JP2000328186A - 伸びフランジ性に優れた超微細フェライト組織高強度熱延鋼板およびその製造方法 - Google Patents
伸びフランジ性に優れた超微細フェライト組織高強度熱延鋼板およびその製造方法Info
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Abstract
することができ、疲労強度、特に伸びフランジ性に優れ
た高強度熱延鋼板、製造方法を提供する。 【解決手段】 本発明の超微細フェライト組織高強度熱
延鋼板は、フェライト量が面積率で95%以上であり、
かつフェライトの平均結晶粒径が2.0〜10μm であ
り、組織中にマルテンサイトおよび残留オーステナイト
を実質的に含まず、引張強さが490MPa 以上のもので
ある。かかる組織を得るのに適した化学成分としては、
wt%で、C:0.01〜0.10%、Si:1.5%以
下、Mn:1.0%超〜2.5%、P:0.15%以
下、S:0.008%以下、Al:0.01〜0.08
%、Ti,Nbの1種又は2種の合計:0.10〜0.
60%およびFeを主成分とする。さらに、必要に応じ
て、Ca、Bを各0.0005〜0.0030%添加す
ることができる。
Description
微細フェライト組織を有する疲労強度、特に伸びフラン
ジ性に優れた、引張強度が490MPa以上の高強度熱
延鋼板およびその製造方法に関し、この熱延鋼板は自動
車用鋼板、構造用鋼板として好適なものである。
の疲労強度、特に伸びフランジ性を高めるには、その鋼
板の結晶組織を超微細化することが有効と考えられ、超
微細組織を得る技術の開発が従来より数多く模索されて
きた。特に、近年では、板厚を薄くして、軽量化、低コ
スト化を図るために高強度鋼板が多く使用されるように
なり、その高強度化に伴う加工性の劣化を抑える目的
で、高強度鋼板におけるミクロ組織の微細化が重要な課
題となっている。また、この組織微細化は、特に伸びフ
ランジ性の向上に有効な手段と考えられている。
昭58−123823号公報、特開昭58−17452
3号公報に提案されている大圧下圧延法、制御圧延
法、制御冷却法、例えば特開平10−8138号公報
に提案されている低温巻取法などが従来より知られてい
る。
る組織微細化方法における超微細化の要点は、オーステ
ナイト粒に大圧下を加えることでγ(オーステナイト)
からα(フェライト)への歪み誘起変態を促進すること
にある。しかしながら、圧延条件として1パスあたりの
圧下率を50%以上にする必要があるなど、一般的なホ
ット・ストリップ・ミルでは実施し難いという難点があ
る。
は、加工フェライトもしくは回復段階のフェライトが残
留し、加工性の著しい劣化を伴い、勒性を最優先特性と
する厚板では有効であるが、加工性を最優先特性とする
薄板では目的を達し得ない。
は伸びフランジ性に悪影響を及ぼす残留オーステナイト
が5〜20%程度混入し、高い伸びフランジ性を得るこ
とはできない。
ので、一般のホット・ストリップ・ミルを使用して容易
に製造することができ、従来に比して疲労強度、特に伸
びフランジ性が優れた高強度熱延鋼板およびその製造方
法を提供することを目的とする。
の微細化手段は、上記のように、通常の圧延設備での実
施が極めて困難であったり、加工性の確保が困難であっ
たりする。本発明者らは、C−Mn系鋼もしくはこれら
の元素に微量のTiやNbを添加した成分系の鋼では、
上記のような問題を解消することはできないと考え、新
たな結晶粒の微細化方法、加えて伸びフランジ性の改善
方法を探究した。その結果、フェライト結晶粒を超微細
化するには、オーステナイト粒の微細化及び高い転位密
度の導入が重要であり、本発明者らが鋭意研究したとこ
ろ、TiやNbを固溶状態で鋼中に存在させることによ
り、スラブ加熱時のオーステナイト結晶粒径の粗大化が
抑制され、それに続く熱間圧延において微細化が容易に
なること、及びこれらの元素によって、熱間圧延の際に
転位の解放が抑制され、転位密度の高い未再結晶オース
テナイト粒を得ることが可能となり、このオーステナイ
ト粒によってフェライト核生成頻度を高めて超微細フェ
ライト結晶粒を得ることが可能となることを知見し、以
下の発明を完成するに至った。
イト組織高強度熱延鋼板は、フェライト量が面積率で9
5%以上であり、かつフェライトの平均結晶粒径が2.
0〜10.0μm であり、組織中にマルテンサイトおよ
び残留オーステナイトを実質的に含まず、引張強さが4
90MPa 以上である熱延鋼板である。
がフェライトを主体とし、しかもその平均結晶粒径を
2.0〜10.0μm とし、さらに組織中にマルテンサ
イト、残留オーステナイトを実質的に含まないため、後
述の実施例から明らかなとおり、490MPa 以上の高強
度であるにもかかわらず、疲労強度が300MPa 以上と
高く、しかも伸びフランジ性が120%以上であり、高
強度の下で極めて良好な伸びフランジ性が得られる。
ト量が多いほどよく、面積率で好ましくは98%以上、
より好ましくはフェライト単相組織(フェライト量10
0%)であることが望ましいが、本発明熱延鋼板の特性
を妨げない範囲として、第2相として、5%以下のパー
ライト、セメンタイト、ベイナイトの1種以上を含んで
もよい。もっとも、マルテンサイトおよび残留オーステ
ナイトは実質的に含まない組織とする。第2相の存在は
伸びフランジ性を劣化させるが、その劣化の程度は母相
との硬度差が大きいほど著しい。このため、高硬度のマ
ルテンサイトは排除される。また、残留オーステナイト
は、変形過程でマルテンサイトに変態し、しかもC濃度
が高いことから極めて硬いマルテンサイトに変態するた
め、残留オーステナイトも極力排除する必要がある。こ
のため、本発明では、第2相として、マルテンサイトお
よび残留オーステナイトは実質的に含まないようにす
る。
い、強度を一定としたとき、伸びフランジ性および疲労
強度が向上するが、フェライト平均結晶粒径が10.0
μm超のものは従来鋼板においても存在するレベルであ
り、伸びフランジ性、疲労強度の飛躍的な向上は望めな
い。このため、本発明ではフェライト平均結晶粒径を1
0.0μm 以下、好ましくは8.0μm 以下、より好ま
しくは6.0μm 以下とする。また、2.0μm 未満で
は降伏点と引張強さとがほぼ等しくなり、n値の低下、
均一伸びの低下が著しくなる。プレス成形部品用途では
ある程度の均一伸びを確保することが必要であるため、
本発明ではフェライト平均結晶粒径の下限を2.0μm
、好ましくは3.0μm とする。
鋼板は、基本的にはIF鋼を用いてフェライト単相組織
にすればよく、かかる組織を得るのに適した化学成分を
有する熱延鋼板を請求項2に規定した。すなわち、請求
項2に記載した発明は、請求項1に記載した超微細フェ
ライト組織高強度熱延鋼板において、化学成分がwt%
で、C :0.01〜0.10%、Si:1.5%以
下、Mn:1.0%超〜2.5%、P :0.15%以
下、S :0.008%以下、Al:0.01〜0.0
8%、Ti,Nbの1種又は2種の合計:0.10〜
0.60%、およびFeを主成分とするものである。
定理由について説明する。 C:0.01〜0.10% Cは必要な強度を得るために0.01%以上が必要であ
る。しかし、その量が0.10%を越えると、Ti、N
b添加量の少ない鋼種においてはパーライト、ベイナイ
ト、マルテンサイト等の第2相の比率が多くなり、伸び
フランジ性が劣化するようになる。このため、C量の下
限を0.01%、好ましくは0.02%とし、その上限
を0.10%、好ましくは0.09%とする。
びフランジ性バランスを改善しつつ強度を高める上で有
効な元素であるが、Siの多量添加は極めて表面性状に
悪影響を及ぼしたり、酸洗時間の増加、酸洗ロスの増加
を来たすので、上限を1.5%、好ましくは1.0%と
する。なお、0.2%超の添加では赤スケールが発生し
やすくなり、部品によっては商品価値を損なう場合もあ
るため、このような場合はSi量を0.2%以下に止め
るのがよい。
%≦2.5) Mnは、強度の向上に有効であり、またフェライト変態
を抑制し、フェライト粒の微細化に有効な元素である。
すなわち、Mn量が少ないと、熱延後の冷却過程で高温
域からフェライト変態が始まり、短時間に粗大粒に成長
するため、目的とする微細フェライト粒が得られないよ
うになる。1.0%以下ではそれらの効果が過小であ
り、目的とする強度、微細粒が得られない。一方、2.
5%を超えると、フェライト変態が著しく遅延し、パー
ライト、ベイナイト、マルテンサイトの変態相が生成し
やすくなり、伸びフランジ性が劣化する。このため、M
n量を1.0%超、好ましくは1.1%以上含有させ、
その上限を2.5%、好ましくは2.0%とする。
るが、0.15%を超えると偏析による延性劣化、粒界
強度の低下を招く。このため、P量の上限を0.15
%、好ましくは0.12%とする。
劣化させるため、少ない程よく、その上限を0.008
%とする。
0.01%未満ではその効果が過小であり、0.08%
を超えると、結晶粒の粗大化及び介在物による内部欠陥
をもたらすようになる。したがって、Al量の下限を
0.01%、その上限を0.08%とする。
0〜0.60% Ti、Nbは、スラブ加熱段階での初期オーステナイト
粒を微細化させ、かつ熱延過程での再結晶を抑制し、フ
ェライト核生成頻度を高めるのに好適な転位密度の高い
微細未再結晶オーステナイト粒を得るために必須の元素
である。さらにこのようにして得られた微細初期フェラ
イトが巻き取り過程で成長し、粗大化することを防止
し、目的の微細フェライト組織を得るために必須の元素
である。この作用を有効に発揮させるためには、Ti,
Nbの1種又は2種の合計で少なくとも0.10%以上
が必要である。一方、Ti、Nbの増加とともに微細化
効果は大きくなっていくが、Ti,Nbの1種又は2種
の合計が0.60%を超えるようになるとその効果も飽
和するようになる。このため、Ti,Nbの1種又は2
種の合計で0.10〜0.60%、好ましくは0.15
〜0.50%含有させる。
Cと強固な炭化物を形成し、固溶C量をほぼ0に低減す
ることができる。固溶Cは局部伸び(伸びフランジ性)
を低下させる動的歪み時効の原因となるものであり、伸
びフランジ性に極めて悪作用が強く、その低減により伸
びフランジ性の更なる向上を図ることができる。この効
果を発揮させるためにはTiNやTiSとして消費され
るTiを添加Ti量から引いた有効Ti量(下記のTi
*)およびNb量の総和と、C量との原子当量比が1以
上になるよう添加することが好ましいが、0.7以上で
あればかなり大きな効果が期待できる。一方、前記原子
当量比が3を超えるとその効果も飽和するようになる。
このため、請求項3に記載したように、前記原子当量比
の下限を0.7、好ましくは1.0とし、その上限を
3.0、好ましくは2.5とする。 Ti*=全Ti−(48S/32+48N/14) 原子当量比=(Ti*/48+Nb/93)/(C/1
2) 但し、上記式中の元素記号はその元素の含有量wt%を示
す。
分およびFeを主成分とするものである。ここに、主成
分とは上記基本成分およびFeのほか残部不可避的不純
物からなる場合のほか、上記基本成分の作用、効果を損
なわない元素や、鋼板の特性をより一層向上させる元素
の含有を妨げない趣旨であり、例えば下記のCa、Bの
1種以上を含有することができ、請求項4、5に記載し
たように、下記の成分とすることができる。なお、主成
分には、請求項3に記載した前記原子当量比が0.7〜
3.0の場合を含む。 (1) 主成分+Ca(請求項4) (2) 主成分又は前記(1) の成分+B(請求項5) Ca:0.0005〜0.0030% CaはMnS等の展伸した介在物を球状化させること
で、伸びフランジ割れの起点となる介在物の形態を制御
し、より伸びフランジ性を向上させることができる。こ
の効果を有効に発揮させるためには0.0005%の添
加が必要であり、一方、上限は現実的に添加できる最大
量の0.0030%とする。
り、延性が劣化することが知られている。一般にフェラ
イト粒を微細化することにより、この問題点は改善され
るため、実質的な問題には至らないが、Bは粒界を強化
する作用があり、Bの添加はこの問題の改善にさらに有
効である。この効果を有効に発揮させるためには0.0
005%以上の添加が必要であり、一方0.0030%
を超えて添加してもその効果は飽和するため、上限を
0.0030%とする。
ェライト組織の高強度熱延鋼板の好適な製造方法であっ
て、請求項2〜5に記載した化学成分を有する連続鋳造
スラブを1100℃超の温度に加熱した後、仕上圧延温
度をAr3点以上として熱間圧延した後、10〜150℃
/sの冷却速度にて冷却し、巻取温度を500〜700
℃として巻き取るものである。
る。本発明では、まず、固溶Ti、固溶Nbによる初期
オーステナイト粒の微細化効果を最大限に発揮させるこ
とが技術上の重要なポイントであり、鋼片加熱温度が1
100℃以下となると、TiCやNbCの析出量の増加
し、言い換えると固溶Ti量、固溶Nb量が減少し、初
期オーステナイト粒の微細化、熱延終了時の微細未再結
晶粒の確保が困難となる。このため、鋼片加熱温度(S
RT)を1100℃超(SRT>1100℃)、好まし
くは1150℃以上とする。上限温度は特に規定しない
が、現実的には1300℃を越えると加熱炉の損傷、エ
ネルギーコストの増大を招き好ましくない。最も好まし
い鋼片加熱温度は、本発明者らが実験的に調査した結
果、1220±50℃(1170〜1270℃)であ
る。
れないため、実際に使用する圧延機の能力の範囲におい
て、好ましくは1回当たりの圧下率を高く設定すればよ
い。一般的には1回あたりの圧下率が高いほど好ましい
結果が得られるが、現実的には圧延機の圧下能力によっ
て圧下率に限界が生じ、圧延温度、鋼の化学成分及び圧
延寸法などによって異なるものの、20〜40%の圧下
を施すことが可能な圧延機が一般的である。従って、そ
の範囲でできるだけ大きな圧下率で熱間圧延を行えばよ
い。
るのは、Ar3点未満ではフェライト+オーステナイト域
での加工となり、加工フェライト粒が残存し、延性を著
しく低下させるようになるからである。得られるフェラ
イト粒を超微細化させるためには、オーステナイト粒の
微細化、転位密度残留を最大限に発揮させるように仕上
温度をAr3点直上(Ar3点〜Ar3点+50℃の範囲)に
することが望ましい。なお、仕上温度を高くなるほどオ
ーステナイト粒微細化効果、あるいは転位密度の残留の
程度が低下するようになるため、あえて上限を決めると
すれば、Ar3点+150℃とすることが望ましい。
はほぼ微細未再結晶組織となっており、そのままフェラ
イト変態させれば粒界、粒内両者からの核生成により微
細なフェライト粒が生成しはじめる。ただし、10℃/
s未満の冷却速度では、高温域で生じるフェライト粒の
粒成長によってフェライト変態が進行し、フェライト変
態促進効果及び微細化効果が減ずるので、冷却速度の下
限を10℃/s、好ましくは30℃/s、より好ましく
は50℃/sとする。一方、冷却速度が150℃/sを
超えるとフェライト粒の粒径が微細になり過ぎて、均一
伸びが劣化するようになり、また鋼板の平坦度も悪化す
るようになるので、冷却速度の上限を150℃/s、好
ましくは80℃/sとする。
と、フェライト粒の粗大化が著しく、目的とする組織、
特性が得られないようになり、一方500℃未満では、
TiC、NbCの微細析出物の増加により伸びフランジ
性の劣化を招き、さらに400℃未満ではベイナイトや
マルテンサイトが生成し、より伸びフランジ性の劣化を
招く。従って巻取温度の下限を500℃、好ましくは5
50℃し、その上限を700℃、好ましくは650℃と
する。
す熱間圧延条件で3.5mm厚さの熱延鋼板を製造した。
各試料鋼板を両面研削により2.5mm厚さに研削して、
圧延方向にJIS5号試験片を採取し、下記の要領にて
フェライト平均結晶粒径、組織の種類とその量(面積
%)を測定した。前記フェライト平均結晶粒径は、10
00倍の光学顕微鏡写真により切断法にて圧延方向、板
厚方向の50個の平均結晶粒径の平均値として求めた。
また、組織の種類と量は、ナイタール腐食した組織の4
00倍の光学顕微鏡写真を用いて、組織の種類を判定
し、またその量を面積率にて測定した。
張特性、鉄連規格(JFST1001)による穴拡げ試
験、両振り平面曲げ試験法による疲労特性を調査した。
前記穴拡げ試験は、試験片に10mmφの打抜き穴(初期
穴:穴径d0=10mm)を開け、バリを上にして頂角6
0度の円錐ポンチで板厚を貫通する割れが発生するまで
初期穴を押し拡げ、割れ発生時の穴径d1mmを測定し、
下記式にて限界穴拡げ率λ(%)を求めるものである。
これらの結果を表2に併せて示す。なお、表2に記載し
たフェライト、ベイナイト以外の残部組織は、パーライ
ト、セメンタイトである。 λ=(d1−d0)/d0×100
ずれも強度−伸びバランスに優れ、かつ伸びフランジ
性、疲労強度にも優れていることがわかる。一方、本発
明の鋼成分範囲を満足しない鋼(表1鋼種A,H,I,
J)を用いた試料No. 1,16〜18は伸びフランジ性
(λ)または/および疲労強度が劣化しており、また発
明成分を有する鋼を用いていても、製造条件が発明条件
を満足しない試料No. 3〜5では、所定の組織、フェラ
イト粒径が得られておらず、伸びフランジ性または疲労
強度が劣化している。また、熱延後の冷却速度が150
℃/s超の試料No.9,15では、フェライト粒径が
2.0μm 未満と微細になり過ぎて伸びの劣化が著し
い。
は、平均粒径2.0〜10.0μm の超微細フェライト
組織を主体とし、特にマルテンサイトや残留オーステナ
イトを実質的に含まない組織としたので、490MPa 以
上の高強度であっても優れた伸びフランジ性および疲労
強度を具備することができる。また、本発明の製造方法
によれば、一般的なホット・ストリップ・ミルを用い
て、容易に超微細フェライト組織が得られ、延性、伸び
フランジ性、疲労強度に優れた高強度鋼板を容易に製造
することができる。
Claims (6)
- 【請求項1】 フェライト量が面積率で95%以上であ
り、かつフェライトの平均結晶粒径が2.0〜10.0
μm であり、組織中にマルテンサイトおよび残留オース
テナイトを実質的に含まず、引張強さが490MPa 以上
である伸びフランジ性に優れた超微細フェライト組織高
強度熱延鋼板。 - 【請求項2】 化学成分がwt%で、C :0.01〜
0.10%、Si:1.5%以下、Mn:1.0%超〜
2.5%、P :0.15%以下、S :0.008%
以下、Al:0.01〜0.08%、Ti,Nbの1種
又は2種の合計:0.10〜0.60%、およびFeを
主成分とする請求項1に記載した超微細フェライト組織
高強度熱延鋼板。 - 【請求項3】 Ti、Nbの添加量が下記条件を満足す
る請求項2に記載した超微細フェライト組織高強度熱延
鋼板。 (Ti*/48+Nb/93)/(C/12):0.7
〜3.0 Ti*=全Ti−(48S/32+48N/14) 但し、各式中の元素記号はその元素の含有量(wt%)を
示す。 - 【請求項4】 化学成分がさらに Ca:0.0005〜0.0030% を含有する請求項2または3に記載した超微細フェライ
ト組織高強度熱延鋼板。 - 【請求項5】 化学成分がさらに B :0.0005〜0.0030% を含有する請求項2、3または4に記載した超微細フェ
ライト組織高強度熱延鋼板。 - 【請求項6】 請求項2〜5のいずれか1項に記載した
化学成分を有する連続鋳造スラブを1100℃超の温度
に加熱した後、仕上圧延温度をAr3点以上として熱間圧
延した後、10〜150℃/sの冷却速度にて冷却し、
巻取温度を500〜700℃として巻き取る伸びフラン
ジ性に優れた超微細フェライト組織高強度熱延鋼板の製
造方法。
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