JP2000325391A

JP2000325391A - 吸収性物品

Info

Publication number: JP2000325391A
Application number: JP11143353A
Authority: JP
Inventors: Yasuo Toyoshima; 泰生豊島; Namie Itoi; 奈美江糸井; Minoru Nakanishi; 稔中西
Original assignee: Kao Corp
Current assignee: Kao Corp
Priority date: 1999-05-24
Filing date: 1999-05-24
Publication date: 2000-11-28

Abstract

(57)【要約】【課題】弾性層が吸収体のヨレ等の変形に影響を受け
ずに常に所望の形状を維持し、機能を安定的に発揮でき
ることにより、フィット性が良好で、漏れ防止効果に優
れ、使用により漏れ防止性が低下することのない生理用
ナプキン等の吸収性物品を提供すること。【解決手段】液体保持性の吸収層２、及び液体不透過
性の防漏層３とからなり、実質的に縦長形状であり、長
手方向左右両側縁部１Ａ，１Ｂに弾性材料から形成され
た内部が中空の密閉型の弾性中空体４が配されている吸
収性物品１。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、漏れ防止性に優れ
た、生理用ナプキン等の吸収性物品に関する。

【０００２】

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】生理用
ナプキン等の吸収性物品は、着用中に排泄物が漏れ出さ
ないことが重要であるため、従来より種々の提案がなさ
れている。たとえば、ゴム等の弾性部材を配して、着用
者の着用部位にフィットしやすいように全体を湾曲させ
てなるもの（ＷＯ９７／０７７６４号公報）や、弾性部
材をチューブ状に配して、中空の弾性層を形成してなる
もの（特表平７−５０２４３８号公報等）等が提案され
ている。しかし、従来提案されている吸収性物品では、
未だ、十分なフィット性の向上と、漏れ防止効果が得ら
れていない。即ち、全体を湾曲させてなるものでは、使
用中に吸収体がよれてしまう等してフィット性が低下
し、所望の漏れ防止性が得られない場合がある。また、
中空の弾性層を有するものでは、単に弾性部材を中空に
配してあるのみであるため、該弾性層がつぶれてしま
い、該弾性層の機能を発揮できずに、漏れ防止性が低下
する場合がある。

【０００３】従って、本発明の目的は、該弾性層が吸収
体のヨレ等の変形に影響を受けずに常に所望の形状を維
持し、機能を安定的に発揮できることにより、フィット
性が良好で、漏れ防止効果に優れ、使用により漏れ防止
性が低下することのない生理用ナプキン等の吸収性物品
を提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来吸収
性物品に配されていた中空の弾性部材について検討した
結果、非密閉型であるため、弾性部材の機能を十分に発
揮できないことを見出し、密閉型の中空弾性部材を用い
た吸収性物品が前記目的を達成しうることを知見した。
本発明は、前記知見に基づくもので、液体保持性の吸収
層、及び液体不透過性の防漏層とからなり、実質的に縦
長形状の吸収性物品において、長手方向左右両側縁部、
長手方向中央部の幅方向中央部及び長手方向後方部の幅
方向中央部の少なくとも何れかに弾性材料から形成され
た内部が中空の密閉型の弾性中空体が配されている吸収
性物品を提供するものである。

【０００５】

【発明の実施の形態】以下、本発明の吸収性物品の好ま
しい一実施形態について詳細に説明する。第１の実施形
態の吸収性物品としての生理用ナプキン１は、図１及び
２に示すように、液体保持性の吸収層２、及び液体不透
過性の防漏層３とからなり、実質的に縦長形状である。
本実施形態の生理用ナプキン１は、吸収層２が、液体透
過性の表面シート２１と液体保持性の吸収体２２とから
なり、防漏層３が液不透過性の防漏シート３１からな
る。また、表面シート２１と防漏シート３１とは、長手
方向両側縁及び長手方向両端縁においてヒートシールさ
れて接合されている。これらの構成は公知の生理用ナプ
キン１と同じであり、表面シート２１、吸収体２２及び
防漏シート３１の形成材料も公知のものを制限なく用い
ることができる。

【０００６】而して、本実施形態の生理用ナプキン１に
おいては、長手方向左右両側縁部１Ａ，１Ｂに弾性材料
から形成された内部が中空の密閉型の弾性中空体４が配
されている。

【０００７】更に詳述すると、弾性中空体４は、伸張さ
れた帯状の弾性材料としての弾性シートを２枚積層し、
積層された該弾性シートの４辺（全周縁）を隙間なく封
止してなり、ここでは特に図示しないが、４辺のシール
部と該シール部により密閉され空気が封入された中空の
弾性部とからなる、略円柱状（棒状）の弾性中空体であ
る。また、弾性中空体４は、表面シート２１と防漏層３
としての防漏シート３１との間で且つ長手方向両側縁部
１Ａ，１Ｂに配されている。また、その周面が表面シー
ト２１及び防漏シート３１に接着されている。なお、弾
性中空体４の長手方向端部は表面シート２１及び防漏シ
ート３１に接着されていない。

【０００８】弾性中空体４の長さＬは、好ましくは３０
〜２５０ｍｍ、更に好ましくは６０〜１５０ｍｍであ
り、幅Ｗは、好ましくは１〜５０ｍｍ、更に好ましくは
５〜２０ｍｍである。また、径方向断面形状が略円形状
であり、最大高さＴが好ましくは１〜３０ｍｍ、更に好
ましくは３〜１５ｍｍである。

【０００９】上記弾性シートとしては、オレフィン系、
ウレタン系、天然ゴム等の各種エラストマー等を原料樹
脂としてなるシート；伸縮性不織布等の公知の不織布と
ガスバリヤー性を有するフィルム材とからなる複合シー
ト等が挙げられる。弾性中空体４における弾性シートの
伸張率は、自然長に対して１．２〜２．０倍伸張させる
ことが好ましい。

【００１０】また、弾性中空体の乾燥時及び湿潤時の圧
縮回復率は、共に、弾性中空体にかかる装着圧に対して
容易に変形回復し、防漏効果を発現させる目的から好ま
しくは７０％以上、更に好ましくは９０％以上である。

【００１１】本実施形態において、弾性中空体４は、吸
収体２２の側縁２２ａ，２２ｂよりも生理用ナプキン１
の幅方向外方で位置し、生理用ナプキン１の側縁近傍に
位置させているが、生理用ナプキン１の側方に位置させ
れば特に制限されない。また、弾性中空体４の高さは、
吸収体２２の高さより高くても低くても良い。また、吸
収体２２と間隔を開けて配しているが、これも制限され
ず、吸収体２２に接するように配しても良く、また弾性
中空体４の表面を吸収体で覆うようにして配しても良
い。

【００１２】本実施形態の生理用ナプキン１は、通常の
生理用ナプキンと同様にして使用することができる。そ
して、本実施形態の生理用ナプキン１は、弾性中空体４
が配されているため、側縁部１Ａ，１Ｂのフィット性が
良好であり、漏れ防止性に優れる。また、吸収体２２の
ヨレにフィット性が左右されることがなく、また弾性中
空体４自体が中空であるため使用中に容易につぶれるこ
とがなく、使用中に良好なフィット性が保持される。

【００１３】本実施形態の生理用ナプキン１に用いられ
る弾性中空体４は、長方形状の弾性シートを積層及び伸
長し、積層された該弾性シートの全周縁をシート間に空
気等のガスが存在する状態で弾性シート間が密閉される
ように封止した後、伸長状態を開放して得られる、略円
柱状の弾性中空体であり、具体的には、２枚の弾性シー
トを重ね合せて伸張させるか、１枚の弾性シートを折り
重ねて伸張させるかして、周縁を封止した後、伸張状態
を開放して得られる。次いで、得られた弾性中空体４を
防漏シート３１の所定位置に配すると共に、吸収体２２
及び表面シート２１を配置接合する等して得ることがで
きる。

【００１４】本実施形態においては、表面シート２１と
弾性中空体４とを直接接着しているが、表面シート２１
と弾性中空体４との間に吸収性シートを介在させてもよ
い。この際用いられる吸収性シートとしては、紙、パル
プ、不織布といった従来より吸収性物品の吸収体の構成
材料として知られている原材料、あるいは上記材料と吸
水ポリマーよりなる複合材料を用いるのが望ましい。ま
た、上記弾性中空体には、剛性片を配してもよい。具体
的には、上記弾性シート内に剛性片を挟み込むように配
置させ、少なくとも上記弾性体の長手方向両側縁部に
て、弾性シート及び剛性片を密閉状態に封止する。ま
た、この際用いられる剛性片としては、ポリエチレン、
ポリプロピレン等の熱可塑性プラスチックよりなるポリ
マーフィルムや不織布、紙等が挙げられる。

【００１５】次に、本発明の吸収性物品の第２の実施形
態について説明する。尚、以下の説明においては、特に
上述の第１の実施形態と異なる点について説明する。特
に、詳述しない点については、第１の実施形態における
説明が適宜適用される。

【００１６】第２の実施形態の生理用ナプキン１におい
ては、図３及び４に示すように、その長手方向中央部１
Ｃにおける幅方向中央部に中空の弾性中空体４が配され
ている。

【００１７】更に詳述すると、吸収体２２は、第１吸収
体２２Ａと第２吸収体２２Ｂとからなり、弾性中空体４
（長さ以外の原料は物性等は第１の実施形態と同じもの
でもよい）は、第１吸収体２２Ａと第２吸収体２２Ｂと
の間に配されている。また、弾性中空体４は、その周面
は、第１及び第２吸収体２２Ａ，２２Ｂに接着されてい
るが、弾性中空体４の端部は第１及び第２吸収体２２
Ａ，２２Ｂに接着されていない。ここで、「長手方向中
央部」とは、必ずしも長手方向中心とは限らず、着用時
に着用者の排泄部に当接し得る部分を意味する。

【００１８】弾性中空体４の長さＬは、生理用ナプキン
の長手方向に連続していても良いが、好ましくは１０〜
２５０ｍｍ、更に好ましくは４０〜２００ｍｍである。
幅Ｗは、好ましくは１〜５０ｍｍ、更に好ましくは３〜
２０ｍｍである。また、径方向断面形状が略円形状であ
り、最大高さＴが好ましくは１〜３０ｍｍ、更に好まし
くは３〜１５ｍｍである。

【００１９】本実施形態の生理用ナプキンは、通常の生
理用ナプキンと同様にして使用することができる。そし
て、本実施形態の生理用ナプキンは、弾性中空体が配さ
れているため、中央部のフィット性が良好であり、漏れ
防止性に優れる。また、吸収体のヨレにフィット性が左
右されることがなく、また弾性中空体自体が中空である
ため使用中に容易につぶれることがなく、使用中に良好
なフィット性が保持される。

【００２０】本実施形態の生理用ナプキン１は、弾性中
空体を第１吸収体２２Ａの上に配した後、第２吸収体２
２Ｂを弾性中空体４を覆うように配する以外は、第１の
実施形態と同様にする等して得ることができる。

【００２１】次に、本発明の吸収性物品の第３の実施形
態について説明する。尚、以下の説明においては、特に
上述の第１の実施形態と異なる点について説明する。特
に、詳述しない点については、第１の実施形態における
説明が適宜適用される。

【００２２】第３の実施形態の生理用ナプキン１におい
ては、図５及び６に示すようにその後方部１Ｄにおける
幅方向中央部に中空の弾性中空体４が配されている。

【００２３】更に詳述すると、弾性中空体４は、吸収体
２２と防漏シート３１との間に配されており、その周面
は、吸収体２２及び防漏シート３１に接着されている
が、弾性中空体４の端部は吸収体２２及び防漏シート３
１に接着されていない。ここで、「後方部」とは、特に
いわゆる夜用の生理用ナプキン等のようにナプキンの使
用方向が決まっている場合に、少なくとも着用時に着用
者の臀部側に位置する部位である。

【００２４】弾性中空体４の長さＬは、生理用ナプキン
１の長手方向に連続していても良いが、好ましくは１０
〜２５０ｍｍ、更に好ましくは４０〜２００ｍｍであ
る。幅Ｗは、好ましくは１〜５０ｍｍ、更に好ましくは
３〜２０ｍｍである。また、径方向断面形状が略円形状
であり、最大高さＴが好ましくは１〜３０ｍｍ、更に好
ましくは３〜１５ｍｍである。

【００２５】本実施形態の生理用ナプキンは、通常の生
理用ナプキンと同様にして使用することができる。そし
て、本実施形態の生理用ナプキン１は、弾性中空体４が
配されているため、後方部１Ｄのフィット性が良好であ
り、漏れ防止性に優れる。また、吸収体２２のヨレにフ
ィット性が左右されることがなく、また弾性中空体４自
体が中空であるため使用中に容易につぶれることがな
く、使用中に良好なフィット性が保持される。

【００２６】本実施形態の生理用ナプキンは、第１の実
施形態と同様にする等して得ることができる。

【００２７】尚、上述の各実施形態においては、弾性中
空体が、円柱状（棒状）のものを例示して説明したが、
弾性中空体は、この他、円弧状、略菱形形状等、種々の
形状とすることができ、また、これらの形状のユニット
を複数連結してなる形状としても良い。また、上述の各
実施形態においては生理用ナプキンを例示して説明した
が、本発明はこれに制限されず、失禁パッドや使い捨て
おむつ等種々の吸収性物品に適用可能である。また、各
実施形態においては、弾性中空体が、それぞれ、長手方
向側縁部、中央部及び後方部の何れかに配されたものを
例示して説明したが、２カ所以上に配しても良い。ま
た、弾性中空体を配する厚さ方向の位置も、上述の例に
制限されず、吸収体と表面シートとの間、や表面シート
上等種々の位置に配することができる。

【００２８】

【発明の効果】本発明の吸収性物品は、フィット性が良
好で、漏れ防止効果に優れ、使用により漏れ防止性が低
下することのないものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、本発明の吸収性物品の第１の実施形態
としての生理用ナプキンを示す平面図である。

【図２】図２は、図１のＸ−Ｘ断面を模式的に示す断面
図である。

【図３】図３は、本発明の吸収性物品の第２の実施形態
としての生理用ナプキンを示す平面図である。

【図４】図４は、図３のＹ−Ｙ断面を模式的に示す断面
図である。

【図５】図５は、本発明の吸収性物品の第３の実施形態
としての生理用ナプキンを示す平面図である。

【図６】図６は、図５のＺ−Ｚ断面を模式的に示す断面
図である。

【符号の説明】

１生理用ナプキン（吸収性物品）２吸収層２１表面シート２２吸収体３防漏層３１防漏シート４弾性中空体

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者中西稔栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会社研究所内Ｆターム(参考） 3B029 BD12 BD13 BD14 4C003 AA06 EA02 HA05

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】液体保持性の吸収層、及び液体不透過性
の防漏層とからなり、実質的に縦長形状の吸収性物品に
おいて、長手方向左右両側縁部、長手方向中央部の幅方向中央部
及び長手方向後方部の幅方向中央部の少なくとも何れか
に弾性材料から形成された内部が中空の密閉型の弾性中
空体が配されている吸収性物品。
【請求項２】上記弾性中空体は、伸張かつ積層された
２枚の弾性シートの全周縁を弾性シート間がシート間に
ガスが存在する状態で密閉されるように封止した後、伸
張状態を開放して得られる、略円柱状の弾性中空体であ
る請求項１記載の吸収性物品。
【請求項３】上記吸収層は、液体透過性の表面シート
と液体保持性の吸収体とからなる請求項１記載の吸収性
物品。
【請求項４】上記弾性中空体は、上記表面シートと上
記防漏層との間で且つ長手方向両側縁部に配されている
請求項３記載の吸収性物品。
【請求項５】上記吸収体は、第１吸収体と第２吸収体
とからなり、上記弾性中空体は、該第１吸収体と該第２
吸収体との間で且つ長手方向中央部の幅方向中央部に配
されている請求項３記載の吸収性物品。