JP2000325001A - 薬液蒸散容器の吸液芯保持用中栓 - Google Patents

薬液蒸散容器の吸液芯保持用中栓

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JP2000325001A
JP2000325001A JP11136880A JP13688099A JP2000325001A JP 2000325001 A JP2000325001 A JP 2000325001A JP 11136880 A JP11136880 A JP 11136880A JP 13688099 A JP13688099 A JP 13688099A JP 2000325001 A JP2000325001 A JP 2000325001A
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chemical
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absorbing
ventilation groove
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Kazunori Yamamoto
和則 山本
Toshio Abe
敏夫 阿部
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Fumakilla Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 薬液蒸散容器を誤って倒したり、逆さにして
も薬液が漏れ出すことのない吸液芯保持用中栓を提供す
る。 【解決手段】 薬液蒸散容器2の口部2aに嵌着され
て、吸液芯4を保持する吸液芯保持用中栓において、上
記吸液芯4を保持する吸液芯保持筒3bの内周面の少な
くとも一部に、微細な凹凸3dを形成することにより、
薬液蒸散容器2内と大気を連通する通気溝を形成したも
ので、微細な凹凸3dにより形成された通気溝を薬液が
通過しようとしても、薬液の表面張力で通過できないた
め、薬液蒸散容器2を誤って倒したり、逆さにしても薬
液が漏れ出すのを未然に防止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は芳香剤や殺虫剤、
忌避剤、殺ダニ剤、殺菌剤などの薬剤を空気中へ蒸散さ
せる薬剤蒸散装置に使用する薬液蒸散容器の吸液芯保持
用中栓に関する。
【0002】
【従来の技術】薬液中に多孔質吸液芯の一部を浸漬する
ことにより該芯に薬液を供給すると共に、該芯の上部を
加熱することにより吸液された薬液を蒸散させる薬液蒸
散方式が知られている。
【0003】上記多孔質吸液芯としては、一般にクレ
ー、タルク、カオリン、パーライト、ケイソウ土、石
膏、ベントナイト、ガラスファイバー、石綿、シリカ、
アルミナ、シリカアルミナ、木粉、活性炭、セルロー
ス、パルプ、リンター等の無機粉末及び/有機粉末をデ
ンプン、カルボキシメチルセルロース等の糊剤で固着成
形したものが用いられている。このような吸液芯は、微
多孔質のものであって吸液特性も比較的良好な範囲にあ
る。しかしながら、上記のような吸液芯を用いた場合、
気温や気圧変化時において、容器内の内圧が薬液膨張に
よって高まり、その結果、薬液が吸液芯中を押し上げら
れ、液漏れが発生し易いという不具合がある。
【0004】かかる不具合を改善するため、例えば実公
昭45−14913号公報で、図7に示すように中栓a
の底に開口された孔bの口縁cに、容器の内外を連通す
るための切欠dを設けた殺虫器が提案されている。
【0005】また実公平3−50878号公報には、図
8の(イ)及び(ロ)に示すように、吸液芯を保持する
中栓eの上面に、径が2mm以下の1個ないし複数個の
薬液容器内に連通する通気孔fを設けた吸液芯保持具が
記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記実公昭45
−14913号公報に記載された殺虫器の中栓aのよう
に、凹状に形成された中栓aの底部口縁に通気用の切欠
dを設けたものでは、吸液芯保持筒の高さが十分でない
ため、吸液芯が傾いたり、ぐらつきもしくは脱落するな
どの不具合がある。
【0007】また上記何れの公報とも、薬液容器内と大
気が切欠dや通気孔fにより連通されているため、使用
中や使用していないときでも、誤って薬液容器を倒した
り、逆さにすると、切欠dや通気孔fより薬液が漏れ出
して周囲を汚損したり、薬液を早期に消費するなどの不
具合がある。
【0008】この発明はかかる従来の不具合を改善する
ためになされたもので、吸液芯の加熱により薬液容器内
の圧力が上昇しても、また誤って薬液容器を倒したり、
逆さにしても薬液が漏れ出すことがほとんどない薬液蒸
散容器の吸液芯保持用中栓を提供することを目的とする
ものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
請求項1記載の発明は、薬液蒸散容器の口部に嵌着され
て、吸液芯を保持する吸液芯保持用中栓において、上記
吸液芯を保持する吸液芯保持筒の内周面の少なくとも一
部に、微細な凹凸を形成することにより、薬液蒸散容器
内と大気を連通する通気溝を形成したものである。
【0010】上記目的を達成するため請求項2記載の発
明は、凹凸により形成される通気溝の深さを3μm〜2
50μmの範囲としたものである。
【0011】上記目的を達成するため請求項3記載の発
明は、薬液蒸散容器の口部に嵌着されて、吸液芯を保持
する吸液芯保持用中栓において、上記吸液芯を保持する
吸液芯保持筒の内周面の少なくとも一部に、上端が大気
に連通する上部通気溝と、下端が薬液蒸散容器内に連通
する下部通気溝及び上記上部通気溝の下端側と、上記下
部通気溝の上端側を連通する微小な断面積を有する連通
溝を形成したものである。
【0012】上記目的を達成するため請求項4記載の発
明は、連通孔の1つの断面積を、1×10−6〜5×1
−2mmの範囲としたものである。
【0013】上記目的を達成するため請求項5記載の発
明は、中栓の蓋体部上面に、吸液芯と接触する液溜りを
設けたものである。
【0014】上記目的を達成するため請求項6記載の発
明は、薬液蒸散容器の口部外周に嵌合する中栓の外側嵌
合部内面に少なくとも1本の環状突条を突設したもので
ある。
【0015】
【作 用】上記構成により、発熱手段により吸液芯を加
熱する際、薬液蒸散容器内が加熱されて内圧が上昇して
も、微細な凹凸により形成された通気溝や、上下部通気
溝及びこれら溝を連通する連通溝により大気へ放出され
るため、内圧により薬液蒸散容器内の薬液が漏れ出すこ
とがない。また誤って薬液蒸散容器を倒したり、逆さに
しても、微細な通気溝や連通溝が薬液の通過を阻止する
ため、薬液が漏れ出すのを防止することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】この発明の実施の形態を図1及び
図2に示す図面を参照して詳述する。図1は薬液蒸散容
器が取付けられた薬液蒸散装置の断面図、図2は薬液蒸
散容器に取付けられた吸液芯保持用中栓の断面図であ
る。
【0017】図1において1は装置本体で、上部が半球
状に形成された筒状の筺体1a内に、底面が開口した容
器収納部1bを有しており、容器収納部1bの上面に
は、薬液蒸散容器2の口部2a外周面に形成されたねじ
部2bが螺合するねじ部1cが形成されている。
【0018】上記筺体1の上部内には、上記薬液蒸散容
器2の口部2aに嵌着された中栓3を貫通するように設
けられた吸液芯4の上端を周面から加熱する発熱手段5
と、この発熱手段5を電源に接続する電源コード6、発
熱手段5への通電をオン、オフする電源スイッチ7、発
熱手段5の通電状態を表示するLED8などが設けられ
ていると共に、筺体1の頂部には凹状の受熱部1dが形
成されていて、この受熱部1dの底面に、薬液を空気中
へ蒸散させる蒸散口1eが開口され、その周辺には複数
のフィン1fが突設されている。
【0019】一方上記中栓3は図2に示すように、薬液
蒸散容器2の口部2aに嵌合する蓋体部3aと、この蓋
体部3aの中心を上下方向に貫通する筒状の吸液芯保持
筒3bよりなり、吸液芯保持筒3b内に、多孔質の吸液
芯4が挿通されている。
【0020】上記中栓3は、温度や薬液に対して耐熱、
耐薬品性を有するものであれば特に限定されるものでは
なく、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリア
セタール、アクリル、ナイロン、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリカーボネート、ポリフェニルサルホン、ポ
リアリルサルホン、ポリサルホン等の高分子樹脂や必要
に応じてこれら樹脂にガラス繊維や無機物、酸化防止
剤、紫外線吸収剤等を混合したものなどが使用可能であ
る。
【0021】また多孔質の吸液芯4としては、一般にク
レー、タルク、カオリン、パーライト、ケイソウ土、石
膏、ベントナイト、ガラスファイバー、石綿、シリカ、
アルミナ、シリカアルミナ、木粉、活性炭、セルロー
ス、パルプ、リンター等の無機粉末及び/有機粉末をデ
ンプン、カルボキシメチルセルロース等の糊剤で固着成
形したものなどが使用可能である。
【0022】一方吸液芯4を保持する吸液芯保持筒3b
は、高さHが3mm以上となっていて、内周面には、蓋
体部3aより上側に、複数の突条リブ3cが上下方向に
突設されていると共に、これら突条リブ3cの下端より
吸液芯保持筒3bの下端の間には、微細な凹凸3dが規
則正しく、またはランダムに形成されている。
【0023】これら凹凸3dは、金型にシボ加工やサン
ドブラストなどの表面処理を施して形成するもので、シ
ボ加工により形成する凹凸3dによる通気溝の深さは、
3μm〜250μm、好ましくは20μm〜70μmで
ある。
【0024】またサンドブラストにより形成する凹凸3
dによる通気溝の深さは、200μm以下が好ましい。
上記中栓3の蓋体部3aの上面には、上面を凹入させる
ことにより、液溜り3eが形成されていると共に、蓋体
部3aの下面には、薬剤蒸散容器2の口部2a外周に嵌
合する外側嵌合部3fと、口部2aの内周に嵌合する内
側嵌合部3gが突設され、外側嵌合部3fの内周面に
は、環状突条3hが例えば1個突設されている。
【0025】上記液溜り3eは、薬液蒸散容器2内の薬
液がたとえ漏れた場合でも、周囲に漏出しないよう一時
的に溜めておくもので、吸液芯4とこの液溜り3eを接
触させるようにすれば、一時に液溜り3eに溜った薬液
は、吸液芯4によって再び吸液芯4や薬液蒸散容器2内
へ戻すことができる。
【0026】なお液溜り3eの形状は、円筒状やすり鉢
状などが考えられるが、液が溜められる形状であれば、
形状に限定されるものではない。
【0027】また上記外側嵌合部3fの内周面に突設さ
れた環状突条3hは、断面が例えば半円や3角形、4角
形もしくはこれらに面取りを施した形状となっていて、
口部2aの外周面に強く当接することにより、液漏れが
生じないようになっていると共に、未使用時薬液蒸散容
器2のキャップを閉めた状態での液漏れを防ぐ手段でも
ある。
【0028】次に上記構成された薬液蒸散容器の中栓の
作用を説明する。上記薬液蒸散容器2は、図1に示すよ
うに薬液蒸散装置に取付けて使用するが、使用時発熱手
段5に通電して、発熱手段5により吸液芯4の上端を周
面から加熱すると、吸液芯4に吸液された薬液蒸散容器
2内の薬液が蒸散されて、蒸散口1eより空気中へ放出
される。
【0029】また発熱手段5により吸液芯4を加熱する
と、その熱で薬液蒸散容器2内も加熱されて内部の圧力
が上昇するが、薬液蒸散容器2内と大気は、中栓3の吸
液芯保持筒3b内面に形成された微細な凹凸3dにより
生じる通気溝により連通されていて、これら通気溝によ
り内圧が大気へ放出されるため、薬液蒸散容器2内の圧
力が上昇することがないと共に、微細な通気溝によって
薬液が内圧の放出とともに漏れ出すこともない。
【0030】一方使用中や使用していないときに誤って
薬液蒸散装置1を倒したり、逆さにした場合、微細な通
気溝を薬液が通過しようとしても、薬液の表面張力によ
り、薬液が通過しにくくなっているため、薬液が漏れ出
して周囲を汚損するのを未然に防止できるようになる。
【0031】なおこの発明の吸液芯保持用中栓の液漏れ
防止効果を確認するための比較試験を行った結果を次に
説明する。吸液芯保持筒3b内周面にシボ加工により凹
凸3dを形成したこの発明の中栓をA、従来の中栓を
C、Dとして以下の比較試験を行った。
【0032】石膏、クレー、ケイソウ土等の無機粉末を
カルボキシメチルセルロースで粘結させた径7mmの円
柱多孔質からなる吸液芯を上記各中栓で保持した薬液容
器に、有効成分のd,d−T80−プラレトリン2.0
W/V%をJIS 1号灯油に溶解させた薬液を45m
l充填し、蓋で密閉し供試剤とした。 長期保存試験は、供試剤を倉庫に保管した。そして1
年間の液漏れ状態を調べた。 苛酷試験は、供試剤を夏場倉庫に逆さに設置し保管し
た。そして1ヶ月後の液漏れ状態を調べた。 使用試験は、発熱体の表面温度約130℃、蒸散有効
日数約30日/1日12時間使用することにより行っ
た。 その結果、この発明の中栓Aを使用した薬液蒸散容器
は、表1に示すようにいずれの試験でも液漏れを認めな
かった。
【0033】
【表1】
【0034】2.シボ深さの液漏れ試験 この発明の中栓Aのシボ深さの違いによる液漏れを上記
と同じ試験方法で確認した。その結果、平均深さ1μm
の場合は、長期にわたる温度・内圧変化又は加熱使用条
件では容器外表面に滲みだした薬液が元に戻らなかっ
た。平均深さ(300μm)の場合は、逆さ放置又は落
下衝撃では凹凸が液の流通路として働き液だれを示し
た。平均深さ3μm、10μm、100μm、250μ
mでは、いずれの試験でも表2に示すように漏れを認め
なかった。
【0035】
【表2】
【0036】また市販品水性薬液についても、同様の試
験を行い液漏れの確認を行った。その結果、油性薬液の
場合と同じ結果を示した。 3.加熱蒸散試験 上記試験サンプルの平均深さ(1μm)(100μm)
(300μm)の中栓を使用した薬液容器を、上記と同
じ条件で薬液がなくなるまで継続した。その結果、蒸散
有効日数は深さ(1μm)中栓使用時で20〜24日間
と液漏れして短い日数、深さ(100μm)中栓使用時
で28〜31日間とほぼ有効日数、深さ(300μm)
中栓使用時でも28〜31日間とほぼ有効日数を示し
た。
【0037】なおシボ加工により吸液芯保持筒3bの内
周面に形成された凹凸の変形例を図3の(イ)ないし
(ヌ)に示す。以上は中栓3の吸液芯保持筒3b内周面
に凹凸3dを形成した実施の形態を説明したが、吸液芯
保持筒3b内周面に、薬液蒸散容器2内と大気を通気溝
により連通した別の実施の形態を図4及び図5を参照し
て説明する。なお前に実施の形態と同一部分は同一符号
を付してその説明を省略する。
【0038】中栓3の蓋体部3aより上方へ突設する吸
液芯保持筒3bの外周面に、縦方向にスリット3hが形
成され、このスリット3mの下端に、吸液芯保持筒3b
の内周面に形成された上部通気溝3iの上端が連通さ
れ、上部通気溝3iの下端は、上部通気溝3iと位置を
変えて吸液芯保持筒3b内周面に形成された下部通気溝
3jの上端に微小な断面積、例えば5×10−2mm
以下の連通溝3kにより連通されていると共に、下部通
気溝3iの下端は薬液蒸散容器2内に開口されている。
【0039】次に上記構成された吸液芯保持用中栓の作
用を説明すると、薬液蒸散容器2を薬液蒸散装置1に取
付けて使用する方法は前記実施の形態と同様であり、使
用中発熱手段5の熱により薬液蒸散容器2内の圧力が上
昇しても、下部通気溝3i、連通溝3k、上部通気溝3
hを介してスリット3mより大気へ放出されるため、薬
液蒸散容器2内の薬液が漏れ出すことがない。
【0040】一方使用中や使用していないときに誤って
薬液蒸散装置1を倒したり、逆さにした場合、微小な断
面積の連通溝3kを薬液が通過しようとしても、薬液の
表面張力により、薬液が通過しにくくなっているため、
薬液が漏れ出して周囲を汚損するのを未然に防止できる
ようになる。
【0041】なおこの発明の吸液芯保持用中栓の液漏れ
防止効果を確認するための比較試験を行った結果を次に
説明する。吸液芯保持筒3b内周面に通気溝(連通溝の
断面積1×10−6〜5×10 mm)を形成した
この発明の中栓をB、従来の中栓をC、Dとして以下の
比較試験を行った。
【0042】長期保存試験は、供試剤を倉庫に保管し
た。そして1年間の液漏れ状態を調べた。 苛酷試験は、供試剤を夏場倉庫に逆さに設置し保管し
た。そして1ヶ月後の液漏れ状態を調べた。 その結果、表3に示すように試験においてもこの発明の
中栓では液漏れを認めなかった。
【0043】
【表3】
【0044】2.連通溝断面積の違いによる液漏れ試験 連通溝3hの断面積の違いによる液漏れを上記と同じ試
験方法で確認した。その結果、表4に示すように断面積
0.5×10−6mmの場合は、長期にわたる温度・
内圧変化又は加熱使用条件下では容器外表面に滲み出し
た薬液が元に戻らなかった。断面積6.4×10−2
の場合は、逆さ放置又は落下衝撃では連通溝3kが
薬液の流通路として働き液だれを示した。断面積1.0
×10−6mm、1.5×10−6mm及び5×1
−2mmの場合は、いずれかの試験でも液漏れを認
めなかった。
【0045】
【表4】
【0046】また市販品水性薬液についても、同様の試
験を行い液漏れの確認を行った。その結果、油性薬液の
場合と同じ結果を示した。 3.加熱蒸散試験(1) 上記試験サンプルの平均深さ断面積0.5×10−6
、1.5×10 mm、6.4×10−2mm
の中栓を使用した薬液容器を、上記と同じ条件で薬液
がなくなるまで継続した。その結果、蒸散有効日数は、
断面積6.4×10−2mm中栓使用時で28〜31
日、断面積1.5×10−6mm中栓使用時で28〜
31日間とほぼ有効日数、断面積0.5×10−6mm
中栓使用時で22〜25日間と短い日数を示した。
【0047】なお上記実施の形態では、上部通気溝3i
をスリット3mに連通させたが、図5に示すように吸液
芯保持筒3bの上端より直接大気へ開口させてもよい。
また上下部通気溝3j及び連通溝は1個に限らず、図6
の(イ)に示すように複数設けるようにしてもよい。さ
らに図6の(ロ)及び(ハ)に通気溝の変形例を示す。
何れの変形例を採用しても薬液の漏れを防止することが
できる。
【0048】一方上記実施の形態では中栓3の中央部に
設けられた吸液芯保持筒3bの高さを3mm以上とし
た。これは吸液芯保持筒3bの高さHを1mmとした場
合、吸液芯4がぐらついて脱落が発生し、2mmとした
場合でも吸液芯4がぐらついて傾きが発生するためで、
3mm以上にすると、吸液芯4にぐらつきや、傾きが発
生せず、安定して吸液芯4を保持することができ、さら
に液漏れ防止にも貢献することから、吸液芯保持筒3b
の高さを3mm以上とした。
【0049】また吸液芯保持筒3bの高さHの上限は、
余り長くすると、下端が薬液蒸散容器2の内底面と干渉
して、口部2aに中栓3を嵌着できなくなることから、
蓋体部3aより下方へ突出された吸液芯保持筒3bの下
端が薬液蒸散容器2の内底面に接しない程度の高さと
し、これに蓋体部3aより上方へ突出された部分の高さ
(発熱手段5の位置で決まる)を加えた高さを上限とし
た。
【0050】
【発明の効果】この発明は以上詳述したように、吸液芯
を保持する薬液保持栓の吸液芯保持筒内面に、微細な凹
凸や断面積の微小な連通溝により連通された通気溝を形
成したことから、発熱手段により吸液芯を加熱する際、
薬液蒸散容器内が加熱されて内圧が上昇しても、凹凸に
より形成された微細な通気溝や、上下部通気溝及びこれ
ら溝を連通する連通溝により大気へ放出されるため、内
圧により薬液蒸散容器内の薬液が漏れ出すことがない。
【0051】また誤って薬液蒸散容器を倒したり、逆さ
にしても、微細な通気溝や連通溝が薬液が通過するのを
阻止するため、薬液が漏れ出すのを防止することがで
き、これによって漏れ出した薬液により周囲が汚損され
たり、薬液が早期に消費されるなどの不具合を解消する
ことができると共に、吸液芯を保持する吸液芯保持筒の
高さを3mm以上としたことから、吸液芯保持筒により
保持された吸液芯がぐらついて脱落したり、傾いて、吸
液芯としての機能が損なわれるなどの心配もなく、さら
に液漏れ防止にも貢献する。
【0052】さらに中栓の吸液芯保持筒内面に微細な凹
凸や、断面積の微小な連通溝により連通された通気溝を
設けるだけでよいため、容易かつ安価に実施することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態になる薬剤蒸散容器が取
付けられた薬液蒸散装置の断面図である。
【図2】この発明の実施の形態になる薬剤蒸散容器の吸
液芯保持用中栓の断面図である。
【図3】(イ)ないし(ヌ)は吸液芯保持筒内周面にシ
ボ加工により形成された凹凸の変形例を示す拡大図であ
る。
【図4】この発明の別の実施の形態になる薬剤蒸散容器
の吸液芯保持用中栓の断面図である。
【図5】吸液芯保持筒の内周面に形成された通気溝の変
形例を示す説明図である。
【図6】(イ)ないし(ハ)は吸液芯保持筒の内周面に
形成された通気溝の変形例を示す説明図である。
【図7】従来の薬液蒸散容器の吸液芯保持用中栓の説明
図。
【図8】(イ)及び(ロ)は従来の薬液蒸散容器の吸液
芯保持用中栓の説明図。
【符号の説明】
2…薬剤蒸散容器、2a…口部、3…中栓、3a…蓋体
部、3b…吸液芯保持筒、3d…凹凸、3e…液溜り、
3f…外側嵌合部、3h…環状突条、3i…上部通気
溝、3j…下部通気溝、3k…連通溝、4…吸液芯。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薬液蒸散容器2の口部2aに嵌着され
    て、吸液芯4を保持する吸液芯保持用中栓において、上
    記吸液芯4を保持する吸液芯保持筒3bの内周面の少な
    くとも一部に、微細な凹凸3dを形成することにより、
    薬液蒸散容器2内と大気を連通する通気溝を形成すると
    共に、上記吸液芯保持筒3bの高さHを3mm以上とし
    たことを特徴とする薬液蒸散容器の吸液芯保持用中栓。
  2. 【請求項2】 凹凸3dにより形成される通気溝の深さ
    を3μm〜250μmの範囲としてなる請求項1記載の
    薬液蒸散容器の吸液芯保持用中栓。
  3. 【請求項3】 薬液蒸散容器2の口部2aに嵌着され
    て、吸液芯4を保持する吸液芯保持用中栓において、上
    記吸液芯4を保持する吸液芯保持筒3bの内周面の少な
    くとも一部に、上端が大気に連通する上部通気溝3i
    と、下端が薬液蒸散容器2内に連通する下部通気溝3j
    及び上記上部通気溝3iの下端側と、上記下部通気溝3
    jの上端側を連通する微小な断面積を有する連通溝3k
    を形成すると共に、上記吸液芯保持筒3bの高さHを3
    mm以上としたことを特徴とする薬液蒸散容器の吸液芯
    保持用中栓。
  4. 【請求項4】 連通溝3kの1つの断面積を、1×10
    −6〜5×10−2mmの範囲としてなる請求項3記
    載の薬液蒸散容器の吸液芯保持用中栓。
  5. 【請求項5】 中栓3の蓋体部3a上面に、吸液芯4と
    接触する液溜り3eを設けてなる請求項1ないし4の何
    れか一項記載の薬液蒸散容器の吸液芯保持用中栓。
  6. 【請求項6】 薬液蒸散容器2の口部2a外周に嵌合す
    る中栓3の外側嵌合部3f内面に少なくとも1本の環状
    突条3hを突設してなる請求項1ないし5の何れか一項
    記載の薬液蒸散容器の吸液芯保持用中栓。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN109704733A (zh) * 2019-01-31 2019-05-03 武汉科技大学 一种渐变三维贯通孔透气塞及其制备方法

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