JP2000320816A

JP2000320816A - 酸水素式直接溶融炉システム

Info

Publication number: JP2000320816A
Application number: JP11164303A
Authority: JP
Inventors: Masahiro Matsunaga; 全央松永
Original assignee: MN Engineering Co Ltd
Current assignee: MN Engineering Co Ltd
Priority date: 1999-05-07
Filing date: 1999-05-07
Publication date: 2000-11-24

Abstract

(57)【要約】【課題】産業廃棄物や家庭から出る大量の都市ごみの
焼却処理を、効果的かつクリーンにして省コスト化を可
能とする酸水素ガス燃焼手段を採用した酸水素式直接溶
融炉システムを提供する。【解決手段】可燃ごみを焼却処理する溶融炉(1)は、
外形が垂直状に立設形成される縦型の焼却溶融塔(2)を
成し、その中程内部には焼却溶融床(3)を位置させた中
央部に導口(4)を設けた下部にスラグ受皿(5)を形成した
焼却溶融塔(2)外周部に、酸水素バーナー(6)、(6)を上下
にそれぞれ設けた溶融炉(1)を形成し、さらに前記酸水
素バーナー(6)には、水を電気分解して水素２、酸素１
の割合で混合ガス(c)を生成する酸水素ガス発生器(10)
より供給管(11)をもって連結し、かつ溶融炉(1)より排
出される高温の排ガス(b)が送られるガス燃焼炉(12)の
上部には、高温の排ガス(b)を利用する排熱ボイラー(1
6)及び蒸気タービン駆動式の発電機(17)を備えること
で、燃焼手段とする酸水素ガス発生器(10)に電力を供給
することも可能な酸水素式直接溶融炉システム。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明が属する技術分野】本発明は、産業廃棄物や家庭
から出る大量の都市ごみの焼却処理を、効果的かつクリ
ーンにして省コスト化を可能とする酸水素ガス燃焼手段
を採用した酸水素式直接溶融炉システムに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、産業廃棄物を始め大量の都市
ごみの加熱処理には、様々な技術が施された焼却炉が稼
働されている。とりわけ近年問題とする燃焼時に発生す
るダイオキシン処理対策にも効果的とされる、高温焼却
が可能な溶融炉による焼却処理技術も提供されている。
また通常これらの焼却炉や溶融炉に於ける燃焼手段とす
る燃料は、重油やＬＰＧバーナーをもって焼却している
のが一般的な加熱処理方法である。さらに有限ある化石
燃料の削減や燃焼時に発生する排ガス公害、省コスト化
などに対応するものとして、新しい燃焼手段や方法など
を施した加熱焼却処理方式として次のような技術も公知
公開されている。

【０００３】まず、特開平１０−１２２５４３号に示さ
れる技術は、水素・酸素混合ガスに炭化水素系添加物を
使用した焼却・灰溶融炉として提供されるものであり、
これは水素・酸素による混合ガスバーナーによって高温
で焼却灰を溶解するための灰溶融炉の技術である。ま
た、本出願人に於いても特願１０−３１１５８８号に示
すように、廃棄物の焼却処理技術として、該バーナーの
主燃料あるいは補助燃料として酸水素ガスを使用する方
式を採用した廃棄物の加熱処理システムも提供してい
る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】以上のような技術が施
された焼却及び溶融炉等が提供され、新しい焼却システ
ムとして期待されているが、ランニングコストや操作
性、省スペース省コスト化等の点に於いては次のよう
な課題があり更なる新しい技術が求められている。

【０００５】まず特開平１０−１２２５４３号に示され
る技術は、水素２・酸素１の割合による混合ガスに炭化
水素系添加物を添加した混合ガスを灰溶融炉に設けた６
本の混合ガス噴出用火口により、上段から下段にかけて
階段状底面部を流動する焼却灰を、各ステップ毎に順次
高温過熱溶解する方式を特徴とする灰溶融炉を構成する
ものであり、水を原料とする水素・酸素混合ガスを燃焼
手段とするものであるので、確かに従来の重油やＬＰＧ
などの燃料に比べるとクリーンでかつ経済性を持つもの
である。

【０００６】しかしながら、産廃や都市ごみの加熱処理
装置を成す焼却及び灰溶融の処理工程は、古くから多く
採用されている横型の水平方式を成す灰溶炉を形成する
ものであるので、一定の設置スペースを確保する必要が
ある焼却及び溶融炉となるので、期待されるような更な
るコンパク化は難しい。さらに上部から投入された焼却
灰はそのままでは均一に溶融流動しにくいので、混合ガ
ス噴出用火口部位に送り出すための灰押込み棒は欠かせ
ないものであり、加えて、灰溶融室の床は階段状底面部
を形成して溶融灰の自重に任せて順次高温過熱されて流
れるようにはしているが、酸素・水素混合ガスの火力が
弱かったり均一でないと溶融流動しにくくなるので、灰
溶融室に設ける混合ガス噴出用火口は、階段部の各ステ
ップ両サイドに夫々１対計６本設ける必要があり、また
前記の灰押込み棒や階段状底面部と合せて構成は複雑と
なり、シンプルにして機能的なものには至っていない灰
溶融炉である。

【０００７】さらに図示されてはいないが、ゴミ焼却部
に於ける燃焼手段としても水素・酸素混合ガスを利用し
てもよいとしているが、この焼却炉及び灰溶融炉は、従
来から多く見られるような焼却部と焼却灰及び灰溶融炉
部が、それぞれ分離形成された炉の形式であるので、少
なくともごみ焼却、焼却灰、溶融固化と三段階の区割過
程を経なければならない加熱処理システムであり、構成
の複雑化はもとよりメンテナンスやランニングコスト等
の削減は期待されるほどではない。

【０００８】また、本出願人に於ける特願１０−３１１
５８８号は、前述の技術同様に酸水素ガスを焼却炉及び
溶融炉の主燃料及び補助燃料としているものであり、水
を原料とするクリーンな焼却燃料を採用した点は大きな
特徴ではあるが、システム全体として更なる省コスト化
を図る要素をもつ焼却炉及び溶融炉の技術である。

【０００９】

【課題を解決するための手段】このような新しい燃焼手
段を採用した焼却炉及び溶融炉がもつ以上のような課題
を解決するために、本発明は次のような有効的にごみ焼
却処理が可能な酸水素式直接溶融炉システムを提供する
ものである。本発明に於ける溶融炉は、装置はコンパク
トでかつ有効にしてごみ焼却処理及び省コスト化を図る
めに、従来見られる焼却、焼却灰、溶融固化の過程を二
段階処理を省略して焼却・溶融固化の一元化によるごみ
処理ができる溶融炉システムとするために、溶融炉は上
から乾燥・余熱エリア、熱分解エリア、燃焼・溶融エリ
アを垂直立設状の焼却溶融塔を成す溶融炉とし、かつ一
定以上のごみが確保できる場合は、溶融炉から送られる
高温排ガスを利用するボイラーをもって駆動する発電機
を備えることで、前記溶融炉の有効的な燃焼手段と合せ
て酸水素ガス発発生装置の電力供給をも可能とすること
で、高い燃焼効率、省コスト、コンパクト化が図れる酸
水素式直接溶融炉システムを提供するものとする。

【００１０】

【発明の実施の形態】そのために、本発明による酸水素
式直接溶融炉システムに於ける溶融炉（１）は、外形が
垂直立設する縦型の焼却溶融塔（２）を成し、その下部
内側には導口（４）を有する焼却溶融床（３）を形成
し、かつその外周部位の上下２段には酸水素バーナー
（６），（６）を備えた溶融炉（１）本体を形成する。
さらに前記の酸水素バーナー（６），（６）には、酸水
素ガス発生器（１０）により水を電気分解して水素２、
酸素１の混合ガス（ｃ）を供給する燃焼方式を採用する
クリーンな燃焼手段とともに、垂直立設型の焼却溶融塔
（２）とすることで、上部を乾燥・余熱エリア（イ）、
中程の上段酸水素バーナー（６）部を熱分解エリア
（ロ）、下段の酸水素バーナー（６）部を焼却・溶融エ
リア（ハ）と、それぞれの過程が焼却溶融塔（２）内部
に直線的に形成される溶融炉（１）としているので、上
部より投入されたごみ（ａ）の焼却及び焼却灰の溶融固
化されるスラグ（ｄ）までが一元的に処理可能となり、
かつごみ（ａ）の自燃性と水素の相乗効果とが相まって
超高温を得られるので、一気に一般ごみはもとより、従
来は難燃物として焼却しにくかった貝殻なども直接焼却
・溶融固化することがスムーズにできるものとなる。

【００１１】さらに超高温を可能とする方式であるの
で、溶融固化されたスラグは環境庁告示第４６号の基準
に照らして見ても、一般に有害と言われるカドミウム、
有機リン、六価クロム、砒素、総水銀、ＰＣＢ、アルキ
ル水銀、セレンいずれも不検出の結果を得られることが
実証され、かつ課題とするダイオキシン削減効果をも図
れる溶融炉となる。

【００１２】加えて有効的な縦型形状を成す溶融炉
（１）であるので、設置スペースも大幅に減らせてコン
パクト化が一層図れる。さらにガス燃焼炉（１２）上部
には、排熱ボイラー（１６）及び蒸気タービン駆動によ
る発電機（１７）を構成しているので、一定量のごみを
確保できる場合は、高温の排ガス（ｂ）をエネルギーと
して利用できる排熱ボイラー（１６）に駆動する発電機
（１７）を稼動させて自家発電を起すことができる。ま
たその電力は前記溶融炉（１）の燃料となる酸水素ガス
発生器（１０）に供給することで、電力の省コスト化も
合せて得られる酸水素式直接溶融炉システムを可能とす
る。

【００１３】

【実施例】本発明の実施例を図１に示す酸水素式直接溶
融炉システム概略図及び図２に示す溶融炉一部欠損斜視
図、図３に示す本システム構成ブロック図を参照して説
明する。まず、一般ごみや産廃可燃ごみを焼却処理する
溶融炉（１）は、外形が垂直状に立設形成される縦型の
焼却溶融塔（２）を成すものとし、その中程内部には焼
却溶融床（３）を位置させた中央部に導口（４）を設
け、さらにその下部にはスラグ受皿（５）を形成した焼
却溶融塔（２）の中程部位及び焼却溶融床（３）部の外
周部に、内部に火炎が噴出される酸水素バーナー
（６）、（６）を上下にそれぞれ設けた溶融炉（１）を
形成する。さらにその焼却溶融塔（２）の上部にはホッ
パー（７）とごみ（ａ）投入コンベア（８）を、下部の
スラグ受皿（５）部には搬出コンベア（９）を位置させ
て溶融炉（１）本体を構成する。

【００１４】さらに前記の酸水素バーナー（６）には、
水を電気分解して水素２、酸素１の割合で生成される混
合ガス（ｃ）を酸水素ガス発生器（１０）に連結した供
給管（１１）をもって供給する。次に溶融炉（１）より
排出される高温の排ガス（ｂ）は、ガス燃焼炉（１
２）、ガス冷却器（１３）、バグフイルター（１４）に
経路管（１５）を経て至るが、加えてこの工程に於ける
前記のガス燃焼炉（１２）の上部には、高温の排ガス
（ｂ）を利用して発電するための排熱ボイラー（１６）
を位置し、それに作用して発電する蒸気タービン駆動式
の発電機（１７）が形成され、その電力はリード線（１
８）をもって酸水素ガス発生器（１０）に供給される構
成とした酸水素式直接溶融炉システムを構成する。

【００１５】以上のような基本焼却処理システムを成す
が、酸水素ガス発生器（１０）は通常は一般電源から電
力を取り込めるものであるが省略して図示していない。
また排熱ボイラー（１６）及び発電機（１７）の関わり
は詳しく図示説明していないが、通常のボイラー発電方
式で差し支えないものである。また図３に示す本システ
ムの構成ブロック図に示すその他の過程等は図１〜２に
於いては省略して図示していない。さらに焼却溶融塔
（２）に設ける酸水素バーナー（６）は特に個数を限定
しないが、上段は対向させて設けると一層好ましい。さ
らに溶融炉（１）には燃焼手段である酸水素バーナー
（６）は不可欠であるが、ガス燃焼炉（１２）の燃焼効
率を上げるために二次燃料として同様に酸水素バーナー
（６）を設けてもよいが、必ずしも設けなくても差し支
えない。

【００１６】

【発明の効果】本発明による直接溶融炉システムは以上
のような構成を成しているので、次のような効果や長所
を提供するものである。まず溶融炉は垂直立設する塔型
を成した内部に、焼却溶融床を形成した焼却溶融塔の外
周部に設けた酸水素バーナーによって、無尽蔵に近い水
を燃料とするクリーンでエネルギー熱量の高い酸水素ガ
スによるごみの焼却及び焼却灰の溶融固化ができる高機
能型の溶融炉である。また溶融炉はユニークな垂直立設
する縦型としているので、上部より乾燥・余熱エリア、
熱分解エリア、焼却・溶融固化エリアと直線的な処理過
程を形成するので、従来法に見られるような焼却、焼却
灰、溶融固化の過程を２段階省略して、直接的に焼却・
溶融固化の一元化が図れる焼却システムを可能としてい
る。

【００１７】加えて、ごみの自燃性と水素を主燃料とす
る相乗作用により、きわめて高い超高温を得ることで焼
却及び焼却灰の溶融がスムーズにできることに加え、溶
融固化されたスラグは、環境庁告示第４６号の基準に照
らして見ても、有害と言われるカドミウム、有機リン、
六価クロム、砒素、総水銀、ＰＣＢ、アルキル水銀、セ
レンいずれも不検出の好結果を得ることが可能な溶融炉
である。また超高温焼却が可能であるので、現在最も課
題とするダイオキシン対策にもきわめて効果的にして高
機能型の酸水素式直接溶融炉システムを提供するもので
あり、また特徴ある縦型方式により装置のコンパクト化
も大幅に図れる。

【００１８】さらにガス燃焼炉の上部には、排熱ボイラ
ー及び蒸気タービン駆動による発電機を備えたシステム
を形成しているので、通常、溶融炉の燃焼手段となる酸
水素ガス発生器は一般電源から得るが、一定量のごみが
確保できる場合は、高温の排ガスを利用する排熱ボイラ
ー及び蒸気タービン発電機を稼動して自家発電でき、ま
たその電力はそのまま酸水素ガス発生器に供給すること
で、排ガスを有効に電気エネルギーとして無駄なく利用
できる、従来には見られないごみ焼却・溶融・灰固化処
理システムを提供できるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を示す酸水素式直接溶融炉システムの基
本概略図である。

【図２】本システムの溶融炉を示す一部欠損斜視図であ
る。

【図３】本発明の酸水素式直接溶融炉システムを示す構
成ブロック図である。

【符号の説明】

１・・・溶融炉、２・・・焼却溶融塔、３・・・焼却溶
融床、４・・・導口、５・・・スラグ受皿、６・・・酸
水素バーナー、７・・・ホッパー、８・・・投入コンベ
ア、９・・・搬出コンベア、１０・・・酸水素ガス発生
器、１１・・・供給管、１２・・・ガス燃焼炉、１３・
・ガス冷却器、１４・・・バグフイルター、１５・・・
経路管、１６・・・排熱ボイラー、１７・・・発電機、
１８・・・リード線、１９・・・触媒塔、２０・・・吸
引ブロワー、ａ・・・ごみ、ｂ・・・排ガス、ｃ・・・
混合ガス、ｄ・・・スラグ、イ・・・乾燥・余熱エリ
ア、ロ・・・熱分解エリア、ハ・・・焼却・溶融エリア

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】一般可燃ごみを焼却溶融固化するシステ
ムであって、溶融炉は垂直立設する縦形状を成し、その
内部には導口を有する焼却溶融床を形成した焼却溶融塔
の外周部位に、酸水素発生器に連結された複数個の酸水
素バーナーを設けた溶融炉を形成する。さらに前記焼却
溶融床の下部にスラグ搬出コンベアを位置させ、かつ上
部にはごみ投入コンベアを備えた溶融炉に併設されるガ
ス燃焼炉には、排熱ボイラーをもって成る蒸気タービン
式の発電機を構成したことを特徴とする酸水素式直接溶
融炉システム。
【請求項２】ガス燃焼炉に酸水素ガス発生器に連結さ
れる酸水素バーナーを設けた構成である請求項１に記載
の酸水素式直接溶融炉システム。