JP2000324907A5 - - Google Patents

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JP2000324907A5
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【書類名】 明細書
【発明の名称】 水田作業車の車体操向装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】 前輪を操向操作自在に備え、後輪駆動ケースに支持される左右後輪のうちの左後輪のみを駆動と駆動停止とに切り換える左後輪切換え装置、及び、前記左右後輪のうちの右後輪のみを駆動と駆動停止とに切り換える右後輪切換え装置を、前記後輪駆動ケースに設けてある水田作業車の車体操向装置であって、
ミッションケースを車体の前側下部に備え、ステアリングハンドルに連係されて前輪を操向操作するステアリング連動部材を車体の前側下部に備えて、前記ステアリング連動部材に接続されたハンドル側連動杆を、前記ミッションケースの下側を後方に延出すると共に、
前記ミッションケースの後側において、前記ハンドル側連動杆に接続されて揺動自在な連動用アームと、前記連動用アームの上側に位置して揺動自在な揺動リンクと、前記連動用アームの揺動動作を揺動リンクに揺動動作として伝達する回転支軸とを配置し、
前記揺動リンクから右及び左後進切換え装置に向けて後輪側連動杆を延出して、
前記ステアリング連動部材の作動力が、前記ハンドル側連動杆の前後動作、前記回転支軸の回転動作、前記後輪側連動杆の前後動作により伝達されるように構成して、前輪が左向きに操向操作されるのに伴って左後輪切換え装置が駆動停止側に操作され、前輪が右向きに操向操作されるのに伴って左後輪切換え装置が駆動側に操作されるように構成してある水田作業車の車体操向装置。
【請求項2】 前記右及び左後輪切換え装置の操作部を後輪駆動ケースの上側に備えてある請求項1に記載の水田作業車の車体操向装置。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、前輪を操向操作自在に備え、後輪駆動ケースに支持される左右後輪のうちの左後輪のみを駆動と駆動停止とに切り換える左後輪切換え装置、及び、左右後輪のうちの右後輪のみを駆動と駆動停止とに切り換える右後輪切換え装置を、後輪駆動ケースに設けてある水田作業車の車体操向装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記水田作業車は、畦際などで車体を旋回させる際、旋回内側に位置する方の後輪に作用する右又は左後輪切換え装置を駆動停止側に操作する。すると、旋回内側の後輪を駆動停止の状態にしながら、旋回外側の後輪を駆動でき、前輪を操向操作するだけで旋回させるよりも小半径で車体が旋回するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
【0005】
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。
【0007】
[構成]
前輪を操向操作自在に備え、後輪駆動ケースに支持される左右後輪のうちの左後輪のみを駆動と駆動停止とに切り換える左後輪切換え装置、及び、左右後輪のうちの右後輪のみを駆動と駆動停止とに切り換える右後輪切換え装置を、後輪駆動ケースに設けてある水田作業車の車体操向装置において、次のように構成する。
ミッションケースを車体の前側下部に備え、ステアリングハンドルに連係されて前輪を操向操作するステアリング連動部材を車体の前側下部に備えて、ステアリング連動部材に接続されたハンドル側連動杆を、ミッションケースの下側を後方に延出する。
ミッションケースの後側において、ハンドル側連動杆に接続されて揺動自在な連動用アームと、連動用アームの上側に位置して揺動自在な揺動リンクと、連動用アームの揺動動作を揺動リンクに揺動動作として伝達する回転支軸とを配置し、揺動リンクから右及び左後進切換え装置に向けて後輪側連動杆を延出する。
ステアリング連動部材の作動力がハンドル側連動杆の前後動作、回転支軸の回転動作、後輪側連動杆の前後動作により伝達されるように構成して、前輪が左向きに操向操作されるのに伴って左後輪切換え装置が駆動停止側に操作され、前輪が右向きに操向操作されるのに伴って左後輪切換え装置が駆動側に操作されるように構成する。
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
請求項2による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。
【0013】
[構成]
請求項1による発明の構成において、右及び左後輪切換え装置の操作部を後輪駆動ケースの上側に備えている。
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】
【0042】
【0043】
【0044】
【0045】
【0046】
【0047】
【0048】
【0049】
【0050】
【0051】
【0052】
【0053】
【0054】
【0055】
【0056】
【0057】
【0058】
【0059】
【0060】
【0061】
【0062】
【0063】
【0064】
【0065】
【0066】
【0067】
【0068】
【0069】
【0070】
【0071】
【0072】
【0073】
【0074】
【0075】
【0076】
【0077】
【0078】
【発明の実施の形態】
図1に示すように、左右一対の駆動及び操向操作自在な前輪1a,1bと左右一対の駆動自在な後輪2a,2bとを有する車輪式走行装置によって自走し、車体前端部に位置するエンジン及びエンジンボンネット3を有する原動部、この原動部の後方に位置する運転座席4を有する運転部を備えるとともに、前記エンジンボンネット3の両横側に上下複数段の予備苗載せ台5aを有する予備苗収容装置5を設けてある自走車体の後部に、油圧式のリフトシリンダ6によって上下に揺動操作自在なリンク機構7を介して苗植付装置8を連結するとともに、自走車体の後部から回転伝動軸9によって苗植付装置8に動力伝達するように構成してある。自走車体の運転座席4の後側に設けてある肥料タンク10a、苗植付装置8の植え付け機体の下部に機体横方向に並べて取り付けてある複数個の接地フロート8aそれぞれに支持させてある作溝器10bなどによって施肥装置10を構成し、もって、施肥装置付き乗用型田植機を構成してある。
【0079】
すなわち、リフトシリンダ6によってリンク機構7を下降操作して苗植付装置8を自走車体に対して下降させ、接地フロート8aが圃場の泥面上に接触する作業レベルにして自走車体を走行させる。すると、苗植付装置8の植え付け機体の後部に機体横方向に並べて取り付けてある複数個の苗植付機構8bそれぞれが、この苗植付機構8bの苗植え運動に連動して植え付け機体の左右方向に往復移送される苗載せ台8cに載置されているマット状苗の下端部から一株分のブロック苗を切断するとともに取り出し、接地フロート8aが整地した後の泥土面に植え付けていく。
【0080】
前記施肥装置10は、前記肥料タンク10a及び前記複数個の作溝器10bの他に、肥料タンク10aの下部に自走機体の横方向に並んで連結する複数の肥料繰出し装置、各肥料繰出し装置の繰り出し部に送風する一つの電動ブロワ10c、前記複数個の肥料繰出し装置の繰り出し部を前記複数個の作溝器10bに各別に接続している複数本の肥料供給ホース10dを備えており、苗植付装置8が苗植え作業を行っていくに伴い、各肥料繰出し装置が肥料タンク10aから粒状肥料を設定量ずつ繰り出し、肥料繰出し装置からの粒状肥料を電動ブロワ10cが供給する風によって肥料供給ホース10dに送り込み、各作溝器10bが前記苗植付機構8bによって苗植え付けされる圃場泥土の横側近くに溝を作成し、その溝の内部に肥料供給ホース10dからの肥料を供給していく。
【0081】
図2に示すように、前記左後輪2aを一体回動自在に支持する左後車軸11aが一端側に回動自在に備えられ、前記右後輪2bを一体回動自在に支持する右後車軸11bが他端側に回動自在に備えられている後輪駆動ケースRKの左右方向での中間部を、自走車体の左右一対の車体前後方向の車体フレーム12,12の一方と他方とにわたって連結している前後一対の後輪支持フレーム13,14にわたって連結することにより、左右後輪2a,2bを前記一対の車体フレーム12,12に支持させてある。
【0082】
前記後輪駆動ケースRKは、円筒状に屈曲形成した板金で成るセンター伝動ケース部15と、このセンター伝動ケース部15とは別体の部品に鋳造によって作成して上端側を前記センター伝動ケース部15の左端部に連結ボルトによって締め付け連結してあるとともに下端側に前記左後車軸11aを支持させてある左サイド伝動ケース部16と、前記センター伝動ケース部15とは別体の部品に鋳造によって作成して上端側をセンター伝動ケース部15の右端部に連結ボルトによって締め付け連結してあるとともに下端側に前記右後車軸11bを支持させてある右サイド伝動ケース部16とによって構成してある。センター伝動ケース部15の長手方向での中間部分を、前記前側の後輪支持フレーム13と、前記後側の後輪支持フレーム14とにわたって車体前後向きのローリング軸芯Pのまわりで回動自在に連結してある。
【0083】
これにより、後輪駆動ケースRKは前記一対の車体フレーム12,12に前記軸芯Pまわりでローリングするように支持されている。したがって、左右後輪2a,2bの一方が硬盤の凹入部に落ち込んだり、隆起部に乗り上がるとか、左右後輪2a,2bが傾斜硬盤に位置しても、後輪駆動ケースRKがローリング軸芯Pのまわりで車体フレーム12に対してローリングして左右後輪2a,2bの車体フレーム12に対する取り付け高さが異なる状態になり、車体を水平又はそれに近い状態に維持しながら走行できる。
【0084】
後輪駆動ケースRKの前記センター伝動ケース部15の中央部に前記ローリング軸芯Pと同一の軸芯まわりで回動自在に備えてある入力軸15aに前記回転伝動軸9の回動力を伝達し、この入力軸15aの回動力を後輪駆動ケースRKの内部に設けてある左右一対の減速伝動機構30,30のうちの左側の減速伝動機構30によって左後車軸11aに、右側の減速伝動機構30によって右後車軸11bにそれぞれ伝達するように構成して、左右後輪2a,2bの駆動を可能にしてある。
【0085】
前記右側の減速伝動機構30は、図6に示す如く構成してある。前記左側の減速伝動機構30は、図示しないが右側の減速伝動機構30と同様に構成してある。すなわち、左右の減速伝動機構30,30のそれぞれは、後輪駆動ケースRKのサイド伝動ケース部16の上部からセンター伝動ケース部15の内部の中央部まで延出して延出端側がセンター伝動ケース部15の前記入力軸15aに連動している入力軸31、この入力軸31のサイド伝動ケース部16の内部に位置する軸部分に取り付けてある後輪切換え装置CBL,CBR、この後輪切換え装置CBL,CBRのクラッチ部40の出力側クラッチ体41の端部に一体回動自在に係合している状態で前記入力軸31に相対回転自在に支持されている伝動ギヤ33、この伝動ギヤ33に咬合している第1減速伝動ギヤ34、この第1減速伝動ギヤ34を支持するとともに第1減速伝動ギヤ34と一体回転する中間伝動軸35、この中間伝動軸35に一体形成してあるギヤ部35aに咬合しているとともに後車軸11a,11bのスプライン部に一体回転自在に外嵌している第2減速伝動ギヤ32のそれぞれによって構成してある。すなわち、センター伝動ケース部15の前記入力軸15aの回動力を入力軸31によって後輪切換え装置CBL,CBRのクラッチ部40の入力側クラッチ体42に伝達し、このクラッチ部40の出力側クラッチ体41の回動力を伝動ギヤ33、第1減速伝動ギヤ34、中間伝動軸35、第2減速伝動ギヤ32によって減速して後車軸11a,11bに伝達する。
【0086】
左後輪2a用の減速伝動機構30が備える後輪切換え装置CBLは、図示しないが、右後輪2b用の減速伝動機構30が備える後輪切換え装置CBRと同様に構成してある。すなわち、これらの後輪切換え装置CBL,CBRは、前記クラッチ部40と、このクラッチ部40の前記出力側クラッチ体41に取り付けたブレーキ機構51などを備えるブレーキ部50とによって構成してある。
【0087】
前記クラッチ部40は、前記減速伝動機構30の前記入力軸31のスプライン部にボス部42aが外嵌しているとともに一体回転及び摺動自在に係合している前記入力側クラッチ体42と、入力軸31に前記伝動ギヤ33を介して相対回転自在に一端側が外嵌している前記出力側クラッチ体41と、この出力側クラッチ体41と前記入力側クラッチ体42とにわたって取り付けた湿式の多板式摩擦クラッチ機構43と、入力軸31の段部によって受け止め支持されるばね受け板44と入力側クラッチ体42との間に設けたクラッチばね45とによって構成してある。
【0088】
前記ブレーキ部50は、サイド伝動ケース部16の内面側に設けたプレート支持部16aと前記出力側クラッチ体41の一端側とにわたって取り付けた湿式の多板式摩擦ブレーキ機構51と、前記プレート支持部16aにリング部材を取り付けて備えさせた固定部52と、ブレーキ機構51に対する操作部54aを一端側に備えさせるとともに中間部を出力側クラッチ体41の前記ボス部42aにベアリング53を介して相対回転自在に支持されるように取り付けたクラッチブレーキ操作体54とによって構成してある。
【0089】
入力側クラッチ体42の前記ボス部42aに対して入力軸31に相対回転及び摺動自在に外嵌する筒体47とスラストカラー48とを介して作用する回転カム46が一端側に一体形成してある操作軸65a,65bを、サイド伝動ケース部16の端部に回動自在に支持させてある。この操作軸65a,65bのケース外に突出している軸端部から一体回動自在に延出している揺動アームで成る第1操作部66a,66bを、図5に示す直進位置Sから操作軸65a,65bの軸芯まわりで車体前方側Fに揺動操作すると、この操作力により、操作軸65a,65bが第1操作部66a,66bと共に回動して前記回転カム46を回転操作する。すると、この回転カム46が前記筒体47とスラストカラー48とを介して入力側クラッチ体42のボス部42aに押圧作用し、入力側クラッチ体42をクラッチばね45に抗してばね受け板44の方に摺動操作する。すると、クラッチ機構43が切りになって入力側クラッチ体42と出力側クラッチ体41とが相対回転する。これにより、クラッチ部40は、入力軸31から伝動ギヤ33への伝動を断つことによって後車輪2a,2bに対する動力伝達を断つように切りになる。この状態から第1操作部66a,66bを前記直進位置Sに揺動操作すると、操作軸65a,65bが第1操作部66a,66bと共に回動して回転カム46を回転操作する。すると、この回転カム46が入力側クラッチ体42のボス部42aに対する押圧作用を解除し、入力側クラッチ体42をクラッチばね45の付勢力によってばね受け板44から離れる方向に摺動操作させる。すると、入力側クラッチ体42の端部に備えてあるプレート操作部がクラッチ機構43の各プレートを出力側クラッチ体41の端部に備えてあるプレート受け体にクラッチばね45による操作力によって押圧操作してクラッチ機構43が入りになり、このクラッチ機構43による摩擦によって入力側クラッチ体42と出力側クラッチ体41とが一体回転する。これにより、クラッチ部40は、入力軸31の回動力を伝動ギヤ33に伝達することによって後輪2a,2bに駆動力を伝達するように入りになる。
【0090】
ラッチブレーキ操作体54の操作部54aとは反対側の端部に作用するフォーク55が一端側に一体回動自在に連結している操作軸61a,61bを、サイド伝動ケース部16の端部に回動自在に支持させてある。この操作軸61a,61bのケース外に突出している軸端部から一体回動自在に延出している揺動アームで成る第2操作部62a,62bを、図5に示す直進位置Aから操作軸61a,61bの軸芯まわりで車体前方側に揺動操作して緩旋回位置Bに操作すると、この操作力により、操作軸61a,61bが第2操作部62a,62bと共に回動してフォーク55を揺動操作する。すると、このフォーク55が前記クラッチブレーキ操作体54をクラッチ機構43の方に押圧操作し、ベアリング53を介して入力側クラッチ体42をクラッチばね45に抗してばね受け板44の方に摺動操作する。すると、クラッチ機構43が切りになり、クラッチ部40が切りなる。第2操作部62a,62bをさらに車体前方側に揺動操作して急旋回位置Cに操作すると、この操作力により、操作軸61a,61bが第2操作部62a,62bと共に回動してフォーク55を揺動操作する。すると、このフォーク55が前記クラッチブレーキ操作体54をさらにクラッチ機構43の方に押圧操作し、クラッチブレーキ操作体54の操作部54aがブレーキ機構51の各プレートを前記固定部52に押圧操作してブレーキ機構51が入りになる。これにより、ブレーキ部50は、ブレーキ機構51によって出力側クラッチ体41に摩擦ブレーキを掛けることによってギヤ33,34、伝動軸35、ギヤ32、車軸11a,11bを介して後車輪2a,2bに摩擦ブレーキを掛けるように入りになる。このとき、入力側クラッチ体42が伝動ギヤ33の方にさらに摺動操作されてクラッチ機構43を切りに操作し、クラッチ部50は切りに維持される。この状態から第2操作部62a,62bを前記直進位置Aの方に揺動操作していくと、フォーク55がクラッチブレーキ操作体54に対する押圧を解除する方に揺動していき、クラッチブレーキ操作体54がクラッチばね45による操作力によってブレーキ機構51から離れる方向に摺動操作されて操作部54aによるブレーキ機構51に対する押圧作用を解除し、ブレーキ部50が切りになる。第2操作部62a,62bがさらに揺動されて直進位置Aになると、クラッチ機構43がクラッチばね45のために入りになり、クラッチ部40が入りになる。このとき、クラッチブレーキ操作体54がクラッチばね45のためにブレーキ機構51から離れる方向にさらに摺動しており、ブレーキ部50は切りを維持する。
【0091】
後輪切換え装置CBLと右後輪切換え装置CBRのそれぞれは、後輪2a,2bに作用するクラッチ部40とブレーキ部50とを備えているとともに、第1操作部66a,66bを揺動操作することにより、クラッチ部40とブレーキ部50のうちのクラッチ部40のみが切り換わって後車輪2a,2bを駆動と、遊転するようにブレーキが掛かっていない駆動停止とに切り換え、第2操作部62a,62bを揺動操作することにより、クラッチ部40とブレーキ部50の両方が切り換わって後輪2a,2bを駆動と、遊転するようにブレーキが掛かっていない駆動停止と、回転停止するようにブレーキが掛かった駆動停止とに切り換える。そして、左後輪切換え装置CBLは、左右後輪2a,2bのうちの左後輪2aのみを前記駆動と駆動停止とに切り換え、右後輪切換え装置CBRは、左右後輪2a,2bのうちの右後輪2bのみを前記駆動と駆動停止とに切り換える。
【0092】
図2に示すように、左後輪切換え装置CBLと右後輪切換え装置CBRそれぞれの前記第1操作部66a,66bを、左後輪切換え装置CBLの第1操作部66aに後端側が連結している左後輪側連動杆21a、右後輪切換え装置CBRの第1操作部66bに後端側が連結している右後輪側連動杆21bなどを備える操向用連係機構20によってステアリングハンドル70に連係させてある。
【0093】
操向用連係機構20は、図7に示すミッションケース80に支持されているパワーステアリング機構71が軸芯72aまわりで揺動するように備えているピットマンアーム72の基端部に設けた長孔72bを有する連結部72cと、この連結部72cに前端側が連結している車体前後向きのハンドル側連動杆22と、このハンドル側連動杆22の後端側に連結しているハンドル側揺動リンク23と、前記左右の後輪側連動杆21a,21bの前端側が両端側に別れて連結している天秤リンク形式の後輪側揺動リンク24と、前記左後輪側連動杆21aと、前記右後輪側連動杆21bとによって構成してある。
【0094】
ピットマンアーム72は、前記パワーステアリング機構71を介して回転自在なハンドル支軸に、タイロッド73を介して左右前輪1a,1bそれぞれのナックルアーム74にそれぞれ連動していて、ステアリングハンドル70を回動操作すると、この操作のために軸芯72aまわりで車体横方向に揺動し、左右前輪1a,1bそれぞれのナックルアーム74を揺動操作して左右前輪1a,1bをステアリングハンドル70の回動方向と同じ方向に向くように操向操作する。
【0095】
図6に示すように、ピットマンアーム72の前記長孔72bと、長孔72bに摺動自在に入り込ませた連結ピンで成るハンドル側連動杆22の連結ピン部22aとによって、ピットマンアーム72とハンドル側連動杆22とが設定ストロークの範囲内で相対移動することを許容する連動融通25を構成してある。左右前輪1a,1bが直進向きになる状態で長孔72bの長手方向での中心に連結ピン部22aが位置するように、かつ、この状態で長孔72bの中心とピットマンアーム72の揺動軸芯72aとを通る直線がハンドル側連動杆22の軸芯22bに対してほぼ直交するように長孔72bとハンドル側連動杆22との配置関係を設定してある。長孔72bの中心とピットマンアーム72の揺動軸芯72aとを通る直線がハンドル側連動杆22の軸芯22bに対して直交するように設定してもよい。すなわち、左右前輪1a,1bを直進向きから左又は右向きに操向操作していくとき、左右前輪1a,1bの直進向きからの操向角度が長孔72bの長さによって決まる設定操向角度に達するまでは、ピットマンアーム72とハンドル側連動杆22とが相対移動し、左右前輪1a,1bの直進向きからの操向角度が前記設定操向角度を越えた後は、ピットマンアーム72が長孔72bの端部で連結ピン部22aに当接し、ハンドル側連動杆22を車体前方側に引き操作したり、車体後方側に押し操作したりする。このとき、ハンドル側連動杆22を引き操作していく場合にピットマンアーム72の作動力がハンドル側連動杆22に伝達する効率と、押し操作していく場合にピットマンアーム72の作動力がハンドル側連動杆22に伝達する効率とが、前輪1a,1bの操向角度が同一になる操作状態では同一又はほぼ同一になる。
【0096】
これにより、連動融通25は次の如く作用する。すなわち、左右前輪1a,1bを直進向きから左又は右向きに操向操作しても、前輪1a,1bの操向角度が、植え付け作業などの通常の走行をする際には一般に不必要であって、畦際などで車体を小廻り旋回させる際に必要なものとして設定してある前記設定操向角度に達するまでは、ピットマンアーム72によるハンドル側連動杆22の移動操作を行わせず、前輪1a,1bの操向角度が前記設定操向角度以上になってからピットマンアーム72によるハンドル側連動杆22の移動操作を行わせる。設定操向角度としては、実際には約20度を設定してある。
【0097】
図7及び図8に示すように、前記ハンドル側揺動リンク23及び後輪側揺動リンク24は、前後輪1a,1b,2a,2bに伝動する走行ミッション、および、苗植付装置8に伝動する作業ミッションを内装している前記ミッションケース80の後側近くの前記左右一対の車体フレーム12どうしの間に配置してある。左右いずれの車体フレーム12も、角パイプで成る車体前後向きのメインフレーム12aと、このメインフレーム12aの下方に配置するとともに前端側が前記ミッションケース12に、後端側が前記後輪支持フレーム13を介してメインフレーム12aにそれぞれ連結しているサブフレーム12bとによって構成してある。ハンドル側揺動リンク23の中間部に上端側が一体回動自在に連結している回転支軸26を、左側のサブフレーム12bの方に固定されている支持部材82に回動自在に支持させ、前記回転支軸26の下端部から一体回動自在に延出している連動用アーム27を前記ハンドル側連動杆22の後端部に連結ピンによって相対回動自在に連結してあることにより、ハンドル側揺動リンク23は、回転支軸26の車体上下向きの軸芯26aまわりで揺動するように車体フレーム12に支持されており、ハンドル側連動杆22を介してピットマンアーム72によって前記軸芯26aまわりで揺動操作されるようにハンドル側連動杆22に連結している。後輪側揺動リンク24は、前記回転支軸26に相対回動自在に外嵌していることにより、回転支軸26の前記軸芯26aまわりで揺動するように車体フレーム12によって支持されている。ハンドル側揺動リンク23の両端側に、後輪側揺動リンク24に当接してハンドル側揺動リンク23の作動力を伝達する当たり部23a,23bを備えさせるとともに、ハンドル側連動杆22が車体後方側に押し操作されると、この操作力により、ハンドル側揺動リンク23の当たり部23aの位置する遊端側が前方側(図6に示す揺動方向L)に揺動操作されて左側の当たり部23aによって後輪側揺動リンク24を揺動操作し、後輪側揺動リンク24が左後輪側連動杆21aを車体前方側に引き操作して左後輪切換え装置CBLの第1操作部66aを直進位置Sから車体前方側に揺動操作して左後輪切換え装置CBLを駆動側から駆動停止側に切り換え操作するように構成してある。このとき、後輪側揺動リンク24が右後輪側連動杆21bを車体後方側に押し操作して右後輪切換え装置CBRの第1操作部66bを直進位置Sから車体後方側に揺動操作するが、操作軸65bが備える前記回転カム46の形状により、右後輪切換え装置CBRは駆動側を維持する。ハンドル側連動杆22が車体前方側に引き操作されると、ハンドル側揺動リンク23の当たり部23bの位置する遊端側が前方側(図6に示す揺動方向R)に揺動操作されて前記右側の当たり部23bによって後輪側揺動リンク24を揺動操作し、後輪側揺動リンク24が右後輪側連動杆21bを車体前方側に引き操作して右後輪切換え装置CBRの第1操作部66bを直進位置Sから車体前方側に揺動操作して右後輪切換え装置CBRを駆動側から駆動停止側に切り換え操作するように構成してある。このとき、後輪側揺動リンク24が左後輪側連動杆21aを車体後方側に押し操作して左後輪切換え装置CBLの第1操作部66aを直進位置Sから車体後方側に揺動操作するが、操作軸65aが備える前記回転カム46の形状により、左後輪切換え装置CBLは駆動側を維持する。
【0098】
図8及び図9に示すように、前記後輪側揺動リンク24の上方に配置した切換えカム86を有する連係切り換え部85を、操向用連係機構20に備えさせてある。この連係切換え部85は、前記後輪側揺動リンク24を前記回転支軸26にこれの軸芯方向に摺動自在に支持させ、後輪側揺動リンク24が備えるばね受け部24aと、前記ハンドル側揺動リンク23の回転支軸26に連結しているボス部23cの端面との間に設けてあるコイルばね87によって後輪側揺動リンク24を上昇付勢するように構成するとともに、前記左右一対の車体フレーム12,12それぞれのメインフレーム12aどうしにわたって連結している連結フレーム83が備える支持部83aに前記切換えカム86を車体横向きの軸芯86aまわりで揺動自在に支持させることによって構成してあるとともに、切換えカム86を連動ロッド88を介して図7に示す操作具89によって揺動操作することによって操作するように構成してある。
【0099】
すなわち、図7に示すように、操作具89は、運転座席4に着座したままで操作できるように、かつ、運転部に対する乗り降りの際などに身体などが触れにくいように運転座席4の下方に運転座席4の前端よりも座席後方側に後退させて配置し、車体部分に支持させてある。この操作具89を軸芯89aまわりで上下に揺動操作して下降側の入り位置ONと、上昇側の切り位置OFFのうちの入り位置ONの方に操作すると、切換えカム86が上昇揺動して後輪側揺動リンク24を図9(A)に示す上昇取り付けレベルにコイルばね87の付勢力によって上昇操作させる。すると、ハンドル側揺動リンク23が揺動操作された際にこれの前記一対の当たり部23a,23bが後輪側揺動リンク24に当接して伝動作用する状態になり、連係切換え部85は、操向用連係機構20をハンドル側揺動リンク23と後輪側揺動リンク24とが連動する入り状態にするように連係入り側になる。これに対し、操作具89を切り位置OFFに操作すると、切換えカム86が下降揺動して後輪側揺動リンク24を図9(B)に示す下降取付け位置にコイルばね87に抗して下降操作する。すると、ハンドル側揺動リンク23が揺動操作されても、これの前記一対の当たり部23a,23bが後輪側揺動リンク24に当接しなくて伝動作用しない状態になり、連係切換え部85は、操向用連係機構20をハンドル側揺動リンク23と後輪側揺動リンク24とが相対揺動する切り状態にするように連係切りになる。
【0100】
つまり、作業を行う際、操作具89を入り位置ONに操作する。すると、連係切換え部85が連係入りになって操向用連係機構20を入り状態に切り換え、入り状態になった操向用連係機構20は、ステアリングハンドル70を左右前輪1a,1bそれぞれの操向操作部としてのナックルアーム74に連動させているステアリング連動部材としてのピットマンアーム72と、左後輪切換え装置CBL及び右後輪切換え装置CBRそれぞれの第1操作部66a,66bとを連係させる。すなわち、左右前輪1a,1bを直進向きから左又は右向きに操向操作しても、その前輪操向角度が前記設定操向角度に達しない操向操作であれば、連動融通25の作用によって左後輪切換え装置CBLも右後輪切換え装置CBRも駆動側に維持操作し、左右前輪1a,1bを直進向きから左向きに前記設定操向角度以上に操向操作すると、ピットマンアーム72の作動力により、左後輪切換え装置CBLをクラッチ部40もブレーキ部50も切りの駆動停止側に、右後輪切換え装置CBRを駆動側にそれぞれ操作し、左右前輪1a,1bを直進向きから右向きに前記設定操向角度以上に操向操作すると、ピットマンアーム72の作動力により、左後輪切換え装置CBLを駆動側に、右後輪切換え装置CBRをクラッチ部40もブレーキ部50も切りの駆動停止側にそれぞれ操作するように連係させる。これにより、苗植え付けを行いながら走行している際には、ステアリングハンドル70を回動操作して車体の操向操作を行っても、左右後輪2a,2bが遊転状態にならないのであるが、畦際などで車体を旋回させる際、ステアリングハンドル70を回動操作して前輪1a,1bを左又は右向きに設定操向角度以上に操向操作すると、旋回外側に位置する後輪2a,2bが駆動状態に、旋回内側に位置する後車輪2b,2aが遊転状態にそれぞれなり、車体は前輪1a,1bを操向させるだけで旋回するよりも小半径で旋回していく。このとき、旋回内側に位置する後輪2a,2bが遊転状態になり、この後輪2a,2bによる泥掻くを抑制しながら旋回できる。
【0101】
路上走行するなど作業を行わない際には、操作具89を切り位置OFFに操作する。すると、連係切換え部85が連係切りになって操向用連係機構20を切り状態に切り換え、切り状態になった操向用連係機構20は、ピットマンアーム72と、左後輪切換え装置CBL及び右後輪切換え装置CBRそれぞれの第1操作部66a,66bとの連係を切る。すなわち、左右前輪1a,1bを直進向きから左又は右向きに前記設定操向角度以上に操向操作しても、前輪1a,1bの操向状態に関係なく左後輪切換え装置CBLも右後輪切換え装置CBRも駆動側に維持操作されるようにする。これにより、ステアリングハンドル70を回動操作して車体の操向操作を行う際、左右前輪1a,1bを直進向きから左や右向きに前記設定操向角度以上に操向操作しても、左右後輪2a,2bが遊転状態にはならなくて駆動状態のままで車体走行方向が変化する。
【0102】
図2に示すように、左後輪切換え装置CBLの第2操作部62aに連動ロッド63aを介して連動させた左ブレーキペダル64aと、右後輪切換え装置CBRの第2操作部62bに連動ロッド63bを介して連動させた右ブレーキペダル64bとのそれぞれを、運転部に各別に踏み込み揺動操作自在に設けるとともに、左ブレーキペダル64aが切り位置にあれば左後輪切換え装置CBLが駆動側になり、左ブレーキペダル64aを切り位置から踏み込み操作していくに伴い、左後輪切換え装置CBLが先ずクラッチ部40とブレーキ部50とが切りの駆動停止側に、次にクラッチ部40が切りでブレーキ50が入りの駆動停止側にそれぞれ切り換わっていくように構成し、右ブレーキペダル64bが切り位置にあれば右後輪切換え装置CBRが駆動側になり、右ブレーキペダル64bを切り位置から踏み込み操作していくに伴い、右後輪切換え装置CBRが先ずクラッチ部40とブレーキ部50とが切りの駆動停止側に、次にクラッチ部40が切りでブレーキ50が入りの駆動停止側にそれぞれ切り換わっていくように構成してある。
【0103】
体を旋回操作する際、操向用連係機構20を切り側に切り換えてあっても、左右のブレーキペダル64a,64bのうちの所定側のペダル64a,64bを踏み込み操作することにより、後輪切換え装置CBL,CBRをクラッチ部40及びブレーキ部50が切りなった、又は、クラッチ部40が切りに、ブレーキ部50が入りにそれぞれなった駆動停止側に切り換え操作でき、旋回内側の後車輪2a,2bを遊転自在な又はブレーキの掛かった駆動停止状態にして小廻り旋回させられる。また、操向用連係機構20を入り側に切り換えてある場合でも、所定側のブレーキペダル64a,64bを深く踏み込み操作することにより、後輪切換え装置CBL,CBRをクラッチ部40が切りに、ブレーキ部50が入りにそれぞれなった駆動停止側に切り換え操作でき、旋回内側の後輪2a,2bをブレーキの掛かった駆動停止状態にして小廻り旋回させられる。
【0104】
図8〜図10に示すように、前記リフトシリンダ6の制御弁6aを切り換え操作するマイクロコンピュータで成る上昇制御手段93に連係している検出スイッチ94を、前記ミッションケース80の後側近くで、前記左右の車体フレーム12,12どうしの間に配置して前記支持部材82に支持させてある。検出スイッチ94の操作部に接触作用する一対のスイッチ操作部95a,95bを遊端側に備える検出対象体95を、前記連動用アーム27の基部に一体形成するとともに、前輪1a,1bが直進向きにあるとか、左や右向きに操向操作されてもその操向角度が前記設定操向角度より小である場合には、検出対象体95の一対のスイッチ操作部95a,95bが検出スイッチ94の操作部から外れていて検出スイッチ94が切りになり、前輪1a,1bが左向きに前記設定操向角度以上に操向操作されて連動用アーム27が揺動操作されると、検出対象体95の前記一対のスイッチ操作部95a,95bのうちの一方のスイッチ操作部95aが検出スイッチ94の操作部に押圧作用して検出スイッチ94が入りに切り換わり、左右前輪1a,1bが右向きに前記設定操向角度以上に操向操作されて連動用アーム27が揺動操作されると、検出対象体95の前記一対のスイッチ操作部95a,95bのうちの他方のスイッチ操作部95bが検出スイッチ94の操作部に押圧作用して検出スイッチ94が入りに切り換わるように構成してある。連動用アーム27は、ハンドル側揺動リンク23と一体に揺動する。これにより、検出スイッチ94は、ハンドル側揺動リンク23の揺動位置に基づいて前輪1a,1bの操向状態を検出するとともに、この検出結果を上昇制御手段93に出力する。すなわち、前輪1a,1bの操向状態が直進向きであるとか、左や右向きの操向角度が前記設定操向角度未満である非旋回操向状態と、左や右向きに前記設定操向角度以上に操向操作された旋回操向状態とのいずれにあるかを検出し、それぞれの検出結果を電気信号で上昇制御手段93に出力する。上昇制御手段93は、前輪1a,1bの操向状態が前記非旋回操向状態にあれば、検出スイッチ94からの情報に基づいて、リフトシリンダ6を苗植付装置8の下降側に維持させるべき信号を制御弁6aに出力し、前輪1a,1bの操向状態が前記旋回操向状態になると、検出スイッチ94からの情報に基づいて、リフトシリンダ6を苗植付装置8の上昇側に操作させるべき信号を制御弁6aに出力するように構成してある。
【0105】
これにより、畦際で車体を旋回させる場合など、前輪1a,1bを左や右向きに前記設定操向角度以上に操向操作すると、検出スイッチ94による検出と、この検出結果に基づく上昇制御手段93のリフトシリンダ6の操作とのために、苗植付装置8が下降作業レベルから非作業レベルに自動的に上昇操作される。
【0106】
図11に示すように、前記左右の後輪側連動杆21a,21bそれぞれの後端部に、一対の調節ナット97,97を有する連結調節部96を備えさせてある。この連結調節部96は、後輪側連動杆21a,21bにおける第1操作部66a,66bの連結位置を後輪側連動杆21a,21bの軸芯方向に変更するものであり、詳しくは次の如く構成してある。
【0107】
連結調節部96は後輪側連動杆21a,21bの後端部に備えさせたねじ軸部98と、前記一対の調節ナット97,97とによって構成してある。一対の調節ナット97,97は、第1操作部66a,66bが備える連結ピン99の後輪側連動杆21a,21bに相対摺動自在に外嵌する端部を挟む配置にして前記ねじ軸部98に装着するように構成してあり、後輪側連動杆21a,21bが車体前方側に引っ張り操作された際のその引っ張り操作力を調節ナット97と連結ピン99とを介して第1操作部66a,66bに伝達することにより、後輪側連動杆21a,21bによる第1操作部66a,66bの揺動操作を可能にしている。一対の調節ナット97,97を回動操作して後輪側連動杆21a,21bの軸芯方向に移動させると、調節ナット97,97による移動操作のために後輪側連動杆21a,21bと連結ピン99とが後輪側連動杆21a,21bの軸芯方向に相対移動し、後輪側連動杆21a,21bにおける第1操作部66a,66bの連結位置が後輪側連動杆21a,21bの軸芯方向に変化する。
【0108】
つまり、左右の後輪側連動杆21a,21bそれぞれの連結調節部96を操作すると、後輪側連動杆21a,21bにおける第1操作部66a,66bの連結位置が後輪側連動杆21a,21bの軸芯方向に変化して前輪1a,1bが直進向きにある状態での第1操作部66a,66bの後輪駆動ケースRKに対する取り付け角度が変化し、前輪1a,1bを左向きに操向操作するに伴って左後輪切換え装置CBLが駆動停止に切り換わるときの前輪1a,1bの操向角度と、前輪1a,1bを右向きに操向操作するに伴って右後輪切換え装置CBRが駆動停止に切り換わるときの前輪1a,1bの操向角度とが同一になるとか異なるように調節できる。
【0109】
[別実施形態]
図12は、別の実施形態を備える操向用連係機構20の一部を示し、この操向用連係機構20における前記ハンドル側揺動リンク23の両端側に伝動用ボルト100を設け、一対の伝動用ボルト100,100それぞれの先端部によって後輪側揺動リンク24に対する当たり部23a,23bを形成するとともに、一方の当たり部23aの取付け位置と、他方の当たり部23bの取り付け位置とを別々にハンドル側揺動リンク23の揺動方向に変更する当たり調節部を伝動用ボルト100によって構成してある。
【0110】
すなわち、前輪1a,1bが操向操作されてハンドル側揺動リンク23が揺動操作されると、このハンドル側揺動リンク23は、一対の当たり部23a,23bのうちのいずれか一方の当たり部23a、23bによって後輪側揺動リンク24に当接してハンドル側揺動リンク23の作動力を伝達することによって後輪側揺動リンク24を揺動操作する。
【0111】
伝動用ボルト100を回動調節することにより、伝動用ボルト100の先端がハンドル側揺動リンク23に対して後輪側揺動リンク24に接近する方向や後輪側揺動リンク24から離れる方向に移動し、当たり部23a,23bの取り付け位置がハンドル側揺動リンク23の揺動方向に変化する。当たり部23a,23bの取付け位置を調節した場合、伝動用ボルト100を自由に回動しないようにロックナット101によって固定することにより、当たり部23a,23bを調節した取付け位置に固定する。つまり、各当たり部23a,23bの取り付け位置を調節することにより、前輪1a,1bを左向きに操向操作した際に左後輪2aが遊転状態になるときの前輪1a,1bの操向角度と、前輪1a,1bを右向きに操向操作した際に右後輪2bが遊転状態になるときの前輪1a,1bの操向角度とが同一になるように、あるいは相違するように調節する。
【0112】
図13は、さらに別の実施形態を備える操向用連係機構20の一部を示し、この操向用連係機構20には、前記ピットマンアーム72に設けた複数本の長孔72bを備えた連結調節部102を備えてある。この連結調節部102は、ピットマンアーム72のハンドル側連動杆22が連結する位置を変更するものであり、詳しくは次の如く構成してある。
すなわち、複数本の長孔72bは、各長孔72bのピットマンアーム72の揺動軸芯72aとの間隔が異なるように並べてあるとともに、ピットマンアーム72の揺動軸芯72aとの間隔が小さい長孔72bのピットマンアーム揺動方向での長さがピットマンアーム72の揺動軸芯72aとの間隔が大きい長孔72bのその長さよりも短いように、各長孔72bを形成してある。ハンドル側連動杆22の前記連結ピン部22aを複数本の長孔72bに差し替えできるように構成し、連結ピン部22aを装着する長孔72bを変更することにより、ピットマンアーム72のハンドル側連動杆22が連結する位置が変化し、この連結位置と、ピットマンアーム72の揺動軸芯72aとの間隔が変化する。この連結位置変更を行うと、長孔72bの長さ相違により、ピットマンアーム72が単位揺動角度を揺動することによってハンドル側連動杆22が移動操作されるストロークが変化する。すなわち、前輪1a,1bが単位操向角度を操向操作されるに伴って第1操作部66a,66bが操作されるストロークを増減するように調節できる。
【0113】
図14は、さらに別の実施形態を備える操向用連係機構20の一部を示し、この操向用連係機構20には、前記後輪側揺動リンク24の両端側に設けた複数個のピン孔24bを有する連結調節部103を備えさせてある。この連結調節部103は、後輪側揺動リンク24の前記左後輪側連動杆21a及び前記右後輪側連動杆21bが連結する位置を変更するためのものであり、詳しくは次の如く構成してある。
【0114】
後輪側揺動リンク24の一端側に位置する複数個の長孔24bも、他端側に位置する複数個の長孔24bも、各長孔24bの後輪側揺動リンク24の揺動軸芯26aとの間隔が異なるように並べてある。左後輪側連動杆21a及び右後輪側連動杆21bそれぞれを後輪側揺動リンク24に連結する連結ピン104を複数個のピン孔24bに差し替えできるように構成し、連結ピン104を装着するピン孔24bを変更することにより、後輪側揺動リンク24の左後輪側連動杆21a及び右後輪側連動杆21bが連結する位置が変化し、この連結位置と、後輪側揺動リンク24の揺動軸芯26aとの間隔が変化する。この連結位置変更を行うと、後輪側揺動リンク24が単位揺動角度を揺動することによって左後輪側連動杆21a及び右後輪側連動杆21bが移動操作されるストロークが変化する。すなわち、前輪1a,1bが単位操向角度を操向操作されるに伴って第1操作部66a,66bが操作されるストロークを増減するように調節できる。
【0115】
図15は、さらに別の実施形態を備える車体操向装置の一部を示し、この車体操向装置には、前記連係切換え部85の操作具89に一端側が連結している切換え側連動杆106を有する連係切換え機構105を備えさせてある。
【0116】
この連係切換え機構105は、前記ミッションケース80の内部に位置するとともにシフトギヤの掛け替えによって高速と低速の2段に切り換え可能な走行用副変速装置110の切り換えを行う副変速レバー111に一端側が連結している変速側連動杆107と、この変速側連動杆107と前記切換え側連動杆106とを連結しているとともに車体部分に軸芯108aまわりで揺動自在に支持されている連動リンク108と、前記切換え側連動杆106とによって構成してある。副変速レバー111を揺動操作して走行用副変速装置110を変速すると、この操作力が変速側連動杆107、連動リンク108を介して切換え側連動杆106に伝達する。副変速レバー111を高速位置Hに操作した場合、切換え側連動杆106が操作具89を入り位置ONから切り位置OFFに切り換え操作する。副変速レバー111を低速位置Lに操作した、切換え側連動杆106の操作具89の連結ピンが入り込んでいる連結ピン孔106aが長孔であることから、操作具89を切り位置OFFにあっても入り位置ONに切り換え操作しない。これにより、連係切換え機構105は、走行用副変速装置110が高速側に切り換わると、これに連係して操向用連係機構20を入り側から切り側に切り換え操作する。そして、走行用副変速装置110が低速側に切り換わっても、操向用連係機構20を切り側に維持したままになる。
【0117】
非作業走行を行う際、走行用副変速装置110を低速側から高速側に変速するだけで連係切換え機構105のために操向用連係機構20が切り側に切り換わり、前輪1a,1bを前記設定操向角度以上に操向操作することがあっても後輪2a,2bが遊転状態に切り換わらないようにしながら車体の操向操作が行える。この後、作業走行を行う際、走行用副変速装置110を高速側から低速側に変速するだけでは、操向用連係機構20が入り側に切り換わらず、操作具89を操作する人為操作によって操向用連係機構20を切り側から入り側に切り換え操作することにより、前輪1a,1bを前記設定操向角度以上に操向操作するだけで旋回内側の後輪2a,2bが遊転状態に切り換わるようにしながら車体の操向操作が行える。
【0118】
図16は、さらに別の実施形態を備える車体操向装置の一部を示し、この車体操向装置には、前記連係切換え部85の操作具89を切り換え操作するアクチュエータの一例としての電磁ソレノイド116を有する連係切り機構115を備えてある。
【0119】
この連係切り機構115は、前記ミッションケース80の内部に位置するとともにシフトギヤの掛け替えによって高速と低速の2段に切り換え可能な走行用副変速装置110の切り換えを行う副変速レバー111に作用する副変速検出スイッチ117と、前記リフトシリンダ6の制御弁6aを切り換え操作することによって苗植付装置8の昇降操作を行う昇降レバー6bに作用する上昇検出スイッチ118と、両検出スイッチ117,118からの情報に基づいて前記電磁ソレノド116を操作するマイクロコンピュータで成る制御手段119と、前記電磁ソレノイド116とによって構成してある。
【0120】
副変速検出スイッチ117は、副変速レバー111が高速位置Hに操作されたか否かを検出することによって走行用副変速装置110が高速側に変速されたか否かを検出し、この検出結果を制御手段119に出力する。上昇検出スイッチ118は、昇降レバー6bが上昇位置Uに操作されたか否かを検出することによって苗植付装置8が上昇されたか否かを検出し、この検出結果を制御手段119に出力する。副変速検出スイッチ117と上昇検出スイッチ118の両方又は一方が非検出状態になると、制御手段119は、両検出スイッチ117,118からの情報に基づいて車体が作業走行の状態にあると判断し、この場合には、電磁ソレノイド116を切り側に操作し、操作具89が入り位置ONに切り換え操作されることを可能にする。副変速検出スイッチ117と上昇検出スイッチ118の両方が検出状態になると、制御手段119は、両検出スイッチ117,118からの情報に基づいて車体が非作業走行の状態にあると判断し、この場合には、電磁ソレノイド116を入り側に操作し、この電磁ソレノイド116によって操作具89を入り位置ONから切り位置OFFに切り換え操作させるように構成してある。電磁ソレノド116は、操作具89に連結しておらず、操作具89を入り位置ONか切り位置OFFに切り換え操作しても、切り位置OFFから入り位置ONには切り換え操作しない。これにより、連係切換え機構115は、車体が作業走行と非作業走行のいずれの状態にあるかを検出し、車体が作業走行の状態から非作業走行の状態に切り換わると、この切り換わりに伴って操作具89を切り位置OFFに切り換え操作することによって操向用連係機構20を切り状態に自動的に切り換え操作する。
【0121】
つまり、非作業走行を行う際、走行用副変速装置110を高速側に変速し、かつ、苗植付装置8を上昇操作すると、連係切換え機構115のために操向用連係機構20が切り側に自動的に切り換わり、前輪1a,1bを前記設定操向角度以上に操向操作することがあっても後輪2a,2bが遊転状態に切り換わらないようにしながら車体の操向操作が行える。この後、作業を行うに際には、走行用副変速装置110を低速側に変速し、かつ、苗植付装置8を下降操作しても、操向用連係切換え機構20は入り側に自動的には切り換わらず、操作具89を入り位置ONに切り換え操作する人為操作によって操向用連係機構20が入り側に切り換わり、前輪1a,1bを設定操向角度以上に操向操作するに伴って旋回内側の後輪2a,2bが遊転状態に切り換わるようになる。
【0122】
前記連動融通を構成するに、ハンドル側連動杆の方に長孔を設け、この長孔に摺動自在に入り込む連結ピン部をピットマンアームの方に設けて実施してもよい。
【0123】
連係切り機構115を構成するに、走行用副変速装置110の変速状態と、苗植付装置8の昇降操作状態とを基に車体が非作業状態にあるか否かを判断するように構成する他、走行用副変速装置110の変速状態と、苗植付装置8に対する伝動を入り切りする作業クラッチの操作状態とを基に車体が非作業状態にあるか否かを判断するように構成して実施してもよい。
【0124】
稲苗以外を各種の苗を移植対象とする各種の移植機など、各種の水田作業車にも本発明は適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
施肥装置付き乗用型田植機の全体側面図
【図2】
操向用連係機構の平面図
【図3】
減速伝動機構の断面図
【図4】
後輪切換え装置の断面図
【図5】
後輪切換え装置の操作部の断面図
【図6】
揺動連動部材の配設部の平面図
【図7】
揺動連動部材の配設部の側面図
【図8】
連係切換え部の正面図
【図9】
連係切換え部の作動を示す側面図
【図10】
苗植付装置上昇制御のブロック図
【図11】
連係調節部の側面図
【図12】
別の実施形態を備えるハンドル側揺動リンクの平面図
【図13】
別の実施形態を備えるピットマンアームの平面図
【図14】
別の実施形態を備える後輪側揺動リンクの平面図
【図15】
連係切換え機構の側面図
【図16】
連係切り機構のブロック図
【符号の説明】
1a,1b 前輪
2a 左後輪
2b 右後輪
21a,21b 後輪側連動杆
22 ハンドル側連動杆
23 揺動リンク
26 回転支軸
27 連動用アーム
66a,66b 右及び左後輪切換え装置の操作部
70 ステアリングハンドル
72 ステアリング連動部材
80 ミッションケース
RK 後輪駆動ケース
CBL 左後輪切換え装置
CBR 右後輪切換え装置
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