の中心軸は、上記入力軸1及び出力軸3の中心軸と交差
する事はないが、これら入力軸1及び出力軸3の中心軸
の方向に対し直角な方向に存在する。
に上記枢軸5、5を、互いに同心に設けている。又、各
トラニオン6、6の中心部には変位軸7、7の基端部を
支持し、上記各枢軸5、5を中心として各トラニオン
6、6を揺動させる事により、各変位軸7、7の傾斜角
度の調節を自在としている。各トラニオン6、6に支持
された変位軸7、7の周囲には、それぞれパワーローラ
8、8を回転自在に支持している。そして、これら各パ
ワーローラ8、8を、上記入力側、出力側両ディスク
2、4の間に挟持している。これら両ディスク2、4の
互いに対向する内側面2a、4aは、それぞれ断面が、
上記枢軸5を中心とする円弧を回転させて得られる凹面
をなしている。そして、球状凸面に形成された各パワー
ローラ8、8の周面8a、8aは、上記内側面2a、4
aに当接させている。
は、ローディングカム等の押圧装置9を設け、この押圧
装置9によって、上記入力側ディスク2を出力側ディス
ク4に向け、弾性的に押圧自在としている。この押圧装
置9は、入力軸1と共に回転するカム板10と、保持器
11により保持された複数個(例えば4個)のローラ1
2、12とから構成している。上記カム板10の片側面
(図7〜8の左側面)には、円周方向に亙る凹凸面であ
るカム面13を形成し、上記入力側ディスク2の外側面
(図7〜8の右側面)にも、同様のカム面14を形成し
ている。そして、上記複数個のローラ12、12を、上
記入力軸1の中心に関して放射方向の軸を中心とする回
転自在に支持している。
段変速機の使用時、入力軸1の回転に伴ってカム板10
が回転すると、カム面13によって複数個のローラ1
2、12が、入力側ディスク2の外側面に設けたカム面
14に押圧される。この結果、上記入力側ディスク2
が、上記複数のパワーローラ8、8に押圧されると同時
に、上記1対のカム面13、14と複数個のローラ1
2、12との押し付け合いに基づいて、上記入力側ディ
スク2が回転する。そして、この入力側ディスク2の回
転が、上記複数のパワーローラ8、8を介して出力側デ
ィスク4に伝達され、この出力側ディスク4に固定の出
力軸3が回転する。
場合で、先ず入力軸1と出力軸3との間で減速を行なう
場合には、枢軸5、5を中心として各トラニオン6、6
を揺動させ、各パワーローラ8、8の周面8a、8aが
図7に示す様に、入力側ディスク2の内側面2aの中心
寄り部分と出力側ディスク4の内側面4aの外周寄り部
分とにそれぞれ当接する様に、各変位軸7、7を傾斜さ
せる。反対に、増速を行なう場合には、上記トラニオン
6、6を揺動させ、各パワーローラ8、8の周面8a、
8aが図8に示す様に、入力側ディスク2の内側面2a
の外周寄り部分と出力側ディスク4の内側面4aの中心
寄り部分とに、それぞれ当接する様に、各変位軸7、7
を傾斜させる。各変位軸7、7の傾斜角度を図7と図8
との中間にすれば、入力軸1と出力軸3との間で、中間
の変速比を得られる。
びにこれら各トラニオン6、6にパワーローラ8、8を
支持する部分の構造に就いては、例えば特開平8−24
0251号公報等に記載されて従来から知られている。
図9〜11は、この公報に記載された、トラニオン6に
パワーローラ8を支持する部分の従来構造を示してい
る。このトラニオン6の中間部には、円孔15を形成し
ている。この円孔15は、このトラニオン6の両端部に
形成した枢軸5、5と直交する方向に(枢軸5、5の中
心軸を延長した線と円孔15の中心軸を延長した線とが
直交する方向に)形成している。そして、上記円孔15
の内側部分に、変位軸7を支持している。この変位軸7
は、互いに平行で且つ偏心した支持軸部16と枢支軸部
17とを有する。このうちの支持軸部16を上記円孔1
5の内側に、ラジアルニードル軸受18を介して、回転
自在に支持している。又、上記枢支軸部17の周囲にパ
ワーローラ8を、別のラジアルニードル軸受19を介し
て回転自在に支持している。
ラニオン6の中間部内側面との間には、パワーローラ8
の外側面の側から順に、スラスト玉軸受20とスラスト
ニードル軸受21とを設けている。このうちのスラスト
玉軸受20は、上記パワーローラ8に加わるスラスト荷
重を支承しつつ、このパワーローラ8の回転を許容す
る。この様なスラスト玉軸受20は、複数個の玉22、
22と、各玉22、22を転動自在に保持する円環状の
保持器23と、円環状のスラスト玉軸受外輪24とから
構成している。各スラスト玉軸受20の内輪軌道は上記
パワーローラ8の外側面に、外輪軌道は上記スラスト玉
軸受外輪24の内側面に、それぞれ形成している。
ース25と保持器26とニードル27、27とから構成
している。この様なスラストニードル軸受21は、上記
レース25を上記トラニオン6の内側面に当接させた状
態で、この内側面と上記スラスト玉軸受外輪24の外側
面との間に挟持している。一方、上記ラジアルニードル
軸受18を構成する円筒状のラジアルニードル軸受外輪
28は上記円孔15の内側に、がたつきなく嵌合固定し
ている。そして、嵌合固定した状態でこのラジアルニー
ドル軸受外輪28の一端部をトラニオン6の内側面から
突出させ、この突出した部分に、上記スラストニードル
軸受21を構成する、上記レース25と保持器26とを
外嵌して、上記トラニオン6に対するこれらレース25
及び保持器26の位置決めを図っている。
受21は、上記各パワーローラ8から上記各スラスト玉
軸受外輪24に加わるスラスト荷重を支承しつつ、上記
枢支軸部17及び上記スラスト玉軸受外輪24が上記支
持軸部16を中心として揺動する事を許容する。即ち、
ハーフトロイダル型無段変速機では、変速作業や伝達す
べきトルクの変動、構成各部材の弾性変形等に起因し
て、入力側、出力側両ディスク2、4(図7〜8)の一
方又は双方が軸方向に変位し、変位軸7が上記支持軸部
16を中心として僅かに回動する。この回動の結果、上
記スラスト玉軸受20のスラスト玉軸受外輪24の外側
面と上記トラニオン6の内側面とが相対変位する。これ
ら外側面と内側面との間には、上記スラストニードル軸
受21が存在する為、この相対変位に要する力は小さ
い。従って、上述の様に各変位軸7、7の傾斜角度を変
化させる為の力が小さくて済む。
無段変速機のトラニオン6は、炭素鋼等の剛性の高い金
属製素材を鍛造により所定の形状に加工した後、必要と
する部分に切削、研削等の仕上加工を施す。このうち、
前記ラジアルニードル軸受18を組み付ける為の円孔1
5及び上記スラストニードル軸受21を添設する為の平
坦面29は、マシニングセンタ等を利用した切削加工に
より形成する。例えば、この平坦面29を加工するに
は、回転工具をこの平坦面29とすべき内側面中間部に
押し付けつつ、この平坦面29を加工する。従来の場合
には、この平坦面29の切削加工と、上記円孔15の穿
設作業及び仕上切削加工とは、別工程で行なっていた。
即ち、平坦面29と円孔15とのうちの一方を加工した
後、上記トラニオン6を工作機械から取り外して別の工
作機械にセットし、平坦面29と円孔15とのうちの他
方を加工していた。
ロイダル型無段変速機のトラニオン6の加工を能率良
く、しかも高精度で行なう為には、平坦面29と円孔1
5とを、工作機械への着脱を行なう事なく、一工程で行
なえる様にする事が好ましい。本発明のハーフトロイダ
ル型無段変速機用トラニオンとその加工方法は、この様
な事情に鑑みて発明したものである。
フトロイダル型無段変速機用トラニオンは、前述した従
来のハーフトロイダル型無段変速機用トラニオンと同様
に、ハーフトロイダル型無段変速機を構成するパワーロ
ーラを揺動変位及び回転自在に支持する為、両端部に互
いに同心の1対の枢軸を、中間部内側面に上記パワーロ
ーラに加わるスラスト荷重を支承しつつこのパワーロー
ラの揺動変位を許容する為のスラスト軸受を添設する為
の平坦面を、この平坦面の一部にその一端を開口させる
状態で円孔を、それぞれ設けている。
ル型無段変速機用トラニオンに於いては、上記平坦面の
周縁部と他の部分との境界部分に存在する段差面は、単
一の中心軸を有する部分円筒面である。そして、この部
分円筒面の中心軸は、上記円孔の中心軸に対して上記各
枢軸の配列方向にずれた位置に存在する。
ル型無段変速機用トラニオンの加工方法は、旋削加工を
行なう工作機械の主軸の先端部に支持したチャックにト
ラニオンを、円孔及び部分円筒面の中心軸と上記主軸の
中心軸とを一致若しくは平行にして把持した状態で、こ
の主軸を回転させつつこれら円孔と部分円筒面並びに平
坦面との一方を加工した後、上記チャックを上記主軸の
中心軸に対し直角方向に平行移動させてから、この主軸
を回転させつつ上記円孔と部分円筒面並びに平坦面との
他方を加工する。
型無段変速機用トラニオンとその加工方法によれば、同
一のチャックにトラニオンを把持した状態のまま、円孔
と部分円筒面並びに平坦面の加工を行なえる。この為、
トラニオンの加工の能率化によりコストの低減を図れる
だけでなく、上記円孔と平坦面との直角度の向上を図れ
る等、形状並びに寸法精度の向上も図れる。
の1例を示している。先ず、図1は、本発明のトラニオ
ン6aを示している。このトラニオン6aは、前述の図
9に示した従来から知られているトラニオン6と同様
に、両端部に互いに同心の1対の枢軸5、5を、中間部
内側面に形成した平坦面29を、この平坦面29の一部
にその一端を開口させる状態で円孔15を、それぞれ設
けている。特に、本例のトラニオン6aの場合には、上
記平坦面29の周縁部と他の部分との境界部分に存在す
る段差面31、並びに上記各枢軸5、5を設ける為に、
上記トラニオン6aの長さ方向(図2の上下方向)両端
部に形成した1対の折れ曲がり部37、37の内側面3
8、38は、単一の中心軸O31を有する部分円筒面であ
る。そして、この部分円筒面である段差面31、31及
び各内側面38、38の中心軸O31は、上記円孔15の
中心軸O15に対して、上記各枢軸5、5の配列方向(図
1の上下方向)にずれた位置に存在する。言い換えれ
ば、上記段差面31、31及び各内側面38、38の中
心軸O31と円孔15の中心軸O15とは、互いに一致はし
ないが、それぞれ上記両枢軸5、5の中心軸O5 と直交
する。
6aの平坦面29と円孔15とを、旋削を行なう工作機
械32により加工する状態を示している。この工作機械
32は、基台33の上方で回転する主軸34の先端面
(図2〜3の右端面)に、スライダ35を介してチャッ
ク36を設けて成る。このスライダ35は、上記主軸3
4の回転中心軸に対し直角方向に平行移動自在である。
そして、上記チャック36に、被加工物である上記トラ
ニオン6aを把持自在としている。一方、上記基台33
の上面にはバイト等の切削工具39を、互いに直角方向
に亙る移動自在に設けた1対の移動テーブル40、41
により、この基台33の上面に対し平行に、且つ二次元
方向に亙る移動自在に支持している。
トラニオン6aの段差面31、31及び各内側面38、
38と円孔15とを加工する作業は、次の様にして行な
う。先ず、上記主軸34の先端部に支持したチャック3
6に上記トラニオン6aを、上記段差面31、31及び
各内側面38、38を構成する部分円筒面の中心軸O31
並びに上記円孔15の中心軸O15と、上記主軸34の中
心軸O34と一致若しくは平行にした状態で把持する。こ
の状態で、上記スライダ35を、図2に示す様に一端側
(図2の下端側)に変位させて、加工すべき上記円孔1
5の中心軸O15と、上記主軸34の中心軸O34と一致さ
せる。そして、この主軸34を回転させつつ、上記切削
工具39を上記トラニオン6aの中間部に突き当てて、
上記円孔15の内面の仕上加工を行なう。
5を、図3に示す様に他端側(図3の上端側)に変位さ
せて、切削加工すべき上記段差面31、31及び各内側
面38、38の中心軸O31と、上記主軸34の中心軸O
34と一致させる。そして、この主軸34を回転させつ
つ、上記切削工具39を、上記段差面31、31及び各
内側面38、38並びにこれら段差面31、31及び各
内側面38、38に囲まれた平坦面29等に突き当て
て、これら各面31、38、29を加工する。
ダル型無段変速機用トラニオンとその加工方法によれ
ば、同一のチャック36にトラニオン6aを把持した状
態のまま、上記円孔15と上記段差面31、31及び各
内側面38、38を構成する部分円筒面並びに上記平坦
面29の加工を行なえる。この為、これら各部を加工す
る為に、トラニオン6aをチャック36に着脱する作業
を1回行なうのみで足り、トラニオンの加工の能率化に
よるコストの低減を図れる。しかも、チャック36への
着脱を繰り返す事に伴う誤差の発生を抑える事ができる
ので、上記円孔15と平坦面29との直角度の向上を図
れる等、形状並びに寸法精度の向上も図れる。
る為には、上記主軸34に対して上記チャック36を支
持するスライダ35が、上記段差面31、31及び各内
側面38、38の中心軸O31と、上記円孔15の中心軸
O15との変位量△L(図1)分だけ、確実且つ迅速に変
位させられる構造を有するものを使用する事が好まし
い。この様なスライダ35の構造としては、図4〜5に
示したもの、或は図6に示したものを使用できる。
主軸34の端面の直径方向反対側2個所位置に固定し
た、それぞれ断面L字形のガイド42、42同士の間に
スライドプレート43を、がたつきなく且つ摺動自在に
挟持している。従ってこのスライドプレート43は、上
記1対のガイド42、42の配列方向に対し直角方向
(図4〜5の上下方向)に変位自在である。又、上記ス
ライドプレート43の変位方向に関して、上記主軸34
の端面の直径方向反対側2個所位置には、それぞれスト
ッパ44、44を固定している。これら両ストッパ4
4、44同士の間隔D44は、上記スライドプレート43
の変位方向に亙る長さL43よりも、上記変位量△L分だ
け大きい(D44=L43+△L)。
ータ45を内蔵し、このアクチュエータ45により上記
スライドプレート43を、上記1対のガイド42、42
の配列方向に対し直角方向に変位駆動自在としている。
更に、上記スライドプレート43の前面(図4の右面)
には、前記トラニオン6aの両端部に設けた枢軸5、5
をがたつきなく係止自在なワークストッパ46、46
と、上記トラニオン6aを両側から挟持固定自在な把持
爪47、47とを設けている。
各内側面38、38を構成する部分円筒面並びに上記平
坦面29との加工を行なう場合に、上記トラニオン6a
は、上記各ワークストッパ46、46に上記各枢軸5、
5を係止し、上記各把持爪47、47により両側から挟
持する。この状態で、上記アクチュエータ45により上
記スライドプレート43を、図4〜5の下端側にまで変
位させれば、加工すべき上記円孔15の中心軸O15と、
上記主軸34の中心軸O34とが一致する。これに対し
て、上記アクチュエータ45により上記スライドプレー
ト43を、図4〜5の上端側にまで変位させれば、切削
加工すべき上記段差面31、31及び各内側面38、3
8の中心軸O31と、上記主軸34の中心軸O34とが一致
する。尚、図4〜5は、上記段差面31、31及び各内
側面38、38の中心軸O34とを一致させた状態を示し
ている。
の構造の場合、1対のストッパ44、44により、スラ
イドプレート43の変位量を△Lに規制していた。これ
に対して、図6に示したスライダの第2例の構造の場合
には、チャック36aの端面に、ストロークが△Lであ
るアクチュエータ45aを設けている。そして、このア
クチュエータ45aにより、直接トラニオン6aを、枢
軸5、5の軸方向に亙り変位駆動自在としている。上記
アクチュエータ45aのストロークの一端側(図6の下
端側)に上記トラニオン6aを変位させた状態で、加工
すべき円孔15の中心軸O15と主軸の中心軸O34とが一
致し、他端側(図6の上端側)にまで変位させた状態
で、切削加工すべき上記段差面31、31及び各内側面
38、38の中心軸O31と、上記主軸の中心軸O34とが
一致する。尚、図6は、上記段差面31、31及び内側
面38、38の中心軸O31と、上記主軸34の中心軸O
34とを一致させた状態を示している。
そのままでは、トラニオン6aを含む、チャック36、
36aと共に回転する部分の重心を、主軸34の中心軸
O34上に常に位置させる事はできない。そして、この重
心位置と中心軸O34とのずれが大きい状態で、上記主軸
34を高速回転させた場合には、振動が発生して、加工
精度が悪化する。この様な振動に基づく加工精度の悪化
を防止する為には、加工時に高速回転が必要な、上記円
孔15の加工時に、上記重心を主軸34の中心軸O34上
に位置させる事が好ましい。上記段差面31、31及び
各内側面38、38等の加工時には、上記主軸34の回
転速度をあまり早くする必要はないので、上記重心位置
と中心軸O34とが多少ずれていても、有害な振動の発生
を抑えて、十分な加工精度を確保できる。
時の振動を考えた場合には、上述の図6に示した第2例
の構造が、主軸34の中心軸O34からずれた状態で回転
する部分の質量を少なく抑える面からは好ましい。但
し、上記図6に示した第2例の構造の場合には、上記円
孔15を加工する際と上記段差面31、31及び各内側
面38、38等を切削加工する際とで、把持爪47、4
7によるトラニオン6aの把持及びその解除を行なう
為、把持精度の面から、加工精度が悪化する可能性があ
る。
場合には、把持爪47、47によりトラニオン6aを把
持した状態のまま、上記円孔15と上記段差面31、3
1及び各内側面38、38等との加工を行なえる。従っ
て、振動を抑えられるのであれば、図4〜5に示した第
1例の構造が、加工精度を確保する面からは好ましい。
特に、主軸34の先端部に、スライドプレート43と逆
方向に変位するバランスウェイトを設け、このバランス
ウェイトを含む重心が、常に上記主軸34の回転中心軸
上に存在する様にすれば、加工時に振動が発生するのを
防止できるので、図4〜5に示した第1例の構造の利点
が顕著になる。
用トラニオンとその加工方法は、以上に述べた通り構成
され作用するので、ハーフトロイダル型無段変速機のト
ラニオンの加工を能率良く、しかも高精度で行なって、
低コストでしかも高性能のトロイダル型無段変速機の実
現に寄与できる。
を内側面側から見た図。
する状態を示す平面図。
図。
の第1例を示す側面図。
の第2例を示す側面図。
機の基本的構成を、最大減速時の状態で示す側面図。
付けた状態で示す断面図。
9の右方から見た図。
て図10の右方から見た図。
Claims (2)
- 【請求項1】 ハーフトロイダル型無段変速機を構成す
るパワーローラを揺動変位及び回転自在に支持する為、
両端部に互いに同心の1対の枢軸を、中間部内側面に上
記パワーローラに加わるスラスト荷重を支承しつつこの
パワーローラの揺動変位を許容する為のスラスト軸受を
添設する為の平坦面を、この平坦面の一部にその一端を
開口させる状態で円孔を、それぞれ設けたハーフトロイ
ダル型無段変速機用トラニオンに於いて、上記平坦面の
周縁部と他の部分との境界部分に存在する段差面は、単
一の中心軸を有する部分円筒面であり、この部分円筒面
の中心軸は、上記円孔の中心軸に対して上記各枢軸の配
列方向にずれた位置に存在する事を特徴とするハーフト
ロイダル型無段変速機用トラニオン。 - 【請求項2】 請求項1に記載したハーフトロイダル型
無段変速機用トラニオンの加工方法であって、旋削加工
を行なう工作機械の主軸の先端部に支持したチャックに
トラニオンを、円孔及び部分円筒面の中心軸と上記主軸
の中心軸とを一致若しくは平行にして把持した状態で、
この主軸を回転させつつこれら円孔と部分円筒面並びに
平坦面との一方を加工した後、上記チャックを上記主軸
の中心軸に対し直角方向に平行移動させてから、この主
軸を回転させつつ上記円孔と部分円筒面並びに平坦面と
の他方を加工する事を特徴とするハーフトロイダル型無
段変速機用トラニオンの加工方法。
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1999
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