JP2007239481A - エンジンの点火時期制御方法及びエンジンの点火時期制御装置 - Google Patents

エンジンの点火時期制御方法及びエンジンの点火時期制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】メモリ容量が莫大になるのを防止しつつ実際のトレース点火時期からのずれができるだけ生じないようにした点火時期制御装置を提供する。
【解決手段】ノックの起こりにくさの程度の異なる2つの燃料を第1基準燃料、第2基準燃料として予め定めておき、第1基準燃料に対するトレース点火時期である第1基準トレース点火時期と、第2基準燃料に対するトレース点火時期である第2基準トレース点火時期とをそれぞれ算出する算出手段(51)と、使用燃料のノックの起こりにくさの程度を推定する推定手段(52)と、前記2つの基準トレース点火時期の間を曲線で変化する実際のトレース点火時期を2つの直線で近似し、その近似した2つの直線と前記推定した使用燃料のノックの起こりにくさの程度とに基づいて、使用燃料のトレース点火時期補正量を算出する算出手段(55)と、この算出したトレース点火時期補正量と前記2つの基準トレース点火時期とに基づいて、前記使用燃料に対するトレース点火時期を算出する算出手段(54、56)とを含む。
【選択図】図5

Description

本発明は、エンジン(内燃機関)の点火時期制御方法及びエンジンの点火時期制御装置に関する。
最小オクタン価の燃料に対するトレース点火時期と、最大オクタン価の燃料に対するトレース点火時期との2つのトレース点火時期の間の変化量ADVMAXを100%とする、最小オクタン価の燃料に対するトレース点火時期から使用燃料のトレース点火時期までの変化量を進角率KADV[%]として導入したとき、この進角率KADVとオクタン価との間には相関がある。そこで、ノッキングの有無に基づいて使用燃料のオクタン価推定値KRONを算出し、このオクタン価推定値KRONに応じて進角率KADVを求め、この進角率KADVと、上記のトレース点火時期変化量ADVMAXとの積で点火時期のノッキング補正量IGKNOCKを算出するものがある(特許文献1参照)。
特許第2844418号公報
ところで、従来技術(上記特許文献1の技術)では、上記進角率KADVの特性をエンジンの運転条件に関係なく1つだけとし、トレース点火時期変化量ADVMAXを運転条件に応じて与えている。すなわち、従来技術は、トレース点火時期変化量ADVMAXはエンジンの運転条件の相違で変化するものの、トレース点火時期変化量ADVMAXを100%としたときには実際のトレース点火時期は、エンジンの運転条件に関係なく1つの曲線で近似できるとみなすものである。
しかしながら、一つの運転条件に対して最小オクタン価の燃料に対するトレース点火時期と、最大オクタン価の燃料に対するトレース点火時期との間で変化する実際のトレース点火時期の曲線特性は、エンジンの運転条件に依存して大きく変化すると思われるので、従来技術のように1つの曲線を与えるだけでは、運転条件によっては実際のトレース点火時期からの誤差が大きくなり、実際のトレース点火時期を近似できない場合が考えられる。かといって進角率KADVの曲線特性を運転条件毎に用意するのでは、メモリ容量が莫大なものとなってしまう。
そこで本発明は、一つの運転条件において曲線で変化し、運転条件が相違すればその曲線の形状が変化する実際のトレース点火時期の近似方法を工夫することにより、メモリ容量が莫大になるのを防止しつつ実際のトレース点火時期からのずれができるだけ生じないようにした点火時期制御方法及び点火時期制御装置を提供することを目的とする。
本発明は、ノックの起こりにくさの程度の異なる2つの燃料を第1基準燃料、第2基準燃料として予め定めておき、第1基準燃料に対するトレース点火時期である第1基準トレース点火時期と、第2基準燃料に対するトレース点火時期である第2基準トレース点火時期とをそれぞれ算出し、使用燃料のノックの起こりにくさの程度を推定し、前記2つの基準トレース点火時期の間を曲線で変化する実際のトレース点火時期を2つの直線で近似し、その近似した2つの直線と前記推定した使用燃料のノックの起こりにくさの程度とに基づいて、ノックの起こりにくさの程度が第1基準燃料と第2基準燃料の間にある使用燃料のトレース点火時期補正量(DADV)を算出し、この算出したトレース点火時期補正量(DADV)と前記2つの基準トレース点火時期とに基づいて、前記使用燃料に対するトレース点火時期を算出し、この算出されたトレース点火時期で火花点火を行うように構成する。
本発明では、1つの運転条件において図3に示したように実際のトレース点火時期を二本の直線で近似する。すなわち、図3において一点鎖線で示したように、G点とI点を結ぶ直線と、H点とI点を結ぶ直線との二本の直線で実際のトレース点火時期を近似することにより、特許文献1の技術のように曲線で近似する場合よりは若干精度は落ちるものの、実際のトレース点火時期からの誤差が大きくならないようにすることができる。そして、本発明により1つの運転条件に対して実際のトレース点火時期を2本の直線で近似するのであれば、1つの運転条件に対してメモリに記憶させる値は2つ直線の傾き、つまり2つでよいことになる。従って、運転条件の相違毎に2つの値を記憶させるだけで済むのであれば、実際のトレース点火時期の曲線特性を運転条件の相違毎に記憶させる場合に比較して、メモリ容量が膨大となることもない。
このように、本発明によれば、耐ノック係数(ノックの起こりにくさの程度)の異なる2つの燃料を第1基準燃料、第2基準燃料として予め定めておき、第1基準燃料に対するトレース点火時期である第1基準トレース点火時期と、第2基準燃料に対するトレース点火時期である第2基準トレース点火時期とをそれぞれ算出し、使用燃料のノックの起こりにくさの程度を推定し、前記2つの基準トレース点火時期の間を曲線で変化する実際のトレース点火時期を2つの直線で近似し、その近似した2つの直線と前記推定した使用燃料のノックの起こりにくさの程度とに基づいて、ノックの起こりにくさの程度が第1基準燃料と第2基準燃料の間にある使用燃料のトレース点火時期補正量(DADV)を算出し、この算出したトレース点火時期補正量(DADV)と前記2つの基準トレース点火時期とに基づいて、前記使用燃料に対するトレース点火時期を算出し、この算出されたトレース点火時期で火花点火を行うので、メモリ容量を制限しつつ、エンジンの運転条件の相違に関係なく、使用燃料のノックの起こりにくさの程度(ガソリン燃料を対象としている場合にはオクタン価)が2つの各基準燃料よりより大きく離れている場合においても、実際のトレース点火時期からのずれを防ぐことができる。
以下、図面に基づき本発明の実施形態について説明する。
図1は、エンジンの点火時期制御方法の実施に直接使用するエンジンの点火時期制御装置の概略構成を示している。
空気は吸気コレクタ2に蓄えられた後、吸気マニホールド3を介して各気筒の燃焼室5に導入される。燃料は各気筒の吸気ポート4に配置された燃料インジェクタ21より噴射供給される。空気中に噴射された燃料は気化しつつ空気と混合してガス(混合気)を作り、燃焼室5に流入する。この混合気は吸気弁15が閉じることで燃焼室5内に閉じこめられ、ピストン6の上昇によって圧縮される。
この圧縮混合気に対して高圧火花により点火を行うため、パワートランジスタ内蔵の点火コイルを各気筒に配した電子配電システムの点火装置11を備える。すなわち、点火装置11は、バッテリからの電気エネルギーを蓄える点火コイル13と、点火コイル13の一次側への通電、遮断を行うパワートランジスタ(図示しない)と、燃焼室5の天井に設けられ点火コイル13の一次電流の遮断によって点火コイル13の二次側に発生する高電圧を受けて、火花放電を行う点火プラグ14とからなっている。
圧縮上死点より少し手前で点火プラグ14により火花が飛ばされ圧縮混合気に着火されると、火炎が広がりやがて爆発的に燃焼し、この燃焼によるガス圧がピストン6を押し下げる仕事を行う。この仕事はクランクシャフト7の回転力として取り出される。燃焼後のガス(排気)は排気弁16が開いたときに排気通路8へと排出される。
排気通路8には三元触媒9、10を備える。三元触媒9、10は排気の空燃比が理論空燃比を中心とした狭い範囲(ウインドウ)にあるとき、排気中に含まれるHC、CO、NOxといった有害三成分を同時に効率よく除去できる。空燃比は吸入空気量と燃料量の比であるので、エンジンの1サイクル(4サイクルエンジンではクランク角で720°区間)当たりに燃焼室5に導入される吸入空気量と、燃料インジェクタ21からの燃料噴射量との比が理論空燃比となるように、エンジンコントローラ31ではエアフローメータ32からの吸入空気流量の信号とクランク角センサ(33、34)からの信号に基づいて燃料インジェクタ21からの燃料噴射量を定めると共に、三元触媒9の上流に設けたO2センサ35からの信号に基づいて空燃比をフィードバック制御している。
吸気コレクタ2の上流には絞り弁23がスロットルモータ24により駆動される、いわゆる電子制御スロットル22を備える。運転者が要求するトルクはアクセルペダル41の踏み込み量(アクセル開度)に現れるので、エンジンコントローラ31ではアクセルセンサ42からの信号に基づいて目標トルクを定め、この目標トルクを実現するための目標空気量を定め、この目標空気量が得られるようにスロットルモータ24を介して絞り弁23の開度を制御する。
吸気弁15、排気弁16は、クランクシャフト7を動力源として、各々吸気側カムシャフト25及び排気側カムシャフト26に設けられたカムの動作により開閉駆動される。吸気側には、吸気弁15のバルブリフト量及び作動角を連続的に可変制御する多節リンク状の機構で構成される可変バルブ機構(VEL機構)28を備える。このVEL機構28には吸気弁15のバルブリフト量及び作動角を検出する作動角センサ(図示しない)が併設されている。
同じく吸気側には、クランクシャフト7と吸気側カムシャフト25との回転位相差を連続的に可変制御して、吸気弁15のバルブタイミングを進遅角する可変バルブタイミング機構(VTC機構)27を備える。また、吸気側カムシャフト25の他端には吸気側カムシャフト25の回転位置を検出するためのカム角センサ34が併設されている。
これらVEL機構28及びVTC機構27(可変動弁装置)の具体的な構成は特開2003−3872号公報により公知であるので、その詳しい説明は省略する。
VEL機構28、VTC機構27の各アクチュエータに指令して、吸気弁15のリフト特性(バルブタイミング(開閉時期)や吸気弁15のバルブリフト量)を変えると燃焼室5に残留する不活性ガスの量が変化する。燃焼室5内の不活性ガスの量が増えるほどポンピングロスが減って燃費がよくなるので、運転条件によりどのくらいの不活性ガスが燃焼室5内に残留したらよいかを目標吸気弁閉時期や目標バルブリフト量にして予め定めており、エンジンコントローラ31ではそのときの運転条件(エンジンの負荷と回転速度)より目標吸気弁閉時期と目標バルブリフト量とを定め、それら目標値が得られるようにVTC機構27及びVEL機構28の各アクチュエータを介して吸気弁15の閉時期とバルブリフト量とを制御する。
また、ノックセンサ37からの信号、エンジンの負荷と回転速度の信号が、水温センサ38からの水温の信号、吸気温度センサ43からの吸気温度の信号、大気圧センサ44からの大気圧の信号と共に入力されるエンジンコントローラ31では、点火コイル13を介して点火プラグ14の一次側電流の遮断時期である点火時期を制御する。
さて、点火時期は、MBT(最大トルクの得られる最小進角値)とトレース点火時期とから定まる。ここで、トレース点火時期とは、エンジンにダメージを与えることのない軽いノックを許容している点火時期のことで、トレース点火時期よりも点火時期を進めることは避けなければならない。
ところで、ガソリン燃料を対象とする場合に使用燃料に対するトレース点火時期はオクタン価に依存し、オクタン価が大きくなるほどノックが発生しにくくなる(耐ノック性が高くなる)のであるが、ガソリンにアルコールを混入させている、いわゆるアルコール燃料を対象とする場合には、使用燃料に対するトレース点火時期はアルコール混入率(アルコール混入率が0%はガソリンのみ、100%はアルコールのみを表す)に依存し、アルコール混入率が大きくなるほどノックが発生しにくくなる(耐ノック性が高くなる)。また、同じオクタン価のガソリン燃料を対象とする場合に、ノックは環境条件の一つである外気の湿度に依存し、外気の湿度が大きくなるほどノックが発生しにくくなる(耐ノック性が高くなる)。従って、
〔1〕ガソリン燃料を対象とする場合におけるオクタン価、
〔2〕アルコール燃料を対象とする場合におけるアルコール混入率、
〔3〕同じオクタン価のガソリン燃料を対象とする場合における外気の湿度
は耐ノック性と相関する値となるので、ガソリン燃料を対象とする場合におけるオクタン価、アルコール燃料を対象とする場合におけるアルコール混入率、同じオクタン価のガソリン燃料を対象とする場合における外気の湿度の総称として、「耐ノック係数」を導入している。
ここで、上記〔1〕の場合における耐ノック係数の数値の採り方としては、次のようにする。すなわち、図3下方に示したように、耐ノック係数最小値は最小オクタン価(90)に対応させて、また耐ノック係数最大値は最大オクタン価(100)に対応させて採り、耐ノック係数の数値はオクタン価が大きくなるほど大きくなるように採る。従って、耐ノック係数は、この値が大きくなるほどノックが生じにくい、つまり耐ノック性が高いことを表す物理量として定義されることとなる。上記〔2〕、〔3〕の場合についても同様に考えればよい。なお、最小オクタン価(90)の燃料とは具体的にはレギュラーガソリンのこと、また最大オクタン価(100)の燃料とは具体的にはハイオクガソリンのことである。
ガソリン燃料を対象とする場合に、MBTとトレース点火時期の2つの点火時期を図2に示すと、MBTはエンジン負荷の増大に対してほぼ直線的に小さくなるのに対して、トレース点火時期は負荷が大きくなるほどゆるやかに下に凸の弧を描きながら遅角側に移動する。
このうち、図2(A)はエンジン回転速度Neが低い(例えば2000rpm)ときの、図2(B)はエンジン回転速度Neが高い(例えば6000rpm)ときの点火時期の特性で、横軸にエンジンの負荷を、縦軸に点火時期[degBTDC]を採っている。縦軸は、上側が進角側、下側が遅角側である。
耐ノック係数の異なる2つの燃料、例えば耐ノック係数最小値の燃料を第1基準燃料として、耐ノック係数最大値の燃料を第2基準燃料としてそれぞれ定めたとき、図2(A)、図2(B)には第1基準燃料に対するトレース点火時期である第1基準トレース点火時期と、第2基準燃料に対するトレース点火時期である第2基準トレース点火時期の2つの特性を、耐ノック係数中間値の燃料に対するトレース点火時期の特性と共に、実線で重ねて示している。ここで、「耐ノック係数」は、上記のように、この値が大きくなるほどノックが生じにくい、つまり耐ノック性が高いことを表す物理量であるから、例えばガソリン燃料を対象とする場合には、耐ノック係数最小値は最小オクタン価(例えば90)を、耐ノック係数最大値は最大オクタン価(例えば100)を、耐ノック係数中間値は最小オクタン価と最大オクタン価の平均値(95)を表すことになる。
図2(A)より、例えば第1基準燃料の使用時にエンジンの負荷を大きくしていくと、一点鎖線で示すMBTと太実線で示す第1基準トレース点火時期とがA点で交差し、第1基準トレース点火時期のほうがMBTより遅角側にくる。このため、第1基準燃料の使用時には、A点までの小さな負荷域でMBTを、パワートランジスタ13に与える最終の点火時期(ADV)として、またA点より大きな負荷域で第1基準トレース点火時期を最終の点火時期(ADV)として制御することになる。
ガソリン燃料を対象とする場合には、図2(A)に示したように、同じエンジン運転条件(エンジン負荷と回転速度Neが同じ)であれば、第1基準トレース点火時期のほうが第2基準トレース点火時期より遅角側にあり、かつ同じエンジン負荷のときの2つの基準トレース点火時期の間の変化量は、負荷が大きくなるほど大きくなっている。こうした傾向は、高回転速度時を示す図2(B)においても同じであるが、高回転速度時になると、図2(A)に示す低回転速度時より、第1基準トレース点火時期と、第2基準トレース点火時期との2つの基準トレース点火時期の特性が全体的に遅角側に移動し、かつ同じエンジン負荷のときの2つの基準トレース点火時期の間の変化量は、高回転速度時のほうが低回転速度時より小さくなっている。
この場合に、使用燃料の耐ノック係数が耐ノック係数最小値と耐ノック係数最大値の間にある場合を考えると、使用燃料に対するトレース点火時期は、例えば図2(A)の破線に示したように、第1基準トレース点火時期と第2基準トレース点火時期との間にあるのであるから、使用燃料に対するトレース点火時期は、エンジンの負荷と回転速度Neにより定まる運転条件に加えて、耐ノック係数の相違(例えばガソリン燃料を対象とする場合には燃料性状の一つであるオクタン価の相違の影響)を大きく受けている。
いま、横軸に耐ノック係数を、縦軸に点火時期[degBTDC]を採り直すと、実際のトレース点火時期は、図3実線で示したようになり、第1基準トレース点火時期と第2基準トレース点火時期との間で上に凸の曲線で変化する、という性質を有する。
さて、ノックセンサに基づいて使用燃料の耐ノック係数を推定したとき、その推定耐ノック係数は、耐ノック係数の最小値と耐ノック係数の最大値の間のいずれかの位置にある。図3において実際のトレース点火時期は実線で示したように上に凸の曲線であるので、実際のトレース点火時期を直線で近似することを考える。例えば、実際のトレース点火時期を図示のG点とH点とを結んだ一本の直線(図示しない)で近似することを考えると、この場合には、推定耐ノック係数が耐ノック係数の最小値と耐ノック係数の最大値のちょうど真ん中付近にあるときに実際のトレース点火時期からの誤差が大きくなってしまう。
そこで、従来技術では、図14に示したように実際のトレース点火時期に合わせて曲線で近似している。ただし、図14に示す進角率KADVの特性はエンジンの運転条件に関係なく1つだけとし、トレース点火時期変化量ADVMAXのほうを運転条件に応じて与えている。すなわち、従来技術は、トレース点火時期変化量ADVMAXはエンジンの運転条件の相違で変化するものの、トレース点火時期変化量ADVMAXを100%としたときには実際のトレース点火時期は、エンジンの運転条件に関係なく図14に示す1つの曲線で近似できるとみなすものである。
しかしながら、図3に示した実際のトレース点火時期の曲線の特性は、図2(A)、図2(B)より類推して、エンジンの運転条件に依存して大きく変化すると思われるので、従来技術のように図14に示す1つの曲線を与えるだけでは、運転条件によっては実際のトレース点火時期からの誤差が大きくなり、実際のトレース点火時期を近似できない場合が考えられる。かといって図14に示す特性を運転条件毎に用意するのでは、メモリ容量が莫大なものとなってしまう。
そこで本発明では、第1基準トレース点火時期と第2基準トレース点火時期との2つの基準トレース点火時期の間を上に凸の曲線で変化する実際のトレース点火時期を2つの直線で近似し、その近似した2つの直線と、使用燃料の推定耐ノック係数(推定したした使用燃料のノックの起こりにくさの程度)とに基づいて、使用燃料のトレース点火時期補正量を算出し、この算出したトレース点火時期補正量と2つの基準トレース点火時期とに基づいて、使用燃料に対するトレース点火時期を算出し、この算出されたトレース点火時期で火花点火を行う。
この使用燃料に対するトレース点火時期の算出方法について図3をさらに参照して説明する。
1つの運転条件において横軸に耐ノック係数を、縦軸に点火時期[degBTDC]を採ると、実際のトレース点火時期は、第1基準トレース点火時期と、第2基準トレース点火時期との間で、図3実線で示したように、上に凸の曲線で変化する性質を有する。
さて、ノックセンサ37に基づいて使用燃料の耐ノック係数を推定したとき、その推定耐ノック係数は、耐ノック係数最小値と耐ノック係数最大値の間のいずれかの位置にある。実際のトレース点火時期は図3実線で示したように上に凸の曲線であるので、こうした場合に、実際のトレース点火時期を直線で近似することが一般的である。例えば、図示のG点とH点とを結んだ一本の直線(図示しない)で近似することである。しかしながら、図3実線で示す曲線が大きく曲がっている場合において、推定耐ノック係数が耐ノック係数最小値と耐ノック係数最大値のちょうど真ん中付近にあるときに実際のトレース点火時期からの誤差が大きくなってしまう。
そこで本発明では、実際のトレース点火時期を二本の直線で近似する。すなわち、図3に一点鎖線で示したように、G点とI点を結ぶ直線と、H点とI点を結ぶ直線との二本の直線で近似することにより、実際のトレース点火時期からの誤差が大きくならないようにする。
今、推定耐ノック係数が、耐ノック係数中間値よりも耐ノック係数最小値に近い側にある、つまり耐ノック係数最小値と耐ノック係数中間値との間の図示位置にあるとすると、G点よりJ点(トレース点火時期)までのトレース点火時期補正量DADV[deg]は次式により算出することができる。
DADV=a×(ANTIKNKest−ANTIKNKmin)
…(1)
ただし、a:直線の傾き
ANTIKNKest:推定耐ノック係数、
ANTIKNKmin:耐ノック係数最小値、
ここで、(1)式の直線の傾きaは、図3においてG点とI点を結ぶ直線(第1基準トレース点火時期に近い側の直線)の傾きであり、本発明ではこの直線の傾きaを改めて「トレース点火時期移動量基本値」という名称で定義する。
このようして、トレース点火時期補正量DADVが求まれば、G点の第1基準トレース点火時期[degBTDC]よりこのトレース点火時期補正量DADVだけ進角側の値を推定耐ノック係数の燃料(使用燃料)に対するトレース点火時期KNKCAL[degBTDC]として、つまり次式により使用燃料に対するトレース点火時期KNKCALを求めることができる。
KNKCAL=TRCADV1+DADV …(2)
ただし、TRCADV1:第1基準トレース点火時期、
点火時期の単位は圧縮上死点を基準として進角側に計測したクランク角位置であるので、この点火時期の値が大きくなるほど点火時期は進角側に向かう。従って、(2)式によりトレース点火時期補正量DADVを加算することは、第1基準トレース点火時期よりトレース点火時期補正量DADVだけ進角させた値をトレース点火時期KNKCALとして定めることを意味するので、(2)式によりJ点のトレース点火時期を求めることができている。
一方、推定耐ノック係数が、耐ノック係数中間値よりも耐ノック係数最大値に近い側にある、つまり耐ノック係数最大値と耐ノック係数中間値との間の図示位置にあるとすると、H点よりK点(トレース点火時期)までのトレース点火時期補正量DADV[deg]を次式により算出することができる。
DADV=b×(ANTIKNKmax−ANTIKNKest)
…(3)
ただし、b:直線の傾き
ANTIKNKest:推定耐ノック係数、
ANTIKNKmax:耐ノック係数最大値、
ここで、(3)式の直線の傾きbは、図3においてI点とH点を結ぶ直線(第2基準トレース点火時期に近い側の直線)の傾きのことで、本発明ではこの直線の傾きbも「トレース点火時期移動量基本値」と定義する。上記の傾きaとこの傾きbとを区別するため、上記の傾きaを「第1トレース点火時期移動量基本値」、傾きbを「第2トレース点火時期移動量基本値」という。
このようして、トレース点火時期補正量DADVが求まれば、H点の第2基準トレース点火時期[degBTDC]よりこのトレース点火時期補正量DADVだけ遅角側の値を推定耐ノック係数の燃料(使用燃料)に対するトレース点火時期KNKCAL[degBTDC]として、つまり次式により使用燃料に対するトレース点火時期KNKCALを求めることができる。
KNKCAL=TRCADV2−DADV …(4)
ただし、TRCADV2:第2基準トレース点火時期
(4)式によりトレース点火時期補正量DADVを減算することは、第2基準トレース点火時期よりトレース点火時期補正量DADVだけ遅角させた値をトレース点火時期KNKCALとして定めることを意味するので、(4)式によりK点のトレース点火時期を求めることができている。
上記(1)式の第1トレース点火時期移動量基本値a及び上記(3)式の第2トレース点火時期移動量基本値bは、図2(A)、図2(B)の特性より類推して、エンジンの負荷及び回転速度(つまりエンジン運転条件)と耐ノック係数とにより異なっている。ガソリン燃料を対象とする場合には、例えば図4に示したように、第1トレース点火時期移動量基本値aは、エンジンの運転条件が同じであれば、推定耐ノック係数が大きくなるほど大きくなり、推定耐ノック係数と回転速度Neが同じであれば、高負荷時のほうが低負荷時より大きくなる傾向を有している。従って、(1)式の第1トレース点火時期移動量基本値a及び(3)式の第2トレース点火時期移動量基本値bは、後述するように、エンジンの負荷と回転速度Neをパラメータとして予めマップにしておく。
なお、実際のトレース点火時期を近似する2つの直線を定めるのに、実施形態では図3においてI点、つまり耐ノック係数中間値に対する実トレース点火時期を採用しているが、これに限られるものでなく、実際のトレース点火時期が図示のような曲線であるときにはI点をもっと左側に採ることが考えられる。
次に、エンジンコントローラ31で実行されるこの点火時期制御を以下のブロック図に基づいて詳述する。
図5は、エンジンコントローラ31の有する点火時期算出部の全体構成図で、点火時期算出部は、基準トレース点火時期算出部51、耐ノック係数推定部52、燃料判定部53、切換スイッチ54、トレース点火時期補正量算出部55、加算器56、基本点火時期算出部57、最小値選択部58からなっている。
このうち基準トレース点火時期算出部51の詳細を図6に、耐ノック係数推定部52の詳細を図7に、ガソリン燃料を対象とする場合の燃料判定部53の詳細を図8(A)に、アルコール燃料を対象とする場合の燃料判定部53の詳細を図8(B)に、同じオクタン価のガソリン燃料を対象とする場合の燃料判定部53の詳細を図8(C)に、トレース点火時期補正量算出部52の詳細を図11に、基本点火時期算出部57の詳細を図12にそれぞれ示している。
まず、図6から説明すると、図6において第1基準トレース点火時期算出部61ではエンジンの負荷と回転速度Neから所定のマップを検索することにより第1基準燃料に対するトレース点火時期である第1基準トレース点火時期TRCADV1[degBTDC]を算出する。同様にして、第2基準トレース点火時期算出部62ではエンジンの負荷と回転速度Neから所定のマップを検索することにより第2基準燃料に対するトレース点火時期である第2基準トレース点火時期TRCADV2[degBTDC]を算出する。
第1基準トレース点火時期TRCADV1、第2基準トレース点火時期TRCADV2はいずれも、同じ回転速度Neであればエンジンの負荷が大きくなるほど遅角側に向かい、また同じ負荷であればエンジンの回転速度Neが低くなるほど遅角側に向かう値である。また、第2基準燃料のほうが、第1基準燃料よりノックが生じにくい分だけ、第2基準トレース点火時期TRCADV2のほうが全体として第1基準トレース点火時期TRCADV1より進角側の値となっている。
図7に示している耐ノック係数の推定はノックの発生する時期に合わせて行う。ノックの発生する時期は点火直後であり、点火は気筒毎に所定のクランク角位置で行われるので、図7に示している耐ノック係数の推定は気筒毎の所定のクランク角位置で行う。
図7おいてまず、耐ノック係数増加量算出部71では、エンジンの負荷と回転速度Neから所定のマップを検索することにより耐ノック係数増加量DZOU[無名数]を算出する。同様にして、耐ノック係数減少量算出部72では、エンジンの負荷と回転速度Neから所定のマップを検索することにより耐ノック係数減少量DGEN[無名数]を算出する。
切換スイッチ73では、耐ノック係数増加制限の条件でないとき耐ノック係数増加量DZOUをそのまま出力し、これに対して耐ノック係数増加制限の条件であるときには耐ノック係数増加量DZOUをゼロとして出力する(つまり耐ノック係数増加量DZOUを出力しない)。
ここで、耐ノック係数増加制限の条件とは、第1に、図2(A)に示したように、推定耐ノック係数ANTIKNKestの燃料(使用燃料)に対するトレース点火時期が破線の位置にあったとして、この破線と一点鎖線のMBTとが交わる点をB点としたとき、B点より負荷の小さな領域(耐ノック係数増加制限域)にあるときであり、第2にはノックが生じているときである。当該耐ノック係数増加制限域で耐ノック係数増加量DZOUをゼロとするのは、この耐ノック係数増加制限域ではできるだけノックを発生させたくないためである。すなわち、耐ノック係数増加量DZOUを加算することは、後述するようにその加算分だけ耐ノック性が高い燃料であると推定するものであるため、最終的に求められる推定耐ノック係数の燃料(使用燃料)に対するトレース点火時期(KNKCAL)がその加算分だけ進角側の値となる。ということは、それだけノックが生じやすくなるわけである。そこで、この耐ノック係数増加制限域では耐ノック係数増加量DZOUを加算させないようにする。
ノックが生じているときに耐ノック係数増加量DZOUをゼロとするのは、後述するように、ノックが生じているときに耐ノック係数減少量DGENが、耐ノック係数増加量DZOUに代わって出力されるので、ノックが生じているときには耐ノック係数増加量DZOUを出力する必要がないためである。
図7において、切換スイッチ74では、ノック判定結果に基づき、ノックが発生しているときには耐ノック減少量DGENをそのまま出力し、これに対してノックが生じていないときには、耐ノック減少量DGENをゼロとして出力する。ここで、ノック判定結果とは、ノックセンサ37に基づいてノック判定部76で行われる、ノックが生じているか否かの判定結果のことである。
切換スイッチ74からの出力が入力される反転器75では、入力値の符号を逆にして出力する。つまり、耐ノック係数減少量DGENがゼロでないときに、その正の値の耐ノック係数減少量DGENにマイナスの符号を付けて出力する。
切換スイッチ77では、ノック判定結果に基づきノックが生じているときはマイナスの符号の付された耐ノック係数減少量DGENを出力し、これに対してノックが生じていないときには切換スイッチ73の出力をそのまま出力する。
加算器79では、推定耐ノック係数前回値保持器78からの推定耐ノック係数前回値に切換スイッチ77からの出力を加算した値を推定耐ノック係数(今回値)ANTIKNKestとして算出する。つまり、次式により推定耐ノック係数ANTIKNKestを更新する。
ANTIKNEest=ANTIKNEest(前回)+切換スイッチ出力
…(5)
ただし、ANTIKNEest(前回):ANTIKNEestの前回値、
(5)式は、ノックが発生したときには、次の(6)式となり、耐ノック係数増加制限の条件でないときには次の(7)式となる。すなわち、ノックが発生しているか否かの判定結果に基づいて、ノックが発生したときには、推定耐ノック係数ANTIKNKestを耐ノック係数減少量DGENだけ小さくし、ノックが発生していないあいだは耐ノック係数増加量DZOUずつ推定耐ノック係数ANTIKNKestを大きくしていく。
ANTIKNEest=ANTIKNEest(前回)−DGEN
…(6)
ANTIKNEest=ANTIKNEest(前回)+DZOU
…(7)
このようにして、推定耐ノック係数ANTIKNEestは、ガソリン燃料を対象とする場合にそのときに使用しているガソリン燃料のオクタン価に応じたものとなる。また、アルコール燃料を対象とする場合には、推定耐ノック係数はそのときに使用しているアルコール燃料のアルコール混入率に応じたものと、さらに、同じオクタン価のガソリン燃料を対象とする場合には、推定耐ノック係数はそのときの環境条件である外気の湿度に応じたものとなる。
耐ノック係数リミッタ80では、加算器78によって更新された推定耐ノック係数ANTIKNKestを上限値と下限値の間に制限している。すなわち、更新された推定耐ノック係数ANTIKNKestが上限値を超えているときには上限値を推定耐ノック係数ANTIKNKestとし、これに対して更新された推定耐ノック係数ANTIKNKestが下限値を下回っているときには下限値を推定耐ノック係数ANTIKNKestとする。
耐ノック係数の上限値、耐ノック係数の下限値としては耐ノック係数の最小値、耐ノック係数の最大値よりも外側に設ける。ガソリン燃料を対象とする場合には例えば、オクタン価下限値(例えば80)を耐ノック係数上限値として、オクタン価上限値(例えば110)を耐ノック係数上限値としてそれぞれ設定する。
このようにして耐ノック係数リミッタ79により制限された後の推定耐ノック係数は、推定耐ノック係数前回値保持器76により推定耐ノック係数前回値として保持される。
上記の耐ノック係数増加量DZOU、耐ノック係数減少量DGENは、エンジンの回転速度Neが同じであれば、エンジンの負荷が大きくなるほど小さくなり、またエンジンの負荷が同じであれば回転速度Neが低くなるほど小さくなる値である。耐ノック係数増加量DZOUと耐ノック係数減少量DGENとの比較では、エンジンの負荷と回転速度Neが同じとき、耐ノック係数増加量DZOUのほうが耐ノック係数減少量DGENより小さくなっている。
ここで、耐ノック係数増加量DZOUをエンジンの負荷と回転速度Neをパラメータとする可変値で設定したのは、次の理由からである。すなわち、エンジンの負荷や回転速度Neに関係なく、耐ノック係数増加量DZOUの1回の加算によって最終的に求まる使用燃料のトレース点火時期(KNKCAL)が、所定時間当たり1度(あるいは2度)といったクランク角だけ進角側にずれるように、この逆に耐ノック係数減少量DGENの1回の減算によって最終的に求まる使用燃料のトレース点火時期(KNKCAL)が、今度は進角側とは反対側の遅角側に、所定時間当たり同じクランク角だけずれるように設定したい、という要求があり、この要求に応えたものである。逆に言うと、最終的に求まる使用燃料のトレース点火時期が、エンジンの負荷や回転速度Neに関係なく所定時間当たり同じクランク角だけ進角側や遅角側にずれるように、耐ノック係数増加量DZOUと耐ノック係数減少量DGENとをエンジンの負荷と回転速度Neとに応じて設定している。
こうした耐ノック係数増加量DZOU及び耐ノック係数減少量DGENの設定によって、エンジンの負荷や回転速度Neに関係なく、トレース点火時期KNKCALの算出タイミングでノックが生じる毎に一定角度ずつトレース点火時期KNKCALが遅角されてゆき、またトレース点火時期KNKCALの算出タイミングにノックが生じてなければ一定角度ずつトレース点火時期KNKCALが進角されてゆくこととなる。
ガソリン燃料を対象とする場合の燃料判定部53の詳細が図8(A)、アルコール燃料を対象とする場合の燃料判定部53の詳細が図8(B)、同じオクタン価のガソリン燃料を対象とする場合の燃料判定部53の詳細が図8(C)であるが、代表してアルコール燃料を対象とする場合で説明する。
燃料性状の判定は気筒毎の所定のクランク角位置で(つまりノックが発生しているか否かの判定タイミング毎に)行う。図8(A)において燃料判定部81では、推定耐ノック係数ANTIKNKestをオクタン価へと変換する。この場合に、推定耐ノック係数ANTIKNKestからオクタン価への変換にはヒステリシスを設けている。すなわち、推定耐ノック係数ANTIKNKestが、今仮に耐ノック係数最小値ANTIKNKminにあり、その後に変化して耐ノック係数最小値ANTIKNKminより大きくなっても、オクタン価は最小オクタン価(90)のままで変わらず、さらに変化して耐ノック係数最大値ANTIKNKmax(閾値)に等しくなるか耐ノック係数最大値ANTIKNKmaxを上回って大きくなるとオクタン価は最大オクタン価(100)へと切換わる。この逆に、推定耐ノック係数ANTIKNKestが、今仮に耐ノック係数最大値ANTIKNKmaxにあり、その後に変化して耐ノック係数最大値ANTIKNKmaxより小さくなっても、オクタン価は最大オクタン価(100)のままであり、さらに変化して耐ノック係数最小値ANTIKNKmin(閾値)に等しくなるか耐ノック係数最小値NTIKNKminを下回って小さくなるとオクタン価は最小オクタン価(90)へと切換わる。言い換えると、燃料判定結果として、オクタン価90が出力されることは、使用燃料のオクタン価が最小オクタン価に近い側にあることを、またオクタン価100が出力されることは、使用燃料のオクタン価が最大オクタン価に近い側にあることを意味している。
このようにして、使用燃料のオクタン価が最小オクタン価かまたは最大オクタン価のいずれに近い側にあるのかの燃料判が行われる(燃料判定部81により、使用燃料が最小オクタン価の燃料に近い側にあるのかそれとも最大オクタン価の燃料に近い側にあるのかの判定が行われる)。
上記(5)式、(6)式、(7)式の推定耐ノック係数の前回値を表すANTIKNEest(前回)の初期値(耐ノック係数初期値)は、エンジンの始動時毎に設定する。
これを図9により説明すると、図9において横軸に推定耐ノック係数を、縦軸に耐ノック係数初期値を採っている。前回のエンジン運転時に推定耐ノック係数が演算されているとして、その演算値が収まる範囲の上限と下限に上限閾値Loと下限閾値Hiを定めれば、前回のエンジン運転時に推定耐ノック係数が演算されていれば、その演算値はこれら上限閾値Loと下限閾値Hiの間に収まることとなる。従って、このときには前回のエンジン運転時に演算されている推定耐ノック係数をそのまま今回のエンジン運転時における耐ノック係数初期値として設定すればよい。
これに対して、推定耐ノック係数がこれら上限閾値Loと下限閾値Hiの間に収まっていない場合とは、推定耐ノック係数が一度も演算されていない、つまり今回のエンジン運転時に初めて推定耐ノック係数を演算する場合である。このときには、何らかの値を、つまりメモリに予め設定している値を耐ノック係数初期値として与えてやる必要がある。このため、上限閾値Loと下限閾値Hiの中間に設けた中間閾値と推定耐ノック係数とを比較し、推定耐ノック係数が中間閾値より大きいときにはROMに記憶している最大値を耐ノック係数初期値として、この逆に推定耐ノック係数が中間閾値より小さいときにはROMに記憶している最小値を耐ノック係数初期値として設定する。この結果、図9において太実線で示す特性が耐ノック係数初期値の特性を表すことになる。
図9に示した耐ノック係数初期値の設定については、図10のフローにより説明する。図10のフローはエンジンの始動時に1回だけ実行する。
図10において、まずステップ91〜94では次の条件が成立しているか否かを一つずつ確かめ、すべての条件が成立しているときにステップ95に進んで前回のエンジン停止時にメモリに格納されている推定耐ノック係数の値をそのまま、今回のエンジン運転時の耐ノック係数初期値として設定する。
〈1〉前回のエンジン停止時の推定耐ノック係数が下限閾値Lo以上かつ上限閾値Hi以 下であること。
〈2〉水温センサ38により検出される始動時水温と、前回のエンジン停止時の水温との 差が所定値以内であること。
〈3〉吸気温度センサ43により検出される始動時の吸気温度と、前回のエンジン停止時 の吸気温度との差が所定値以内であること。
〈4〉大気圧センサ44により検出される始動時の大気圧と、前回のエンジン停止時の大 気圧との差が所定値以内であること。
ここで、〈1〉は前回のエンジン運転時に推定耐ノック係数が演算されていることを条件とするものである。〈2〉〜〈4〉は前回のエンジン運転時と今回のエンジン運転時との間で環境条件が変化していないことを条件とするものである。すなわち、前回のエンジン運転時に推定耐ノック係数が演算されており、かつ前回のエンジン運転時と今回のエンジン運転時との間で環境条件が変化していなければ、前回のエンジン運転時に演算している推定耐ノック係数をそのまま今回のエンジン運転時の耐ノック係数初期値とする。
一方、上記〈1〉〜〈4〉のいずれかでも満たさない場合には、ステップ96に進んで前回のエンジン停止時の推定耐ノック係数と中間閾値とを比較する。前回のエンジン停止時の推定耐ノック係数が中間閾値より大きい場合にはステップ97に進んでエンジンコントローラ31内のROMに記憶されている最大値を耐ノック係数初期値として、また前回のエンジン停止時の推定耐ノック係数が中間閾値より小さい場合にはステップ98に進んでエンジンコントローラ31内のROMに記憶されている最小値を耐ノック係数初期値としてそれぞれ設定する。
図5に戻り、ガソリン燃料を対象とする場合に、切換スイッチ54で、燃料判定部53による燃料判定結果に基づき、使用燃料のオクタン価が第1基準燃料のオクタン価(90)に近い側にあるときには第1基準トレース点火時期TRCADV1を、また使用燃料のオクタン価が第2基準燃料のオクタン価(100)に近い側にあるときには第2基準トレース点火時期TRCADV2を基本トレース点火時期TRCADV0として出力する。
同様にして、アルコール燃料を対象とする場合に、切換スイッチ54で燃料判定結果に基づき、使用燃料のアルコール混入率がアルコール混入率0%の燃料(第1基準燃料)に近い側にあるときには第1基準トレース点火時期TRCADV1を、また使用燃料のアルコール混入率がアルコール混入率100%の燃料(第2基準燃料)に近い側にあるときには第2基準トレース点火時期TRCADV2を基本トレース点火時期TRCADV0として、また、同じオクタン価のガソリン燃料を対象とする場合に、切換スイッチ54で燃料判定結果に基づき、外気の湿度が最小湿度に近い側にあるときには第1基準トレース点火時期TRCADV1を、また外気の湿度が最大湿度に近い側にあるときには第2基準トレース点火時期TRCADV2を基本トレース点火時期TRCADV0としてそれぞれ出力する。
図11に示しているトレース点火時期補正量の算出は気筒毎の所定のクランク角位置で行う。図11において、第1トレース点火時期移動量基本値算出部101ではエンジンの負荷と回転速度Neから所定のマップを検索することにより、推定耐ノック係数ANTIKNKestが、耐ノック係数中間値ANTIKNKmidよりも耐ノック係数最小値ANTIKNKminに近い側にある場合のトレース点火時期移動量基本値である第1トレース点火時期移動量基本値a[degBTDC]を算出する。同様にして、第2移動量基本値算出部102ではエンジンの負荷と回転速度Neから所定のマップを検索することにより、推定耐ノック係数ANTIKNKestが、耐ノック係数中間値ANTIKNKmidよりも耐ノック係数最大値ANTIKNKmaxに近い側にある場合のトレース点火時期移動量基本値である第2トレース点火時期移動量基本値b[degBTDC]を算出する。
切換スイッチ103では、ガソリン燃料を対象とする場合において、燃料判定結果に基づき、使用燃料のオクタン価が第1基準燃料のオクタン(90)に近い側にあるときには第1トレース点火時期移動量基本値aを、また使用燃料のオクタン価が第2基準燃料のオクタン価(100)に近い側にあるときには第2トレース点火時期移動量基本値bをトレース点火時期移動量基本値c[degBTDC]として出力する。
同様にして、アルコール燃料を対象とする場合に、使用燃料のアルコール混入率がアルコール混入率0%の燃料に近い側にあるときには第1トレース点火時期移動量基本値aを、また使用燃料のアルコール混入率がアルコール混入率100%の燃料に近い側にあるときには第2トレース点火時期移動量基本値bをトレース点火時期移動量基本値cとして、また、同じオクタン価のガソリン燃料を対象とする場合に、外気の湿度が最小湿度に近い側にあるときには第1トレース点火時期移動量基本値aを、また外気の湿度が最大湿度に近い側にあるときには第2トレース点火時期移動量基本値bをトレース点火時期移動量基本値cとしてそれぞれ出力する。
一方、もう一つの切換スイッチ104では、ガソリン燃料を対象とする場合に、燃料判定結果に基づき、使用燃料のオクタン価が最小オクタン価に近い側にあるときに第1基準耐ノック係数ANTIKNK1を、また使用燃料のオクタン価が最大オクタン価に近い側にあるときに第2基準耐ノック係数ANTIKNK2を基準耐ノック係数ANTIKNK0として出力する。ここで、第1基準耐ノック係数とは耐ノック係数最小値ANTIKNKminのこと、第2基準耐ノック係数とは耐ノック係数最大値ANTIKNKmaxのことである。
差分器105では推定耐ノック係数ANTIKNKestと切換スイッチ104の出力である基準耐ノック係数ANTIKNK0との差を差分推定耐ノック係数DANTIとして算出する。すなわち、次式により差分推定耐ノック係数DANTIを算出する。
DANTI=ANTIKNKest−ANTIKNK0 …(8)
乗算器106ではトレース点火時期移動量基本値cにこの差分推定耐ノック係数DANTIを乗算した値をトレース点火時期補正量DADV[deg]として、つまり次式によりトレース点火時期補正量DADVを算出する。
DADV=c×DANTI …(9)
図5に戻り、加算器56では基本トレース点火時期TRCADV0とトレース点火時期補正量DADVを加算して、つまり次式によりトレース点火時期KNKCAL[degBTDC]を算出する。
KNKCAL=TRCADV0+DADV …(10)
上記(9)式は、推定耐ノック係数ANTIKNKestが、耐ノック係数中間値ANTIKNKmidよりも耐ノック係数最小値ANTIKNKminに近い側にある場合には次の(11)式となり、また耐ノック係数中間値ANTIKNKmidよりも耐ノック係数最大値ANTIKNKmaxに近い側にある場合には次の(12)式となる。
DADV=a×DANTI
=a×(ANTIKNKest−ANTIKNK1)
=a×(ANTIKNKest−ANTIKNKmin)
…(11)
DADV=b×DANTI
=b×(ANTIKNKest−ANTIKNK2)
=b×(ANTIKNKest−ANTIKNKmax)
…(12)
ここで、(11)式は上記(1)式と同じである。一方、(12)式では、ANTIKNKest<ANTIKNKmaxであることより、トレース点火時期補正量DADVはマイナスの値を含んでいることになる。このため、(12)式と(10)式とを合わせ考えれば、上記(3)式と(4)式の組合せと実質的に同じであることがわかる。
図12に示しているMBTの得られる基本点火時期MBTCALの算出は気筒毎の所定のクランク角位置で行ってもよいし、一定時間毎(例えば10ms毎)に行わせてもかまわない。図12において基本点火時期算出部111ではエンジンの負荷と回転速度Neから所定のマップを検索することによりMBTの得られる基本点火時期MBTCAL[degBTDC]を算出する。基本点火時期MBTCALは、同じ回転速度Neであればエンジンの負荷が大きくなるほど遅角側に向かい、また同じ負荷であればエンジンの回転速度Neが低くなるほど遅角側に向かう値である。MBTの得られる基本点火時期MBTCALは燃料の種類や性状に依存しない値であるため、ガソリン燃料を対象とする場合、アルコール燃料を対象とする場合、同じオクタン価のガソリン燃料を対象とする場合のいずれの場合においても1つのマップでかまわない。
図5に戻り、最小値選択部58ではトレース点火時期KNKCALと基本点火時期MBTCALとを比較し、小さい方の値を最終的な点火時期ADV[degBTDC]として選択する。点火時期の単位は、圧縮上死点を基準として進角側に計測したクランク角位置であるので、小さい方を選択するとは、トレース点火時期KNKCALと基本点火時期MBTCALのうち遅角側の値を選択することである。
このようにして算出した点火時期ADVは、点火時期指令値として点火レジスタに移され、実際のクランク角がこの点火時期指令値と一致したタイミングでエンジンコントローラ31より一次電流を遮断する点火信号がパワートランジスタに出力される。
ここで、本実施形態の作用効果を説明する。
本実施形形態(請求項1に記載の発明)では、エンジンの負荷と回転速度Neから定まる1つの運転条件において図3に示したように実際のトレース点火時期を二本の直線で近似する。すなわち、図3一点鎖線で示したように、G点とI点を結ぶ直線と、H点とI点を結ぶ直線との二本の直線で実際のトレース点火時期を近似することにより、特許文献1の技術のように曲線で近似する場合よりは若干精度は落ちるものの、実際のトレース点火時期からの誤差が大きくならないようにすることができる。そして、本実施形態(請求項1に記載の発明)により1つの運転条件に対して実際のトレース点火時期を2本の直線で近似するのであれば、1つの運転条件に対してメモリに記憶させる値は2つ直線の傾き、つまり2つでよいことになる。従って、運転条件の相違毎に2つの値を記憶させるだけで済むのであれば、特許文献1の技術のように図14の曲線特性を運転条件の相違毎に記憶させる場合に比較して、メモリ容量が膨大となることもない。
このように、本実施形態(請求項1、29に記載の発明)によれば、耐ノック係数(ノックの起こりにくさの程度)の異なる2つの燃料を第1基準燃料、第2基準燃料として予め定めておき、第1基準燃料に対するトレース点火時期である第1基準トレース点火時期TRCADV1と、第2基準燃料に対するトレース点火時期である第2基準トレース点火時期TRCADV2とをそれぞれ算出し、使用燃料の耐ノック係数を推定し、前記2つの基準トレース点火時期の間を曲線で変化する実際のトレース点火時期を2つの直線で近似し、その近似した2つの直線と推定耐ノック係数ANTIKNKestとに基づいて、使用燃料のトレース点火時期補正量DADVを算出し、この算出したトレース点火時期補正量DADVと2つの基準トレース点火時期TRCADV1、TRCADV2とに基づいて、使用燃料に対するトレース点火時期KNKCALを算出し、この算出されたトレース点火時期KNKCALで火花点火を行うので、メモリ容量を制限しつつ、エンジンの運転条件の相違に関係なく、使用燃料の耐ノック係数(ガソリン燃料を対象としている場合にはオクタン価)が2つの各基準燃料よりより大きく離れている場合においても、実際のトレース点火時期からのずれを防ぐことができる。
本実施形態(請求項16、44に記載の発明)によれば、図7の耐ノック係数リミッタ80において、耐ノック係数減少量DGENだけ減少させた後の推定耐ノック係数ANTIKNKestが予め記憶された下限値より小さい場合に、耐ノック係数減少量DGENだけ減少させた後の推定耐ノック係数ANTIKNKestをこの下限値に制限するので、誤リタードを防止することができる。
本実施形態(請求項18、46に記載の発明)によれば、図7の耐ノック係数減少量算出部72において、耐ノック係数減少量DGENの1回の減算によって使用燃料に対するトレース点火時期KNKCALが、所定時間当たり所定クランク角(1度あるいは2度)だけ遅角側にずれるように耐ノック係数減少量DGENを設定するので、ノック回避のために必要最低限のリタードとすることができる。
本実施形態(請求項21、49に記載の発明)によれば、図7の耐ノック係数リミッタ80において、耐ノック係数増加量DZOUだけ増加させた後の推定耐ノック係数ANTIKNKestが予め記憶された上限値より大きい場合に、耐ノック係数増加量DZOUだけ増加させた後の推定耐ノック係数ANTIKNKestをこの上限値に制限するので、誤進角を防止することができる。
本実施形態(請求項22、50に記載の発明)によれば、点火時期以外の要求から、耐ノック係数の増加が制限されている場合に、図7の切換スイッチにおいて、推定耐ノック係数ANTIKNKestを増加させないので、誤進角を防止することができる。
本実施形態(請求項23、51に記載の発明)によれば、耐ノック係数増加制限域(図2(A)参照)で、推定耐ノック係数ANTIKNKestの燃料に対するトレース点火時期が、MBTの得られる基本点火時期MBTCALより進角した場合に、推定耐ノック係数ANTIKNKestを増加させないので、MBTよりトレース点火時期が進角することによるトルク低下を防止できる(誤進角防止)。
本実施形態(請求項25、53に記載の発明)によれば、図7の耐ノック係数増加量算出部71において、耐ノック係数増加量DZOUの1回の加算によって使用燃料に対するトレース点火時期KNKCALが、所定時間当たり所定クランク角(1度あるいは2度)だけ進角側にずれるように前記ック係数増加量DZOUを設定するので、急に強いノックが発生するのを防げる。
請求項1に記載の発明において、基準トレース点火時期算出処理手順は図5の基準トレース得点火時期算出部51により、トレース点火時期補正量算出処理手順は図5のトレース点火時期補正量部55により、トレース点火時期算出処理手順は図5の切換スイッチ54及び加算器56により、火花点火処理手順は図1のエンジンコントローラ31及び点火装置11によりそれぞれ果たされている。
請求項29に記載の発明において、基準トレース点火時期算出手段の機能は図5の基準トレース得点火時期算出部51により、トレース点火時期補正量算出手段の機能は図5のトレース点火時期補正量部55により、トレース点火時期算出手段の機能は図5の切換スイッチ54及び加算器56により、火花点火実行手段の機能は図1のエンジンコントローラ31及び点火装置11によりそれぞれ果たされている。
本発明の第1実施形態のエンジンの点火時期制御装置の概略構成図。 MBT、トレース点火時期の2つの点火時期の特性図。 使用燃料に対するトレース点火時期の算出方法を説明するための特性図。 第1トレース点火時期移動量基本値の特性図。 エンジンコントローラの有する点火時期算出部の全体構成図。 基準トレース点火時期算出部の詳細図。 耐ノック係数推定部の詳細図。 ガソリン燃料を対象とする場合の燃料判定部の詳細図。 アルコール燃料を対象とする場合の燃料判定部の詳細図。 同じオクタン価のガソリン燃料を対象とする場合の燃料判定部の詳細図。 耐ノック係数初期値の特性図。 耐ノック係数初期値の設定を説明するためのフローチャート。 トレース点火時期補正量算出部の詳細図。 基本点火時期算出部の詳細図。 従来技術のMBT、トレース点火時期の2つの点火時期の特性図。 従来技術の進角率の特性図。
符号の説明
11 点火装置
31 エンジンコントローラ
37 ノックセンサ

Claims (56)

  1. ノックの起こりにくさの程度の異なる2つの燃料を第1基準燃料、第2基準燃料として予め定めておき、第1基準燃料に対するトレース点火時期である第1基準トレース点火時期と、第2基準燃料に対するトレース点火時期である第2基準トレース点火時期とをそれぞれ算出する基準トレース点火時期算出処理手順と、
    使用燃料のノックの起こりにくさの程度を推定する推定処理手順と、
    前記2つの基準トレース点火時期の間を曲線で変化する実際のトレース点火時期を2つの直線で近似し、その近似した2つの直線と前記推定した使用燃料のノックの起こりにくさの程度とに基づいて、使用燃料のトレース点火時期補正量を算出するトレース点火時期補正量算出処理手順と、
    この算出したトレース点火時期補正量と前記2つの基準トレース点火時期とに基づいて、前記使用燃料に対するトレース点火時期を算出するトレース点火時期算出処理手順と
    この算出されたトレース点火時期で火花点火を行う火花点火処理手順と
    を含むことを特徴とするエンジンの点火時期制御方法。
  2. 前記ノックの起こりにくさの程度を表す耐ノック係数を導入し、この耐ノック係数の値は大きくなるほど耐ノック性の高い値であり、
    前記第1基準燃料は耐ノック係数最小値の燃料、前記第2基準燃料は耐ノック係数最大値の燃料であることを特徴とする請求項1に記載のエンジンの点火時期制御方法。
  3. 前記耐ノック係数最小値の燃料はガソリン燃料を対象とする場合にレギュラーガソリンであることを特徴とする請求項2に記載のエンジンの点火時期制御方法。
  4. 前記耐ノック係数最大値の燃料はガソリン燃料を対象とする場合にハイオクガソリンであることを特徴とする請求項2に記載のエンジンの点火時期制御方法。
  5. 使用燃料の耐ノック係数が前記耐ノック係数最小値と前記耐ノック係数最大値のいずれに近い側にあるのかを判定する燃料判定処理手順を含み、
    この燃料判定結果に応じ、使用燃料の耐ノック係数が耐ノック係数最小値に近い側にあるときには前記第1基準トレース点火時期を、使用燃料の耐ノック係数が耐ノック係数最大値に近いときには前記第2基準トレース点火時期を用いることを特徴とする請求項2に記載のエンジンの点火時期制御方法。
  6. 使用燃料の耐ノック係数が前記耐ノック係数最小値と前記耐ノック係数最大値のいずれに近い側にあるのかの判定をエンジン始動時に実行することを特徴とする請求項5に記載のエンジンの点火時期制御方法。
  7. 使用燃料の耐ノック係数を推定する耐ノック係数推定処理手順を含み、
    この推定耐ノック係数が、所定の閾値以上となったとき、前記耐ノック係数最大値に近い側にあると判定することを特徴とする請求項5に記載のエンジンの点火時期制御方法。
  8. 使用燃料の耐ノック係数を推定する耐ノック係数推定処理手順を含み、
    この推定耐ノック係数が、所定の閾値以下となったとき、前記耐ノック係数最小値に近い側にあると判定することを特徴とする請求項5に記載のエンジンの点火時期制御方法。
  9. 前記トレース点火時期補正量を、前記2つの直線のうち前記第1基準トレース点火時期の側にある一方の直線の傾きを表す第1トレース点火時期移動量基本値と、前記2つの直線のうち前記第2基準トレース点火時期の側にある他方の直線の傾きを表す第2トレース点火時期移動量基本値とに基づいて算出することを特徴とする請求項1に記載のエンジンの点火時期制御方法。
  10. 前記ノックの起こりにくさの程度を表す耐ノック係数を導入し、この耐ノック係数の値は大きくなるほど耐ノック性の高い値であり、
    前記第1基準燃料は耐ノック係数最小値の燃料、前記第2基準燃料は耐ノック係数最大値の燃料であり、
    使用燃料の耐ノック係数を推定する耐ノック係数推定処理手順と、
    この推定耐ノック係数が前記耐ノック係数最小値と前記耐ノック係数最大値のいずれに近い側にあるのかを判定する燃料判定処理手順とを含み、
    この燃料判定結果に応じ、推定耐ノック係数が耐ノック係数最小値に近い側にあるときには推定耐ノック係数と耐ノック係数最小値との差を差分推定耐ノック係数として算出し、この差分推定耐ノック係数をも用いて前記トレース点火時期補正量を算出することを特徴とする請求項9に記載のエンジンの点火時期制御方法。
  11. 前記ノックの起こりにくさの程度を表す耐ノック係数を導入し、この耐ノック係数の値は大きくなるほど耐ノック性の高い値であり、
    前記第1基準燃料は耐ノック係数最小値の燃料、前記第2基準燃料は耐ノック係数最大値の燃料であり、
    使用燃料の耐ノック係数を推定する耐ノック係数推定処理手順と、
    この推定耐ノック係数が前記耐ノック係数最小値と前記耐ノック係数最大値のいずれに近い側にあるのかを判定する燃料判定処理手順とを含み、
    この燃料判定結果に応じ、推定耐ノック係数が耐ノック係数最大値に近い側にあるときには推定耐ノック係数と耐ノック係数最大値との差を差分推定耐ノック係数として算出し、この差分推定耐ノック係数をも用いて前記トレース点火時期補正量を算出することを特徴とする請求項9に記載のエンジンの点火時期制御方法。
  12. 前記ノックの起こりにくさの程度を表す耐ノック係数を導入し、この耐ノック係数の値は大きくなるほど耐ノック性の高い値であり、
    前記第1基準燃料は耐ノック係数最小値の燃料、前記第2基準燃料は耐ノック係数最大値の燃料であり、
    使用燃料の耐ノック係数が前記耐ノック係数最小値と前記耐ノック係数最大値のいずれに近い側にあるのかを判定する燃料判定処理手順を含み、
    この燃料判定結果に応じ、使用燃料の耐ノック係数が耐ノック係数最小値に近い側にあるときには前記第1トレース点火時期移動量基本値を、使用燃料の耐ノック係数が耐ノック係数最大値に近い側にあるときには前記第2トレース点火時期移動量基本値を用いることを特徴とする請求項9に記載のエンジンの点火時期制御方法。
  13. 前記第1トレース点火時期移動量基本値及び第2トレース点火時期移動量基本値を、エンジンの負荷と回転速度のうち少なくとも1つに基づいて算出することを特徴とする請求項12に記載のエンジンの点火時期制御方法。
  14. 前記推定耐ノック係数をノックセンサに基づいて算出することを特徴とする請求項10または11に記載のエンジンの点火時期制御方法。
  15. 前記ノックセンサに基づきノックが発生したときに前記推定耐ノック係数が小さくなる側に所定の減少量だけ減少させることを特徴とする請求項14に記載のエンジンの点火時期制御方法。
  16. 前記減少量だけ減少させた後の推定耐ノック係数が予め記憶された下限値より小さい場合に、前記減少量だけ減少させた後の推定耐ノック係数をこの下限値に制限することを特徴とする請求項15に記載のエンジンの点火時期制御方法。
  17. 前記減少量をエンジンの運転条件に応じて算出することを特徴とする請求項15に記載のエンジンの点火時期制御方法。
  18. 前記減少量の1回の減算によって前記使用燃料に対するトレース点火時期が、所定時間当たり所定クランク角だけ遅角側にずれるように前記減少量を設定することを特徴とする請求項16に記載のエンジンの点火時期制御方法。
  19. 前記エンジンの運転条件は、エンジンの負荷と回転速度のうち少なくとも1つであることを特徴とする請求項17に記載のエンジンの点火時期制御方法。
  20. 前記ノックセンサに基づきノックが非発生のときに前記推定耐ノック係数が大きくなる側に所定の増加量だけ増加させることを特徴とする請求項14に記載のエンジンの点火時期制御方法。
  21. 前記増加量だけ増加させた後の推定耐ノック係数が予め記憶された上限値より大きい場合に、前記増加量だけ増加させた後の推定耐ノック係数をこの上限値に制限することを特徴とする請求項20に記載のエンジンの点火時期制御方法。
  22. 点火時期以外の要求から、耐ノック係数の増加が制限されている場合に、前記推定耐ノック係数を増加させないことを特徴とする請求項20に記載のエンジンの点火時期制御方法。
  23. 前記推定耐ノック係数の燃料に対するトレース点火時期が、MBTの得られる基本点火時期より進角した場合に、前記推定耐ノック係数を増加させないことを特徴とする請求項20に記載のエンジンの点火時期制御方法。
  24. 前記増加量をエンジンの運転条件に応じて算出することを特徴とする請求項20に記載のエンジンの点火時期制御方法。
  25. 前記増加量の1回の加算によって前記使用燃料に対するトレース点火時期が、所定時間当たり所定クランク角だけ進角側にずれるように前記増加量を設定することを特徴とする請求項20に記載のエンジンの点火時期制御方法。
  26. 前記エンジンの運転条件は、エンジンの負荷と回転速度のうち少なくとも1つであることを特徴とする請求項24に記載のエンジンの点火時期制御方法。
  27. 前記推定耐ノック係数の初期値をエンジン始動時の環境条件及び前回エンジン停止時の推定耐ノック係数に基づいて設定することを特徴とする請求項10または11に記載のエンジンの点火時期制御方法。
  28. 前記トレース点火時期が制限されている場合に、前記耐ノック係数を保持することを特徴とする請求項14に記載のエンジンの点火時期制御方法。
  29. ノックの起こりにくさの程度の異なる2つの燃料を第1基準燃料、第2基準燃料として予め定めておき、第1基準燃料に対するトレース点火時期である第1基準トレース点火時期と、第2基準燃料に対するトレース点火時期である第2基準トレース点火時期とをそれぞれ算出する基準トレース点火時期算出手段と、
    使用燃料のノックの起こりにくさの程度を推定する推定手段と、
    前記2つの基準トレース点火時期の間を曲線で変化する実際のトレース点火時期を2つの直線で近似し、その近似した2つの直線と前記推定した使用燃料のノックの起こりにくさの程度とに基づいて、使用燃料のトレース点火時期補正量を算出するトレース点火時期補正量算出手段と、
    この算出したトレース点火時期補正量と前記2つの基準トレース点火時期とに基づいて、前記使用燃料に対するトレース点火時期を算出するトレース点火時期算出手段と
    この算出されたトレース点火時期で火花点火を行う火花点火実行手段と
    を含むことを特徴とするエンジンの点火時期制御装置。
  30. 前記ノックの起こりにくさの程度を表す耐ノック係数を導入し、この耐ノック係数の値は大きくなるほど耐ノック性の高い値であり、
    前記第1基準燃料は耐ノック係数最小値の燃料、前記第2基準燃料は耐ノック係数最大値の燃料であることを特徴とする請求項29に記載のエンジンの点火時期制御装置。
  31. 前記耐ノック係数最小値の燃料はガソリン燃料を対象とする場合にレギュラーガソリンであることを特徴とする請求項30に記載のエンジンの点火時期制御装置。
  32. 前記耐ノック係数最大値の燃料はガソリン燃料を対象とする場合にハイオクガソリンであることを特徴とする請求項30に記載のエンジンの点火時期制御装置。
  33. 使用燃料の耐ノック係数が前記耐ノック係数最小値と前記耐ノック係数最大値のいずれに近い側にあるのかを判定する燃料判定手段を含み、
    この燃料判定結果に応じ、使用燃料の耐ノック係数が耐ノック係数最小値に近い側にあるときには前記第1基準トレース点火時期を、使用燃料の耐ノック係数が耐ノック係数最大値に近いときには前記第2基準トレース点火時期を用いることを特徴とする請求項30に記載のエンジンの点火時期制御装置。
  34. 使用燃料の耐ノック係数が前記耐ノック係数最小値と前記耐ノック係数最大値のいずれに近い側にあるのかの判定をエンジン始動時に実行することを特徴とする請求項33に記載のエンジンの点火時期制御装置。
  35. 使用燃料の耐ノック係数を推定する耐ノック係数推定手段を含み、
    この推定耐ノック係数が、所定の閾値以上となったとき、前記耐ノック係数最大値に近い側にあると判定することを特徴とする請求項33に記載のエンジンの点火時期制御装置。
  36. 使用燃料の耐ノック係数を推定する耐ノック係数推定手段を含み、
    この推定耐ノック係数が、所定の閾値以下となったとき、前記耐ノック係数最小値に近い側にあると判定することを特徴とする請求項33に記載のエンジンの点火時期制御装置。
  37. 前記トレース点火時期補正量を、前記2つの直線のうち前記第1基準トレース点火時期の側にある一方の直線の傾きを表す第1トレース点火時期移動量基本値と、前記2つの直線のうち前記第2基準トレース点火時期の側にある他方の直線の傾きを表す第2トレース点火時期移動量基本値とに基づいて算出することを特徴とする請求項29に記載のエンジンの点火時期制御装置。
  38. 前記ノックの起こりにくさの程度を表す耐ノック係数を導入し、この耐ノック係数の値は大きくなるほど耐ノック性の高い値であり、
    前記第1基準燃料は耐ノック係数最小値の燃料、前記第2基準燃料は耐ノック係数最大値の燃料であり、
    使用燃料の耐ノック係数を推定する耐ノック係数推定手段と、
    この推定耐ノック係数が前記耐ノック係数最小値と前記耐ノック係数最大値のいずれに近い側にあるのかを判定する燃料判定手段とを含み、
    この燃料判定結果に応じ、推定耐ノック係数が耐ノック係数最小値に近い側にあるときには推定耐ノック係数と耐ノック係数最小値との差を差分推定耐ノック係数として算出し、この差分推定耐ノック係数をも用いて前記トレース点火時期補正量を算出することを特徴とする請求項37に記載のエンジンの点火時期制御装置。
  39. 前記ノックの起こりにくさの程度を表す耐ノック係数を導入し、この耐ノック係数の値は大きくなるほど耐ノック性の高い値であり、
    前記第1基準燃料は耐ノック係数最小値の燃料、前記第2基準燃料は耐ノック係数最大値の燃料であり、
    使用燃料の耐ノック係数を推定する耐ノック係数推定手段と、
    この推定耐ノック係数が前記耐ノック係数最小値と前記耐ノック係数最大値のいずれに近い側にあるのかを判定する燃料判定手段とを含み、
    この燃料判定結果に応じ、推定耐ノック係数が耐ノック係数最大値に近い側にあるときには推定耐ノック係数と耐ノック係数最大値との差を差分推定耐ノック係数として算出し、この差分推定耐ノック係数をも用いて前記トレース点火時期補正量を算出することを特徴とする請求項37に記載のエンジンの点火時期制御装置。
  40. 前記ノックの起こりにくさの程度を表す耐ノック係数を導入し、この耐ノック係数の値は大きくなるほど耐ノック性の高い値であり、
    前記第1基準燃料は耐ノック係数最小値の燃料、前記第2基準燃料は耐ノック係数最大値の燃料であり、
    使用燃料の耐ノック係数が前記耐ノック係数最小値と前記耐ノック係数最大値のいずれに近い側にあるのかを判定する燃料判定手段を含み、
    この燃料判定結果に応じ、使用燃料の耐ノック係数が耐ノック係数最小値に近い側にあるときには前記第1トレース点火時期移動量基本値を、使用燃料の耐ノック係数が耐ノック係数最大値に近い側にあるときには前記第2トレース点火時期移動量基本値を用いることを特徴とする請求項37に記載のエンジンの点火時期制御装置。
  41. 前記第1トレース点火時期移動量基本値及び第2トレース点火時期移動量基本値を、エンジンの負荷と回転速度のうち少なくとも1つに基づいて算出することを特徴とする請求項40に記載のエンジンの点火時期制御装置。
  42. 前記推定耐ノック係数をノックセンサに基づいて算出することを特徴とする請求項38または39に記載のエンジンの点火時期制御装置。
  43. 前記ノックセンサに基づきノックが発生したときに前記推定耐ノック係数が小さくなる側に所定の減少量だけ減少させることを特徴とする請求項42に記載のエンジンの点火時期制御装置。
  44. 前記減少量だけ減少させた後の推定耐ノック係数が予め記憶された下限値より小さい場合に、前記減少量だけ減少させた後の推定耐ノック係数をこの下限値に制限することを特徴とする請求項43に記載のエンジンの点火時期制御装置。
  45. 前記減少量をエンジンの運転条件に応じて算出することを特徴とする請求項43に記載のエンジンの点火時期制御装置。
  46. 前記減少量の1回の減算によって前記使用燃料に対するトレース点火時期が、所定時間当たり所定クランク角だけ遅角側にずれるように前記減少量を設定することを特徴とする請求項44に記載のエンジンの点火時期制御装置。
  47. 前記エンジンの運転条件は、エンジンの負荷と回転速度のうち少なくとも1つであることを特徴とする請求項45に記載のエンジンの点火時期制御装置。
  48. 前記ノックセンサに基づきノックが非発生のときに前記推定耐ノック係数が大きくなる側に所定の増加量だけ増加させることを特徴とする請求項42に記載のエンジンの点火時期制御装置。
  49. 前記増加量だけ増加させた後の推定耐ノック係数が予め記憶された上限値より大きい場合に、前記増加量だけ増加させた後の推定耐ノック係数をこの上限値に制限することを特徴とする請求項48に記載のエンジンの点火時期制御装置。
  50. 点火時期以外の要求から、耐ノック係数の増加が制限されている場合に、前記推定耐ノック係数を増加させないことを特徴とする請求項48に記載のエンジンの点火時期制御装置。
  51. 前記推定耐ノック係数の燃料に対するトレース点火時期が、MBTの得られる基本点火時期より進角した場合に、前記推定耐ノック係数を増加させないことを特徴とする請求項48に記載のエンジンの点火時期制御装置。
  52. 前記増加量をエンジンの運転条件に応じて算出することを特徴とする請求項48に記載のエンジンの点火時期制御装置。
  53. 前記増加量の1回の加算によって前記使用燃料に対するトレース点火時期が、所定時間当たり所定クランク角だけ進角側にずれるように前記増加量を設定することを特徴とする請求項48に記載のエンジンの点火時期制御装置。
  54. 前記エンジンの運転条件は、エンジンの負荷と回転速度のうち少なくとも1つであることを特徴とする請求項52に記載のエンジンの点火時期制御装置。
  55. 前記推定耐ノック係数の初期値をエンジン始動時の環境条件及び前回エンジン停止時の推定耐ノック係数に基づいて設定することを特徴とする請求項38または39に記載のエンジンの点火時期制御装置。
  56. 前記トレース点火時期が制限されている場合に、前記耐ノック係数を保持することを特徴とする請求項42に記載のエンジンの点火時期制御装置。
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