JP2000322712A - 薄膜磁気ヘッド、及び前記薄膜磁気ヘッドを形成する基板 - Google Patents

薄膜磁気ヘッド、及び前記薄膜磁気ヘッドを形成する基板

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JP2000322712A
JP2000322712A JP11128544A JP12854499A JP2000322712A JP 2000322712 A JP2000322712 A JP 2000322712A JP 11128544 A JP11128544 A JP 11128544A JP 12854499 A JP12854499 A JP 12854499A JP 2000322712 A JP2000322712 A JP 2000322712A
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thin
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film magnetic
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Katsuya Sugai
勝弥 菅井
Kiyoshi Sato
清 佐藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 モニター素子の直流抵抗を測定しながら、ハ
イト出し加工を施すと、モニター素子の上下のシールド
層及び前記モニター素子の電極層にスメアリング(だ
れ)が生じ、このスメアリングによって、モニター素子
の電極層とシールド層とがショートし、適性に直流抵抗
を測定できないといった問題があった。 【解決手段】 モニター素子22の電極層28を、先端
領域Aとこの先端領域Aからトラック幅方向に広がりな
がら延びる後端領域Bとで構成する。これにより前記先
端領域AのABS面での幅寸法を、従来に比べ小さくす
ることができ、適切にモニター素子22の直流抵抗値を
測定しながら、ハイト出し加工を行うことができる。ま
た、磁気抵抗効果素子21の電極層26も同じ様に形成
することで、薄膜磁気ヘッドにスメアリングが発生する
のを抑制でき、歩留まり良く製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気抵抗効果を発
揮する磁気抵抗効果素子を有する薄膜磁気ヘッド、及び
前記薄膜磁気ヘッドが製造される前の段階でのモニター
素子を備えた基板に係り、特に今後の高記録密度化に伴
う狭ギャップ化に対応するために、スメアリングの発生
を低減することが可能な薄膜磁気ヘッド、及び前記薄膜
磁気ヘッドを形成する基板に関する。
【0002】
【従来の技術】図5は、従来の薄膜磁気ヘッドを形成す
る基板の部分平面図、図6は図5に示す6−6線の断面
図である。なお図5では、図6に示す上部ギャップ層1
1及び上部シールド層12が図面上省略されている。
【0003】図6に示すように、例えばAl23−Ti
C(アルミナ−チタンカーバイト)で形成された基板1
の上には、NiFe合金などの磁性材料で形成された下
部シールド層3が形成され、さらに前記下部シールド層
3の上には、Al23などの絶縁材料から成る下部ギャ
ップ層4が形成されている。
【0004】そして図6に示すように、複数の磁気抵抗
効果素子13と、1つのモニター素子5とが、下部ギャ
ップ層4上であって、ABS面方向(図示X方向)に一
列に並んで形成されている。
【0005】図6に示すように磁気抵抗効果素子13の
中央部には、例えば反強磁性層、固定磁性層、非磁性導
電層、及びフリー磁性層で構成されたスピンバルブ膜
(GMR素子の1種)から成る多層膜7が形成されてい
る。前記スピンバルブ膜は巨大磁気抵抗効果を利用した
素子であり、記録媒体からの洩れ磁界の変化に応じて電
気抵抗が変わり、これにより記録信号が検出されるよう
になっている。また図に示すように前記多層膜7の両側
には、Cr(クロム)などの非磁性金属材料で形成され
た電極層8が形成されている。
【0006】また前記モニター素子5も、前記磁気抵抗
効果素子13と全く同じ構造で形成されている。すなわ
ち、前記モニター素子5の中央部には磁気抵抗効果を発
揮する多層膜9が形成され、前記多層膜9の両側には、
Cr(クロム)などの電極層10が形成されている。磁
気抵抗効果素子13とモニター素子5は、下部ギャップ
層4上に同時にパターン形成される。
【0007】図5に示すように、磁気抵抗効果素子13
を構成する一対の電極層8及びモニター素子5を構成す
る一対の電極層10は、共に多層膜7,9を挟んで、そ
の両側に左右対称に形成されている。前記電極層8,1
0は、ABS面にて露出して形成されている。
【0008】図5に示すように、ABS面にて露出する
多層膜7,9の両側に形成された一方の電極層8,10
から他方の電極層8,10までの幅寸法は、T1で形成
され、従来では前記幅寸法T1は、例えば80μm以上
で形成されていた。
【0009】図6に示すように前記磁気抵抗効果素子1
3及びモニター素子5の上には、Al23などの絶縁材
料で形成された上部ギャップ層11が形成され、さらに
前記上部ギャップ層11の上にはNiFe合金(パーマ
ロイ)などで形成された上部シールド層12が形成され
ている。そして、図6に示すように、下部ギャップ層4
から上部ギャップ層11までの長さ寸法は、磁気ギャッ
プGlとして規定されている。
【0010】ところで、モニター素子5は、前記モニタ
ー素子5と同列に形成された複数の磁気抵抗効果素子1
3の直流抵抗(DCR)をある所定値に定めるために設
けられた、いわゆる加工用モニターであり、加工用モニ
ターとしての役割を果たした後、前記モニター素子は除
去される。
【0011】磁気抵抗効果素子13の直流抵抗(DC
R)をある所定値に定めるためには、前記モニター素子
5を構成する電極層10間の直流抵抗を測定しながら、
磁気抵抗効果素子及びモニター素子5のABS面(図5
参照)を研削加工する(ハイト出し)。そして、所定の
直流抵抗値となったら、前記ABS面の研削加工を終了
する。
【0012】前述したように、複数の磁気抵抗効果素子
13は全て同じ構造で、しかもABS面と平行に一列上
に形成されているので、研削加工を施してモニター素子
5の直流抵抗値がある一定の直流抵抗値に達すると、各
磁気抵抗効果素子13の直流抵抗値も所定の直流抵抗値
に達していることになる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら高記録密
度化に伴い、狭ギャップ化が進むと、前記モニター素子
5を構成する電極層10間の直流抵抗を測定しながら、
磁気抵抗効果素子13及びモニター素子5のABS面を
研削加工している際に、前記ABS面に露出しているシ
ールド層3,12と、モニター素子5の電極層10との
間で、スメアリング(だれ)が発生し、前記電極層10
と前記シールド層3,12とが電気的に接触するといっ
た問題が発生していた。このため、モニター素子5の電
極層10間での直流抵抗(DCR)を正確に測定でき
ず、磁気抵抗効果素子13のハイト方向(図示Y方向)
への長さ寸法を所定の直流抵抗を示す寸法値で形成する
ことができなかった。
【0014】ところで前記スメアリングは、磁気抵抗効
果素子13の電極層8とシールド層3,12との間にも
発生する。磁気抵抗効果素子13が形成されている基板
の部分は、前記磁気抵抗効果素子13の直流抵抗値を所
定値に設定した後、薄膜磁気ヘッドとして製品化される
部分であるから、従来では、前記磁気抵抗効果素子13
の電極層8とシールド層3,12に発生していたスメア
リングを、取り除く作業を薄膜磁気ヘッドの製品化の前
に行う必要性があった。
【0015】しかしながら狭ギャップ化が進むと、非常
に狭い磁気ギャップGl間に発生したスメアリングを適
切に取り除くのは困難であり、従って薄膜磁気ヘッドの
歩留まりの低下が問題となっていた。
【0016】特に従来では、図5、6に示すように、A
BS面にて露出する電極層8、10の幅寸法T1が大き
かったため、狭ギャップ化が進むほど、ハイト出し加工
の際に、前記電極層8、10にスメアリングが起こりや
すい構造となっていた。
【0017】本発明は上記問題点を解決するためのもの
であり、特に、電極層の形状を改良することで、ハイト
出し加工の際に、電極層とシールド層との間で生じるス
メアリングを低減でき、狭ギャップ化に対応可能な薄膜
磁気ヘッド、及び前記磁気磁気ヘッドを形成する基板を
提供することを目的としている。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、下部シールド
層と、前記下部シールド層の上に下部ギャップ層を介し
て形成された、磁気抵抗効果を発揮する多層膜と、前記
多層膜の両側に形成されて前記多層膜にバイアス磁界を
与える一対のバイアス層と、前記バイアス層上に形成さ
れて前記多層膜に導通する一対の電極層とから成る磁気
抵抗効果素子と、前記磁気抵抗効果素子の上に、上部ギ
ャップ層を介して形成された上部シールド層とを有する
薄膜磁気ヘッドにおいて、前記電極層及びバイアス層
は、ABS面からハイト方向へ一定の長さ寸法で形成さ
れる先端領域と、この先端領域との境界からトラック幅
方向に広がりを持って且つハイト方向へ向けて形成され
る後端領域とを有して構成されていることを特徴とする
ものである。
【0019】本発明では上記の構成により、磁気抵抗効
果を発揮する多層膜の両側に形成されるバイアス層及び
電極層のABS面に露出する幅寸法を、従来に比べて小
さくすることができ、前記バイアス層及び電極層と、シ
ールド層間に、スメアリング(だれ)が発生しない薄膜
磁気ヘッドを製造することが可能である。
【0020】本発明では、一対の電極層及び一対のバイ
アス層の先端領域のABS面に露出する部分の幅寸法
は、下部シールド層及び/又は上部シールド層の幅寸法
のほぼ2/3以下であることが好ましい。
【0021】また本発明では、各電極層及び各バイアス
層の先端領域のABS面に露出する部分の幅寸法は、後
端領域の最も幅寸法の大きい部分のほぼ9/10以下で
あることが好ましい。
【0022】さらに本発明では、一対の電極層及び一対
のバイアス層の先端領域のABS面に露出する部分の幅
寸法は、ほぼ80μm以下で形成されることが好まし
い。
【0023】このように本発明では、ABS面に露出す
る電極層及びバイアス層の幅寸法を、シールド層の幅寸
法との関係等において適性化することで、スメアリング
の発生を適性に防止することができ、特に上記の数値限
定により、電極層とシールド層間で起こるショート率を
10%以下に抑えることができることが後述する実験に
よって確認されている。
【0024】また本発明では、一対の電極層及び一対の
バイアス層の先端領域のABS面に露出する部分の幅寸
法は、下部シールド層及び/又は上部シールド層の幅寸
法のほぼ1/4以下であることが好ましい。また本発明
では、各電極層及び各バイアス層の先端領域のABS面
に露出する部分の幅寸法は、後端領域の最も幅寸法の大
きい部分のほぼ1/3以下であることが好ましい。さら
に本発明では、一対の電極層及び一対のバイアス層の先
端領域のABS面に露出する部分の幅寸法は、ほぼ30
μm以下で形成されることが好ましい。
【0025】上記のように数値限定することにより、電
極層とシールド層との間で起こるショート率を5%以下
に抑えることができることが、後述する実験によって確
認されている。
【0026】また本発明では、前記先端領域のハイト方
向への長さ寸法が、0.5μm以上で2.0μm以下の
範囲内で形成されることが好ましい。
【0027】さらに本発明では、前記先端領域の外側縁
部からの延長線、又は前記先端領域の外側縁部が湾曲線
である場合の前記湾曲線の長さ中心での接線を第1の仮
想線とし、前記後端領域の外側縁部からの延長線、又は
前記後端領域の外側縁部が湾曲線である場合の前記湾曲
線の長さ中心での接線を第2の仮想線としたときに、ハ
イト方向に対する第1の仮想線の傾斜角αが、第2の仮
想線の傾斜角βよりも小さいことが好ましい。
【0028】本発明では、前記第1の仮想線が、ハイト
方向と平行に延びていてもよいし、あるいは、前記先端
領域の外側縁部は、トラック幅方向へ広がりながらハイ
ト方向へ直線状に延びていてもよい。
【0029】また本発明は、磁気抵抗効果を発揮する多
層膜と、前記多層膜の両側に形成されて前記多層膜にバ
イアス磁界を与える一対のバイアス層と、前記バイアス
層上に形成されて前記多層膜に導通する一対の電極層と
から成る薄膜磁気ヘッド用の磁気抵抗効果素子及び、ハ
イト出し加工の際に使用される前記磁気抵抗効果素子と
同じ構造のモニター用の磁気抵抗効果素子が、下部シー
ルド層の上に下部ギャップ層を介して形成され、さらに
前記磁気抵抗効果素子の上に、上部ギャップ層を介して
上部シールド層が形成されている基板において、前記薄
膜磁気ヘッド用の磁気抵抗効果素子およびモニター用の
磁気抵抗効果素子の少なくとも一方が、前記記載の構造
であることを特徴とするものである。
【0030】スピンバルブ膜(GMR素子の1種)など
で構成された磁気抵抗効果素子を有する薄膜磁気ヘッド
は、まず、複数の磁気抵抗効果素子が形成されたウエハ
ー状の形体から、様々な加工が施されることにより形成
される。
【0031】ところで、前記薄膜磁気ヘッドに形成され
た磁気抵抗効果素子の露出面をABS面と称し、記録媒
体信号の再生時において、この露出するABS面が記録
媒体と対向する。また、ABS面に垂直方向であって、
前記ABS面が記録媒体と対向する際における前記記録
媒体から離れる方向をハイト方向と称しているが、この
ハイト方向における磁気抵抗効果素子の長さ寸法は、前
記磁気抵抗効果素子の直流抵抗を決定する上で非常に重
要な寸法である。
【0032】磁気抵抗効果素子のハイト方向への長さ
を、前記直流抵抗との関係から所定寸法に研削加工(ハ
イト出し加工)するために、前記磁気抵抗効果素子と全
く同じ構成を有するモニター素子を、基板上に形成され
た磁気抵抗効果素子の形成位置と同列上に形成し、この
モニター素子の直流抵抗を測定しながら、磁気抵抗効果
素子及びモニター素子のABS面に対してハイト出し加
工を施している。そして、所定の直流抵抗値となった時
点でハイト出し加工を終了すると、磁気抵抗効果素子
は、所定の直流抵抗を有するハイト方向の長さ寸法によ
って形成された状態となっている。
【0033】本発明では、今後の高記録密度化に伴う狭
ギャップ化に対応するために、モニター素子及び/また
は磁気抵抗効果素子を構成するバイアス層及び電極層
を、先端領域と、この先端領域との境界からハイト方向
へトラック幅方向に広がりを持って形成される後端領域
とで構成することにより、ABS面にて露出する先端領
域の幅寸法を、従来に比べて小さく形成でき、さらに後
端側でのバイアス層及び電極層の形成領域を従来と同程
度に保つことが可能である。
【0034】このように本発明では、バイアス層及び電
極層の先端領域の幅寸法を小さく形成することができる
ので、ハイト出し加工によっても、スメアリングが発生
しにくく、より適切にモニター素子の直流抵抗値を測定
しながらハイト出し加工を施すことが可能である。
【0035】上述した薄膜磁気ヘッドを形成する基板
は、最終的に磁気抵抗効果素子毎に切断され、いわゆる
薄膜磁気ヘッドが完成する。前記磁気抵抗効果素子のバ
イアス層及び電極層が、上記した形状で形成されている
と、完成品としての薄膜磁気ヘッドにスメアリングの発
生がなく、薄膜磁気ヘッドを歩留まり良く製造すること
ができる。
【0036】
【発明の実施の形態】図1は、本発明における薄膜磁気
ヘッドを形成する基板の形状を示す部分平面図、図2
は、図1に示す基板の2−2線の部分断面図である。な
お図1に示す平面図には、図2に示す上部ギャップ層及
び上部シールド層は図面上省略されている。なお図1及
び図2に示す基板は、ハイト出し加工が既に行われた後
の状態で示されている。
【0037】図2に示す符号20は基板であり、例えば
Al23−TiC(アルミナ−チタンカーバイト)で形
成されている。また前記基板20は、例えば4角形のブ
ロック状に加工されたものである。
【0038】図1に示すように、基板20の正面は、A
BS面と呼ばれており、このABS面に、複数の磁気抵
抗効果素子21と1つのモニター素子22の正面構造が
露出した状態となっている。
【0039】前記基板20のABS面に、レール部(図
示しない)の形成、クラウン形成等の所定の加工が施さ
れた後、基板20が切断されて、1つの磁気抵抗効果素
子21を有する薄膜磁気ヘッドが完成する。
【0040】図2に示すように、基板20の上には、例
えばNiFe合金(パーマロイ)で形成された下部シー
ルド層23が形成されている。前記下部シールド層23
の幅寸法はT6で形成されている。また前記下部シール
ド層23の上には、SiO2、Al23(アルミナ)、
Ti23、TiO、WO3、AlN、AlSiNなどの
絶縁材料で形成され、ギャップ長G1を有する下部ギャ
ップ層24が形成されている。そして前記下部ギャップ
層24の上に、複数の磁気抵抗効果素子21と、1つの
モニター素子22とがX方向(ABS面方向)に一列に
並んで形成されている。
【0041】図2に示すように磁気抵抗効果素子21
は、例えばスピンバルブ膜に代表される巨大磁気抵抗効
果を利用したGMR素子や、異方性磁気抵抗効果を利用
したAMR素子で構成された多層膜25と、前記多層膜
25の両側に形成された一対のハードバイアス層(図示
しない)とCr(クロム)などで形成された、前記多層
膜25に導通する一対の電極層26とで構成されてい
る。なお前記多層膜25の幅寸法はトラック幅Twとし
て定義される。
【0042】また前記モニター素子22は、磁気抵抗効
果素子21と全く同じ構成で形成されている。すなわ
ち、前記モニター素子22は、磁気抵抗効果を発揮する
多層膜27とその両側に一対のハードバイアス層と電極
層28とで構成されている。
【0043】図2に示すように、磁気抵抗効果素子21
及びモニター素子22の上には、SiO2、Al2
3(アルミナ)、Ti23、TiO、WO3、AlN、A
lSiNなどの絶縁材料で形成され、ギャップ長G2を
有する上部ギャップ層29が形成されている。そして前
記上部ギャップ層29の上には、NiFe合金などで形
成された上部シールド層30が形成されている。前記上
部シールド層30の幅寸法はT5で形成されている。
【0044】上述した下部シールド層23から上部シー
ルド層30までの多層構造体は、製品化された薄膜磁気
ヘッドの再生ヘッド部に相当する部分である。例えば磁
気抵抗効果素子21の多層膜25がスピンバルブ膜で構
成されている場合、記録媒体からの磁界が図2の紙面垂
直方向に侵入してくると、前記スピンバルブ膜を構成す
るフリー磁性層の磁化が変動し、スピンバルブ膜を構成
する固定磁性層の固定磁化と前記フリー磁性層の変動磁
化との関係により直流抵抗が変化し、記録磁界が再生さ
れる。
【0045】また、製品化された薄膜磁気ヘッドが、再
生ヘッドのみで構成されているのではなく、書き込み用
のインダクティブヘッドをも有する、いわゆる複合型薄
膜磁気ヘッドであってもよい。この場合、図2に示す上
部シールド層30の上に、コイルとコアとで構成される
書き込み用のインダクティブヘッドが形成される。
【0046】本発明では、図1に示すように、モニター
素子22の多層膜27の両側に形成された電極層28及
び磁気抵抗効果素子21の多層膜25の両側に形成され
た電極層26は、ABS面から一定の長さL1で形成さ
れた先端領域Aと、この先端領域Aからハイト方向(図
示Y方向)にトラック幅方向(図示X方向)に広がりを
持って形成される後端領域Bとで構成されている。
【0047】図1では、多層膜25,27の両側に形成
される各電極層26,28の先端領域Aが一定の幅寸法
T2で形成され、前記先端領域Aとの境界から後端領域
Bの幅寸法が、ハイト方向に向けて漸次的に広がった形
状となっている。なお前記電極層26,28の下側に形
成されているハードバイアス層も、前記電極層26,2
8とほぼ同じ形状で形成されている。
【0048】従来の電極層8,10(図5参照)では、
本発明のように先端領域Aと後端領域Bとの区別がな
く、ABS面に露出する一対の電極層8,10の幅寸法
T1が非常に大きくなっていたが、本発明では、ABS
面に露出する各電極層26,28の先端領域Aの幅寸法
T2を、少なくとも従来のABS面に露出する電極層
8,10の幅寸法よりも小さく形成し、前記先端領域A
の境界から幅寸法が大きくなる後端領域Bを設けること
で、ABS面に露出する一対のハードバイアス層及び電
極層26,28の幅寸法T4を従来よりも小さくできる
と同時に、後端領域Bの形成領域を従来と同程度に保つ
ことが可能である。
【0049】ABS面に露出する一対の電極層26,2
8及び一対のハードバイアス層の幅寸法T4を小さく形
成することで、特に前記電極層26,28とシールド層
23,30との間でのスメアリング(だれ)の発生を適
切に防止することが可能であり、また後端領域Bの形成
領域を従来と同程度に保つことで、磁気的及び電気的な
特性を従来と同程度に保つことが可能である。
【0050】本発明では、一対の電極層26,28及び
一対のハードバイアス層のABS面に露出する幅寸法T
4が、下部シールド層23の幅寸法T6及び/又は上部
シールド層30の幅寸法T5のほぼ2/3以下で形成さ
れていることが好ましい。
【0051】また本発明では、各電極層26,28及び
各ハードバイアス層のABS面に露出する幅寸法T2
が、後端領域Bの最も幅寸法が大きくなる部分の幅寸法
T3のほぼ9/10以下で形成されていることが好まし
い。
【0052】さらに本発明では、一対の電極層26,2
8及び一対のハードバイアス層のABS面にて露出する
幅寸法T4は、ほぼ80μm以下であることが好まし
い。なおこの場合、多層膜25,27の幅寸法(すなわ
ちトラック幅Tw)はほぼ1μmであるから、各ハード
バイアス層及び各電極層26,28のABS面にて露出
する幅寸法T2は、ほぼ39.5μm以下である。
【0053】上記のように数値限定することで、本発明
では、前記電極層26,28とシールド層23,30間
で起こるショート率を10%以下に抑えることができる
ことが、後述する実験によって確認されている。なおシ
ョート率は、基準の抵抗値に対し、1Ω以上の値のぶれ
を生じた場合を、ショートが生じていると認識し、10
0個の磁気抵抗効果素子のサンプルに対し、何個の磁気
抵抗効果素子にショートが起きているかで求めている。
【0054】さらに本発明では、一対の電極層26,2
8及び一対のハードバイアス層のABS面に露出する幅
寸法T4が、下部シールド層23の幅寸法T6及び/又
は上部シールド層30の幅寸法T5のほぼ1/4以下で
形成されていることがより好ましい。
【0055】また本発明では、各電極層26,28及び
各ハードバイアス層のABS面に露出する幅寸法T2
が、後端領域Bの最も幅寸法が大きくなる部分の幅寸法
T3のほぼ1/3以下で形成されていることがより好ま
しい。
【0056】さらに本発明では、一対の電極層26,2
8及び一対のハードバイアス層のABS面にて露出する
幅寸法T4は、ほぼ30μm以下であることが好まし
い。なおこの場合、多層膜25,26の幅寸法(すなわ
ちトラック幅Tw)はほぼ1μmであるから、各ハード
バイアス層及び各電極層26,28のABS面にて露出
する幅寸法T2は、ほぼ14.5μm以下である。
【0057】上記のように数値限定することで、本発明
では、前記電極層26,28とシールド層23,30間
で起こるショート率を5%以下に抑えることができるこ
とが、後述する実験によって確認されている。さらに上
記のように数値限定する際には、上部シールド層30
と、電極層26,28の後端領域Bの幅寸法T3との関
係をも考慮する必要がある。
【0058】前記上部シールド層30は、その下側に形
成される電極層26,28及びこの電極層26,28と
導通接続し、さらにハイト方向に延びて形成される主電
極層を、前記上部シールド層30よりも上層の形成時に
おけるスパッタ等から有効に保護するカバーリング層と
しての役目を担っており、従って前記上部シールド層3
0は、電極層30及び主電極層よりも大きい形状で形成
されなければならない。
【0059】このように本発明では、ABS面に露出す
る一対の電極層26,28及び一対のハードバイアス層
の幅寸法T4を小さくすることが可能であり、小さくす
ればするほど、ハイト出し加工時に前記電極層26,2
8とシールド層23,30間でショートが起きる確率を
低減させることができる。しかしながら、あまり前記電
極層26,28のABS面における幅寸法T4が小さく
なりすぎると、ハイト出し加工時における電極層26,
28の直流抵抗値も無視できないほど大きくなるため、
直流抵抗値の変化量は小さくなり、モニター素子22に
おける測定感度を悪化させる原因になる。このため本発
明では、ABS面に露出する一対の電極層26,28の
幅寸法T4を、具体的には10μm以上に設定すること
が好ましいとしている。
【0060】次に本発明では、前記先端領域Aのハイト
方向(図示Y方向)への長さ寸法L1は、0.5μmか
ら2.0μmの範囲内で形成されることが好ましい。
【0061】前記長さ寸法L1が、あまり長くなりすぎ
ると、幅寸法の小さい先端領域Aがハイト方向へ長く形
成され、形成領域の大きな後端領域Bが、多層膜25,
27から離れて形成されるので、電気的及び磁気的な特
性が、従来に比べ低減する虞があるからである。
【0062】またスメアリングの問題は、ABS面に露
出するバイアス層及び電極層26,28の幅寸法のみが
関与しており、ABS面からハイト側内部に形成される
ハードバイアス層及び電極層26,28は、何ら影響を
与えるものではないので、ハイト側内部に形成されるハ
ードバイアス層及び電極層26,28は従来と同様に、
形成領域を大きくして形成することが好ましく、従って
前記先端領域Aのハイト方向への長さ寸法L1は、あま
り長くならない方がより好ましい。
【0063】なお図1及び図2に示す基板20は、前述
したように、ハイト出し加工が施された後の状態で示さ
れているので、ハイト出し加工の施される前にあって
は、前記先端領域A及び多層膜25,27は、図1より
もABS面方向(図示Y2方向)に延ばされて形成され
た状態となっている。
【0064】次に本発明では図1に示すように、前記先
端領域Aの外側縁部A1からの延長線を第1の仮想線C
とし、さらに後端領域Bの外側縁部B1が湾曲面で形成
されている場合、前記湾曲面に沿う長さの中心からの接
線を第2の仮想線Dとするとき、ハイト方向の法線Eに
対する第1の仮想線Cの傾斜角αは、第2の仮想線Dの
傾斜角βに比べて小さいことが好ましい。
【0065】図1に示すように、前記先端領域Aの外側
縁部A1は、ハイト方向の法線Eと同一方向に延びて形
成されているので、前記法線Eに対する前記外側縁部A
1からの第1の仮想線(延長線)Cの傾斜角α(図示せ
ず)は0度である。
【0066】一方、後端領域Bの外側縁部B1は、湾曲
状に形成されており、この湾曲面に沿う長さの中点から
の接線(第2の仮想線D)は、ハイト方向の法線Eに対
してβだけ傾斜し、この傾斜角βは、傾斜角α(=0
度)よりも大きくなっている。
【0067】このようにハイト方向に対する先端領域A
の外側縁部A1の傾斜角αを、後端領域Bの外側縁部B
1の傾斜角βに比べて小さく形成することにより、先端
領域Aの幅寸法を小さく形成でき、ハイト出し加工の際
にABS面が削られることにより、前記ABS面に露出
する先端領域Aの幅寸法が急激に大きくなるようなこと
がなく、より適切にスメアリングの発生を低減すること
ができる。
【0068】本発明では前記傾斜角αが傾斜角βよりも
小さくなれば、先端領域Aの外側縁部A1及び後端領域
Bの外側縁部B1の形状はどのようなものであってもよ
く、例えば図3に示すように、先端領域Aの外側縁部A
1が、ハイト方向(図示Y1方向)に対し、トラック幅
方向(図示X方向)へ広がる傾斜面で形成されていても
よい。
【0069】また図3に示すように、後端領域Bの外側
縁部B1も、ハイト方向に対し、トラック幅方向へ広が
る傾斜面で形成されていてもよい。
【0070】そして図3に示すように、先端領域Aの外
側縁部A1からの延長線を第1の仮想線Cとし、後端領
域Bの外側縁部B1からの延長線を第2の仮想線Dとし
たとき、ハイト方向の法線Eに対する前記第1の仮想線
Cの傾斜角αは、第2の仮想線Dの傾斜角βに対し小さ
くなっていることがわかる。
【0071】また本発明では、前記先端領域Aの外側縁
部A1が、湾曲状に形成されていてもよい。この場合前
記湾曲面の長さに沿う中心からの接線を第1の仮想線C
としたとき、前記第1の仮想線Cのハイト方向の法線E
に対する傾斜角αが、後端領域Bの外側縁部B1から引
かれた第2の仮想線Dのハイト方向の法線Eに対する傾
斜角βよりも小さく形成されるようにする。
【0072】以上詳述した図1ないし図3に示す薄膜磁
気ヘッドを形成する基板は、磁気抵抗効果素子21の直
流抵抗値をある所定値に設定するためのハイト出し加工
が施されたものである。前記ハイト出し加工は、モニタ
ー素子22の電極層28,28間の直流抵抗値を測定し
ながら、ABS面に対して研削加工(ハイト出し加工)
を施しながら行われる。
【0073】この研削加工により、磁気抵抗効果素子2
1及びモニター素子22のハイト方向の長さ寸法は短く
なっていき、モニター素子22の電極層28間の直流抵
抗値は徐々に大きくなっていく。
【0074】ABS面から、ある一定寸法値まで研削加
工したときに、モニター素子22の直流抵抗値が所定値
に達したら、そこで研削加工を終了すると、磁気抵抗効
果素子21は、所定の直流抵抗を有するハイト方向の長
さ寸法によって形成された状態となっている。
【0075】ハイト出し加工を施した後、図1に示すよ
うに、薄膜磁気ヘッドを形成する基板を、各磁気抵抗効
果素子21間から切断線Fに沿って切断する。モニター
素子22の部分は、切断後、製品化されることなく除去
されてもよいが、製品化されてもかまわない。また切断
された個々の磁気抵抗効果素子21を有する基板は、薄
膜磁気ヘッドとして製品化される部分である。
【0076】前述したように本発明によれば、モニター
素子22を構成するハードバイアス層及び電極層28
を、先端領域Aと、この先端領域Aからトラック幅方向
に広がる後端領域Bとで構成し、ABS面に露出する前
記先端領域Aの幅寸法を、従来に比べて小さく形成する
ことで、前記モニター素子22の直流抵抗値を測定しな
がらハイト出し加工を施している際に、前記モニター素
子22の電極層28とシールド層23,30との間で生
じるスメアリング(だれ)の発生を低減でき、よって、
モニター素子22の直流抵抗値を適切に測定しながらハ
イト出し加工を施すことが可能である。
【0077】また磁気抵抗効果素子21を構成するハー
ドバイアス層及び電極層26を、先端領域Aと、この先
端領域Aからトラック幅方向に広がる後端領域Bとで構
成し、ABS面に露出する前記先端領域Aの幅寸法を、
従来に比べて小さく形成することで、製品化された際に
おける薄膜磁気ヘッドにスメアリングが発生するのを適
切に抑制でき、歩留まり良く前記薄膜磁気ヘッドを製造
することが可能である。
【0078】また本発明は、基板上に形成されるモニタ
ー素子22及び磁気抵抗効果素子21の全てに適用され
ることが好ましいが、モニター素子22側のみ、あるい
は磁気抵抗効果素子21側のみに本発明を適用すること
も可能である。
【0079】
【実施例】本発明では、モニター素子22のABS面に
露出する一対の電極層28,28の幅寸法T4(μ
m)、上部シールド層30の幅寸法T5に対する前記幅
寸法T4の比率(%)、及び、各電極層28のABS面
に露出する幅寸法T2と、各電極層28の後端領域Bの
最も大きい部分の幅寸法T3との比率(%)と、ショー
ト率との関係を実験した。
【0080】まず実験に使用したモニター素子22を有
する基板20上の各層の寸法値について以下に説明す
る。
【0081】前記基板20上には、ABS面方向におけ
る幅寸法を120μmとした下部シールド層23を形成
し、さらに前記下部シールド層23の上に、0.18μ
mのギャップ長G1を有する下部ギャップ層24を形成
する。
【0082】さらに前記下部ギャップ層24上に図1に
示すモニター素子22をパターン形成する。このモニタ
ー素子22を構成する多層膜27は、そのトラック幅T
wが1.0μmであり、ハイト方向における長さ寸法が
0.8±0.1μmである。
【0083】さらに前記モニター素子22の上に、0.
18μmのギャップ長G2を有する上部ギャップ層29
を形成し、前記上部ギャップ層29の上に、ABS面方
向における幅寸法が110μmの上部シールド層30を
形成する。
【0084】以上の寸法値で形成された各層を有する基
板20を、モニター素子22の電極層28の幅寸法ごと
に100個ずつ形成している。
【0085】また実験では、平均粒径が1/8μmの砥
粒サイズを有する加工装置を用いて、モニター素子22
の電極層28間の直流抵抗の測定を行ないながらABS
面の研除加工を施している。
【0086】図4は、一対の電極層28の幅寸法T4、
前記幅寸法T4/上部シールド層30の幅寸法T5、及
び各電極層28の幅寸法T2/後端領域Bの幅寸法T3
と、ショート率との関係を示すグラフである。なおここ
でショート率とは、ABS面の研除加工の際に、基準の
直流抵抗値に対して1Ω以上の値がぶれた場合をショー
トが生じているのを認識し、このような状態となったサ
ンプルが、同じ電極層28の幅寸法T4を有する100
個のサンプル中、何個あるかで計算したものである。
【0087】図4に示すように、電極層28の幅寸法T
4が大きくなるにつれて、ショート率が大きくなること
がわかる。特に、前記電極層28の幅寸法T4が80μ
m以上になると、ショート率が10%以上になることが
わかる。
【0088】また、上記したように上部シールド層30
の幅寸法T5を、110μmで形成したから、幅寸法T
4/幅寸法T5が、約73%以上になると、ショート率
が10%を越えることがわかる。
【0089】また上記実験では、多層膜27(図2参
照)の幅寸法(=トラック幅Tw)を約1μmで形成し
ているから、一対の電極層28,28のABS面に露出
する幅寸法T4を80μm以上とした場合、各電極層2
8のABS面にて露出する幅寸法T2(図1参照)は、
約39.5μm以上になる。さらに上記実験では、各電
極層28の後端領域Bの最も幅寸法が大きくなる部分の
幅寸法T5を、約44μmで形成しているので、幅寸法
T2/幅寸法T3が、約89.8%以上になると、ショ
ート率が10%以上になることがわかる。
【0090】本発明では、ショート率はできるだけ低い
ことが好ましく、具体的には10%以下を好ましい範囲
とした。
【0091】そこで、ショート率が10%以下になる幅
寸法T4、幅寸法T4/幅寸法T5、及び幅寸法T2/
幅寸法T3を図4から導き出すと、幅寸法T4をほぼ8
0μm以下、幅寸法T4/幅寸法T5を、ほぼ2/3以
下、さらには、幅寸法T2/幅寸法T3を、ほぼ9/1
0以下にすれば、ショート率を10%以下に抑えること
ができるとわかる。
【0092】次に本発明では、より好ましいショート率
の範囲を5%以下とした。そこで、ショート率が5%以
下になる幅寸法T4、幅寸法T4/幅寸法T5、及び幅
寸法T2/幅寸法T3を図4から導き出すと、幅寸法T
4をほぼ30μm以下、幅寸法T4/幅寸法T5を、ほ
ぼ1/4以下、さらには、幅寸法T2/幅寸法T3を、
ほぼ1/3以下にすれば、ショート率を10%以下に抑
えることができるとわかる。
【0093】なお上記実験では、電極層の幅寸法に関し
て実験を行っているが、上記した数値限定は、前記電極
層の下側に形成されている前記電極層とほぼ同じ形状の
ハードバイアス層の幅寸法にも適正できるものである。
【0094】また上記実験では上部シールド層30の幅
寸法T5に対して、電極層28の幅寸法T4の比率を求
めているが、下部シールド層23の幅寸法T6に対する
幅寸法T4の比率も、上記した幅寸法T4/幅寸法T5
の比率と同じ値になることが好ましい。
【0095】
【発明の効果】以上詳述した本発明によれば、モニター
素子及び/または磁気抵抗効果素子を構成するバイアス
層及び電極層を、ABS面に露出して形成される先端領
域Aと、前記先端領域Aとの境界からハイト方向にトラ
ック幅方向に広がる後端領域Bとで構成することで、従
来に比べABS面に露出する前記バイアス層及び電極層
の幅寸法を小さく形成でき、また前記バイアス層及び電
極層の後端側では、形成領域を従来と同程度に保つこと
が可能である。
【0096】本発明のように、ABS面に露出するバイ
アス層及び電極層の幅寸法を小さく形成することで、モ
ニター素子にて直流抵抗値を測定しながらハイト出し加
工を施す際に、前記モニター素子の電極層とシールド層
との間で生じるスメアリングの発生を低減でき、前記直
流抵抗の測定を適切に行うことが可能である。
【0097】また磁気抵抗効果素子の電極層とシールド
層との間で生じるスメアリングの発生を低減できること
で、製品化される薄膜磁気ヘッドの歩留まりを向上させ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における薄膜磁気ヘッドを形成する基板
の部分平面図、
【図2】図1に示す2−2線の断面図、
【図3】本発明における他の実施形態を示す薄膜磁気ヘ
ッドを形成する基板の部分平面図、
【図4】モニター素子の電極層の幅寸法とショート率と
の関係を示すグラフ、
【図5】従来における薄膜磁気ヘッドを形成する基板の
部分平面図、
【図6】図5に示す6−6線の断面図、
【符号の説明】
20 基板 21 磁気抵抗効果素子 22 モニター素子 23 下部シールド層 24 下部ギャップ層 25、27 多層膜 26、28 電極層 29 上部ギャップ層 30 上部シールド層

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下部シールド層と、前記下部シールド層
    の上に下部ギャップ層を介して形成された、磁気抵抗効
    果を発揮する多層膜と、前記多層膜の両側に形成されて
    前記多層膜にバイアス磁界を与える一対のバイアス層
    と、前記バイアス層上に形成されて前記多層膜に導通す
    る一対の電極層とから成る磁気抵抗効果素子と、前記磁
    気抵抗効果素子の上に、上部ギャップ層を介して形成さ
    れた上部シールド層とを有する薄膜磁気ヘッドにおい
    て、 前記電極層及びバイアス層は、ABS面からハイト方向
    へ一定の長さ寸法で形成される先端領域と、この先端領
    域との境界からトラック幅方向に広がりを持って且つハ
    イト方向へ向けて形成される後端領域とを有して構成さ
    れていることを特徴とする薄膜磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】 一対の電極層及び一対のバイアス層の先
    端領域のABS面に露出する部分の幅寸法は、下部シー
    ルド層及び/又は上部シールド層の幅寸法のほぼ2/3
    以下である請求項1記載の薄膜磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】 各電極層及び各バイアス層の先端領域の
    ABS面に露出する部分の幅寸法は、後端領域の最も幅
    寸法の大きい部分のほぼ9/10以下である請求項1ま
    たは2に記載の薄膜磁気ヘッド。
  4. 【請求項4】 一対の電極層及び一対のバイアス層の先
    端領域のABS面に露出する部分の幅寸法は、ほぼ80
    μm以下で形成される請求項1ないし3のいずれかに記
    載の薄膜磁気ヘッド。
  5. 【請求項5】 一対の電極層及び一対のバイアス層の先
    端領域のABS面に露出する部分の幅寸法は、下部シー
    ルド層及び/又は上部シールド層の幅寸法のほぼ1/4
    以下である請求項1記載の薄膜磁気ヘッド。
  6. 【請求項6】 各電極層及び各バイアス層の先端領域の
    ABS面に露出する部分の幅寸法は、後端領域の最も幅
    寸法の大きい部分のほぼ1/3以下である請求項1また
    は5に記載の薄膜磁気ヘッド。
  7. 【請求項7】 一対の電極層及び一対のバイアス層の先
    端領域のABS面に露出する部分の幅寸法は、ほぼ30
    μm以下で形成される請求項1、5または6に記載の薄
    膜磁気ヘッド。
  8. 【請求項8】 前記先端領域のハイト方向への長さ寸法
    が、ほぼ0.5μm以上で2.0μm以下の範囲内で形
    成される請求項1ないし7のいずれかに記載の薄膜磁気
    ヘッド。
  9. 【請求項9】 前記先端領域の外側縁部からの延長線、
    又は前記先端領域の外側縁部が湾曲線である場合の前記
    湾曲線の長さ中心での接線を第1の仮想線とし、前記後
    端領域の外側縁部からの延長線、又は前記後端領域の外
    側縁部が湾曲線である場合の前記湾曲線の長さ中心での
    接線を第2の仮想線としたときに、ハイト方向に対する
    第1の仮想線の傾斜角αが、第2の仮想線の傾斜角βよ
    りも小さい請求項1ないし8のいずれかに記載の薄膜磁
    気ヘッド。
  10. 【請求項10】 前記第1の仮想線が、ハイト方向と平
    行に延びている請求項9記載の薄膜磁気ヘッド。
  11. 【請求項11】 前記先端領域の外側縁部は、トラック
    幅方向へ広がりながらハイト方向へ直線状に延びる傾斜
    面である請求項9記載の薄膜磁気ヘッド。
  12. 【請求項12】 磁気抵抗効果を発揮する多層膜と、前
    記多層膜の両側に形成されて前記多層膜にバイアス磁界
    を与える一対のバイアス層と、前記バイアス層上に形成
    されて前記多層膜に導通する一対の電極層とから成る薄
    膜磁気ヘッド用の磁気抵抗効果素子及び、ハイト出し加
    工の際に使用される前記磁気抵抗効果素子と同じ構造の
    モニター用の磁気抵抗効果素子が、下部シールド層の上
    に下部ギャップ層を介して形成され、さらに前記磁気抵
    抗効果素子の上に、上部ギャップ層を介して上部シール
    ド層が形成されている基板において、 前記薄膜磁気ヘッド用の磁気抵抗効果素子およびモニタ
    ー用の磁気抵抗効果素子の少なくとも一方が、前記請求
    項1ないし11のいずれかに記載の構造であることを特
    徴とする薄膜磁気ヘッドを形成する基板。
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