JP2000327940A - アゾメチン化合物および油性マゼンタインク - Google Patents

アゾメチン化合物および油性マゼンタインク

Info

Publication number
JP2000327940A
JP2000327940A JP2000024454A JP2000024454A JP2000327940A JP 2000327940 A JP2000327940 A JP 2000327940A JP 2000024454 A JP2000024454 A JP 2000024454A JP 2000024454 A JP2000024454 A JP 2000024454A JP 2000327940 A JP2000327940 A JP 2000327940A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carbon atoms
group
cyano
alkyl
carbon
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000024454A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuyoshi Yamakawa
一義 山川
Masushi Motoki
益司 元木
Naoki Asanuma
直樹 浅沼
Akira Suzuki
亮 鈴木
Tadahisa Sato
忠久 佐藤
Takashi Mikoshiba
尚 御子柴
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP2000024454A priority Critical patent/JP2000327940A/ja
Publication of JP2000327940A publication Critical patent/JP2000327940A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクジェット記録方法のマゼンタインクの
調製に適した油溶性染料を得る。 【解決手段】 下記式(1)で表されるアゾメチン化合
物を用いる。 【化1】 式中、R1 、L1 、L2 、R3 およびR4 の炭素原子数
の合計は、20乃至50である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アゾメチン化合物
に関する。特に本発明は、インクジェット記録方法のマ
ゼンタインクの調製に用いられるアゾメチン化合物に関
する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方法は、非常に微細
なノズルからインクを吐出して、記録材料に付着させ
て、文字や画像を記録する方法である。インクジェット
記録方法は、他の記録方法と比較して、簡単な安価な装
置(インクジェットプリンター)で実施できるとの特徴
がある。インクジェット記録方法の改良が進むにつれて
画質も著しく向上している。現在では、インクジェット
記録方法は、最も普及している画像記録方法の一つであ
る。
【0003】インクジェット記録方法に用いるインク
は、微細なノズルを目詰まりさせないことが必要であ
る。水性インク(染料の水溶液)は、目詰まりが起こり
にくいため、広くインクジェット記録方法に用いられて
いる。しかし、水性インクには、耐水性の問題がある。
水性インクあるいは水溶性染料の耐水性を改善するた
め、様々な手段が提案されている(特開平4−2877
6号、同4−189876号、同4−261478号、
同4−359071号、同4−359072号の各公報
記載)。また、水溶性染料には、耐光性が弱いとの問題
もある。
【0004】以上の問題がある水溶性染料に代えて、油
溶性染料を用いることも提案されている(特開平1−1
70672号、同3−221137号、同7−9616
3号、同8−218015号、同9−3376号、同9
−241565号、同9−286939号、同10−2
79873号の各公報記載)。油溶性染料は、一般にマ
イクロカプセルに封入した状態あるいはポリマーに含浸
した状態で使用する。油溶性染料は耐水性が高いが、色
再現性や保存性に問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】水溶性染料には耐水性
と耐光性に問題があり、油溶性染料には色再現性と保存
性に問題がある。本発明の目的は、色再現性と保存性安
定性が優れた油溶性染料を提供することである。また、
本発明の目的は、インクジェット記録方法のマゼンタイ
ンクの調製に適したアゾメチン化合物を提供することで
もある。さらに、本発明の目的は、インクジェット記録
方法に適する油性マゼンタインクを提供することでもあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、研究の結
果、マゼンタ染料として最適な吸収特性を有するアゾメ
チン化合物を発見した。このアゾメチン化合物は油溶性
であって、インクジェット記録方法のマゼンタインクの
調製に使用できる。よって、本発明の目的は、下記
(1)または(2)のアゾメチン化合物および下記
(3)の油性マゼンタインクにより達成された。 (1)下記式(I)で表わされるアゾメチン化合物:
【0007】
【化4】
【0008】R1 は、炭素原子数が1乃至16のアルキ
ル基であり;R2 は、ハロゲン原子、炭素原子数が1乃
至20のアルキル基、炭素原子数が1乃至20のアルコ
キシ基、炭素原子数が2乃至20のアミド基、炭素原子
数が2乃至20のアルコキシカルボニルアミノ基、ニト
ロまたはシアノであり;R3 は、炭素原子数が1乃至3
0のアルキル基、炭素原子数が6乃至30のアリール
基、炭素原子数が7乃至30のアリールオキシアルキル
基または炭素原子数が3乃至30のアルコキシカルボニ
ルアルキル基であり;R4 は、炭素原子数が1乃至16
のアルキル基であり;L1 は、炭素原子数が1乃至30
のアルキレン基または炭素原子数が6乃至30のアリー
レン基であり;L2 は、−CO−NH−、−SO2 −N
H−、−O−、−O−CO−または−O−CO−NH−
であり;Xは、シアノ、炭素原子数が2乃至19のアル
コキシカルボニル基、炭素原子数が1乃至18のアルキ
ルスルホニル基、炭素原子数が6乃至26のアリールス
ルホニル基、スルファモイル、炭素原子数が1乃至18
のアルキルスルファモイル基または炭素原子数が6乃至
26のアリールスルファモイル基であり;Yは、水素原
子、ハロゲン原子、ヒドロキシ、炭素原子数が1乃至2
0のアルコキシ基、炭素原子数が6乃至20のアリール
オキシ基または炭素原子数が2乃至20のアシルオキシ
基であり;mは、1、2、3または4であり;nは、1
乃至18の整数であり;pは、0、1、2、3または4
であり;そして、R1 、L1 、L2 、R3 およびR4
炭素原子数の合計は、20乃至50である]。 (2)下記式(Ia)で表わされるアゾメチン化合物:
【0009】
【化5】
【0010】[式中、R1 は、炭素原子数が1乃至16
のアルキル基であり;R2 は、ハロゲン原子、炭素原子
数が1乃至20のアルキル基、炭素原子数が1乃至20
のアルコキシ基、炭素原子数が2乃至20のアミド基、
炭素原子数が2乃至20のアルコキシカルボニルアミノ
基、ニトロまたはシアノであり;R3 は、炭素原子数が
1乃至30のアルキル基、炭素原子数が6乃至30のア
リール基、炭素原子数が7乃至30のアリールオキシア
ルキル基または炭素原子数が3乃至30のアルコキシカ
ルボニルアルキル基であり;L1 は、炭素原子数が1乃
至30のアルキレン基または炭素原子数が6乃至30の
アリーレン基であり;L2 は、−CO−NH−、−SO
2 −NH−、−O−、−O−CO−または−O−CO−
NH−であり;Xは、シアノ、炭素原子数が2乃至19
のアルコキシカルボニル基、炭素原子数が1乃至18の
アルキルスルホニル基、炭素原子数が6乃至26のアリ
ールスルホニル基、スルファモイル、炭素原子数が1乃
至18のアルキルスルファモイル基または炭素原子数が
6乃至26のアリールスルファモイル基であり;Yは、
水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ、炭素原子数が1
乃至20のアルコキシ基、炭素原子数が6乃至20のア
リールオキシ基または炭素原子数が2乃至20のアシル
オキシ基であり;mは、1、2、3または4であり;n
は、1乃至18の整数であり;pは、0、1、2、3ま
たは4であり;そして、R1 、L1 、L 2 およびR3
炭素原子数の合計は、20乃至50である]。 (3)上記式(I)で表わされるアゾメチン染料が有機
溶媒中に溶解している油性マゼンタインク。
【0011】
【発明の実施の形態】式(I)で表わされるアゾメチン
化合物は、下記式(Ia)、(Ib)および(Ic)に
分類できる。式(Ia)で表わされるアゾメチン化合物
が特に好ましい。
【0012】
【化6】
【0013】
【化7】
【0014】
【化8】
【0015】式(Ia)、(Ib)および(Ic)にお
いて、R1 は、炭素原子数が1乃至16のアルキル基で
ある。アルキル基の炭素原子数は、1乃至12であるこ
とが好ましく、1乃至8であることがより好ましく、1
乃至6であることがさらに好ましく、1乃至4であるこ
とが最も好ましい。アルキル基は分岐を有していてもよ
い。アルキル基の例には、メチルおよびt−ブチルが含
まれる。
【0016】式(Ia)、(Ib)および(Ic)にお
いて、R2 は、ハロゲン原子、炭素原子数が1乃至20
のアルキル基、炭素原子数が1乃至20のアルコキシ
基、炭素原子数が2乃至20のアミド基、炭素原子数が
2乃至20のアルコキシカルボニルアミノ基、ニトロま
たはシアノである。アルキル基の炭素原子数は、1乃至
12であることが好ましく、1乃至8であることがより
好ましく、1乃至4であることがさらに好ましく、1ま
たは2であることが最も好ましい。アルキル基は、分岐
を有していてもよい。アルキル基の例には、メチルおよ
びエチルが含まれる。アルコキシ基の炭素原子数は、1
乃至12であることが好ましく、1乃至8であることが
より好ましく、1乃至4であることがさらに好ましく、
1または2であることが最も好ましい。アルコキシ基
は、分岐を有していてもよい。アルコキシ基の例には、
メトキシが含まれる。アミド基の炭素原子数は、2乃至
12であることが好ましく、2乃至8であることがより
好ましく、2乃至6であることがさらに好ましく、3ま
たは4であることが最も好ましい。アミド基の例には、
アセトアミドが含まれる。アルコキシカルボニルアミノ
基の炭素原子数は、2乃至12であることが好ましく、
2乃至8であることがより好ましく、2乃至6であるこ
とがさらに好ましく、2または3であることが最も好ま
しい。アルコキシカルボニルアミノ基の例には、メトキ
シカルボニルアミノが含まれる。
【0017】式(Ia)、(Ib)および(Ic)にお
いて、R3 は、炭素原子数が1乃至30のアルキル基、
炭素原子数が6乃至30のアリール基、炭素原子数が7
乃至30のアリールオキシアルキル基または炭素原子数
が3乃至30のアルコキシカルボニルアルキル基であ
る。アルキル基の炭素原子数は、2乃至25であること
が好ましく、3乃至20であることがさらに好ましく、
4乃至16であることが最も好ましい。アルキル基は、
分岐を有していてもよい。アリール基の例には、フェニ
ルおよびナフチルが含まれる。フェニルが好ましい。ア
リール基は、置換基を有していてもよい。アリール基の
置換基の例には、ハロゲン原子、炭素原子数が1乃至2
4のアルキル基および炭素原子数が1乃至24のアルコ
キシ基が含まれる。アリール基の炭素原子数(6乃至3
0)は、置換基を含む総炭素原子数である。アリール基
の炭素原子数は、6乃至25であることが好ましく、6
乃至20であることがさらに好ましく、6乃至16であ
ることが最も好ましい。アリールオキシアルキル基のア
ルキル部分は、分岐を有していてもよい。アリールオキ
シアルキル基のアリール部分は、フェニルであることが
好ましい。アリール部分は、置換基を有していてもよ
い。アリール部分の置換基の例にはハロゲン原子、炭素
原子数が1乃至23のアルキル基および炭素原子数が1
乃至23のアルコキシ基が含まれる。アリールオキシア
ルキル基の炭素原子数(7乃至30)は、置換基を含む
総炭素原子数である。アリールオキシアルキル基の炭素
原子数は、7乃至25であることが好ましく、7乃至2
0であることがさらに好ましく、7乃至16であること
が最も好ましい。アルコキシカルボニルアルキル基の炭
素原子数は、3乃至25であることが好ましく、4乃至
20であることがさらに好ましく、5乃至16であるこ
とが最も好ましい。アルコキシカルボニルアルキル基の
二つのアルキル部分は、分岐を有していてもよい。
【0018】式(Ic)において、R4 は、炭素原子数
が1乃至16のアルキル基である。アルキル基の炭素原
子数は、1乃至12であることが好ましく、1乃至8で
あることがより好ましく、1乃至6であることがさらに
好ましく、1乃至4であることが最も好ましい。アルキ
ル基は分岐を有していてもよい。アルキル基の例には、
メチルおよびエチルが含まれる。
【0019】式(Ia)、(Ib)および(Ic)にお
いて、L1 は、炭素原子数が1乃至30のアルキレン基
または炭素原子数が6乃至30のアリーレン基である。
アルキレン基の炭素原子数は、1乃至25であることが
好ましく、2乃至20であることがさらに好ましく、2
乃至16であることが最も好ましい。アルキレン基は、
分岐を有していてもよい。アリーレン基の例には、フェ
ニレンおよびナフチレンが含まれる。フェニレンが好ま
しい。アリーレン基は、置換基を有していてもよい。ア
リーレン基の置換基の例には、ハロゲン原子、炭素原子
数が1乃至24のアルキル基および炭素原子数が1乃至
24のアルコキシ基が含まれる。アリーレン基の炭素原
子数(6乃至30)は、置換基を含む総炭素原子数であ
る。アリーレン基の炭素原子数は、6乃至25であるこ
とが好ましく、6乃至20であることがさらに好まし
く、6乃至16であることが最も好ましい。
【0020】式(Ia)、(Ib)および(Ic)にお
いて、L2 は、−CO−NH−、−SO2 −NH−、−
O−、−O−CO−または−O−CO−NH−である。
左側がR3 に、右側がL1 に結合する。
【0021】式(Ia)、(Ib)および(Ic)にお
いて、Xは、シアノ、炭素原子数が2乃至19のアルコ
キシカルボニル基、炭素原子数が1乃至18のアルキル
スルホニル基、炭素原子数が6乃至26のアリールスル
ホニル基、スルファモイル、炭素原子数が1乃至18の
アルキルスルファモイル基または炭素原子数が6乃至2
6のアリールスルファモイル基である。シアノおよび炭
素原子数が2乃至19のアルコキシカルボニル基が好ま
しく、シアノが最も好ましい。アルコキシカルボニル基
の炭素原子数は、2乃至8であることが好ましい。アル
コキシカルボニル基の例には、メトキシカルボニルおよ
びドデシルオキシカルボニルが含まれる。アルキルスル
ホニル基の炭素原子数は、1乃至7であることが好まし
い。アルキルスルホニル基の例には、メタンスルホニル
が含まれる。アリールスルホニル基のアリール部分は、
フェニルであることが好ましい。アリール部分は、置換
基を有していてもよい。アリール部分の置換基の例には
ハロゲン原子、炭素原子数が1乃至20のアルキル基お
よび炭素原子数が1乃至20のアルコキシ基が含まれ
る。アリールスルホニル基の炭素原子数(6乃至26)
は、置換基を含む総炭素原子数である。アリールスルホ
ニル基の炭素原子数は、6乃至15であることが好まし
い。アリールスルホニル基の例には、ベンゼンスルホニ
ルが含まれる。アルキルスルファモイル基の炭素原子数
は、1乃至9であることが好ましい。アルキルスルファ
モイルの例には、メチルスルファモイルが含まれる。ア
リールスルファモイル基のアリール部分は、フェニルで
あることが好ましい。アリール部分は、置換基を有して
いてもよい。アリール部分の置換基の例にはハロゲン原
子、炭素原子数が1乃至20のアルキル基および炭素原
子数が1乃至20のアルコキシ基が含まれる。アリール
スルファモイル基の炭素原子数(6乃至26)は、置換
基を含む総炭素原子数である。アリールスルファモイル
基の炭素原子数は、6乃至15であることが好ましい。
アリールスルファモイル基の例には、フェニルスルファ
モイルが含まれる。
【0022】式(Ia)、(Ib)および(Ic)にお
いて、Yは、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ、炭
素原子数が1乃至20のアルコキシ基、炭素原子数が6
乃至20のアリールオキシ基または炭素原子数が2乃至
20のアシルオキシ基である。水素原子が特に好まし
い。アルコキシ基の炭素原子数は、1乃至12であるこ
とが好ましく、1乃至8であることがより好ましく、1
乃至4であることがさらに好ましく、1または2である
ことが最も好ましい。アルコキシ基は、分岐を有してい
てもよい。アルコキシ基の例には、メトキシおよびエト
キシが含まれる。アリールオキシ基のアリール部分は、
フェニルであることが好ましい。アリール部分は、置換
基を有していてもよい。アリール部分の置換基の例には
ハロゲン原子、炭素原子数が1乃至14のアルキル基お
よび炭素原子数が1乃至14のアルコキシ基が含まれ
る。アリールオキシ基の炭素原子数(6乃至20)は、
置換基を含む総炭素原子数である。アリールオキシ基の
炭素原子数は、6乃至15であることが好ましい。アリ
ールオキシ基の例には、フェノキシが含まれる。アシル
オキシ基の炭素原子数は、1乃至12であることが好ま
しく、1乃至8であることがより好ましく、1乃至4で
あることがさらに好ましく、2または3であることが最
も好ましい。アシルオキシ基の例には、アセトキシが含
まれる。
【0023】式(Ia)、(Ib)および(Ic)にお
いて、mは、1、2、3または4である。1、2または
3であることが好ましく、1または2であることがさら
に好ましい。mが2以上の場合、(CH2 m は、直鎖
状アルキレン基を意味する。
【0024】式(Ia)、(Ib)および(Ic)にお
いて、nは、1乃至18の整数である。nは、1乃至1
4であることが好ましく、1乃至10であることがより
好ましく、1乃至8であることがさらに好ましく、1乃
至6であることが最も好ましい。nが2以上の場合、C
n 2nで表されるアルキレン基は、分岐を有していても
よい。
【0025】式(Ia)、(Ib)および(Ic)にお
いて、pは、0、1、2、3または4である。pは、
0、1、2または3であることが好ましく、0、1また
は2であることがより好ましく、0または1であること
がさらに好ましく、0であることが最も好ましい。pが
2以上の場合、複数のR2 は、互いに異なっていてもよ
い。
【0026】式(Ia)および(Ib)および(Ic)
において、R1 、L1 、L2 およびR3 の炭素原子数の
合計は、20乃至50である。式(Ic)において、R
1 、L1 、L2 、R3 およびR4 の炭素原子数の合計
は、20乃至50である。炭素原子数の合計は、25乃
至45であることが好ましい。また、式(I)で表わさ
れるアゾメチン化合物は、600乃至2000の分子量
を有することが好ましく、800乃至1500の分子量
を有することがさらに好ましい。
【0027】以下に、式(I)で表わされるアゾメチン
化合物の例を挙げる。
【0028】
【化9】
【0029】(Ia−1) R1 :CH3 、R21:H、R22:H、R3 :1−(2,
4−ジ−t−ペンチルフェノキシ)ヘプチル、L1 :−
CH2 −CH(CH3 )−、L2 :−CO−NH−、
X:シアノ、Y:H、m:2、n:2 R1 、L1 、L2 およびR3 の炭素原子数の合計:28
【0030】(Ia−2) R1 :CH3 、R21:H、R22:H、R3 :2−オクチ
ルオキシ−5−t−オクチルフェニル、L1 :−CH2
−CH(CH3 )−、L2 :−SO2 −NH−、X:シ
アノ、Y:H、m:2、n:4 R1 、L1 、L2 およびR3 の炭素原子数の合計:26
【0031】(Ia−3) R1 :CH3 、R21:H、R22:H、R3 :2−オクチ
ルオキシ−5−(2−オクチルオキシ−5−t−オクチ
ルフェニルスルホンアミド)フェニル、L1 :−CH2
−CH(CH3 )−、L2 :−SO2 −NH−、X:シ
アノ、Y:H、m:2、n:1 R1 、L1 、L2 およびR3 の炭素原子数の合計:40
【0032】(Ia−4) R1 :CH3 、R21:H、R22:H、R3 :2−テトラ
デシルオキシカルボニルエチル、L1 :−CH2 −CH
(CH3 )−、L2 :−CO−NH−、X:エトキシカ
ルボニル、Y:H、m:2、n:4 R1 、L1 、L2 およびR3 の炭素原子数の合計:22
【0033】(Ia−5) R1 :CH3 、R21:CH3 、R22:H、R3 :ペンタ
デシル、L1 :−1,4−フェニレン−、L2 :−CO
−NH−、X:シアノ、Y:H、m:2、n:4 R1 、L1 、L2 およびR3 の炭素原子数の合計:23
【0034】(Ia−6) R1 :CH3 、R21:CH3 、R22:H、R3 :1−
(2,4−ジ−t−ペンチルフェノキシ)ヘプチル、L
1 :−CH2 −CH(CH3 )−、L2 :−CO−NH
−、X:シアノ、Y:OH、m:2、n:2 R1 、L1 、L2 およびR3 の炭素原子数の合計:28
【0035】(Ia−7) R1 :CH3 、R21:H、R22:H、R3 :オクタデシ
ル、L1 :−CH2 CH2 −、L2 :−O−、X:メト
キシカルボニル、Y:H、m:1、n:2 R1 、L1 、L2 およびR3 の炭素原子数の合計:21
【0036】(Ia−8) R1 :CH3 、R21:H、R22:H、R3 :ヘキサデシ
ル、L1 :−1,3−フェニレン−、L2 :−O−CO
−、X:シアノ、Y:H、m:3、n:4 R1 、L1 、L2 およびR3 の炭素原子数の合計:24
【0037】(Ia−9) R1 :t−C4 9 、R21:H、R22:H、R3 :1−
(2,4−ジ−t−ペンチルフェノキシ)ペンチル、L
1 :−CH2 −CH(CH3 )−、L2 :−CO−NH
−、X:シアノ、Y:H、m:2、n:2 R1 、L1 、L2 およびR3 の炭素原子数の合計:29
【0038】(Ia−10) R1 :t−C4 9 、R21:H、R22:H、R3 :2−
(2−メトキシ)エトキシ−5−t−オクチルフェニ
ル、L1 :−CH2 −CH(CH3 )−、L2 :−SO
2 −NH−、X:シアノ、Y:H、m:2、n:4 R1 、L1 、L2 およびR3 の炭素原子数の合計:24
【0039】(Ia−11) R1 :t−C4 9 、R21:H、R22:H、R3 :トリ
デシル、L1 :−1,3−フェニレン−、L2 :−CO
−NH−、X:シアノ、Y:H、m:2、n:2 R1 、L1 、L2 およびR3 の炭素原子数の合計:24
【0040】(Ia−12) R1 :t−C4 9 、R21:H、R22:H、R3 :2−
テトラデシルオキシカルボニルエチル、L1 :−1,4
−フェニレン−、L2 :−CO−NH−、X:シアノ、
Y:H、m:2、n:4 R1 、L1 、L2 およびR3 の炭素原子数の合計:28
【0041】(Ia−13) R1 :t−C4 9 、R21:H、R22:H、R3 :1−
(2,4−ジ−t−ペンチルフェノキシ)へプチル、L
1 :−1,4−フェニレン−、L2 :−CO−NH−、
X:シアノ、Y:H、m:2、n:2 R1 、L1 、L2 およびR3 の炭素原子数の合計:34
【0042】(Ia−14) R1 :t−C4 9 、R21:H、R22:H、R3 :1−
(2,4−ジ−t−ペンチルフェノキシ)へプチル、L
1 :−1,4−フェニレン−、L2 :−CO−NH−、
X:シアノ、Y:H、m:2、n:4 R1 、L1 、L2 およびR3 の炭素原子数の合計:34
【0043】(Ia−15) R1 :t−C4 9 、R21:CH3 、R22:H、R3
1−(2,4−ジ−t−ペンチルフェノキシ)へプチ
ル、L1 :−1,4−フェニレン−、L2 :−CO−N
H−、X:シアノ、Y:OH、m:2、n:2 R1 、L1 、L2 およびR3 の炭素原子数の合計:34
【0044】(Ia−16) R1 :t−C4 9 、R21:CH3 、R22:H、R3
2−テトラデシルオキシカルボニルエチル、L1 :−
1,4−フェニレン−、L2 :−CO−NH−、X:シ
アノ、Y:H、m:2、n:4 R1 、L1 、L2 およびR3 の炭素原子数の合計:28
【0045】(Ia−17) R1 :t−C4 9 、R21:CH3 、R22:H、R3
ヘプタデシル、L1 :−1,2−フェニレン−、L2
−CO−NH−、X:メトキシカルボニル、Y:H、
m:1、n:1 R1 、L1 、L2 およびR3 の炭素原子数の合計:28
【0046】(Ia−18) R1 :t−C4 9 、R21:NHCOCH3 、R22
H、R3 :ヘキサデシル、L1 :−1,3−フェニレン
−、L2 :−SO2 −NH−、X:シアノ、Y:アセト
キシ、m:1、n:2 R1 、L1 、L2 およびR3 の炭素原子数の合計:26
【0047】(Ia−19) R1 :t−C4 9 、R21:OCH3 、R22:H、
3 :オクタデシル、L1:−1,4−フェニレン−、
2 :−O−、X:スルファモイル、Y:フェノキシ、
m:3、n:2 R1 、L1 、L2 およびR3 の炭素原子数の合計:28
【0048】(Ia−20) R1 :t−C4 9 、R21:H、R22:OCH3
3 :ヘキサデシル、L1:−3−クロロ−1,4−フ
ェニレン−、L2 :−O−、X:メタンスルホニル、
Y:メトキシ、m:4、n:2 R1 、L1 、L2 およびR3 の炭素原子数の合計:26
【0049】(Ia−21) R1 :C2 5 、R21:H、R22:H、R3 :ペンタデ
シル、L1 :−CH2−CH(CH3 )−、L2 :−C
O−NH−、X:シアノ、Y:H、m:2、n:2 R1 、L1 、L2 およびR3 の炭素原子数の合計:21
【0050】(Ia−22) R1 :C3 7 、R21:H、R22:H、R3 :ペンタデ
シル、L1 :−CH2−CH(CH3 )−、L2 :−C
O−NH−、X:シアノ、Y:H、m:2、n:4 R1 、L1 、L2 およびR3 の炭素原子数の合計:22
【0051】(Ia−23) R1 :C7 15、R21:CH3 、R22:H、R3 :2−
テトラデシルオキシカルボニルエチル、L1 :−1,4
−フェニレン−、L2 :−CO−NH−、X:シアノ、
Y:H、m:2、n:4 R1 、L1 、L2 およびR3 の炭素原子数の合計:31
【0052】(Ia−24) R1 :C4 9 、R21:H、R22:H、R3 :2−テト
ラデシルオキシカルボニルエチル、L1 :−1,4−フ
ェニレン−、L2 :−CO−NH−、X:ブトキシカル
ボニル、Y:H、m:2、n:2 R1 、L1 、L2 およびR3 の炭素原子数の合計:28
【0053】(Ia−25) R1 :C3 7 、R21:H、R22:H、R3 :2−テト
ラデシルオキシカルボニルエチル、L1 :−1,4−フ
ェニレン−、L2 :−CO−NH−、X:シアノ、Y:
OH、m:3、n:2 R1 、L1 、L2 およびR3 の炭素原子数の合計:27
【0054】(Ia−26) R1 :C2 5 、R21:H、R22:H、R3 :2−テト
ラデシルオキシカルボニルエチル、L1 :−1,4−フ
ェニレン−、L2 :−CO−NH−、X:シアノ、Y:
メトキシ、m:3、n:2 R1 、L1 、L2 およびR3 の炭素原子数の合計:26
【0055】
【化10】
【0056】(Ib−1) R1 :CH3 、R2:H、R3 :1−(2,4−ジ−t
−ブチルフェノキシ)ヘプチル、L1 :−1,3−フェ
ニレン−、L2 :−CO−NH−、X:メタンスルホニ
ル、Y:H、m:2、n:4 R1 、L1 、L2 およびR3 の炭素原子数の合計:29
【0057】(Ib−2) R1 :CH3 、R2:CH3 、R3 :テトラデシル、L
1 :−3−クロロ−1,4−フェニレン−、L2 :−O
−、X:シアノ、Y:OH、m:2、n:2 R1 、L1 、L2 およびR3 の炭素原子数の合計:21
【0058】(Ib−3) R1 :CH3 、R2:NHCO2 CH3 、R3 :ヘキサ
デシル、L1 :−1,2−フェニレン−、L2 :−O
−、X:スルファモイル、Y:H、m:2、n:1 R1 、L1 、L2 およびR3 の炭素原子数の合計:23
【0059】(Ib−4) R1 :CH3 、R2:CN、R3 :ペンタデシル、
1 :−CH2 −CH(CH3 )−、L2 :−CO−N
H−、X:N,N−ジメチルスルファモイル、Y:H、
m:4、n:1 R1 、L1 、L2 およびR3 の炭素原子数の合計:20
【0060】
【化11】
【0061】(Ic−1) R1 :CH3 、R3 :ヘプタデシル、R4 :CH3 、L
1 :−CH2 −CH(CH3 )−、L2 :−CO−NH
−、X:シアノ、Y:H、m:2、n:4 R1 、L1 、L2 、R3 およびR4 の炭素原子数の合
計:23
【0062】(Ic−2) R1 :t−C4 9 、R3 :2−テトラデシルオキシカ
ルボニルエチル、R4:C2 5 、L1 :−1,4−フ
ェニレン−、L2 :−O−CO−NH−、X:シアノ、
Y:H、m:2、n:4 R1 、L1 、L2 、R3 およびR4 の炭素原子数の合
計:30
【0063】式(I)で表わされるアゾメチン化合物
は、特開平4−126772号公報に記載された方法を
参考にして合成することができる。すなわち、下記式
(II)で表されるアゾール系化合物と、下記式(III)で
表されるp−フェニレンジアミン系化合物とを、酸化的
条件下で反応させることにより合成できる。
【0064】
【化12】
【0065】式中、Z1 、Z2 、R1 、R2 、X、Y、
m、nおよびpは、式(I)と同じ定義を有し;そし
て、Rは、反応において離脱可能な基(例、水素原子、
ハロゲン原子、ヘテロ環基、アリールオキシ基)であ
る。式(I)で表わされるアゾメチン化合物には、染料
としての耐光性が優れているとの特徴があるが、褪色防
止剤を使用するとさらに耐光性を向上させることができ
る。褪色防止剤については、色材70,797(199
7)に記載がある。褪色防止剤としては、スピロクロマ
ンおよびスピロインダンが特に好ましい。
【0066】式(I)で表わされるアゾメチン化合物
は、マゼンタ染料、特に油溶性マゼンタインクとして特
に好ましく用いられる。さらに、この油溶性マゼンタイ
ンクは、インクジェット記録方法のマゼンタインクとし
て特に適している。インクジェット記録方法の油性マゼ
ンタインクは、公知文献(例えば、特開平3−2319
75号、同11−158422号、同11−17218
3号の各公報)の記載を参照して、容易に調製すること
ができる。
【0067】油性マゼンタインクの調製に用いる有機溶
媒としては、炭化水素、アルコール、ケトン、エーテ
ル、エーテル、エステル、ニトリル、アミド、スルホキ
シドあるいはスルホンを用いることができる。エステル
およびケトンが特に好ましい。炭化水素の例には、石油
エーテル、石油ベンジル、テトラリン、デリカン、1−
アミルベンゼンおよびジメチルナフタリンが含まれる。
アルコールの例には、例、エタノール、ペンタノール、
ヘプタノール、オクタノール、シクロヘキサノール、ベ
ンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、フェニ
ルプロピルアルコール、アニスアルコール、エチレング
リコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ
フェニルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエ
ーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プ
ロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレング
リコールモノフェニルエーテル、ジプロピレングリコー
ルモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエ
チルエーテルおよびトリエチレングリコールモノエチル
エーテルが含まれる。ケトンの例には、メチルエチルケ
トン、ベンジルメチルケトン、ジアセトンアルコールお
よびシクロヘキサノンが含まれる。エーテルの例には、
ブチルフェニルエーテル、ベンジルエチルエーテルおよ
びヘキシルエーテルが含まれる。
【0068】エステルの例には、酢酸エチル、酢酸アミ
ル、酢酸ベンジル、酢酸フェニルエチル、酢酸フェノキ
シエチル、フェニル酢酸エチル、プロピオン酸ベンジ
ル、安息香酸エチル、安息香酸ブチル、ラウリン酸エチ
ル、ラウリン酸ブチル、ミリスチン酸イソプロピル、パ
ルミチン酸イソプロピル、リン酸トリエチル、リン酸ト
リブチル、フタル酸ジエチル、マロン酸ジエチル、マロ
ン酸ジプロピル、ジエチルマロン酸ジエチル、コハク酸
ジエチル、コハク酸ジブチル、グルタル酸ジエチル、ア
ジピン酸ジエチル、アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジ
(2−メトキシエチル)、セバシン酸ジエチル、マレイ
ン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル、マレイン酸ジオク
チル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジオクチル、ケイ皮
酸3−ヘキセニル、エチレングリコールジアセテート、
エチレングリコールモノエチルエーテルアセテートおよ
びプロピレングリコールジアセテートが含まれる。ニト
リルの例には、アセトニトリルが含まれる。アミドの例
には、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、
N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロ
リドン、N−ビニル−2−ピロリドンおよびN,N−ジ
エチルドデカンアミドが含まれる。スルホキシドの例に
は、ジメチルスルホキシドが含まれる。スルホンの例に
は、スルホランが含まれる。二種類以上の有機溶媒を併
用してもよい。
【0069】油性マゼンタインク中のアゾメチン化合物
濃度は、0.2乃至20重量%であることが好ましく、
0.5乃至10重量%であることがさらに好ましい。
【0070】油性マゼンタインクには、アゾメチン化合
物および有機溶媒以外の添加剤を加えてもよい。他の添
加剤の例には、粘度調整剤、表面張力調整剤、比抵抗調
整剤、被膜調整剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、褪色防
止剤、防黴剤、防錆剤、分散剤および界面活性剤が含ま
れる。
【0071】インクジェット記録方法では、以上の油性
マゼンタインク(インクジェック用インク)を、液滴状
に噴射して記録紙(受像材料)上に画像を記録する。イ
ンクジェット記録方法に用いる場合、油性マゼンタイン
クは、粘度を40cp以下に調整することが好ましい。
また、表面張力を20乃至100dyn/cmに調整す
ることが好ましい。フルカラー画像を形成するために、
油性マゼンタインクに加えて、油性シアンインクおよび
油性イエローインクを用いることができる。また、色調
を整えるために、さらに油性ブラックインクを用いても
よい。インクジェット記録用紙としては、画質および画
像保存耐久性の観点から、コート紙を用いることが望ま
しい。また、ポリマー媒染剤を含有する記録紙を用いる
ことが望ましい。さらに、無機顔料を記録紙に添加して
もよい。インクジェット記録用紙は、親水性バインダー
を含む親水性層をインク受容層として有することが好ま
しい。親水性バインダーは、硬膜剤で硬化させることが
好ましい。また、インクジェット記録用紙は、マット剤
を含むことができる。インクジェット記録用紙の構成層
に、界面活性剤または有機フルオロ化合物を添加しても
よい。インクジェット記録用紙の構成層には、ポリマー
ラテックスを添加することもできる。インクジェット記
録用紙の構成層に、退色防止剤や蛍光増白剤を添加して
もよい。
【0072】インクジェット記録方法には、連続方式と
オンデマンド方式がある。インクジェットのヘッドの方
式には、バブルジェット方式、サーマルジェット方式お
よび超音波を用いた方式がある。インクジェット記録方
式には、フォトインクと称する濃度の低いインクを小さ
い体積で多数射出する方式、実質的に同じ色相で濃度の
異なる複数のインクを用いて画質を改良する方式や無色
透明のインクを用いる方式が含まれる。
【0073】
【実施例】[実施例1]
【0074】
【化13】
【0075】アゾメチン化合物(Ia−12)の合成 2−[4−{3−(テトラデシルオキシカルボニル)プ
ロパノイルアミノ}フェニル]−6−tert−ブチル−7
−クロロピラゾロ[1,5−b][1,2,4]トリア
ゾール87.9gを酢酸エチル1000mlに溶解し、
これにメタノール400mlと炭酸ナトリウム100g
を水750mlに溶解した水溶液を加えた。さらに4−
アミノ−N−ブチル−N−(2−シアノエチル)アニリ
ン39.1gを加え、これに過硫酸アンモニウム50.
0gを水300mlに溶解した水溶液を1.5時間かけ
てゆっくり滴下した。滴下後、1時間反応を行い、酢酸
エチル1000mlおよび水1000mlを加えて、分
液した。有機相を1500mlの水で二回水洗したの
ち、溶媒を留去し、得られた油状物にアセトニトリル3
00mlを加え、析出した結晶を濾別した。これを風乾
したのち、メタノール300mlを加え、再結晶して、
アゾメチン化合物(Ia−12)を45.0g(収率:
40%)得た。融点は、118−119℃であった。な
お、出発物質である2−[4−{3−(テトラデシルオ
キシカルボニル)プロパノイルアミノ}フェニル]−6
−tert−ブチル−7−クロロピラゾロ[1,5−b]
[1,2,4]トリアゾールは、特公平7−14941
号公報に記載の方法を参照して合成した。また、4−ア
ミノ−N−ブチル−N−(2−シアノエチル)アニリン
は、N−(2−シアノエチル)アニリンから、公知の方
法(ブチル化、ニトロソ化、還元)により合成した。
【0076】[実施例2]
【0077】
【化14】
【0078】アゾメチン化合物(Ia−4)の合成 N−ブチルアニリンとエチルアクリレートとを反応さ
せ、N−ブチル−N−(2−エトキシカルボニルエチ
ル)アニリンを合成した。これを、ニトロソ化し、さら
に還元することにより、4−アミノ−N−ブチル−N−
(2−エトキシカルボニルエチル)アニリンを合成し
た。これを用いて、実施例1と同様の方法でアゾメチン
化合物(Ia−4)を合成した。
【0079】[実施例3]
【0080】
【化15】
【0081】
【化16】
【0082】
【化17】
【0083】
【化18】
【0084】
【化19】
【0085】アゾメチン化合物の合成 実施例1または2と類似の方法で、アゾメチン化合物
(Ia−1)、(Ia−6)、(Ia−13)、(Ia
−14)および(Ia−15)を合成した。アゾメチン
化合物(Ia−1)および(Ia−6)の融点は室温以
下(常温で油状液体)であった。アゾメチン化合物(I
a−13)の融点は、132−133℃であった。アゾ
メチン化合物(Ia−14)の融点は、119−120
℃であった。アゾメチン化合物(Ia−15)の融点
は、118−120℃であった。
【0086】[実施例4]油性マゼンタインクの調製 実施例1および3で合成したアゾメチン化合物(Ia−
1)、(Ia−6)、(Ia−12)、(Ia−1
3)、(Ia−14)および(Ia−15)を、酢酸エ
チルに溶解させたところ、いずれも10重量%以上の溶
解度を示し、油性マゼンタインクが得られた。また、ア
ゾメチン化合物(Ia−1)、(Ia−6)、(Ia−
12)、(Ia−13)、(Ia−14)および(Ia
−15)を、メチルエチルケトンに溶解させたところ、
いずれも10重量%以上の溶解度を示し、油性マゼンタ
インクが得られた。
【0087】[実施例5]吸収極大およびモル吸光係数の測定 実施例4で得られたアゾメチン化合物(Ia−1)、
(Ia−6)、(Ia−12)、(Ia−13)、(I
a−14)および(Ia−15)の酢酸エチル溶液(油
性マゼンタインク)を用いて、溶液中の可視吸収の吸収
極大(λmax)とモル吸光係数(ε)を測定した。結
果を第1表に示す。
【0088】
【表1】 第1表 ──────────────────────────────────── アゾメチン化合物 吸収極大(λmax) モル吸光係数(ε) ──────────────────────────────────── (Ia−1) 512nm 5.0×104 (Ia−6) 522nm 5.2×104 (Ia−12) 519nm 4.8×104 (Ia−13) 517nm 4.6×104 (Ia−14) 520nm 4.8×104 (Ia−15) 532nm 4.9×104 ────────────────────────────────────
【0089】[実施例6]溶解度の測定 フタ付き試験管に、アゾメチン化合物(Ia−6)、
(Ia−12)および(Ia−14)を、それぞれ60
0mgずつ秤量し、これに酢酸エチル2mlを加え、超
音波洗浄機にて30分間処理した後、65℃にて1時間
加熱攪拌した。室温に戻し、25℃の恒温槽にて20時
間放置した。ポアサイズ0.2μmのマイクロフィルタ
ーを用いて固体を濾別し、油性マゼンタインクを得た。
濾液の重量と濾液の濃縮物の重量から溶解度を算出しよ
うとしたところ、固体(結晶)の析出が全く認められ
ず、30重量%以上の非常に高い溶解度であることだけ
が確認できた。
【0090】[比較例1]溶解度の測定 フタ付き試験管に、下記のアゾメチン化合物(X−
1)、(X−2)、(X−3)および(X−4)を、そ
れぞれ30mgずつ秤量し、これに酢酸エチル2mlを
加え、超音波洗浄機にて30分間処理した後、65℃に
て1時間加熱攪拌した。室温に戻し、25℃の恒温槽に
て20時間放置した。ポアサイズ0.2μmのマイクロ
フィルターを用いて固体を濾別し、油性マゼンタインク
を得た。
【0091】
【化20】
【0092】
【化21】
【0093】
【化22】
【0094】
【化23】
【0095】なお、アゾメチン化合物(X−1)、(X
−2)、(X−3)および(X−4)は、特開平4−1
78646号公報の11〜13頁に記載の化合物1、
6、16および18にそれぞれ相当する。濾液の重量と
濾液の濃縮物の重量から溶解度を算出した。結果を第2
表に示す。
【0096】[比較例2]吸収極大の測定 比較例1で得られたアゾメチン化合物(X−1)、(X
−2)、(X−3)および(X−4)の酢酸エチル溶液
(油性マゼンタインク)を用いて、溶液中の可視吸収の
吸収極大(λmax)を測定した。結果を第2表に示
す。
【0097】
【表2】 第2表 ──────────────────────────────────── アゾメチン化合物 吸収極大(λmax) 溶解度 ──────────────────────────────────── (Ia−6) 522nm 30.2重量%以上 (Ia−12) 519nm 30.1重量%以上 (Ia−14) 520nm 30.1重量%以上 (X−1) 504nm 0.18重量% (X−2) 520nm 0.29重量% (X−3) 511nm 1.72重量% (X−4) 536nm 0.63重量% ────────────────────────────────────
【0098】
【発明の効果】本発明のアゾメチン化合物は、マゼンタ
染料として最適な特性を有し、溶解性が優れている。従
って、インクジェット画像記録方法のマゼンタインクの
調製に、本発明のアゾメチン化合物を特に有利に用いる
ことができる。さらに、本発明のアゾメチン化合物に
は、光や熱に対して安定であるとの特徴もある。すなわ
ち、マゼンタ染料としての耐光性や耐熱性が優れてい
る。
フロントページの続き (72)発明者 浅沼 直樹 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内 (72)発明者 鈴木 亮 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内 (72)発明者 佐藤 忠久 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内 (72)発明者 御子柴 尚 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(I)で表わされるアゾメチン化
    合物: 【化1】 1 は、炭素原子数が1乃至16のアルキル基であり;
    2 は、ハロゲン原子、炭素原子数が1乃至20のアル
    キル基、炭素原子数が1乃至20のアルコキシ基、炭素
    原子数が2乃至20のアミド基、炭素原子数が2乃至2
    0のアルコキシカルボニルアミノ基、ニトロまたはシア
    ノであり;R3 は、炭素原子数が1乃至30のアルキル
    基、炭素原子数が6乃至30のアリール基、炭素原子数
    が7乃至30のアリールオキシアルキル基または炭素原
    子数が3乃至30のアルコキシカルボニルアルキル基で
    あり;R4 は、炭素原子数が1乃至16のアルキル基で
    あり;L1 は、炭素原子数が1乃至30のアルキレン基
    または炭素原子数が6乃至30のアリーレン基であり;
    2 は、−CO−NH−、−SO2 −NH−、−O−、
    −O−CO−または−O−CO−NH−であり;Xは、
    シアノ、炭素原子数が2乃至19のアルコキシカルボニ
    ル基、炭素原子数が1乃至18のアルキルスルホニル
    基、炭素原子数が6乃至26のアリールスルホニル基、
    スルファモイル、炭素原子数が1乃至18のアルキルス
    ルファモイル基または炭素原子数が6乃至26のアリー
    ルスルファモイル基であり;Yは、水素原子、ハロゲン
    原子、ヒドロキシ、炭素原子数が1乃至20のアルコキ
    シ基、炭素原子数が6乃至20のアリールオキシ基また
    は炭素原子数が2乃至20のアシルオキシ基であり;m
    は、1、2、3または4であり;nは、1乃至18の整
    数であり;pは、0、1、2、3または4であり;そし
    て、R1 、L1 、L2 、R3 およびR4 の炭素原子数の
    合計は、20乃至50である]。
  2. 【請求項2】 下記式(Ia)で表わされるアゾメチン
    化合物: 【化2】 [式中、R1 は、炭素原子数が1乃至16のアルキル基
    であり;R2 は、ハロゲン原子、炭素原子数が1乃至2
    0のアルキル基、炭素原子数が1乃至20のアルコキシ
    基、炭素原子数が2乃至20のアミド基、炭素原子数が
    2乃至20のアルコキシカルボニルアミノ基、ニトロま
    たはシアノであり;R3 は、炭素原子数が1乃至30の
    アルキル基、炭素原子数が6乃至30のアリール基、炭
    素原子数が7乃至30のアリールオキシアルキル基また
    は炭素原子数が3乃至30のアルコキシカルボニルアル
    キル基であり;L1 は、炭素原子数が1乃至30のアル
    キレン基または炭素原子数が6乃至30のアリーレン基
    であり;L2 は、−CO−NH−、−SO2 −NH−、
    −O−、−O−CO−または−O−CO−NH−であ
    り;Xは、シアノ、炭素原子数が2乃至19のアルコキ
    シカルボニル基、炭素原子数が1乃至18のアルキルス
    ルホニル基、炭素原子数が6乃至26のアリールスルホ
    ニル基、スルファモイル、炭素原子数が1乃至18のア
    ルキルスルファモイル基または炭素原子数が6乃至26
    のアリールスルファモイル基であり;Yは、水素原子、
    ハロゲン原子、ヒドロキシ、炭素原子数が1乃至20の
    アルコキシ基、炭素原子数が6乃至20のアリールオキ
    シ基または炭素原子数が2乃至20のアシルオキシ基で
    あり;mは、1、2、3または4であり;nは、1乃至
    18の整数であり;pは、0、1、2、3または4であ
    り;そして、R1 、L1 、L 2 およびR3 の炭素原子数
    の合計は、20乃至50である]。
  3. 【請求項3】 下記式(I)で表わされるアゾメチン染
    料が有機溶媒中に溶解している油性マゼンタインク: 【化3】 1 は、炭素原子数が1乃至16のアルキル基であり;
    2 は、ハロゲン原子、炭素原子数が1乃至20のアル
    キル基、炭素原子数が1乃至20のアルコキシ基、炭素
    原子数が2乃至20のアミド基、炭素原子数が2乃至2
    0のアルコキシカルボニルアミノ基、ニトロまたはシア
    ノであり;R3 は、炭素原子数が1乃至30のアルキル
    基、炭素原子数が6乃至30のアリール基、炭素原子数
    が7乃至30のアリールオキシアルキル基または炭素原
    子数が3乃至30のアルコキシカルボニルアルキル基で
    あり;R4 は、炭素原子数が1乃至16のアルキル基で
    あり;L1 は、炭素原子数が1乃至30のアルキレン基
    または炭素原子数が6乃至30のアリーレン基であり;
    2 は、−CO−NH−、−SO2 −NH−、−O−、
    −O−CO−または−O−CO−NH−であり;Xは、
    シアノ、炭素原子数が2乃至19のアルコキシカルボニ
    ル基、炭素原子数が1乃至18のアルキルスルホニル
    基、炭素原子数が6乃至26のアリールスルホニル基、
    スルファモイル、炭素原子数が1乃至18のアルキルス
    ルファモイル基または炭素原子数が6乃至26のアリー
    ルスルファモイル基であり;Yは、水素原子、ハロゲン
    原子、ヒドロキシ、炭素原子数が1乃至20のアルコキ
    シ基、炭素原子数が6乃至20のアリールオキシ基また
    は炭素原子数が2乃至20のアシルオキシ基であり;m
    は、1、2、3または4であり;nは、1乃至18の整
    数であり;pは、0、1、2、3または4であり;そし
    て、R1 、L1 、L2 、R3 およびR4 の炭素原子数の
    合計は、20乃至50である]。
JP2000024454A 1999-03-12 2000-02-01 アゾメチン化合物および油性マゼンタインク Pending JP2000327940A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000024454A JP2000327940A (ja) 1999-03-12 2000-02-01 アゾメチン化合物および油性マゼンタインク

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6672299 1999-03-12
JP11-66722 1999-03-12
JP2000024454A JP2000327940A (ja) 1999-03-12 2000-02-01 アゾメチン化合物および油性マゼンタインク

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000327940A true JP2000327940A (ja) 2000-11-28

Family

ID=26407917

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000024454A Pending JP2000327940A (ja) 1999-03-12 2000-02-01 アゾメチン化合物および油性マゼンタインク

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000327940A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6383276B1 (en) Azomethine compound and oily magenta ink
US5753017A (en) Ink jet recording ink and recording method employing the same
AU2002315862C1 (en) Colored image-forming compositions containing phthalocyanine compound, inks, inkjet inks, inkjet recording method and method of improving tolerance to decoloration due to ozone gas
KR20080063771A (ko) 잉크 조성물, 잉크의 제조방법, 잉크세트 및 기록방법
KR20110031104A (ko) 색소 화합물 및 이를 포함하는 기록액
JP2001115066A (ja) インクジェット用インク及びインクジェット記録方法
JP3997651B2 (ja) 新規色素及び画像記録材料及び感熱転写材料及びインクジェット記録液
US20040106782A1 (en) Dye and ink jet printing ink
KR100629638B1 (ko) 벤조푸란-2-온
JPH07166084A (ja) アゾメチン系化合物、色素、画像形成用色素、画像形成材料及び感熱転写材料
US4929277A (en) Recording liquid
JP2000327940A (ja) アゾメチン化合物および油性マゼンタインク
Matsui et al. Synthesis of 3-Cyano-6-hydroxy-5-(2-(perfluoroalkyl) phenylazo)-2-pyridones and Their Application for Dye Diffusion Thermal Transfer Printing.
KR101971894B1 (ko) 디피로메텐 금속착체 화합물, 및 그 디피로메텐 금속착체 화합물을 함유하는 착색 조성물, 감열전사 기록용 잉크 시트, 컬러 토너, 잉크젯 기록용 잉크 및 컬러필터
EP1364998B1 (en) Ink jet recording liquid
EP1367104B1 (en) Ink jet recording liquid
JP3675025B2 (ja) アゾメチン系化合物及び該化合物を含有するインクジェット記録液
JPH06199053A (ja) 感熱転写記録用色素
JP2759814B2 (ja) 感熱転写記録材料
US4983493A (en) Dyes for heat sensitive transfer recording
EP1772493B1 (en) Azo dye
JP2001207092A (ja) 油性インク組成物
WO2023186517A1 (en) Benzofluoran-based compounds as thermochromic dyes and their use in imaging systems
JP2002129047A (ja) アゾ色素および油性インク組成物。
JP3997615B2 (ja) 新規色素を用いた画像記録材料、感熱転写材料及びインクジェット記録液

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050916

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20061208

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090617

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090619

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20091016