JP2000317855A - 油圧式インパクト工具 - Google Patents

油圧式インパクト工具

Info

Publication number
JP2000317855A
JP2000317855A JP11127622A JP12762299A JP2000317855A JP 2000317855 A JP2000317855 A JP 2000317855A JP 11127622 A JP11127622 A JP 11127622A JP 12762299 A JP12762299 A JP 12762299A JP 2000317855 A JP2000317855 A JP 2000317855A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cylinder
lid
impact tool
pressure
upper lid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11127622A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuhiro Takarayama
靖浩 寳山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ryobi Ltd
Original Assignee
Ryobi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ryobi Ltd filed Critical Ryobi Ltd
Priority to JP11127622A priority Critical patent/JP2000317855A/ja
Publication of JP2000317855A publication Critical patent/JP2000317855A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Percussive Tools And Related Accessories (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧入治具を用いることなく、シリンダ部の組
み立ておよび分解作業を容易にし、パルス発生部の温度
上昇を防止する。 【解決手段】 液密に密封されたシリンダ部Cを有し、
モータに回転に連動して前記シリンダ部Cに形成される
高圧室Hおよび低圧室Lの圧力差を利用して打撃パルス
を発生し得るようにされた油圧式インパクト工具であっ
て、シリンダ部Cは、筒状のシリンダ16と、筒状シリ
ンダ16の両開口を閉塞する上蓋15および下蓋17と
を有し、シリンダ16と上蓋15および下蓋17とがネ
ジ部材39による締結力を利用して液密に締結する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、モータに連動する
シリンダの回転により打撃パルスを発生させてボルト,
ナット,ネジ等を締結する油圧式インパクト工具に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種油圧式インパクト工具の打
撃パルス発生部Dは、例えば、図8に示す構成になって
いる。前記打撃パルス発生部Dは、有底筒体からなる保
持筒80と、保持筒80内に圧入された筒状のシリンダ
92と、シリンダ92の両側の開口を閉塞する上蓋87
A,下蓋87Bと、上蓋87Aに回転自在に支持された
スピンドル93と、シリンダ92の径外方向に付勢され
るT字形状のブレード94とから構成されている。そし
て、前記ブレード94は仕切部94aと突設部94bと
からなり、前記シリンダ92の内部を複数のシリンダ室
92aに画成する。
【0003】前記保持筒80は、一端部に開口部81が
形成され、他端部の中央部に挿通孔82が形成され、他
端部の内周面にOリング溝80aが形成され、このOリ
ング溝80aにOリング80bが嵌入され、保持筒80
の底面部85には、下蓋87Bに植設されたピン86が
挿入される透孔85aが形成され、前記ピン86によっ
て保持筒80と下蓋87Bとが回り止めされている。
【0004】前記下蓋87Bは、保持筒80に圧入され
て底面部85に当接し、さらに、下蓋87Bの一側に形
成された突縁部88が挿通孔82に挿通され、下蓋87
Bの中央部に導出孔89が形成され、その周縁部に油注
入孔90が形成され、油注入孔90に止め栓90aが螺
着され、油注入孔90が閉塞されている。油注入孔90
と対向した位置に前記ピン86が位置している。そし
て、油注入孔90は前記シリンダ92のシリンダ室92
aに連通し、このシリンダ室92aは前記両蓋87A,
87B,前記ブレード94,前記スピンドル93により
形成されている。
【0005】前記スピンドル93の基部には前記ブレー
ド94を径外方向に付勢するばね95が挿入された挿入
孔96が形成されると共に、両挿入孔96間の長孔97
にはブレード94の突設部94bが遊挿されている。一
方、スピンドル93の先端部には、ビットが挿通される
ビット取付孔108が形成されている。
【0006】前記上蓋87Aの内面の中央部にはスピン
ドル保持部99が形成され、上蓋87Aの周面に形成さ
れたOリング溝87aにOリング87bが嵌入されてい
る。さらに、上蓋87Aの外面の中央部には、嵌合突起
100が突設され、この突起100がモータ(図示せ
ず)に連結されている。
【0007】101は保持筒80の開口部81の雌ねじ
81aに螺合した押さえ蓋であり、押さえ蓋101の周
縁部に形成された複数の工具挿入孔102に締め付け工
具が挿入される。
【0008】103はビットホルダであり、スピンドル
93の先端部にスライド自在に嵌合し、スピンドル93
に形成された溝104にスチールボール105がビット
取付孔108に出没自在に設けられ、ビットホルダ10
3が内装されたばね106によりスピンドル93の基部
方向に付勢されている。そして、ビットホルダ103の
内面に形成した凸部103aによりスチールボール10
5をビット係止位置に保持している。なお、符号107
は、ばね受け106aのストップリングである。
【0009】つぎに動作について説明する。ビットホル
ダ103にビットを装着し、モータ(図示せず)を駆動
すると、モータの駆動軸に連結された下蓋87Bの嵌合
突起100を介してシリンダ92が回転すると共に、ス
ピンドル93が回転し、所望のねじの締め付け作業が行
われる。そして、スピンドル93の回転が所定のトルク
に達してスピンドル93がロックされると、両蓋87
A,87Bおよびシリンダ92が回転し、この回転によ
って生じるシリンダ室92aの圧力差により打撃パルス
が発生し、ねじの増し締めが行われる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
前記油圧式インパクト工具の場合、保持筒80に両蓋8
7A,87Bおよびシリンダ92を圧入しているため、
圧入治具が必要になる。しかも、打撃パルスを発生させ
るには、保持筒80およびシリンダ92を一体に回転さ
せる必要があるため、保持筒80の底面部85に植設さ
れたピン86によって下蓋87Bと保持筒80との回り
止めをしなければならず、圧入時に下蓋87Bと保持筒
80の位置合わせが必要で、両蓋87A,87Bおよび
シリンダ92の組み立て作業が煩雑である。
【0011】また、長期間使用してシリンダ室92a内
に磨耗粉が蓄積したり、オイルが劣化した場合は、両蓋
87A,87Bおよびシリンダ92を分解してシリンダ
室92aの磨耗粉を除去して洗浄し、オイルを新しいも
のに交換する必要があるが、保持筒80に両蓋87A,
87Bおよびシリンダ92のシリンダ部Cを圧入してい
るため、前記シリンダ部Cの分解作業が煩雑である。
【0012】さらに、正しく圧入されない場合には、前
記シリンダ部Cの圧入時に保持筒80の内周面にかじり
が発生したり、保持筒80に無理な力が付加され、保持
筒80が変形して前記シリンダ部Cの同心度のずれが発
生する。また、正しく圧入されない場合には、圧入作業
中に両蓋87A,87Bと保持筒80間に設けた油漏れ
防止用のOリング80b,87bがOリング溝80a,
87aから逸脱して両蓋87A,87Bに挟まれて破損
し、前記シリンダ部Cからの油漏れが発生する恐れがあ
る。
【0013】その上、保持筒80と前記シリンダ部Cと
の間にエアギャップがあるため、シリンダ室92aから
外部への熱伝導性が悪く、パルス発生部Dの温度上昇が
大きくなり、打撃力が著しく低下する。
【0014】そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、圧
入治具を用いることなく、シリンダ部の組み立ておよび
分解作業が容易に行われ、パルス発生部の温度上昇を防
止する油圧式インパクト工具を提供することを課題とす
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、請求項1記載の油圧式インパクト工具は、液密に密
封されたシリンダ部Cを有し、モータに回転に連動して
前記シリンダ部Cに形成される高圧室Hおよび低圧室L
の圧力差を利用して打撃パルスを発生し得るようにされ
た油圧式インパクト工具であって、前記シリンダ部C
は、筒状のシリンダ16と、該筒状シリンダ16の両開
口を閉塞する上蓋15および下蓋17とを有し、前記シ
リンダ16と上蓋15および下蓋17とがネジ部材39
による締結力を利用して液密に締結されたものである。
【0016】したがって、前記両蓋15,17およびシ
リンダ16をネジ部材39による締結力を利用して液密
に締結するようにしたため、両蓋15,17およびシリ
ンダ16を圧入して一体にする必要がない。よって、従
来のように、両蓋15,17およびシリンダ16を一体
にするための保持筒が不用になり、圧入治具を用いるこ
となく、しかも、保持筒と下蓋17をピンで固定するこ
ともなく、シリンダ部Cの組み立ておよび分解が容易に
なる。そして、好ましくは、下蓋17に圧力調整口を形
成し、該圧力調整口およびシリンダ部Cに形成される高
圧室Hおよび低圧室Lに連通する溝状の圧力調整流路を
形成した方がよく、この場合、圧力調整流路が溝状であ
るため、加工が容易である。
【0017】さらに、シリンダ部Cの組み立ておよび分
解が容易になることから長期間使用した場合のオイル交
換とシリンダ室16a内部の磨耗粉の除去が容易にな
り、シリンダ部Cのメンテナンス作業が簡単になる。
【0018】また、保持筒を設ける必要がないため、シ
リンダ16と保持筒間のエアギャップによる熱伝導の阻
害がなく、シリンダ室16a内部で発生した熱が熱伝導
しやすくなり、前記シリンダ部Cの温度上昇が抑えられ
る。
【0019】また、請求項2記載の油圧式インパクト工
具は、前記シリンダ16の両端部と上蓋15および下蓋
17との当接面Sにはシール部材84が介装されている
ものである。
【0020】したがって、打撃パルス発生部Dの両蓋1
5,17とシリンダ16との当接面Sにシール部材84
を介在させたため、シリンダ部Cの液密性が向上する。
【0021】その上、シリンダ部Dの両蓋15,17と
シリンダ16との当接面Sにシール部材84を介在させ
た状態で、両蓋15,17およびシリンダ16をネジ部
材39によって一体に締結しているため、両蓋15,1
7およびシリンダ16の外面が保持筒の内面に摺接する
ことがなく、圧入時に発生したシール部材84の逸脱お
よび逸脱によるシール部材84の破損、さらに、シール
部材84の破損による油漏れに有効である。
【0022】また、請求項3記載の油圧式インパクト工
具は、前記シリンダ16は両端部に径方向へ延びるフラ
ンジ部16bを有し、前記フランジ部16bと上蓋15
および下蓋17とは凹凸嵌合しているものである。
【0023】したがって、シリンダ16の両端部に径方
向へ延びるフランジ部16bを設けたため、当接面Sの
面積が大きくなり、前記当接面Sからの油漏れが有効に
防止される。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、実施の形態につき、図1か
ら図7を参照して説明する。 <第一実施形態>第一実施形態につき、図1から図5を
参照して説明する。それらの図において、1は油圧式イ
ンパクト工具本体であり、後部ケース2と、後部ケース
2に螺合して取り付けられた前部ケース3とを有する。
後部ケース2には、モータ(図示せず)の電源をオン、
オフするトリガ4が設けられ、トリガ4の上方に前記モ
ータの減速機構Gが設けられ、前部ケース3には、打撃
パルス発生部D、すなわち上蓋15,油が充填された筒
状のシリンダ16,下蓋17がネジ39により一体に締
結されたシリンダ部Cと、該シリンダ部Cに回転自在に
支持されたスピンドル18とが設けられている。
【0025】前記減速機構Gは、ベアリング6に支承さ
れたモータ(図示せず)の駆動軸5を延長して形成され
たピニオンギヤ7aを有するピニオンギヤ部7と、筒状
部8aおよび鍔部8bからなる後側キャリヤ8と、六角
形状の嵌合孔9cが形成された筒状部9aおよび鍔部9
bからなる前側キャリヤ9とが設けられている。そし
て、後側キャリヤ8の筒状部8aがベアリング8cに支
持され、前側キャリヤ9の筒状部9aが後述する上蓋1
5の嵌合凸部15bに連結され、両キャリヤ8,9が回
転自在に設けられている。
【0026】さらに、両キャリヤ8,9の鍔部8b,9
bを複数のピン10が貫通し、各ピン10に複数の遊星
ギヤ11が固着され、各遊星ギヤ11が両キャリヤ8,
9の鍔部8b,9bに回転自在に支持される。そして、
各遊星ギヤ11は、前記ピニオンギヤ部7のピニオンギ
ヤ7aに噛合すると共に、後部ケース2に固定されたイ
ンターナルギヤ12に各遊星ギヤ11が噛合し、各遊星
ギヤ11の回転がガイドされている。そして、モータの
駆動軸5の回転に伴ってピニオンギヤ部7が回転すると
共に、各遊星ギヤ11が自転して両キャリヤ8,9が回
転し、減速された回転力がキャリヤ9を介してシリンダ
部Cに伝達される。13,14は平ワッシャおよびスト
ップリングであり、各遊星ギヤ11が両キャリヤ8,9
からの逸脱することを防止している。
【0027】前記打撃パルス発生部Dは、前記上蓋15
の外面の中央部には六角形状の嵌合凸部15bが形成さ
れ、この嵌合凸部15bが前記前側キャリヤ9の六角形
状の嵌合孔9cに嵌合し、前記ピニオンギヤ部7の回転
が伝達されている。さらに、上蓋15の内面に嵌合部1
5aが形成され、前記内面の中央部にはスピンドル保持
孔15cが形成され、その周縁部には、従来と同様に、
環状のOリング溝83が形成され、Oリング溝83にO
リング84が嵌入されている。また、下蓋17の内面に
も嵌合部17aが形成され、前記上蓋15と同様のOリ
ング溝83が形成され、Oリング溝83にOリング84
が嵌入されている。よって、両蓋15,17とシリンダ
16との当接面SにOリング84(シール部材)を介在
させたため、当接面SがOリング84でシールされる。
【0028】前記シリンダ16には両端部に径方向へ延
びるフランジ16b(突縁部)を有し、このフランジ1
6bによって上蓋15との当接面積が大きくなり、しか
も、フランジ16bの外周面と、上蓋15とが当接する
ため、シール性が向上される。さらに、シリンダ16の
内面は略まゆ形状に穿孔され、シリンダ16の内面両端
部には、仕切り部19a,突設部19bからなるブレー
ド19に摺接するシリンダ縁部20が形成されている。
【0029】前記スピンドル18には前記ブレード19
を取り付ける取付部18aが形成されると共に、前記ブ
レード19を径外方向に付勢するばね21が挿入される
挿入孔22が形成され、両挿入孔22の間には長孔23
が形成されている。しかも、スピンドル18の先端部に
はビットが着脱自在に取り付けられるビット取付孔10
8が形成され、スピンドル18の先端部には、従来と同
じ構成のビットホルダ103が装着され、さらに、スピ
ンドル18は、基部が上蓋15のスピンドル保持孔15
cに回転自在に支持され、先端部が前部ケース3の貫通
孔3bを貫通している。
【0030】前記下蓋17は中央部に導出孔32が形成
され、導出孔32の壁面に凹部33が形成され、Oリン
グ85が設けられている。下蓋17の周縁部には、圧力
調整弁部T1が設けられている。この調整弁部T1は、
下蓋17の周縁部に形成された圧力調整口34と、その
両側に形成された円弧状の溝からなる圧力調整流路35
と、圧力調整口34を閉塞した圧力調整弁36とから構
成されている。
【0031】そして、前記圧力調整弁36は、頭部と螺
棒37とからなり、前記頭部のOリング溝36aにはO
リング36bが嵌入されている。さらに、図4に示すよ
うに、前記圧力調整口34および圧力調整流路35がシ
リンダ16のシリンダ室16a(高圧室H1、低圧室L
1)に連通し、圧力調整弁36が逃がし孔36cを介し
て圧力調整口34に挿通され、前記圧力調整弁36の螺
棒37が圧力調整口34に螺合し、圧力調整弁36の頭
部のOリング36bによって圧力調整口34がシールさ
れている。
【0032】そして、上蓋15およびシリンダ16にネ
ジ部材(以下ネジという)39の逃がし孔38が形成さ
れ、上蓋15の逃がし孔38の上端のOリング溝38a
にはOリング38bが嵌入されており、さらに、シリン
ダ16と両蓋15,17との当接面SがOリング84に
よってシールされている。そして、ネジ39が、上蓋1
5、シリンダ16の逃がし孔38に挿通されて下蓋17
に形成された螺孔40に螺合し、上蓋15,シリンダ1
6,下蓋17がネジ39によって一体に締結されてい
る。この際、シリンダ16の当接面SがOリング84に
よってシールされると共に、圧力調整口34がOリング
36bによってシールされる一方、上蓋15の逃がし孔
38がOリング38bによってシールされ、シリンダ1
6からの油漏れが防止されている。
【0033】つぎに打撃パルス発生部Dの組み立て順序
について説明する。まず、スピンドル18のブレード取
付部18aにブレード19を取り付ける。すなわち、一
方のブレード19に二個のばね21を取り付けた状態
で、スピンドル18の挿入孔22に前記両ばね21を挿
入する。つぎに、他方のブレード19に前記両ばね21
を取り付けると、スピンドル18にブレード19が取り
付けられる。
【0034】そして、スピンドル18の先端側からOリ
ング85とバックアップリング41を挿入した後、スピ
ンドル18を下蓋17の導出孔32に挿通する。つぎ
に、上蓋15および下蓋17の当接面SのOリング溝8
3にOリング84を嵌入し、シリンダ16の両フランジ
16bに両蓋15,17の嵌合部15a,17aを嵌合
すると共に、スピンドル18の基部を上蓋15のスピン
ドル保持孔15cに挿入する。
【0035】その後、上蓋15におけるネジ39の挿通
部のOリング溝38aにOリング38bを取り付け、上
蓋15側からブレード取付部18aを内装した状態で、
上蓋15側から、上蓋15と下蓋17でシリンダ16を
挟み、ネジ39を、上蓋15,シリンダ16の逃がし孔
38に挿通して下蓋17の螺孔40に螺合し、ネジ39
を締め付ける。この際、Oリング84が変形し、シリン
ダ16のシリンダ室16aが確実に密閉される。
【0036】つぎに、圧力調整口34からシリンダ室1
6a内に油を充填し、圧力調整口34に圧力調整弁36
を螺合し、打撃パルス発生部Dの組み立てが完了する。
【0037】このようにして組み立てられた打撃パルス
発生部Dは、シリンダ16のフランジ16bによって、
該フランジ16bと両蓋15,17との当接面Sの当接
面積が大きく、しかも、前記フランジ16bの外周面と
前記嵌合部15a,17aとが当接するため、シリンダ
16からの油漏れに対して非常に効果的である。また、
前記形態の場合、シリンダ16にフランジ16bを設け
て両蓋15,17と凹凸嵌合させたが、両蓋15,17
にフランジ16bを設けて凹凸嵌合するようにしてもよ
い。さらに、シリンダ16および両蓋15,17にフラ
ンジ16bを設けてもよい。
【0038】このように、前記形態の場合、保持筒を用
いることなく、両蓋15,17およびシリンダ16をネ
ジ39によって一体に締結するようにしたため、圧入治
具および蓋を回り止めするピンも不用になり、打撃パル
ス発生部Dの組み立ておよび分解が容易になる。
【0039】さらに、打撃パルス発生部Dの組み立てお
よび分解が容易になることから長期間使用した場合のオ
イル交換とシリンダ室16aの内部の磨耗粉の除去が容
易になり、打撃パルス発生部Dのメンテナンス作業の作
業時間が短縮されれる。
【0040】その上、打撃パルス発生部Dの両蓋15,
17とシリンダ16との当接面SにOリング84を介在
させた状態で、両蓋15,17およびシリンダ16をネ
ジ39によって一体に締結しているため、締結時、Oリ
ング84がOリング溝83から逸脱したり、この逸脱に
よるOリング84が破損したり、Oリング84の破損に
よって油漏れしたりすることがない。
【0041】つぎに動作について説明する。モータの駆
動軸5に形成されたピニオンギヤ部7が回転すると、両
キャリヤ8,9および遊星ギヤ11が回転すると共に、
両キャリヤ8,9が回転し、上蓋15を介してスピンド
ル18が回転し、所望のネジ締め作業が行われる。そし
て、ネジ(不図示)の緊締時、スピンドル18の回転が
所定トルクに達してロックされると、上蓋15,シリン
ダ16,下蓋17が回転する。この際、シリンダ室16
aは、図4に示すように、シリンダ16の各シール部
M、スピンドル18の各シール部N,および上下のブレ
ード19によって、右側上部および左側下部に高圧室H
1,H2が画成され、左側上部および右側下部に低圧室
L1,L2が画成される。
【0042】さらなるモータの回転によってシリンダ1
6が回転すると、高圧室H1,H2の容積が減少するた
め、油が圧縮され、瞬間的に高圧が発生し、この高圧は
前記両ブレード19を低圧室L1,L2側に押圧する。
スピンドル18には前記両ブレード19を介して瞬間的
に偶力が発生し、これに伴って打撃パルスが発生し、ス
ピンドル18を介してスピンドル18の先端に装着した
図示しないビットに打撃力が伝達され、該ビットによっ
て締め付けされるネジ(不図示)が増し締めされる。
【0043】この打撃パルス発生時、従来のように、シ
リンダ16を保持筒に圧入していないため、シリンダ1
6,保持筒間にエアギャップなく、シリンダ室16aの
内部で発生した熱の熱伝導が阻害されず、打撃パルス発
生部Dの温度上昇が抑制される。また、前記モータの減
速機構Gとして、遊星ギヤ装置を用いたが、ピニオンギ
ヤ,ベベルギヤ等を用いてもよく、ベルトとギヤの組み
合わせであってもよく、図示に限定されるものではな
い。
【0044】一方、圧力調整弁部T1は、図5(イ)に
示すように、圧力調整弁36が後方、すなわちシリンダ
室16a側に移動した状態では、圧力調整弁36によっ
て圧力調整流路35が閉塞され、油は圧力調整流路35
には流入しない。そして、図5(ロ)に示すように、圧
力調整弁36が前方、すなわち前部ケース3側に移動し
た状態では、圧力調整流路35が開放され、油が圧力調
整流路35に流入する。このようにして圧力調整流路3
5の開口面積を調整して高圧室H1,H2と低圧室L
1,L2の圧力差を調整し、打撃パルスの大きさ、すな
わち打撃トルクの調整が可能になる。
【0045】ところで、前記圧力調整弁部T1は、種々
の構成のものが発案されている。例えば、特開平5−2
12686号公報の場合、蓋およびシリンダに圧力調整
弁を挿入する弁口が設けられ、さらにシリンダに、前記
弁口およびシリンダ室に連通する流路が形成されてい
る。よって、組み立て時、蓋の弁口とシリンダの弁口と
を位置合わせする必要がある。これに対して、本発明の
油圧式インパクト工具の場合、圧力調整弁部T1をシリ
ンダ16に設けずに、下蓋17に設けているので、シリ
ンダ16に複雑な孔加工する必要がなく、加工が容易
で、蓋とシリンダとの位置合わせをする必要がなく、簡
単に組み立てられる。
【0046】また、例えば、特開昭60−201881
号公報の場合、蓋に、該蓋を貫通した弁口が設けられる
と共に、シリンダのシリンダ室に連通する弁孔が形成さ
れ、前記弁口と前記弁孔を連通する連通孔が形成されて
いる。よって、調整弁部を構成するこれらの孔加工が複
雑で困難である。これに対して、本発明の油圧式インパ
クト工具の場合の圧力調整流路35は、シリンダ室16
aに面した下蓋17の内面に、圧力調整口34とシリン
ダ室16aを連通する溝を形成するだけでよく、容易に
加工できる。
【0047】さらに、前記形態の場合、圧力調整弁部T
1が一個の場合には、シリンダ室16aの高圧室H1と
低圧室L1はスピンドル18を貫通する長孔23を通じ
て連通し、高圧室H1、低圧室L1および低圧室L2は
圧力調整弁部T1により連通するため、高圧室H2は閉
鎖された空間となるため、高圧の状態が維持される。よ
って、この高圧室H2が抵抗となり、打撃パルスの調整
が迅速に行われず、打撃パルスの調整に遅れが生じ、打
撃パルスにばらつきが生じる問題がある。この問題を解
決した油圧式インパクト工具を以下に説明する。
【0048】<第二実施形態>つぎに、第二実施形態に
つき、図6および図7を参照して説明する。それらの図
において、図1から図6と同一符号は同一もしくは相当
するものを示し、異なる点は、下蓋17の周縁部に第一
および第二圧力調整弁部T1,T2を設けた点であり、
図7に示すように、第二圧力調整弁部T2は、第一圧力
調整弁部T1と対向した位置に設けられ、圧力調整口3
4および圧力調整流路35がシリンダ16のシリンダ室
16aに連通し、圧力調整口34の圧力調整を圧力調整
弁36によって行っている。そして、第二圧力調整弁部
T2により、シリンダ室16aの高圧室H2および低圧
室L2が連通し、高圧室H2の高圧の状態が維持され
ず、圧力調整が迅速に行われ、その結果として打撃パル
スのばらつきがなくなり、より精度の高い打撃パルスの
調整が行われる。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の油圧式イ
ンパクト工具によれば、上蓋,下蓋およびシリンダをネ
ジ部材によって一体に締結するようにしたため、両蓋,
シリンダを一体にするための保持筒、圧入治具および回
り止め用のピン等を用いることなく、組み立ておよび分
解ができ、作業性が向上する。
【0050】さらに、シリンダ部の組み立ておよび分解
が容易になることから長期間使用した場合のオイル交換
とシリンダ室内部の磨耗粉の除去が容易になり、シリン
ダ部のメンテナンス作業が簡単に行われる。
【0051】また、保持筒を設ける必要がないため、シ
リンダ部の放熱効果がよくなり、シリンダ部の温度上昇
が抑えられ、打撃力の低下を防止できる。
【0052】さらに、シリンダの両端部と上蓋および下
蓋との当接面にシール部材を介装したため、前記当接面
がシール部材でシールされ、液密性が確保される。
【0053】その上、シリンダ部の両蓋とシリンダとの
当接面にシール部材を介在させた状態で、両蓋およびシ
リンダをネジ部材によって一体に締結しているため、圧
入時に発生したシール部材の逸脱および逸脱によるシー
ル部材の破損、さらに、シール部材の破損による油漏れ
に対して有効である。
【0054】また、シリンダの両端部に径方向へ延びる
フランジ部を設けたため、当接面の面積が大きくなり、
前記当接面からの油漏れが防止される。さらに、フラン
ジ部と上蓋および下蓋とを凹凸嵌合するようにしたた
め、より一層油漏れが確実に防止され、信頼性が向上す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態の全体の構成を示す切断
側面図である。
【図2】図1の打撃パルス発生部の切断側面図である。
【図3】図2のB−B線矢視断面図である。
【図4】図2のA−A線矢視断面図である。
【図5】(イ)は圧力調整弁が調整口を閉塞した状態の
断面図、(ロ)は圧力調整弁が調整口を開放した状態の
断面図である。
【図6】本発明の第二実施形態の要部の構成を示す切断
側面図である。
【図7】図6のA−A線矢視断面図である。
【図8】従来例の要部を示す切断側面図である。
【符号の説明】
5…駆動軸、15…上蓋、15a…嵌合部、16…シリ
ンダ、16a…シリンダ室、16b…フランジ、17…
下蓋、17b…嵌合部、18…スピンドル、19…ブレ
ード、39…ネジ(ネジ部材)、84…Oリング、C…
シリンダ部、D…打撃パルス発生部。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液密に密封されたシリンダ部Cを有し、
    モータに回転に連動して前記シリンダ部Cに形成される
    高圧室Hおよび低圧室Lの圧力差を利用して打撃パルス
    を発生し得るようにされた油圧式インパクト工具であっ
    て、前記シリンダ部Cは、筒状のシリンダ(16)と、該筒
    状シリンダ(16)の両開口を閉塞する上蓋(15)および下蓋
    (17)とを有し、前記シリンダ(16)と上蓋(15)および下蓋
    (17)とがネジ部材(39)による締結力を利用して液密に締
    結されたものであることを特徴とする油圧式インパクト
    工具。
  2. 【請求項2】 前記シリンダ(16)の両端部と上蓋(15)お
    よび下蓋(17)との当接面Sにはシール部材(84)が介装さ
    れていることを特徴とする請求項1に記載の油圧式イン
    パクト工具。
  3. 【請求項3】 前記シリンダ(16)は両端部に径方向へ延
    びるフランジ部(16b)を有し、前記フランジ部(16b) と
    上蓋(15)および下蓋(17)とは凹凸嵌合していることを特
    徴とする請求項1又は2に記載の油圧式インパクト工
    具。
JP11127622A 1999-05-07 1999-05-07 油圧式インパクト工具 Pending JP2000317855A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11127622A JP2000317855A (ja) 1999-05-07 1999-05-07 油圧式インパクト工具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11127622A JP2000317855A (ja) 1999-05-07 1999-05-07 油圧式インパクト工具

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000317855A true JP2000317855A (ja) 2000-11-21

Family

ID=14964650

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11127622A Pending JP2000317855A (ja) 1999-05-07 1999-05-07 油圧式インパクト工具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000317855A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003048173A (ja) * 2001-08-08 2003-02-18 Max Co Ltd エアインパクトドライバ
JP2014094416A (ja) * 2012-11-07 2014-05-22 Max Co Ltd オイルパルス工具
KR101821899B1 (ko) 2016-12-08 2018-01-25 주식회사 한화 장치물 해체용 지그
JP2019048383A (ja) * 2018-12-26 2019-03-28 株式会社マキタ 電動回転工具

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003048173A (ja) * 2001-08-08 2003-02-18 Max Co Ltd エアインパクトドライバ
JP2014094416A (ja) * 2012-11-07 2014-05-22 Max Co Ltd オイルパルス工具
KR101821899B1 (ko) 2016-12-08 2018-01-25 주식회사 한화 장치물 해체용 지그
JP2019048383A (ja) * 2018-12-26 2019-03-28 株式会社マキタ 電動回転工具

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6410742B2 (ja) 弁開閉時期制御装置
JP2012193732A (ja) 揺動形アクチュエータ調整装置
US5794578A (en) Valve timing control apparatus
US6418893B1 (en) Device for varying valve timing of gas exchange valves of an internal combustion engine, in particular a hydraulic camshaft adjusting device of a rotary piston type
JPH0678752B2 (ja) ピストンポンプ又はモータ
JP2020159200A (ja) 作動油制御弁およびバルブタイミング調整装置
US20090071424A1 (en) Valve timing control apparatus
US6782956B1 (en) Drive system having an inertial valve
JP2000317855A (ja) 油圧式インパクト工具
US11530701B2 (en) Pump comprising an attached gasket
US6269785B1 (en) Variable valve timing mechanism
US6283740B1 (en) Rotary lobe pumps
US5876194A (en) Fixed-displacement vane-type hydraulic machine
CN206356866U (zh) 旋转组件的锁紧装置
JPH11132015A (ja) 弁開閉時期制御装置
JP6623768B2 (ja) 弁開閉時期制御装置
JP3823207B2 (ja) 軸封装置
JP4725804B2 (ja) 弁開閉時期制御装置
JP2001153103A (ja) リリーフ弁
JP2000130117A (ja) 弁開閉時期制御装置
US20140352638A1 (en) Camshaft adjusting device
US6200117B1 (en) Rotary lobe pumps
JPH061330Y2 (ja) パルスレンチ
EP3467274A1 (en) Engine with a concentric camshaft
WO2023085199A1 (ja) 作業機

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20040701