JP2000327900A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JP2000327900A
JP2000327900A JP11145027A JP14502799A JP2000327900A JP 2000327900 A JP2000327900 A JP 2000327900A JP 11145027 A JP11145027 A JP 11145027A JP 14502799 A JP14502799 A JP 14502799A JP 2000327900 A JP2000327900 A JP 2000327900A
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styrene
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JP11145027A
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English (en)
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Tetsuya Aihara
哲也 相原
Yoshihide Hashimoto
喜秀 橋元
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Chemicals Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ウエルド部の強度、耐薬品性、低温衝撃強
度、耐熱性等に優れる芳香族ポリカーボネートとABS
樹脂、ASA樹脂をはじめとするスチレン系樹脂からな
る熱可塑性樹脂を提供する。 【解決手段】 芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分)
1〜99重量%及びスチレン系樹脂(B成分)99〜1
重量%からなる樹脂組成物100重量部、ポリエステル
−スチレン系エラストマーブロック共重合体(C成分)
0.1〜30重量部、及びGPC(ゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフィー)測定から算出された重量平均分
子量(Mw)が1,000,000〜10,000,0
00である芳香族ビニル単量体、シアン化ビニル単量
体、アクリレート単量体、及びメタクリレート単量体か
ら選ばれた少なくとも1種の単量体を重合して得られた
重合体(D成分)0.01〜10重量部からなる熱可塑
性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱可塑性樹脂組成物
に関する。更に詳しくは芳香族ポリカーボネート樹脂、
スチレン系樹脂、ポリエステル−スチレン系エラストマ
ーブロック共重合体、及び特定の重量平均分子量を持っ
た重合体からなる熱可塑性樹脂組成物であって、ウエル
ド部の強度、耐薬品性、低温衝撃強度及び耐熱性に優れ
た熱可塑性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】芳香族ポリカーボネート樹脂は優れた衝
撃強度等の機械特性を有する熱可塑性樹脂として、AB
S樹脂をはじめとするスチレン系樹脂は機械特性のバラ
ンス、成形加工性に優れる熱可塑性樹脂として、それぞ
れ自動車、OA分野などの種々の用途に幅広く使用され
ている。しかしながら、芳香族ポリカーボネート樹脂に
は成形加工性の面や常温雰囲気下と比べ低温雰囲気下で
の衝撃強度が著しく劣るという問題点がある。また耐薬
品性にも劣るという欠点を有する。一方、ABS樹脂、
ASA樹脂をはじめとするスチレン系樹脂は耐熱性の面
に問題があり高温雰囲気下での使用に制限があるという
問題点がある。
【0003】かかる問題点を解決し、両者の優れた特性
を併せ持つ材料として芳香族ポリカーボネート樹脂とA
BS樹脂をはじめとするスチレン系樹脂とのアロイが数
多く開発され各用途に幅広く使用されている。(特公昭
38−15225号公報、特公昭39−71号公報、特
公昭42−11496号公報)。
【0004】また、芳香族ポリカーボネート樹脂と水添
SBS(スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重
合体)または水添SIS(スチレン−イソプレン−スチ
レンブロック共重合体)等をはじめとするスチレン系水
添ブロック共重合体とのアロイも、耐薬品性改良、耐衝
撃性の厚み依存性、耐候性に優れる樹脂組成物として提
案されている(特開昭54−53161号公報、特開昭
58−145757号公報)。
【0005】しかしながら、芳香族ポリカーボネート樹
脂とABS樹脂をはじめとするグラフト共重合体よりな
る樹脂とのアロイは成形加工性、常温での機械特性、耐
熱性等には優れるものの、基本的に芳香族ポリカーボネ
ート樹脂とスチレン系樹脂との相容性が乏しいため、ウ
エルド部の強度が劣ると共に、耐薬品性及び低温衝撃強
度の改良においても不十分であったり、更に場合により
成形加工時にジェッティングなどの外観不良を生ずるこ
ともある。
【0006】また、芳香族ポリカーボネート樹脂と水添
SBS等の水添スチレン系ブロック共重合体において
も、同様の問題点がある。
【0007】かかる相容化の問題点を解決する方法とし
て、芳香族ポリカーボネート樹脂とスチレン系樹脂との
相容化剤の添加が挙げられ、相容化剤としては一方また
は他方のポリマーに反応性を有する基を含有する化合物
又はポリマー間の反応を促進させる触媒的な化合物が好
ましいとされ、種々の提案がなされている。
【0008】例えば、特開平9−324086号公報で
は、芳香族ポリカーボネート樹脂とABS樹脂をはじめ
とするグラフト共重合体の相容化剤として特定のエポキ
シ変性ブロック共重合体の使用が開示されている。しか
しながら、かかるエポキシ基を含有する重合体を使用し
た場合、材料の成形加工性の低下やゲル化による機械特
性の低下を引き起こすなどの問題点が大きいため実用性
を有しないものであった。
【0009】また、特開平2−199217号公報で
は、相容化剤として芳香族ビニル系ブロックとポリエス
テルに親和性のあるブロックからなる共重合体の使用が
開示されているが、かかる公報に示された相容化剤は、
芳香族ポリカーボネート系において十分とはいえないも
のであった。
【0010】一方、ジェッティングなどの外観不良の問
題を解決する方法としては、特開昭55−135157
号公報では、ポリカーボネート樹脂とABS樹脂からな
る樹脂組成物に、更に特定の還元粘度を有する高分子量
のアクリル系重合体を配合し、これらの割合を特定範囲
とすることが提案されている。しかしながらかかる樹脂
組成物は、十分なウエルド強度及び耐薬品性等を満足す
るものではなかった。
【0011】更にかかる技術に関連して、特開平1−2
68761号公報では、芳香族ポリカーボネート系樹脂
に分子量の高いアクリル系樹脂を配合することにより、
ブロー成形性が改良されることが提案され、特開昭61
−91248号公報では、ポリカーボネート樹脂、グラ
フト重合体及び共重合体からなる樹脂組成物に、分子量
の高いスチレン−アクリロニトリル共重合体等を配合す
ることにより熱歪み温度が改良されることが提案されて
いる。
【0012】しかしながらこれらの発明についても芳香
族ポリカーボネート樹脂及びABS樹脂等のスチレン系
樹脂からなる樹脂組成物のウエルド強度や耐薬品性を十
分に改良するものではなかった。
【0013】上記の如く、ウエルド部の強度、耐薬品
性、低温衝撃強度、耐熱性等に優れる芳香族ポリカーボ
ネート樹脂とABS樹脂をはじめとするスチレン系樹脂
からなる樹脂組成物が要求されているものの、かかる要
求を満足する樹脂組成物は得られていないのが現状であ
る。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、ウエ
ルド部の強度、耐薬品性、低温衝撃強度、耐熱性等に優
れる芳香族ポリカーボネート樹脂とABS樹脂、ASA
樹脂をはじめとするスチレン系樹脂からなる熱可塑性樹
脂を提供することにある。
【0015】本発明者らは、上記課題を解決するため鋭
意検討を重ねた結果、芳香族ポリカーボネート樹脂とス
チレン系樹脂よりなる樹脂組成物に特定のポリエステル
−スチレン系エラストマーブロック共重合体及び特定以
上の分子量を有する高分子量のビニル系重合体を特定割
合で配合することにより、ウエルド部の強度、耐薬品性
に優れると共に、低温衝撃特性、耐熱性にも優れた芳香
族ポリカーボネート樹脂とスチレン系樹脂よりなる熱可
塑性樹脂組成物が達成できることを見出し、本発明に到
達した。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、芳香族ポリカ
ーボネート樹脂(A成分)1〜99重量%及びスチレン
系樹脂(B成分)99〜1重量%からなる樹脂組成物1
00重量部、ポリエステル−スチレン系エラストマーブ
ロック共重合体(C成分)0.1〜30重量部、及びG
PC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)測定
から算出された重量平均分子量(Mw)が1,000,
000〜10,000,000である芳香族ビニル単量
体、シアン化ビニル単量体、アクリレート単量体、及び
メタクリレート単量体から選ばれた少なくとも1種の単
量体を重合して得られた重合体(D成分)0.01〜1
0重量部からなる熱可塑性樹脂組成物及び該熱可塑性樹
脂組成物100重量部に対し無機充填材を0.5〜10
0重量部配合してなる熱可塑性樹脂組成物に係るもので
ある。
【0017】本発明で使用する芳香族ポリカーボネート
樹脂(A成分)とは、二価フェノールとカーボネート前
駆体とを溶液法あるいは溶融法で反応させて製造される
芳香族ポリカーボネート樹脂である。二価フェノールの
代表的な例を挙げると、2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン[ビスフェノールA]、ビス(4−
ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒド
ロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2
−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフォン、1,1−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメ
チルシクロヘキサン等が挙げられる。好ましい二価フェ
ノールはビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン、特
にビスフェノールAを主原料とするものである。
【0018】カーボネート前駆体としてはカルボニルハ
ライド、カルボニルエステルまたはハロホルメート等が
挙げられ、具体的にはホスゲン、ジフェニルカーボネー
ト、二価フェノールのジハロホルメート及びそれらの混
合物である。ポリカーボネート樹脂を製造するに当た
り、前記二価フェノールを単独で使用してもまたは2種
以上を使用してもよい。また、適当な分子量調節剤、分
岐剤、反応を促進するための触媒等も使用できる。ポリ
カーボネート樹脂の分子量は特定されないが、分子量が
10,000未満であると高温特性等が低下し、50,
000を超えると成形加工性が低下するようになるの
で、粘度平均分子量で表して10,000〜50,00
0のものが好ましく、15,000〜30,000のも
のが特に好ましい。また、ポリカーボネート樹脂の2種
以上を混合しても差し支えない。本発明でいう粘度平均
分子量は塩化メチレン100mlにポリカーボネート樹
脂0.7gを20℃で溶解した溶液から求めた比粘度
(ηSP)を次式に挿入して求める。 ηSP/c=[η]+0.45×[η]2c (但し
[η]は極限粘度) [η]=1.23×10-40.83c=0.7
【0019】次にポリカーボネート樹脂を製造する基本
的な手段を簡単に説明する。カーボネート前駆物質とし
てホスゲンを用いる溶液法では、通常酸結合剤及び有機
溶媒の存在下で反応させる。酸結合剤としては例えば水
酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリ金属の水
酸化物、またはピリジン等のアミン化合物が用いられ
る。有機溶媒としては例えば塩化メチレン、クロロベン
ゼン等のハロゲン化炭化水素が用いられる。また反応促
進のために例えば第三級アミンや第四級アンモニウム塩
等の触媒を用いることができ、分子量調節剤としては例
えばフェノールやp−tert−ブチルフェノールのよ
うなアルキル置換フェノール及び4−(2−フェニルイ
ソプロピル)フェノールのようなアルアルキル置換フェ
ノール等の末端停止剤を用いることが望ましい。反応温
度は通常0〜40℃、反応時間は数分〜5時間、反応中
のpHは10以上に保つのが好ましい。尚、結果として
得られた分子鎖末端の全てが末端停止剤に由来の構造を
有する必要はない。
【0020】カーボネート前駆物質として炭酸ジエステ
ルを用いるエステル交換反応(溶融法)では、不活性ガ
ス雰囲気下に所定割合の二価フェノール成分及び必要に
応じて分岐剤等を炭酸ジエステルと加熱しながら攪拌し
て、生成するアルコールまたはフェノール類を留出させ
る方法により行われる。反応温度は生成するアルコール
またはフェノール類の沸点等により異なるが、通常12
0〜300℃の範囲である。反応はその初期から減圧に
して生成するアルコールまたはフェノール類を留出させ
ながら反応を完結させる。また反応を促進するために、
アルカリ金属化合物や含窒素塩基性化合物等の現在公知
のエステル交換反応に使用される触媒を使用することも
できる。前記エステル交換反応に使用される炭酸ジエス
テルとしては、例えばジフェニルカーボネート、ジナフ
チルカーボネート、ビス(ジフェニル)カーボネート、
ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチ
ルカーボネート等が挙げられる。これらのうち特にジフ
ェニルカーボネートが好ましい。また末端停止剤として
ジフェニルカーボネートやメチル(2−フェニルオキシ
カルボニルオキシ)ベンゼンカルボキシレート等を、反
応の初期段階でまたは反応の途中段階で添加すること、
及び反応終了直前に従来公知の各種触媒失活剤を添加す
ることも好ましく行われる。
【0021】本発明の熱可塑性樹脂組成物に用いるスチ
レン系樹脂(B成分)とは、スチレン系単量体と必要に
応じてこれらと共重合可能な他のビニル単量体およびゴ
ム質重合体より選ばれる1種以上を重合して得られる重
合体である。
【0022】前記スチレン系樹脂成分に用いられるスチ
レン系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレ
ン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニル
キシレン、エチルスチレン、ジメチルスチレン、p−t
ert−ブチルスチレン、ビニルナフタレン、メトキシ
スチレン、モノブロムスチレン、ジブロムスチレン、フ
ルオロスチレン、トリブロムスチレン等のスチレン誘導
体が挙げられ、特にスチレンが好ましい。さらにこれら
は単独または2種以上用いることができる。
【0023】前記スチレン系単量体と共重合可能な他の
ビニル単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロ
ニトリル等のシアン化ビニル化合物、フェニルアクリレ
ート、ベンジルアクリレート等のアクリル酸のアリール
エステル、メチルアクリレート、エチルアクリレート、
プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、アミルア
クリレート、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシ
ルアクリレート、オクチルアクリレート、シクロヘキシ
ルアクリレート、ドデシルアクリレート等のアクリル酸
のアルキルエステル、フェニルメタクリレート、ベンジ
ルメタクリレート等のメタクリル酸アリールエステル、
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピ
ルメタクリレート、ブチルメタクリレート、アミルメタ
クリレート、ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキ
シルメタクリレート、オクチルメタクリレート、シクロ
ヘキシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート等の
メタクリル酸アルキルエステル、グリシジルメタクリレ
ート等のエポキシ基含有メタクリル酸エステル、マレイ
ミド、N−メチルマレイミド、N−フェニルマレイミド
等のマレイミド系単量体、アクリル酸、メタクリル酸、
マレイン酸、無水マレイン酸、フタル酸、イタコン酸等
のα,β−不飽和カルボン酸及びその無水物があげられ
る。
【0024】前記スチレン系単量体と共重合可能なゴム
質重合体としては、ポリブタジエン、ポリイソプレン、
スチレン・ブタジエンのランダム共重合体およびブロッ
ク共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体、
アクリル酸アルキルエステル又はメタクリル酸アルキル
エステル及びブタジエンの共重合体、ブタジエン・イソ
プレン共重合体等のジエン系共重合体、エチレン・プロ
ピレンランダム共重合体およびブロック共重合体、エチ
レン・ブテンのランダム共重合体およびブロック共重合
体等のエチレンとα−オレフィンとの共重合体、エチレ
ン・メタクリレート共重合体、エチレン・ブチルアクリ
レート共重合体等のエチレンと不飽和カルボン酸エステ
ルとの共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体等のエ
チレンと脂肪族ビニルとの共重合体、エチレン・プロピ
レン・ヘキサジエン共重合体等のエチレンとプロピレン
と非共役ジエンとのターポリマー、ポリアクリル酸ブチ
ル等のアクリル系ゴム、及びポリオルガノシロキサンゴ
ム成分とポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分と
が分離できないように相互に絡み合った構造を有してい
る複合ゴム(以下IPN型ゴム)等が挙げられる。
【0025】かかるスチレン系樹脂としては、例えばポ
リスチレン、スチレン・ブタジエン・スチレン共重合体
(SBS)、水添スチレン・ブタジエン・スチレン共重
合体(水添SBS)、水添スチレン・イソプレン・スチ
レン共重合体(SEPS)、衝撃性ポリスチレン(HI
PS)、アクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹
脂)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合
体(ABS樹脂)、メチルメタクリレート・ブタジエン
・スチレン共重合体(MBS樹脂)、メチルメタクリレ
ート・アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合
体(MABS樹脂)、アクリロニトリル・スチレン・ア
クリルゴム共重合体(ASA樹脂)、アクリロニトリル
・エチレンプロピレン系ゴム・スチレン共重合体(AE
S樹脂)及びスチレン・IPN型ゴム共重合体等の樹
脂、又はこれらの混合物が挙げられる。
【0026】尚、かかるスチレン系熱可塑性樹脂はその
製造時にメタロセン触媒等の触媒使用により、シンジオ
タクチックポリスチレン等の高い立体規則性を有するも
のであってもよい。更に場合によっては、アニオンリビ
ング重合、ラジカルリビング重合等の方法により得られ
る、分子量分布の狭い重合体及び共重合体、ブロック共
重合体、及び立体規則性の高い重合体、共重合体を使用
することも可能である。これらは1種または2種以上を
混合して使用することも可能である。
【0027】これらの中でもポリスチレン(PS)、耐
衝撃性ポリスチレン(HIPS)、アクリロニトリル・
スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル・ブ
タジエン・スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロ
ニトリル・スチレン・アクリルゴム共重合体(ASA樹
脂)、アクリロニトリル・エチレンプロピレン系ゴム・
スチレン共重合体(AES樹脂)メチルメタクリレート
・ブタジエン・スチレン共重合体(MBS樹脂)からな
る群より選択される1種または2種以上を混合して使用
することが好ましく、なかでもABS樹脂、ASA樹
脂、AES樹脂が好ましい。更にこれらの中でもASA
樹脂は耐薬品性に優れる特性を有するが、本発明の樹脂
組成物はかかる特性をより改良でき、芳香族ポリカーボ
ネート樹脂単独での欠点を十分に補える点でより好適な
樹脂である。
【0028】本発明で使用するABS樹脂とは、ジエン
系ゴム成分にシアン化ビニル化合物と芳香族ビニル化合
物をグラフト重合した熱可塑性グラフト共重合体とシア
ン化ビニル化合物と芳香族ビニル化合物の共重合体の混
合物である。このABS樹脂を形成するジエン系ゴム成
分としては、例えばポリブタジエン、ポリイソプレン及
びスチレン−ブタジエン共重合体等のガラス転移点が1
0℃以下のゴムが用いられ、その割合はABS樹脂成分
100重量%中5〜80重量%であるのが好ましく、特
に好ましくは10〜50重量%である。ジエン系ゴム成
分にグラフトされるシアン化ビニル化合物としては、前
記記載のものをあげることができ、特にアクリロニトリ
ルが好ましく使用できる。またジエン系ゴム成分にグラ
フトされる芳香族ビニル化合物としては、同様に前記記
載のものを使用できるが、特にスチレン及びα−メチル
スチレンが好ましく使用できる。かかるジエン系ゴム成
分にグラフトされる成分の割合は、ABS樹脂成分10
0重量%中95〜20重量%が好ましく、特に好ましく
は50〜90重量%である。更にかかるシアン化ビニル
化合物及び芳香族ビニル化合物の合計量100重量%に
対して、シアン化ビニル化合物が5〜50重量%、芳香
族ビニル化合物が95〜50重量%であることが好まし
い。更に上記のジエン系ゴム成分にグラフトされる成分
の一部についてメチル(メタ)アクリレート、エチルア
クリレート、無水マレイン酸、N置換マレイミド等を混
合使用することもでき、これらの含有割合はABS樹脂
成分中15重量%以下であるものが好ましい。更に反応
で使用する開始剤、連載移動剤、乳化剤等は必要に応じ
て、従来公知の各種のものが使用可能である。
【0029】本発明で使用するASA樹脂とは、アクリ
ルゴム成分にシアン化ビニル化合物と芳香族ビニル化合
物をグラフト重合した熱可塑性グラフト共重合体、また
は該熱可塑性グラフト共重合体と、シアン化ビニル化合
物と芳香族ビニル化合物の共重合体との混合物をいう。
本発明でいうアクリルゴムとは、炭素数が2〜10のア
ルキルアクリレート単位を含有するものであり、更に必
要に応じてその他の共重合可能な成分として、スチレ
ン、メチルメタクリレート、ブタジエンを含有してもよ
い。炭素数が2〜10のアルキルアクリレートとして好
ましくは2−エチルヘキシルアクリレート、n−ブチル
アクリレートが挙げられ、かかるアルキルアクリレート
はアクリレートゴム100重量%中50重量%以上含ま
れるものが好ましい。更にかかるアクリレートゴムは少
なくとも部分的に架橋されており、かかる架橋剤として
は、エチレングリコールジアクリレート、ブチレングリ
コールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリ
レート、アリルメタクリレート、ポリプロピレングリコ
ールジアクリレート等を挙げることができ、かかる架橋
剤はアクリレートゴムに対して0.01〜3重量%使用
されることが好ましい。またシアン化ビニル化合物及び
芳香族ビニル化合物の割合はかかる合計量100重量%
に対して、シアン化ビニル化合物が5〜50重量%、芳
香族ビニル化合物が95〜50重量%であり、特にシア
ン化ビニル化合物が15〜35重量%、芳香族ビニル化
合物が85〜65重量%のものが好ましい。
【0030】本発明で使用するAES樹脂とは、エチレ
ン−プロピレンゴム成分またはエチレン−プロピレン−
ジエンゴム成分にシアン化ビニル化合物と芳香族ビニル
化合物をグラフト重合した熱可塑性グラフト共重合体、
または該熱可塑性グラフト共重合体と、シアン化ビニル
化合物と芳香族ビニル化合物の共重合体との混合物であ
る。
【0031】なお、本発明のABS、ASA、AES樹
脂においては、ゴム粒子径は0.1〜5.0μmが好ま
しく、より好ましくは0.2〜3.0μmである。かか
るゴム粒子径の分布は単一の分布であるもの及び2山以
上の複数の山を有するもののいずれもが使用可能であ
り、更にそのモルフォロジーにおいてもゴム粒子が単一
の相をなすものであっても、ゴム粒子の周りにオクルー
ド相を含有することによりサラミ構造を有するものであ
ってもよいが、好ましくは単一相をなすゴム粒子の割合
が多いものである。
【0032】またABS、ASA、AES樹脂がジエン
系ゴム成分にグラフトされないシアン化ビニル化合物及
び芳香族ビニル化合物を含有することは従来からよく知
られているところであり、本発明のABS、ASA、A
ES樹脂においてもかかる重合の際に発生するフリーの
重合体成分を含有するものであってもよい。かかるフリ
ーのシアン化ビニル化合物及び芳香族ビニル化合物から
なる共重合体の分子量は、GPC測定により算出された
重量平均分子量(Mw)で10,000〜500,00
0、好ましくは50,000〜200,000であるも
のである。なお、ここで示す重量平均分子量は、標準ポ
リスチレン樹脂による較正曲線を使用したGPC測定に
より算出されたものである。
【0033】本発明におけるABS、ASA、AES樹
脂は塊状重合、懸濁重合、乳化重合のいずれの方法で製
造されたものでもよく、また共重合の方法も一段で共重
合しても、多段で共重合してもよい。また、かかる製造
法により得られたABS樹脂に芳香族ビニル化合物とシ
アン化ビニル成分とを別途共重合して得られるビニル化
合物重合体をブレンドしたものも好ましく使用できる。
かかる芳香族ビニル化合物とシアン化ビニル成分とを別
途共重合して得られるビニル化合物重合体の重量平均分
子量(Mw)は10,000〜500,000であり、
好ましくは50,000〜200,000であるもので
ある。
【0034】本発明で使用する水添スチレン・ブタジエ
ン・スチレン共重合体(以下水添SBSという)及び水
添スチレン・イソプレン・スチレン(以下SEPSとい
う)に代表される水添ブロック共重合体としては、スチ
レン系単量体の重合体からなるブロックと、ポリブタジ
エン及びポリイソプレン等の共役ジエン単量体の重合体
からなるブロックとからなるブロック共重合体の不飽和
結合を水添(水素化)して得られるものが挙げられる。
尚、ブロックコポリマーの形態としては、ジブロック、
トリブロック、多ブロックのいずれの形態を取ることも
可能である。更にブロックの形状としては、線状、放射
状、分岐状等のいずれの形態も基本的には取り得るが、
線状であるものがより好ましい。
【0035】ここでスチレン系単量体としては、スチレ
ン、α−メチルスチレンを挙げることができ、特にスチ
レン系単量体の80重量%以上がスチレンであるものが
好ましい。共役ジエン単量体成分としては、ブタジエ
ン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメ
チルブタジエン等を挙げることができ、特にブタジエン
及びイソプレンが好ましく、更に両者の共重合体も使用
できる。更に本発明で使用することができる水添ブロッ
ク共重合体は、共役ジエン単量体の重合体ブロックにお
ける炭素−炭素不飽和結合の50%以上、より好ましく
は80%以上水添されたものである。
【0036】かかる水素添加する前のブロック共重合体
については、ブチルリチウム、スチリルリチウムなどの
アルキルリチウムを触媒として、共役ジエン及びスチレ
ンの単量体をそれぞれ順次重合する方法、あるいは単量
体ごとに別々に重合反応を行い、得られた重合体を2官
能性カップリング剤などで結合する方法等により得るこ
とができる。
【0037】更に得られたブロック重合体を水素添加す
る方法としては、ニッケル、パラジウム、白金、ルテニ
ウム等の金属をカーボン、アルミナまたは珪藻土等の微
小表面積を有する材料に担持させたもの、ラネーニッケ
ル、漆原ニッケル等の不均一系触媒、または遷移金属化
合物と、アルミニウム、アルカリ土類金属、アルカリ金
属等のアルキル化物との組み合わせによるチーグラー触
媒等の均一系触媒を用い、20〜200℃の条件下、1
〜200kgf/cm2の水素ガスと0.1〜100時
間接触させる方法を挙げることができる。
【0038】本発明の水添ブロック共重合体中における
スチレン系重合体ブロックの量は10〜50重量%であ
り、特に15〜35重量%であるものが好ましい。また
かかるスチレン系重合体ブロックの分子量は数平均分子
量で4,000〜80,000のものであり、好ましく
は8,000〜60,000である。また水添ブロック
共重合体の分子量は数平均分子量で30,000〜50
0,000の範囲である。
【0039】本発明で使用するポリエステル−スチレン
系エラストマーブロック共重合体(C成分)は、ポリエ
ステルブロック(P)と芳香族ビニル系共重合体ブロッ
ク(Q)とを有するブロック共重合体であり、例えば1
個のポリエステルブロック(P)と1個の芳香族ビニル
系共重合体ブロック(Q)が結合しているジブロック共
重合体、1個のポリエステルブロック(P)を挟んでそ
の両側にそれぞれ1個の芳香族ビニル系共重合体ブロッ
ク(Q)が結合しているトリブロック共重合体、1個の
芳香族ビニル系共重合体ブロック(Q)を挟んでその両
側にそれぞれ1個のポリエステルブロック(P)が結合
しているトリブロック共重合体、ポリエステルブロック
(P)と芳香族ビニル系共重合体ブロック(Q)が交互
に合計で4個またはそれ以上の個数で結合しているポリ
ブロック共重合体などの1種または2種以上からなって
いるが、製造方法・条件等により、更に未反応のポリエ
ステルブロック(P)由来の成分、芳香族ビニル系共重
合体ブロック(Q)由来の成分を含んでいてもよい。
【0040】本発明のポリエステル−スチレン系エラス
トマーブロック共重合体(C成分)のポリエステルブロ
ック(P)は、熱可塑性のポリエステル系重合体から誘
導される重合体ブロックであればいずれであってもよ
く、例えば、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリ
ブチレンテレフタレート系樹脂、ポリエチレンナフタレ
ート系樹脂、ポリブチレンナフタレート系樹脂、ポリ−
1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート系樹
脂、ポリカプロラクトン系樹脂、p−ヒドロキシ安息香
酸系ポリエステル系樹脂、ポリアリレート系樹脂などの
ポリエステル系重合体から誘導される重合体ブロックを
挙げることができる。このうち、芳香族ポリカーボネー
ト樹脂との相容性の面よりポリエステル−スチレン系エ
ラストマーブロック共重合体(C成分)におけるポリエ
ステルブロック(P)は、ポリエチレンテレフタレート
系樹脂及びポリブチレンテレフタレート系樹脂のうちの
少なくとも一方から誘導される重合体ブロックであるこ
とが好ましく、特にポリブチレンテレフタレート系樹脂
から誘導される重合体ブロックであることが好ましい。
【0041】本発明のポリエステル−スチレン系エラス
トマーブロック共重合体(C成分)におけるポリエステ
ルブロック(P)は、その全構造単位に基づいて30モ
ル%以下であれば必要に応じて基本構造を構成するジカ
ルボン酸単位以外のジカルボン酸及び/または基本構造
を構成するジオール単位以外の他のジオール単位を有し
てもよい。すなわちポリブチレンテレフタレート系樹脂
とは、全構造単位に基づいて70モル%を越える単位が
ポリブチレンテレフタレート単位で構成されている樹脂
をいう。
【0042】ポリエステル−スチレン系エラストマーブ
ロック共重合体(C成分)におけるポリエステルブロッ
ク(P)が含み得るジカルボン酸単位の例としては、テ
レフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタ
レンジカルボン酸、ビス(p−カルボキシフェニル)メ
タン、1,5−ナフタレンジカルボン酸、アントラセン
ジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボ
ン酸、5−スルホイソフタル酸ナトリウムなどの芳香族
ジカルボン酸やアジピン酸、セバシン酸、アゼライン
酸、ドデカンジオン酸などの脂肪族ジカルボン酸や1,
3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキ
サンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸及び、これ
らのエステル形成性誘導体などから誘導されるジカルボ
ン酸単位を挙げることができる。本発明のポリエステル
−スチレン系エラストマーブロック共重合体(C成分)
におけるポリエステルブロック(P)は上記したジカル
ボン酸単位の1種のみを有していても、または2種以上
を有していてもよい。
【0043】また、本発明のポリエステル−スチレン系
エラストマーブロック共重合体(C成分)におけるポリ
エステルブロック(P)が含み得るジオール単位の例と
しては、エチレングリコール、プロピレングリコール、
1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、2
−メチルプロパンジオール、1,5−ペンタンジオール
などの炭素数2〜10の脂肪族ジオールの他、シクロヘ
キサンジメタノール、シクロヘキサンジオールなどの脂
環式ジオールやジエチレングリコール、ポリエチレング
リコール、ポリ−1,3−プロピレングリコール、ポリ
テトラメチレングリコールなどの分子量6,000以下
のポリアルキレングリコールなどから誘導されるジオー
ル単位を挙げることができる。本発明のポリエステル−
スチレン系エラストマーブロック共重合体(C成分)に
おけるポリエステルブロック(P)は上記ジオール単位
の1種または2種以上を有していてもよい。
【0044】更に本発明のポリエステル−スチレン系エ
ラストマーブロック共重合体(C成分)におけるポリエ
ステルブロック(P)は、その全構造単位に基づいて1
モル%以下であれば、例えばグリセリン、トリメチロー
ルプロパン、ペンタエリスリトール、トリメリット酸、
ピロメリット酸などの3官能以上のモノマーから誘導さ
れる構造単位を有していてもよい。
【0045】また、本発明のポリエステル−スチレン系
エラストマーブロック共重合体(C成分)におけるポリ
エステルブロック(P)はフェノール/テトラクロロエ
タン(重量比=1/1)混合溶媒中、25℃で測定した
時の極限粘度が0.3〜1.5の範囲にあるポリエステ
ル系重合体から誘導されたものであることが好ましい。
【0046】本発明のポリエステル−スチレン系エラス
トマーブロック共重合体(C成分)における芳香族ビニ
ル系共重合体ブロック(Q)は、芳香族ビニル化合物
単位から主としてなる重合体ブロック(q1)または芳
香族ビニル化合物単位から主としてなる重合体ブロック
(q1)及び水素添加された1,2−結合量が30%未
満のポリブタジエンブロック(q2)の何れかからなる
重合体ブロック(qa)と水素添加されたポリイソプレ
ンブロック(q3)、水素添加された1,2−結合量が
30〜80%のポリブタジエンブロック(q4)及び水
素添加されたイソプレン/ブタジエン共重合ブロック
(q5)からなる群から選ばれる少なくとも1種からな
る重合体ブロック(qb)からなる芳香族ビニル系ブロ
ック共重合体(qα)及び芳香族ビニル化合物単位か
ら主としてなる重合体ブロック(qc)とポリイソブチ
レンブロック(qd)とからなる芳香族ビニル系ブロッ
ク共重合体(qβ)のうちの少なくとも1種から誘導さ
れるものである。
【0047】本発明のポリエステル−スチレン系エラス
トマーブロック共重合体(C成分)における芳香族ビニ
ル系共重合体ブロック(Q)を構成し得る重合体ブロッ
ク(qa)と重合体ブロック(qb)とからなる芳香族
ビニル系ブロック共重合体(qα)から誘導される芳香
族ビニル系ブロック(Qα)のブロック構造の例として
は、下記の一般式(1)〜(4)で表されるものを挙げ
ることができる。 (a−b)e (1) (b−a)f (2) a−(b−a’)g (3) b−(a−b’)h (4) (上記式中、a及びa’はそれぞれ重合体ブロック(q
a)を示し、b及びb’はそれぞれ重合体ブロック(q
b)を示し、e、f、g及びhはそれぞれ独立して1以
上の整数を示す。)
【0048】上記一般式(1)〜(4)で表される芳香
族ビニル系ブロック(Qα)における反復数e、f、g
及びhはそれぞれ任意に決めることができるが、通常1
〜5の範囲内の整数であることが好ましい。そして芳香
族ビニル系ブロック(Qα)としては、上記した一般式
(1)〜(4)で表される芳香族ビニル系ブロックのう
ちでも、上記の一般式(1)においてe=1である式:
a−bで表される芳香族ビニル系ブロックまたは上記の
一般式(3)においてg=1である式:a−b−a’で
表される付加重合系トリブロックがより好ましい。
【0049】また、本発明のポリエステル−スチレン系
エラストマーブロック共重合体(C成分)における芳香
族ビニル系共重合体ブロック(Q)を構成し得る、芳香
族ビニル重合体ブロック(qc)とポリイソブチレンブ
ロック(qd)とからなる芳香族ビニル系ブロック共重
合体(qβ)から誘導される芳香族ビニル系ブロック
(Qβ)のブロック構造の例としては下記の一般式
(5)または(6)で表されるものを挙げることができ
る。 c−(d−c’)j (5) d−(c−d’)k (6) (上記式中、c及びc’はそれぞれ芳香族ビニル重合体
ブロック(qc)を示し、d及びd’はそれぞれポリイ
ソブチレンブロック(qd)を示し、j及びkはそれぞ
れ独立して1以上の整数を示す。)
【0050】上記の一般式(5)または(6)で表され
る芳香族ビニル系ブロック(Qβ)におけるj及びkは
それぞれ任意に決めることができるが通常、1〜5の範
囲内の整数であるのが好ましい。そして、上記した一般
式(5)または(6)で表される芳香族ビニル系ブロッ
ク(Qβ)のうちでも、一般式(5)においてj=1で
ある式c−d−c’で表される芳香族ビニル系トリブロ
ックまたは上記の一般式(6)においてk=1である式
d−c−d’で表される芳香族ビニル系トリブロックで
あることがより好ましい。
【0051】芳香族ビニル系ブロック(Qα)を構成す
る重合体ブロック(q1)及び芳香族ビニル系ブロック
(Qβ)を構成する重合体ブロック(qc)において、
それらの芳香族ビニル化合物単位を形成する芳香族ビニ
ル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、o
−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルス
チレン、2,4−ジメチルスチレン、ビニルナフタレ
ン、ビニルアントラセンなどを挙げることができる。そ
のうちスチレン系樹脂(B成分)との相容性の面より、
芳香族ビニル系ブロック(Qα)を構成する重合体ブロ
ック(q1)及び芳香族ビニル系ブロック(Qβ)を構
成する重合体ブロック(qc)の芳香族ビニル化合物単
位を形成する芳香族ビニル化合物としてはスチレン、α
−メチルスチレンから選択される1種または2種で構成
されているのが好ましく、このうち、スチレンから構成
されているものが特に好ましい。
【0052】また、芳香族ビニル系ブロック(Qα)に
おける重合体ブロック(qa)の構成ブロックとなり得
る水添ポリブタジエンブロック(q2)は、そのポリブ
タジエンブロックにおける1,2−結合量が30%未満
であることが好ましく、25%以下であるのがより好ま
しい。また、水添ポリブタジエンブロック(q2)は不
飽和結合の一部または全部、好ましくは90%以上が水
素添加によって飽和結合にされているポリブタジエンブ
ロックである。水添ポリブタジエンブロック(q2)を
構成するポリブタジエンは、水素添加前では、好ましく
はその30モル%未満、より好ましくは25モル%以下
がビニルエチレン基(1,2−結合のブタジエン単位)
であり、残りが2−ブテン−1,4−ジイル基(1,4
−結合のブタジエン単位)である。
【0053】また、芳香族ビニル系ブロック(Qα)に
おける重合体ブロック(qb)の構成ブロックとなり得
る水添ポリイソプレンブロック(q3)は、イソプレン
に由来するモノマー単位から主としてなるポリイソプレ
ンの不飽和結合の一部または全部が水素添加されて不飽
和結合になっている重合体ブロックである。水添ポリイ
ソプレンブロック(q3)では、その水素添加前には、
イソプレンに由来する単位は、2−メチル−2−ブテン
−1,4−ジイル基(1,4−結合のイソプレン単
位)、イソプロペニルエチレン基(3,4−結合のイソ
プレン単位)及び1−メチル−1−ビニルエチレン基
(1,2−結合のイソプレン単位)からなる群より選ば
れる少なくとも一種からなるものである。
【0054】芳香族ビニル系ブロック(Qα)における
重合体ブロック(qb)の構成ブロックとなり得る水添
ポリブタジエンブロック(q4)は、そのポリブタジエ
ンブロックにおける1,2−結合量が好ましくは30〜
80%、より好ましくは35〜60%であり、しかも不
飽和結合の一部または全部が水素添加によって飽和結合
になっているポリブタジエンブロックである。水添ポリ
ブタジエンブロック(q4)を構成するポリブタジエン
では、水素添加前において好ましくはその30〜80モ
ル%、より好ましく35〜60モル%がビニルエチレン
基(1,2−結合のブタジエン単位)であり、好ましく
は70〜20モル%、より好ましくは65〜40モル%
が2−ブテン−1,4−ジイル基(1,4−結合のブタ
ジエン単位)である。
【0055】また、芳香族ビニル系ブロック(Qα)に
おける重合体ブロック(qb)の構成ブロックとなり得
る水添イソプレン/ブタジエン共重合体ブロック(q
5)は、イソプレンに由来する単位及びブタジエンに由
来する単位から主としてなっているイソプレン/ブタジ
エン共重合体であって、且つその不飽和結合の一部また
は全部が水素添加によって飽和結合になっている共重合
体ブロックである。水添イソプレン/ブタジエン共重合
体ブロック(q5)においては、その水素添加前には、
イソプレンに由来する単位は、2−メチル−2−ブテン
−1,4−ジイル基、イソプロペニルエチレン基及び1
−メチル−1−ビニルエチレン基からなる群より選ばれ
る少なくとも一種以上の基であり、またブタジエンに由
来する単位はビニルエチレン基及び/または2−ブテン
−1,4−ジイル基であるが、水素添加前におけるイソ
プレン/ブタジエン共重合体ブロックにおけるそれらの
基の割合は特に制限されるものではない。また、水添イ
ソプレン/ブタジエン共重合体ブロック(q5)におい
て、ブタジエンに由来する単位とイソプレンに由来する
単位とは、ランダム状、ブロック状、テーパーブロック
状の何れの配置形態になっていてもよい。
【0056】そして、芳香族ビニル系ブロック(Qα)
の構成ブロックとなり得る水添ポリブタジエンブロック
(q2)、水添ポリイソプレンブロック(q3)、水添
ポリブタジエンブロック(q4)及び水添イソプレン/
ブタジエン共重合体ブロック(q5)では、上記したよ
うに、その炭素−炭素二重結合の一部が水素添加されて
いても、または全部が完全に水素添加されていてもよい
が、芳香族ビニル系ブロック(Qα)の全体において、
ブタジエン単位及び/またはイソプレン単位における炭
素−炭素間二重結合の50モル%以上、特に80モル%
以上が水素添加されていることが耐熱老化性、耐候性が
良好となる点で好ましい。
【0057】また、本発明のポリエステル−スチレン系
エラストマーブロック共重合体(C成分)の芳香族ビニ
ル系ブロック(Qβ)におけるポリイソブチレンブロッ
ク(qd)はイソブチレン単位から主としてなる重合体
ブロックである。
【0058】本発明のポリエステル−スチレン系エラス
トマーブロック共重合体では、芳香族ビニル系ブロック
(Qα)における{重合体ブロック(qa)の合計含有
量}:{重合体ブロック(qb)の合計含有量}、及び
芳香族ビニル系ブロック(Qβ)における{重合体ブロ
ック(qc)の合計含有量}:{重合体ブロック(q
d)の合計含有量}はそれぞれ、1:9〜9:1(重量
比)の範囲であることが好ましく、2:8〜7:3(重
量比)の範囲であることが特に好ましい。
【0059】また、本発明のポリエステル−スチレン系
エラストマーブロック共重合体の芳香族ビニル系ブロッ
ク(Qα)における重合体ブロック(qa)、芳香族ビ
ニル系ブロック(Qβ)における重合体ブロック(q
c)は、それぞれ、その数平均分子量が2,500〜5
0,000の範囲にあるのが好ましい。また、芳香族ビ
ニル系ブロック(Qα)における重合体ブロック(q
b)及び、芳香族ビニル系ブロック(Qβ)におけるポ
リイソブチレンブロック(qd)の数平均分子量はそれ
ぞれ10,000〜100,000の範囲にあるのが好
ましい。また、本発明のポリエステル−スチレン系エラ
ストマーブロック共重合体は、1種または2種以上の芳
香族ビニル系ブロック(Qα)を有していても、及び/
または1種または2種以上の芳香族ビニル系ブロック
(Qβ)を有していてもよい。
【0060】本発明のポリエステル−スチレン系エラス
トマーブロック共重合体が含有するポリエステルブロッ
ク(P)及び芳香族ビニル系共重合体ブロック(Q)を
有するブロック共重合体は、数平均分子量が12,70
0〜300,000の範囲であることが好ましく、1
5,000〜200,000の範囲であることがより好
ましい。尚ここで数平均分子量とは、GPC測定により
標準ポリスチレンを基準に算出された値をいう。
【0061】本発明のポリエステル−スチレン系エラス
トマーブロック共重合体(C成分)の製造方法は特に制
限されず、例えば、ポリエステル系樹脂、及び、ポリエ
ステル系樹脂と反応し得る官能基を分子中に有する本発
明の芳香族ビニル系重合体とを溶融条件下で混練し、続
いて固相重合し、その結果得られるポリエステル系反応
生成物からポリエステルブロック(P)と芳香族ビニル
系共重合体ブロック(Q)を有するブロック共重合体を
抽出・回収する製造方法が基本である。しかしながら、
かかる固相重合して得られたポリエステル系反応生成物
自体をポリエステルブロック(P)と芳香族ビニル系共
重合体ブロック(Q)を有するブロック共重合体及び、
ブロック共重合体化していない各ブロック成分を含有す
る状態で使用することも可能であり、かかる使用は、抽
出・回収の工程を省略できるものであるため、工業的に
はより好ましいものである。
【0062】上記の製造方法において、ポリエステル系
樹脂と芳香族ビニル系重合体との溶融混練は、単軸押出
機、2軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサーなどの
溶融混練装置を用いて行うことができる。溶融混練の条
件は、使用するポリエステル系樹脂や芳香族ビニル系重
合体の種類、装置の種類などに応じて適宜選択すること
ができるが、通常、180〜300℃の温度で3〜15
分間程度行うとよい。また、溶融混練後の固相重合は、
ポリエステル系樹脂と芳香族ビニル系重合体との溶融混
練により得られた樹脂を固化し、粒状化した後、それを
適当な固相重合反応装置に移し、予備処理として120
〜180℃の温度下で乾燥や結晶化などを行い、ついで
固相重合させることにより行うことができる。固相重合
反応は、通常、ポリエステル系樹脂の融点よりも5〜6
0℃程度低い温度に保ちながら、不活性気流下または真
空下で行うとよい。固相重合はバッチ方式、または連続
方式の何れで行ってもよく、固相重合反応装置における
滞留時間や処理時間などを適宜調節することによって、
所望の重合度及び反応率とすることができる。
【0063】上記において、固相重合により得られるポ
リエステル系反応生成物からポリエステルブロック
(P)と芳香族ビニル系共重合体ブロック(Q)を有す
るブロック共重合体の抽出・回収は例えば、ポリエステ
ル系反応生成物をヘキサフルオロイソプロパノール/ク
ロロホルム混合溶媒に溶解させ、その溶液をテトラヒド
ロフラン中に注入して沈殿させ、沈殿物を回収してクロ
ロホルムに溶解させ、そのクロロホルム溶液から不溶物
を濾過などにより除去した後、そのクロロホルム溶液を
濃縮、乾燥固化してポリエステルブロック(P)と芳香
族ビニル系共重合体ブロック(Q)を有するブロック共
重合体を固形分として回収する方法により行うことがで
きる。
【0064】また、本発明のポリエステル−スチレン系
エラストマーブロック共重合体(C成分)の製造に用い
るポリエステル系樹脂と反応し得る官能基を有する芳香
族ビニル系重合体としては上記した芳香族ビニル系共重
合体ブロック(Q)に官能基がついた構造を有する芳香
族ビニル系重合体が好ましく用いられる。その場合の官
能基としては、ポリエステル系樹脂と反応し得る官能基
であれば特に制限はなく、例えば、水酸基、カルボキシ
ル基、エステル基、アミド基、アミノ基、エポキシ基、
チオール基、チオエステル基、2−オキサゾリン基など
の環状イミノエーテル基、無水コハク酸−2−イル基、
無水コハク酸−2,3−ジイル基などの酸無水物構造を
有する基などを挙げることができる。特に芳香族ポリカ
ーボネート樹脂用として好ましいのは、水酸基、カルボ
キシル基、エポキシ基、無水コハク酸−2−イル基であ
る。ポリエステル系樹脂と反応し得る官能基を有する芳
香族ビニル系重合体においては、その官能基は、芳香族
ビニル系重合体の分子主鎖や分子側鎖の途中または分子
末端の何れに位置してもよいが、分子末端に位置するこ
とが好ましい。また、該官能基の含有量は平均して1分
子当たり0.5個以上であることが好ましく、0.7〜
1個であることがより好ましい。
【0065】本発明で使用するGPC測定から算出され
た重量平均分子量(Mw)が1,000,000〜1
0,000,000である芳香族ビニル単量体、シアン
化ビニル単量体、アクリレート単量体、及びメタクリレ
ート単量体から選ばれた少なくとも1種の単量体を重合
して得られた重合体(D成分)において使用される各種
単量体については、前述したB成分であるスチレン系樹
脂における単量体と同様のものが使用できる。好ましく
は、スチレン、アクリロニトリル、エチルアクリレー
ト、メチルメタクリレートを挙げることができ、すなわ
ちこれらの単独重合体、及びこれらを2種類以上含有す
る共重合体を使用できる。
【0066】またかかるD成分の重合体は、塊状、溶
液、乳化、または懸濁重合等の、いずれの公知の重合法
で製造されたものでもよい。中でも好ましいのは乳化重
合法である。
【0067】本発明のD成分において重量平均分子量
(Mw)が1,000,000未満ではウエルド部の強
度、ジェッティングなどの改良効果が十分でなく、1
0,000,000を超えるものでは改良効果に対して
流動性悪化の影響が大きくなる。なお、本発明のD成分
で使用する重合体の重量平均分子量(Mw)は、標準ポ
リスチレン樹脂による較正曲線を使用したGPC測定に
より算出されるものである。
【0068】本発明では更に無機充填材を配合すること
もできる。本発明はジェッティングなどの外観不良を生
じ易い無機充填材を配合した場合にあっても良好な外観
を達成するものである。本発明で使用される無機充填材
(E成分)としては、ガラス繊維(チョップドストラン
ド)、炭素繊維、金属被服炭素繊維、金属繊維、ワラス
トナイト、ゾノトライト、チタン酸カリウムウィスカ
ー、ホウ酸アルミニウムウィスカー、塩基性硫酸マグネ
シウムウィスカー等の繊維状充填材、タルク、マイカ、
ガラスフレーク、グラファイトフレーク等の板状充填
材、ガラス短繊維(ミルドファイバー)、炭素短繊維、
ガラスビーズ、ガラスバルーン、シリカ粒子、チタニア
粒子、アルミナ粒子、カオリン、クレー、炭酸カルシウ
ム、酸化チタン等の粒子状充填材を挙げることができ
る。
【0069】本発明におけるA成分、B成分、C成分、
及びD成分の配合割合は、A成分1〜99重量%、B成
分99〜1重量%、好ましくはA成分20〜90重量
%、B成分80〜10重量%、更に好ましくはA成分4
0〜90重量%、B成分60〜10重量%からなる樹脂
組成物100重量部に対し、C成分が0.5〜30重量
部、好ましくは1〜20重量部、更に好ましくは3〜1
0重量部、D成分が0.01〜10重量部、好ましくは
0.1〜7重量部、更に好ましくは0.5〜5重量部で
ある。更に任意にE成分を配合する場合には、A成分〜
D成分の合計100重量部に対し、E成分が0.5〜1
00重量部、好ましくは0.5〜60重量部、更に好ま
しくは0.5〜40重量部である。
【0070】芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分)と
スチレン系樹脂(B成分)の合計100重量%中、A成
分が1重量%未満及びB成分が99重量%を超えると、
耐熱性改良効果が不十分となり、B成分が1重量%未満
及びA成分が99重量%を超えると、芳香族ポリカーボ
ネート樹脂に対する成形加工性改良や耐薬品性改良等の
効果が不十分となり好ましくない。また、A成分とB成
分の合計100重量部に対し、C成分が0.5重量部未
満では、相容性改良効果が不十分となり、ウエルド部の
強度、耐薬品性、低温衝撃強度の改良効果が不十分で、
30重量%を超えると、更なる改良効果は飽和して認め
られない一方で、耐熱性や衝撃強度が低下するようにな
り好ましくない。更にA成分とB成分の合計100重量
部に対し、D成分が0.01重量部未満では、ジェッテ
ィング防止等の成形加工性や更なるウエルド部の強度改
良効果が不十分であり、10重量部を超えると流動性が
悪くなり好ましくない。
【0071】また無機充填材(E成分)について、A成
分〜D成分の合計100重量部に対し0.5〜100重
量部の範囲においても、かかる範囲において発生するジ
ェッティング等の外観不良を本発明の組成物において
は、良好なウエルド強度、耐薬品性を維持しながら改良
することが可能である。
【0072】更に本発明においては、主としてA成分の
成形加工時の熱劣化を抑制するため各種の熱安定剤が好
ましく使用される。かかる熱安定剤としては亜リン酸、
リン酸、亜ホスホン酸、ホスホン酸及びこれらのエステ
ル等が挙げられ、具体的にはトリフェニルホスファイ
ト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス
(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ト
リデシルホスファイト、トリオクチルフォスファイト、
トリオクタデシルホスファイト、ジデシルモノフェニル
ホスファイト、ジオクチルモノフェニルホスファイト、
ジイソプロピルモノフェニルフォスファイト、モノブチ
ルジフェニルホスファイト、モノデシルジフェニルフォ
スファイト、モノオクチルジフェニルホスファイト、ビ
ス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペ
ンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ
−t−ブチル−4−エチルフェニル)ペンタエリスリト
ールジホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−
ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ビス
(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイ
ト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエ
リスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリ
スリトールジホスファイト、トリブチルホスフェート、
トリエチルフォスフェート、トリメチルホスフェート、
トリフェニルホスフェート、ジフェニルモノオキソキセ
ニルホスフェート、ジブチルホスフェート、ジオクチル
ホスフェート、ジイソプロピルホスフェート、4,4−
ビフェニレンジホスフィン酸テトラキス(2,4−ジ−
ブチルフェニル)、ベンゼンホスホン酸ジメチル、ベン
ゼンホスホン酸ジエチル、ベンゼンホスホン酸ジプロピ
ル等が挙げられる。これらの熱安定剤は、単独でもしく
は2種以上混合して用いてもよい。かかる熱安定剤の配
合量は、A成分である芳香族ポリカーボネート樹脂10
0重量部に対して0.0001〜1重量部が好ましく、
0.0005〜0.5重量部がより好ましく、0.00
1〜0.1重量部が更に好ましい。
【0073】また本発明の熱可塑性樹脂には、溶融成形
時の金型からの離型性をより向上させるために、本発明
の目的を損なわない範囲で離型剤を配合する事ことも可
能である。かかる離型剤としては、オレフィン系ワック
ス、シリコーンオイル、オルガノポリシロキサン、一価
または多価アルコールの高級脂肪酸エステル、パラフィ
ンワックス等が挙げられる。かかる離型剤の配合量は、
A成分の芳香族ポリカーボネート樹脂100重量部に対
し、0.01〜2重量部が好ましい。
【0074】本発明の熱可塑性樹脂組成物には、本発明
の目的を損なわない範囲で、光安定剤を配合することが
できる。かかる光安定剤としては、例えば2−(2’−
ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリ
アゾール、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒ
ドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、
2−(2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾ
トリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス
(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベン
ゾトリアゾール、2,2’−p−フェニレンビス(1,
3−ベンゾオキサジン−4−オン)等が挙げられる。か
かる光安定剤の配合量は、A成分である芳香族ポリカー
ボネート樹脂100重量部に対して0.01〜2重量部
が好ましい。
【0075】本発明の熱可塑性樹脂組成物には、本発明
の目的を損なわない範囲で、帯電防止剤を配合すること
ができる。かかる帯電防止剤としては、例えばポリエー
テルエステルアミド、グリセリンモノステアレート、ド
デシルベンゼンスルホン酸アンモニウム塩、ドデシルベ
ンゼンスルホン酸ホスホニウム塩、無水マレイン酸モノ
グリセライド、無水マレイン酸ジグリセライド等が挙げ
られる。
【0076】本発明に使用する熱可塑性樹脂組成物は、
上記成分を同時に、または任意の順序でタンブラー、V
型ブレンダー、ナウターミキサー、バンバリーミキサ
ー、混練ロール、押出機等の混合機により混合して製造
することができる。更に、本発明の目的を損なわない範
囲で、樹脂組成物に通常用いられる核剤、難燃剤、発泡
剤、染顔料等が含まれても差し支えない。
【0077】本発明の熱可塑性樹脂組成物には、本発明
の目的を損なわない範囲で、難燃剤等を配合してもよ
い。添加する難燃剤としては、まず赤リン系難燃剤が挙
げられる。使用する赤リン系難燃剤は、一般の赤リンの
他に、赤リン表面を熱硬化樹脂及び/または無機材料を
用いてマイクロカプセル化されている赤リンを使用する
ことができる。更に、かかるマイクロカプセル化されて
いる赤リンの使用は、安全性、作業性を良好とするため
マスターペレット化したものが好ましく使用される。か
かるマイクロカプセル化に使用される無機材料として
は、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化
チタン、水酸化スズ、水酸化セリウム等があげられ、熱
硬化樹脂としてはフェノール・ホルマリン系、尿素・ホ
ルマリン系、メラミン・ホルマリン系樹脂等が挙げられ
る。更にかかる無機材料で被覆されたものの上に、熱硬
化性樹脂を用いた被覆を形成し、二重に被覆処理した赤
リン等も好ましく使用できる。また、使用する赤リンは
無電解メッキしたものも使用可能であり、無電解メッキ
被膜としては、ニッケル、コバルト、銅、鉄、マンガ
ン、亜鉛またはこれらの合金から選ばれた金属メッキ被
膜を使用することができる。更に無電界メッキされた赤
リンに更に上記に記載の無機材料及び熱硬化性樹脂で被
覆された赤リンを使用することもできる。かかる無機材
料、熱硬化性樹脂及び無電界メッキ等のマイクロカプセ
ル化に使用する成分の量としては赤リン系難燃剤100
重量%中20重量%以下であることが望ましく、より好
ましくは5〜15重量%である。20重量%を越える
と、ホスフィンの抑制、安全性の確保等の効果よりも難
燃性の低下、機械的特性の低下等の悪影響が大きくなる
ため好ましくない。赤リン系難燃剤の平均粒径として
は、1〜100μm、好ましくは1〜40μmが使用さ
れる。かかるマイクロカプセル化した赤リン系難燃剤の
市販品としては、ノーバエクセル140、ノーバエクセ
ルF−5(燐化学工業(株)製:商品名)、ヒシガード
TP−10(日本化学工業(株)製:商品名)、ホスタ
フラムRP614(クラリアント・ジャパン(株)製:
商品名)等が挙げられる。更にかかるマイクロカプセル
化した赤リンを更に熱可塑性樹脂でマスターペレット化
した赤リン系難燃剤を使用することは、良好な難燃性、
機械的特性を達成し、製造時の安全性も高められるため
好ましく使用できる。本発明においては、芳香族ポリカ
ーボネート樹脂を主とする熱可塑性樹脂でマスターペレ
ット化されたものをより好ましく使用することができ
る。
【0078】また、臭素系難燃剤としては、臭素化ビス
フェノール、臭素化ポリスチレン、臭素化ビスフェノー
ルAのカーボネートオリゴマー、臭素化ビスフェノール
AとビスフェノールAとのコポリマー及び共重合オリゴ
マーに代表されるハロゲン系難燃剤が挙げられ、さらに
下記一般式[1]で表される1種または2種以上のリン
酸エステル系難燃剤も挙げることができる。
【0079】
【化1】
【0080】(但し上記式中のXは、ハイドロキノン、
レゾルシノール、ビス(4−ヒドロキシジフェニル)メ
タン、ビスフェノールA、ジヒドロキシジフェニル、ジ
ヒドロキシナフタレン、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケト
ン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)サルファイドから
誘導されるものが挙げられ、j、k、l、mはそれぞれ
独立して0または1であり、nは0〜5の整数であり、
またはn数の異なるリン酸エステルのブレンドの場合は
0〜5の平均値であり、R1、R2、R3、及びR4はそれ
ぞれ独立して1個以上のハロゲン原子を置換したもしく
は置換していないフェノール、クレゾール、キシレノー
ル、イソプロピルフェノール、ブチルフェノール、p−
クミルフェノールから誘導されるものである。)
【0081】この中で好ましくは、上記式中のXは、ハ
イドロキノン、レゾルシノール、ビスフェノールAから
誘導されるものが挙げられ、j、k、l、mはそれぞれ
1であり、nは0〜3の整数であり、またはn数の異な
るリン酸エステルのブレンドの場合は0〜3の平均値で
あり、R1、R2、R3、及びR4はそれぞれ独立して1個
以上のハロゲン原子を置換したもしくは置換していない
フェノール、クレゾール、キシレノールから誘導される
ものである。
【0082】更に、特に好ましくは、Xはレゾルシノー
ルから誘導されるものであり、j、k、l、mはそれぞ
れ1であり、nは0または1であり、R1、R2、R3
及びR4はそれぞれ独立してフェノールまたはキシレノ
ールから誘導されるものである。
【0083】かかるリン酸エステル系難燃剤の中でも、
モノホスフェート化合物としてはトリフェニルホスフェ
ート、縮合リン酸エステルとしてはレゾルシノールビス
(ジキシレニルホスフェート)が、難燃性が良好であり
かつ成形時の流動性が良好である等の理由により好まし
く使用できる。
【0084】その他衝撃改質剤として、例えばアクリル
−ブタジエン系衝撃改質剤、ポリオルガノシロキサン成
分とポリ(メタ)アルキルアクリレート成分と分離でき
ないように相互に絡み合った構造を有している複合ゴム
に、アルキル(メタ)アクリレート及び任意に共重合可
能なビニル重合体がグラフトした重合体を挙げることが
できる。前者の具体例としては呉羽化学(株)製HIA
15(商品名)、後者の具体例としては三菱レイヨン
(株)製メタブレンS2001(商品名)を挙げること
ができる。尚、かかる衝撃改質剤には通常単量体成分が
基体ゴム成分に共重合されることなく重合した成分が混
在するが、かかる成分の分子量は通常標準ポリスチレン
換算のGPC測定で算出される重量平均分子量において
50,000〜500,000のものである。
【0085】また難燃助剤として、例えば三酸化アンチ
モン、アンチモン酸ナトリウム等、ドリップ防止剤とし
て例えばフィブリル形成能を有するポリテトラフルオロ
エチレン等、離型剤、滑剤、着色剤等の各種の添加剤を
添加可能である。
【0086】本発明で得られた熱可塑性樹脂組成物は、
特に射出成形に適したものであるが、かかる射出成形法
としては通常の射出成形だけでなく、射出圧縮成形、ガ
スインジェクション中空成形、二色成形、高速射出成
形、その他の各種射出成形法においても有用である。本
発明の熱可塑性樹脂組成物においては、ガスインジェク
ション中空成形法に対してより安定した中空部の形成が
可能であり、かかる成形法においては特に有用である。
【0087】
【発明の実施の形態】以下に実施例をあげて本発明を更
に詳細に説明する。なお実施例中の部及び%は重量部及
び重量%であり、評価は下記の方法によった。 (1)耐衝撃性:ASTM D−256に従って23
℃、−30℃の雰囲気下で耐衝撃性を測定した。(アイ
ゾットノッチ付き1/8”) (2)耐熱性:ASTM D−648に従い、荷重たわ
み温度を測定した。 (3)外観:ASTM D−638に記載の引張りダン
ベルを成形し、ジェッティング、フローマークの有無を
目視によって判定した。尚、判定は下記に従って行っ
た。 ○・・・ジェッティング及びフローマークの外観不良無
し ×・・・ジェッティングまたはフローマークの外観不良
有り
【0088】 (4)耐薬品性:ASTM D−638に記載の引張り
ダンベルを、23℃×24時間状態調整後、3点曲げ型
の治具で0.7%の歪みを加えた状態でワックスリムー
バ(ユシロ化学(株):ST−210)に60℃×30
分の条件で浸漬後、クラックの発生状況を目視にて確認
した。なお、判定は下記に従って行った。 ○・・・クラックの発生無し ×・・・クラックが発生 更に、薬品処理後の引張り強度をASTM D−638
に従い薬品処理後の引張り強度(X1)を測定し、薬品
処理前の通常の引張り強度(X2)の結果を用いて引張
り強度保持率を算出した。なお、判定は下記に従って行
った。 強度保持率(%)=(X1/X2)×100 ◎・・・強度保持率95%以上 ○・・・強度保持率90%以上 △・・・強度保持率70〜90% ×・・・強度保持率70%未満
【0089】 (5)ウエルド部の強度測定:ASTM D−638に
記載の引張りダンベルを用いて、ダンベルの両端にゲー
トを作成し、ダンベル中央にウエルドが形成されるよう
にして引張り強度(Y1)を測定した。またASTM
D−638に準拠し、通常の引張り強度(Y2)を測定
し、ウエルド強度の保持率を次式に従い算出した。 強度保持率(%)=(Y1/Y2)×100%
【0090】[実施例1〜24及び比較例1〜25]表
1〜表4に示す各成分を表記載の配合割合にてV型ブレ
ンダーで混合した後、スクリュー径30mmのベント式
二軸押出機[神戸製鋼(株)製KTX−30]によりシ
リンダー温度260℃でペレット化した。このペレット
を110℃で6時間乾燥した後、射出成形機[FANU
C(株)製T−150D]によりシリンダー温度260
℃、金型温度80℃で所望の試験片を作成し、評価結果
を示した。
【0091】表中に記載の各成分を示す記号は下記の通
りである。なお、重量平均分子量(Mw)は標準ポリス
チレン試料による較正曲線を使用したGPC測定により
算出されるものである。
【0092】(A成分) PC:ビスフェノールAとホスゲンより製造される粘度
平均分子量22,500の直鎖状芳香族ポリカーボネー
ト樹脂:帝人化成(株)製「パンライトL−1225」 (B成分) ABS:ABS樹脂(三井化学(株)製「サンタックU
T−61」AS成分のMw=120,000) AES:AES樹脂(宇部サイコン(株)製「AXSレ
ジンE700N」AS成分のMw=130,000) ASA:ASA樹脂(宇部サイコン(株)製「AXSレ
ジンA600N」AS成分のMw=130,000) AS−1:アクリロニトリル−スチレン共重体(旭化成
(株)製「スタイラックAS769」Mw=140,0
00) AS−2:アクリロニトリル−スチレン共重体(三井化
学(株)製「ライタック980PC」Mw=90,00
0)
【0093】(C成分) ポリエステル系相容化剤(C−1):ポリブチレンテレ
フタレート樹脂((株)クラレ製「ハウザーS1000
F」:極限粘度[η]=0.85)70重量部及び水添
SBIS−OH{片末端に水酸基を有するポリスチレン
ブロック(数平均分子量6,000)/1,3−ブタジ
エンとイソプレンの水添共重合体ブロック(数平均分子
量28,000)/ポリスチレンブロック(数平均分子
量6,000)とからなるトリブロック共重合体,水酸
基含有量=0.8個/1分子,水素添加前のスチレン含
有量=30重量%、1,3−ブタジエン/イソプレンの
モル比=1/1,数平均分子量=40,000}30重
量部を予備混合し、二軸押出機((株)日本製鋼所製
「TEX44C」)を用いて250℃で溶融混練してペ
レットを製造した。このペレットを固相重合装置に移し
て、120℃で約4時間予備処理を行った。その後、固
相重合装置内を0.2mmHgに減圧し、且つ200℃
まで昇温することにより重合反応を開始させた。約14
時間後に窒素ガスを反応装置内に導入して常圧に戻し反
応生成物として目的とするポリエステル系相容化剤(C
−1)を得た。
【0094】なお、上記で得られたポリエステル系相容
化剤(C−1)がのポリブチレンテレフタレートブロッ
クと水添SBISブロックが結合したブロック共重合体
を含有することは、以下の点により確認した。
【0095】即ち、得られたポリエステル系相容化剤
(C−1)をヘキサフルオロイソプロパノール/クロロ
ホルム(1/1)の混合溶媒に溶解させ、その溶液をテ
トラヒドロフラン中に注入して沈殿物を得た。更にクロ
ロホルム中で加熱還流した後、濾別し、クロロホルム溶
液を濃縮乾固することによりポリエステル系相容化剤
(C−1)よりポリブチレンテレフタレートブロックと
水添SBISブロックが結合したブロック共重合体成分
を分離し、このブロック共重合体成分の1H−NMR測
定によりポリブチレンテレフタレートの化学構造に由来
するピーク(8.1、4.1、2.2ppmのピーク)
と水添SBIS−OHの化学構造に由来するピーク
(7.0、6.6、0.7〜2.0ppm)との両方を
示し、且つ使用した水添SBIS−OHにおいて認めら
れた分子末端の水酸基に隣接するメチレンプロトンのピ
ークの化学シフトが移動していたこと。また、GPC測
定においても、単一の分子量を示し、且つ、その数平均
分子量が原材料として用いたポリブチレンテレフタレー
トの数平均分子量と水添SBIS−OHの数平均分子量
の合計にほぼ等しいものであったことである。
【0096】また、ポリエステル系相容化剤(C−1)
中のポリブチレンテレフタレートブロックと水添SBI
Sブロックが結合したブロック共重合体成分の割合は5
2重量%であった。
【0097】ポリエステル系相容化剤(C−2):C−
1で使用のSBIS−OHの代わりに水添SI−OH
{ポリスチレンブロック末端に水酸基を有するポリスチ
レンブロック(数平均分子量10,000)/水素添加
されたポリイソプレンブロック(数平均分子量20,0
00)からなるジブロック共重合体、水酸基含有量=
0.8個/1分子、水素添加前のブロック共重合体にお
けるスチレン含有量=33重量%、数平均分子量=3
0,000}を用いC−1と同様にしてポリエステル−
芳香族ビニル系ブロック共重合体を含有する固相重合反
応生成物を得た。得られた固相重合反応生成物をヘキサ
フルオロイソプロパノール/クロロホルム(1/1)の
混合溶媒に溶解させ、その溶液をテトラヒドロフラン中
に注入して沈殿物を得た。更にクロロホルム中で加熱還
流した後、濾別し、クロロホルム溶液を濃縮乾固するこ
とにより目的とするポリエステル系相容化剤(C−2)
を得た。また、これがブロック共重合体であることはC
−1と同様の方法により確認した。
【0098】(D成分) D−1:アクリロニトリル−スチレン共重体(ゼネラル
エレクトリックカンパニイ社製 「ブレンデックス 8
69」 Mw=7,000,000) D−2:アクリル樹脂(鐘ヶ淵化学工業(株)製 「P
A−30」 Mw=2,500,000) (D成分以外) D−3:前記AS−1 D−4:ポリメチルメタクリレート樹脂(Mw=60
0,000) (E成分) WSN:ワラストナイト(NYCO社製 NYGLOS
4) タルク:タルク (林化成(株)製 HST0.8) GF:ガラス繊維 (日本電気硝子(株)製 ECS
03T−511)
【0099】
【表1】
【0100】
【表2】
【0101】
【表3】
【0102】
【表4】
【0103】この表から明らかな様に、本発明のポリエ
ステル−スチレン系エラストマーブロック共重合体とG
PC測定から算出された重量平均分子量(Mw)が1,
000,000〜10,000,000である芳香族ビ
ニル単量体、シアン化ビニル単量体、アクリレート単量
体、及びメタクリレート単量体から選ばれた少なくとも
1種の単量体を重合して得られた重合体を併用すること
により、芳香族ポリカーボネートとスチレン系樹脂組成
物において、それらを単独で使用する場合に比較して更
にウエルド強度及び耐薬品性等を改良することが可能で
あることがわかる。更にB成分の樹脂を比較した場合に
は、耐薬品性の面でASA樹脂からより良好な特性を達
成していることが分かる。
【0104】
【発明の効果】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、ウエル
ド部の強度、耐薬品性、低温衝撃強度、耐熱性等に優れ
る芳香族ポリカーボネートとABS樹脂をはじめとする
スチレン系樹脂からなる樹脂組成物であり、自動車分
野、OA機器分野及び電子電気機器分野等の各種工業用
途に極めて有用であり、特に自動車分野の外装材用途、
内装材用途、及び電子機器筐体のように比較的大型成形
品が必要となる用途に最適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 53:00) Fターム(参考) 4J002 BC01W BC014 BC024 BC03W BC04W BC06W BC07W BC08W BC084 BC09W BC094 BC11W BC114 BC12W BC124 BG044 BG054 BG094 BN03W BN07W BN12W BN14W BN15W BN16W BN21W BP01W BP033 CD194 CF273 CG01X CG02X CP17W DA016 DA066 DE136 DE146 DE186 DE236 DG046 DJ006 DJ016 DJ036 DJ046 DJ056 DK006 DL006 FA016 FA036 FA086 FA106 FB076 FD016 FD040 FD060 FD100 FD130 GN00 GQ00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分)
    1〜99重量%及びスチレン系樹脂(B成分)99〜1
    重量%からなる樹脂組成物100重量部、ポリエステル
    −スチレン系エラストマーブロック共重合体(C成分)
    0.1〜30重量部、及びGPC(ゲルパーミエーショ
    ンクロマトグラフィー)測定から算出された重量平均分
    子量(Mw)が1,000,000〜10,000,0
    00である芳香族ビニル単量体、シアン化ビニル単量
    体、アクリレート単量体、及びメタクリレート単量体か
    ら選ばれた少なくとも1種の単量体を重合して得られた
    重合体(D成分)0.01〜10重量部からなる熱可塑
    性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 A成分〜D成分からなる熱可塑性樹脂組
    成物100重量部に対し、更に無機充填材(E成分)
    0.5〜100重量部を配合してなる請求項1に記載の
    熱可塑性樹脂組成物。
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Cited By (5)

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