JP2000326398A - プラスチック管の曲げ加工方法 - Google Patents
プラスチック管の曲げ加工方法Info
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- JP2000326398A JP2000326398A JP11140694A JP14069499A JP2000326398A JP 2000326398 A JP2000326398 A JP 2000326398A JP 11140694 A JP11140694 A JP 11140694A JP 14069499 A JP14069499 A JP 14069499A JP 2000326398 A JP2000326398 A JP 2000326398A
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- plastic pipe
- plastic tube
- pipe
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 プラスチック管を生産性良く曲げ加工する方
法を提供する。 【解決手段】 プラスチック管の所望区間を冷間で曲げ
加工して湾曲させ、次いで、そのプラスチック管1を拘
束装置2の支持台3に拘束治具4で取り付けることで湾
曲した状態に拘束し、その状態で炉に入れて熱変形温度
以上、融点以下に加熱し且つ適当な時間保持することで
熱処理し、曲げ加工によって生じていた応力の緩和を進
め、永久曲げ変形歪を残留させて曲げ加工部を形成す
る。
法を提供する。 【解決手段】 プラスチック管の所望区間を冷間で曲げ
加工して湾曲させ、次いで、そのプラスチック管1を拘
束装置2の支持台3に拘束治具4で取り付けることで湾
曲した状態に拘束し、その状態で炉に入れて熱変形温度
以上、融点以下に加熱し且つ適当な時間保持することで
熱処理し、曲げ加工によって生じていた応力の緩和を進
め、永久曲げ変形歪を残留させて曲げ加工部を形成す
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属管や樹脂ライ
ニング金属管とともに第三の管路形成材として需要が増
大しているプラスチック管を、管路の曲り部に適用すべ
く曲げ加工する方法に関する。
ニング金属管とともに第三の管路形成材として需要が増
大しているプラスチック管を、管路の曲り部に適用すべ
く曲げ加工する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチック管は押し出し法などで直管
を量産でき、又、軽量であり、小径であればリール巻き
もできることから、金属系の管よりも長尺の素材を供給
しやすい。この結果、素材の低コスト化が図りやすく、
又、配管時の接続個所が少なくて済むという施工上のメ
リットも出る。
を量産でき、又、軽量であり、小径であればリール巻き
もできることから、金属系の管よりも長尺の素材を供給
しやすい。この結果、素材の低コスト化が図りやすく、
又、配管時の接続個所が少なくて済むという施工上のメ
リットも出る。
【0003】一方、プラスチック管はその名前とは裏腹
に、金属よりも永久塑性変形させにくく、管路の形成に
欠かせない曲り部には、射出成形等で製造したエルボ等
の成形品を使用しており、直管とは比べものにならない
大きいコストがかかるという問題があった。
に、金属よりも永久塑性変形させにくく、管路の形成に
欠かせない曲り部には、射出成形等で製造したエルボ等
の成形品を使用しており、直管とは比べものにならない
大きいコストがかかるという問題があった。
【0004】このような状況であるので、安価に製造可
能なプラスチックの直管を安価に曲げ加工して曲げ管を
製造することが望まれている。従来のプラスチック管の
曲げ方法としては、プラスチック管を加熱したオイル中
でロール曲げで曲げる方法が知られている。この方法
は、高温のオイル中でプラスチック管を加熱して軟化さ
せているため加工に要する力を小さくでき、またプラス
チック管中の残留応力も或る程度除去されるため、形状
安定性が良い利点がある。
能なプラスチックの直管を安価に曲げ加工して曲げ管を
製造することが望まれている。従来のプラスチック管の
曲げ方法としては、プラスチック管を加熱したオイル中
でロール曲げで曲げる方法が知られている。この方法
は、高温のオイル中でプラスチック管を加熱して軟化さ
せているため加工に要する力を小さくでき、またプラス
チック管中の残留応力も或る程度除去されるため、形状
安定性が良い利点がある。
【0005】しかしながら、この方法は薄肉管には有効
な方法であるが厚肉管になると、短時間で管温度が上昇
しないこと、同様に管の応力除去ができない事により曲
げの精度も定まらないため生産性が悪く、採用されてい
ないのが実情である。また、プラスチック管をオイルに
浸漬するため曲げ加工の終了後にオイル除去に手間がか
かるという難点も有している。更に、曲り管を全面浸漬
するためのオイル浴設備及びその中に設置するロール設
備が必要であり、設備費が大きくなるという問題もあっ
た。
な方法であるが厚肉管になると、短時間で管温度が上昇
しないこと、同様に管の応力除去ができない事により曲
げの精度も定まらないため生産性が悪く、採用されてい
ないのが実情である。また、プラスチック管をオイルに
浸漬するため曲げ加工の終了後にオイル除去に手間がか
かるという難点も有している。更に、曲り管を全面浸漬
するためのオイル浴設備及びその中に設置するロール設
備が必要であり、設備費が大きくなるという問題もあっ
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
の問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするとこ
ろは、プラスチック曲り管を安価に供給できる技術を提
供することである。
の問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするとこ
ろは、プラスチック曲り管を安価に供給できる技術を提
供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、プラスチ
ックの直管に曲げ加工を施し、永久曲げ変形歪を生じさ
せる方法を検討の結果、プラスチック管を常温で曲げ変
形させた場合であっても、曲げ変形後に、そのプラスチ
ック管を湾曲させた状態に拘束して熱処理することで、
永久曲げ変形歪を生じさせることができることを見出
し、本発明を完成した。すなわち、本発明はプラスチッ
ク管の所望区間を湾曲させ、次いで、そのプラスチック
管を湾曲した状態に拘束した状態で熱処理を行って湾曲
により生じている応力の緩和を進め、永久曲げ変形歪を
残留させて曲げ加工部を形成することを特徴とするプラ
スチック管の曲げ加工方法である。本発明の方法では、
プラスチック管を曲げ変形させる際には従来のようにプ
ラスチック管を高温のオイル中で加熱して曲げるという
操作を必要とせず、通常の冷間曲げ加工を行えばよく、
これにより生産性良く曲げ変形操作を行うことができ、
また、曲げ変形後の熱処理は、例えば多数のプラスチッ
ク管を炉内に入れて加熱するという操作で一括して生産
性良く行うことができ、結局、プラスチックの薄肉管の
みならず、厚肉管でも生産性良く曲げ加工を実施でき、
プラスチックの曲り管を安価に生産できる。
ックの直管に曲げ加工を施し、永久曲げ変形歪を生じさ
せる方法を検討の結果、プラスチック管を常温で曲げ変
形させた場合であっても、曲げ変形後に、そのプラスチ
ック管を湾曲させた状態に拘束して熱処理することで、
永久曲げ変形歪を生じさせることができることを見出
し、本発明を完成した。すなわち、本発明はプラスチッ
ク管の所望区間を湾曲させ、次いで、そのプラスチック
管を湾曲した状態に拘束した状態で熱処理を行って湾曲
により生じている応力の緩和を進め、永久曲げ変形歪を
残留させて曲げ加工部を形成することを特徴とするプラ
スチック管の曲げ加工方法である。本発明の方法では、
プラスチック管を曲げ変形させる際には従来のようにプ
ラスチック管を高温のオイル中で加熱して曲げるという
操作を必要とせず、通常の冷間曲げ加工を行えばよく、
これにより生産性良く曲げ変形操作を行うことができ、
また、曲げ変形後の熱処理は、例えば多数のプラスチッ
ク管を炉内に入れて加熱するという操作で一括して生産
性良く行うことができ、結局、プラスチックの薄肉管の
みならず、厚肉管でも生産性良く曲げ加工を実施でき、
プラスチックの曲り管を安価に生産できる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。本
発明で曲げ加工の対象とするプラスチック管は、曲げ変
形可能なものであれば任意であり、例えば、ポリエチレ
ン管(通常のもの、超高分子材等)、ABS管、塩化ビ
ニール管等を挙げることができる。
発明で曲げ加工の対象とするプラスチック管は、曲げ変
形可能なものであれば任意であり、例えば、ポリエチレ
ン管(通常のもの、超高分子材等)、ABS管、塩化ビ
ニール管等を挙げることができる。
【0009】本発明方法では、まずプラスチックの直管
を曲げ変形工程に供して、その所望区間を湾曲させる。
この曲げ変形は、プラスチック管を所望の曲率になるよ
うに永久変形させるために行うものではなく、単に後工
程での熱処理を行う際に必要とされる湾曲状態に容易に
拘束することができるように(拘束するための装置に容
易に取り付けることができるように)行うものである。
従って、この曲げ変形工程に供する際のプラスチック管
温度としては、割れや破断等を発生することなく曲げ変
形可能な温度であればよく、下限は脆化温度である。一
方、プラスチック管温度は高いほど曲げ加工は容易とな
るが、加熱にエネルギーや時間を要するという欠点を生
じ、特に軟化温度を超えると好ましくない変形を生じる
恐れが生じるので、上限は軟化温度である。プラスチッ
ク管に使用する樹脂は大抵の場合、常温で曲げ変形させ
ることができるので、プラスチック管の曲げ変形操作
は、通常、常温で行えばよく、また、必要に応じ、少し
加熱してもよい。このように本発明では、プラスチック
管の曲げ加工時に軟化温度以上に加熱する必要がないの
で、従来のように高温のオイル浴を用いる必要がなく、
大気中で容易に曲げ加工を行うことができる。
を曲げ変形工程に供して、その所望区間を湾曲させる。
この曲げ変形は、プラスチック管を所望の曲率になるよ
うに永久変形させるために行うものではなく、単に後工
程での熱処理を行う際に必要とされる湾曲状態に容易に
拘束することができるように(拘束するための装置に容
易に取り付けることができるように)行うものである。
従って、この曲げ変形工程に供する際のプラスチック管
温度としては、割れや破断等を発生することなく曲げ変
形可能な温度であればよく、下限は脆化温度である。一
方、プラスチック管温度は高いほど曲げ加工は容易とな
るが、加熱にエネルギーや時間を要するという欠点を生
じ、特に軟化温度を超えると好ましくない変形を生じる
恐れが生じるので、上限は軟化温度である。プラスチッ
ク管に使用する樹脂は大抵の場合、常温で曲げ変形させ
ることができるので、プラスチック管の曲げ変形操作
は、通常、常温で行えばよく、また、必要に応じ、少し
加熱してもよい。このように本発明では、プラスチック
管の曲げ加工時に軟化温度以上に加熱する必要がないの
で、従来のように高温のオイル浴を用いる必要がなく、
大気中で容易に曲げ加工を行うことができる。
【0010】プラスチック管を曲げ変形させる具体的な
方法は、ロール曲げ、プレス曲げ等、従来よりプラスチ
ック管の曲げに使用されている方法を用いることができ
るほか、金属管の冷間曲げに用いられている方法も適宜
採用できる。また、プラスチック管を曲げ変形させる
際、管の偏平化を防止するための手段、例えばプラスチ
ック管内に砂を詰めておくとか、液体或いは気体により
適当な内圧を加えておく等の手段を講じることも有効で
ある。液体をプラスチック管内に満たして曲げ加工する
際には、温水等の加熱された液体を用いることが、プラ
スチック管を加熱して曲げ易くできるので好ましい。曲
げ変形させた際の湾曲歪量(曲げ半径)は、後工程で熱
処理するためにプラスチック管を湾曲した状態に拘束す
る作業を容易に行うことができるように定めれば良い。
一般に、プラスチック管は曲げ変形した後、スプリング
バックして湾曲歪量が小さくなるので、曲げ変形時の湾
曲歪量はその後のスプリングバックを見越して、拘束時
の湾曲歪量よりも少し大きく設定しておくことが好まし
い。
方法は、ロール曲げ、プレス曲げ等、従来よりプラスチ
ック管の曲げに使用されている方法を用いることができ
るほか、金属管の冷間曲げに用いられている方法も適宜
採用できる。また、プラスチック管を曲げ変形させる
際、管の偏平化を防止するための手段、例えばプラスチ
ック管内に砂を詰めておくとか、液体或いは気体により
適当な内圧を加えておく等の手段を講じることも有効で
ある。液体をプラスチック管内に満たして曲げ加工する
際には、温水等の加熱された液体を用いることが、プラ
スチック管を加熱して曲げ易くできるので好ましい。曲
げ変形させた際の湾曲歪量(曲げ半径)は、後工程で熱
処理するためにプラスチック管を湾曲した状態に拘束す
る作業を容易に行うことができるように定めれば良い。
一般に、プラスチック管は曲げ変形した後、スプリング
バックして湾曲歪量が小さくなるので、曲げ変形時の湾
曲歪量はその後のスプリングバックを見越して、拘束時
の湾曲歪量よりも少し大きく設定しておくことが好まし
い。
【0011】プラスチック管を曲げ変形させて所望区間
を湾曲させた後は、そのプラスチック管を湾曲した状態
に拘束し、熱処理を行って湾曲により生じている応力の
緩和を進め、永久曲げ変形歪を残留させて曲げ加工部を
形成する。ここで、プラスチック管を湾曲した状態に拘
束した際の湾曲歪量(以下、拘束湾曲歪量という)は、
熱処理によって残留させる永久曲げ変形歪が所望の歪量
(最終製品に要求される湾曲歪量、以下製品湾曲歪量と
いう)となるように定めるものである。熱処理を行うと
曲げ変形によって生じた内部応力のほとんどを除去で
き、熱処理後には拘束を解除してもプラスチック管の湾
曲歪量はあまり小さくならないので、拘束湾曲歪量は、
通常、製品湾曲歪量と同等、若しくはそれより少し大き
く設定すればよい。
を湾曲させた後は、そのプラスチック管を湾曲した状態
に拘束し、熱処理を行って湾曲により生じている応力の
緩和を進め、永久曲げ変形歪を残留させて曲げ加工部を
形成する。ここで、プラスチック管を湾曲した状態に拘
束した際の湾曲歪量(以下、拘束湾曲歪量という)は、
熱処理によって残留させる永久曲げ変形歪が所望の歪量
(最終製品に要求される湾曲歪量、以下製品湾曲歪量と
いう)となるように定めるものである。熱処理を行うと
曲げ変形によって生じた内部応力のほとんどを除去で
き、熱処理後には拘束を解除してもプラスチック管の湾
曲歪量はあまり小さくならないので、拘束湾曲歪量は、
通常、製品湾曲歪量と同等、若しくはそれより少し大き
く設定すればよい。
【0012】プラスチック管を湾曲した状態に拘束する
ために用いる装置(以下拘束装置という)は、湾曲した
プラスチック管が自身の復元力によって元の直管状に戻
ろうとするのを阻止するものであれば、その構造は任意
であるが、プラスチック管を熱処理のために炉等に入れ
る際に極力邪魔にならないよう小型のものとすることが
好ましい。また、この拘束装置は、単に湾曲したプラス
チック管の湾曲を拘束するのみならず、湾曲部の輪切り
断面形状の楕円化傾向を抑制ないしは過抑制するように
湾曲部の管体を拘束する構成とすることもできる。すな
わち、プラスチック管を曲げ変形させた時には、曲げ変
形した湾曲部の管体は偏平化する傾向があり、輪切り断
面形状は楕円状となるので、拘束装置でその楕円状とな
った管体を元の真円状に戻すように、或いは真円状を通
り越して最初の長軸が短軸となった楕円状に変形させる
ように拘束する構成とすることもできる。このように管
体を拘束した状態でプラスチック管の熱処理を行うと、
該拘束及び前記湾曲により生じている応力の緩和を進め
ることができ、前記湾曲部に所望の湾曲歪量を残留させ
ると共に、その輪切り断面形状を略真円状とすることが
できる。
ために用いる装置(以下拘束装置という)は、湾曲した
プラスチック管が自身の復元力によって元の直管状に戻
ろうとするのを阻止するものであれば、その構造は任意
であるが、プラスチック管を熱処理のために炉等に入れ
る際に極力邪魔にならないよう小型のものとすることが
好ましい。また、この拘束装置は、単に湾曲したプラス
チック管の湾曲を拘束するのみならず、湾曲部の輪切り
断面形状の楕円化傾向を抑制ないしは過抑制するように
湾曲部の管体を拘束する構成とすることもできる。すな
わち、プラスチック管を曲げ変形させた時には、曲げ変
形した湾曲部の管体は偏平化する傾向があり、輪切り断
面形状は楕円状となるので、拘束装置でその楕円状とな
った管体を元の真円状に戻すように、或いは真円状を通
り越して最初の長軸が短軸となった楕円状に変形させる
ように拘束する構成とすることもできる。このように管
体を拘束した状態でプラスチック管の熱処理を行うと、
該拘束及び前記湾曲により生じている応力の緩和を進め
ることができ、前記湾曲部に所望の湾曲歪量を残留させ
ると共に、その輪切り断面形状を略真円状とすることが
できる。
【0013】拘束装置の一つの具体例としては、図1、
図2に示すものを挙げることができる。図1、図2にお
いて、1はプラスチック管、2は拘束装置である。この
拘束装置2は、湾曲させた状態のプラスチック管1を支
持する平坦な支持面3aを備えた支持台3と、その支持
台3にプラスチック管1を湾曲させた状態で固定する複
数の拘束治具4と、その拘束治具4を支持台3に固定す
るボルト5を備え、各拘束治具4でプラスチック管1の
長手方向の一部領域を支持台3に縫い付ける形態でプラ
スチック管1を湾曲した状態に拘束している。ここで使
用する拘束治具4は、プラスチック管1が自身の復元力
で元の直管状に戻るのを阻止するように拘束しうるもの
であればよいが、図示した実施形態では、プラスチック
管1の上面を押さえ、曲げ変形した際に偏平化した断面
形状(二点鎖線1aで示す形状)を略真円状に戻した状
態に拘束しうる逆U字状のものを用いており、これによ
り、輪切り断面形状が略真円状の湾曲部を形成できる。
図2に示すものを挙げることができる。図1、図2にお
いて、1はプラスチック管、2は拘束装置である。この
拘束装置2は、湾曲させた状態のプラスチック管1を支
持する平坦な支持面3aを備えた支持台3と、その支持
台3にプラスチック管1を湾曲させた状態で固定する複
数の拘束治具4と、その拘束治具4を支持台3に固定す
るボルト5を備え、各拘束治具4でプラスチック管1の
長手方向の一部領域を支持台3に縫い付ける形態でプラ
スチック管1を湾曲した状態に拘束している。ここで使
用する拘束治具4は、プラスチック管1が自身の復元力
で元の直管状に戻るのを阻止するように拘束しうるもの
であればよいが、図示した実施形態では、プラスチック
管1の上面を押さえ、曲げ変形した際に偏平化した断面
形状(二点鎖線1aで示す形状)を略真円状に戻した状
態に拘束しうる逆U字状のものを用いており、これによ
り、輪切り断面形状が略真円状の湾曲部を形成できる。
【0014】なお、偏平化したプラスチック管1の上面
を拘束治具4で押さえて略真円状に戻す際に、プラスチ
ック管1をより真円状に変形させるため、図3に示すよ
うに、プラスチック管1の両側で且つ拘束治具4の内側
に三角ブロック7を配置するようにしてもよい。また、
使用する三角ブロック7のプラスチック管1に接する面
を、プラスチック管1の外径と同等若しくはそれよりも
大きい内径の円弧面としておいてもよい。更に、図1に
示す例では、支持台3に1本のプラスチック管1を取り
付けるものとして示しているが、支持台3に多数本のプ
ラスチック管1を取り付ける構成としてもよく、そのよ
うに構成することで、生産性を一層向上させることがで
きる。
を拘束治具4で押さえて略真円状に戻す際に、プラスチ
ック管1をより真円状に変形させるため、図3に示すよ
うに、プラスチック管1の両側で且つ拘束治具4の内側
に三角ブロック7を配置するようにしてもよい。また、
使用する三角ブロック7のプラスチック管1に接する面
を、プラスチック管1の外径と同等若しくはそれよりも
大きい内径の円弧面としておいてもよい。更に、図1に
示す例では、支持台3に1本のプラスチック管1を取り
付けるものとして示しているが、支持台3に多数本のプ
ラスチック管1を取り付ける構成としてもよく、そのよ
うに構成することで、生産性を一層向上させることがで
きる。
【0015】湾曲した状態に拘束したプラスチック管に
対する熱処理は、そのプラスチック管を所定の熱処理温
度に昇温させ且つ適当な時間その温度に保持することで
行う。この熱処理の温度としては、残留応力を除去する
点から熱変形温度以上とし、一方、無用な変形の発生を
抑制する上から融点以下とする。熱処理のための加熱方
法としては、プラスチック管を炉或いは高温室に入れる
方法、高温の油浴に入れる方法、プラスチック管をバー
ナー、ヒーター等で加熱する方法等があるが、中でも、
炉或いは高温室に入れる方法が、プラスチック管を容易
に所望の均一温度に加熱でき且つその温度に所望時間に
亘って保持でき、更に、一度に多数のプラスチック管の
処理を行うことができると共に製品を汚すことがない等
の利点を有しているので好ましい。熱処理時間は、対象
とするプラスチック管の材質、残留応力、熱処理温度等
によっても異なるが、一般的には30〜60分程度とす
ればよい。
対する熱処理は、そのプラスチック管を所定の熱処理温
度に昇温させ且つ適当な時間その温度に保持することで
行う。この熱処理の温度としては、残留応力を除去する
点から熱変形温度以上とし、一方、無用な変形の発生を
抑制する上から融点以下とする。熱処理のための加熱方
法としては、プラスチック管を炉或いは高温室に入れる
方法、高温の油浴に入れる方法、プラスチック管をバー
ナー、ヒーター等で加熱する方法等があるが、中でも、
炉或いは高温室に入れる方法が、プラスチック管を容易
に所望の均一温度に加熱でき且つその温度に所望時間に
亘って保持でき、更に、一度に多数のプラスチック管の
処理を行うことができると共に製品を汚すことがない等
の利点を有しているので好ましい。熱処理時間は、対象
とするプラスチック管の材質、残留応力、熱処理温度等
によっても異なるが、一般的には30〜60分程度とす
ればよい。
【0016】プラスチック管を所望温度に昇温させ且つ
所望時間その温度に保持して熱処理を行った後は、プラ
スチック管を拘束した状態で放冷等によって冷却する。
その後、プラスチック管の拘束を解除する。以上によ
り、プラスチック管の曲げ加工が終了し、所望の永久曲
げ変形歪を持った曲げ加工部を備えたプラスチック曲げ
管を製造できる。なお、熱処理終了後、冷却する前に拘
束を解除してもよいが、熱処理により100%の応力除
去が行われているとは限らないので、拘束を解除した状
態で冷却すると、その冷却過程でプラスチック管に変形
が生じ、湾曲歪量が変化することがある。これに対し、
プラスチック管を拘束した状態で冷却すると、拘束され
た状態でプラスチック管が固まるため、拘束を解除した
後の変形量が小さく、寸法安定性が増すという利点が得
られる。
所望時間その温度に保持して熱処理を行った後は、プラ
スチック管を拘束した状態で放冷等によって冷却する。
その後、プラスチック管の拘束を解除する。以上によ
り、プラスチック管の曲げ加工が終了し、所望の永久曲
げ変形歪を持った曲げ加工部を備えたプラスチック曲げ
管を製造できる。なお、熱処理終了後、冷却する前に拘
束を解除してもよいが、熱処理により100%の応力除
去が行われているとは限らないので、拘束を解除した状
態で冷却すると、その冷却過程でプラスチック管に変形
が生じ、湾曲歪量が変化することがある。これに対し、
プラスチック管を拘束した状態で冷却すると、拘束され
た状態でプラスチック管が固まるため、拘束を解除した
後の変形量が小さく、寸法安定性が増すという利点が得
られる。
【0017】
【実施例】〔実施例1〕外径114mm、肉厚10m
m、長さ2000mmの高密度ポリエチレン管を常温に
てロール曲げにて曲げ半径570mmの円弧状に曲げ、
それを、図1に示す拘束装置2を用いて、曲げ半径10
00mmの円弧状に拘束して形状を保持した後、炉内に
て100°C、1時間保持した。その後、炉から取り出
し、拘束した状態で放冷後、拘束治具を取り外した。得
られた曲げ管について、曲げ半径の経時的な変化を測定
して表1に示す結果を得た。
m、長さ2000mmの高密度ポリエチレン管を常温に
てロール曲げにて曲げ半径570mmの円弧状に曲げ、
それを、図1に示す拘束装置2を用いて、曲げ半径10
00mmの円弧状に拘束して形状を保持した後、炉内に
て100°C、1時間保持した。その後、炉から取り出
し、拘束した状態で放冷後、拘束治具を取り外した。得
られた曲げ管について、曲げ半径の経時的な変化を測定
して表1に示す結果を得た。
【0018】〔比較例1〕実施例1と同様に、外径11
4mm、肉厚10mm、長さ2000mmの高密度ポリ
エチレン管を常温にてロール曲げにて曲げ半径1000
mmの円弧状に曲げた後、そのまま放置した。得られた
曲げ管について、曲げ半径の経時的な変化を測定して表
1に示す結果を得た。
4mm、肉厚10mm、長さ2000mmの高密度ポリ
エチレン管を常温にてロール曲げにて曲げ半径1000
mmの円弧状に曲げた後、そのまま放置した。得られた
曲げ管について、曲げ半径の経時的な変化を測定して表
1に示す結果を得た。
【0019】〔実施例2〕外径154mm、肉厚15m
m、長さ2000mmの高密度ポリエチレン管を常温に
てロール曲げにて曲げ半径385mmの円弧状に曲げ、
それを、図1に示す拘束装置2を用いて、曲げ半径70
0mmの円弧状に拘束して形状を保持した後、炉内にて
100°C、1時間保持した。その後、炉から取り出
し、拘束した状態で放冷後、拘束治具を取り外した。得
られた曲げ管について、曲げ半径の経時的な変化を測定
して表1に示す結果を得た。
m、長さ2000mmの高密度ポリエチレン管を常温に
てロール曲げにて曲げ半径385mmの円弧状に曲げ、
それを、図1に示す拘束装置2を用いて、曲げ半径70
0mmの円弧状に拘束して形状を保持した後、炉内にて
100°C、1時間保持した。その後、炉から取り出
し、拘束した状態で放冷後、拘束治具を取り外した。得
られた曲げ管について、曲げ半径の経時的な変化を測定
して表1に示す結果を得た。
【0020】〔比較例2〕実施例2と同様に、外径15
4mm、肉厚15mm、長さ2000mmの高密度ポリ
エチレン管を常温にてロール曲げにて曲げ半径700m
mの円弧状に曲げた後、そのまま放置した。得られた曲
げ管について、曲げ半径の経時的な変化を測定して表1
に示す結果を得た。
4mm、肉厚15mm、長さ2000mmの高密度ポリ
エチレン管を常温にてロール曲げにて曲げ半径700m
mの円弧状に曲げた後、そのまま放置した。得られた曲
げ管について、曲げ半径の経時的な変化を測定して表1
に示す結果を得た。
【0021】
【表1】
【0022】表1からわかるように、比較例1、2で
は、曲げ直後にスプリングバックで曲げ半径が大きくな
り、しかも残留応力がかなり残っているため、時間経過
と共に曲げ半径が大きくなっている。これに対し、実施
例1、2では、拘束を解除した直後も、また、時間が経
過した後も曲げ半径はほとんど変化しておらず、従っ
て、永久曲げ変形歪が生じている。このように、本発明
により、プラスチック管を所望の曲げ半径に曲げ加工す
ることができた。
は、曲げ直後にスプリングバックで曲げ半径が大きくな
り、しかも残留応力がかなり残っているため、時間経過
と共に曲げ半径が大きくなっている。これに対し、実施
例1、2では、拘束を解除した直後も、また、時間が経
過した後も曲げ半径はほとんど変化しておらず、従っ
て、永久曲げ変形歪が生じている。このように、本発明
により、プラスチック管を所望の曲げ半径に曲げ加工す
ることができた。
【0023】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明方法は、
プラスチック管を曲げ変形させた後、そのプラスチック
管を湾曲した状態に拘束して熱処理を行い、曲げ変形に
より生じた残留応力を除去して永久曲げ変形歪を生じさ
せる構成としたことにより、プラスチック管の曲げ変形
操作は、常温下での冷間曲げ或いは少し加熱した状態で
の曲げを行えば良く、従来のように高温のオイル中で曲
げ加工を行うという必要がなく、これにより生産性良く
曲げ変形操作を行うことができ、また、曲げ変形後の熱
処理は、多数のプラスチック管を一括して生産性良く行
うことができ、結局、プラスチック管の曲げ加工を生産
性良く実施でき、プラスチックの曲り管を安価に生産で
きるという効果を有している。かくして、本発明によっ
て製造したプラスチック曲り管を使用することで、プラ
スチック管による管路を安価に施工でき、本発明のメリ
ットはきわめて大きい。
プラスチック管を曲げ変形させた後、そのプラスチック
管を湾曲した状態に拘束して熱処理を行い、曲げ変形に
より生じた残留応力を除去して永久曲げ変形歪を生じさ
せる構成としたことにより、プラスチック管の曲げ変形
操作は、常温下での冷間曲げ或いは少し加熱した状態で
の曲げを行えば良く、従来のように高温のオイル中で曲
げ加工を行うという必要がなく、これにより生産性良く
曲げ変形操作を行うことができ、また、曲げ変形後の熱
処理は、多数のプラスチック管を一括して生産性良く行
うことができ、結局、プラスチック管の曲げ加工を生産
性良く実施でき、プラスチックの曲り管を安価に生産で
きるという効果を有している。かくして、本発明によっ
て製造したプラスチック曲り管を使用することで、プラ
スチック管による管路を安価に施工でき、本発明のメリ
ットはきわめて大きい。
【図1】本発明方法に用いる拘束装置の1例を示す概略
平面図
平面図
【図2】図1のA−A矢視概略断面図
【図3】拘束装置の変形例を示す図2と同様な概略断面
図
図
1 プラスチック管 2 拘束装置 3 支持台 3a 支持面 4 拘束治具 5 ボルト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 良治 神奈川県川崎市川崎区殿町2丁目17番8号 第一高周波工業株式会社内 Fターム(参考) 4F209 AA05 AA13 AA15 AG12 NA01 NB01 NG03 NH07 NH18 NL10
Claims (2)
- 【請求項1】 プラスチック管の所望区間を湾曲させ、
次いで、そのプラスチック管を湾曲した状態に拘束した
状態で熱処理を行って湾曲により生じている応力の緩和
を進め、永久曲げ変形歪を残留させて曲げ加工部を形成
することを特徴とするプラスチック管の曲げ加工方法。 - 【請求項2】 前記プラスチック管を湾曲した状態に拘
束した状態で熱処理する操作を、プラスチック管の湾曲
部の輪切り断面形状の楕円化傾向を抑制ないしは過抑制
するように湾曲部の管体を拘束しながら行って、該拘束
及び前記湾曲により生じている応力の緩和を進めて、前
記曲げ加工部を、その輪切り断面形状が略真円状となる
ように形成することを特徴とする、請求項1記載のプラ
スチック管の曲げ加工方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11140694A JP2000326398A (ja) | 1999-05-20 | 1999-05-20 | プラスチック管の曲げ加工方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11140694A JP2000326398A (ja) | 1999-05-20 | 1999-05-20 | プラスチック管の曲げ加工方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000326398A true JP2000326398A (ja) | 2000-11-28 |
Family
ID=15274584
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11140694A Pending JP2000326398A (ja) | 1999-05-20 | 1999-05-20 | プラスチック管の曲げ加工方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000326398A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107498837A (zh) * | 2017-09-15 | 2017-12-22 | 北京威视安业科技有限公司 | 投射屏加工装置及投射屏组件 |
-
1999
- 1999-05-20 JP JP11140694A patent/JP2000326398A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107498837A (zh) * | 2017-09-15 | 2017-12-22 | 北京威视安业科技有限公司 | 投射屏加工装置及投射屏组件 |
CN107498837B (zh) * | 2017-09-15 | 2023-07-04 | 北京威视安业科技有限公司 | 投射屏加工装置及投射屏组件 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060112 |
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A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20070907 |
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A02 | Decision of refusal |
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