JP2000319481A - 艶消しされたメタクリル酸エステル系樹脂組成物 - Google Patents

艶消しされたメタクリル酸エステル系樹脂組成物

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JP2000319481A
JP2000319481A JP13028199A JP13028199A JP2000319481A JP 2000319481 A JP2000319481 A JP 2000319481A JP 13028199 A JP13028199 A JP 13028199A JP 13028199 A JP13028199 A JP 13028199A JP 2000319481 A JP2000319481 A JP 2000319481A
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ester
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Shigemi Matsumoto
繁美 松本
Yoichi Matsumura
陽一 松村
Norihito Doi
紀人 土井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 得られるフィルム、シート、そのほか成形品
の表面が艶消しされ、耐候性、耐衝撃性、耐溶剤性およ
び成形加工性に優れる艶消しされたメタクリル酸エステ
ル系樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 アクリル酸アルキルエステルとメタクリ
ル酸アルキルエステルからなるアクリル酸エステル系弾
性体の存在下に、メタクリル酸アルキルエステルとアク
リル酸アルキルエステルからなる単量体を重合させてな
るメタクリル酸エステル系グラフト共重合体(A)およ
び必要により用いられるメタクリル酸アルキルエステル
とアクリル酸アルキルエステルからなるメタクリル酸エ
ステル系硬質重合体(B)からなり、アクリル酸エステ
ル系弾性体を5〜50重量%含有する艶消しされたメタ
クリル酸エステル系樹脂組成物を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、艶消しされ、耐候
性、耐衝撃性および耐溶剤性に優れたフィルム、シート
やそのほか各種成形品を提供する加工性に優れたメタク
リル酸エステル系樹脂組成物に関する。さらに詳しく
は、重量平均粒子径が0.4〜4μmの範囲のアクリル
酸エステル系弾性体(a)に、(メタ)アクリル酸アル
キルエステル系単量体(b)を重合させてなるメタクリ
ル酸エステル系グラフト共重合体(A)、または、前記
メタクリル酸エステル系グラフト共重合体(A)とメタ
クリル酸エステル系硬質重合体(B)からなる艶消しさ
れたメタクリル酸エステル系樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、プラスチック材料の艶消し方法と
しては、無機充填剤の混練り、架橋高分子の混練り、表
面処理剤の塗布、成形加工条件による艶消し表面の付与
などが提案されている。メタクリル酸エステル系樹脂に
ついての艶消し法は、無機充填剤または架橋性高分子粒
子の混練りによるものが大部分である。
【0003】しかしながら、無機充填剤である炭酸カル
シウム、珪酸カルシウム、シリカゲルなどの微粒子を混
合した場合は、耐衝撃性や引張り強度、伸びなどの物性
低下が著しく、さらに吸水白化が生じるという欠点があ
った。一方、架橋高分子粒子の混練りによる場合は、加
工条件による分散度合いのコントロールが難しく、表面
が不均一になり、上品な艶消し表面を得難いばかりでな
く、耐衝撃性に劣るという欠点を有していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、得られるフ
ィルム、シート、そのほか成形品の表面が艶消しされ、
耐候性、耐衝撃性、耐溶剤性および成形加工性に優れる
艶消しされたメタクリル酸エステル系樹脂組成物を提供
するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、重量平均粒子径が0.
4〜4μmのアクリル酸エステル系弾性体(a)に(メ
タ)アクリル酸アルキルエステル系単量体(b)を重合
させて得られるメタクリル酸エステル系グラフト共重合
体(A)、または、前記メタクリル酸エステル系グラフ
ト共重合体(A)とメタクリル酸エステル系硬質重合体
(B)からなるメタクリル酸エステル系樹脂組成物が、
艶消しされ、耐候性、耐衝撃性、耐溶剤性に優れたフィ
ルム、シートや成形品を与えると共に、加工性にも優れ
ることを見出し、本発明を完成するにいたった。
【0006】すなわち、本発明は、アクリル酸アルキル
エステル60重量%(以下、%という)以上とメタクリ
ル酸アルキルエステル40%以下からなり、重量平均粒
子径が0.4〜4μmであるアクリル酸エステル系弾性
体(a)5〜90重量部(以下、部という)の存在下
に、メタクリル酸アルキルエステル50%以上とアクリ
ル酸アルキルエステル50%未満からなる単量体(b)
10〜95部を、(a)および(b)合わせて100部
となるよう重合させてなるメタクリル酸エステル系グラ
フト共重合体(A)、または、前記メタクリル酸エステ
ル系グラフト共重合体(A)およびメタクリル酸アルキ
ルエステル50%以上とアクリル酸アルキルエステル5
0%未満からなるメタクリル酸エステル系硬質重合体
(B)からなり、アクリル酸エステル系弾性体(a)を
5〜50%含有する艶消しされたメタクリル酸エステル
系樹脂組成物(請求項1)、および前記アクリル酸エス
テル系弾性体(a)が、重合の際に単量体の50%未満
の量を先に仕込んで重合を開始し、残り50%以上の量
を乳化剤と共に連続的または間欠的に追加し重合して得
られるアクリル酸エステル系弾性体である請求項1記載
の艶消しされたメタクリル酸エステル系樹脂組成物(請
求項2)をその内容とする。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明のアクリル酸エステル系弾
性体(a)のアクリル酸アルキルエステルとメタクリル
酸アルキルエステルの配合量は、アクリル酸アルキルエ
ステル60〜100%、好ましくは75〜100%、一
方、メタクリル酸アルキルエステル0〜40%、好まし
くは0〜25%である。また、その層構造は単一でもよ
く、多層でもよい。すなわち、均一な組成で構成されて
もよく、アクリル酸アルキルエステルとメタクリル酸ア
ルキルエステルの組成比が異なる層が2層またはそれ以
上あってもよい。アクリル酸アルキルエステルとメタク
リル酸アルキルエステルの前記比率から外れると耐衝撃
性が低下し好ましくない。
【0008】アクリル酸エステル系弾性体(a)の重量
平均粒子径は0.4〜4μmの範囲にあり、好ましくは
0.6〜4μm、より好ましくは0.8〜4μmの範囲
である。粒子径が0.4μm未満では艶消し効果が充分
でなかったり、4μmをこえると耐衝撃性が低下する傾
向が見られ好ましくない。
【0009】前記アクリル酸エステル系弾性体(a)の
各単量体は、重合の際、最初にその50%未満の量を、
好ましくは40〜1%、さらに好ましくは30〜5%を
仕込んだあと、残分を連続的または間欠的に追加し重合
することが好ましい。
【0010】乳化重合の場合、乳化剤を存在せしめて重
合を行うのが通常(その場合、最初に仕込む単量体10
0部に対し乳化剤0.5部以下が好ましい)であるが、
場合によっては、単量体を1回または複数回に分けて分
割追加することもでき、また、乳化剤についても1回ま
たは複数回に分けて追加することができるが、そのとき
単量体の追加と乳化剤の追加を同時に行なうのが好まし
く、その量は、追加する単量体100部に対し0.1〜
2部が好ましく、0.1〜1部がより好ましい。最初に
仕込む単量体が50%以上であると重合が不安定になっ
たり、粒子径がコントロール出来なかったりして好まし
くなく、乳化剤が最初から0.5部をこえて存在すると
ゴム粒子径が小さくなり好ましくない。また、単量体の
追加と乳化剤の追加を同時に行なう場合、前記範囲を外
れると、重合が不安定になったり、ゴム粒子径が小さく
なるなどの点で好ましくない。
【0011】本発明のアクリル酸エステル系弾性体
(a)の重合に用いるアクリル酸アルキルエステルは、
アルキル基の炭素数が1〜12が好ましく、直鎖状でも
分岐状でもよい。その例としては、アクリル酸メチル、
アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブ
チル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸n
−オクチルなどがあり、これらは1種または2種以上組
み合わせて使用される。
【0012】これらと共重合されるメタクリル酸アルキ
ルエステルはアルキル基の炭素数が1〜12が好まし
く、直鎖状でも分岐状でもよい。メタクリル酸メチル、
メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリ
ル酸ブチルなどが例示され、これらは1種または2種以
上組み合わせて使用される。さらに要すれば、これら単
量体と共重合可能なビニル系単量体を20%以下、好ま
しくは10%以下の範囲で用いてもよい。共重合可能な
ビニル系単量体としては、アクリロニトリル、メタクリ
ロニトリルなどのシアン化ビニル、スチレン、ビニルト
ルエン、2−メチルスチレン、クロロスチレンなどの芳
香族ビニル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸
ナトリウムなどの(メタ)アクリル酸およびその塩など
があり、これらは1種または2種以上組み合わせて使用
される。アクリル酸エステル系弾性体(a)のゲル含有
量はとくに限定されないが、好ましくは5%以上、より
好ましくは10%以上である。5%未満では耐衝撃性、
耐溶剤性が低下する傾向にある。ゲル含有量はJIS
K−6388に準拠し、アクリル酸エステル系弾性体
(a)を所定量採取し、100メッシュ金網上で23℃
メチルエチルケトンに48時間浸漬し、減圧乾燥しメチ
ルエチルケトンを除去し、恒量になった重量を読み取
り、次式により算出する。
【0013】ゲル含有量(%)=(再乾燥後の重量/採
取サンプル重量)×100 ゲル含有量を調整するために架橋性単量体が使用でき、
たとえば、エチレングリコールジメタクリレート、ジエ
チレングリコールジメタクリレート、トリメチロール、
プロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタン
テトラメタクリレート、ジプロピレングリコールジメタ
クリレートおよびこれらに対応するアクリレート類、ジ
ビニルベンゼン、ジビニルアジペートなどのビニルタイ
プの架橋性単量体、ジアクリルフタレート、ジアリルマ
レート、アリル(メタ)アクリレート、トリ(メタ)ア
リルシアヌレートなどの(メタ)アクリルタイプの架橋
性単量体などがあり、これらは1種または2種以上組み
合わせて使用される。
【0014】本発明におけるメタクリル酸エステル系グ
ラフト共重合体(A)は、アクリル酸エステル系弾性体
(a)が固形分で5〜90部、好ましくは10〜80部
の存在下に、前記メタクリル酸アルキルエステル50%
以上、好ましくは60〜100%、さらに好ましくは7
0〜95%と前記アクリル酸アルキルエステル50%未
満とからなる(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単
量体(b)10〜95部、好ましくは20〜90部を、
(a)および(b)合わせて100部となるようにして
グラフト共重合させてなるものである。アクリル酸エス
テル系弾性体(a)の量が5部未満では艶消し効果が低
下したり、耐衝撃性が低下したりして好ましくなく、9
0部をこえると耐衝撃性が低下したり、得られるフィル
ム、シート、成形品などの表面性が不均一になり好まし
くない。単量体に用いられるメタクリル酸アルキルエス
テルおよびアクリル酸アルキルエステルは、前記するア
クリル酸エステル系弾性体(a)で用いられるものが使
用できる。
【0015】メタクリル酸エステル系グラフト共重合体
(A)のグラフト率は、好ましくは10〜200%であ
り、より好ましくは15〜150%である。グラフト率
が10%未満では、耐衝撃性、耐薬品性が低下したり、
表面性が不均一になったりして好ましくなく、200%
をこえると成形加工性が低下し好ましくない。
【0016】また、メタクリル酸エステル系グラフト共
重合体(A)と共に用いられるメタクリル酸エステル系
硬質重合体(B)は、メタクリル酸アルキルエステル5
0%以上、好ましくは60〜100%、さらに好ましく
は70〜95%と、アクリル酸アルキルエステル50%
未満からなるものである。アクリル酸アルキルエステル
が50%をこえると耐熱変形性が低下し好ましくない。
使用されるメタクリル酸アルキルエステルおよびアクリ
ル酸アルキルエステルは前記のものが使用可能である。
【0017】メタクリル酸エステル系グラフト共重合体
(A)と、(A)と共に用いられるメタクリル酸エステ
ル系硬質重合体(B)との配合の割合は、メタクリル酸
エステル系グラフト共重合体(A)が、好ましくは10
0〜10%、より好ましくは80〜20%、メタクリル
酸エステル系硬質重合体(B)が、好ましくは0〜90
%、より好ましくは20〜80%である。
【0018】本発明のメタクリル酸エステル系樹脂のア
クリル酸エステル系弾性体(a)の含有量は目的とする
特性にもよるが、5〜50%であり、10〜40%が好
ましい。5%未満では、艶消し効果が低下したり、耐衝
撃性が低下したりして好ましくなく、50%をこえると
成形加工性が低下したりして好ましくない。また、メチ
ルエチルケトン可溶分の溶液粘度は0.05〜1.0d
l/gの範囲が好ましく、0.1〜0.6dl/gがよ
り好ましい。0.05dl/g未満では耐衝撃性、耐薬
品性が低下し好ましくなく、1.0dl/gをこえると
成形加工性が低下し好ましくない。
【0019】本発明のアクリル酸エステル系弾性体
(a)、メタクリル酸エステル系グラフト共重合体
(A)およびメタクリル酸エステル系硬質重合体(B)
の製造に用いられる重合開始剤は、通常のラジカル性の
開始剤である。たとえば、過硫酸カリウム、過硫酸ナト
リウムなどの無機過酸化物、クメンハイドロパーオキサ
イド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、ジターシ
ャリーブチルハイドロパーオキサイドなどのハイドロパ
ーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、クメンパー
オキサイドなどの有機過酸化物やアゾイソブチロニトリ
ルなどの油溶性開始剤などがあり、これらは1種または
2種以上組み合わせて使用される。さらに、これらと亜
硫酸ナトリウム、酸性亜硫酸チオ硫酸ナトリウム、チオ
硫酸ナトリウム、ナトリウムホルムアルデヒドスルフォ
キシレート、グルコース、アスコルビン酸、硫酸第一鉄
とエチレンジアミン四酢酸二ナトリウムの錯体などの還
元剤と組み合わせた通常のレドックス系開始剤も使用す
ることができる。そのほか、必要に応じてメルカプタン
類などの分子量調整剤を使用することもできる。重合方
法はとくに限定されず、乳化重合、溶液重合、塊状重合
などが例示されるが、アクリルエステル系弾性体(a)
は、とくに乳化重合が好ましい。その際に使用される乳
化剤としてはとくに限定されないが、たとえば、アルキ
ル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、スルホコハ
ク酸アルキルエステル塩、長鎖アルキルカルボン酸塩な
どの陰イオン性界面活性剤やアルキルフェノール類、脂
肪族アルコールおよびプロピレンオキサイド類とエチレ
ンオキサイドなどの反応生成物などの非イオン界面活性
剤などがあり、これらは1種または2種以上組み合わせ
て使用され、さらに要すれば、アルキルアシン塩などの
陽イオン性界面活性剤を使用してもよい。
【0020】造粒、成形は、それ自体公知の方法で実施
することができる。たとえば、メタクリル酸エステル系
グラフト共重合体(A)のラテックスを塩析や凍結凝固
し、水洗、脱水、乾燥して得られた樹脂粉末、または、
メタクリル酸エステル系グラフト共重合体(A)とメタ
クリル酸エステル系硬質重合体(B)とをロール、スク
リュー、バンバリーミキサー、ニーダーなどで溶融混練
して成形に供すればよい。成形方法としては、インフレ
ーション法、T型ダイス法、カレンダー法によりフィル
ムやシートを得ることや、ブロー成形法、射出成形法に
より成形品を得ることが可能である。また、必要に応
じ、安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、顔料、染料、帯
電防止剤、光散乱剤、フィラー、抗菌剤、脱臭剤などを
1種または2種以上添加することが可能である。
【0021】
【実施例】以下に実施例および比較例を示し、本発明を
具体的に示すが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。なお、実施例および比較例中の測定、評価は、下
記の条件、方法で行った。
【0022】(1)重量平均粒子径 厚さ0.05〜0.1μmの重合体の薄片切片を作製
し、透過型電子顕微鏡で観察し測定(μm)した。
【0023】(2)グラフト率 以下により、求めた。(グラフトポリマー重量/アクリ
ル酸エステル系弾性体重量)× 100(%)
【0024】(3)溶液粘度 0.3%ジメチルホルムアミド溶液30℃で測定(dl
/g)した。
【0025】(4)MI メルトフローインデックス ASTM D−1238に
準拠して、230℃×3.8kg(g/10分)で測定
した。
【0026】(5)光沢 40μm厚みのフィルムをJIS Z−8741に準拠
して測定し、60゜反射率(%)を求めた。
【0027】(6)落錘強度 40μm厚みのフィルムを2mm厚みのポリカーボネー
ト板にラミネートし、−20℃で測定した。半数破壊高
さ×錘重量(kg・m)。
【0028】(7)表面硬度 フィルムを積層し、加工プレスにより厚さ3mmのプレ
ス板を作成し、ASTM D−785に準拠して測定
(Rスケール)した。
【0029】(8)ビカット 表面硬度と同様に試験片を作成し、ISO R−306
に準拠して測定した。5kg荷重(℃)。
【0030】(9)フィルム伸度 40μm厚みのフィルムでJIS K−6732に準拠
して測定(%)した。
【0031】(10)加工性 Tダイにて30μm厚みのフィルムを押出し、下記の基
準により評価した。 ○:フィルム切れなし。厚み均一で安定に押出せる。 ×:フィルム切れがあったり、厚みが不均一で、押出し
が不安定である。
【0032】(11)表面性 加工性の評価に用いたフィルムを肉眼で観察し、下記の
基準により評価した。 ○:フィッシュアイ、焼け、異物がほとんど観察されな
い。 ×:フィッシュアイ、焼け、異物が観察され、表面が不
均一である。
【0033】また、略号はそれぞれ下記の物質を表す。 OSA:ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム BA:アクリル酸ブチル EA:アクリル酸エチル MMA:メタクリル酸メチル CHP:クメンハイドロパーオキサイド AlMA:アリルメタクリレート tDM:ターシャリードデシルメルカプタン
【0034】実施例1〜9および比較例1〜5 アクリル酸エステル系弾性体(a)およびメタクリル酸
エステル系グラフト共重合体(A)の製造 撹拌機、温度計、チッ素ガス導入管、モノマー供給管、
還流冷却器を備えた8L重合機に下記の物質を仕込ん
だ。 水 200部 ナトリウムホルムアルデヒドスルフォキシレート 0.15部 硫酸第一鉄 0.001部 エチレンジアミン四酢酸−2−ナトリウム 0.004部
【0035】重合機内をチッ素ガスで充分に置換し、実
質的に酸素のない状態とした後、内温を60℃にし、表
1に示す単量体混合物(1)を仕込み、10分後に単量
体混合物(2)を12部/時間の割合で連続的に添加し
重合させた。なお、A−7およびA−8では、単量体混
合物(2)を添加する前にOSA2部を仕込んだ。
【0036】添加終了後、さらに1時間重合を継続し、
重合転化率を98%以上にし、アクリル酸エステル系弾
性体(a)を得た。次に単量体混合物(3)を10部/
時間の割合で連続的に添加して重合させ、添加終了後さ
らに1時間重合を継続し、重合転化率を98%以上にし
重合を終了させラテックスを得た。得られたラテックス
を塩化カルシウムで塩析し、水洗、脱水、乾燥してメタ
クリル酸エステル系グラフト共重合体(A−1)〜(A
−8)を得た。
【0037】メタクリル酸エステル系硬質重合体(B)
の製造 OSA1.0部を使用し乳化重合して得たラテックス
を、−20℃で凍結凝固し、水洗、乾燥して、メタクリ
ル酸メチル90%、アクリル酸エチル10%からなる溶
液粘度0.28dl/gの共重合体(B−1)を得た。
【0038】B−1と同様にして、メタクリル酸メチル
80%、アクリル酸ブチル20%からなる溶液粘度0.
30dl/gの共重合体(B−2)を得た。
【0039】B−1と同様にして、メタクリル酸メチル
40%、アクリル酸ブチル60%からなる溶液粘度0.
35dl/gの共重合体(B−3)を得た。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【発明の効果】本発明のメタクリル酸エステル系樹脂
は、成形加工性に優れ、得られるフィルム、シート、そ
のほか各種成形品は、表面が艶消しされ、耐候性、耐衝
撃性、耐熱性、耐溶剤性に優れる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリル酸アルキルエステル60重量%
    以上とメタクリル酸アルキルエステル40重量%以下か
    らなり、重量平均粒子径が0.4〜4μmであるアクリ
    ル酸エステル系弾性体(a)5〜90重量部の存在下
    に、メタクリル酸アルキルエステル50重量%以上とア
    クリル酸アルキルエステル50重量%未満からなる単量
    体(b)10〜95重量部を、(a)および(b)合わ
    せて100重量部となるよう重合させてなるメタクリル
    酸エステル系グラフト共重合体(A)、または、前記メ
    タクリル酸エステル系グラフト共重合体(A)およびメ
    タクリル酸アルキルエステル50重量%以上とアクリル
    酸アルキルエステル50重量%未満からなるメタクリル
    酸エステル系硬質重合体(B)からなり、アクリル酸エ
    ステル系弾性体(a)を5〜50重量%含有する艶消し
    されたメタクリル酸エステル系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 前記アクリル酸エステル系弾性体(a)
    が、重合の際に単量体の50重量%未満の量を先に仕込
    んだあと、残り50重量%以上の量を乳化剤と共に連続
    的または間欠的に追加し重合して得られるアクリル酸エ
    ステル系弾性体である請求項1記載の艶消しされたメタ
    クリル酸エステル系樹脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020147672A (ja) * 2019-03-13 2020-09-17 三菱ケミカル株式会社 艶消しフィルム

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JP2020147672A (ja) * 2019-03-13 2020-09-17 三菱ケミカル株式会社 艶消しフィルム
JP7207034B2 (ja) 2019-03-13 2023-01-18 三菱ケミカル株式会社 艶消しフィルム

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