JP2000322734A - 磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体の製造方法

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JP2000322734A
JP2000322734A JP11128231A JP12823199A JP2000322734A JP 2000322734 A JP2000322734 A JP 2000322734A JP 11128231 A JP11128231 A JP 11128231A JP 12823199 A JP12823199 A JP 12823199A JP 2000322734 A JP2000322734 A JP 2000322734A
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JP
Japan
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lubricant
magnetic recording
protective film
recording medium
contact angle
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JP11128231A
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English (en)
Inventor
Hideaki Matsuyama
秀昭 松山
Megumi Nishimura
恵 西村
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Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
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Publication date
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Publication of JP2000322734A publication Critical patent/JP2000322734A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】プラスチック基板を用いる磁気記録媒体であっ
て、磁気記録ヘッドに汚れを生ずることがなく経済性と
信頼性に優れる磁気記録媒体の製造方法を得る。 【解決手段】保護膜に水の接触角が55度以上の水素化ア
モルファスカーボン膜を用い、潤滑剤を塗布した後に熱
処理を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はハードディスク装
置を構成する磁気記録媒体において、 基板がプラスチッ
ク基板からなる磁気記録媒体の製造方法に関する。 特に
磁気記録ヘッドの汚れが発生しない磁気記録媒体の製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ハードディスク装置用の磁気記録媒体の
基板は、 記録密度の向上に伴って表面をポリツシュ処理
したアルミ基板やガラス基板が用いられてきた。 ところ
が様々の分野から、 記録密度向上の要求とは別に磁気記
録媒体の低価格化要求が高まってきた。 磁気記録媒体の
低価格化のためには基板をプラスチックで構成すること
が検討されている。
【0003】従来の媒体では、 保護膜としては炭素のみ
からなるアモルファス状カーボン(a-C)や水素を含む
水素化アモルファス・ カーボン(a‐C:H )がある。 また
窒素を添加した窒素添加アモルファス・ カーボン(a-C:
N)等が用いられている。 さらに、 潤滑性を向上させるた
めに潤滑剤が塗布され、 保護膜との結合を強固にするた
めに熱処理, バフ処置, 紫外線照射等の表面処理が行わ
れる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】基板に使われるプラス
チックにはポリカーボネイト, ポリオレフィン等が挙げ
られるが、 これらのプラスチックは一般に熱に弱く、 高
温での熱処理ができない。 プラスチック基板に適正な熱
処理温度を適用する必要がある。 潤滑剤塗布後の熱処理
において、 適正な熱処理温度はプラスチツクの荷重たわ
み温度以下である。 プラスチック基板を用いた磁気記録
媒体をハードディスク装置内で動作させるとき、 ヘッド
の表面に汚れが着くことがあり、 記録再生に影響がで
る。 このへッド汚れの原因の一つに、 潤滑剤の一部が分
解したり、 亜硫酸ガスなどと反応してヘッドに吸着する
と推測されている。 また潤滑剤の一部がヘッドに移着し
たのち、 分解や反応が起こる。 したがってヘツドの汚れ
は潤滑剤の保護膜への吸着率に依存し潤滑剤を保護膜に
強固に吸着させることが必要となる。
【0005】保護膜の表面は潤滑剤が吸着しやすいこと
が望まれる。 表面がもつ吸着特性は表面エネルギーに強
く依存すると考えられ、この測定手段として接触角測定
がある。 保護膜の表面の接触角は潤滑剤塗布後の熱処理
の温度とともに潤滑剤の保護膜に対する吸着特性を左右
する。
【0006】種々の実験の結果、プラスチック基板が必
要とする荷重たわみ温度以下の温度で熱処理したとき
に、潤滑剤の保護膜に対する吸着特性が良好になる熱処
理が可能となるためには、保護膜の接触角に臨界値が存
在し、保護膜の接触角がその条件を満足することが必要
であることがわかった。
【0007】この発明は上述の点に鑑みてなされその目
的は、保護膜の接触角につきその臨界値を明らかにする
ことにより、プラスチック基板を用いる磁気記録媒体で
あって、磁気記録ヘッドに汚れを生ずることがなく経済
性と信頼性に優れる磁気記録媒体の製造方法を提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の目的はこの発明に
よればプラスチック基板に下地層,磁性層,保護層およ
び潤滑層を積層した磁気記録媒体の製造方法において、
保護膜に水の接触角が55度以上の水素化アモルファスカ
ーボン膜を用い、潤滑剤を塗布した後に熱処理を行うこ
とにより達成される。
【0009】上述の発明において、水素化アモルファス
カーボン膜は、水素ガスを添加したArガス中でカーボン
のスパッタリングにより成膜すること、または熱処理は
75ないし100 ℃の温度範囲で行うことが有効である。
【0010】保護膜に水の接触角が55度以上の水素化ア
モルファスカーボン膜を用いると、プラスチック基板が
必要とする荷重たわみ温度以下の温度で潤滑剤塗布後の
熱処理を行ったときに、潤滑剤の保護膜に対する吸着特
性が良好になり磁気記録ヘッドの汚れがなくなる。
【0011】Arガス中の水素ガス濃度を変化させてスパ
ッタ法で水素化アモルファスカーボン膜を成膜すると、
水の水素化アモルファスカーボンに対する接触角が水素
ガス濃度に応じて変わる。
【0012】75ないし100 ℃の温度範囲で熱処理を行う
と、プラスチック基板に荷重たわみを与えることなく、
潤滑剤の保護膜に対する吸着特性を良好にし磁気記録ヘ
ッドの潤滑剤による汚れをなくす。
【0013】
【発明の実施の形態】保護膜には水の接触角が55度以上
の水素化アモルファスカーボン膜が用いられる。水の接
触角が55度以上の水素化アモルファスカーボン膜は例え
ば水素ガスを添加したArガス中でのグラファイトターゲ
ットのスパッタリングにより作製される。潤滑剤の保護
膜に対する吸着特性を高めるために75ないし100 ℃の温
度範囲で熱処理がなされる。
【0014】
【実施例】実施例1 プラスティック基板としては2.5 インチ径のポリカーボ
ネートを用いた。 その上にスパツタ法で、2Onm 厚さのCr
層,20nm 厚さのCo-Cr-Ta-Pt 磁性層,10nm 厚さの水素化
アモルファスカーボンa-C:H 膜を形成した。 保護膜形成
の際にArガス中に添加する水素ガス量を変え、4種類の試
料を作製した。 また潤滑剤として水酸基を末端にもつパ
ーフロロポリエーテル系の潤滑剤を約1nm 塗布し、100℃
の温度で1 時間の熱処理を行った。
【0015】潤滑剤の塗布前に、 純水に対する接触角を
測定した。熱処理後、 潤滑剤の吸着率を測定した。 吸着
率は潤滑剤塗布後の試料と非吸着性の潤滑剤を溶剤で除
去したあとの試料につきフーリエ変換赤外分光法FTIRを
用いてCF基の吸収量の比を算出して求めた。またハード
ディスク装置内で走行試験をおこない、 へッドを取り出
し、 光学顕微鏡で表面を観察した。 結巣を次表に示す。
【0016】
【表1】 保護膜表面の接触角が50度のときは磁気記録ヘッドの汚
れの発生は殆どなく、接触角が55度以上では磁気記録ヘ
ッドの汚れの発生がなかった。 実施例2 水素ガス濃度を15% にして実施例1と同様な手法で保護
膜を作製した。潤滑剤として水酸基を末端にもつパーフ
ロロポリエーテル系の潤滑剤を約1nm 塗布し、各種の温
度で熱処理した。プラスチック基板の荷重たわみ温度は
一般に120 ないし130 ℃であるので、50,75,100,125 ℃
の温度で1 時間の熱処理を行った。
【0017】潤滑剤の塗布前に、 純水に対する接触角を
測定した(この場合には55度になる) 。 熱処理後に基板
のたわみ量を測定するとともに潤滑剤の吸着率を測定し
た。またハードディスク装置内で走行試験をおこない、
ヘツドを取り出し、 光学顕微鏡で表面を観察した。 結巣
を次表に示す。 125 ℃の熱処理では基板の変形が大きく
走行試験は行わなかった。
【0018】
【表2】 熱処理温度を75ないし100 ℃とすると、基板の変形がな
く、磁気記録ヘッドの汚れも殆ど発生しないか全く発生
しないことがわかる。また前表の結果も含め潤滑剤の吸
着率が50% 以上で磁気記録ヘッドの汚れが発生しない。
【0019】上述した二つの表から接触角が45度のとき
はプラスチック基板に荷重たわみを発生させない熱処理
温度では磁気記録ヘッドの汚れが発生すること、接触角
が55度以上のときには熱処理温度75ないし100 ℃でプラ
スチック基板に荷重たわみを発生させることなく磁気記
録ヘッドに汚れを生じさせない熱処理が可能であること
がわかる。
【0020】
【発明の効果】この本発明によれば、 プラスチック基板
に下地層,磁性層,保護層および潤滑層を積層した磁気
記録媒体の製造方法において、 保護膜に水の接触角が55
度以上の水素化アモルファスカーボン膜を用い、潤滑剤
を塗布した後に熱処理を行うので、プラスチック基板に
荷重たわみを発生させることなく且つ磁気記録ヘッドに
汚れを生じさせない熱処理がなされ、経済性と信頼性の
良好な磁気記録媒体が得られる。
【0021】水の接触角が55度以上の水素化アモルファ
スカーボン膜は、水素ガスを添加したArガス中でのカー
ボンのスパッタリングにより成膜される。保護膜に潤滑
剤を塗布した後に75ないし100 ℃の温度範囲で熱処理を
行うと潤滑剤の保護膜に対する吸着率が高まり、磁気記
録ヘッドの汚れの発生が防止される。
フロントページの続き Fターム(参考) 4K029 AA11 AA24 BA34 BB02 BB10 BC00 BC06 BD11 CA05 GA01 5D112 AA02 AA07 AA11 AA24 BA01 BC05 FA04 FB08 FB20 GB03

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラスチック基板に下地層,磁性層,保護
    層および潤滑層を積層した磁気記録媒体の製造方法にお
    いて、 保護膜に水の接触角が55度以上の水素化アモルフ
    ァスカーボン膜を用い、潤滑剤を塗布した後に熱処理を
    行うことを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  2. 【請求項2】水素化アモルファスカーボン膜は、水素ガ
    スを添加したArガス中でカーボンのスパッタリングによ
    り成膜する請求項1に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  3. 【請求項3】熱処理は75ないし100 ℃の温度範囲で行う
    請求項1に記載の磁気記録媒体の製造方法。
JP11128231A 1999-05-10 1999-05-10 磁気記録媒体の製造方法 Pending JP2000322734A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010282705A (ja) * 2009-06-08 2010-12-16 Fuji Electric Device Technology Co Ltd 磁気記録媒体の表面エネルギーの極性成分を解析する方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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