JP2000321068A - 磁気探知装置 - Google Patents

磁気探知装置

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JP2000321068A
JP2000321068A JP11127342A JP12734299A JP2000321068A JP 2000321068 A JP2000321068 A JP 2000321068A JP 11127342 A JP11127342 A JP 11127342A JP 12734299 A JP12734299 A JP 12734299A JP 2000321068 A JP2000321068 A JP 2000321068A
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JP
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pulse signal
voltage
current
peak
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Kazuo Kurihara
一夫 栗原
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 温度変化の影響を受けることなく外部磁界を
高精度に探知する。 【解決手段】 電圧信号Veが負の温度特性を持つ場合
は、抵抗16あるいはコンデンサ17に負の温度係数を
持つものを使用することによって、発振電圧信号Vos
のパルス幅Tに負の温度特性を持たせ、電圧信号Veの
温度特性を補正する。また、電圧信号Veが正の温度特
性を持つ場合は、抵抗16あるいはコンデンサ17に正
の温度係数を持つものを使用することによって、発振電
圧信号Vosのパルス幅Tに正の温度特性を持たせ、電
圧信号Veの温度特性を補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、温度変化の影響を
受けないで外部磁界を探知する磁気探知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】外部磁界を探知する磁気探知装置は、磁
場の検出器や測定器などの計測用から始まり、近年で
は、磁気式スイッチ、磁気式ロータリー・エンコーダ、
地磁気センサなど民生用で主として使われている。これ
らの磁気探知装置としては、ホール素子を用いたもの、
フラックスゲートセンサを用いたもの、磁気抵抗効果素
子を用いたものなどがある。
【0003】これらの磁気探知装置は、感度が不十分で
あったり、小型化や低価格化が難しいという問題があっ
た。
【0004】そこで、本願出願人は、特開平11−00
6870号公報において、磁気センサに発振電圧を供給
したときに一定周期毎の当該磁気センサの出力電圧のピ
ーク値を検出して、上記一定周期毎のピーク値の差動を
出力することで外部磁界を探知する磁気探知装置を開示
している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記磁気探知
装置が出力する電圧信号は、図11に示すように、負の
温度特性が存在していた。具体的には、温度が高くなれ
ばなるほど出力する電圧信号のレベルが低くなる特性を
もっていて、周囲温度が−25℃から75℃において1
00mVから150mV(10%から15%)変動す
る。
【0006】したがって、上記磁気探知装置は、例えば
同じ地点の外部磁界を探知する場合であっても、温度が
変化したときは外部磁界の大きさを精度よく探知するこ
とができないという問題がある。
【0007】本発明は、このような実情に鑑みて提案さ
れたものであり、温度変化の影響を受けることなく外部
磁界を高精度に探知することができる磁気探知装置を提
供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めに、本発明に係る磁気探知装置は、温度を検出する温
度検出手段と、上記温度検出手段で検出された温度に基
づいてパルス幅を変えてパルス信号を発生するパルス信
号発生手段と、磁性体に導線を巻き付けてなる磁気セン
サと、上記パルス信号発生手段で発生されたパルス信号
を上記磁気センサに供給すると共に、所定の周期に同期
して上記磁気センサに流れる電流が反転するように上記
磁気センサにパルス信号を切り換えて供給するパルス信
号反転手段と、上記所定の周期に同期して上記磁気セン
サの出力電圧のピーク値をそれぞれ検出するピーク検出
手段と、上記ピーク検出手段で検出されたピーク値の差
動を出力する差動出力手段とを備えることにより、上述
した課題を解決する。
【0009】すなわち、上記磁気探知装置によると、パ
ルス幅が大きくなると電圧信号Veは小さくなるという
関係を利用し、上述した従来の磁気探知装置が持つ温度
特性を補正しようとするものである。また、上記磁気探
知装置のパルス幅は、温度係数を持つコンデンサあるい
は温度係数を持つ抵抗によって設定することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら説明する。
【0011】図1に、本発明に係る磁気探知装置の磁気
センサを示す。磁気センサ3は、図1に示すように、リ
ボン状やワイヤー状に形成された細長いアモルファス等
からなる磁性体1と、磁性体1の長手方向に導線が巻回
されたコイル2で構成される。ここで、磁性体1には、
数ガウス程度の微弱磁界で急峻な透磁率変化を示す角形
特性に優れた磁性材料を用いる。そして、この磁気セン
サ3のコイルからは、2つの端子4,5が導出される。
【0012】つぎに、このような磁気センサ3を用いて
外部磁界Heの大きさを検出するときの原理について、
図2を参照しながら説明する。図2は、パルス幅Tおよ
びパルス電圧Vが一定の発振電圧信号Vosを磁気セン
サ3に供給したときに、磁気センサ3に流れる電流i0
1、及びこの電流i01を反転させた電流i02が磁気
センサ3に流れているときの状態について、磁気センサ
3のインダクタンスLの変化と対応させて示したもので
ある。
【0013】そして、磁気センサ3を用いて外部磁界H
eの大きさを検出する際は、コイル2に流れる電流i0
1が直流バイアス成分を含んだ交流電流であるので、こ
の電流i01により磁性体1を長手方向に磁化して、磁
気センサ3の長手方向に直流バイアス成分を含んだ交流
磁界を発生させる。ここで、コイル2に流れる交流電流
i01は、外部磁界Heが加わって交流磁界がシフトし
たとしても、交流磁界が、磁気センサ3のインダクタン
スLが急峻な変化を示す範囲を包括するように設定す
る。
【0014】仮に、図2に示すように、外部磁界He=
0のときに、磁気センサ3に流れる電流i01が0から
Ihまで変化するように設定すると、磁気センサ3のイ
ンダクタンスLはLmaxからLminに変化し、電流
i01のピーク電流値はIhとなる。インダクタンスL
がLmaxからLminに変化する電流値をIcとする
と、発振電圧信号Vosのパルス幅Tとパルス電圧Vの
積は、ファラデーの法則によって下記式(1−1)のよ
うに表される。
【0015】 V・T=Lmax・Ic+Lmin・(Ih‐Ic)・・・(1−1)
【0016】つぎに、このような電流i01が流れてい
るときに、外部磁界Heが加わると、磁気センサ3に発
生している交流磁界の直流バイアス成分は、外部磁界H
e分だけシフトして、見かけ上、磁気センサ3に流れて
いる電流がIe分だけシフトしたことになる。このと
き、電流i01はIe分だけシフトすると共にその応答
波形に変化が生じて、図2に示すような電流ie1とな
る。電流ie1のピーク電流値をIe1とすると、発振
電圧信号Vosのパルス幅Tとパルス電圧Vの積は、フ
ァラデーの法則によって下記式(1−2)のように表さ
れる。
【0017】 V・T=Lmax・(Ic−Ie)+Lmin‐(Ie1+Ie‐Ic) ・・・(1−2)
【0018】外部磁界Heが加わることによって生じる
ピーク電流値の変化をΔI1とすると、上記式(1−
l)と上記式(1−2)より、下記式(1−3)のよう
に表される。
【0019】 ΔI1=Ie1−Ih ={(Lmax−Lmin)/Lmin}・Ie ・・・(1−3)
【0020】このように、外部磁界Heにより、見かけ
上シフトしたことになる電流分Ieとピーク電流値の変
化ΔI1とは比例関係にある。したがって、電流i01
が、外部磁界He分だけシフトしてもインダクタンスL
が急峻な変化を示す範囲を包括するように設定すること
により、この磁気センサ3の外部磁界検出時のリニアリ
ティを確保することができるので、ピーク電流値を検出
することによって外部磁界の大きさを探知することがで
きる。
【0021】つぎに、磁気センサ3に流れている電流i
01を反転させた電流i02が磁気センサ3に流れてい
るときの動作について説明する。
【0022】ここでは、図2に示すように、磁気センサ
3に流れている電流i01を反転させて、外部磁界He
=0のときに磁気センサ3に流れている電流i02が0
から−Ihまで変化するように設定すると、磁気センサ
3のインダクタンスLはLmaxからLminに変化
し、電流i02のピーク電流値は−Ihとなる。インダ
クタンスLがLmaxからLminに変化する電流値を
−Icとすると、発振電圧信号Vosのパルス幅Tとパ
ルス電圧−Vの積は、ファラデーの法則によって下記式
(2−1)のように表される。
【0023】 −V・T=Lmax・(−Ic)+Lmin・(−Ih+Ic) ・・・(2−1)
【0024】つぎに、このような電流i02が流れてい
るときに、外部磁界Heが加わると、磁気センサ3に発
生している交流磁界の直流バイアス成分は、外部磁界H
e分だけシフトして、見かけ上、磁気センサ3に流れて
いる電流がIe分だけシフトしたことになる。このと
き、電流i02はIe分だけシフトすると共にその応答
波形に変化が生じて、図2に示すような電流ie2とな
る。電流ie2のピーク電流値をIe2とすると、発振
電圧信号Vosのパルス幅Tとパルス電圧−Vの積は、
ファラデーの法則によって下記式(2−2)のように表
される。
【0025】 −V・T=Lmax・(−Ic‐Ie)+Lmin・(−Ie2+Ie+Ic) ・・・(2−2)
【0026】外部磁界Heが加わることによって生じる
ピーク電流値の変化をΔI2とすると、上記式(2−
1)と上記式(2−2)により、下記式(2−3)のよ
うに表される。
【0027】 ΔI2=Ie2−Ih =−{(Lmax‐Lmin)/Lmin}・Ie =−ΔI1・・・(2−3)
【0028】このように、磁気センサ3に流れる電流i
01を反転させた電流i02が磁気センサ3に流れてい
るときも、外部磁界Heにより、見かけ上シフトしたこ
とになる電流分Ieとピーク電流値の変化ΔI2とは比
例関係にある。そして、このピーク電流値の変化ΔI2
は、上述のピーク電流値の変化ΔI1と符号が逆で同じ
大きさとなっている。すなわち、ピーク電流値の変化Δ
I1とピーク電流値の変化ΔI2とは、差動の関係にあ
る。
【0029】そこで、順方向に電流が流れているときの
ピーク電流値Ie1と、逆方向に電流が流れているとき
のピーク電流値Ie2とを測定し、これらの差動を取る
ことにより、外部磁界Heの大きさに応じた信号を、一
定の方向にだけ電流が流れているときに比べて約2倍の
出力として取り出すことができる。
【0030】また、順方向に電流が流れているときのピ
ーク電流値Ie1と、逆方向に電流が流れているときの
ピーク電流値Ie2との差動を取ることにより、外部磁
界He=0のときには、磁気センサ3に流れる電流のピ
ーク電流値が互いにキャンセルされるので、外部磁界H
eがない状態である0点を容易に認識することができ
る。
【0031】さらに、磁気センサ3は、温度等によって
インダクタンスLの大きさが変化して、磁気センサ3に
流れる電流のピーク電流値に変化が生じるが、磁気セン
サ3に流れる電流の方向を短時間で反転させることによ
り、このような温度ドリフトや時間ドリフト等の影響は
同相として現れるので互いにキャンセルすることができ
る。
【0032】つぎに、以上のような磁気センサを用いた
磁気探知装置について説明する。
【0033】この磁気探知装置は、図3に示すように、
アナログスイッチ6内に配された磁気センサ3と、アナ
ログスイッチ6に接続された抵抗7と発振電圧信号を供
給するパルス信号発振器8と、抵抗7の片端から導出さ
れた配線に接続されたアナログスイッチ9と、このアナ
ログスイッチ9に接続されたピーク検波器10aとピー
ク検波器10bと、このピーク検波器10a,10bか
ら出力の差動を取るための差動増幅器11と、アナログ
スイッチ6とアナログスイッチ9を切り替えるための信
号を供給する周波数分周器12を備えている。
【0034】そして、磁気センサ3は、スイッチ6a、
スイッチ6b、スイッチ6cおよびスイッチ6dを備え
たアナログスイッチ6内に配されており、磁気センサ3
に流れる電流方向は、このアナログスイッチ6によって
反転させることができるようになっている。
【0035】また、アナログスイッチ6に接続された抵
抗7は、磁気センサ3に対して直列となるように接続さ
れており、磁気センサ3とこの抵抗7によって積分回路
が構成される。
【0036】この積分回路は、パルス信号発振器8に接
続されており、このパルス信号発振器8から積分回路に
パルス幅Tおよびパルス電圧Vが一定の発振電圧信号V
osが供給され、これにより、磁気センサ3および抵抗
7に積分電流が流れ、抵抗7には積分電圧Vrが生じ
る。
【0037】一方、抵抗7の片端から導出された配線に
接続されたスイッチ9aおよびスイッチ9bを備えたア
ナログスイッチ9を、磁気センサ3に流れる電流の方向
と連動させて切り替えることによって、上記の積分電圧
Vrを磁気センサ3に流れるそれぞれの電流の方向に応
じた積分電圧Vr1および積分電圧Vr2に分配して、
各々をピーク検波器10aおよびピーク検波器10bに
供給することとなる。
【0038】そして、磁気センサ3に流れるそれぞれの
電流の方向に応じた積分電圧Vr1および積分電圧Vr
2のピーク電圧値の検出を、各々のピーク検波器1Oa
およびピーク検波器10bによって行い、ピーク検出器
10aからは電圧信号Ve1が出力され、ピーク検波器
10bからは電圧信号Ve2が出力される。
【0039】この電圧信号Ve1と電圧信号Ve2は、
外部磁界の大きさに対して差動の関係にある。したがっ
て、電圧信号Ve1と電圧信号Ve2を差動増幅器11
に入力することによって、差動増幅器11は外部磁界の
大きさに応じた電圧信号Veを出力することとなる。
【0040】なお、アナログスイッチ6とアナログスイ
ッチ9を切り替えるための信号QおよびQ’は、パルス
信号発生器8から供給される発振電圧信号Vosを周波
数分周器12で分周することによって作る。これは、磁
気センサ3と抵抗7によって形成される積分回路に供給
する発振電圧信号Vosと上記のアナログスイッチ6と
アナログスイッチ9の切り替えタイミングを同期させる
ことによって、この磁気探知装置の安定度を増そうとし
ているためである。
【0041】このような磁気探知装置の動作について、
各部の電圧波形のタイムチャートである図4を参照しな
がら説明する。
【0042】ます、パルス信号発生器8から、図4
(A)に示すように、パルス幅Tおよびパルス電圧Vが
一定の発振電圧信号Vosが周波数分周器12に供給さ
れ、これにより、図4(B)に示すように、アナログス
イッチ6とアナログスイッチ9を切り替えるための信号
QおよびQ’が作られる。
【0043】さらに、発振電圧信号Vosが磁気センサ
3に供給され、これにより、磁気センサ3と抵抗7とか
らなる積分回路に積分電流が流れる。このとき、抵抗7
に生じる積分電圧Vrの波形は、図4(C)に示すよう
に、磁気センサ3に流れる電流の応答波形に対応するも
のであり、したがって、この積分電圧Vrのピーク電圧
値は、磁気センサ3に加わる外部磁界Heの大きさに応
じて変化する。
【0044】ここで、切り替え信号Qが“H”でQが
“L”のときには、図3に示したスイッチ6aおよびス
イッチ6bがオンで、スイッチ6cおよびスイッチ6d
がオフとなり、図3の矢印Aの向きに電流が流れる。こ
のとき、電流の向きと連動して、スイッチ6aがオン
で、スイッチ9bがオフとなる。
【0045】また、切り替え信号Qが“L”でQ’が
“H”のときには、図3に示したスイッチ6aおよびス
イッチ6bがオフで、スイッチ6cおよびスイッチ6d
がオンとなり、図3の矢印Bの向きに電流が流れる。こ
のとき、電流の向きと連動して、スイッチ9aがオフ
で、スイッチ9bがオンとなる。
【0046】したがって、図4(C)に示した積分電圧
Vrは、磁気センサ3に流れるそれぞれの電流の方向に
応じた積分電圧Vr1および積分電圧Vr2によって構
成される。
【0047】そして、アナログスイッチ9によって分配
された各々の積分電圧がピーク検波器1Oaおよびピー
ク検波器10bに供給されてる。図4(C)に示すよう
に、ピーク検波器10aは、積分電圧Vr1のピーク値
を検出して、電圧信号Ve1を出力する。また、ピーク
検波器10bは、積分電圧Vr2のピーク値を検出し
て、電圧信号Ve2を出力する。
【0048】上述したように、積分電圧Vr1および積
分電圧Vr2は、磁気センサ3に流れるそれぞれの電流
の方向の応答波形に対応しているので、このピーク電圧
値Ve1およびピーク電圧値Ve2は、外部磁界の大き
さに依存し、外部磁界の大きさに対して差動の関係にあ
る。
【0049】すなわち、この電圧信号Ve1と電圧信号
Ve2は、磁気センサ3に発振電圧信号を供給したとき
に、磁気センサ3に流れる発振電流のピーク値を検出し
たものである。また、磁気センサ3に流れる電流の方向
を反転させたときの磁気センサ3に流れる発振電流の各
々のピーク値を検出したものである。
【0050】このように、この磁気探知装置では、磁気
センサ3に加わった外部磁界Heが、磁気センサ3と直
列に接続された抵抗7に生じるピーク電圧値として現
れ、このピーク電圧値を検出することによって、外部磁
界の大きさを探知する。
【0051】つぎに、磁気センサ3に加わった外部磁界
Heが磁気センサ3と直列に接続された抵抗7に生じる
ピーク電圧値として現れる原理について、されに詳細に
説明する。
【0052】磁気センサ3と抵抗7が直列に接続された
積分回路に流れる電流が立ち上がるときの状態をモデル
化した回路図を図5に示す。このような回路において、
スイッチ13をオフからオンにすると、磁気センサ3と
抵抗7からなる積分回路に直流電源14から直流電圧が
印加され、磁気センサ3に電流iが流れ出す。ここで、
磁気センサ3に流れる電流iは、積分回路に印加される
直流電圧をV、磁気センサ3のインダクタンスをL、抵
抗7の抵抗値をR、電流iの立ち上がり時間をtとする
と、下記式(3−1)で表される。
【0053】
【数1】
【0054】上述したように、磁気センサ3のインダク
タンスLは、電流iが立ち上がっている間に、Lmax
からLminへ変化する。ここで、電流iは、インダク
タンスLがLmaxからLminへの変化を示す範囲を
包括するように設定しておく。
【0055】そして、磁気センサ3のインダクタンスL
がLmaxからLminへ変化するため、磁気センサ3
に流れる電流iは、図6に示すように、初めはインダク
タンスLがLmaxの状態で立ち上がり、やがて、イン
ダクタンスLがLminの状態で立ち上がることとな
る。
【0056】ここで、磁気センサ3に流れる電流iは、
インダクタンスLmaxの状態で電流値0から電流値I
cまで立ち上がり、この立ち上がり時間をt1とする。
つぎに、磁気センサ3に流れる電流iは、インダクタン
スLminの状態で電流値Icから電流値Ihまで立ち
上がり、この立ち上がり時間をt2とする。これらの立
ち上がり時間t1と立ち上がり時間t2との合計の立ち
上がり時間をTとし、この時間Tは一定であるとすると
上記式(3−1)より、下記式(3−2)のように表さ
れる。
【0057】
【数2】
【0058】そして、上記式(3−2)において、磁気
センサ3に加わる外部磁界の大きさに応じて、インダク
タンスLがLmaxからLminに変化する電流値Ic
がシフトするので、立ち上がり時間t1と立ち上がり時
間t2の大きさも変化することになる。したがって、外
部磁界の大きさに応じて、上述した立ち上がり時間Tの
間に磁気センサ3に流れる立ち上がりの電流値Ihも変
化することとなる。
【0059】よって、上述の図3および図4に示したよ
うに、磁気センサ3と抵抗7によって構成された積分回
路に、パルス幅Tおよびパルス電圧Vが一定の発振電圧
信号Vosを供給したときに生じる積分電流のピーク値
すなわち抵抗7に生じるピーク電圧Vrは、磁気センサ
3に加わった外部磁界Heの大きさに応じて変化するこ
ととなる。
【0060】ここで、上述の図3に示した磁気探知装置
の出力である電圧信号Veと発振電圧信号Vosのパル
ス幅Tの関係について説明する。
【0061】上記磁気探知装置を用いて実測したデータ
は図7のようになる。このデータより、パルス幅Tを大
きくすると電圧信号Veは小さくなることがわかる。
【0062】この現象は、上述した上記式(3−2)の
磁気センサに流れる立ち上がりの電流値Ihと立ち上が
り時間Tの関係から説明できる。
【0063】磁気センサに加わる外部磁界の大きさに応
じた電流値Icのシフトによって、立ち上がりの電流値
Ihが変化することは既に述べた。時間Tが大きくなる
と電流値Ihは大きくなるが、電流値Icのシフトによ
る電流値Ihの変化は小さくなる。この電流値Ihの変
化量が外部磁界の大きさに応じた電圧信号Veとなるの
で、パルス幅Tを人きくすると電圧信号Veは小さくな
るのである。
【0064】すなわち、この関係を利用し、従来の磁気
探知装置の出力である電圧信号Veが持つ温度特性を補
正しようとするものである。
【0065】具体的には、電圧信号Veが負の温度特性
を持つ場合は、発振電圧信号Vosのパルス幅Tに負の
温度特性を持たせれば良い。温度が高くなるとパルス幅
Tは小さくなり電圧信号Veは大きくなるので、従来の
磁気探知装置が持つ負の温度特性を補正することができ
る。
【0066】また、電圧信号Veが正の温度特性を持つ
場合は、パルス幅Tに正の温度特性を持たせれば良いこ
とは言うまでもない。
【0067】つぎに、パルス幅Tに温度特性を持たせる
ための方法について説明する。
【0068】図3に示したパルス信号発振器8の一構成
例を図8に示す。
【0069】このパルス信号発振器は、シュミットトリ
ガ回路15と抵抗16とコンデンサ17により無安定マ
ルチバイブレータ回路を構成している。この回路の時定
数は抵抗16とコンデンサ17の積で決まるので、出力
である発振電圧信号Vosのパルス幅Tも抵抗16とコ
ンデンサ17の積に比例する。したがって、抵抗16あ
るいはコンデンサ17に温度係数を持つものを使用すれ
ば、パルス幅Tに温度特性を持たせることができる。
【0070】以上のように、従来の磁気探知装置の出力
である電圧信号Veが負の温度特性を持つ場合は、抵抗
16あるいはコンデンサ17に負の温度係数を持つもの
を使用することによって、発振電圧信号Vosのパルス
幅Tに負の温度特性を持たせ、電圧信号Veの温度特性
を補正することができる。
【0071】また、従来の磁気探知装置の出力である電
圧信号Veが正の温度特性を持つ場合は、抵抗16ある
いはコンデンサ17に正の温度係数を持つものを使用す
ることによって、発振電圧信号Vosのパルス幅Tに正
の温度特性を持たせ、電圧信号Veの温度特性を補正す
ることができる。
【0072】図9に、−25℃から75℃における出力
電圧振幅Vax,Vayの変動を示すグラフを示す。従来の
磁気探知装置における温度特性の補償前では、「●」で
示すように、温度の変化によって出力電圧の振幅が大き
く変動していた。
【0073】そこで、パルス信号発振器8は、図10に
示す特性に従って、出力電圧振幅の変動に応じたパルス
幅のパルス信号を発生している。これにより、本発明を
適用した磁気探知装置は、図9における「○」で示すよ
うに、温度の変化が生じてもほとんど出力電圧の振幅に
変化が生じない高精度の出力電圧を得ることができる。
すなわち、温度変化の影響を受けることなく外部磁界を
高精度に探知することができる。
【0074】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明に係
る磁気探知装置によれば、検出する温度に基づいてパル
ス幅を変えてパルス信号を発生し、当該パルス信号を磁
気センサに供給すると共に、所定の周期に同期して上記
磁気センサに流れる電流が反転するように上記磁気セン
サにパルス信号を切り換えて供給し、上記所定の周期に
同期して上記磁気センサの出力電圧のピーク値をそれぞ
れ検出して、これらの差動を出力することにより、温度
変化によって生じる温度特性を補償するので、温度変化
の影響を受けることなく外部磁界を高精度に探知するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した磁気探知装置における磁気セ
ンサの一例を示す模式図である。
【図2】上記磁気センサによる外部磁界検出の原理を説
明するための図である。
【図3】上記磁気探知装置の一構成例を示す回路図であ
る。
【図4】上記磁気探知装置の各回路等における電圧波形
のタイムチャートである。
【図5】上記磁気センサと抵抗とからなる積分回路に電
流が立ち上がるときの状態をモデル化した回路図であ
る。
【図6】上記積分回路に流れる電流の立ち上がり時の様
子を説明する図である。
【図7】磁気探知装置の出力電圧とパルス信号発振器が
発生するパルス幅との関係を示すデータ図である。
【図8】上記パルス信号発振器の一構成例を示す回路図
である。
【図9】−25℃から75℃における出力電圧振幅対周
囲温度を示すデータ図である。
【図10】温度特性を補償するための出力電圧幅対パル
ス幅を示すデータ図である。
【図11】従来の磁気探知装置の出力電圧の温度特性を
示すデータ図である。
【符号の説明】
3 磁気センサ、7 抵抗、8 パルス信号発振器、9
アナログスイッチ、10a,10b ピーク検出器、
11 差動増幅器

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 温度を検出する温度検出手段と、 上記温度検出手段で検出された温度に基づいてパルス幅
    を変えてパルス信号を発生するパルス信号発生手段と、 磁性体に導線を巻き付けてなる磁気センサと、 上記パルス信号発生手段で発生されたパルス信号を上記
    磁気センサに供給すると共に、所定の周期に同期して上
    記磁気センサに流れる電流が反転するように上記磁気セ
    ンサにパルス信号を切り換えて供給するパルス信号反転
    手段と、 上記所定の周期に同期して上記磁気センサの出力電圧の
    ピーク値をそれぞれ検出するピーク検出手段と、 上記ピーク検出手段で検出されたピーク値の差動を出力
    する差動出力手段とを備えることを特徴とする磁気探知
    装置。
  2. 【請求項2】 上記パルス信号発生手段は、上記温度検
    出手段によって検出される温度が低いときはパルス幅の
    大きいパルス信号を発生し、上記温度検出手段によって
    検出される温度が高いときはパルス幅の小さいパルス信
    号を発生することを特徴とする請求項1記載の磁気探知
    装置。
  3. 【請求項3】 上記パルス信号発生手段は、パルス信号
    の時定数を決定するコンデンサ及び抵抗を備え、上記コ
    ンデンサ及び/又は上記抵抗は温度特性を有することを
    特徴とする請求項1記載の磁気探知装置。
JP11127342A 1999-05-07 1999-05-07 磁気探知装置 Withdrawn JP2000321068A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1680780B (zh) * 2004-02-04 2010-06-09 三星电子株式会社 利用罗盘确定地磁场及由此确定方位角的方法和装置

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