JP2000328183A - 鉄合金部品 - Google Patents

鉄合金部品

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JP2000328183A
JP2000328183A JP13080499A JP13080499A JP2000328183A JP 2000328183 A JP2000328183 A JP 2000328183A JP 13080499 A JP13080499 A JP 13080499A JP 13080499 A JP13080499 A JP 13080499A JP 2000328183 A JP2000328183 A JP 2000328183A
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martensite
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面強度が向上した鉄合金部品を提供する。 【解決手段】 化学成分としてCを0.1から0.5重
量%、Siを0.1から0.5重量%、Crを0.3から
1.5重量%、含有する鉄を基材とする鉄合金部品1に
おいて、表面硬化処理(浸炭あるいは浸炭窒化)によ
り、表面から少なくとも100μmの範囲の組織を、マ
ルテンサイト2あるいはさらに残留オーステナイトを含
む結晶粒と、この結晶粒境にFeあるいはCrあるいは
両方の炭化物3あるいはさらにFeあるいはCrの窒化
物を析出させたもので構成し、前記マルテンサイト2あ
るいはさらに残留オーステナイトの結晶粒径が、鋼のオ
ーステナイト結晶粒度試験方法(JIS G 055
1)に規定する粒度測定対象表面の顕微鏡による粒度測
定方法、及びこの顕微鏡測定に基づく平均粒度番号算出
方法及び粒度算出方法と同一の方法で測定算出する場
合、7から10となるようにし、且つ、表面から少なく
とも100μmの範囲の硬さを少なくともHv700以
上とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、表面硬化処理
(浸炭あるいは浸炭窒化)された鉄合金部品に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来からこの種の鉄合金部品としては、
例えば、エンジン等の一部品であるコンロッド,クラン
ク軸や減速歯車等がある。
【0003】これらコンロッドやクランク軸等の軸物
で、駆動力を伝達する部品には捻れトルク等の荷重が作
用することから、表面を堅くした方が耐疲労強度を向上
させることができる。また、表面を堅くすれば耐磨耗性
も向上させることができ歯車等で有効である。
【0004】そして、表面を堅くする技術として浸炭処
理という方法がある。これは、低炭素鋼を浸炭剤中で加
熱し、鋼表面から炭素(C)を浸透させ、その表面付近
のC濃度を高める方法である。浸炭された品物を高温度
のオーステナイト状態から急冷すると、鋼表面はマルテ
ンサイト化されて硬化するが、内部は低炭素なので硬化
せずに、粘り強さを保持する。浸炭剤としては、個体、
液体、ガスのいずれも利用される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者らはそのような従来の浸炭方法よりも更に表面強度等
をより向上させることはできないか、鋭意検討した結
果、この発明を創作するに至ったものである。
【0006】そこで、この発明は、表面強度が向上した
鉄合金部品を提供することを課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる課題を達成するた
めに、請求項1に記載の発明は、化学成分としてCを
0.1から0.5重量%、Siを0.1から0.5重量
%、Crを0.3から1.5重量%、含有する鉄を基材
とする鉄合金部品において、表面硬化処理(浸炭あるい
は浸炭窒化)により、表面から少なくとも100μmの
範囲の組織を、マルテンサイトあるいはさらに残留オー
ステナイトを含む結晶粒と、この結晶粒境にFeあるい
はCrあるいは両方の炭化物あるいはさらにFeあるい
はCrの窒化物を析出させたもので構成し、前記マルテ
ンサイトあるいはさらに残留オーステナイトの結晶粒径
が、鋼のオーステナイト結晶粒度試験方法(JIS G
0551)に規定する粒度測定対象表面の顕微鏡によ
る粒度測定方法、及びこの顕微鏡測定に基づく平均粒度
番号算出方法及び粒度算出方法と同一の方法で測定算出
する場合、7から10となるようにし、且つ、表面から
少なくとも100μmの範囲の硬さを少なくともHv7
00以上とした鉄合金部品としたことを特徴とする。
【0008】請求項2に記載の発明は、請求項1記載の
構成に加え、硬さがHv550となる有効硬化深さを1
から2mmとしたことを特徴とする。
【0009】請求項3に記載の発明は、請求項1又は2
記載の構成に加え、表面から少なくとも100μmの範
囲で、前記炭化物あるいは及び前記窒化物の平均粒径を
表面から少なくとも100μmの範囲で0.5μmから
10μmとすると共に、前記範囲の組織中の前記炭化物
あるいは及び前記窒化物の面積率を1から20%とした
ことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて説明する。
【0011】[発明の実施の形態1]図1乃至図17及
び図34乃至図38には、この発明の実施の形態1を示
す。
【0012】まず構成を説明すると、この実施の形態1
の鉄合金部品1は、化学成分としてCを0.1から0.
5重量%、Siを0.1から0.5重量%、Crを0.3
から4.0重量%含有する鉄を基材とし、表面硬化処理
(浸炭あるいは浸炭窒化)が施されている。図1及び図
34乃至図38には、本発明の鉄合金部品として採用可
能な基材の化学成分の規格を示し、この規格は、熱間圧
延,熱間鍛造など、熱間加工によって作られたもので、
通常更に鍛造,切削などの加工と熱処理を施し、主とし
て機械構造用に使用される一端焼入れ性を保証した構造
用鋼鋼材について規定したものである。本発明の実施の
形態1においては、この図1及び図34乃至図38中、
SCM420が基材として使用されている。
【0013】そして、この鉄合金部品1は、表面硬化処
理(浸炭あるいは浸炭窒化)により、表面から少なくと
も100μmの範囲の組織がマルテンサイト2を含んで
構成され、このマルテンサイト2の結晶粒径が粒度が、
鋼のオーステナイト結晶粒度試験方法(JIS G 0
551)に規定する粒度測定対象表面の顕微鏡による粒
度測定方法、及びこの顕微鏡測定に基づく平均粒度番号
算出方法及び粒度算出方法と同一の方法で測定算出する
場合7から10とされている。図2には、鋼のオーステ
ナイト結晶粒度試験方法(JIS G 0551)によ
り、鋼を焼きなまし・焼きならし・焼き入れ・浸炭その
他の目的で変態点以上又は固溶化熱処理の温度に加熱し
たとき、その温度及び保持時間によって定まるオーステ
ナイト結晶粒の大きさを、所定の粒度を規定の方法によ
って測定して得られる粒度番号と、断面積1mm2あた
りの結晶粒の数及び結晶粒の平均断面積の相関が示され
ており、マルテンサイト2組織における粒度番号(上記
した鋼のオーステナイト結晶粒度試験方法(JIS G
0551)に規定するものと同一の方法で測定算出し
たもの)についても、図2を適用して断面積1mm2
たりの結晶粒の数あるいは結晶粒の平均断面積を概略求
めることができる。
【0014】また、その表面には、表面硬化処理によ
り、FeあるいはCrの少なくとも一方の炭化物3が析出
され、この組織中の炭化物3の平均粒径が0.5から1
0μm、組織中の炭化物3の面積率が1パーセントから
20パーセント、表面から少なくとも100μmの範囲
の硬さがHV700以上で、しかも、表面粗さがRa2
以下に構成されている。
【0015】かかる鉄合金部品1の表面硬化処理は、以
下のようにして行う。
【0016】まず、鉄合金部品1の基材として上記のよ
うに、SCM420Hの材料を使用する。
【0017】そして、かかる基材を1回目の浸炭を行
う。すなわち、ガスで浸炭する場合、浸炭炉は水平な左
右方向を長手方向とする場合、前後方向の側面、天井
面、底面は閉じられた壁面とされ、少なくとも前後の側
面と天井面に電熱あるいはガスバーナーによる加熱手段
が配置され、左右方向の両端にそれぞれ開閉扉を配置し
たものとなる。開閉扉の一方が、防炭処理された金属性
のパレットに鉄合金部材1が載置されたものの搬入口と
され、他方が搬出口とされる。浸炭炉にはさらに炭素雰
囲気を作り出すためCOガスやメタン等の炭化水素ガス
からなる浸炭ガスを導くガス導入口と、鉄合金部材1表
面に浸透せずCO2ガスや水蒸気となったもの(加熱の
ための燃焼の結果できるガスを含む)排気ガスの排出口
が設けられている。浸炭は前記浸炭ガスを炉内に導くと
ともに、壁面の加熱手段で所定温度に加熱し、あるいは
前記浸炭ガスの供給を止めるとともに加熱を停止して
(炉冷)行う。加熱は鉄合金部品1表面の加熱色を検知
して温度計測するか、炉内に挿入する温度センサにより
温度計測し加熱量を制御しつつ行う。炭素雰囲気濃度は
02ガス濃度を検知して所定の算出プログラムを使用し
て算出する。炭素雰囲気濃度を一定にするため、02ガ
ス濃度を検知しつつ前記浸炭ガスの供給量をフィードバ
ック制御する。この実施の形態では、図4に示すよう
に、炭素雰囲気濃度が、CP(カーボンポテンシャル)
=1.60中において、950℃で、3時間加熱して浸
炭を行った後、Al線の温度(727℃)より下の温度
まで炉冷(FC)するか、前記パレットを炉の中から出
し、常温の所定容積以上の油あるいは水を収容する油槽
あるいは水槽中に前記パレットごと加熱された鉄合金部
材1を浸漬する焼き入れ(MQ)を行う。すなわち、C
Pは、図3に示す鋼の状態図において、炭素濃度(C
%)がS点(0.8%C)からE点(2.1%C)の範
囲となるように、ここでは1.60に設定される一方、
Al線よりも上の温度域、ここでは950℃に設定され
ている。このように過剰浸炭した鋼の表面は、結晶粒界
に遊離セメンタイトがあらわれた超共析組織を呈する。
【0018】この1回目の浸炭によって形成される金属
組織は、表面が図5に示すようにマルテンサイト2の結
晶粒の平均粒径が概略20μm程度となり、更に、これ
を拡大すると図6に示すように、大きなマルテンサイト
2の結晶粒の間に、網目状の炭化物3が析出している。
また、中心部は図7に示すようにマルテンサイト2の結
晶粒の平均粒径が概略25μm程度となる。
【0019】次いで、その1回目の浸炭が終了したもの
に2回目の浸炭を施す。これは、炭素雰囲気濃度が、C
P=1.20中において、900℃で、2時間加熱し、
その後、850℃で20分間加熱する。すなわち、CP
は、図4に示す鋼の状態図において、炭素濃度(C%)
がS点(0.8%C)からE点(2.1%C)の範囲と
なるように、ここでは1.20に設定される一方、Ac
m線よりも下でAl線よりも上の温度域、ここでは90
0℃に設定されている。
【0020】この処理で、過剰浸炭層の炭素を内部へ拡
散させると共に、表面のC%を0.8%以上に保つ。
0.8%未満だと表面に炭化物3は析出しない。
【0021】そして、油焼入れあるいは水焼き入れの何
れかの焼入れ(MQ)を行い、160℃で1時間30分
加熱して焼き戻しを行う。
【0022】その2回目の浸炭によって形成される金属
組織は、表面が図8に示すようにマルテンサイト2の結
晶粒の平均粒径が概略5μm程度となり、更に、これを
拡大すると図9に示すように、マルテンサイト2の結晶
粒の粒径が1回目より小さくなると共に、炭化物3は網
目状から微細粒に変化する。
【0023】また、中心部は、図10に示すようにマル
テンサイト2の結晶粒の平均粒径が概略14μm程度と
なる。
【0024】なお、第1回目の浸炭後の冷却を炉冷でな
く焼き入れで行う場合、表面の金属組織はオーステナイ
ト結晶粒が全てマルテンサイト2にはならず、残留オー
ステナイトが混じる場合があるが、マルテンサイト2及
び残留オーステナイトの結晶粒の平均径は概略20μm
程度となり、さらに第1回目の浸炭後の冷却方法のいか
んに拘らず第2回目の浸炭後の焼き入れを経て残留オー
ステナイトの結晶粒が残ることもある。この場合でもマ
ルテンサイト2及び残留オーステナイトの結晶粒の平均
径は概略5μm程度となり、これらマルテンサイト2及
び残留オーステナイトの結晶粒の粒度は、鋼のオーステ
ナイト結晶粒度試験方法(JIS G0551)に規定
する方法と同一の方法で測定算出する粒度で7から10
とすることができる。すなわち、複数回の浸炭工程と、
後処理を経て熱処理が終了した状態において、表面から
少なくとも100μmの範囲の組織を、残留オーステナ
イトの結晶粒が混入するとしてもマルテンサイトを含ん
で構成することができる。
【0025】このように複数回浸炭を行うことにより、
鉄合金部品1の表面は、上記のようにマルテンサイト2
で構成されると共に、炭化物3(Fe3CあるいはCr
3C)が析出することとなる。そして、鉄合金部品1の
表面から深い所まで浸炭が行われると共に、炭化物3が
粒子が分散することにより、強度が向上することとな
る。
【0026】さらに、図11に示すように、表面から
0.1mmの表層においては、直径44.06μmの円
形の3ヶ所の視野範囲(視野1,視野2,視野3)につ
いて、画像解析すると、金属組織中の炭化物3の粒子の
分散状態は、図12に示すようになる。すなわち、視野
1乃至3の平均値は、粒子の総面積(μm2)が90.
93μm2、面積率(%)が5.97%、粒子の個数が
69.67、粒径最大値(μm)が3.56μm、粒径
最小値(μm)が0.35μm、粒径平均値(μm)が
1.1μmとなる。この微細炭化物3がマルテンサイト
2の結晶粒の成長を阻害し、表面付近のマルテンサイト
2の結晶粒径を細かく(平均粒径1〜10μm)でき、
表面応力が高くなり、曲げ強度を向上させることができ
る。通常の平均粒径は10〜20μm程度である。
【0027】すなわち、図13には、SCM420の基
材を上記のように浸炭したものにおいて、深さと硬さ
(Hv)との関係を示す。これによれば、Hv550と
なる有効硬化深さは1.45mm(E1.45)であ
り、表面硬さはHv890、中心硬さはHv441であ
る。
【0028】なお、表面から100μmの範囲の硬さを
Hv700以上を維持しつつ、表面硬さをHv890よ
り下げるあるいは高めることにより有効硬化深さを1〜
2mmの範囲で変化させても良い。
【0029】また、マルテンサイト結晶粒径と107
疲労強度との関係を、図14に示すと、結晶粒径が10
μm以下になると、疲労強度が急激に大きくなることが
分かる。してみれば、上記のように複数回浸炭により、
平均粒径を1〜10μm程度にできるため、疲労強度も
大きくすることができる。
【0030】さらに、図15には、上記のようにして浸
炭された平滑材を室温において小野式回転曲げ試験を行
った場合におけるデータを示し、図16には、その応力
振幅(MPa)と破壊繰返し数(N)との関係を示す。
これによれば、測定部1,2,3,4,5,8,9,1
1において、破壊繰返し数(N)が1.00E+07
(107)となる。そして、測定部8,9,11では、
応力振幅(MPa)が1000を超える。
【0031】これに対し、図17には、従来のように1
回浸炭された平滑材を室温において小野式回転曲げ試験
を行った場合におけるデータを示し、図18には、その
応力振幅(MPa)と破壊繰返し数(N)との関係を示
す。これによれば、測定部1,2,3において、破壊繰
返し数(N)が1.00E+07(107)となる。そ
して、これら測定部1,2,3では、応力振幅(MP
a)が800より小さい。
【0032】従って、この発明の実施の形態1のよう
に、複数回浸炭を行うことにより、繰返し応力に対する
強度が向上することが分かる。
【0033】さらにまた、表面粗さをRa2以下とする
ことにより、応力集中による強度低下を防止することが
できると共に、上記のような複数回浸炭にショットピー
ニングを組み合わせることにより更に強度を向上させる
ことができる。
【0034】[発明の実施の形態2]図19には、この
発明の実施の形態2を示す。
【0035】この実施の形態2は、実施の形態1と比較
すると、浸炭方法が相違する。すなわち、実施の形態1
と同様の鉄合金部品1の基材について、1回目の浸炭を
行う。これは、炭素雰囲気濃度が、CP(カーボンポテ
ンシャル)=1.40中において、950℃で、3時間
加熱して浸炭を行った後、Al線の温度(727℃)よ
り下の温度まで炉冷(FC)するか焼入れ(MQ)す
る。
【0036】次いで、その1回目の浸炭が終了したもの
に2回目の浸炭を施す。これは、炭素雰囲気濃度が、C
P=1.20中において、900℃で、2時間加熱した
後、850℃で20分間加熱する。
【0037】その後、油あるいは水による焼入れ(M
Q)を行う。
【0038】このようにしても実施の形態1と略同様の
効果が得られる。
【0039】[発明の実施の形態3]図20には、この
発明の実施の形態3を示す。
【0040】この実施の形態3は、浸炭を3回行ってい
る。すなわち、実施の形態1と同様の鉄合金部品1の基
材について、1回目の浸炭を行う。これは、炭素雰囲気
濃度が、CP(カーボンポテンシャル)=1.60中に
おいて、950℃で、3時間加熱して浸炭を行った後、
Al線の温度(727℃)より下の温度まで炉冷(F
C)するか焼入れ(MQ)する。
【0041】次いで、その1回目の浸炭が終了したもの
に2回目の浸炭を施す。これは、炭素雰囲気濃度が、C
P=1.20中において、900℃で、2時間加熱して
浸炭を行った後、Al線の温度(727℃)より下の温
度まで炉を冷却する。
【0042】更に、その2回目の浸炭が終了したものに
3回目の浸炭を施す。これは、炭素雰囲気濃度が、CP
=1.20中において、820℃で、1時間加熱して浸
炭を行う。
【0043】その後、油あるいは水による焼入れ(M
Q)を行う。
【0044】このようにしても実施の形態1と略同様の
効果が得られる。
【0045】[発明の実施の形態4]図20には、実施
の形態1と同様の鉄合金部品1の基材について、1回目
の浸炭を行う。これは、炭素雰囲気濃度が、CP(カー
ボンポテンシャル)=1.05中において、850℃
で、2時間加熱して浸炭を行った後、Al線の温度(7
27℃)より下の温度まで炉冷(FC)するか焼入れ
(MQ)する。
【0046】次いで、その1回目の浸炭が終了したもの
に2回目の浸炭を施す。これは、炭素雰囲気濃度が、C
P=1.00中において、800℃で、30分加熱して
浸炭を行う。
【0047】その後、油あるいは水による焼き入れ(M
Q)を行う。
【0048】[発明の実施の形態5]図22には、この
発明の実施の形態5を示す。
【0049】この実施の形態5は、実施の形態1と同様
の鉄合金部品1の基材について、1回目の浸炭を行う。
これは、炭素雰囲気濃度が、CP(カーボンポテンシャ
ル)=1.20中において、900℃で、1時間加熱し
て浸炭を行った後、Al線の温度(727℃)より下の
温度まで炉冷(FC)するか焼入れ(MQ)する。
【0050】次いで、その1回目の浸炭が終了したもの
に2回目の浸炭を施す。これは、炭素雰囲気濃度が、C
P=1.00中において、800℃で、30分加熱して
浸炭を行う。
【0051】その後、油あるいは水による焼き入れ(M
Q)を行う。
【0052】ここで、上記実施の形態1乃至5に記載の
方法により製造された鉄合金部品1におけるマルテンサ
イト結晶粒径は、図22に示すような分布となり、10
μmより小さいことが分かる。してみれば、上記のよう
に複数回浸炭により、平均粒径が5μm程度となるた
め、図14から明らかなように、疲労強度も急激に大き
くなるものである。ちなみに、1回浸炭の場合には、図
23に示すように、結晶粒径が14μm程度であるた
め、疲労強度は上記と比較すると大幅に低下しているこ
とが分かる。
【0053】[発明の実施の形態6]図24乃至図33
には、この発明の実施の形態6を示す。
【0054】この実施の形態6は、鉄合金部品全体が複
数回浸炭されているものでなく、1回浸炭された部分
と、2回浸炭された部分とを有するものである。
【0055】すなわち、図24及び図25には、一体型
のコンロッド11を示す。
【0056】このコンロッド11は、図示省略のピスト
ン側に接続される小端部11aと、図示省略のクランク
シャフト側に接続される大端部11bとを有し、これら
が連結棒部11cを介して連結されている。
【0057】そして、その小端部11a及び大端部11
bは、ピストンやクランクシャフトと連結されるため、
表面の硬度が要求されることから、2回浸炭されている
のに対して、連結棒部11cは、表面の硬度はそれ程要
求されないため、1回浸炭されている。
【0058】より詳しくは、HV700以上の硬さを示
す領域が大端部11bと小端部11aで、表面から少な
くとも0.5mm以上とされ、連結棒部11cで0.5
mm未満とされている。
【0059】その表面層の組織は、マルテンサイト2で
構成され、且つ、組織中の炭化物3の平均粒径が大端部
11bと小端部11aの表面層で0.5μmから10μ
mとされ、連結棒部11cの表面層で0.5μm未満と
されている。
【0060】組織中の炭化物3の面積率が前記大端部1
1bと小端部11aの表面層で1%以上とされ、連結棒
部11cの表面層で1%未満とされている。
【0061】前記大端部11bと小端部11aとのマル
テンサイト結晶粒径が粒度番号(JIS G 055
1)7から10とされ、表面粗さが前記大端部11bと
小端部11aの表面層でRa2μm以上とされ、連結棒
部11cの表面層でRa2μm未満とされている。
【0062】次に、このコンロッド11の製造工程につ
いて説明すると、図25に示すように、まず、鍛造前の
素材を鍛造し(1)、バリ取り(2)を行い、次に、小
端部11aの小端孔11d、大端部11bの大端孔11
e加工、小端部11a、大端部11b各端面加工(3)
を行う。
【0063】その後、連結棒部11cを銅メッキ等によ
りマスキング(4)し、1回目浸炭(5)を行った後、
マスキング除去処理(6)を行い、2回目浸炭(7)を
行う。
【0064】次いで、歪み取り(8)を行い、小端孔1
1d、大端孔11e研磨(9)を行い、コンロッド11
の製造を完了する。
【0065】一方、他の製造工程としては、例えば、上
記小端孔11d、大端孔11e加工、小端部11a、大
端部11b各端面加工(3)の後に1回目浸炭(10)
を行い、次に、マスキング(11)を行う。その後、2
回目浸炭(12)を行った後、歪み取り(13)を行
い、小端孔11d、大端孔11e研磨(14)を行うこ
ともできる。
【0066】図26及び図27には、分割型のコンロッ
ド11を示す。
【0067】このコンロッド11は、図示省略のピスト
ン側に接続される小端部11aと、図示省略のクランク
シャフト側に接続される大端部11bとを有し、これら
が連結棒部11cを介して連結されている。その大端部
11bは、分割され、キャップ11fがボルト11gに
て取り付けられることにより、大端孔11eが形成され
るように構成されている。
【0068】そして、その小端部11a及び大端部11
bは、ピストンやクランクシャフトと連結されるため、
表面の硬度が要求されることから、2回浸炭されている
のに対して、連結棒部11cは、表面の硬度はそれ程要
求されないため、1回浸炭されている。
【0069】次に、このコンロッド11の製造工程につ
いて説明すると、図27に示すように、まず、鍛造前の
素材を鍛造し(1)、バリ取り(2)を行い、次に、小
端孔11d、大端孔11e加工、小端部11a・大端部
11b各端面加工(3)を行う。
【0070】その後、連結棒部11cを銅メッキ等によ
りマスキング(4)し、1回目浸炭(5)を行った後、
マスキング除去処理(6)を行い、2回目浸炭(7)を
行う。
【0071】次いで、歪み取り(8)を行い、大端部1
1bを分割し(9)、大端部11bのボルト11gによ
る結合(10)を行う。そして、小端孔11d、大端孔
11e研磨(11)を行い、コンロッド11の製造を完
了する。
【0072】一方、他の製造工程としては、例えば、上
記小端孔11d、大端孔11e加工、小端部11a、大
端部11b各端面加工(3)の後に1回目浸炭(12)
を行い、次に、マスキング(13)を行う。その後、2
回目浸炭(14)を行った後、歪み取り(15)を行
い、大端部11bを分割し(16)、大端部11bのボ
ルト11gによる結合(17)を行う。そして、小端孔
11d、大端孔11e研磨(18)を行い、コンロッド
11の製造を完了する。
【0073】図28及び図29には、クランク軸13を
示す。
【0074】このクランク軸13は、図28の(a)に
示すように、コンロッドが連結されるクランクピン部1
3a、クランクケースに連結されるジャーナル部13
b、回転時に慣性力を生じさせるクランクウエッブ部1
3c等から構成されると共に、図28の(b)に示すよ
うに、オイル孔13d、端部ネジ部13e等が形成され
ている。
【0075】そして、そのクランクピン部13aやジャ
ーナル部13bは、コンロッドやクランクケースと連結
されるため、表面の硬度が要求されることから、2回浸
炭されているのに対して、クランクウエッブ部13c
は、表面の硬度はそれ程要求されないため、1回浸炭さ
れている。
【0076】次に、このクランク軸13の製造工程につ
いて説明すると、図29に示すように、まず、鍛造前の
素材を鍛造し(1)、バリ取り(2)を行い、次に、ク
ランクピン部13a、ジャーナル部13b、オイル孔1
3d、端部ネジ部13e加工(3)を行う。
【0077】その後、1回目浸炭(4)を行い、クラン
クウエッブ部13cをマスキング(5)する。このマス
キング方法は、まず、クランク軸13全体を銅メッキ
後、ジャーナル部13b及びクランクピン部13aの外
周のメッキを除去する。
【0078】次いで、2回目浸炭(6)を行った後、歪
み取り(7)を行い、ジャーナル部13b及びクランク
ピン部13a等の外周研磨(8)を行い、クランク軸1
3の製造を完了する。
【0079】図30及び図31には、減速歯車15を示
す。
【0080】この減速歯車15は、図29に示すよう
に、中央部の中間ディスク部15aに軸が挿入される挿
入孔15bが形成され、この挿入孔15bにはブッシュ
15cが減速歯車15完成後圧入されるようになってい
る。この中間ディスク部15aの周囲には、複数のボス
孔15dを有するボス部15eが形成され、更に、周縁
部には多数の歯部15fが形成されている。
【0081】そして、その歯部15fの歯面は、表面の
硬度が要求されることから、2回浸炭されているのに対
して、それ以外の中間ディスク部15a及びボス部15
eは、表面の硬度はそれ程要求されないため、1回浸炭
されている。
【0082】次に、この減速歯車15の製造工程につい
て説明すると、図31に示すように、まず、鍛造前の素
材を鍛造し(1)、バリ取り(2)を行い、次に、外
形、ボス孔15d、ボス部15e端面、歯面等の加工
(3)を行う。
【0083】その後、中間ディスク部15a及びボス部
15eを銅メッキによりマスキング(4)を行った後、
1回目浸炭(5)を行い、マスキング除去処理(6)を
行う。そして、2回目浸炭(7)を行い、歯面研磨
(8)を行い、減速歯車15の製造を完了する。
【0084】一方、他の製造工程としては、例えば、外
形、ボス孔15d、ボス部15e端面、歯面等の加工
(3)後、1回目浸炭(9)を行った後、中間ディスク
部15a及びボス部15eをマスキング(10)する。
次いで、2回目浸炭(11)を行い、歯部15fの歯面
研磨(12)を行い、減速歯車15の製造を完了する。
【0085】図32及び図33には、ピストンピン17
を示す。
【0086】このピストンピン17は、ピストンとコン
ロッドとを連結するもので、図31に示すように、棒状
のピストンピン本体17aの内部に貫通孔17bが形成
されている。
【0087】そして、このピストンピン本体17aの外
周面は、表面の硬度が要求されることから、2回浸炭さ
れているのに対して、貫通孔17bの内周面は、表面硬
度はそれ程要求されないため、1回浸炭されている。
【0088】次に、このピストンピン17の製造工程に
ついて説明すると、図32に示すように、まず、棒材を
両端面切断(1)し、貫通孔17b、外形、端面加工
(2)を施す。そして、貫通孔17bの内周部をマスキ
ング(3)し、1回目浸炭(4)を行い、マスキング除
去(5)を行う。次いで、2回目浸炭(6)を行った
後、外形センタレス研磨(7)を行い、ピストンピン1
7の製造を完了する。
【0089】一方、他の製造工程としては、例えば、貫
通孔17b、外形、端面加工(2)後、1回目浸炭
(8)を行った後、貫通孔17bの内周部をマスキング
(9)する。次いで、2回目浸炭(10)を行い、外形
センタレス研磨(11)を行い、ピストンピン17の製
造を完了する。
【0090】このように実施の形態6では、表面強度を
必要とする部分のみ複数回浸炭し、他の部分は1回浸炭
することにより、より合理的に浸炭を行うことができ
る。
【0091】なお、図25、図27に示すコンロッド1
1、図29に示すクランク軸13、図31に示す減速歯
車15及び図33に示すピストンピン17のそれぞれの
複数鍛造工程においてマスキングあるいは及びマスキン
グ除去を実施しているが、浸炭槽は鉄合金部品の表面の
みで、内部は十分靱性が維持されており、表面槽の靱性
が特に必要とされない場合(内燃機関部品の場合内燃機
関出力が小さい場合等)は、コンロッド11、クランク
軸13、減速歯車15及びピストンピン17等の鉄合金
部品の複数浸炭工程中マスキングをせず、鉄合金部品の
全体に複数浸炭による表面硬化組織を形成するようにし
ても良い。
【0092】なおさらに、図4、図19〜図22に示す
複数浸炭の熱処理のそれぞれに、さらに鉄合金部品を略
160℃の温度に加熱し、1時間30分程度略160℃
の温度に保持した後空冷する焼き戻しを実施するように
しても良い。これにより表面硬化組織を維持しつつ歪み
取りを図ることができる。
【0093】またさらに、浸炭窒化の場合には、COガ
スやメタン等の炭化水素ガスに例えばアンモニアガスを
加えた浸炭窒化ガスを加熱炉中に導入して炭素・窒素雰
囲気を作り出す。この場合、窒素雰囲気濃度を所定値に
するように制御しつつ、その他の加熱温度、加熱保持時
間及び、炭素雰囲気濃度、加熱及び冷却回数、冷却方法
等は、図4、あるいは図19〜図22と同様にしても良
い。このように浸炭窒化を複数回実施しても良いし、あ
るいは複数回の熱処理の内、いずれかを浸炭、他を浸炭
窒化となるように実施しても良い。鉄合金部品の複数浸
炭窒化工程中あるいは、浸炭及び浸炭窒化の組み合わせ
複数処理工程中、マスキングをしなくても良いのは複数
浸炭の場合と同様である。複数浸炭、複数浸炭窒化、浸
炭及び浸炭窒化の組み合わせ複数処理により、鉄合金部
品の表面硬度を高めるのみでなく表面組織を緻密なマル
テンサイト結晶粒だけからなる、あるいは緻密な残留オ
ーステナイトが混じるとしても緻密なマルテンサイト結
晶粒からなるものとしており、耐摩耗性の向上、疲労強
度の向上を図ることができる。なお、浸炭窒化の工程を
加えることにより表面から少なくとも100μmの範囲
の組織を、マルテンサイトあるいはさらに残留オーステ
ナイトを含む結晶粒と、この結晶粒境にFeあるいはC
rあるいは両方の炭化物に加え、FeあるいはCrある
いは両方の窒化物を析出させたもので構成するようにで
きる。そして、上記の各実施の形態の加熱及び冷却によ
り、前記炭化物に加え前記窒化物の平均粒径を表面から
少なくとも100μmの範囲で0.5μmから10μm
とすると共に、前記範囲の組織中の前記炭化物あるいは
及び前記窒化物の面積率を1から20%とすることがで
きる。このことにより、耐磨耗性の向上、疲労強度の向
上をより図ることができる。
【0094】またさらに、図13乃至図17のデータは
基材としてSCM420Hを使用した場合のものである
が、図1及び図34乃至図38に記載の全ての構造用鋼
鋼材を基材として、複数浸炭、複数浸炭窒化、浸炭及び
浸炭窒化の組み合わせ複数処理をすることにより、同様
に鉄合金部品の耐摩耗性の向上、疲労強度の向上を図る
ことができる。
【0095】
【発明の効果】以上説明してきたように、各請求項に記
載された発明によれば、鉄合金部品の表面強度を従来よ
り向上させることができ、耐磨耗性及び疲労強度の向上
を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1に係る鋼材種類の記号
と化学成分を示す表図である。
【図2】同実施の形態1に係るマルテンサイト結晶粒度
番号を示す表図である。
【図3】同実施の形態1に係る鋼の状態図である。
【図4】同実施の形態1に係る浸炭方法の説明図であ
る。
【図5】同実施の形態1に係る1回浸炭した場合の鉄合
金部品の表面の金属組織を示す拡大図である。
【図6】同実施の形態1に係る図5に示す金属組織表面
を更に拡大した図である。
【図7】同実施の形態1に係る1回浸炭した場合の鉄合
金部品の中央部の金属組織を示す拡大図である。
【図8】同実施の形態1に係る2回浸炭した場合の鉄合
金部品の表面の金属組織を示す拡大図である。
【図9】同実施の形態1に係る図8に示す金属組織表面
を更に拡大した図である。
【図10】同実施の形態1に係る2回浸炭した場合の鉄
合金部品の中央部の金属組織を示す拡大図である。
【図11】同実施の形態1に係る鉄合金部品の表面を示
す図である。
【図12】同実施の形態1に係る2回浸炭品金属組織中
の炭化物粒子の分散状態を示す表図である。
【図13】同実施の形態1に係る高度曲線図である。
【図14】同実施の形態1に係るマルテンサイト結晶粒
径と107回疲労強度との関係を示すグラフ図である。
【図15】同実施の形態1に係る鉄合金部品の各部にお
ける寿命等を示す表図である。
【図16】同実施の形態1に係る破壊繰り返し数と応力
振幅との関係を示すグラフ図である。
【図17】従来の鉄合金部品の各部における寿命等を示
す表図である。
【図18】従来の鉄合金部品の各部における破壊繰り返
し数と応力振幅との関係を示すグラフ図である。
【図19】この発明の実施の形態2に係る浸炭方法の説
明図である。
【図20】この発明の実施の形態3に係る浸炭方法の説
明図である。
【図21】この発明の実施の形態4に係る浸炭方法の説
明図である。
【図22】この発明の実施の形態5に係る浸炭方法の説
明図である。
【図23】上記各実施の形態1乃至5のマルテンサイト
結晶粒径を示すグラフ図である。
【図24】この発明の実施の形態6に係る一体型のコン
ロッドを示す図で、(a)はコンロッドの正面図、
(b)は(a)のA−A線に沿う断面図、(c)は
(a)のBーB線に沿う断面図である。
【図25】同実施の形態6に係る図24に示すコンロッ
ドの製造工程の図である。
【図26】同実施の形態6に係る分割型のコンロッドを
示す図で、(a)はコンロッドの一部を断面した正面
図、(b)はコンロッドの大端部の分割部分で断面した
図である。
【図27】同実施の形態6に係る図26に示すコンロッ
ドの製造工程の図である。
【図28】同実施の形態6に係るクランク軸を示す図
で、(a)はクランク軸の正面図、(b)は同クランク
軸の一部拡大断面図である。
【図29】同実施の形態6に係る図28に示すクランク
軸の製造工程の図である。
【図30】同実施の形態6に係る減速歯車を示す図で、
(a)は減速歯車の正面図、(b)は(a)のCーC線
に沿う断面図である。
【図31】同実施の形態6に係る図30に示す減速歯車
の製造工程の図である。
【図32】同実施の形態6に係るピストンピンを示す断
面図である。
【図33】同実施の形態6に係る図32に示すピストン
ピンの製造工程の図である。
【図34】この発明のその他の実施の形態に係わる鋼材
種類の記号と化学成分を示す表図である。
【図35】この発明のその他の実施の形態に係わる鋼材
種類の記号と化学成分を示す表図である。
【図36】この発明のその他の実施の形態に係わる鋼材
種類の記号と化学成分を示す表図である。
【図37】この発明のその他の実施の形態に係わる鋼材
種類の記号と化学成分を示す表図である。
【図38】この発明のその他の実施の形態に係わる鋼材
種類の記号と化学成分を示す表図である。
【符号の説明】
1 鉄合金部品 2 マルテンサイト 3 炭化物

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化学成分としてCを0.1から0.5重
    量%、Siを0.1から0.5重量%、Crを0.3から
    1.5重量%、含有する鉄を基材とする鉄合金部品にお
    いて、 表面硬化処理(浸炭あるいは浸炭窒化)により、表面か
    ら少なくとも100μmの範囲の組織を、マルテンサイ
    トあるいはさらに残留オーステナイトを含む結晶粒と、
    この結晶粒境にFeあるいはCrあるいは両方の炭化物
    あるいはさらにFeあるいはCrの窒化物を析出させた
    もので構成し、前記マルテンサイトあるいはさらに残留
    オーステナイトの結晶粒径が、鋼のオーステナイト結晶
    粒度試験方法(JIS G 0551)に規定する粒度
    測定対象表面の顕微鏡による粒度測定方法、及びこの顕
    微鏡測定に基づく平均粒度番号算出方法及び粒度算出方
    法と同一の方法で測定算出する場合、7から10となる
    ようにし、且つ、表面から少なくとも100μmの範囲
    の硬さを少なくともHv700以上としたことを特徴と
    する鉄合金部品。
  2. 【請求項2】 硬さがHv550となる有効硬化深さを
    1から2mmとしたことを特徴とする請求項1記載の鉄
    合金部品。
  3. 【請求項3】 表面から少なくとも100μmの範囲
    で、前記炭化物あるいは及び前記窒化物の平均粒径を表
    面から少なくとも100μmの範囲で0.5μmから1
    0μmとすると共に、前記範囲の組織中の前記炭化物あ
    るいは及び前記窒化物の面積率を1から20%としたこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載の鉄合金部品。
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