JP2000327665A - アルキルヒダントイン類 - Google Patents

アルキルヒダントイン類

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JP2000327665A
JP2000327665A JP11138608A JP13860899A JP2000327665A JP 2000327665 A JP2000327665 A JP 2000327665A JP 11138608 A JP11138608 A JP 11138608A JP 13860899 A JP13860899 A JP 13860899A JP 2000327665 A JP2000327665 A JP 2000327665A
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Yuuki Takuma
勇樹 詫摩
Naoyuki Watanabe
尚之 渡辺
Masahiro Yamagishi
正博 山岸
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 医薬化合物及び農薬化合物などの製造用原料
として有用な(L)−BOC−N−メチル−4−クロロ
フェニルアラニン及びその類縁化合物を効率的に製造で
きるアルキルヒダントイン類を提供する。 【解決手段】 一般式(III):R2−CH2−CH(C
OOH)−N(R1)(R 3)(式中、R1はC1-4アルキ
ル基を示し;R2は置換アリール基又はC1-4アルキル基
を示し;R3はアミノ保護基を示す)で表される化合物
の製造用中間体であって、一般式(I)(式中、R1
1-4アルキル基を示し;R2は置換アリール基又はC
1-4アルキル基を示す)で表される化合物。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医薬や農薬の製造
用中間体として有用なアルキルヒダントイン類に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】国際公開WO98/20891には、下
記の式で表される化合物が開示されている。この化合物
は、細胞の感受性の維持、又は感受性の亢進若しくは回
復のための医薬として有用であることが知られている。
【化4】
【0003】上記刊行物には、(L)−BOC−N−メ
チル−4−クロロフェニルアラニン(BOC:tert-ブ
トキシカルボニル)とN−ベンジル−(3−(ピリジン
−4−イル)−1−(2−(ピリジン−4−イル)エチ
ル)プロピル)アミンとを反応させた後、BOC基を脱
保護し、さらに3,4,5−トリメトキシベンゾイル蟻
酸と反応させることにより目的物を合成したことが記載
されているが、(L)−BOC−N−メチル−4−クロ
ロフェニルアラニンの製造方法に関しては具体的開示が
ない。
【0004】上記(L)−BOC−N−メチル−4−ク
ロロフェニルアラニンは、一般的には、例えば公知の方
法(Canadian Journal of Chemistry, 49, 1968, 197
1)に従ってフェニルアラニンのアミノ基に保護基を導
入した後、水素化ナトリウムの存在下でヨウ化アルキル
を反応させることにより製造することができる。もっと
も、この方法では、水素化ナトリウムとヨウ化アルキル
の使用量が多く、アルキル化の収率も低いことから実用
的な方法とは言えない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、医薬
化合物及び農薬化合物などの製造用原料として有用な
(L)−BOC−N−メチル−4−クロロフェニルアラ
ニン及びその類縁化合物を効率的に製造することができ
る製造用中間体を提供することにある。また、本発明の
別の課題は、上記の製造用中間体を用いて、(L)−B
OC−N−メチル−4−クロロフェニルアラニン及びそ
の類縁化合物を効率的に製造する方法を提供することに
ある。
【0006】本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意
研究を行った結果、下記の式(I)及び式(II)で表さ
れる(置換ベンジル)−1−アルキルヒダントイン類
が、(L)−BOC−N−メチル−4−クロロフェニル
アラニン及びその類縁化合物の製造用中間体として有用
であることを見出した。本発明は上記の知見を基にして
完成されたものである。
【0007】すなわち、本発明は、下記の一般式(II
I):R2−CH2−CH(COOH)−N(R1
(R3)(式中、R1はC1-4アルキル基を示し;R2は置
換アリール基又はC1-4アルキル基を示し;R3はアミノ
保護基を示す)で表される化合物の製造用中間体であっ
て、下記の一般式(I):
【化5】 (式中、R1はC1-4アルキル基を示し;R2は置換アリ
ール基又はC1-4アルキル基を示す)で表される化合物
を提供するものである。R1は好ましくはメチル基であ
り、R2は好ましくは置換フェニル基、さらに好ましく
はp−クロロフェニル基であり、R3はBOC基であ
る。
【0008】また、上記一般式(I)又は(III)で表
される化合物の製造用中間体であって、下記の一般式
(II):
【化6】 (式中、R11はC1-4アルキル基を示し;R12は置換ア
リール基又はC1-4アルキル基を示し;波線は上記式(I
I)で表される化合物がZ若しくはE配置のいずれかの異
性体又はそれらの混合物であることを示す)で表される
化合物が提供される。R11は好ましくはメチル基であ
り、R12は好ましくは置換フェニル基、さらに好ましく
はp−クロロフェニル基である。
【0009】別の観点からは、上記一般式(I)で表さ
れる化合物を加水分解した後、アミノ基を保護する工程
を含む上記一般式(III)で表される化合物の製造方
法;及び上記一般式(II)で表される化合物を還元して
得られる上記一般式(I)で表される化合物を加水分解
した後、アミノ基を保護する工程を含む上記一般式(II
I)で表される化合物の製造方法が提供される。
【0010】さらに別の観点からは、下記の一般式(V
I):
【化7】 (式中、R1はC1-4アルキル基を示し;R2は置換アリ
ール基又はC1-4アルキル基を示し、R31は置換若しく
は無置換のアラルキル基、置換若しくは無置換のヘテロ
アリールアルキル基、又はC1-4アルキル基を示し;R
32は水素原子、置換若しくは無置換のアラルキル基、又
は置換若しくは無置換のヘテロアリールアルキル基を示
し;R33は置換若しくは無置換のアリール基、置換若し
くは無置換のヘテロアリール基、置換若しくは無置換の
アラルキル基、又は置換若しくは無置換のヘテロアリー
ルアルキル基を示す)で表される化合物の製造方法であ
って、下記の工程: (1)上記一般式(I)で表される化合物を加水分解した
後、アミノ基を保護して上記一般式(III)で表される
化合物を製造する工程; (2)上記工程(1)で得られた一般式(III)で表される化
合物と下記の一般式(V):R33−(CH22−CH
(R32)−NH−R31(式中、R31、R32、及びR 33
上記と同義である)で表される化合物とを反応させる工
程; (3)上記工程(2)で得られた化合物を脱保護して、3,
4,5−トリメトキシベンゾイル蟻酸と反応させる工程
を含む方法が提供される。
【0011】上記の一般式(VI)で表される化合物の製
造方法において、工程(1)において用いられる一般式
(I)で表される化合物として、好ましくは上記一般式
(II)で表される化合物を還元して得られた一般式
(I)の化合物を用いることができる。R1は好ましく
はメチル基であり、R2は好ましくは置換フェニル基、
さらに好ましくはp−クロロフェニル基であり、R31
好ましくはベンジル基であり、R 32は好ましくはピリジ
ルエチル基、より好ましくは2−(4−ピリジル)エチ
ル基であり、R33は好ましくはピリジル基、より好まし
くは4−ピリジル基である。なお、上記式(I)におい
てR1がC1-4アルキル基であり、R2が置換フェニル
基、好ましくはp−クロロフェニル基である化合物、及
び上記式(II)においてR11がC1-4アルキル基であ
り、R2が置換フェニル基、好ましくはp−クロロフェ
ニル基である化合物は新規化合物であり、本発明によ
り、上記の新規化合物も提供される。
【0012】
【発明の実施の形態】本明細書において用いられる用語
の意味は以下のとおりである。「アルキル基」又はアル
キル部分を含む置換基のアルキル部分(例えばアラルキ
ル基など)は直鎖又は分枝鎖のいずれでもよい。C1-4
アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n
−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec
−ブチル基、イソブチル基、又はtert−ブチル基を
用いることができる。「アリール基」としては、単環式
又は縮合多環式の芳香族基を用いることができ、例え
ば、単環式又は2環式の芳香族基を用いることができ
る。アリール基の炭素数は、例えば6〜12個、好まし
くは6〜10個である。アリール基としては、フェニル
基、ナフチル基などが挙げられるが、好ましくはフェニ
ル基を用いることができる。アリール基は環上の任意の
位置で結合することができる。
【0013】ヘテロアリール基としては、窒素原子、酸
素原子、イオウ原子などのヘテロ原子を1個又は2個以上
含む単環式又は縮合多環式のヘテロアリール基を用いる
ことができる。例えば、単環式又は2環式のヘテロアリ
ール基を用いることができる。2個以上のヘテロ原子を
含む場合には、それらは同一でも異なっていてもよい。
ヘテロアリール基は環上の任意の位置で結合することが
できる。ヘテロアリール基として、例えば、チエニル
基、フリル基、イミダゾリル基、ピリジル基、イソキノ
リル基、キノリル基などを挙げることができるが、これ
らのうち、ピリジル基又はイミダゾリル基が好ましい。
より好ましいのはピリジル基であり、3−ピリジル基又
は4−ピリジル基が特に好ましい。
【0014】アラルキル基としては、上記のアリール基
が1個又は2個以上、好ましくは1個結合したC1-4
ルキル基を用いることができ、好ましくはベンジル基、
フェネチル基などを用いることができる。R31として、
好ましくはベンジル基を用いることができ、R32として
はフェネチル基が好ましく、R33としてはベンジル基が
好ましい。ヘテロアリールアルキル基としては、上記の
ヘテロアリール基が1個又は2個以上、好ましくは1個
結合したC1-4アルキル基を用いることができ、好まし
くはピリジルメチル基、ピリジルエチル基、イミダゾリ
ルメチル基、イミダゾリルエチル基などを用いることが
できる。R31としては、ピリジルメチル基又はイミダゾ
リルメチル基が好ましく、R32としてはピリジルエチル
基又はイミダゾリルエチル基が好ましい。
【0015】本明細書において、ある官能基について
「置換又は無置換」という場合には、その官能基が1又
は2個以上の任意の置換基を有していてもよいことを意
味する。2個以上の置換基を有する場合には、それらは
同一でも異なっていてもよい。置換基の存在位置は限定
されず、置換可能な任意の部位に存在することができ
る。置換基の種類は特に限定されないが、例えば、アル
キル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、非
芳香族ヘテロ環基、ヘテロアリール基、ハロゲン原子、
ヒドロキシ基、オキソ基、アミノ基、アンモニウム基、
イミノ基、メルカプト基、チオキソ基、シアノ基、ニト
ロ基、カルボキシル基、リン酸基、スルホ基、ヒドラジ
ノ基、ウレイド基、イミド基、イソチオシアナート基、
イソシアナート基、アルコキシ基、アルキルチオ基、ア
リールオキシ基、非芳香族ヘテロ環オキシ基、ヘテロア
リールオキシ基、アリールチオ基、非芳香族ヘテロ環チ
オ基、ヘテロアリールチオ基、アラルキル基、非芳香族
ヘテロ環アルキル基、ヘテロアリールアルキル基、アラ
ルキルオキシ基、非芳香族ヘテロ環アルキルオキシ基、
ヘテロアリールアルキルオキシ基、アルコキシカルボニ
ル基、アリールオキシカルボニル基、非芳香族ヘテロ環
オキシカルボニル基、ヘテロアリールオキシカルボニル
基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、非
芳香族ヘテロ環カルボニル基、ヘテロアリールカルボニ
ル基、アルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニ
ルオキシ基、非芳香族ヘテロ環カルボニルオキシ基、ヘ
テロアリールカルボニルオキシ基、アルキルカルボニル
アミノ基、スルホニル基、スルフィニル基、スルホニル
アミノ基、カルバモイル基、又はスルファモイル基など
を挙げることができる。
【0016】さらに、上記に例示した置換基は、さらに
1又は2個以上の他の置換基で置換されていてもよい。
このような例として、例えば、ヒドロキシアルキル基、
ハロゲン化アルキル基、モノ若しくはジアルキルアミノ
基、ハロゲン化アルキルカルボニル基、ハロゲン化アリ
ール基、ヒドロキシアリール基、モノ又はジアルキルカ
ルバモイル基などを挙げることができる。もっとも、上
記に説明した置換基は例示のためのものであり、これら
に限定されることはない。
【0017】上記一般式で表される化合物において、好
ましい置換基は以下のとおりである。R1又はR11して
は、好ましくはメチル基を用いることができる。R2
はR12しては、フェニル基、p−クロロフェニル基、又
はイソプロピル基などを用いることができ、より好まし
くはp−クロロフェニル基を用いることができる。R31
としては、ベンジル基、p−クロロベンジル基、p−フ
ルオロベンジル基、4−ピリジルメチル基、1H−イミ
ダゾリル−1−イルメチル基、メチル基などを用いるこ
とができる。R32としては、水素原子、フェネチル基、
3−フェニルプロピル基、3−(3−ピリジル)プロピ
ル基、3−(4−ピリジル)プロピル基、2−(3−ピ
リジル)エチル基、2−(4−ピリジル)エチル基など
を用いることができる。R33としては、フェニル基、ピ
リジル基、ベンジル基、3−ピリジルメチル基、4−ピ
リジルメチル基、1H−イミダゾリル−1−イル基など
を用いることができる。なお、R3が示すアミノ保護基
としては、種々の保護基が採用できるが(例えば、Prot
ective Groups in Organic Synthesis, T.W. Greene, J
ohn Wiley & Sons, Inc., 1981などを参照)、例えばt
ert−ブトキシカルボニル基(BOC基)などが好ま
しい。
【0018】上記式(I)においてR1がC1-4アルキル
基であり、R2が置換フェニル基、好ましくはp−クロ
ロフェニル基である化合物、及び上記式(II)において
11がC1-4アルキル基であり、R2が置換フェニル基、
好ましくはp−クロロフェニル基である化合物は新規化
合物である。これらの化合物の異性体(例えば、光学異
性体、ジアステレオ異性体、幾何異性体)、異性体の任
意の混合物、ラセミ体も本発明の範囲に包含される。さ
らに、これらの化合物の水和物又は溶媒和物も本発明の
範囲に包含される。
【0019】本発明の方法には、 (A)上記一般式(I)で表される化合物を加水分解し
た後、アミノ基を保護する工程を含む上記一般式(II
I)で表される化合物の製造方法; (B)上記一般式(II)で表される化合物を還元して得
られる上記一般式(I)で表される化合物を加水分解し
た後、アミノ基を保護する工程を含む上記一般式(II
I)で表される化合物の製造方法; (C)上記一般式(VI)で表される化合物の製造方法で
あって、下記の工程: (1)上記一般式(I)で表される化合物を加水分解した
後、アミノ基を保護して上記一般式(III)で表される
化合物を製造する工程; (2)上記工程(1)で得られた一般式(III)で表される化
合物と下記の一般式(V):R33−(CH22−CH
(R32)−NH−R31(式中、R31、R32、及びR 33
上記と同義である)で表される化合物とを反応させる工
程;及び (3)上記工程(2)で得られた化合物を脱保護して、3,
4,5−トリメトキシベンゾイル蟻酸と反応させる工程
を含む方法;並びに (D)上記の一般式(VI)で表される化合物の製造方法
において、工程(1)において用いられる一般式(I)で
表される化合物として、上記一般式(II)で表される化
合物を還元して得られた一般式(I)の化合物を用いる
方法が包含される。
【0020】式(II)で表される化合物から式(V)で
表される化合物の製造方法として、R 2が置換又は無置
換のフェニル基であり、R3がBOC基である場合の製
造方法を以下のスキームに示す。Xは水素原子又はベン
ゼン環上の1個又は2個以上の置換基を示し、好ましく
はp−クロロフェニル基を示す。R1、R31、R32、及
びR33は上記定義と同義である。以下、このスキームに
基づいて本発明の方法を説明するが、本発明の方法は下
記のスキームに示された特定の製造方法に限定されるこ
とはない。また、反応条件や反応試薬は当業者に適宜選
択可能であり、また、下記に述べる方法には適宜の改変
や修飾が可能であることを理解すべきである。
【0021】
【化8】
【0022】置換又は無置換のベンズアルデヒドとアル
キルヒダントインを縮合させることにより、5−(置換
ベンザル)−1−アルキルヒダントイン(IIa)を製造
することができる。この反応は、一般的には溶媒中で塩
基の存在下に行うことができる。反応に使用する溶媒と
しては、例えば、酢酸、無水酢酸、又はこれらの混合物
を好適に用いることができる。溶媒の使用量は特に限定
されないが、アルキルヒダントインに対して2〜100
容量倍、好ましくは3〜50容量倍である。また、これ
らの溶媒に補助溶媒を添加してもよい。補助溶媒として
は、例えば、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムア
ミド、アセトニトリルなどを用いることができる。補助
溶媒を用いる場合の使用量は、例えば、アルキルヒダン
トインに対して1〜50容量倍、好ましくは5〜30容
量倍である。
【0023】反応に用いる塩基としては、例えば、酢酸
塩(酢酸ナトリウム、酢酸アンモニウムなど)、リン酸
塩(リン酸アンモニウム、リン酸水素ジアンモニウム、
リン酸2水素アンモニウムなど)、1級ないし3級アミ
ン(メチルアミン、エチルアミン、ジメチルアミン、ジ
エチルアミン、エタノールアミン、エチレンジアミン、
ピペリジン、モルホリンなど)を使用することができ
る。好ましくは、酢酸アンモニウム、リン酸アンモニウ
ム、リン酸水素ジアンモニウム、リン酸2水素アンモニ
ウム、メチルアミン、エチルアミン、ジメチルアミン、
ジエチルアミン、エタノールアミン、エチレンジアミン
を用いることができる。塩基の量は、例えば、アルキル
ヒダントインに対して0.5〜3倍モル、好ましくは
0.8〜2倍モルである。これらの塩基の2種類以上を
組み合わせて用いてもよい。
【0024】アルキルヒダントインに対するベンズアル
デヒドの量は特に限定されないが、例えば等量ないし過
剰量、好ましくは1〜2倍モル、より好ましくは1〜
1.5倍モル程度である。反応は、一般的には室温〜溶
媒の還流温度までの任意の温度で行うことができるが、
好ましくは溶媒の還流温度付近で行うことができる。原
料として用いるアルキルヒダントインは、R1−NH−
CH2−COOH(R1はC1 -4アルキル基を示す)で表
される化合物とKCNOとを反応させることにより容易
に製造することができる。
【0025】式(IIa)で表される化合物を還元するこ
とにより、5−(置換ベンジル)−1−アルキルヒダン
トイン(Ia)を製造することができる。還元は、一般的
には接触還元により行うことができる。触媒としては、
例えば、パラジウム触媒(パラジウムカーボン、パラジ
ウムアルミナ、水酸化パラジウムカーボン、酢酸パラジ
ウムなど)、プラチナ触媒(プラチナカーボン、プラチ
ナカーボンサルファイドなど)、ロジウム触媒(ロジウ
ムカーボン、ロジウムアルミナ、ロジウムトリフェニル
ホスフィン錯体など)、ルテニウム触媒(ルテニウムカ
ーボンなど)、ニッケル触媒(ラネーニッケルなど)な
どを用いることができるが、好ましくは、パラジウム触
媒、ロジウム触媒、又はプラチナ触媒を用いることがで
きる。
【0026】触媒の量は特に限定されないが、化合物
(IIa)に対して金属換算で1〜50モル%、好ましく
は1〜20モル%である。溶媒としては、例えば、蟻
酸、酢酸、メタノール、エタノール、酢酸エチル、テト
ラヒドロフラン、ジメチルホルムアミドなどを用いるこ
とができ、好ましくは酢酸、テトラヒドロフラン、酢酸
エチル、ジメチルホルムアミドを用いることができる。
これらの溶媒を2種以上混合して用いてもよい。反応温
度は室温から溶媒の沸点までの温度を任意に選択するこ
とができる。反応圧力は、常圧から2MPa、好ましく
は常圧から1MPaである。
【0027】化合物(Ia)を加水分解して化合物(Ia-
1)とした後、保護基としてBOC基を導入することに
より化合物(IIIa)を製造することができる。加水分解
は、通常、アルカリ条件下に行うことができる。アルカ
リとしては一般的なアルカリを用いることができるが、
例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リ
チウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウムなどを用い
ることができ、好ましくは水酸化カルシウム又は水酸化
バリウムなどを用いることができる。アルカリの使用量
としては、化合物(Ia)に対して等モル〜20倍モル、
好ましくは等モル〜10倍モル程度である。
【0028】加水分解反応は水中で行うことができる
が、補助溶媒を用いて行うこともできる。補助溶媒とし
ては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルム
アミド、アセトニトリル、メタノールなどを用いること
ができる。補助溶媒を使用する場合には、化合物(Ia)
に対して1〜50容量倍、好ましくは5〜30容量倍程
度を用いることができ、2種以上の補助溶媒を組み合わ
せて用いてもよい。反応は、通常、室温から溶媒の還流
温度までの範囲の任意の温度で行うことができ、好まし
くは溶媒の還流温度で行うことができる。反応を加圧下
に行うこともできるが、加圧下に行う場合には2MP
a、好ましくは1MPa程度の圧力が好適である。
【0029】化合物(Ia-1)に対するBOC基の導入方
法としては、例えば、Protective Groups in Organic S
ynthesis, T.W.Greene, John Wiley & Sons, Inc., 198
1などに具体的に説明されている方法を採用すればよ
い。BOC基の導入のための試薬としては、種々の試薬
を利用できるが、例えば、ジtert−ブチルジカーバ
メイトなどを用いることができる。反応を行うためのp
Hとしては、通常、アルカリ条件を選択することができ
る。pH制御に用いる脱酸剤としては、例えば、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニアなどを用いる
ことができるが、有機アミン、例えばトリエチルアミ
ン、ジイソプロピルエチルアミンなどを用いてもよい。
【0030】溶媒としては、例えば、メタノール、アセ
トニトリル、ジオキサン、酢酸エチル、テトラヒドロフ
ラン、塩化メチレンなどを用いることができるが、含水
系で反応を行ってもよい。溶媒の使用量としては、例え
ば、化合物(Ia-1)に対して1〜50容量倍、好ましく
は5〜30容量倍であり、水を使用する場合には、化合
物(Ia-1)に対して1〜50容量倍、好ましくは5〜3
0容量倍程度である。反応は、室温から溶媒の還流温度
までの範囲の温度で行うことができる。化合物(IIIa)
から化合物(Va)の製造は、例えば、国際公開WO98
/20891の実施例3〜実施例6に記載された反応条
件に準じて行うことができる。
【0031】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明の範囲は下記の実施例に限定される
ことはない。 例1 酢酸50mLにメチルヒダントイン10.0g、p−ク
ロロベンズアルデヒド14.8g(メチルヒダントイン
に対して1.1倍モル)、酢酸アンモニウム10.1g
(メチルヒダントインに対して1.5倍モル)を添加
し、窒素気流下で反応混合物を6時間加熱還流した。反
応混合物を冷却した後、水を加えて析出した固体を濾取
した。得られた結晶をヘキサン−酢酸エチルから再結晶
し、乾燥して5−p−クロロベンザル−1−メチルヒダ
ントイン17.9g(収率:86%)を得た。1 H−NMR(DMSO−d6) δ(ppm) 2.2
0(s,3H),5.50(s,1H),6.50
(d,2H),7.05(d,2H)
【0032】例2 例1で得られた5−p−クロロベンザル−1−メチルヒ
ダントイン13.0gに酢酸200mL、5%ロジウム
アルミナ3.9g(5−p−クロロベンザル−1−メチ
ルヒダントインに対してロジウム換算で3モル%)を加
え、常温、常圧で気相部分を水素置換して接触還元を行
った。11時間攪拌した後、触媒を濾去し、母液を減圧
濃縮した。得られた結晶をヘキサン−酢酸エチルから再
結晶して、5−p−クロロベンジル−1−メチルヒダン
トイン9.2g(収率:70%)を得た。1 H−NMR(DMSO−d6) δ(ppm) 2.0
0(s,3H),2.20(dd,1H),2.30
(dd,1H),3.50(t,1H),6.40
(d,2H),6.50(d,2H),9.70(br
s,1H)
【0033】例3 例2で得られた5−p−クロロベンジル−1−メチルヒ
ダントインを常法に従い加水分解した後にBOC基を導
入した。得られた(L)−BOC−N−メチル−4−ク
ロロフェニルアラニンを国際公開WO98/20891
の実施例5に記載された方法に準じて、N−ベンジル−
N−[3−(ピリジン−4−イル)−1−(2−(ピリ
ジン−4−イル)−エチル)プロピル]アミンと反応
し、同国際公開の実施例5に記載された方法に準じて、
得られた(S)−N−ベンジル−2−(N−メチル−N
−tert−ブトキシカルボニル)アミノ−3−(4−
クロロフェニル)−N−(3−(ピリジン−4−イル)
−1−(2−(ピリジン−4−イル)エチル)プロピ
ル)プロピオンアミドをトリフルオロ酢酸で処理し、得
られた脱保護体をさらに同国際公報の実施例6に記載さ
れた方法に準じて3,4,5−トリメトキシベンゾイル
蟻酸と反応して、(S)−N−ベンジル−3−(4−ク
ロロフェニル)−2−(メチル−(2−オキソ−2−
(3,4,5−トリメトキシフェニル)アセチル)アミ
ノ)−N−(3−(ピリジン−4−イル)−1−(2−
(ピリジン−4−イル)エチル)プロピル)プロピオン
アミド(同国際公開の表1に記載された化合物9)を得
た。
【0034】
【発明の効果】本発明のアルキルヒダントイン類は、医
薬化合物や農薬化合物の製造用中間体として有用であ
る。また、上記アルキルヒダントイン類を用いた本発明
の方法により、医薬化合物及び農薬化合物などの製造用
原料として有用な(L)−BOC−N−メチル−4−ク
ロロフェニルアラニン及びその類縁化合物を効率的に製
造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山岸 正博 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内 Fターム(参考) 4C055 AA01 BA01 CA01 DA06 DA25 DA27 DA28 DB01 DB02 DB07 DB10 EA01 FA15 FA32 FA37 4H006 AA02 AC46 AC52 AC53 BD70 BE60 BJ50 BR10 BR30 BS10 BU32 BU40 BV22

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の一般式(III):R2−CH2−C
    H(COOH)−N(R1)(R3)(式中、R1はC1-4
    アルキル基を示し;R2は置換アリール基又はC1- 4アル
    キル基を示し;R3はアミノ保護基を示す)で表される
    化合物の製造用中間体であって、下記の一般式(I): 【化1】 (式中、R1はC1-4アルキル基を示し;R2は置換アリ
    ール基又はC1-4アルキル基を示す)で表される化合
    物。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の一般式(I)又は一般
    式(III)で表される化合物の製造用中間体であって、
    下記の一般式(II): 【化2】 (式中、R11はC1-4アルキル基を示し;R12は置換ア
    リール基又はC1-4アルキル基を示し;波線は上記式(I
    I)で表される化合物がZ若しくはE配置のいずれかの異
    性体又はそれらの混合物であることを示す)で表される
    化合物。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の一般式(I)で表され
    る化合物を加水分解した後、アミノ基を保護する工程を
    含む請求項1に記載の一般式(III)で表される化合物
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載の一般式(II)で表され
    る化合物を還元して得られる請求項1に記載の一般式
    (I)で表される化合物を加水分解した後、アミノ基を
    保護する工程を含む請求項1に記載の一般式(III)で
    表される化合物の製造方法。
  5. 【請求項5】 下記の一般式(VI): 【化3】 (式中、R1はC1-4アルキル基を示し;R2は置換アリ
    ール基又はC1-4アルキル基を示し、R31は置換若しく
    は無置換のアラルキル基、置換若しくは無置換のヘテロ
    アリールアルキル基、又はC1-4アルキル基を示し;R
    32は水素原子、置換若しくは無置換のアラルキル基、又
    は置換若しくは無置換のヘテロアリールアルキル基を示
    し;R33は置換若しくは無置換のアリール基、置換若し
    くは無置換のヘテロアリール基、置換若しくは無置換の
    アラルキル基、又は置換若しくは無置換のヘテロアリー
    ルアルキル基を示す)で表される化合物の製造方法であ
    って、下記の工程: (1)請求項1に記載の一般式(I)で表される化合物を
    加水分解した後、アミノ基を保護して請求項1に記載の
    一般式(III)で表される化合物を製造する工程; (2)上記工程(1)で得られた一般式(III)で表される化
    合物と下記の一般式(V):R33−(CH22−CH
    (R32)−NH−R31(式中、R31、R32、及びR 33
    上記と同義である)で表される化合物とを反応させる工
    程; (3)上記工程(2)で得られた化合物を脱保護して、3,
    4,5−トリメトキシベンゾイル蟻酸と反応させる工程
    を含む方法。
  6. 【請求項6】 工程(1)の前に、請求項2に記載の一般
    式(II)で表される化合物を還元し一般式(I)の化合
    物を製造する工程を含む請求項5に記載の方法。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の一般式(I)におい
    て、R1がC1-4アルキル基であり、R2が置換フェニル
    基である化合物。
  8. 【請求項8】 請求項2に記載の一般式(II)におい
    て、R11がC1-4アルキル基であり、R2が置換フェニル
    基である化合物。
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