JP2000321660A - 投射型カラー表示装置 - Google Patents

投射型カラー表示装置

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JP2000321660A
JP2000321660A JP11127570A JP12757099A JP2000321660A JP 2000321660 A JP2000321660 A JP 2000321660A JP 11127570 A JP11127570 A JP 11127570A JP 12757099 A JP12757099 A JP 12757099A JP 2000321660 A JP2000321660 A JP 2000321660A
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incident
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JP11127570A
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Tetsuji Suzuki
鉄二 鈴木
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Victor Company of Japan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 明るさを犠牲にすることなくスクリーン上の
色温度を調整することができるカラー表示装置を提供す
る。 【解決手段】 入射する光をその入射角度と波長帯域に
応じて所定方向に回折出射するホログラムレンズ層と前
記ホログラムレンズ層を介して入射する光に対応色の映
像信号に係わる光変調を与えて出射する光変調層とを有
する空間光変調素子と、前記空間光変調素子を介して射
出される光をスクリーンに拡大投射する投写レンズ系と
を有する投射型カラー表示装置において、投写レンズ系
に該レンズに入射する光の波長分散方向に光軸傾斜可変
可能な機構を備え、この光軸の傾斜を調整するか、もし
くは投写レンズ系中の絞りの該波長分散方向の開口幅を
調整することにより、スクリーン上の色温度調整を行
う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ホログラムカラー
フィルタを用いた投射型カラー表示装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】カラー表示装置では、カラーフィルタが
必須の構成要素となる。従来のカラーフィルタは、顔料
や染料を着色材として用い、光の三原色であるR
(赤)、G(緑)、B(青)に対応するいずれかの波長
域のみを選択的に透過する樹脂層で形成されていた。し
かし、この従来のカラーフィルタでは、RGBに対応し
たフィルタを平面上それぞれ独立した領域に形成する必
要がある。各領域のフィルタを透過できる光は、入射す
る白色光の内、RGBいずれか一色のみであり、それ以
外の光はフィルタに吸収される。よって、カラーフィル
タ全体としての光透過率が低く、原理的に光の利用効率
を高くできないとともに、吸収された光は熱となり、表
示特性の劣化要因となるおそれがある。
【0003】これに対し、最近、ホログラムレンズを用
いたカラーフィルタ(以下、ホログラムカラーフィルタ
という。)の使用が検討されている。このホログラムカ
ラーフィルタによれば、ホログラムの回折、分光機能に
より、一領域のホログラムカラーフィルタで、入射する
白色光をRGBの三成分に回折、分光できる。このよう
なホログラムカラーフィルタの利用は、高い光利用効率
を得ることが可能であるため、特にその改善が求められ
ている投射型カラー表示装置に対し有効である。
【0004】図11は、本願出願人による先願の公開公
報(特開平9−189809)に開示した反射方式の投
射型カラー液晶表示装置における空間光変調素子の構造
を模式的に表した装置断面図である。この空間光変調素
子では、カラーフィルタとして、上述のホログラムカラ
ーフィルタを用いている。同図において、111は液晶
パネル、112は薄板ガラス層、113はカラーフィル
タ、114はガラス基板、115はカップリングプリズ
ムである。
【0005】液晶パネル111は、シリコン基板121
と、そのシリコン基板121上に形成されたアクティブ
マトリクス駆動回路122と、そのアクティブマトリク
ス駆動回路122によって選択的に制御駆動される画素
電極123r、123g、123bを規則的に配列せし
めた画素電極層123と、誘電体ミラー膜124と、配
向膜125と、スペーサで液晶を封止した光変調層12
6と、配向膜127と、透明な共通電極層128とを順
に積層させた構造を有している。
【0006】カラーフィルタ113は、単位ホログラム
レンズを規則的に配列したいわゆるホログラムレンズア
レイを三層(113r〜113b)積層した構成を有し
ており、R、G、Bの三原色を含んだ読み出し光(白色
光)を各色光毎に回折分光し、液晶パネル111内の
R、G、Bに対応する画素電極123r、123g、1
23bの位置へそれぞれ略垂直に集光する機能を有す
る。即ち、光束の主光線を画素電極123r、123
g、123bに対して略垂直に入射させ、且つそのレン
ズ作用によって光束を画素電極123r、123g、1
23bに集束させている。従って、入射光を無駄なく利
用した投射型カラー表示装置を提供することができる。
なお、同図に示すように、画素電極123上に誘電体ミ
ラー膜124を備える場合は、集光先は誘電体ミラー膜
124となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述する投射型カラー
表示装置において、要求される画像特性のひとつにスク
リーン上の色温度がある。R、G、Bの三原色光が適切
な配分で混色されていれば、良好な「白」画面を得るこ
とができる。しかし、一口に「白」と言っても、色温度
の高い白(冷たく蛍光灯のような青みがかった白)もあ
れば、色温度の低い白(暖かみのある白熱電球のような
赤みがかった白)もあり、どのような「白」画面を好ま
しいとするかはユーザ個人の好みによってもばらつく。
よって、スクリーン上の最終的な色温度については、ユ
ーザが個人の好みで簡単に調整できるのが理想である。
【0008】従来、このような色温度は、電気的にRG
B各々の出力バランスを調整することにより行ってい
た。ところが電気的な調整方法では、高い出力を持つ色
光の信号レベルを低い出力の色光の信号レベルまで下げ
る方向で調整する以外にないため、全体として明るさを
犠牲にせざるをえなかった。
【0009】本発明の目的は、明るさを犠牲にすること
なくスクリーン上の色温度を調整することができるカラ
ー表示装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の投射型カラー表
示装置の第1の特徴は、入射する光をその入射角度と波
長帯域に応じて所定方向に回折出射する単一のホログラ
ムレンズ層と前記単一のホログラムレンズ層を介して入
射する光に対応色の映像信号に係わる光変調を与えて出
射する光変調層とを有する空間光変調素子と、前記空間
光変調素子を介して射出される光をスクリーンに拡大投
射するための一又は複数のレンズを備えた投写レンズ系
とを有する投射型カラー表示装置において、前記投写レ
ンズ系が、該レンズに入射する光の波長分散方向上で光
軸を傾斜できる機構を備え、前記光軸の傾斜によりスク
リーン上の色温度の調整を行うことである。
【0011】上記第1の特徴によれば、単一のホログラ
ムレンズ層を有する空間光変調素子を介して外部に射出
される光は波長分散性を示し、投写レンズ上にもこの波
長分散性が反映されるため、射出光を取り込む光軸を波
長分散方向上で傾斜可変すれば、レンズ上に取り込む色
光の範囲が変化する。この変化を利用して光学的にスク
リーン上の色温度を調整するため簡易な方法であり、し
かも電気的な色温度の調整方法に較べ明るさを犠牲にし
ないですむ。
【0012】本発明の投射型カラー表示装置の第2の特
徴は、入射する光をその入射角度と波長帯域に応じて所
定方向に回折出射するホログラムレンズ層と前記ホログ
ラムレンズ層を介して入射する光に対応色の映像信号に
係わる光変調を与えて出射する光変調層とを有する空間
光変調素子と、前記空間光変調素子を介して射出される
光をスクリーンに拡大投射する投写レンズ系とを有する
投射型カラー表示装置において、前記投写レンズ系が、
該レンズに入射する光の波長分散方向の開口幅を可変可
能な絞りを備え、該開口幅を調整することによりスクリ
ーン上の色温度調整を行うことである。
【0013】上記第2の特徴によれば、単一のホログラ
ムレンズ層を用いた空間光変調素子を介して外部に射出
される光は波長分散性を有するので、絞り開口の波長分
散方向の幅を可変することで、該レンズ中に取り込む色
光の範囲を調整できる。この方法による色温度の調整は
簡易な構成と動作で色温度の調整が可能であるととも
に、光学的な調整方法であるため、電気的な調整方法に
比べ明るさを犠牲にすることがない。
【0014】なお、上記第3の特徴を有する本発明の投
射型カラー表示装置において、前記絞り開口部に重ね
て、開口部に入射する波長分散の色光にあわせ、絞り開
口部の一方の側面周囲に青色領域の光のみを透過するB
帯域フィルタを備えるか、もしくは前記B帯域フィルタ
と対向する絞り開口部の他方の側面周囲に赤色領域の光
のみを透過するR帯域フィルタを備えるか、またはその
両方を備えてもよい。
【0015】投射型カラー表示装置で、光源として多く
使用されるメタルハライドランプは、そもそも赤色光や
青色光に較べG色光が強い傾向にある。そこで、開口部
の両側に波長分散の色光にあわせたB帯域もしくはR帯
域のフィルタを備えていれば、絞り開口部の幅を広げる
ことで不足しがちなR帯域もしくはB帯域の色光を補う
ことができるとともに、過剰なG帯域の光の取り込みを
抑制できるので、色温度の調整がより容易にできる。
【0016】さらに、上記第3の特徴を有する投射型カ
ラー表示装置において、前記B帯域フィルタまたは前記
R帯域フィルタがそれぞれ、該投写レンズに入射する光
の波長分散方向に移動可能な機構を備えていれば、さら
に微妙な色温度の調整を行うことができる。
【0017】なお、上述する投写レンズ系はテレセント
リックな光学系であってもよい。
【0018】
【発明の実施の形態】従来の投射型カラー液晶表示装置
で用いた空間光変調素子では、既に図11を用いて説明
したように、カラーフィルタとして三層構造のホログラ
ムレンズを用い、第1の層113rでR光成分を回折、
分光し、第2の層113gでG光成分を回折、分光し、
さらに第3の層113bでB光成分を回折、分光し、各
層で分光、回折されたRGB各色光をそれぞれ対応する
画素電極123b、123g、123r上に略垂直に集
光していた。
【0019】しかし、従来のホログラムレンズを用いた
空間光変調素子では、その製造工程において、三種のホ
ログラムレンズ層をそれぞれ作製する必要があり、さら
にこの三層を積層する際には、各ホログラムレンズ層で
回折、分光される光が対応画素電極上に集光されるよう
に、三層の位置を高精度にアライメントする必要があっ
た。よって、プロセス上の手間がかかり、プロセスコス
トが高くなるとともに、アライメント精度の問題から、
高精細なカラー液晶表示装置を作製することは容易では
なかった。
【0020】そこで、本願出願人は図11に示すような
従来の三層構造のホログラムカラーフィルタにかえて、
図1に示すような単層構造のホログラムカラーフィルタ
を使用した空間光変調素子を提案している。本願発明の
実施の形態にかかるカラー表示装置もこの新たな単層構
造のホログラムカラーフィルタを用いた空間光変調素子
に基づいて説明する。
【0021】まず、具体的な発明の実施の形態の説明に
移る前に、単層ホログラムレンズを用いたカラー液晶表
示装置の光学的原理について簡単に説明する。
【0022】カラーフィルタとして用いる体積ホログラ
ムでは、入射光の波長をλ、回折格子の表面ピッチをp
とすると、入射角αの入射光に対し、回折角βは次式
(1)で求められる。
【0023】sin α+sin β=λ/p …(1) 即ち、回折特性は入射光の波長λおよび入射光の入射角
αによって回折角βが異なる。例えば、白色光を入射角
を変えてホログラムに入射させると、図2(a)〜図2
(c)に示すように、ホログラム面に対し略垂直方向に
回折される光の効率(光回折効率)は、入射角54度で
は主に青色光(B光)を回折射出し、入射角60度では
主に緑色光(G光)、入射角65度では主に赤色光(R
光)を回折射出する。
【0024】図1に示すように、予め光源1から射出さ
れた白色光をダイクロイックミラー2を用いてB光、R
光、G光に色分解し、B光、R光、G光の各色光ごとに
最も回折効率が高くなるように入射角、即ち上述する入
射角で空間光変調素子に入射させれば、単一のホログラ
ムレンズ層を用いてRGBの色光をそれぞれ所定方向に
高効率で回折射出することができる。
【0025】一方、それぞれの色光が回折射出する方向
は、入射角α、色光の波長λ等の影響を受ける。よっ
て、G光が略垂直方向に回折される場合、G光より波長
の短いR光はより大きく回折し、G光より波長の長いR
光はG光より回折角が小さい。単一のホログラムレンズ
層を用いた投射型カラー表示装置においては、この色光
の回折特性と波長の関係をいかし、各色光の回折射出光
の照射位置に各色光の画素電極を配置している。
【0026】図1は、単一のホログラムレンズ層を用い
た投射型カラー表示装置の構成を示すものである。空間
光変調素子は、図中上からガラス基板3およびガラス基
板3裏面に形成された単一の層であるホログラムレンズ
層4と液晶パネルが積層された構造を有する。さらに、
この液晶パネルは、薄板ガラス層5とこの裏面に形成さ
れる透明電極6、光変調層である液晶層7と光反射面で
もある画素電極8と、この画素電極8を選択的に制御駆
動するアクティブマトリクス駆動回路9等によって構成
される。画素電極8とアクティブマトリクス駆動回路9
は、シリコン基板(図示しない)上に形成され、このシ
リコン基板と上述する薄板ガラス層5とで液晶層7が保
持される。
【0027】なお、図1中に示す空間光変調素子は反射
型の空間光変調素子である。透過型の場合は、画素電極
8とアクティブ駆動回路9は、ガラス基板等の透明な基
材上に形成され、液晶層7を透過し、所定の変調を加え
られた光は、そのまま画素電極面で反射されることなく
透過射出する。よってこの場合は、投写レンズ系11と
スクリーン(図示せず)の位置は反射型の場合とは空間
光変調素子を隔てて反対の位置に置かれる。
【0028】単層ホログラムレンズを用いる場合は、従
来の三層構造のホログラムレンズを用いる場合に比べ作
製するホログラムレンズ数が一層でよく、ホログラムレ
ンズ層間のアライメントも不要なので作製工程は大幅に
簡易化できる。以下、この単層ホログラムを用いたカラ
ー表示装置に係る本実施の形態について具体的に説明す
る。
【0029】(第1の実施の形態)図4は、第1の実施
の形態に係る投射型カラー表示装置の構成を示す。同図
に示すように、反射型空間光変調素子10より射出され
る像は投写レンズ系11を介してスクリーン14上に投
射されるが、本実施の形態の特徴は、投写レンズ系11
の光軸を傾斜可変させることによりスクリーン上の投射
像の色温度を調整することである。この方法による色温
度の調整は、従来のような電気的な出力調整とは異な
り、光学的に色温度を調整するものであるため、明るさ
を犠牲にしない。
【0030】以下、より具体的に本実施の形態について
図1、図3を参照しながら説明する。単一のホログラム
レンズ層4を介して液晶層7に入射された光は、そこで
必要に応じた変調をかけられた後、画素電極8面で反射
され、入射方向とは逆の経路を経て反射型空間光変調素
子10より射出され、途中投写レンズ系11で拡大され
スクリーンに達する。なお、図1では省略しているが、
図4に示すように入射光は反射型空間光変調素子10に
入射する前、及び空間光変調素子10を射出した後に偏
光板13a、13bを備え、p波、s波いずれか一方の
偏光波のみを透過させる。
【0031】図3は、本実施の形態に係るホログラムレ
ンズ層4と画素電極8のみを取り出し、入射光の光路を
示したものである。ホログラムレンズ層4および画素電
極8はアレイ状に配列されるものであるが、ここでは便
宜的に、単位ホログラムレンズを通る光束、即ち単位画
素に相当する光束のみを取り出して示している。
【0032】ホログラムレンズ層4を介して画素電極8
に達した光は、各色光に対応する電極面で反射され、ホ
ログラムレンズ層4から出射される。
【0033】従来の三層構造のホログラムレンズの場合
は、各色光がそれぞれ独立に略垂直方向の電極上に集光
するが、単一ホログラムレンズ層4を介する各色光は、
図3に示すように、G光についてはほぼ垂直方向に集光
するのに対し、R光とB光は波長の長短に応じてG色対
応画素電極8の右側もしくは左側の画素電極8上に集光
する。即ち、R光とG光は左右斜め方向に集光する。よ
って、画素電極8面で反射され、ホログラムレンズ層4
をへて外部に射出する光はこの波長分散傾向がさらに拡
がり、同図に示すように、図中左に行く程B成分が多く
右に行くほどR成分が多い光となる。このような波長分
散を有する光が、投写レンズ系11を介してスクリーン
に投射される。
【0034】図5は、投写レンズ系11の内部構造と光
束を簡易に示す図である。通常、投写レンズ系11は複
数のレンズとミラーで光学系を構成するが、ここでは単
純化し2枚のレンズ11a、11bのみを示した。これ
らのレンズは光学的にテレセントリックな構成をとって
いる。テレセントリックとは、物体面の各位置から取り
込む光束の中心軸(光軸)が物体面の法線方向に略一致
している構成をいう。よって、単位ホログラムレンズを
通る単位画素からの光束はどの画素からの光束もレンズ
に対してほぼ同じ取り込み角となり、スクリーン上に色
むらが生じにくい。
【0035】投写レンズ系11の光軸をレンズに入射す
る光の波長分散方向上で傾斜させると、これに応じて空
間光変調素子を介して射出される光の取り込み角度がず
れるのでレンズが取り込む色光の範囲が微妙に変化す
る。例えば、図4に示すように投写レンズ系11の光軸
を図中下側に傾ければ、図3において左側の色光をより
多くとりこむ場合に相当し、レンズ中に取り込まれるB
光成分は増え、これに伴いR光成分が減り、その結果ス
クリーン上の色温度は高くなる。また、逆に図4におい
て光軸を上側に傾ければR光成分が増え、B光成分が減
るためスクリーン上の色温度は低くなる。
【0036】例えば投写レンズ系11中でF値2.0の
レンズが用いられる場合、取り込み角は半角で14.5
度となる。この場合、投写レンズ系11の光軸を1度程
度傾けるだけでも投写レンズに取り込まれる光の波長成
分は大きく変化する。また、この程度の傾斜角度ではス
クリーン上の画像を歪曲させるおそれはほとんどない。
【0037】このように、第1の実施の形態に係る投射
型カラー表示装置では、単一層のホログラムカラーフィ
ルタを用いた空間光変調素子において外部に射出される
光が波長分散性を有することに着目し、この射出光を取
り込む投写レンズ系11の光軸を波長分散方向上で傾斜
させることで、微妙なスクリーン上の色温度を調整可能
とするものである。
【0038】上述する色温度の調整方法は、従来のよう
な電気的な出力調整とは異なり、光学的にスクリーン上
の色温度を調整する方法であるため、明るさを犠牲にす
ることがなく、しかも極めて簡易な構成と方法で調整が
可能である。よって、ユーザ自身が自分の好みに合わせ
て色温度を調整する方法としても適している。
【0039】なお、反射型空間光変調素子を用いた投射
型カラー表示装置について説明したが、図6に示すよう
に透過型空間光変調素子20を用いた投射型カラー表示
装置においても、同様に投写レンズ系11の傾斜角を調
整することで、スクリーン上の色温度を調整できる。透
過型空間光変調素子20の場合は、画素電極や駆動回路
は透明基材上に形成されることとなる。この場合は各画
素電極上で集光された光は反射せずにそのまま空間光変
調素子20の裏面から透過射出されるため、空間光変調
素子20の後方に偏光板13b、投写レンズ系11およ
びスクリーン14が配置される。
【0040】(第2の実施の形態)図7は、第2の実施
の形態に係る投射型カラー表示装置の構成を示す。同図
に示すように、反射型空間光変調素子10より射出され
る像は投写レンズ系11を介してスクリーン14上に投
射される。本実施の形態の場合も、第1の実施の形態の
場合と同様に投写レンズ系11でスクリーン上の投射像
の色温度を調整することを特徴とするが、ここでは投写
レンズ系11中に備えた絞り15を用いて調整を行う。
光学的に色温度を調整するものであるため、明るさを犠
牲にせず調整が可能である。
【0041】すでに、第1の実施の形態において説明し
たように、単一ホログラムレンズ層4を介して画素電極
8面上に集光する光は波長分散性を示し、画素電極面で
反射され、ホログラムレンズをへて外部に射出する光
は、この波長分散が進み、図3に示すように、図中左に
行く程B成分が多く右に行くほどR成分の多いレインボ
ー状の射出光となる。
【0042】図5に示すように、投写レンズ系11は一
般にテレセントリックな光学系を有し、光路中に絞り1
5を持つ。テレセントリックな光学系ではどの単位画素
からの光もほぼ同じ取り込み角度でとりこまれ、絞り1
5開口部に全ての光束が集束する。入射光は図3に示す
波長分散状態を維持したまま投写レンズ系11に取り込
まれるため、絞り15開口上にはレインボー状の光束が
並ぶこととなる。
【0043】図8は、第2の実施の形態に係る投写レン
ズ11中の絞り15機構の例を示す。図8(a)に示す
ように、片側に半円状の開口を持つ一対の絞り板16a
と16bを中央で一部重なりあうようにあわせ、左右に
スライドすることにより絞りに相当する中央の開口部の
幅を調整する。このスライドの方向は絞り開口部に取り
込まれる光の波長分散方向とほぼ一致させる。
【0044】絞り板16a、絞り板16bは、例えば突
起部L1、R1を備えこれをつまんで左右にスライドさ
せて中央開口部の幅を可変する。開口部を右側に広げれ
ばスクリーン上のR光成分が増え全体的に色温度を下げ
ることができ、開口部を左側に広げればスクリーン上の
B光成分が増え全体的な色温度を上げることができる。
【0045】図表9は、投写レンズ系11の絞り直径が
12.9mmの場合の絞り板の突起L1、R1の位置を
基準(0mm)とし、各突起位置におけるスクリーン上
の白色色温度と輝度の関係を示したものである。なお、
投写レンズ系11に備えるレンズのF/N値は2.0、
焦点距離は25mmである。
【0046】絞り板16a、16bを標準位置に設定し
た場合の白色色温度が6400Kであるのに対し、例1
に示すように、突起R1を左側に1mmスライドして絞
り開口領域の右部分を絞ると、白色の色温度は6800
Kに上がる。また、標準位置での輝度を100とすれば
このときの輝度は103に増加する。突起L1を左側に
1mmスライドして絞り開口領域を左側に広げると、白
色の色温度は6000Kに下がるが輝度はさらに上がり
106となる。このように、輝度を犠牲にすることな
く、絞り15の開口部幅を数mm動かすだけで色温度は
大幅に変化する。さらに図表中の例3、例4に示すよう
に、開口部を全体的に絞りこむことで、色温度を800
0K以上10000Kにすることも可能である。
【0047】図3に示したように、射出光の波長分散に
より絞り開口部の左側には青色っぽい光が射出するた
め、開口部左側の絞りを広げると、青色光が増加するが
これに伴い隣接する緑色光も取り込まれることとなる。
また、絞り開口部の右側には赤っぽい光が射出される
が、開口部右側の絞りを広げると、赤色光のみならず緑
色帯域の光も同時に増えてしまい、これより解像度劣化
やコントラスト低下を招いてしまう。
【0048】そこで、図8(b)に示すように、さらに
この投写レンズ系11内の絞り15に重ねて、青色域の
光のみを透過することができるB固定フィルタ17aと
赤色域の光のみを透過することができるR固定フィルタ
17bを絞り板16a、16bとは独立に、絞り開口部
右側と左側に備えれば、絞り開口部とフィルタが重なる
部分では、それぞれR帯域の光とB帯域の光のみを透過
させることができるため、緑色光の増加を抑制できる。
【0049】図8(c)は、絞りとは独立に光の波長分
散方向にスライド可能なB可変フィルタ17cとR可変
フィルタ17dを備えたものである。同図に示すよう
に、スライドし易いようフィルタに突起状のつまみL
2、R2をつけてもよい。この場合は、各フィルタのい
ずれかまたは両方を絞り開口を狭める方向に動かすこと
により、G帯域を相対的に減らして色温度の調整を図る
ことができる。
【0050】一般に、投射型カラー表示装置では、G帯
域の光量が他のR色光、B色光に対し強いメタルハライ
ドランプが光源として用いられることが多いので、従来
もG帯域の光を相対的に減らして色度調整が行われてい
たが、上記絞り機構を用いれば、絞りの開口部を波長分
散方向に広げてR色光とB色光の光量を上げるととも
に、G帯域の光を相対的に減らすことが容易に可能とな
る。
【0051】なお、光源やシステムの利用効率がR色光
またはB色光のいずれかについてのみ低く、一方の色光
の量を調整するだけで所望の色温度や色相を得られる場
合には、B可変フィルタ17cとR可変フィルタ17d
のいずれか一方のみを備えてもよい。
【0052】このように、第2の実施の形態に係る投射
型カラー表示装置は、単層構造のホログラムカラーフィ
ルタを用いた空間光変調素子を介して外部に射出される
光が波長分散性を有することに着目し、この射出光を取
り込む投写レンズ系11の絞り15の波長分散方向の開
口幅を可変することで、微妙なスクリーン上の色温度を
調整可能とするものである。
【0053】従来のような電気的な出力調整とは異な
り、光学的にスクリーン上の色温度を調整するため、明
るさや階調を犠牲にすることがない。絞り開口幅を調整
するだけで色温度の微妙な調整が可能なため、極めて簡
易な機構で足り、その方法も容易なので、ユーザ自身に
よる色温度の調整にも適している。また、レンズ光軸を
動かすことないため、わずかな画像の歪みも発生するこ
とがない。
【0054】なお、反射型空間光変調素子10を用いた
投射型カラー表示装置について説明したが、図10に示
すように透過型空間光変調素子20を用いた投射型カラ
ー表示装置においても、同様に投写レンズ系11の絞り
15を調整することで、スクリーン上の色温度を調整で
きる。透過型空間光変調素子20の場合は、画素電極や
駆動回路はガラス基材等の透明基材上に形成されること
となる。この場合は各画素電極上で集光された光は反射
せずにそのまま空間光変調素子20の裏面から透過射出
されるため、空間光変調素子20の後方に偏光板13
b、投写レンズ系11およびスクリーン14が配置され
る。
【0055】以上、本発明について実施の形態に沿って
説明したが、本発明は上述の説明に限定されるものでは
ない。例えば種々の変更、改良、組み合わせ等が可能な
ことは当業者に自明であろう。
【0056】
【発明の効果】上述するように、本発明の投射型カラー
表示装置は、投写レンズ系が、該レンズに入射する光の
波長分散方向に光軸傾斜可変可能な機構を備え、前記光
軸の傾斜によりスクリーン上の色温度調整を行うもので
ある。
【0057】また、本発明の別の投射型カラー表示装置
は、投写レンズ系の絞り開口が該レンズに入射する光の
波長分散方向の開口幅を可変可能な機構を備える、この
開口幅の絞りを調整することでスクリーン上の色温度の
調整を行うものである。
【0058】いずれの表示装置も光学的にスクリーン上
の色温度調整を行うため、明るさを犠牲にすることが少
ない。しかも簡易な方法で調整可能なため、ユーザ自身
による色温度調整にも適している。また、その調整機構
は簡易な構成で足りるので、装置コストの負担も少な
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】単一のホログラムレンズ層を用いた投射型カラ
ー表示装置の構成図である。
【図2】ホログラムフィルタに対する入射角度と光回折
効率の関係を示すグラフである。
【図3】本実施の形態に係る投射型カラー表示装置にお
ける投射光の波長分散の様子を示す図である。
【図4】第1の実施の形態に係る投射型カラー表示装置
の構成図である。
【図5】第1の実施の形態に係る投射型カラー表示装置
で使用するテレセントリックな投写レンズ系の概略的な
構成と光束を示す図である。
【図6】もう一つの第1の実施の形態に係る投射型カラ
ー表示装置の構成図である。
【図7】第2の実施の形態に係る投射型カラー表示装置
の構成図である。
【図8】第2の実施の形態に係る投射型カラー表示装置
で使用する絞り機構を示す。
【図9】第2の実施の形態に係る投射型カラー表示装置
において絞りの位置とスクリーン上の色温度の関係を示
す図表である。
【図10】もう一つの第2の実施の形態に係る投射型カ
ラー表示装置の構成図である。
【図11】従来のホログラムカラーフィルタを用いた投
射型カラー表示装置の構成図である。
【符号の説明】
1 光源 2 ダイクロミックミラー 3 ガラス基板 4 ホログラムレンズ層 5 薄板ガラス層 6 透明電極 7 液晶層 8 画素電極 9 アクティブマトリクス駆動回路 10 反射型空間光変調素子 11 投写レンズ系 12 プリズム 13 偏光板 14 スクリーン 15 絞り 16 絞り板 17 フィルタ 20 透過型空間光変調素子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04N 9/31 H04N 9/31 B C Fターム(参考) 2H049 CA01 CA05 CA08 CA15 CA17 CA22 2H088 EA12 EA15 EA48 HA12 HA24 MA05 MA06 2H091 FA02X FA02Z FA26X FA41Z FA50X FD21 FD26 LA15 LA18 LA20 LA30 MA07 5C060 BC01 EA01 HC01 HC11 HC16 HC21 JB06

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入射する光をその入射角度と波長帯域に
    応じて所定方向に回折出射する単一のホログラムレンズ
    層と前記単一のホログラムレンズ層を介して入射する光
    に対応色の映像信号に係わる光変調を与えて出射する光
    変調層とを有する空間光変調素子と、 前記空間光変調素子を介して射出される光をスクリーン
    に拡大投射するための一または複数のレンズを備える投
    写レンズ系とを有する投射型カラー表示装置において、 前記投写レンズ系が、該レンズに入射する光の波長分散
    方向上で光軸の傾斜を可変でき、前記光軸の傾斜度合に
    よりスクリーン上の色温度調整を行うことを特徴とする
    投射型カラー表示装置。
  2. 【請求項2】 入射する光をその入射角度と波長帯域に
    応じて所定方向に回折出射する単一のホログラムレンズ
    層と前記単一のホログラムレンズ層を介して入射する光
    に対応色の映像信号に係わる光変調を与えて出射する光
    変調層とを有する空間光変調素子と、 前記空間光変調素子を介して射出される光をスクリーン
    に拡大投射するための一または複数のレンズを備える投
    写レンズ系とを有する投射型カラー表示装置において、 前記投写レンズ系が、該レンズに入射する光の波長分散
    方向の開口幅を可変可能な絞りを備え、該開口幅を調整
    することによりスクリーン上の色温度調整を行うことを
    特徴とする投射型カラー表示装置。
  3. 【請求項3】 前記投写レンズ系が、 前記絞りに重ねて、開口部に入射する光の波長分散の色
    光にあわせ、開口部の一方の側面周囲に青色領域の光の
    みを透過するB帯域フィルタを備えるか、もしくは前記
    B帯域フィルタと対向する開口部の他方の側面周囲に赤
    色領域の光のみを透過するR帯域フィルタを備えるか、
    またはその両方を備えることを特徴とする請求項2に記
    載の投射型カラー表示装置。
  4. 【請求項4】 前記B帯域フィルタまたは前記R帯域フ
    ィルタが、それぞれ、該投写レンズに入射する光の波長
    分散方向に移動可能であることを特徴とする請求項3に
    記載の投射型カラー表示装置。
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