JP2000328450A - メタ型芳香族ポリアミド繊維の抗菌処理方法 - Google Patents

メタ型芳香族ポリアミド繊維の抗菌処理方法

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JP2000328450A
JP2000328450A JP13564399A JP13564399A JP2000328450A JP 2000328450 A JP2000328450 A JP 2000328450A JP 13564399 A JP13564399 A JP 13564399A JP 13564399 A JP13564399 A JP 13564399A JP 2000328450 A JP2000328450 A JP 2000328450A
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type aromatic
meta
antibacterial
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Yasunori Tatsuoka
康則 立岡
Motoyoshi Suzuki
東義 鈴木
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 容易に洗濯耐久性に優れた抗菌性を付与する
ことができるメタ型芳香族ポリアミド繊維の抗菌処理方
法を提供する。 【解決手段】 メタ型芳香族ポリアミドの全繰返し単位
を基準としてアルキルベンゼンスルホン酸オニウム塩を
2.5〜10.0モル%含有し、かつ全繰返し単位の8
5モル%以上がメタフェニレンイソフタルアミドからな
るメタ型芳香族ポリアミド繊維を、有機窒素含有抗菌剤
を含む処理液で100℃以上の温度下加熱処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、洗濯耐久性に優れ
た抗菌性を付与することができるメタ型芳香族ポリアミ
ド繊維の抗菌処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、生活様式の多様化から、繊維素材
に対して様々な機能性の要求がなされてきた。特に快適
衛生思考の面から、カーテン、衣類、毛布、シーツ地等
の繊維製品に抗菌防臭性能を付与する要請が非常に高ま
ってきている。
【0003】一方、安全志向の高まりから、分子骨格が
殆ど芳香族環から構成されているために優れた耐熱性と
寸法安定性を有するメタ型芳香族ポリアミド繊維を、耐
熱性、防炎性、耐炎性が重視される用途、例えば寝具、
衣料、インテリア分野の用途に展開することが急速に広
がっている。したがって、メタ型芳香族ポリアミド繊維
に抗菌防臭性能を付与する要請も高まってきている。
【0004】従来、繊維に抗菌性を付与する方法として
は、繊維の製糸段階で繊維内部に抗菌剤を含有させる方
法(ブレンド法)、繊維表面に抗菌剤を含有する処理剤
を付着させる方法(後加工法)などが提案され、該抗菌
剤としては、抗菌性金属イオンを出し得る金属化合物、
ゼオライト等の微粒子に抗菌性金属イオンを担持させた
もの、第4級アンモニウム塩系抗菌剤等が用いられてい
る。
【0005】例えば前者のブレンド法としては、特開昭
59−133235号公報に、銀や銅の金属イオンを担
持させたゼオライトや燐酸塩系の層状化合物のセラミッ
ク系微粒子を、ポリエステルやアセテートなどの繊維形
成性ポリマーに混練してから紡糸する方法が開示されて
いる。しかし、この方法では紡糸時に糸切れが発生しや
すく、また繊維の太さ斑も発生しやすいという問題があ
る。さらには、添加した抗菌剤が繊維製造装置を汚染す
るため、銘柄切替時の製造ロスが多くなるだけでなく装
置の稼働率も低下するためコストアップになるという問
題もある。
【0006】一方、後者の後加工法としては、有機シリ
コーン系第4級アンモニウム塩、アルキル燐酸エステル
系第4級アンモニウム塩等の抗菌剤を付与する方法が知
られており、さらに、特公平5−12475号公報に
は、ポリエステル繊維製品と殺菌剤を含む水溶液とを、
密閉しうる容器中で接触状態に維持しながら加圧下に加
熱処理して洗濯耐久性に優れた抗菌性を付与する方法が
提案されている。
【0007】しかしながら、これらの方法をメタ型芳香
族ポリアミド繊維に適用しても、メタ型芳香族ポリアミ
ドはポリマー分子鎖が剛直なために該抗菌剤は繊維の内
部迄十分に浸透できず、それ故、たとえ加工直後の抗菌
性が良好であっても洗濯により容易に抗菌性が低下する
という問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
メタ型芳香族ポリアミド繊維が有する問題点を解消し、
容易に抗菌性を付与することができ、しかも該抗菌性の
洗濯耐久性が極めて良好なメタ型芳香族ポリアミド繊維
の抗菌処理方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らの研究によれ
ば、上記本発明の目的は、全繰返し単位の85モル%以
上がメタフェニレンイソフタルアミド単位からなるメタ
型芳香族ポリアミド中に、該メタ型芳香族ポリアミドの
全繰返し単位を基準としてアルキルベンゼンスルホン酸
オニウム塩が2.5〜10.0モル%含まれる組成物か
ら構成されたメタ型芳香族ポリアミド繊維を、有機窒素
含有抗菌剤を含む処理液を用いて100℃以上の温度下
加熱処理することを特徴とするメタ型芳香族ポリアミド
繊維の抗菌処理方法により達成できることが見出され
た。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明で使用するメタ型芳香族ポ
リアミドは、主骨格を構成する芳香環がアミド結合によ
りメタ型に結合されてなるものであるが、ポリマーの全
繰返し単位の85モル%以上がメタフェニレンイソフタ
ルアミド単位であるものを対象とし、特にポリメタフェ
ニレンイソフタルアミドホモポリマーが好ましい。全繰
返し単位の15モル%以下、好ましくは5モル%以下で
共重合し得る第3成分としては、ジアミン成分として、
例えばパラフェニレンジアミン、3,4’−ジアミノジ
フェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエー
テル、パラキシリレンジアミン、ビフェニレンジアミ
ン、3,3’−ジクロルベンジジン、3,3’−ジメチ
ルベンジジン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、
4,4’−ジアミノジフェニルメタン,1,5−ナフタ
レンジアミン等の芳香族ジアンが、また酸成分として、
例えばテレフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン
酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸等の芳香族ジカ
ルボン酸が挙げられる。また、これらの芳香族ジアミン
及び芳香族ジカルボン酸は、その芳香族環の水素原子の
一部がハロゲン原子やメチル基等のアルキル基によって
置換されていてもよい。
【0011】なお、ポリマーの全末端の20%以上が、
アニリン等の一価のジアミン成分もしくは一価のカルボ
ン酸成分で封鎖されている場合には、特に高温下に長時
間保持しても繊維の強力低下が小さくなるので好まし
い。
【0012】このようなメタ型芳香族ポリアミドは、芳
香族ジアミンと芳香族ジカルボン酸ジハライドとを、例
えば従来公知の界面重合させる方法により製造すること
ができる。ポリマーの重合度としては、N−メチル−2
−ピロリドンを溶媒として30℃で測定した固有粘度
(IV)が0.8〜3.0、特に1.0〜2.0の範囲
にあるものが好ましい。
【0013】上記のメタ型芳香族ポリアミドに含有させ
るアルキルベンゼンスルホン酸オニウム塩は、繊維を有
機窒素含有抗菌剤で処理して洗濯耐久性に優れた抗菌性
が得られるようにするために必要であり、そのアルキル
基は直鎖でも分枝を有していてもよいが、その炭素数は
6〜18、特に8〜16の範囲が適当である。一方、オ
ニウム塩としては第4級オニウム塩、特に第4級ホスホ
ニウム塩又は第4級アンモニウム塩が、得られる抗菌性
の洗濯耐久性が良好なので好ましい。なかでもテトラブ
チルホスホニウム塩又はベンジルトリメチルアンモニウ
ム塩は、入手性及び熱安定性が良好な上に、カチオン染
料に対する染色性も著しく向上するので特に好ましい。
【0014】好ましく用いられるオニウム塩としては、
例えば、ヘキシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホス
ホニウム塩、ヘキシルベンゼンスルホン酸トリブチルベ
ンジルホスホニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テ
トラフェニルホスホニウム塩、ドデシルベンゼンスルホ
ン酸トリブチルテトラデシルホスホニウム塩、ドデシル
ベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、ドデ
シルベンゼンスルホン酸トリブチルベンジルアンモニウ
ム塩、オクチルベンゼンスルホン酸テトラブチルアンモ
ニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ジメチルジベン
ジルアンモニウム塩等を挙げることができる。なかで
も、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニ
ウム塩及びドデシルベンゼンスルホン酸トリブチルベン
ジルアンモニウム塩は、洗濯耐久性に優れた抗菌性が得
られるだけでなく、良好なカチオン染料可染性も得ら
れ、しかもN−メチル−2−ピロリドンに対する溶解度
も高いので特に好ましい。
【0015】かかるアルキルベンゼンスルホン酸オニウ
ム塩のメタ型芳香族ポリアミド繊維中の含有量は、洗濯
耐久性に優れ且つ十分な抗菌性を付与するためには、メ
タ型芳香族ポリアミド繊維の繰返し単位に対して(全繰
返し単位を基準として)2.5〜10.0モル%、好ま
しくは3.0〜7.0モル%の範囲である必要があり、
この含有量が2.5モル%未満の場合には抗菌性又はそ
の洗濯耐久性が低下し、一方、10.0モル%を越える
場合にはそれ以上抗菌性やその洗濯耐久性が向上しなく
なるだけでなく、繊維の機械的特性も低下しやすくなる
ので好ましくない。
【0016】本発明におけるメタ型芳香族ポリアミド繊
維中には、下記一般式(化3)で表されるハロゲン化ア
ルキル燐酸エステル類が含まれていると、該繊維中への
有機窒素含有抗菌剤の浸透性が向上して、より容易に該
抗菌剤が繊維内部まで浸透するために得られる抗菌性能
の洗濯耐久性が向上するので好ましい。
【0017】
【化3】
【0018】式中、Rは炭素数2〜6、好ましくは炭素
数2〜3のハロゲン化アルキル基を表すが、ハロゲン原
子は塩素又は臭素を示し、ハロゲン化アルキル基中のハ
ロゲンの置換数は1でも2以上であってもよい。なかで
も、2−クロロエチル基、2−クロロプロピル基、2,
3−ジクロロプロピル基、2−ブロモエチル基、又は
2,3−ジブロモプロピル基が、得られる繊維の抗菌性
及びその洗濯耐久性に優れているだけでなく、良好な難
燃性も得られるので好ましい。Xは直接結合又は炭素数
1〜4のアルキレン基を表す。また、nは0〜10の整
数であり、なかでも2〜4の範囲の整数である場合、抗
菌処理中に脱落する該剤の量が少なく良好な難燃性が得
られるので好ましい。
【0019】かかるハロゲン化アルキル燐酸エステル類
としては、具体的にはR1が2−クロロエチル基、Xが
メチルメチレン基、nが3である下記式で表される縮合
型クロロ化アルキル燐酸エステルが特に好ましい。
【0020】
【化4】
【0021】かかるハロゲン化アルキル燐酸エステル類
のメタ型芳香族ポリアミド繊維中含有量は、余りに少な
すぎると有機窒素含有抗菌剤の浸透性向上効果が小さく
なり、また得られる繊維の抗菌性の洗濯耐久性の向上効
果が小さくなるので、該繊維重量に対して1.8重量%
以上、好ましくは3.0重量%以上とするのが望まし
い。一方、余りに多くなりすぎると、抗菌性の洗濯耐久
性や難燃性の向上効果はそれ程大きくならず、逆に染色
等を施す場合に染斑等の処理斑が目立つようになるの
で、6.0重量%以下、好ましくは5.0重量%以下と
するのが望ましい。
【0022】本発明においては、前述のメタ型芳香族ポ
リアミドからなる繊維中に、前述のアルキルベンゼンス
ルホン酸オニウム塩及びハロゲン化アルキル燐酸エステ
ル類を含有させる方法は特に限定されないが、例えばポ
リメタフェニレンイソフタルアミドなどのメタ型芳香族
ポリアミドを、アルキルベンゼンスルホン酸オニウム塩
及びハロゲン化アルキル燐酸エステル類と共に溶媒に溶
解した溶液(ドープ)を、従来公知の成形方法によって
繊維化すればよい。
【0023】例えば典型的な成形方法の一例を挙げる
と、ポリメタフェニレンイソフタルアミドのN−メチル
−2−ピロリドン溶液に、アルキルベンゼンスルホン酸
オニウム塩とハロゲン化アルキル燐酸エステル類とを添
加してドープを調製する。このドープをノズルより塩化
カルシウムを主成分として含有する無機塩の水溶液中に
押出し、凝固させ、水洗後、沸水中で延伸して繊維を得
る方法がある。得られた延伸糸は、必要に応じて捲縮を
付与した後に所望の長さに切断して短繊維となしてもよ
い。
【0024】本発明で抗菌処理される上記メタ型芳香族
ポリアミド繊維の形態は、原綿、トウ、糸等の状態であ
っても、また織編物、不織布等の布帛にした後の状態で
あってもよい。
【0025】上記メタ型芳香族ポリアミド繊維を抗菌処
理するために使用される抗菌剤は、有機窒素含有抗菌剤
であることが、前記アルキルベンゼンスルホン酸オニウ
ム塩と相俟って洗濯耐久性に優れた抗菌性を得るために
必要である。
【0026】好ましく用いられる有機窒素含有抗菌剤と
しては、例えば塩化ベンザルコニウム、ビグアミド塩酸
塩、有機シリコーン系第4級アンモニウム塩等の第4級
アンモニウム塩系化合物、フェノール系アミノ化合物、
アミノ配糖体類、フタルイミド系化合物、イミダゾール
系化合物などの抗菌剤が挙げられる。なかでも、2−
(4−チアゾリル)ベンズイミダゾール(TBZ)、2
−メトキシカルボニル−アミノベンズイミダゾール(M
BC)、2−メトキシカルボニル−アミノベンズイミダ
ゾール・4−ノルマルドデシルベンゼンスルホネート塩
(MBC−S)等のイミダゾール系化合物、又はN−
(フルオロジクロロメチルチオ)フタルイミドが、特に
上記のメタ型芳香族ポリアミド繊維に対する吸尽性が高
く好ましい。
【0027】これらの抗菌剤は、通常水中に分散乳化さ
せて使用される。乳化方法は特に限定されず、従来公知
の乳化方法、例えば、ナフタレンスルホン酸ホルマリン
縮合物等の分散剤、必要に応じてポリオキシエチレンノ
ニルフェニルなどの界面活性剤、カルボキシメチルセル
ロースなどの保護コロイド剤と水とを加えてスラリー状
となし、ボールミル、ホモミキサー、コロイドミル等で
十分に徹粒化させて分散乳化させる方法により容易に得
ることができる。
【0028】かかる有機窒素含有抗菌剤のメタ型芳香族
ポリアミド繊維に対する付与量は、処理する繊維製品の
形態によって要求される抗菌性能のレベルが異なるの
で、予め試験しておくことが好ましい。通常、繊維重量
に対して0.05〜2.0重量%、好ましくは0.5〜
2.0重量%の範囲となる割合で、処理液中に乳化・分
散させておくのが好ましいが、処理液中の該抗菌剤の濃
度は、処理方法及び処理条件により異なってくるので、
繊維中への該抗菌剤の吸着量が前記の範囲になるように
適宜選択設定することが大切である。
【0029】加熱処理条件は、処理温度を100℃以上
とする必要がある。処理浴中に浸漬して加熱処理する場
合には、温度を100〜150℃の範囲として30〜9
0分間、特に45〜60分間処理するのが好ましく、一
方、処理液を繊維製品に吸着させ、一旦乾燥させた後に
高温で加熱処理する場合には、例えば150〜190℃
の温度で0.5〜1.5分間加熱処理するのが好まし
い。繊維重量に対する処理液の重量は、繊維を処理液中
に浸漬して処理する場合には、繊維:処理液(重量比)
は1:5〜1:30の範囲が適当である。
【0030】例えば抗菌剤を含有する処理浴中で処理す
る場合、染料と分散剤、PHコントロール剤などを含む
染色液に該乳化した抗菌剤を適量添加した後、繊維重量
に対する水(染色液)の比率(浴比)が1:5〜30、
処理温度100〜150℃、処理時間30〜90分間
(高温では短時間)の範囲から選ばれた常法の染色条件
で、染色と同時に抗菌処理することができる。
【0031】なお、該処理液中には、必要に応じて、P
Hコントロール剤、キャリアー剤、その他各種機能付与
剤を含有させてもよい。特に染料を併用すると、抗菌処
理と染色処理を同時に施せるので好ましい。
【0032】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明をより詳細に説
明する。なお、実施例及び比較例における各特性値は、
以下の測定方法にしたがった。
【0033】<固有粘度(IV)>ポリマーをNMP
(N−メチル−2−ピロリドン)に溶解させ、オストワ
ルド粘度計を用いて温度30℃で測定した。
【0034】<難燃性>JISL K7201のLOI
測定法に準拠して、LOI値を求めた。
【0035】<抗菌性>繊維製品衛生加工協議会の試験
法(菌数測定法)にしたがった。すなわち、滅菌試料布
に試験菌(黄色ブドウ球菌)のブイヨン懸濁液を注加
し、密閉容器中で37℃で18時間培養後の生菌数を計
測し、無加工試料布に対する増減値差を下記式より求め
た。 増減値差=Log(B/A)−Log(C/A) 式中、Aは無加工試料に接種した直後の菌数、Bは無加
工試料にて18時間培養した後の菌数、Cは加工試料に
て18時間培養した後の菌数を表す。なお、無加工布に
おける菌の増殖がLog(B/A)>2であれば試験を
有効とし、無加工布に対する抗菌加工布の増減値差が
1.6以上の試料を合格とする。
【0036】<染色性>マクベス(株)製のカラー測色
装置「マクベスカラーアイ」を用い、2度視野、D65
光源、波長360〜740nmの条件で測定して、L*
値を求めた。
【0037】<洗濯耐久性>JIS L1091法にし
たがって水洗濯10回(L10)又は50回(L50)実施
し、その後の難燃性(L50について)又は抗菌性(L10
について)を求めた。
【0038】[実施例1〜3]固有粘度が1.35dl
/gのポリメタフェニレンイソフタルアミド30gをN
−メチル−2−ピロリドン110gに溶解したドープ
に、3.6gのドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチ
ルホスホニウム塩、及び2.0gの大八化学(株)製縮
合型ハロゲン化リン酸エステル[CR387:式(化
1)におけるRがクロロエチル基、Xがメチルメチレン
基、nの平均が3]を混合溶解し、減圧脱泡して紡糸ド
ープとした。
【0039】得られた紡糸ドープを85℃に加温し、孔
径0.07mm、孔数200の紡糸口金から凝固浴中に
押出して湿式紡糸した。凝固浴の組成は、塩化カルシウ
ムが40重量%、NMPが5重量%、残りは水55重量
%であり、該凝固浴の温度は85℃であった。この吐出
糸条は、該凝固浴中を約10cm走行させ、6.2m/
分の速度で引き出した。次いで、引出し糸条を水洗し、
95℃の温水中で2.3倍に延伸し、200℃の加熱ロ
ールを通して乾燥した後、さらに285℃の熱板上で
1.5倍に延伸して延伸糸を得た。
【0040】得られた延伸糸は、クリンパーを通して捲
縮を付与した後、カッターでカットして2.0de×5
1mmの短繊維となし、次いで該短繊維を常法にしたが
って綿番手30/−の紡績糸となし、該紡績糸を経糸及
び緯糸に使用して目付200g/m2の平織物を作成し
た。
【0041】得られた織物は、常法にしたがって精練、
乾燥、熱セットした後、エステロールネイビープルーN
−2RL(住友化学(株)製カチオン染料)8%ow
f、酢酸0.3g/リットル、硝酸ナトリウム25g/
リットル及び表1記載の抗菌剤を3%owfの割合で含
有する染色・抗菌処理液を用い、繊維と該液の浴比を
1:20として130℃下60分間染色処理した。染色
後、ハイドロサルファイト1.0g/リットル、アミラ
ジンD(第1工業製薬(株)製)1.0g/リットル、
水酸化ナトリウム1.0g/リットルの割合で含有する
処理液を用い、浴比1:40で80℃下30分間還元洗
浄し、水洗後乾燥した。得られた処理布の評価結果を表
1に示す。
【0042】[実施例4]実施例1において、抗菌剤を
使用しないで染色した後、日華化学(株)製第4級アン
モニウム塩系抗菌剤(ニッカノンRB)の5%水溶液中
に浸漬し、マングルで絞り率70%となるようにパッデ
ィングした後に100℃で乾燥し、次いで180℃で1
分間熱セットした以外は実施例1と全く同様に処理し
た。得られた処理布の評価結果を表1に示す。
【0043】[実施例5]実施例1において、大八化学
(株)製縮合型ハロゲン化リン酸エステル[CR38
7]を使用しない以外は実施例1と全く同様に処理し
た。得られた処理布の評価結果を表1に示す。
【0044】[比較例1]実施例1において、ドデシル
ベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩及び縮
合型ハロゲン化アルキル燐酸エステル類を使用しなかっ
た以外は実施例1と全く同様に処理した。得られた処理
布の評価結果を表2に示す。
【0045】[比較例2]実施例1において、使用する
抗菌剤をチアベンダゾールに代えて東亜合成(株)製の
銀系無機抗菌剤を使用する以外は実施例1と全く同様に
処理した。得られた処理布の評価結果を表2に示す。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
【発明の効果】本発明のメタ型芳香族ポリアミド繊維の
抗菌処理方法によれば、メタ型芳香族ポリアミド繊維が
本来有している優れた耐熱性、防炎性、耐炎性等の特性
を損なうことなく、低コストで容易に洗濯耐久性に優れ
た抗菌性能を付与することができ、寝具、衣料、インテ
リア等の分野で有効に使用することができる。また、ハ
ロゲン化アルキル燐酸エステル類、特に縮合型のものを
併用した場合は、さらに抗菌性能の耐久性が向上するだ
けでなく、優れた難燃性を示すといった特徴を有するも
のである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 77/10 C08L 77/10 // D06M 101:34 Fターム(参考) 4J002 CL061 EN136 EU028 EU118 EV256 EV296 EW057 EW176 FD188 GC00 4L033 AA08 AB01 AC05 AC10 AC15 BA55 BA56

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 全繰返し単位の85モル%以上がメタフ
    ェニレンイソフタルアミド単位からなるメタ型芳香族ポ
    リアミド中に、該メタ型芳香族ポリアミドの全繰返し単
    位を基準としてアルキルベンゼンスルホン酸オニウム塩
    が2.5〜10.0モル%含まれる組成物から構成され
    たメタ型芳香族ポリアミド繊維を、有機窒素含有抗菌剤
    を含む処理液を用いて100℃以上の温度下加熱処理す
    ることを特徴とするメタ型芳香族ポリアミド繊維の抗菌
    処理方法。
  2. 【請求項2】 アルキルベンゼンスルホン酸オニウム塩
    が、第4級オニウム塩である請求項1記載のメタ型芳香
    族ポリアミド繊維の抗菌処理方法。
  3. 【請求項3】 アルキルベンゼンスルホン酸第4級オニ
    ウム塩が、テトラブチルホスホニウム塩又はトリブチル
    ベンジルアンモニウム塩である請求項2記載のメタ型芳
    香族ポリアミド繊維の抗菌処理方法。
  4. 【請求項4】 前記組成物中に、下記一般式(化1)で
    表されるハロゲン化アルキル燐酸エステル類が、メタ型
    芳香族ポリアミドの重量を基準として1.8〜6.0重
    量%含まれる請求項1記載のメタ型芳香族ポリアミド繊
    維の抗菌処理方法。 【化1】
  5. 【請求項5】 ハロゲン化アルキル燐酸エステル類が、
    下記一般式(化2)で表される縮合型のクロロ化アルキ
    ル燐酸エステルである請求項4記載のメタ型芳香族ポリ
    アミド繊維の抗菌処理方法。 【化2】
  6. 【請求項6】 有機窒素含有抗菌剤が、ベンズイミダゾ
    ール系抗菌剤又はフタルイミド系抗菌剤である請求項1
    記載のメタ型芳香族ポリアミド繊維の抗菌処理方法。
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