JP2000319383A - 水酸基末端ポリエーテルの製造方法および製造用組成物 - Google Patents

水酸基末端ポリエーテルの製造方法および製造用組成物

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JP2000319383A JP11125230A JP12523099A JP2000319383A JP 2000319383 A JP2000319383 A JP 2000319383A JP 11125230 A JP11125230 A JP 11125230A JP 12523099 A JP12523099 A JP 12523099A JP 2000319383 A JP2000319383 A JP 2000319383A
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Keiichiro Mizuta
圭一郎 水田
Kazuo Takei
一男 竹井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 重合反応が直ちには起きず、開始時期をコン
トロールできて、取扱い易い水酸基末端ポリエーテルの
製造方法、製造用組成物を提供する。 【解決手段】 水酸基末端ポリエーテルの製造方法は、
分子内にエポキシ基1個と少なくとも1個の炭素−炭素
の2重結合基とを有する単量体を、潜在性酸発生剤を開
始剤として用いて、連鎖移動剤存在下、カチオン重合さ
せる方法である。水酸基末端ポリエーテル製造用組成物
は、上記単量体に潜在性酸発生剤を配合してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、末端に水酸基を有
し、側鎖に炭素−炭素の2重結合基を有するポリエーテ
ルの製造方法とこのポリエーテルを製造するのに用いる
組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】末端に水酸基を有し、側鎖に炭素−炭素
の2重結合基を有するポリエーテル(以下、水酸基末端
ポリエーテルと言う。)は、その繰り返し単位中にエー
テル基があるため、各種樹脂に対するなじみが良好であ
る。水酸基末端ポリエーテルは、水酸基を有するためポ
リウレタンの原料になり、側鎖に炭素−炭素の2重結合
基を有するため、樹脂の硬化剤や硬化促進剤等の用途に
用いることが出来る。
【0003】水酸基末端ポリエーテルを製造する方法と
しては、分子内にエポキシ基1個と炭素−炭素の2重結
合基を少なくとも1個有する単量体を、重合開始剤を用
い、連鎖移動剤存在下でカチオン重合する方法がある
(米国特許第5,434,314号明細書、米国特許第
3,993,632号明細書など参照)。上記単量体と
してはエポキシブテン(3,4−エポキシ−1−ブテ
ン)などが用いられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者が追試したと
ころ、上記従来の方法は、反応性が高くて取扱いにくい
こと、すなわち、単量体と酸発生剤を混合すれば直ちに
重合反応が開始され、一旦反応が開始されるとその制御
が困難であることが分かった。たとえば、ポリエーテル
樹脂成形品を製造する場合に、単量体に酸性開始剤を混
合した組成物を予め調製し、この組成物を成形型に流し
込もうとしたところ、流し込み作業中に重合反応が進行
し、組成物の粘度が徐々に高くなって、流し込みが困難
になったり、重合度合いの不均一な成形品になったりし
た。
【0005】そこで、本発明が解決しようとする課題
は、取扱が容易で重合反応が直ちには起きず、開始時期
をコントロールできる、水酸基末端ポリエーテルの製造
方法ならびに製造用組成物を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために、上記問題を生じる原因がどこにあるか
を鋭意検討した結果、原因は重合開始剤にあるのではな
いかと着想した。すなわち、前記従来の方法において、
例えば、米国特許第5,434,314号明細書記載の
方法では重合開始剤としてトリフルオロメタンスルホン
酸や硫酸等が用いられ、米国特許第3,993,632
号明細書記載の方法ではBF3エーテラートが用いられ
ているが、これらの開始剤はいずれも強酸である。連鎖
移動の方法で前記単量体から水酸基末端ポリエーテルを
得るためには重合開始剤として強酸を用いる必要があ
る。しかし、強酸を用いると、重合反応が直ちに進行す
る。そこで、強酸を用いるのであるが、直ちには反応が
起きないようにする方法はないかと考え、さらに検討を
進めた結果、潜在性酸発生剤を用いることで問題を解決
することを着想した。すなわち、潜在性酸発生剤は、加
熱したり光を照射したりすれば酸を発生する化合物であ
り、強酸を発生することもできる。そのため、加熱時期
や光照射時期を選べば、重合反応の開始時期を自由にコ
ントロールすることができるのである。そして、この見
通しが正しいことを実験により確認して、本発明を完成
した。
【0007】すなわち、本発明にかかる水酸基末端ポリ
エーテルの製造方法は、分子内にエポキシ基1個と少な
くとも1個の炭素−炭素の2重結合基とを有する単量体
を、潜在性酸発生剤を重合開始剤として用いて、連鎖移
動剤存在下、カチオン重合させるようにする。本発明に
かかる水酸基末端ポリエーテル製造用組成物は、分子内
にエポキシ基1個と少なくとも1個の炭素−炭素の2重
結合基とを有する単量体に重合開始剤を配合してなる水
酸基末端ポリエーテル製造用組成物において、前記重合
開始剤が潜在性酸発生剤であることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明で用いられる単量体は、分
子内にエポキシ基1個と少なくとも1個の炭素−炭素の
2重結合基とを有する。このような単量体としては、た
とえば、エポキシブテン(3,4−エポキシ−1−ブテ
ン)、(メタ)アリルグリシジルエーテル、(メタ)ア
クリル酸グリシジル等を挙げることができ、1種または
2種以上使用される。これらの単量体のうち、エポキシ
ブテンは入手し易く、エポキシ基の重合性が高いため、
好ましい。
【0009】本発明では開始剤として潜在性酸発生剤が
用いられる。潜在性酸発生剤は、加熱したり光を照射す
ることによって酸が発生する化合物であり、生成した酸
によってカチオン重合反応が開始される。潜在性酸発生
剤は、所定温度以下および/または室内自然光下等の状
況下では酸が発生せず、強酸と比較してはるかに取扱い
易い。潜在性酸発生剤としては、たとえば、対カチオン
と対アニオンとからなるオニウム塩を挙げることができ
る。
【0010】上記対カチオンとしては、たとえば、アリ
ールジアゾニウムカチオン、アリールヨードニウムカチ
オン、アリールスルホニウムカチオン、アリールホスホ
ニウムカチオン等のカチオンを挙げることができ、1種
または2種以上使用される。他方、上記対アニオンとし
ては、BF4 - 、AsF6 - 、PF6 - 、CF3SO3 -、O
Ts- 、BPh4 - 、B(C654 - 等を挙げることが
でき、1種または2種以上使用される。
【0011】潜在性酸発生剤としては、芳香族スルホニ
ウム塩が好ましく、具体的には、下記一般式(1)で示
されるスルホニウム塩が特に好ましい。
【0012】
【化1】
【0013】(但し、R1は、水素原子、メチル基、ア
セチル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル
基、ベンジルオキシカルボニル基、ベンゾイル基、フェ
ノキシカルボニル基および9−フルオレニルメトキシカ
ルボニル基から選ばれた少なくとも1種である。R2
よびR3は、水素原子、ハロゲン原子および炭素数1〜
4のアルキル基から選ばれた少なくとも1種であり、こ
れらは同一であってもよく、異なっていてもよい。R4
は、炭素数1〜4のアルキル基である。Qは、o−ニト
ロベンジル基、m−ニトロベンジル基、ジニトロベンジ
ル基、トリニトロベンジル基、α−ナフチルメチル基お
よびβ−ナフチルメチル基から選ばれた少なくとも1種
である。Xは、SbF6、AsF6、PF6およびBF4
ら選ばれた少なくとも1種である。) 上記スルホニウム塩としては、たとえば、o−ニトロベ
ンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウム
ヘキサフルオロアンチモネート、m−ニトロベンジル−
4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウム ヘキサフ
ルオロアンチモネート、o−ニトロベンジル−4−ヒド
ロキシフェニルメチルスルホニウム ヘキサフルオロホ
スフェート、m−ニトロベンジル−4−ヒドロキシフェ
ニルメチルスルホニウム ヘキサフルオロアルセネー
ト、3,5−ジニトロベンジル−4−ヒドロキシフェニ
ルメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネー
ト、3,5−ジニトロベンジル−4−ヒドロキシフェニ
ルエチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネー
ト、o−ニトロベンジル−4−ヒドロキシフェニルエチ
ルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、o−
ニトロベンジル−3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル
メチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、
2,4,6−トリニトロベンジル−4−ヒドロキシフェ
ニルメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネー
ト、2,4−ジニトロベンジル−4−ヒドロキシフェニ
ルメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネー
ト、α−ナフチルメチル−4−ヒドロキシフェニルメチ
ルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、β−
ナフチルメチル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホ
ニウムヘキサフルオロアンチモネート、α−ナフチルメ
チル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウム ヘ
キサフルオロホスフェート、α−ナフチルメチル−4−
(ベンジルオキシカルボニルオキシ)フェニルメチルス
ルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、α−ナフ
チルメチル−4−(メトキシカルボニルオキシ)フェニ
ルメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート
等を挙げることができ、1種または2種以上使用され
る。
【0014】このスルホニウム塩は、熱および/または
光に対して活性が高く、励起されてベンジルカチオン、
ナフチルメチルカチオン等が生成し、カチオン重合が進
行するようになる。潜在性酸発生剤の使用量について
は、特に限定はないが、単量体100重量部に対して好
ましくは0.001〜10.0重量部、さらに好ましく
は0.01〜1.0重量部である。潜在性酸発生剤の使
用量が0.001重量部未満であると、カチオン重合が
開始されないおそれがある。他方、潜在性酸発生剤の使
用量が10.0重量部を超えると、着色や樹脂耐候性低
下等を生じるおそれがある。
【0015】本発明で用いられる連鎖移動剤は、カチオ
ン重合において、連鎖移動を生じさせ、得られる水酸基
末端ポリエーテルの分子量を調整する働きがある。本発
明の方法は後述のように重合を溶液重合によって行うこ
とができるので、その場合に溶媒として反応性のものを
使用すれば、この溶媒が連鎖移動剤を兼ねることができ
る。
【0016】連鎖移動剤としては、たとえば、水、アル
コール、芳香族化合物、有機酸等を挙げることができ
る。連鎖移動剤として用いられるアルコールは、低級ア
ルコールでも、高級アルコールでもよく、第1級、第2
級、第3級アルコールのいずれを用いてもよいが、第1
級アルコールが好ましい。アルコールとしては、メチル
アルコール、エチルアルコール、n−ブチルアルコー
ル、iso−ブチルアルコール、2−エチルヘキシルア
ルコール、n−デシルアルコール、ステアリルアルコー
ル、セチルアルコール、アリルアルコール、ベンジルア
ルコール、フェノール、クレゾール、エチレングリコー
ル、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオ
ール、1,2−ブタンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサ
ンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、
2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2,
2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2,
2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオ
ール、1,4−ジヒドロキシ−2−ブテン、3,4−ジ
ヒドロキシ−1−ブテン、ハイドロキノン、レゾルシノ
ール、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコー
ルモノメチルエーテル、ポリプロピレングリコール、ポ
リプロピレングリコールモノブチルエーテル、ポリ(テ
トラメチレンエーテル)グリコール、グリセロール、ス
ターチ、スクロース、グルコース、ペンタエリスロトー
ル等を挙げることができ、これらは1種または2種以上
使用される。
【0017】連鎖移動剤として用いられる芳香族化合物
としては、たとえば、ベンゼン、ナフタレン、メトキシ
ベンゼン等を挙げることができ、これらは1種または2
種以上使用される。ベンゼン等の比較的沸点が低い連鎖
移動剤は、前述の反応性溶媒として用いることもでき
る。反応性溶媒としては、ほかに、シクロヘキサン、メ
チルシクロヘキサン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水
素;ジクロロメタン、クロロホルム、トリクロロエタン
等のハロゲン化炭化水素等を挙げることができ、これら
は1種または2種以上使用される。
【0018】連鎖移動剤の使用量については、特に限定
はないが、単量体1モルに対して好ましくは0.000
1〜0.5モル、さらに好ましくは0.001〜0.3
モル、最も好ましくは0.01〜0.1モルである。連
鎖移動剤の使用量が0.0001モル未満であると、分
子量が高くなりゲル化するおそれがある。他方、連鎖移
動剤の使用量が0.5モルを超えると、カチオン重合が
進行しにくくなり、得られるポリエーテルの分子量が低
くなるおそれがある。
【0019】連鎖移動剤として、水、多価アルコール、
多価有機酸等を用いることによって、両末端に水酸基が
導入されるようになる。他方、連鎖移動剤として、一価
アルコール、芳香族化合物を用いることによって、片末
端に水酸基が導入されるようになる。上記単量体を重合
させる形式については、溶媒中で行う溶液重合、溶媒を
用いない塊状重合のいずれでもよい。
【0020】溶液重合における溶媒の使用量について
は、特に限定はないが、単量体100重量部に対して好
ましくは50〜1000重量部、さらに好ましくは10
0〜500重量部である。溶媒の量が少なすぎるとゲル
化の恐れがあり、多すぎると生産性に問題があるので、
好ましくない。本発明にかかる水酸基末端ポリエーテル
製造用組成物は、前記単量体に前記潜在性酸発生剤を少
なくとも配合してなるものである。
【0021】本発明の製造方法や組成物では、単量体、
潜在性酸発生剤および連鎖移動剤を単に混合しただけで
は、重合反応は生起しない。したがって、本発明の組成
物は、長期間保存することが可能である。そして、所望
の時に、この組成物を加熱したり、この組成物に光を照
射したりすることによって、カチオン重合反応を開始さ
せることができる。
【0022】カチオン重合反応を生起させるための加熱
温度については、特に限定はないが、好ましくは20℃
以上、さらに好ましくは50〜150℃である。20℃
未満では、カチオン重合反応が生起しないおそれがあ
る。カチオン重合反応を生起させるための光の照射条件
については、特に限定はないが、光の波長域としては2
00〜400nmが好ましく、強度としては50〜20
0mV/cm2 が好ましい。光の波長が200nm未満
であるか400nmを超えると、カチオン重合反応が生
起しないおそれがある。光を照射するにあたって用いら
れる光源としては、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀
灯、キセノンランプ、カーボンアーク灯等を挙げること
ができる。
【0023】カチオン重合反応を生起させるにあたり、
加熱および光照射はいずれか一方であってもよく、双方
であってもよい。
【0024】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例により具
体的に説明するが、本発明はこれらにより限定されるも
のではない。 −実施例1− 単量体として3,4−エポキシ−1−ブテン(以下、エ
ポキシブテンと言う。)10gと、溶媒および連鎖移動
剤としてベンゼン10gとを反応容器に仕込み、反応容
器内を窒素置換した。この仕込物(温度:25℃)に、
潜在性酸発生剤として芳香族スルホニウム塩(商品名:
サンエイドSI−60L、三新化学社製)0.01gを
添加したが、重合反応は生起しなかった。次に、予め8
0℃に温度調節したオイルバスに反応容器をつけ、65
〜85℃の反応温度で8時間、エポキシブテンをカチオ
ン重合反応させ、重合体を得た。重合率は、反応混合物
をガスクロマトグラムで分析し、反応混合物中のエポキ
シブテンの含有量を測定して求められ、重合率100%
であった。
【0025】得られた重合体について、400MHzの
NMR測定装置(バリアン社製)で 1H−,13C−NM
Rを測定し、この重合体は、−O−CH2−CH(CH
=CH 2)−を構造単位とするポリエポキシブテンであ
ることを確認した。1H−NMRの測定結果から、重合
体の片末端が、ベンゼン由来のフェニル基となっている
ことも確認した。
【0026】得られた重合体のポリスチレン換算分子量
(Mn)をGPC測定装置を用いて測定し、分子量10
00であった。得られた重合体の水酸基価(重合体の末
端水酸基数)をJIS−0070−7.1中和滴定法に
準拠したアセチル価法で測定し、水酸基価1.0であっ
た。以上の結果をまとめて、表1に示す。
【0027】−実施例2− 実施例1で、溶媒および連鎖移動剤の種類を表1に示す
ものに変更した以外は、実施例1と同様にカチオン重合
を行ってポリエポキシブテンを得た。カチオン重合の重
合率、および、得られた重合体の分子量、水酸基価およ
びゲル分率を測定した。重合率、分子量および水酸基価
については、実施例1と同様の方法で測定した。重合体
のゲル分率は、重合体の水酸基価から計算される重合体
中の水酸基と等モルのイソシアネート基を有する3官能
性イソシアネート化合物と、重合体とを反応させ、反応
物中のTHFで溶解しない成分の重量割合(%)である
と定義した。結果をまとめて表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】−実施例3− 単量体としてエポキシブテン10gと、溶媒および連鎖
移動剤としてベンゼン10gと、潜在性酸発生剤として
芳香族スルホニウム塩(商品名:サンエイドSI−60
L、三新化学社製)10μリットルとを添加し、予め6
0〜90℃に温度調節したオイルバスに反応容器をつ
け、60〜90℃の反応温度で7時間、エポキシブテン
をカチオン重合反応させ、ポリエポキシブテンを得た。
【0030】カチオン重合の重合率および得られた重合
体の分子量を、実施例1と同様の方法で測定した。重合
率と分子量は、実施例1と同様にして求めた。結果をま
とめて表2に示す。 −実施例4〜9− 実施例3で、溶媒および反応温度を表2に示すものに変
更した以外は、実施例3と同様にエポキシブテンをカチ
オン重合反応させ、ポリエポキシブテンを得た。
【0031】カチオン重合の重合率および得られた重合
体の分子量については、実施例1と同様の方法で測定し
た。結果をまとめて表2に示す。
【0032】
【表2】
【0033】−実施例10− 単量体としてエポキシブテン20gと、溶媒としてメチ
ルシクロヘキサンと、連鎖移動剤としてtert−ブチ
ルアルコール20mmolと、潜在性酸発生剤として芳
香族スルホニウム塩(商品名:サンエイドSI−60
L、三新化学社製)10μリットルとを添加し、温度調
節したオイルバスに反応容器をつけ、70〜82℃の反
応温度で3時間、エポキシブテンをカチオン重合反応さ
せ、ポリエポキシブテンを得た。
【0034】カチオン重合の重合率および得られた重合
体の分子量については、実施例1と同様の方法で測定し
た。結果をまとめて表3に示す。 −実施例11〜15− 実施例10で、連鎖移動剤および反応温度を表2に示す
ものに変更した以外は、実施例10と同様にエポキシブ
テンをカチオン重合反応させ、ポリエポキシブテンを得
た。
【0035】カチオン重合の重合率および得られた重合
体の分子量については、実施例1と同様の方法で測定し
た。結果をまとめて表3に示す。
【0036】
【表3】
【0037】−比較例− 実施例1において、芳香族スルホニウム塩を硫酸に代え
て反応容器に添加したところ、反応液が茶褐色に着色
し、さらに、系内の温度が上昇した。そのまま、反応容
器を実施例1と同様に加熱して、エポキシブテンを重合
させて、重合体を得た。ガスクロマトグラフにより、重
合率は100%であったが、溶媒に不溶のゲル化物が混
じっていた。
【0038】
【発明の効果】本発明にかかる水酸基末端ポリエーテル
の製造方法ならびに水酸基末端ポリエーテル製造用組成
物は、重合反応が直ちには起きず、重合反応を所望の時
に開始させることができて取扱い易い。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分子内にエポキシ基1個と少なくとも1個
    の炭素−炭素の2重結合基とを有する単量体を、潜在性
    酸発生剤を重合開始剤として用いて、連鎖移動剤存在
    下、カチオン重合させる、水酸基末端ポリエーテルの製
    造方法。
  2. 【請求項2】前記潜在性酸発生剤が芳香族スルホニウム
    塩である、請求項1に記載の水酸基末端ポリエーテルの
    製造方法。
  3. 【請求項3】分子内にエポキシ基1個と少なくとも1個
    の炭素−炭素の2重結合基とを有する単量体に重合開始
    剤を配合してなる水酸基末端ポリエーテル製造用組成物
    において、前記重合開始剤が潜在性酸発生剤であること
    を特徴とする、水酸基末端ポリエーテル製造用組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2006129758A1 (ja) * 2005-06-03 2006-12-07 Daiso Co., Ltd. エーテル系重合体の製造法
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