JP2000320393A - 電子制御内燃機関用制御パラメータ値設定装置及び電子制御内燃機関用制御パラメータ値設定方法 - Google Patents

電子制御内燃機関用制御パラメータ値設定装置及び電子制御内燃機関用制御パラメータ値設定方法

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JP2000320393A
JP2000320393A JP13487699A JP13487699A JP2000320393A JP 2000320393 A JP2000320393 A JP 2000320393A JP 13487699 A JP13487699 A JP 13487699A JP 13487699 A JP13487699 A JP 13487699A JP 2000320393 A JP2000320393 A JP 2000320393A
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Kunio Fujiwara
邦夫 藤原
Masayuki Miyamoto
政幸 宮本
Akira Takahashi
晃 高橋
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Mitsubishi Motors Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子制御内燃機関用制御パラメータ値設定装
置及び設定方法に関し、少ないデータにより最適制御パ
ラメータを設定できるようにする。 【解決手段】 複数の制御パラメータを通じて内燃機関
1を最適に電子制御すべく、内燃機関1の作動状態に対
する第1,第2の各制御パラメータの最適値を設定する
際、各制御パラメータの初期値を設定する手段31と、
第1,第2の制御パラメータに関する初期値を増減して
内燃機関1を運転させ、機関の応答値を制限値にする第
1,第2の制御パラメータに関する制限点を推定する手
段34,35と、該制限点の検出開始時の第1,第2の
制御パラメータの初期値と該制限点における第1,第2
の制御パラメータの値との平均値又は該制限点を新初期
値に再設定する手段31Aと、該再設定による前後の該
応答値又は該制御パラメータ値の差が所定値以下になっ
たら、ある着目値を最良とする制御パラメータを最適値
に設定する手段36とをそなえる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子制御内燃機関
を制御するための、点火時期,空燃比,EGR率等の制
御パラメータの最適値を設定する、電子制御内燃機関用
制御パラメータ値設定装置及び電子制御内燃機関用制御
パラメータ値設定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子制御内燃機関(以下、エンジ
ンという)の技術開発が進められており、このような電
子制御エンジンでは、例えばエンジン回転数やエンジン
負荷(アクセル開度や平均有効圧等)などのエンジン運
転状態に基づいて、点火時期,空燃比,燃料噴射量,燃
料噴射時期,EGR率等の制御パラメータを電気信号に
よって制御して、エンジンの制御を行なっている。
【0003】このようなエンジンの電子制御では、一般
には、エンジン作動状態(例えばエンジン回転数や平均
有効圧)に対して最適な制御パラメータを対応させたマ
ップに基づいて制御パラメータを制御するようになって
いる。なお、エンジン作動状態に対して最適な制御パラ
メータとは、あるエンジン作動状態において、エンジン
の応答値を最良にする制御パラメータであり、例えば燃
費を最良にする制御パラメータであったり、例えば出力
トルクを最大にする制御パラメータであったりする。こ
のようなマップは、予め実験により各エンジン作動状態
において最適な制御パラメータを求めて作成している。
【0004】なお、エンジンの応答値には、燃費や出力
トルク以外に、エンジンの回転変動率や排ガス濃度や排
気温度やノッキング状態を示す値(ノックセンサ値)等
があるが、これらの各応答値の全てについて最良の状態
を得られればよいが、これは実際には困難であり、これ
らの各応答値の一部に着目してかかる応答値については
最良又は最良に近い状態として、他の応答値については
一定の基準をクリヤするような制御パラメータ値を最適
制御パラメータ値に設定することが現実的である。そこ
で、例えば燃費を最良にする点火時期マップをつくる場
合 には、まず、他の制御パラメータ(例えば、燃料噴
射量,燃料噴射時期,EGR率等)を一定にしておい
て、点火時期を少しずつ変化させていき、各点火時期に
おける燃費を測定していって、燃費が最良となる点火時
期を最適点火時期(最適な制御パラメータ)に選定する
ことができる。
【0005】すなわち、十分に広い範囲で点火時期に対
する燃費を測定し、その結果として、図8に示すような
データが得られる。つまり、このデータd1 ,d2 ,d
3 ,・・・,dn-1 ,dn は、点火時期を遅角側から進
角側へ少しずつ変更させていって得られたn個のデータ
であり、これらのデータを、点火時期をx軸,燃費をy
軸とした座標上にプロットしたものである。
【0006】このようなデータが得られたら、燃費以外
の制限条件(他の応答値の条件)を検証して、有効なデ
ータのみを取り上げる。図8に示す例では、点火時期が
境界値(境界線)Aよりも遅角側では、排気温度が上昇
し過ぎて排気系の許容温度を越えてしまうので除外す
る。また、点火時期が境界値(境界線)Bよりも進角側
では、ノッキングが生じてしまうので除外する。この例
では、データd1 が境界値Aよりも遅角側なので除外さ
れ、データdn-1 ,dn が境界値Bよりも進角側なので
除外される。
【0007】残されたデータd2 ,d3 ,・・・,d
n-3 ,dn-2 の中から、燃費を最良とする(即ち、燃費
を最小とする)データMを求めると、データdk がこれ
に相当する。このデータM(=dk )の点火時期xk
最適点火時期(燃費が最良となる点火時期)となる。こ
こでは、部品特性やエンジンの作動環境のバラツキを考
慮して、この最適点火時期xk よりもΔxだけ遅角側に
余裕を取った点Oを最良点に設定する。つまり、最適点
火時期は、xk よりもΔxだけ遅角側の時期とする。
【0008】次に、点火時期以外の制御パラメータ(例
えば、空燃比,燃料噴射量,燃料噴射時期,EGR率
等)のいずれかを一定値だけ変更して、上述と同様に、
点火時期を少しずつ変化させていき、各点火時期におけ
る燃費を測定し、燃費以外の制限条件(他の応答値の条
件)を検証して、有効なデータのみを取り上げて、残さ
れたデータの中から、燃費を最良とするデータM′を求
め、このデータM′の点火時期xk ′を最適点火時期
(燃費が最良となる点火時期)とする。さらに、部品特
性やエンジンの作動環境のバラツキを考慮して、この最
適点火時期xk ′よりもΔxだけ遅角側に余裕を取った
点O′を最良点に設定する。
【0009】空燃比,燃料噴射量,燃料噴射時期,EG
R率等の点火時期以外の制御パラメータについて1パラ
メータずつ一定値だけ変更しては、上記の作業を繰り返
することにより、多数の最良点O,O′,O″・・・を
設定し、これらの最良点O,O′,O″・・・の中から
最適値を選択し、これを最適点火時期に設定する。この
ようにして、エンジン作動状態(例えばエンジン回転数
や平均有効圧)を変更しながら、多数のエンジン作動状
態に対して、それぞれ最適点火時期を求め、これらを総
合することで、エンジン作動状態に対して最適点火時期
を対応させたマップをつくることができる。
【0010】なお、図8に示す例では、着目する応答値
(主条件)を燃費として、燃費が最良(最小)となる点
火時期を最適点火時期に選定しているが、例えば、着目
する応答値(主条件)を出力トルクとして、出力トルク
が最良となる点火時期を選定する場合には、燃費に代え
て出力トルク(出力トルクに応じて生じる軸のトーショ
ン等のパラメータ)をy軸にとって、このy軸の出力ト
ルクの値が最大(最良)となる点火時期を最適点火時期
に選定することになる。
【0011】また、着目する応答値(主条件)をエンジ
ンの回転変動率として、回転変動率が最良となる点火時
期を選定する場合には、出力トルクに代えて回転変動率
をy軸にとって、このy軸の回転変動率の値が最小(最
良)となる点火時期を最適点火時期に選定することにな
る。このように、最適点火時期といっても、着目する応
答値(主条件)に応じてそれぞれ設定することができ
る。そして、主条件がm個あれば、これに応じて最適点
火時期も最大m個選定されることになる。
【0012】そこで、実際には、これらの複数の最適点
火時期に基づいて、試験者の判断によって、各作動状態
に対して1つの最適点火時期を設定するようにしてい
る。また、エンジン制御に、例えば燃費を優先してエン
ジンを運転するエコノミー運転モードと、エンジン出力
を優先してエンジンを運転するスポーツ運転モードとい
うように、制御モードが選択可能になっていれば、モー
ド毎に最適点火時期を設定することも考えられる。
【0013】さらに、上述のような最適制御パラメータ
値の設定は、前述のように、点火時期のみならず、空燃
比,燃料噴射量,燃料噴射時期,EGR率等の制御パラ
メータについても行なわれ、いずれも、出力トルクや燃
費や排ガス濃度等の着目する応答値を最良とする最適制
御パラメータ値が設定される。また、この最適制御パラ
メータ値の設定にあたって、出力トルクや燃費や排ガス
濃度等の着目する応答値以外の応答値(例えば排気温度
やノッキング状態)が制限条件(一定の基準、図8の境
界値A,B参照)をクリヤしているか否かについて適宜
検証する。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
手法では、着目する応答値が複数ありこれらの複数の応
答値(例えば出力トルクや燃費や回転変動率等)に対し
て最適制御パラメータを設定する場合は、試験者の判断
によってこれを行なっているため、最適制御パラメータ
を適切に設定するには、試験者に経験と熟練が要求さ
れ、複数の主条件に対する最適制御パラメータの設定
は、誰にでも容易にしうるものではない。
【0015】そこで、複数の制御パラメータについて、
主応答値(例えば、出力トルク,燃費)以外の応答値
(例えば、排気温度,ノッキング状態,NOx排出量,
スモーク発生量,失火状態等)が規定の条件値を満足す
るようにしながら、最適値を同時に設定する、図9に示
すような手法も考えられる。図9(A)において、横軸
はパラメータu(例えば空燃比)、縦軸はパラメータv
(例えばEGR率)であり、これらのパラメータu,v
に関してそれぞれ十分に広い範囲で、具体的なパラメー
タ値ui ,vj を微小間隔で多数設定して、これらのパ
ラメータ値ui ,vj の全ての組み合わせ条件でエンジ
ンを運転して、エンジンの応答値(例えば、燃費,出力
トルク,排気温度,ノッキング状態,NOx排出量,ス
モーク発生量,失火状態等)d11,d12・・・d21,d
22・・・を計測する。そして、この計測結果から、出力
トルク,排気温度,ノッキング状態,NOx排出量,ス
モーク発生量,失火状態等の各応答値が許容条件を満足
できるui ,vj の領域を限定して、この限定された範
囲内で、主応答値を最良にするui ,vj を検出するの
である。
【0016】図9(A)に示す例では、制限条件Aと付
した線がNOx排出量が許容値を越える限界を示す線
(制限線)であり、制限条件Bと付した線が失火状態が
許容値を越える限界を示す線(制限線)である。つま
り、制限条件Aの線よりも右下側がA制限域(NOx排
出量が許容値を越える領域)であり、制限条件Bの線よ
りも右上側がB制限域(失火状態が許容値を越える領
域)である。したがって、測定したパラメータ値ui
j の全ての組み合わせのうち、これらのA制限域,B
制限域を除いた領域が、制限条件A(NOx排出量)と
制限条件B(失火状態)とを共に満足するものとなる。
ここでは、これらの制限条件A,Bを共に満足する
i ,vj は、その他の条件(排気温度,ノッキング状
態,スモーク発生量等)についても満足するものとす
る。
【0017】したがって、制限条件A,Bを共に満足す
るui ,vj の中から主応答値(ここでは、燃費とす
る)を最良にするui ,vj の値(最適値)を求めれば
よい。ところで、主応答値である燃費は、制御パラメー
タ値である空燃比uに対して単調増加の傾向を有してい
る。このように、主応答値が制御パラメータ値に対して
単調増加の傾向を有していることが多く、このような主
応答値の場合、制限条件A,Bを共に満足するui ,v
j の領域の中で、制御パラメータ(空燃比)uの値の最
も大きいものが、最適値Mとなる。ここで、インジェク
タ等の特性バラツキを考慮して、制御パラメータu,v
のいずれについても制限条件A,Bに対して余裕をもつ
ように、最適値Mに相当するu,v値に対して、それぞ
れΔu,Δvだけ減少させた値O1 (u0 ,v0 )を最
適値に設定する。
【0018】さらに、他の制御パラメータx,yに対し
ても最適値M′を設定する場合には、図9(B)にしめ
すように、上述のようにして設定された制御パラメータ
u,vについては、最終的な最適値として設定したO1
(u0 ,v0 )に固定して、上述の制御パラメータu,
vの最適値Mを設定した場合と同様に処理を行なって、
制限条件A′,B′に対して余裕をもつように、最適値
M′をΔx,Δyだけ減少させた値O2 (x0 ,y0
を最適値に設定する。
【0019】4つの制御パラメータu,v,x,yにつ
いてよりバランスよく、最適値を設定するには、上述の
ようにして得られたO2 (u0 ,v0 ,x0 ,y0 )を
始点として、上述の処理を繰り返していき、O3 ,O4
・・・と求めていくことで、最適値が収束した値を、最
終的な最適値に設定する。もちろん、エンジン作動状態
(例えばエンジン回転数や平均有効圧)を変更しなが
ら、多数のエンジン作動状態に対して、それぞれこのよ
うな最適値を求め、これらを総合することで、エンジン
作動状態に対して各制御パラメータの最適値を対応させ
たマップをつくることができる。
【0020】しかしながら、上述のような手法で電子制
御内燃機関の最適制御パラメータ値を設定する場合、多
数のデータを必要とするため、データを得るための試験
の工数や時間が膨大に必要になってしまう。つまり、正
しくデータを取るためには、各設定条件においてエンジ
ンの作動状態が安定していなくてはならず、1点のデー
タを取るために数分程度の時間が必要となる場合が多
い。
【0021】そして、1つのエンジン作動状態に対して
も多数のデータが必要な上に、エンジン作動状態を微小
に変化させて、多数のエンジン作動状態において最適制
御パラメータ値を求めることで、はじめてエンジンを制
御するためのマップをつくることが可能になるため、デ
ータを得るための試験の工数や時間が膨大に必要になっ
てしまうのである。
【0022】また、このように、データを得るための試
験の工数や時間が膨大に必要であり、最適制御パラメー
タの設定は容易ではないため、個々のエンジン毎に最適
制御パラメータを設定するわけにはいかず、同種のエン
ジンについては、そのサンプルとなる1つのエンジンに
ついて最適制御パラメータを求めて、これを他の同種の
エンジンの最適制御パラメータに用いるようにしてい
る。このため、前述のように、個々のエンジンの部品特
性やエンジンの作動環境のバラツキを考慮して、1つの
エンジンについて求めた最適制御パラメータよりも適当
に安全側の点を最適値に設定しており、個々のエンジン
に最適の制御パラメータを設定することはできない。
【0023】本発明は、上述の課題に鑑み創案されたも
ので、少ないデータにより電子制御内燃機関の最適制御
パラメータを設定できるようにすることや、電子制御内
燃機関の複数の応答値に対する最適制御パラメータの設
定を容易にしかも適切に行なえるようにした、電子制御
内燃機関用制御パラメータ値設定装置及び電子制御内燃
機関用制御パラメータ値設定方法を提供することを目的
とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1記載
の本発明の電子制御内燃機関用制御パラメータ値設定装
置では、内燃機関用制御手段により複数の制御パラメー
タを通じて電子制御内燃機関をその作動状態に応じて最
適に制御すべく、第1,第2の各制御パラメータの最適
値をそれぞれ設定するにあたり、初期値設定手段で、上
記の各制御パラメータ毎に最適値検出用制御パラメータ
値としての初期値を設定し、制限点推定手段で、該初期
値設定手段により設定された上記の各初期値を上記の各
制御パラメータ値として該電子制御内燃機関を運転さ
せ、この運転状態から上記の第1及び/又は第2の制御
パラメータに関する初期値を増加及び減少して該電子制
御内燃機関を運転させて、複数の応答値を検出すると共
に、該複数の応答値のうちのいずれかの応答値を制限値
にする上記の第1及び/又は第2の制御パラメータに関
する制限点を推定する。
【0025】さらに、初期値再設定手段で、該制限点推
定手段により該制限点が推定されると、該制限点の推定
開始時の上記の第1及び/又は第2の制御パラメータ値
と該制限点における上記の第1及び/又は第2の制御パ
ラメータ値との中間点,及び該制限点の何れかを、上記
の第1及び/又は第2の制御パラメータに関する初期値
に変更して、判定手段で、該複数の応答値のうちの1つ
の応答値又は上記の第1又は第2の制御パラメータ値の
うちのいずれかの値の、該初期値再設定手段による初期
値変更の前後における差が、所定値以下になったか否か
を判定する。
【0026】そして、該判定手段により該差が該所定値
以下になったと判定されたら、最適制御パラメータ値設
定手段によって、該1つの応答値又は上記の第1又は第
2の制御パラメータ値のうちのいずれかの値に関する該
初期値変更前後の各値のうち、より良好な値を与える点
を最良点とし、該最良点における上記の第1又は第2の
制御パラメータ値をそれぞれ最良値として設定する。
【0027】請求項2記載の本発明の電子制御内燃機関
用制御パラメータ値設定方法では、内燃機関用制御手段
により複数の制御パラメータを通じて電子制御内燃機関
をその作動状態に応じて最適に制御すべく、第1,第2
の各制御パラメータの最適値をそれぞれ設定するにあた
り、まず、上記の各制御パラメータ毎に最適値検出用制
御パラメータ値としての初期値を設定し(初期値設定ス
テップ)、次に、 該初期値設定ステップにより設定さ
れた上記の各初期値を上記の各制御パラメータ値として
該電子制御内燃機関を運転させ、この運転状態から上記
の第1及び/又は第2の制御パラメータに関する初期値
を増加及び/又は減少して該電子制御内燃機関を運転さ
せて、複数の応答値を検出すると共に、該複数の応答値
のうちのいずれかの応答値を制限値にする上記の第1及
び/又は第2の制御パラメータに関する制限点を推定す
る(制限点推定ステップ)。
【0028】該制限点推定ステップにより該制限点が推
定されると、該制限点の推定開始時の上記の第1及び/
又は第2の制御パラメータ値と該制限点における上記の
第1及び/又は第2の制御パラメータ値との中間点,及
び該制限点の何れかを、上記の第1及び/又は第2の制
御パラメータに関する初期値に変更し(初期値再設定ス
テップ)、該複数の応答値のうちの1つの応答値又は上
記の第1又は第2の制御パラメータ値のうちのいずれか
の値の、該初期値再設定ステップによる初期値変更の前
後における差が、所定値以下になったか否かを判定する
(判定ステップ)。
【0029】そして、該判定ステップにより該差が該所
定値以下になったと判定されたら、該1つの応答値又は
上記の第1又は第2の制御パラメータ値のうちのいずれ
かの値に関する該初期値変更前後の各値のうち、より良
好な値を与える点を最良点とし、該最良点における上記
の第1又は第2の制御パラメータ値をそれぞれ最良値と
して設定する(最適制御パラメータ値設定ステップ)。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、図面により、本発明の実施
の形態について説明する。 〔第1実施形態〕まず、第1実施形態にかかる電子制御
内燃機関用制御パラメータ値設定装置及び電子制御内燃
機関用制御パラメータ値設定方法、特に、筒内噴射式エ
ンジンの圧縮行程噴射時において希薄燃焼を行なう場合
の制御パラメータ値設定装置及び設定方法について、図
1〜図4を参照して説明する。
【0031】図1は、本装置の構成を示す模式図であ
り、本装置は、図1に示すような電子制御内燃機関(以
下、電子制御エンジンという)1の制御に用いられる制
御パラメータの最適値を設定するためのものである。電
子制御エンジン1では、例えばエンジン回転数Neやエ
ンジン負荷(アクセル開度や平均有効圧Pe等)などの
エンジン運転状態(作動状態)に応じて、点火時期,空
燃比,燃料噴射量,燃料噴射時期,EGR率等の制御パ
ラメータを制御される。
【0032】この制御パラメータは、機関用制御手段と
してのECU(電子制御ユニット)2を通じてエンジン
運転状態に応じて最適な値になるように調整されるが、
このようなエンジンの電子制御では、一般には、エンジ
ン作動状態(例えばエンジン回転数や平均有効圧)に対
して最適な制御パラメータを対応させたマップに基づい
て制御パラメータを制御するようになっている。
【0033】本実施形態では、最適値を設定する制御パ
ラメータが、空燃比(第2の制御パラメータ)u,EG
R率(第1の制御パラメータ)v,燃料噴射終了時期
(燃料噴射時期)(第4の制御パラメータ)x,点火時
期(第3の制御パラメータ)yである場合を例に説明す
る。なお、空燃比uはリーン側を正方向としリッチ側を
負方向としている。したがって、空燃比uについては、
制御パラメータ値の増大側とは空燃比のリーン側に相当
し、制御パラメータ値の減少側とは空燃比のリッチ側に
相当する。また、燃料噴射終了時期x,点火時期yはそ
の進角側を正方向とし遅角側を負方向としている。した
がって、燃料噴射終了時期x,点火時期yについては、
制御パラメータ値の増大側とは進角側に相当し、制御パ
ラメータ値の減少側とは遅角側に相当する。
【0034】また、最適な制御パラメータ値(制御パラ
メータの最適値)は、エンジンの応答値の一つである燃
費とNOx排出量と失火状態とに着目して設定する。そ
して、燃費を第3の応答値(主応答値)とし、NOx排
出量を第1の応答値とし、失火状態を第2の応答値とし
て、NOx排出量と失火状態とに基づいて、それぞれそ
の許容限度を示す制限値をそれぞれ設定し、これらの制
限値を越えない領域内で、主応答値である燃費を最良
(最小)にする値を最適値に設定する。
【0035】このため、図1に示すように、本装置は、
燃費検出装置11,NOxセンサ14,失火センサ15
と、これらの検出系(応答値検出手段)からのデータを
処理するデータ処理装置20と、データ処理装置20か
らのデータに基づいて最適制御パラメータ値M〔=(u
best,vbest,xbest,ybest)〕を設定するための処
理を行なうCPU(制御パラメータ値設定用処理手段)
30と、CPU30で設定された最適値検出用制御パラ
メータ値を制御パラメータ値x,yとしてECU2に出
力しECU2を通じて電子制御エンジン1を運転させる
最適値検出用運転指令手段としてのパラメータ可変装置
40とをそなえている。
【0036】また、エンジン1の作動状態(例えば、エ
ンジン回転数Neや平均有効圧Pe)を設定するため
に、運転指令装置3がそなえられている。この運転指令
装置3は、例えばアクセル開度θacとエンジンの回転負
荷とを調整してエンジン回転数Ne及び平均有効圧Pe
を所要状態に安定させながら、本装置による電子制御内
燃機関用制御パラメータの設定試験を行なう。
【0037】燃費検出装置11は、エンジン1の応答値
の一つである燃費を検出する応答値検出手段であり、エ
ンジン1に適当な回転負荷を与えつつ例えば燃費に応じ
て生じる燃料供給量と燃料リターン量との差に基づいて
燃費を検出する。NOxセンサ13は、エンジン1の応
答値の一つであるNOx排出量(排気中のNOx濃度)
を検出する応答値検出手段である。失火センサ15は、
エンジン1の応答値の一つである失火状態を検出する応
答値検出手段である。データ処理装置20では、燃費検
出装置11で検出されたエンジン1の燃費データ,NO
xセンサ14で検出されたエンジン1のNOx排出量,
失火センサ15で検出されたエンジン1の失火の程度
を、それぞれ所定モードの信号に変換してCPU30に
出力する。
【0038】CPU(制御パラメータ値設定用処理手
段)30には、図1に示すように、初期値設定手段(初
期値再設定手段31Aを含む)31と、第1初期値変更
手段32及び第2初期値変更手段33と、第1制限点推
定手段34及び第2制限点推定手段35の2つの制限点
推定手段と、初期値再設定指令手段37Cと、最適制御
パラメータ値設定手段〔確認手段(判定手段)36Bを
含む〕36と、再処理指令手段37Aと、推定ステージ
変更手段37Bといった各機能要素がそなえられてい
る。
【0039】本実施形態では、制御パラメータの最適値
を設定するにあたり、空燃比(第2の制御パラメータ)
u,EGR率(第1の制御パラメータ)vを変更しなが
ら最適値を推定する第1ステージと、燃料噴射終了時期
(燃料噴射時期)(第4の制御パラメータ)x,点火時
期(第3の制御パラメータ)yを変更しながら最適値を
推定する第2ステージとをそなえ、推定ステージ変更手
段37Bの指令に応じて、第1ステージから第2ステー
ジへと切り換えられて、4つの制御パラメータu,v,
x,yの最適値を同時に設定する。また、第1ステージ
では、最適値を暫定的に決めるが、第1ステージから第
2ステージへの移行時には、この第1ステージで暫定的
に決められた各制御パラメータの最適値を初期値に設定
する。
【0040】初期値設定手段31は、最適値検出用制御
パラメータ値としての初期値を設定するものであり、エ
ンジンの各制御パラメータ(即ち、空燃比u,EGR率
v,燃料噴射終了時期x,点火時期y)についての最適
値検出用制御パラメータ値として、それぞれ1つの初期
値Si 〔図2(A)参照〕を設定する。また、この初期
値設定手段31は、初期値再設定指令手段37Cからあ
る制御パラメータに関して初期値再設定指令があると、
該当する制御パラメータについてはこの指令に基づいて
初期値を再設定する機能(初期値再設定手段)31Aも
有している。
【0041】したがって、第1ステージでは、第1回目
の初期値はS10とし、以後、初期値再設定指令がある
と、初期値をS11,S12,S13,S14・・・としてい
く。また、第2ステージでは、第1回目の初期値をS20
(=M1 )とし、以後、初期値再設定指令があると、初
期値をS21,S22,S23,S24・・・としていく。な
お、初期値を総称してSと表記する。
【0042】また、推定ステージ変更手段37Bから第
1ステージから第2ステージへのステージ変更指令があ
った場合には、第1ステージで暫定的に決められた各制
御パラメータの最適値を初期値に設定する。なお、エン
ジンの制御パラメータには、上記の4つの制御パラメー
タ以外のものもあるが、これらについても予め一定の初
期値が設定される。
【0043】なお、各制御パラメータの第1ステージで
の第1回目の初期値S10(uS10 ,vS10 ,xS10 ,y
S10 )は、それぞれ予め規定された所定の設定範囲内に
おいて設定することが好ましい。この場合の所定の設定
範囲とは、制限条件(NOx排出量に関する制限条件を
越えない範囲内で且つ失火状態に関する制限条件を越え
ない範囲内であること)を十分に満足するような制御パ
ラメータ値の範囲であり、一般的なエンジン特性から得
ることもでき、試験対象となっている電子制御エンジン
に類似した他のエンジンの試験結果等からも得ることが
できる。ここでは、予め得られた試験データから各初期
値を設定して、入力装置(例えばパソコン用キーボー
ド)38を通じてCPU30に入力する。
【0044】第1初期値変更手段32は、第1ステージ
では、第1制限点推定手段34による第1制限点の推定
時に、初期値設定手段31で設定された初期値のうちE
GR率(第1の制御パラメータ)vに関する初期値を増
加又は減少し〔図2(A)中の矢印a1,a3参照〕、
第2ステージでは、第1制限点推定手段34による第3
制限点の推定時に、初期値設定手段31で設定された初
期値のうち点火時期(第3の制御パラメータ)yに関す
る初期値を増加又は減少する〔図2(B)中の矢印b
1,b3参照〕。
【0045】第2初期値変更手段33は、第1ステージ
では、第2制限点推定手段35による第2制限点の推定
時に、初期値設定手段31で設定された初期値のうち空
燃比(第2の制御パラメータ)uに関する初期値を増加
又は減少し〔図2(A)中の矢印a2,a4参照〕、第
2ステージでは、第2制限点推定手段35による第4制
限点の推定時に、初期値設定手段31で設定された初期
値のうち燃料噴射終了時期(第4の制御パラメータ)x
に関する初期値を増加又は減少する〔図2(B)中の矢
印b2,b4参照〕。
【0046】第1制限点推定手段34は、最適値検出用
運転指令手段40の指令により、初期値設定手段31で
設定された各初期値を各制御パラメータ値としてエンジ
ン1を運転させ、さらに、この運転状態において、第1
ステージでは、第1初期値変更手段32によりEGR率
(第1の制御パラメータ)vに関する初期値を適当に増
加又は減少してはエンジン1を運転させて、NOx排出
量(第1応答値)又は失火状態(第2の応答値)を制限
値にする第1,第2の制御パラメータu,vの値を推定
し、第2ステージでは、第1初期値変更手段32により
点火時期(第3の制御パラメータ)yに関する初期値を
適当に増加又は減少してはエンジン1を運転させて、N
Ox排出量(第1応答値)又は失火状態(第2の応答
値)を制限値にする第3,第4の制御パラメータx,y
の値を推定する。
【0047】ここでは、空燃比(第2の制御パラメー
タ)u,EGR率(第1の制御パラメータ)vをuv座
標上の点として、燃料噴射終了時期(第4の制御パラメ
ータ)x,点火時期(第3の制御パラメータ)yをxy
座標上の点として、それぞれ表しており、第1制限点推
定手段34は、第1ステージでは、NOx排出量(第1
応答値)又は失火状態(第2の応答値)を制限値にする
uv座標上の点(第1制限点)dBi,dAiを求め、第2
ステージでは、NOx排出量(第1応答値)又は失火状
態(第2の応答値)を制限値にするxy座標上の点(第
3制限点)eBi,eAiを求めるようになっている。
【0048】第2制限点推定手段35は、最適値検出用
運転指令手段40の指令により、初期値設定手段31で
設定された各初期値を各制御パラメータ値としてエンジ
ン1を運転させ、さらに、この運転状態において、第1
ステージでは、第2初期値変更手段33により空燃比
(第2の制御パラメータ)uに関する初期値を適当に増
加又は減少してはエンジン1を運転させて、NOx排出
量(第1応答値)又は失火状態(第2の応答値)を制限
値にする第1,第2の制御パラメータu,vの値を推定
し、第2ステージでは、第2初期値変更手段33により
燃料噴射終了時期(第4の制御パラメータ)xに関する
初期値を適当に増加又は減少してはエンジン1を運転さ
せて、NOx排出量(第1応答値)又は失火状態(第2
の応答値)を制限値にする第3,第4の制御パラメータ
x,yの値を推定する。
【0049】もちろん、第2制限点推定手段35も、第
1ステージでは、NOx排出量(第1応答値)又は失火
状態(第2の応答値)を制限値にするuv座標上の点
(第2制限点)dBi,dAiを求め、第2ステージでは、
NOx排出量(第1応答値)又は失火状態(第2の応答
値)を制限値にするxy座標上の点(第4制限点)
Bi,eAiを求めるようになっている。
【0050】また、第1ステージでは、初期値再設定指
令手段37Cの指令に応じて、初期値再設定手段31A
は、図2(A)に示すように、第1制限点推定手段34
により第1制限点dB1,dA1,・・・が検出されると、
この第1制限点dB1,dA1,・・・の検出開始時(初期
値S10,S12,・・・が対応する)における第1の制御
パラメータに関する値vS10 ,vS12 ,・・・と、第1
制限点dB1,dA1,・・・における第1の制御パラメー
タの値vdB1 ,vdA1 ,・・・と、の平均値(vS10
dB1 )/2,(vS12 +vdA1 )/2,・・・を、即
ち点S11,S13,・・・を、第1の制御パラメータvに
関する新たな初期値に再設定する。
【0051】また、初期値再設定手段31Aは、図2
(A)に示すように、第2制限点推定手段35により第
2制限点dB2,dA2,・・・が検出されると、この第2
制限点dB2,dA2,・・・を、即ち点S12,S14,・・
・を、第2の制御パラメータuに関する新たな初期値に
再設定する。例えば、図2(A)に示す第1ステージに
おいて、第1制限点推定手段34により第1制限点dB1
が検出されると、初期値再設定指令手段37Cの指令に
より、初期値再設定手段31Aが、この第1制限点dB1
の検出開始時の第1の制御パラメータvに関する初期値
S10 と第1制限点dB1における第1の制御パラメータ
の値vdB1 との平均値〔=(vS10 +vdB1 )/2〕
を、第1の制御パラメータvに関する新たな初期値S11
に再設定し、次に、第2制限点推定手段35により第2
制限点dB2が検出されると、初期値再設定指令手段37
Cの指令により、初期値再設定手段31Aが、この第2
制限点dB2における第2の制御パラメータの値udB2
制御パラメータuに関する新たな初期値S12に再設定す
る。
【0052】さらに、第1制限点推定手段34により第
1制限点dA1が検出されると、初期値再設定指令手段3
7Cの指令により、初期値再設定手段31Aが、この第
1制限点dA1の検出開始時の第1の制御パラメータvに
関する初期値vS12 (=vdB 2 )と第1制限点dA1にお
ける第1の制御パラメータの値vdA1 との平均値〔=
(vdB2 +vdA1 )/2〕を、第1の制御パラメータv
に関する新たな初期値S 13に再設定し、次に、第2制限
点推定手段35により第2制限点dA2が検出されると、
初期値再設定指令手段37Cの指令により、初期値再設
定手段31Aが、この第2制限点dA2における第2の制
御パラメータの値udA2 を制御パラメータuに関する新
たな初期値S14に再設定する。
【0053】このようにして、第1,第2の制御パラメ
ータの値を、順次増加又は減少させていく。同様に、第
2ステージでは、初期値再設定指令手段37Cの指令に
応じて、初期値再設定手段31Aは、図2(B)に示す
ように、第1制限点推定手段34により第3制限点
B1,eB2,・・・が検出されると、この第3制限点e
B1,eB2,・・・の検出開始時(初期値S20,S22,・
・・が対応する)における第3の制御パラメータに関す
る値yS20 ,yS22 ,・・・と、第3制限点eB1
B2,・・・における第3の制御パラメータの値
eB1 ,yeB2 ,・・・と、の平均値(yS20
eB1 )/2,(yS22 +yeB2 )/2,・・・を、即
ち点S21,S 23,・・・を、第3の制御パラメータyに
関する新たな初期値に再設定する。
【0054】また、初期値再設定手段31Aは、図2
(B)に示すように、第2制限点推定手段35により第
4制限点eA1,eA2,・・・が検出されると、この第4
制限点eA1,eA2,・・・の検出開始時(初期値S21
23,・・・が対応する)における第4の制御パラメー
タに関する値xS21 (=xM1=xeB1 ),xS23 (=x
eB2 ,・・・と、第4制限点eA1,eA2,・・・に
おける第4の制御パラメータの値xeA1 ,xeA2 ,・・
・と、の平均値(xS21 +xeA1 )/2,(xS2 3 +x
eA2 )/2,・・・を、即ち点S22,S24,・・・を、
第4の制御パラメータxに関する新たな初期値に再設定
する。
【0055】例えば、図2(B)に示す第2ステージに
おいて、第1制限点推定手段34により第3制限点eB1
が検出されると、初期値再設定指令手段37Cの指令に
より、初期値再設定手段31Aが、この第3制限点eB1
の検出開始時の第3の制御パラメータyに関する初期値
S20 と第3制限点eB1における第3の制御パラメータ
の値yeB1 との平均値〔=(yS20 +yeB1 )/2〕
を、第3の制御パラメータyに関する新たな初期値S21
に再設定し、次に、第2制限点推定手段35により第4
制限点eA1が検出されると、初期値再設定指令手段37
Cの指令により、初期値再設定手段31Aが、この第4
制限点eA1の検出開始時の第4の制御パラメータxに関
する初期値xS21 とこの第4制限点eA1における第4の
制御パラメータの値xeA1 との平均値〔=(xS21 +x
eA1 )/2〕を、第4の制御パラメータyに関する新た
な初期値S22に再設定する。
【0056】さらに、第1制限点推定手段34により第
3制限点eB2が検出されると、初期値再設定指令手段3
7Cの指令により、初期値再設定手段31Aが、この第
3制限点eB2の検出開始時の第3の制御パラメータyに
関する初期値yS22 (=yeA 1 )と第3制限点dB2にお
ける第3の制御パラメータの値yeB2 との平均値〔=
(yeA1 +yeB2 )/2〕を、第3の制御パラメータv
に関する新たな初期値S 23に再設定し、次に、第2制限
点推定手段35により第4制限点eA2が検出されると、
初期値再設定指令手段37Cの指令により、初期値再設
定手段31Aが、この第4制限点eA2の検出開始時の第
4の制御パラメータxに関する初期値xS2 3 (=
eB2 )と第4制限点eA2における第4の制御パラメー
タの値xeA2 との平均値〔=(xeB2 +xeA2 )/2〕
を、第4の制御パラメータxに関する新たな初期値S24
に再設定する。
【0057】このようにして、第3,第4の制御パラメ
ータの値も、順次増加又は減少させていく。このよう
に、本実施形態では、第1制限点推定手段34により第
1制限点が検出されたら、前回の初期値と今回検出した
制限点との平均値を新たな初期値として再設定し、第1
制限点推定手段34により第3制限点が検出されたら、
同様に平均値を新たな初期値として再設定している。ま
た、第2制限点推定手段35により第2制限点が検出さ
れたら、今回検出した制限点を新たな初期値として再設
定し、第2制限点推定手段35により第4制限点が検出
されたら、前回の初期値と今回検出した制限点との平均
値を新たな初期値として再設定している。
【0058】再設定する初期値は、このように、前回の
初期値と今回検出した制限点との平均値や、制限点に限
定されるものではなく、前回の初期値と今回検出した制
限点との間の値(中間点)又は今回検出した制限点であ
ればよく、平均値よりも前回の初期値側の値であっても
よく、今回検出した制限点側の値であってもよい。な
お、本実施形態では、第1制限点,第3制限点,第4制
限点が検出された場合には、前回の初期値と今回検出し
た制限点との平均値を新たな初期値に再設定し、第2制
限点が検出された場合には、今回検出した制限点を新た
な初期値に再設定しているが、新たな初期値をどのよう
に再設定するかは、対象のエンジンと類似したエンジン
のデータや予備実験データ等から決めておくことができ
る。
【0059】つまり、一般的には、前回の初期値と今回
検出した制限点との平均値を新たな初期値に再設定する
ことが無難である。しかし、図2に示すように、制限点
の集合である特性線(制限線)A,B,A′,B′は、
対象のエンジンと類似したエンジンのデータや予備実験
データ等から予めその増減傾向(右上がりか左上がり
か)等を把握することができ、把握した制限線A,B,
A′,B′の傾向から、最適値候補Mi を与えるある制
御パラメータ値が、検出されたその制御パラメータ値の
制限点よりも該制限点を越える側にあることがわかる場
合もある。このような場合は、その制限点、又は平均値
よりもその制限点に近い値を新たな初期値に再設定する
ことが、最適値候補Mi を速やかに求めるために有効で
ある。
【0060】第2制限点が検出された場合に、検出した
制限点を新たな初期値に再設定しているのは、このよう
な理由からである。図2(B)に示すように、本実施形
態では、第3制限点が検出された場合に、前回の初期値
と今回検出した制限点との平均値を新たな初期値に再設
定しているが、結果的には、第3制限点が検出された場
合、検出した制限点を新たな初期値に再設定した方が有
効であった。しかし、ここでは、制限線A′,B′の傾
向を十分に把握できなかったため前回の初期値と今回検
出した制限点との平均値を新たな初期値に再設定したも
のである。
【0061】また、最適制御パラメータ値設定手段36
は、推定手段36Aと確認手段(判定手段)36Bと決
定手段36Cとをそなえる。推定手段36Aでは、各ス
テージにおいて、第1制限点推定手段33又は第2制限
点推定手段34において初期値が再設定されると、この
最新の初期値又は最新の制限点を与える各制御パラメー
タの値を最適値(又は最適値候補)と推定する。確認手
段36Bでは、この推定手段36Aで最適値が推定され
ると、この最適値にかかる最新の初期値Si と前回の初
期点Si-1 との差|Si −Si-1 |、或いは、この初期
値Si にかかる最新の制限点di 又はei と前回の制限
点di- 1 又はei-1 との差|di −di-1 |又は|ei
−ei-1 |、を算出して、この差に基づいて信号を出力
する。つまり、差|Si −Si-1 |が所定値以下ならば
この制限点Si を最適値候補Mi に決定するか、或い
は、差|di −di-1 |又は|ei −ei-1 |が所定値
以下ならばこの制限点di 又はei を最適値候補M i
決定して、確認手段36Bでは、決定手段36Cにこの
最適値候補Mi についての決定信号を出力し、この差が
所定値以下にならなければ再処理信号を再処理指令手段
37Aに出力する。決定手段36Cでは、決定信号を受
けると推定手段36Aで推定した最適値を出力する。
【0062】また、確認手段36Bでは、最新の最適値
候補Mi と前回得られた最適値候補Mi との差|Mi
i-1 |を算出して、この差が予め実験結果等から設定
した所定値以下か否かを判定し、この差が所定値以下に
ならばこの最新の最適値候補Mi を最適値bestに決定す
る決定信号を決定手段36Cに出力し、この差が所定値
以下にならなければ推定ステージ変更手段37Bにこの
最新の最適値候補Miを与える各制御パラメータ値を初
期値として再び第1ステージを開始する旨の指令信号を
出力する。決定手段36Cでは、決定信号を受けると推
定手段36Aで推定した最適値bestを出力する。
【0063】なお、制限点di ,ei は、具体的には、
制限点dB1,dA1,dB2,dA2・・・,eB1,eA1,e
B2,eA2・・・であり、iはそれぞれのステージで求め
られた制限点の順番を示す。そして、最新の初期値Si
と前回の初期点Si-1 との差|Si −Si-1 |、及び、
最新の制限点di と前回の制限点di-1 との差|di
i-1 |は、各初期値Si ,Si-1 、及び、各制限点d
i ,di-1 における例えば第2パラメータ(EGR率)
vの差(=|vi −vi-1 |)としてもよく、或いは、
最新の初期値Si 及び制限点di における第3の応答値
(燃費)と、前回の制限点di-1 における第3の応答値
(燃費)との差としてもよい。最適値候補Mi もこの初
期値Si 及び制限点di と同様に、各点Mi ,Mi-1
おける例えば第2パラメータ(EGR率)vの差(=|
i −vi-1 |)としてもよく、或いは、最新の最適値
候補Mi における第3の応答値(燃費)と、前回の最適
値候補Mi における第3の応答値(燃費)との差として
もよい。
【0064】ところで、図2(A)に示す値dA1,dA2
・・・は、NOx排出量(第1応答値)にかかる制限条
件Aの境界線を形成する値であり、値dB1,dB2は、失
火状態(第2の応答値)にかかる制限条件Bの境界線を
形成する値である。したがって、第1ステージにおいて
は、図2(A)に示すように、第1の制御パラメータv
と第2の制御パラメータuとが、次第に、収束値M1
収束していくことになり、この収束値M1 は、第1の応
答値(NOx排出量)の制限条件Aを規定する境界線
(制限線)と失火状態(第2の応答値)の制限条件Bを
規定する境界線(制限線)との交点となる。
【0065】ところで、主応答値である燃費は、第2の
制御パラメータである空燃比uに対して単調増加の傾向
を有している。したがって、制限条件A,Bを共に満足
するu,vの領域の中で、第2の制御パラメータ(空燃
比)uの値の最も大きいものが、最適値となり、収束値
1 が最適値に相当する。そこで、第1ステージでは、
この収束値M1 を与える各制御パラメータu,v,x,
yを、それぞれの最適値と暫定的に設定する。
【0066】また、図2(B)に示す値eA1,eA2・・
・は、NOx排出量(第1応答値)にかかる制限条件
A′の境界線を形成する値であり、値eB1,eB2は、失
火状態(第2の応答値)にかかる制限条件B′の境界線
を形成する値である。したがって、第2ステージにおい
ては、図2(B)に示すように、第3の制御パラメータ
yと第4の制御パラメータxとが、次第に、収束値M2
に収束していくことになり、この収束値M2 は、上述と
同様に、第1の応答値(NOx排出量)の制限条件Aを
規定する境界線(制限線)と失火状態(第2の応答値)
の制限条件Bを規定する境界線(制限線)との交点とな
る。
【0067】また、主応答値である燃費は、第3の制御
パラメータである点火時期yに対して単調増加の傾向を
有しているため、制限条件A,Bを共に満足するx,y
の領域の中で、第3の制御パラメータ(点火時期)yの
値の最も大きいものが、最適値となり、収束値M2 が最
適値に相当する。そこで、第2ステージでは、この収束
値M2 を与える各制御パラメータu,v,x,yを、そ
れぞれの最適値と最終的に設定する。
【0068】本発明の第1実施形態にかかる電子制御内
燃機関用制御パラメータ値設定装置は、上述のように構
成されているので、例えば図3,図4に示すような手順
(即ち、本実施形態にかかる電子制御内燃機関用制御パ
ラメータ値設定方法)で、最適制御パラメータ値の設定
を行なう。つまり、まず、ステップA10〜A160の
第1ステージの処理を行なう。はじめに、初期値設定手
段31において、第1〜第4の各制御パラメータv,
u,y,xを初期値(始点)Si (vS ,uS ,yS
S )に設定して(初期値設定ステップ)、エンジン1
を運転し、その応答値を計測する(ステップA10)。
推定開始時の初期値は(始点)S10(vS10 ,uS10
S10 ,xS10 )となる。次に、第1初期値変更手段3
2により、第2〜第4の各制御パラメータu,y,xは
固定し、第1の制御パラメータvについてのみ増加又は
減少させてエンジン1を運転し、その応答値を計測する
(ステップA20)。第1,第2の応答値のいずれか
(ここでは、第2の応答値である失火状態)が予め指定
した制限条件(ここでは、制限条件B)になったら、こ
のときの第2,第1の制御パラメータu,vの座標上の
点(制限点)dBiを求める(第1制限点推定ステップ,
ステップA30)。初回の周期のステップA30では、
i=1なので、dB1を求めることになる。
【0069】次に、この制限点dBiと初期値(始点)S
i との中点の第1の制御パラメータvの値〔v=(Si
+dBi)/2、即ち、v=(vSi+vBi)/2〕を算出
して、この第1の制御パラメータvをこの算出値に固定
する(第1の初期値再設定ステップ,ステップA4
0)。そして、今度は、第2初期値変更手段33によ
り、第2の制御パラメータuについてのみ増加させてエ
ンジン1を運転し、その応答値を計測する(ステップA
50)。
【0070】そして、第2の応答値(失火状態)が予め
指定した制限条件Bに到達したか否かの判定(ステップ
A60)、及び、第1の応答値(NOx排出量)が予め
指定した制限条件Aに到達したか否かの判定(ステップ
A110)を行ない、いずれかの応答値が予め指定した
制限条件に到達するまでステップA50の処理を続行す
る。
【0071】第2の応答値(失火状態)が予め指定した
制限条件Bに到達したら、ステップA60からステップ
A70に進み、このときの第2,第1の制御パラメータ
u,vの座標上の点(制限点)dB2を求める。次に、初
期値設定手段31において、この制限点dB2を与える各
制御パラメータ値を第1〜第4の各制御パラメータv,
u,y,xの初期値(始点)(vdB2 ,udB2 ,yS
S )に設定してエンジン1の運転を開始して、第1初
期値変更手段32により、第2〜第4の各制御パラメー
タu,y,xは固定し、第1の制御パラメータvについ
てのみ増加又は減少させてエンジン1を運転し、その応
答値を計測する(ステップA80)。そして、第1,第
2の応答値のいずれか(ここでは、第1の応答値である
NOx排出量)が予め指定した制限条件(ここでは、制
限条件A)になったら、このときの第2,第1の制御パ
ラメータu,vの座標上の点(制限点)dAiを求める
(第2制限点推定ステップ,ステップA90)。
【0072】一方、ステップA60の処理により、第1
の応答値(NOx排出量)が予め指定した制限条件Aに
到達したら、ステップA60からステップA110を経
てステップA120に進み、このときの第2,第1の制
御パラメータu,vの座標上の点(制限点)dAiを求め
る。次に、初期値設定手段31において、この制限点d
Aiを与える各制御パラメータ値を第1〜第4の各制御パ
ラメータv,u,y,xの初期値(始点)(vdAi ,u
dAi ,ys ,xs )に設定してエンジン1の運転を開始
して、第1初期値変更手段32により、第2〜第4の各
制御パラメータu,y,xは固定し、第1の制御パラメ
ータvについてのみ増加又は減少させてエンジン1を運
転し、その応答値を計測する。そして、第1,第2の応
答値のいずれか(ここでは、第2の応答値である失火状
態)が予め指定した制限条件(ここでは、制限条件B)
になったら、このときの第2,第1の制御パラメータ
u,vの座標上の点(制限点)dBiを求める(第2制限
点推定ステップ,ステップA130)。
【0073】ステップA90又はステップA130の後
には、ステップA140に進み、この制限点dAiと前回
の制限点dBjとの中点の第1の制御パラメータvの値
〔v=(dAi+dBj)/2、即ち、v=(vAi+vBj
/2〕を算出して、この第1の制御パラメータvをこの
算出値に固定する(第2の初期値再設定ステップ)。そ
して、この最新の制限点di (ここでは、dAi)と、前
回の制限点di-1 (ここでは、dBi)との差|di −d
i-1 |が所定値δd以下か否かを判定する(ステップA
150)。例えば、ステップA90で、制限点dA1を求
めた場合には、その前に求めた制限点dB2との差|dA1
−dB2|が所定値δd以下か否かを判定する。また、例
えばステップA130で、制限点dB3を求めた場合に
は、その前に求めた制限点dA2との差|dB3−dA2|が
所定値δd以下か否かを判定する(判定ステップ)。
【0074】そして、差|di −di-1 |が所定値δd
以下ならば、ステップA160に進み、最新の制限点d
i を最適値M1 に暫定的に設定して(最適制御パラメー
タ値設定ステップ)、ステップS210に進むが、差|
i −di-1 |が所定値δdよりも大ならば、この最新
の制限点di に関する各制御パラメータを初期値(始
点)Sとして、ステップA10に戻り、再び、上記の処
理を繰り返す。
【0075】なお、ここでは、制限点di とdi-1 に基
づいて最適値M1 を設定しているが、今回の初期値と前
回の初期値とに基づいて最適値M1 を設定してもよい。
そして、通常は、何点か初期値又は制限点di を求めて
いけば、最適値M1 を設定することができ、次に、ステ
ップS210に進み、ステップA210〜A360の第
2ステージの処理を行なう。
【0076】つまり、まず、初期値設定手段31におい
て、第1〜第4の各制御パラメータv,u,y,xを初
期値(始点)Mi 〔Si (vi ,ui ,yi ,xi )〕
に設定してエンジン1を運転し、その応答値を計測する
(ステップA210)。推定開始時の初期値は(始点)
1 (vM1,uM1,yM1,xM1)となる。次に、第1初
期値変更手段32により、第1,2,4の各制御パラメ
ータv,u,xは固定し、第3の制御パラメータyにつ
いてのみ増加又は減少させてエンジン1を運転し、その
応答値を計測する(ステップA220)。第1,第2の
応答値のいずれか(ここでは、第2の応答値である失火
状態)が予め指定した制限条件(ここでは、制限条件
B′)になったら、このときの第4,第3の制御パラメ
ータx,yの座標上の点(制限点)eBiを求める(ステ
ップA230)。初回の周期のステップA230では、
i=1なので、eB1を求めることになる。
【0077】次に、この制限点eBiと初期値(始点)M
i 又はSi との中点の第3の制御パラメータyの値〔y
=(Mi +eBi)/2、即ち、y=(yM1+yeBi )/
2〕を算出して、この第3の制御パラメータyをこの算
出値に固定する(ステップA240)。そして、今度
は、第2初期値変更手段33により、第4の制御パラメ
ータxについてのみ増加又は減少させてエンジン1を運
転し、その応答値を計測する(ステップA250)。
【0078】そして、第2の応答値(失火状態)が予め
指定した制限条件B′に到達したか否かの判定(ステッ
プA260)、及び、第1の応答値(NOx排出量)が
予め指定した制限条件Aに到達したか否かの判定(ステ
ップA310)を行ない、いずれかの応答値が予め指定
した制限条件に到達するまでステップA250の処理を
続行する。
【0079】第2の応答値(失火状態)が予め指定した
制限条件B′に到達したら、ステップA260からステ
ップA270に進み、このときの第4,第3の制御パラ
メータx,yの座標上の点(制限点)eB2を求めると共
に、この制限点eB2と初期値Mj 又はSj との中点の第
4の制御パラメータxの値〔x=(Mj +ej )/2、
即ち、x=(M1 +eB2)/2〕を算出して、第4の制
御パラメータxの値をこの算出値に固定する。
【0080】次に、初期値設定手段31において、この
算出値を与える各制御パラメータ値を第1〜第4の各制
御パラメータv,u,y,xの初期値(始点)〔vS
S,yeB2 ,(M1 +eB2)/2〕に設定してエンジ
ン1の運転を開始して、第1初期値変更手段32によ
り、第1,第2,第4の各制御パラメータv,u,xは
固定し、第3の制御パラメータyについてのみ増加又は
減少させてエンジン1を運転し、その応答値を計測する
(ステップA280)。そして、第1,第2の応答値の
いずれか(ここでは、第1の応答値であるNOx排出
量)が予め指定した制限条件(ここでは、制限条件
A′)になったら、このときの第4,第3の制御パラメ
ータx,yの座標上の点(制限点)eAiを求める(ステ
ップA290)。
【0081】一方、ステップA260の処理により、第
1の応答値(NOx排出量)が予め指定した制限条件
A′に到達したら、ステップA260からステップA3
10を経てステップA320に進み、このときの第4,
第3の制御パラメータx,yの座標上の点(制限点)e
Aiを求める。ここでは、i=1なのでeA1を求めること
になる。そして、この制限点eA1と初期値Mj 又はSj
との中点の第4の制御パラメータxの値〔x=(Mj
j )/2、即ち、x=(M2 +eA1)/2〕を算出し
て、第4の制御パラメータxの値をこの算出値に固定す
る。
【0082】次に、初期値設定手段31において、この
制限点eAiを与える各制御パラメータ値を第1〜第4の
各制御パラメータv,u,y,xの初期値(始点)〔v
S ,uS ,yeB2 ,(M2 +eA1)/2〕に設定してエ
ンジン1の運転を開始して、第1初期値変更手段32に
より、第1,第2,第4の各制御パラメータv,u,x
は固定し、第3の制御パラメータyについてのみ増加又
は減少させてエンジン1を運転し、その応答値を計測す
る。そして、第1,第2の応答値のいずれか(ここで
は、第2の応答値である失火状態)が予め指定した制限
条件(ここでは、制限条件B′)になったら、このとき
の第2,第1の制御パラメータu,vの座標上の点(制
限点)eBiを求める(ステップA330)。
【0083】ステップA290又はステップA330の
後には、ステップA340に進み、この制限点eAiと前
回の制限点eBjとの中点の第3の制御パラメータyの値
〔y=(eAi+eBj)/2、即ち、y=(yAi+yBj
/2〕を算出して、この第3の制御パラメータyをこの
算出値に固定する。そして、この最新の制限点ei (こ
こでは、eAi)と、前回の制限点ei-1 (ここでは、e
Bi)との差|ei −e i-1 |が所定値δe以下か否かを
判定する(ステップA350)。例えば、ステップA2
90で、制限点eA1を求めた場合には、その前に求めた
制限点eB2との差|eA1−eB2|が所定値δe以下か否
かを判定する。また、例えばステップA330で、制限
点eB3を求めた場合には、その前に求めた制限点eA2
の差|e B3−eA2|が所定値δd以下か否かを判定す
る。
【0084】そして、差|ei −ei-1 |が所定値δe
以下ならば、ステップA360に進み、最新の制限点e
i を最適値M2 に暫定的に設定して、ステップS410
に進むが、差|ei −ei-1 |が所定値δeよりも大な
らば、この最新の制限点eiに関する各制御パラメータ
を初期値(始点)Sとして、ステップA210に戻り、
再び、上記の処理を繰り返す。
【0085】なお、ここでは、制限点di とdi-1 に基
づいて最適値M1 を設定しているが、今回の初期値と前
回の初期値とに基づいて最適値M1 を設定してもよい。
そして、通常は、何点か制限点ei を求めていけば、最
適値M2 を設定することができ、次に、ステップS41
0に進み、総合的な最適値M2 についての判定を行な
う。つまり、M1 の第3応答値(燃費)とM2 の第3応
答値(燃費)との差|M2 −M1 |が所定値δ以下な
ら、総合的な最適値M2 を最適値に決定し、差|M2
1 |が所定値δよりも大ならば、ステップA360で
得られた最適値M2 についての各パラメータの値を初期
値として、再び、上記の第1ステージ(ステップA10
〜A160),第2ステージ(ステップA210〜A3
60)の処理を繰り返す。
【0086】このようにすれば、誰にでも、必ず、差|
2 −M1 |が所定値δ以下となる、最適値M2 を設定
することができるのである。このようにして、多数(各
実施形態では4種)の制御パラメータに対して、少ない
処理工程で最適値を設定することができ、エンジン作動
状態(例えばエンジン回転数や平均有効圧)を変更しな
がら、多数のエンジン作動状態に対してそれぞれ行な
い、これらの設定データを総合することで、エンジン作
動状態に対して最適制御パラメータ値を対応させたマッ
プをつくることができる。
【0087】〔第2実施形態〕次に、第2実施形態にか
かる電子制御内燃機関用制御パラメータ値設定装置及び
電子制御内燃機関用制御パラメータ値設定方法につい
て、図5〜図7を参照して説明する。なお、図5におい
て、図1と同符号を同様の構成要素を示しており、これ
らについては説明を簡略化し、第1実施形態との相違点
にを中心に説明する。
【0088】本実施形態にかかる制御パラメータ値設定
装置は、図1に示す第1実施形態と同様に、電子制御エ
ンジン1の制御に用いられる制御パラメータの最適値を
設定するためのものであり、図5に示すように構成され
る。本実施形態でも、最適値を設定する制御パラメータ
が、空燃比(第2の制御パラメータ)u,EGR率(第
1の制御パラメータ)v,燃料噴射終了時期(燃料噴射
時期)(第4の制御パラメータ)x,点火時期(第3の
制御パラメータ)yである場合を例に説明する。
【0089】また、最適な制御パラメータ(空燃比)に
ついても、エンジンの応答値の一つである燃費とNOx
排出量と失火状態とに着目して設定する。燃費を第3の
応答値(主応答値)とし、NOx排出量を第1の応答値
とし、失火状態を第2の応答値として、NOx排出量と
失火状態とに基づいて、それぞれその許容限度を示す制
限値をそれぞれ設定し、これらの制限値を越えない領域
内で、主応答値である燃費を最良(最小)にする値を最
適値に設定する。
【0090】そして、CPU(制御パラメータ値設定用
処理手段)30には、図5に示すように、第1実施形態
と同様に、初期値設定手段(初期値再設定手段31Aを
含む)31と、第1初期値変更手段32及び第2初期値
変更手段33と、第1制限点推定手段34及び第1制限
点推定手段35と、初期値再設定指令手段37Cと、最
適制御パラメータ値設定手段〔確認手段(判定手段)3
6Bを含む〕36と、再処理指令手段37Aとがそなえ
られるとともに、第1実施形態の推定ステージ変更手段
37Bに代えて第3,第4制御パラメータの初期値変更
手段(第3初期値変更手段)37Dがそなえられてい
る。
【0091】ここで、第3初期値変更手段37Dについ
て説明する。本実施形態では、初期値設定手段31と、
第1初期値変更手段32と、第2初期値変更手段33
と、第1制限点推定手段34と、第1制限点推定手段3
5と、初期値再設定指令手段37Cと、最適制御パラメ
ータ値設定手段36と、再処理指令手段37Aを通じ
て、図6(A)に示すように、第1実施形態の第1ステ
ージと同様な処理を行なうようになっている。
【0092】そして、この第1ステージで最適値M1
求めたら、この第3初期値変更手段37Dによって、第
1ステージで採用した第3の制御パラメータ(点火時
期)yの初期値y10のみを所定量だけ変更〔即ち、所定
値(微小値)だけ増加又は減少する〕他の制御パラメー
タについては第1ステージで採用した初期値をそのまま
使用するように初期値設定手段31に指令して、これに
より、再び第1ステージと同様な処理を施す(これを、
第2ステージとする)。
【0093】第2ステージで、このように第3の制御パ
ラメータ(点火時期)yの初期値のみを変更して最適値
を推定すると、制限条件Aを規定する制限線と制限条件
Bを規定する制限線も、例えば図6(B)に示すよう
に、A,Bで示す線からA′,B′で示す線へと変化
し、この推定の結果、得られる最適値候補M2 も前回の
最適値候補M1 に対して変化する。
【0094】このようにして、第2ステージにより最適
値候補M2 を求めたら、この第3初期値変更手段37D
によって、さらに、第2ステージで採用した第4の制御
パラメータ(燃料噴射終了時期)xの初期値x10のみを
所定量だけ変更〔即ち、所定値(微小値)だけ増加又は
減少する〕し他の制御パラメータについては第2ステー
ジで採用した初期値をそのまま使用するように初期値設
定手段31に指令して、これにより、再び第1,第2ス
テージと同様な処理を施す。
【0095】第3ステージで、このように第4の制御パ
ラメータ(燃料噴射終了時期)xの初期値のみを変更し
て最適値を推定すると、第2ステージの場合と同様に、
制限条件Aを規定する制限線と制限条件Bを規定する制
限線も、例えば図6(B)に示すように、A′,B′で
示す線からA″,B″で示す線へと変化し、この推定の
結果、得られる最適値候補M3 も前回の最適値候補M2
に対して変化する。
【0096】このようにして、第3の制御パラメータ
(点火時期)y,第4の制御パラメータ(燃料噴射終了
時期)xを順次変更して所定数の最適値候補Mi (i=
1,2,3,4・・・)を得たら、確認手段36Bが、
これらの最適値候補Mi のうちの主応答値(ここでは、
第3の応答値である燃費)が最良となる最良最適値候補
M0を選び、この最良最適値候補M0と初期の最適値候
補(始点)補M1 との差|M0−M1 |が所定値(微小
値)δM以下か否かを判定する。
【0097】確認手段36Bでは、差|M0−M1 |が
所定値δM以下なら、最適値決定信号を決定手段36C
に出力し、最良最適値候補M0を最適値Mbestに決定
し、差|M0−M1 |が所定値δMよりも大なら、第3
初期値変更手段37Dに、変更信号を出力する。これに
より、第3初期値変更手段37Dでは、最良最適値候補
M0の初期値を基に、さらに、第3の制御パラメータ
(点火時期)yのみを所定量だけ変更するか、又は、第
4の制御パラメータ(燃料噴射終了時期)xのみを所定
量だけ変更して、次のステージを実行する旨の指令信号
を初期値設定手段31に出力する。このようにして、最
終的には、差|M0−M1 |が所定値δM以下となっ
て、最適値Mbestが決定する。
【0098】本発明の第2実施形態にかかる電子制御内
燃機関用制御パラメータ値設定装置は、上述のように構
成されているので、例えば図7に示すような手順(即
ち、本実施形態にかかる電子制御内燃機関用制御パラメ
ータ値設定方法)で、最適制御パラメータ値の設定を行
なう。つまり、まず、第2の制御パラメータ(空燃比)
u,第1の制御パラメータ(EGR率)vについて最適
値候補M1 を求める(ステップB10)。このステップ
B10では、具体的には、第1実施形態にかかる図3の
ステップA10〜A160の処理を行なう。次に、第2
の制御パラメータu,第1の制御パラメータv,第3の
制御パラメータyについては最適値候補M1 に関する値
に固定し、第4の制御パラメータxのみを最適値候補M
1 に関する値から変化(増加)させる(ステップB2
0)。
【0099】そして、再び、第2の制御パラメータu,
第1の制御パラメータvについて最適値候補M1 を求め
た手順(図3のステップA10〜A160の処理)を繰
り返す(ステップB30)。そして、得られた最適値
(最適値候補)をM2 とする(ステップB40)。次
に、第2の制御パラメータu,第1の制御パラメータ
v,第4の制御パラメータxについては最適値候補M2
に関する値に固定し、第3の制御パラメータyのみを最
適値候補M2 に関する値から変化(増加)させる(ステ
ップB50)。
【0100】そして、再び、第2の制御パラメータu,
第1の制御パラメータvについて最適値候補M1 を求め
た手順(図3のステップA10〜A160の処理)を繰
り返す(ステップB60)。そして、得られた最適値
(最適値候補)をM3 とする(ステップB70)。次
に、ステップB20に相当する第4の制御パラメータx
についての変化は減少側の変化とし、ステップB50に
相当する第3の制御パラメータyについての変化は減少
側の変化として、上述の処理(ステップB20〜B7
0)と同様な処理を行なって、最適値(最適値候補)M
4 ,M5 を得る(ステップB80)。
【0101】このようにして、所定数の最適値候補Mi
(i=1,2,3,4・・・)を得たら、これらの最適
値候補Mi のうちの主応答値(ここでは、第3の応答値
である燃費)が最良となる最良最適値候補M0を選び
(ステップB90)、この最良最適値候補M0と初期の
最適値候補(始点)補M1 との差|M0−M1 |が所定
値(微小値)δM以下か否かを判定する(ステップB9
0)。
【0102】ここで、差|M0−M1 |が所定値δM以
下なら、最良最適値候補M0を最適値Mbestに決定し
(ステップB100)、差|M0−M1 |が所定値δM
よりも大なら、最良最適値候補M0の初期値を基に、上
述のステップB10〜B100の処理を繰り返す。これ
により、最終的には、差|M0−M1 |が所定値δM以
下となって、最良最適値候補M0が最適値Mbestに決定
する。
【0103】このようにすれば、誰にでも、必ず、最適
値Mbestを求めることができるのである。なお、第3,
第4の制御パラメータの初期値の変化は、一般には、増
加と減少とを行なえばよいが、差|M0−M1 |が所定
値δM以上で再処理を行なう場合には、この増加値又は
減少値を例えば前回よりも小さな値に変更するようにし
てもよい。
【0104】また、このような、第3,第4の制御パラ
メータについて行なった初期値の増加又は減少の処理
(ステップB20又はB50)は、影響する制御パラメ
ータの数だけ行なうようにしてもよく、だだ1つの制御
パラメータについて或いは3つ以上の制御パラメータに
ついてこの処理(ステップB20又はB50)を行なう
ようにしてもよい。
【0105】いずれにしても、このようにして、第2実
施形態によれば、多数(本実施形態では4種)の制御パ
ラメータに対して、少ない処理工程で最適値を設定する
ことができ、エンジン作動状態(例えばエンジン回転数
や平均有効圧)を変更しながら、多数のエンジン作動状
態に対してそれぞれ行ない、これらの設定データを総合
することで、エンジン作動状態に対して最適制御パラメ
ータ値を対応させたマップをつくることができる。
【0106】なお、最適値を求める制御パラメータが2
種の場合には、第1,第2実施形態の第1ステージのみ
を実行すればよい。 〔その他〕上述の各実施形態では、初期値として制御パ
ラメータ値を与えて、特定の制御パラメータ値の初期値
を増加又は減少させて制限値(制限点)dA ,dB ,e
A,eB を求めているが、この制限点は、特定の制御パ
ラメータ値(これをαとする)に対して、初期値α0
この初期値α0 から適当量Δαだけ増減した値(α 0 ±
Δα)との少なくとも2点で、エンジンの各応答値を計
測し、制限値(制限点)の対象となる応答値(これをβ
とする)を変数とする次式(1)のような二次方程式で
表し(即ち、応答値の特性を二次曲線近似する)、応答
値βに制限値を与えて得られる点を制限点に推定するよ
うにしてもよい。
【0107】 β=a1 α2 +b1 α+c1 ・・・(1) また、このように、曲線近似をする場合に、三次曲線近
似や四次曲線近似を用いるようにしてもよい(この場
合、相応の数の計測点が必要)。ところで、着目する応
答値がさらに複数あり、これらの複数の応答値(例えば
出力トルクや燃費や回転変動率等)に対して最適制御パ
ラメータを設定する場合には、上述のようにして、各応
答値毎に、最適制御パラメータ値M1,M2,M3,・
・・,Mnを設定して、これらの設定値を数学的に処理
した値を、総合的な最適制御パラメータ値Mtとすれば
よい。
【0108】この数学的処理には、例えば最適制御パラ
メータ値M1,M2,M3,・・・,Mnの単純平均値
〔次式(2)参照〕や加重平均値〔次式(3)参照〕等
があり、また、最小二乗法の適用も考えられる。 Mt=(M1+M2+M3+・・・+Mn)/n ・・・(2) Mt=(a1・M1+a2・M2+a3・M3+・・+an・Mn) ただし、a1+a2+a3+・・+an=1 ・・・(3) また、本実施形態では、制限線の対象となる応答値とし
て失火やNOx排出量を用いているが、制限線は、電子
制御エンジンの排気温度やノッキングやスモーク発生量
などの他の応答値(応答状態)に関して設定してもよ
く、また、制限線を与える応答値の種類も、より多数の
応答値から制限値を与えたり、ただ1つの応答値から制
限値を与えたりしてもよい。または、最良点を求めるた
めの応答値としてエンジン出力トルクや燃費を設定して
いるが、これについても電子制御エンジンの他の応答値
(応答状態)に関して設定することができる。
【0109】また、各実施形態において設定した最適値
を採用するのでなく、図8に示す従来技術のように、最
適値よりも微小量だけ(図8のΔx参照)エンジン制御
にとって余裕側に余裕を取った点Oを最良点に設定し、
これを最適値に決定してもよい。この場合の余裕側と
は、例えば点火時期の場合は遅角側になるが、一般的な
制御パラメータ値Mxでは、エンジンの燃焼を安定させ
る側が余裕側となり、この余裕側に適当量だけシフトし
た点を最良点にすればよい。
【0110】また、特に試験対象の電子制御エンジンの
他の応答状態によらず、試験対象のエンジンに類似した
他のエンジンのデータに基づいて制限値を設定するなど
してもよい。また、第1実施形態において、第1ステー
ジと第2ステージとで、最適値の算出方法を変更してい
るが、両ステージで同様な算出方法を用いたり、第1ス
テージと第2ステージとで、第1実施形態とは逆に、算
出方法を適用してもよい。
【0111】また、最適値の設定タイミングは、上述の
実施形態に限られるものではなく、本発明の制御パラメ
ータを変更している変更している間であればいずれのタ
イミングとしてもよい。
【0112】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1記載の本
発明の電子制御内燃機関用制御パラメータ値設定装置及
び請求項2記載の本発明の電子制御内燃機関用制御パラ
メータ値設定方法によれば、試験者の経験や熟練に頼る
ことなく、且つ、少ないデータにより複数の最適制御パ
ラメータ値をバランスよく設定することができて、最適
制御パラメータ値の設定に要する試験工程等を大幅に短
縮でき、かかる設定を容易に行なうことができる利点が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる電子制御内燃機
関用制御パラメータ値設定装置を示す模式的な構成図で
ある。
【図2】本発明の第1実施形態にかかる電子制御内燃機
関用制御パラメータ値設定装置及び電子制御内燃機関用
制御パラメータ値設定方法を説明する図である。
【図3】本発明の第1実施形態にかかる電子制御内燃機
関用制御パラメータ値設定方法を示すフローチャートで
ある。
【図4】本発明の第1実施形態にかかる電子制御内燃機
関用制御パラメータ値設定方法を示すフローチャートで
ある。
【図5】本発明の第2実施形態にかかる電子制御内燃機
関用制御パラメータ値設定装置を示す模式的な構成図で
ある。
【図6】本発明の第2実施形態にかかる電子制御内燃機
関用制御パラメータ値設定装置及び電子制御内燃機関用
制御パラメータ値設定方法を説明する図である。
【図7】本発明の第2実施形態にかかる電子制御内燃機
関用制御パラメータ値設定方法を示すフローチャートで
ある。
【図8】従来の電子制御内燃機関用制御パラメータ値の
設定手法について説明する図である。
【図9】本発明の案出過程が考えられた電子制御内燃機
関用制御パラメータ値の設定手法について説明する図で
ある。
【符号の説明】
1 電子制御エンジン(電子制御内燃機関) 2 機関用制御手段としてのECU(電子制御ユニッ
ト) 3 運転指令装置 11 出力トルク検出装置(応答値検出手段) 14 NOxセンサ(応答値検出手段) 15 失火センサ(応答値検出手段) 31 初期値設定手段 31A 初期値再設定手段 32 第1初期値変更手段 33 第2初期値変更手段 34 第1制限点推定手段(制限点推定手段) 35 第2制限点推定手段(制限点推定手段) 36 最適制御パラメータ値設定手段 36B 確認手段(判定手段) 37A 再処理指令手段 37B 推定ステージ変更手段 37C 初期値再設定指令手段 37D 第3,第4制御パラメータの初期値変更手段
(第3初期値変更手段) 40 パラメータ可変装置(最適値検出用運転指令手
段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 晃 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内 Fターム(参考) 3G084 BA09 BA13 BA15 BA17 BA20 FA10 FA24 FA25 FA27 FA28 FA32 FA34

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関用制御手段により複数の制御パ
    ラメータを通じて電子制御内燃機関をその作動状態に応
    じて最適に制御すべく、第1,第2の各制御パラメータ
    の最適値をそれぞれ設定する電子制御内燃機関用制御パ
    ラメータ値設定装置であって、 上記の各制御パラメータ毎に最適値検出用制御パラメー
    タ値としての初期値を設定する初期値設定手段と、 該初期値設定手段により設定された上記の各初期値を上
    記の各制御パラメータ値として該電子制御内燃機関を運
    転させ、この運転状態から上記の第1及び/又は第2の
    制御パラメータに関する初期値を増加及び/又は減少し
    て該電子制御内燃機関を運転させて、複数の応答値を検
    出すると共に、該複数の応答値のうちのいずれかの応答
    値を制限値にする上記の第1及び/又は第2の制御パラ
    メータに関する制限点を推定する制限点推定手段と、 該制限点推定手段により該制限点が推定されると、該制
    限点の推定開始時の上記の第1及び/又は第2の制御パ
    ラメータ値と該制限点における上記の第1及び/又は第
    2の制御パラメータ値との中間点,及び該制限点の何れ
    かを、上記の第1及び/又は第2の制御パラメータに関
    する初期値に変更する初期値再設定手段と、 該複数の応答値のうちの1つの応答値又は上記の第1又
    は第2の制御パラメータ値のうちのいずれかの値の、該
    初期値再設定手段による初期値変更の前後における差
    が、所定値以下になったか否かを判定する判定手段と、 該判定手段により該差が該所定値以下になったと判定さ
    れたら、該1つの応答値又は上記の第1又は第2の制御
    パラメータ値のうちのいずれかの値に関する該初期値変
    更前後の各値のうち、より良好な値を与える点を最良点
    とし、該最良点における上記の第1又は第2の制御パラ
    メータ値をそれぞれ最良値として設定する最適制御パラ
    メータ値設定手段とをそなえることを特徴とする、電子
    制御内燃機関用制御パラメータ値設定装置。
  2. 【請求項2】 内燃機関用制御手段により複数の制御パ
    ラメータを通じて電子制御内燃機関をその作動状態に応
    じて最適に制御すべく、第1,第2の各制御パラメータ
    の最適値をそれぞれ設定する電子制御内燃機関用制御パ
    ラメータ値設定方法であって、 上記の各制御パラメータ毎に最適値検出用制御パラメー
    タ値としての初期値を設定する初期値設定ステップと、 該初期値設定ステップにより設定された上記の各初期値
    を上記の各制御パラメータ値として該電子制御内燃機関
    を運転させ、この運転状態から上記の第1及び/又は第
    2の制御パラメータに関する初期値を増加及び/又は減
    少して該電子制御内燃機関を運転させて、複数の応答値
    を検出すると共に、該複数の応答値のうちのいずれかの
    応答値を制限値にする上記の第1及び/又は第2の制御
    パラメータに関する制限点を推定する制限点推定ステッ
    プと、 該制限点推定ステップにより該制限点が推定されると、
    該制限点の推定開始時の上記の第1及び/又は第2の制
    御パラメータ値と該制限点における上記の第1及び/又
    は第2の制御パラメータ値との中間点、及び該制限点の
    何れかを、上記の第1及び/又は第2の制御パラメータ
    に関する初期値に変更する初期値再設定ステップと、 該初期値再設定ステップにより初期値が変更されたら、
    該複数の応答値のうちの1つの応答値又は上記の第1又
    は第2の制御パラメータ値のうちのいずれかの値の、該
    初期値変更の前後における差が、所定値以下になったか
    否かを判定する判定ステップと、 該判定ステップにより該差が該所定値以下になったと判
    定されたら、該1つの応答値又は上記の第1又は第2の
    制御パラメータ値のうちのいずれかの値に関する該初期
    値変更前後の各値のうち、より良好な値を与える点を最
    良点とし、該最良点における上記の第1又は第2の制御
    パラメータ値をそれぞれ最良値として設定する最適制御
    パラメータ値設定ステップとをそなえることを特徴とす
    る、電子制御内燃機関用制御パラメータ値設定方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017072612A (ja) * 2011-03-31 2017-04-13 ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツングRobert Bosch Gmbh 最適エンジン制御設定を確定するためにエンジン性能測定値を摂動させること

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017072612A (ja) * 2011-03-31 2017-04-13 ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツングRobert Bosch Gmbh 最適エンジン制御設定を確定するためにエンジン性能測定値を摂動させること
JP2017072613A (ja) * 2011-03-31 2017-04-13 ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツングRobert Bosch Gmbh 最適エンジン制御設定を確定するためにエンジン性能測定値を摂動させること
JP2017072611A (ja) * 2011-03-31 2017-04-13 ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツングRobert Bosch Gmbh 最適エンジン制御設定を確定するためにエンジン性能測定値を摂動させること

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