JP2000316841A - マルチスライスx線ct装置 - Google Patents

マルチスライスx線ct装置

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JP2000316841A
JP2000316841A JP11130600A JP13060099A JP2000316841A JP 2000316841 A JP2000316841 A JP 2000316841A JP 11130600 A JP11130600 A JP 11130600A JP 13060099 A JP13060099 A JP 13060099A JP 2000316841 A JP2000316841 A JP 2000316841A
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Tomotsune Yoshioka
智恒 吉岡
Hiroichi Uda
普一 右田
Mitsuru Tamura
充 田村
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Hitachi Healthcare Manufacturing Ltd
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Hitachi Medical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 X線検出素子間の特性ばらつきの小さいX線
検出器を持ち、スライス構成の各種バリエーシヨンに対
応可能なマルチスライスX線CT装置を提供する。 【解決手段】 スライス方向コリメータ(61)で絞ら
れたX線ビーム(60)は、X線検出素子アレイ(1
0)のX線検出素子(1)のシンチレータ(2)に入射
し計測される。X線検出素子アレイ(10)はスライス
方向に1.25mm厚さで12分割されたX線検出素子(1)か
ら成り、両端の3個の素子の光検出素子(3)からの出
力信号は1個に纏められ、他はそのまま出力される。X
線検出素子(1)の出力信号はスイッチ回路(5)で4
個の出力信号に纏められ、4個の増幅回路(40)で増
幅された後、4個の画像再構成回路(50)で4枚のスラ
イス画像に再構成され、画像加算回路(51)をそのま
ま通過する。この4枚の画像は、スライス厚さ1.25mmの
画像で、X線ビーム(60A〜60D)に対応する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、X線減衰測定によ
る医学的画像を作るために使用されるX線CT装置に係
り、特に同時に複数スライスの画像計測を行うことがで
きるマルチスライスX線CT装置に関する。
【0002】
【従来の技術】X線CT装置では、装置のスループット向
上のために検査時間の短縮化が望まれている。そのため
に、これまでチヤンネル方向に一次元的に配列されてい
たX線検出器を、スライス方向に複数列配置することに
より、1回のスキャンの間に複数スライス分のデータの
計測を行うことができるマルチスライス計測が実用化さ
れている。
【0003】図37はマルチスライス計測の原理を説明
する概念図である。図37において、X線管101から放
射されたファン状のX線ビーム102を受けるX線検出器1
03は、複数のX線検出素子列104によって構成されてい
る。図示の場合、X線検出器103は被検体105のスライス
方向に配列された4個のX線検出素子列104-1〜104-4か
ら成る。X線ビーム102は被検体105を透過した後X線検
出器103で検出されるが、各X線検出素子列104-1〜104-
4ではそれぞれ被検体105の対応するスライス106-1〜106
-4におけるX線減衰量を計測することになる。
【0004】このように複数のX線検出素子列104をス
ライス方向に配列したX線検出器(以下、マルチスライ
スX線検出器という)103は、検査時間の短縮効果以外
にも、従来のX線検出素子列104を1列だけ配置したX
線検出器(以下、シングルスライスX線検出器という)
に比較すると、X線管101から放射されるX線の利用効
率が高いという利点もある。
【0005】しかし、X線検出器をマルチスライス型と
することでいくつかの問題も発生する。その一つとし
て、先ずX線検出素子の組立精度の問題があげられる。
一般にマルチスライスX線検出器においては、入射X線
を受けて発光するシンチレータと、フォトダイオードな
どの光検出素子とを組合せてX線検出素子とし、このX
線検出素子をチャンネル方向およびスライス方向に必要
な数だけ並べて全体としてX線検出器を構成している。
X線CT装置では良好な画像を得るためには、各X線検出
素子の特性が揃っていることが要求される。このX線検
出素子の特性を左右する要因としては、シンチレータ、
光検出素子等の構成部品自体の特性のばらつきもあげら
れるが、それらの組立時の位置合わせ精度も重要な要素
の一つである。
【0006】従来のシングルスライスX線検出器では、
シンチレータと光検出素子間の位置合わせに関しては、
チャンネル方向のずれ量にのみ着目して精度良く組み立
てればよいが、マルチスライスX線検出器では、チャン
ネル方向およびスライス方向の直交する2方向について
高精度に位置合わせすることが求められる。1方向の位
置合わせに比較すると、直交する2方向についての位置
合わせ作業は単純な2倍の工数の作業には納まらず、ま
た精度を確保することも困難になってくる。
【0007】また、光検出素子の出力取出し部分の信号
密度も問題となる。X線CT装置用のX線検出器では、多
素子配列が要求されることから、光検出素子は多数個2
方向に配列されるが、一般に単チャンネルチップを並べ
ることはせずに、一つのチップ上に複数のチャンネルを
形成した光検出素子アレイを使用している。この光検出
素子アレイでは、信号の取出しをチップの端部エッジ部
分からワイヤボンディング等で行うため、マルチスライ
スX線検出器の場合、チャンネル毎にスライス方向に多
分割した光検出素子の出力信号を1チャンネルの幅の中
でチップ端部まで導き、その端部のエッジ部にて独立し
た別々の信号として、それぞれワイヤボンディングによ
りチップと搭載基盤の信号端子との間を接続しなければ
ならない。ワイヤボンディングを行うためには、ボンデ
ィングパッドと呼ばれる一定面積をもつ接続面を用意す
る必要があり、そのために1チャンネル幅の中に配置で
きるボンディングパッドの数は限定される。その結果、
1チャンネルの内部のスライス方向の分割数は、このボ
ンディングパッドの配置限度数によって制限される。
【0008】また、スライス方向の内側の光検出素子か
らチップ端部まで信号を導く信号線は、外側の光検出素
子の受光部外に通さなければならないので、1チャンネ
ル当りの分割数が増えると、それに伴い信号線数が増え
るため、外側の光検出素子の部分ではその信号線布線の
ための領域が増加し、その結果受光部面積が削られて出
力低下を起こしてしまう。
【0009】このように、光検出素子について1チャン
ネル内でスライス方向に多分割しようとすると、チャン
ネル間の限られた幅の中に多数の信号線を通すことによ
って生じる問題も発生する。
【0010】一般に、X線CT装置を用いて病変の検査を
行う際、検査部位や検査範囲、対象疾患によって検査時
の最適スライス厚さは異なる。このため、通常X線CT装
置のスライス厚さは被検体の検査目的に合わせて1〜10m
m程度の範囲で数種類の厚さ寸法が選択できるようにな
っている。従来のシングルスライスX線検出器では入射
するX線ビームの幅を変えることで検査時のスライス厚
さを変更している。しかし、マルチスライスX線検出器
では、シングルスライスX線検出器の場合と異なり、入
射X線ビームの幅を変えるだけでは個々のX線検出素子
列で取り込むX線ビームのスライス厚さを変更すること
はできない。マルチスライスX線検出器の場合、入射X
線ビームの幅を変更するとともに、X線が入射している
範囲のX線素子列のスライス方向の分割状況を、目的と
するスライス厚さに応じて変更させる必要がある。
【0011】マルチスライスX線検出器を用いたX線CT
装置で、計測時のスライス厚さを自由に選択する方法と
して、X線検出素子をスライス方向に細かく分割してお
き、それぞれの信号を取出し、選択されたスライス厚さ
に対応する分の複数の検出素子列の信号を加算する方法
が特開平7-246200号公報(以下、従来例1という)に開
示されている。図38に従来例1のマルチスライス型X
線計測系のブロック図を示す。
【0012】図38において、従来例1のマルチスライ
ス型X線計測系は、X線検出素子アレイ110と、信号増
幅ユニット120と、画像処理ユニット130から構成され
る。X線検出素子アレイ110はチャンネル方向およびス
ライス方向に配列された複数個のX線検出素子111から
成る。図示のものは、1チャンネル分についてスライス
方向に配列されたものを示している。各X線検出素子11
1はほぼ同一寸法で、シンチレータ112とフォトダイオー
ド113で構成され、フォトダイオード113からの出力信号
(以下、薄スライス信号という)はコネクタ114を経由
して、信号増幅ユニット120に入力される。信号増幅ユ
ニット120は増幅器121とスイッチ回路122で構成され
る。増幅器121はX線検出素子111と同数配置され、フォ
トダイオード113からの薄スライス信号を増幅すると共
に、オフセット補正や利得補正などを行う。スイッチ回
路122は薄スライス信号を個々に重み付けした後、一緒
に集計し、厚スライス信号として出力する。ここで、厚
スライス信号はスイッチ回路122での重み付けの仕方に
よって、スライス厚さの値を変えることができるので、
任意のスライス厚さを選択することができる。画像処理
ユニット130は画像再構成回路131を含む。画像再構成回
路131はスイッチ回路122から出力される厚スライス信号
に基づき被検体のスライス画像を再構成する。
【0013】しかし、この方法では、スライス方向に細
かく分割したX線検出素子数の分の出力信号を取出さな
ければならないため、実装スペースや製造コストが増大
するという問題が生ずる。
【0014】また、計測データからスライス画像を作成
する画像再構成回路(又は装置)131は、その構造が複
雑で高価なこと、また信号取出部の実装スペースが制約
されること等の問題があるため、この方法ではスライス
数に限界がある。そのため、画像再構成装置131は通常
マルチスライスX線検出器のスライス方向に細かく分割
した薄スライス信号をすべて独立したデータとして、X
線検出素子列の分割数だけのスライス画像を一度に再構
成するようなシステムにはなっていない。
【0015】このため、薄いスライス厚さを選択した場
合には、計測はX線検出器の一部のX線検出素子だけを
使用してデータを取り込むことになる。このような薄い
スライス厚さを選択する場合、計測を行う範囲外にX線
検出素子を分割し配列することはデータ収集上殆ど意味
がなく、コスト上昇の要因にしかならない。このように
X線検出素子をスライス方向に単純に細分割する方法で
は、スライス厚さの自由選択という要求には対応できる
ものの、X線検出器およびその出力信号を直接取り込む
増幅回路周辺の信号数が極端に増加してしまい、コスト
や実装スペースの問題を考慮すると、現実的な方法とは
言えない。
【0016】このような、問題を回避する方法として、
X線検出素子のスライス方向での分割方法を改良したも
のが特開平10-24031号公報(以下、従来例2という)に
開示されている。図39に、従来例2のマルチスライス
型X線計測系のブロック図を示す。図39において、X
線計測系は従来例1の場合と同様に、X線検出素子アレ
イ110Aと、信号増幅ユニット120Aと、画像処理ユニット
130から構成されるが、X線検出素子アレイ110Aの構成
と信号増幅ユニット120Aの構成が従来例1のものと相違
する。
【0017】X線検出素子アレイ110Aは、スライス方向
に関し複数種類の分割厚さを有するX線検出素子111A
と、スイッチ回路122Aと、コネクタ114Aとで構成され
る。X線検出素子111Aは、スライス方向の中心部分に最
小スライス厚さ(以下、単位スライス厚さという)のも
のが(図示では4個)配列され、そのすぐ外側に単位ス
ライス厚さの2倍の厚さをもつものが(図示では両側に
1個ずつ合計2個)配列され、さらにその外側に単位ス
ライス厚さの4倍の厚さをもつものが(図示では両側に
1個ずつ合計2個)配列されるように分割されている。
このように分割することにより、単位スライス厚さに対
して、1倍、2倍、4倍、8倍の厚さのスライス厚さを
選択することができる。X線検出素子111Aは、シンチレ
ータ112Aとフォトダイオード113Aとで構成され、フォト
ダイオード113Aの出力信号がスイッチ回路122Aに入力さ
れている。このスイッチ回路122AではX線検出素子111A
の出力信号を集計し、4個の信号にまとめて4本の信号
線を経由して、信号増幅ユニット120Aに出力している。
【0018】スライス厚さの選択にあたっては、例えば
中心部分の4個のX線検出素子111Aを選択すれば、単位
スライス厚さに対応する4個の出力信号が4本の信号線
から出力される。また、中心側の6個のX線検出素子11
1Aを選択すれば、単位スライス厚さの2倍のスライス厚
さに対応する4個の出力信号が同時に出力される。さら
に全部のX線検出素子111Aを選択すれば、単位スライス
厚さの4倍の厚さに対応する4個の出力信号が同様に出
力される。この結果、単純分割した従来例1の場合に比
較して後段の信号増幅ユニット120Aへの信号線数を減ら
して、複数スライス厚さの選択をすることができるマル
チスライスX線検出器を構成することができる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来例2の如
くスライス方向の分割を不等間隔で行ったX線検出素子
については以下に説明するような問題が発生する。図4
0はシンチレータと光検出素子を組合せたX線検出素子
のX線検出の原理を示した概念図である。図40におい
て、上方から入射してきたX線140は、シンチレータ112
内の発光中心141にて可視光143が直接または光反射層14
2で反射された後に、フォトダイオードなどの光検出素
子113の受光面144に入射されることにより、入射X線14
0の強度に応じた電気信号が得られ、後続の信号増幅ユ
ニットに出力される。このとき、シンチレータ112は、
その内部で発光した光を効率よく光検出素子113の受光
面144に伝えられるように、光検出素子113と接する面以
外の面については光反射層142で覆われている。
【0020】入射X線に対するX線検出素子の感度は、
1個の素子内部では均一であることが望まれるが、素子
端部では中心部に比較すると感度が低下することは避け
られない。従って、X線検出素子アレイの1チャンネル
のシンチレータのスライス方向の全体の長さが同じであ
っても、全体が一つの素子の場合と全体をいくつかの素
子に分割した場合とではスライス方向のX線に対する感
度分布特性は異なる。
【0021】図41は、素子長さの異なるX線検出素子
の長さ方向の感度分布の違いを示した図である。図41
(a)は、全体を4個の素子に分割した場合の例、図41
(b)は全体が一つの素子の場合の例である。いづれも上
図がX線検出素子のスライス方向の断面を示した図で、
下図はスライス方向の位置と相対感度との関係を示した
ものである。図41(a)から、全体を4個の素子に分割
した場合には素子ごとに中央部に感度の山150があり、
両端部に感度の谷151または低下部152が生じていること
がわかる。図41(b)から、全体が一つの素子の場合に
は中央部に感度の平坦部153があり、両端部に感度の低
下部152が生じていることがわかる。
【0022】上記の理由により、X線検出素子アレイの
1チャンネルのシンチレータのスライス方向の全体の長
さが同じであっても、そのスライス方向の分割状況が異
なる場合には、同一の入射X線に対して出力が異なると
いう不具合が発生する。
【0023】また、スライス方向の長さが異なるX線検
出素子を使用する場合、X線感度分布の問題以外にも、
エネルギー特性の違いが生じることによる影響もある。
このエネルギー特性の違いは、以下に述べる原因で発生
すると考えられる。図40において、シンチレータ112
内部での発光のうち、シンチレータ112内を透過して直
接光検出素子113の受光面144に入射する光143と、1回
あるいは複数回シンチレータ112の表面に到達して光反
射層142により反射された後に光検出素子113の受光面14
4に到達する光143とが混在する。これらの発光143のう
ち、直接受光面144に到達する光143と、光反射層142で
反射した後に受光面144に到達する光143との割合は、シ
ンチレータ112の寸法によって変化する。シンチレータ1
12内部での発光143が直接光検出素子113に到達する場合
と、何回かの反射を行ってから光検出素子113に到達す
る場合とでは、反射時の光143の減衰等の影響があるた
めに、光検出素子の出力への寄与が異なることになる。
【0024】このため、シンチレータ112内部での発光1
43の光検出素子113の受光面144への到達経路の違い(直
接かあるいは反射を経てか)の割合が異なると、入射X
線に対するX線検出素子111のエネルギー特性が異なる
ことになる。従って、同一のX線140が入射した場合で
も、シンチレータ112のスライス方向の長さの異なるX
線検出素子111で計測したデータ間で、エネルギー特性
値が異なることから、得られる再構成画像に違いが生ず
る。
【0025】また、上記のようにスライス方向に異なる
スライス厚さで分割されたX線検出素子を有するX線検
出器を使用して精度の高いX線計測を行う場合には、感
度補正、エネルギー特性補正等の各種特性補正のための
校正データを、選択されるスライス厚さごとに、素子長
さの影響を補正するように持たねばならず、スライス厚
さの選択に関係する素子分割数や取出し信号数が増加す
ると、校正データが膨大な量となってしまうという問題
も生じる。
【0026】以上のことから、本発明ではX線検出素子
間の特性ばらつきの小さいX線検出器を具備し、良好な
スライス画像の得られるマルチスライスX線CT装置を提
供することを第1の目的とする。さらに、本発明では、
スライス構成の各種のバリエーションに対し、スライス
信号の取出しの制御で対応することができ、また少ない
数のキャリブレーションデータ数で計測が可能となるマ
ルチスライスX線CT装置を提供することを第2の目的と
する。
【0027】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のマルチスライスX線CT装置は、X線源と入
射した放射線を検知することにより発光するシンチレー
タと、シンチレータでの発光を受光することによりシン
チレータが検知した放射線の線量に対応する出力信号を
発生する光検出素子とを組み合わせたX線検出素子をX
線源の焦点を中心とする円弧状に複数個配列(この配列
方向を以下、チャンネル方向という)したX線検出素子
列をチャンネル方向と直交する方向(以下、スライス方
向という)に複数列配列するX線検出器を搭載し、X線
検出器のスライスごとの出力信号(以下、スライス信号
という)を受ける増幅回路および増幅回路の出力信号か
ら被検体のスライス画像を再構成する画像再構成回路を
それぞれ1個以上持ち、X線源およびX線検出器を対向
して配置して搭載した走査機構部を被検体の周りに1回
転することにより被検体の複数個のスライス画像を得る
ことができるマルチスライスX線CT装置において、
(1)X線検出器の各X線検出素子のシンチレータのス
ライス方向の長さは単位ピッチにて均等に分割されてお
り、(2)X線検出器の同一チャンネル内でスライス方
向に配列された光検出素子からのスライス信号のうち端
側の複数素子分については単一信号としてまとめ、中心
側の他の素子分についてはそのまま取出して、(3)X
線検出器と増幅回路との間に各X線検出素子からのスラ
イス信号の増幅回路への取り出し組み合わせを制御する
スイッチ回路を具備する。
【0028】この構成では、X線検出器の各X線検出器
のシンチレータのスライス方向の長さが均等に分割され
ているため、各X線検出素子間で感度分布特性、エネル
ギー特性など特性のばらつきが小さくなり、良好なスラ
イス画像が得られる。また、同一チャンネル内でスライ
ス方向に配列された光検出素子からのスライス信号のう
ち端側の複数素子分について単一信号としてまとめるこ
とにより、スライス方向の出力信号数がスライス分割数
より少なくなり、信号配線の接続および後続のスイッチ
回路の構造を単純化することができる。また、X線検出
器と増幅回路との間に各X線検出素子からのスライス信
号の取出し組合せを制御するスイッチ回路を設けたこと
により、スライス構成の各種のバリエーションに対しス
ライス信号の取出しの制御で対応でき、また、少ない数
のキャリブレーションデータ数で計測が可能となる。
【0029】本発明のマルチスライスX線CT装置では更
に、X線検出器からの複数個のスライス信号を受けて、
各々のスライス位置に対応するスライス画像を画像再構
成回路で作成した後に、前記スライス画像を加算して合
成スライス画像を作成する。この構成では、画像加算前
のスライス画像を構成するスライス信号の個数が同一で
ない場合などに、スライス画像相互間で画像加算を行っ
て合成スライス画像を作り、合成スライス画像を構成す
るスライス信号の個数を相互間で同一にすることができ
る。この合成スライス画像がスライス構成の各種のバリ
エーションの1スライス画像に対応する。従って、上記
のスイッチ回路と画像加算を組合せることにより、スラ
イス構成の各種のバリエーションに対し、より厳密にか
つ容易に対応することができる。
【0030】本発明のマルチスライスX線CT装置では更
に、X線検出器からの複数個のスライス信号を受けて、
各々のスライス位置に対応する計測データを加算する加
算手段を持ち、加算手段で加算された合成計測データに
より画像再構成回路にて各々のスライス位置に対応する
スライス画像を作成する。この構成では、上記の場合と
は逆に、スライス画像を再構成する前にスライス信号す
なわち計測データの加算を行うものである。この場合
も、加算手段によって加算された合成計測データがそれ
ぞれ同じ個数のスライス信号から構成されるように加算
を行えば、加算後に再構成されるスライス画像も同じ個
数のスライス信号を含むことになる。従って、上記の場
合と同様な効果が得られる。
【0031】本発明のマルチスライスX線CT装置では更
に、X線検出器のX線検出素子を構成するシンチレータ
素子がチャンネル方向およびスライス方向について溝加
工(以下、チャンネル方向分離溝、スライス方向分離溝
という)により分離され、各々の分離溝に光反射材が埋
設されている。この構成では、X線検出器のシンチレー
タ素子がチャンネル方向、スライス方向とも溝加工によ
り分離・形成されるため、各素子は精度良く加工され
る。この溝加工は光検出素子の分離パターンを位置基準
として行うことができるので、シンチレータ素子と光検
出素子との位置合わせを高精度に行うことができる。ま
た、分離溝に光反射材が埋設されているため、各X線検
出素子のX線の変換効率も高く、諸特性も良好である。
【0032】本発明のマルチスライスX線CT装置では更
に、X線検出器の光検出素子から出力信号を取出す信号
線および信号線を接続するワイヤボンディング部がチャ
ンネル方向分離溝を避ける位置に配置されている。この
構成では、光検出素子からの出力信号を取出す信号線や
これを接続するワイヤボンデイング部などはチヤンネル
ごとにチヤンネル方向分離溝を避けて配置されている。
この信号線などはスライス方向分離溝については避けて
おらず、その分離溝の下を通して配置されている。従っ
て、信号線の配線の際にはチャンネル方向分離溝を重点
的に配慮すればよい。
【0033】本発明のマルチスライスX線CT装置では更
に、X線検出器のX線検出素子列の列数が4の倍数(以
下、4nで示す。nは整数)であり、各チャンネルの両端
部のn個分のX線検出素子の出力をそれぞれ単一信号ラ
インにまとめて取出す。ここで、n=3またはn=4とし
たものである。この構成では、X線検出素子列を4の倍
数列とすることで、スライス方向の出力信号(スライス
信号)の取出し、処理の容易化が図られる。スライス信
号のまとめは、第1段階では各チヤンネルの両端部で単
一信号ラインにまとめることで行われ、第2段階ではス
イッチ回路で行われている。X線検出素子列がスライス
方向に関し中心に対し対称に配列されていることはスラ
イス信号の処理上有効であり、またX線検出素子列が4
の倍数であることは、後段のスイッチ回路でスライス信
号を、例えば4個の出力信号にまとめる場合にスライス
信号をn個ずつまとめて取出すこと、その他種々の取出
し方が可能となる。
【0034】本発明のマルチスライスX線CT装置では更
に、X線検出器の1チヤンネル分のX線検出素子の出力
信号を、1個のX線検出素子からの出力信号としてまた
は複数個のX線検出素子の出力信号をまとめたものとし
て、スイッチ回路で受け、それらの出力信号をスイッチ
回路で選択、合成して、1個以上の出力信号を外部の増
幅回路へ出力する。この構成では、スイッチ回路にてX
線検出素子の出力信号(スライス信号)を1個のまま、
または複数個まとめたものという状態で複数の入力信号
として受け取り、これらの入力信号をそのまま、または
2個以上合成したものを増幅回路に出力するものであ
る。スイッチ回路はこのように入力信号を選択合成する
ことによりスライス信号のまとめを行い、出力信号数の
減少をはかっている。
【0035】本発明のマルチスライスX線CT装置では更
に、スイッチ回路で選択・合成される出力信号数が1チ
ャンネル当たり4信号である。この構成では、後続の増
幅回路、画像再構成回路、画像加算回路などが4個また
は2個でスライス信号の処理を行うことができるので、
処理手順が簡便化すると共に、装置のコスト低減にも寄
与する。
【0036】本発明のマルチスライスX線CT装置では更
に、X線検出器を使用して取出された複数個のスライス
信号を受けて、その信号を適当なレベルに増幅し、アナ
ログ‐ディジタル変換を行う、スライス信号と同数の増
幅回路と、それぞれのスライス位置に対応するスライス
画像を作成する。スライス信号数と同数の画像再構成回
路とを具備する。この構成では、スイッチ回路から出力
されるスライス信号数に合わせて後段の増幅回路、画像
再構成回路を配列するもので、スライス信号の処理が非
常に容易にかつ迅速に行うことができる。
【0037】本発明のマルチスライスX線CT装置では更
に、複数個の再構成回路にて得られた複数のスライス画
像の画像データを加算して新たなスライス画像を作成す
る画像加算回路を具備する。この構成では、画像再構成
回路の後段に画像加算回路を配置して、画像再構成回路
にて再構成したスライス画像の画像データを画像加算回
路にて加算処理をして合成スライス画像を作成するもの
である。
【0038】
【発明の実施の形態】本発明のマルチスライスX線CT装
置の第1の実施例を図1〜図14により説明する。図5
は本発明の第1の実施例のX線検出器をスキャナ回転板
上に搭載した図、図6は本発明のマルチスライスX線CT
装置のシステム全体を示すブロックで図である。図6に
おいて、本発明のマルチスライスX線CT装置の全システ
ムは、スキャナ45、操作卓46、画像処理装置(画像処理
ユニットともいう)47の3つのユニットから構成されて
いる。スキャナ45には中心部にスキャナ回転板35が回転
自在に支持されている。スキャナ回転板35には、中央に
設けられた開口部41を挟んで、X線管36とX線検出器38
が対向して搭載されている。
【0039】図5によりスキャナ回転板35上のX線検出
器38の配置を説明する。X線検出器38はスキャナ回転板
35上で開口部41に挿入された被検体42を間に挟んでX線
管36に対向するように配置されている。X線検出器38は
コリメータ板39ととも検出器容器37内に収容されてい
る。X線検出器38は複数個(図示では13個)のX線検出
素子アレイ10で構成され、これらのX線検出素子アレイ
10はX線管36の焦点を中心とするポリゴン状に配置され
ている。X線検出素子アレイ10の前面には焦点方向以外
から入射してくる散乱X線がX線検出素子アレイ10に入
射することを防止するためのコリメータ板39がX線管36
の焦点を中心とする放射線状に配置されている。また、
X線管36の前面にはX線ビームをスライス方向およびチ
ャンネル方向に絞るためのX線ビームコリメータ49が配
置されている。
【0040】X線検出器38による計測は、開口部41に被
検体42を挿入し、スキャナ回転板35を回転させながらX
線管36の焦点から放射されるX線を被検体42に照射し、
被検体42の各方向からのX線透過量を測定して行う。こ
のとき、X線管36の焦点からのX線ビームはX線ビーム
コリメータ49によりスライス方向厚さとチャンネル方向
幅が制限される。X線検出器38からの出力は、増幅器40
に接続される。出力信号は増幅器40にて適当なレベルに
増幅された後アナログ‐デジタル変換され、後続の画像
処理装置50に送られる。
【0041】図6において、操作卓46にはキーボード5
4、スキャン条件設定回路55、画像表示装置53などが含
まれ、スキャナ45の制御や被検体42のスライス画像の表
示などを行う。操作卓46のキーボード54から入力された
スキャナ45のスキャン条件は、スキャン条件設定回路55
に入力される。本実施例では、スキャン条件の中のスラ
イス厚さに関する情報に基づいて、スライス構成信号
(スライス厚さ×スライス数を示す情報)65がスキャナ
45に、画像加算信号66が画像処理装置47に、それぞれ送
られる。
【0042】スライス構成信号65は、スキャナ45のスキ
ャナ制御回路48で受信され、ここでスライス構成信号65
に基づきコリメータ開口制御信号67と検出器スイッチ切
替制御信号68が生成される。それぞれの信号67、68はX
線ビームコリメータ49とX線検出器38に送られ、スキャ
ン条件に従って、X線ビームのスライス厚さとX線検出
器38内でのスライス方向のX線検出素子の出力信号のス
イッチ回路の切替条件が設定される。X線検出器38から
の出力は増幅回路40で増幅後、アナログ‐デジタル変換
されて、複数スライス分の計測データ69として画像処理
装置47に送られる。
【0043】画像処理装置47には、画像再構成回路50、
画像加算回路51、磁気ディスク装置52などが含まれる。
この画像処理装置47では、スキャナ45から送られた計測
データ69を画像再構成回路50によりX線検出器38のX線
検出素子のスライス方向の配列に対応した複数のスライ
ス位置のスライス画像を作成し、さらにこの複数のスラ
イス画像は画像加算回路51に送られる。画像加算回路51
では操作卓46のスキャン条件設定回路55から送られてき
た画像加算信号66に従って、再構成されたスライス画像
間の加算処理を行う。このようにして得られた最終的な
画像データ70は、操作卓46の画像表示装置53に送られる
とともに、磁気ディスク装置52などの記憶装置に格納さ
れる。
【0044】次に、本発明の要部であるX線検出器を構
成するX線検出素子アレイの構造および製造方法につい
て説明する。図1は本発明の第1の実施例のX線検出素
子アレイの外観図、図2は本発明の第1の実施例のX線
検出素子アレイの1チャンネル中の信号の流れを示した
ブロック図である。図1において、X線検出素子アレイ
10は、フォトダイオードアレイ基板(プリント基板とも
いう)4の上に搭載されているフォトダイオードアレイ
(図示せず)の受光面にシンチレータ2を接着固定させ
た構造をとっている。X線検出素子アレイ10の本体は、
シンチレータ2とフォトダイオード3の組合せがチャンネ
ル方向およびスライス方向にそれぞれ等ピッチで分割さ
れ、配列されたものである。このシンチレータ2とフォ
トダイオード3の組合せがX線検出素子1を構成してい
る。図示の場合、X線検出素子1はチャンネル方向(奥
行き方向)に10個(10チャンネル分)、スライス方向
(水平方向)に12個、計120個配列されている。各X線
検出素子1のフォトダイオード3の出力はX線検出素子ア
レイ本体の外部に取り出され、スイッチアレイ(スイッ
チ回路ともいう)5を経由して、コネクタ6に配線さ
れ、外部回路に接続できるようになっている。
【0045】図2は、図1のX線検出素子アレイ10の一
つのチャンネルに着目して出力信号の取出し方法を説明
するためのブロック図である。X線検出素子アレイ10の
1チャンネルはスライス方向に12個の領域に等ピッチで
分割され、その各々のX線検出素子1-1〜1-12のフォト
ダイオード3からの出力はスイッチ回路5に接続されてい
る。上記の12個のX線検出素子1-1〜1-12のうち両外側
の3個のX線検出素子1-1、1-2、1-3および1-10、1-1
1、1-12の出力はそれぞれまとめられて配線B8にてスイ
ッチ回路5に入力される。他のX線検出素子1-4〜1-9の
出力はそれぞれ単独にて配線A7にてスイッチ回路5に入
力される。本発明においては、中央部分のX線検出素子
1は狭いスライス厚さの計測時にそれぞれ分離独立した
素子として使用されるが、両外側のX線検出素子1につ
いては厚いスライス厚さの計測時にのみ使用されるた
め、それらの出力についてはまとめて扱っても不都合が
生じない。また、両外側のX線検出素子1の出力信号数
を低減することも可能となる。
【0046】スイッチ回路5は、X線検出素子1の出力を
組合せて1チャンネルあたり4個の信号にまとめ直して
コネクタ6(6-1、6-2、6-3、6-4)から出力している。
ここで、スイッチ回路5には、図6に示したスキャン条
件設定回路55からスキャナ制御回路48を経由して、検出
器スイッチ切替制御信号(以下、スイッチ制御信号とい
う)68が出力され、そのスイッチ制御信号(図2におい
て、コネクタ6の端子6-5を経由して入力される信号CS1
1)68によって、入力側のフォトダイオード3からの検出
信号をどのように出力側の4個の信号に割り当てるかが
指示される。本実施例では、スイッチ回路5の出力信号
を4個にしているが、この出力信号数は4個に限定され
ず、他の個数でもよい。出力信号数は多いほど後続の画
像再構成回路で再構成されるスライス画像の個数も多く
なるが、増幅回路や画像再構成回路の個数が多くなるた
めコストが増加し、またスイッチ回路5での制御も複雑
になる。
【0047】図3は本発明の第1の実施例のX線検出素
子アレイの製造過程を示した図である。以下、X線検出
素子アレイの製造過程について説明する。図3(a)はシ
ンチレータ板15を、図3(b)はプリント基板4を示してい
る。プリント基板4上にはフォトダイオードアレイ16と
スイッチアレイ5が取り付けられている。フォトダイオ
ードアレイ16はチャンネル方向およびスライス方向にチ
ャンネル分離パターンおよびスライス分離パターンによ
り必要とする個数のフォトダイオード3に分割されてい
る。図示の場合、10チャンネル×12スライスで、合計12
0個である。シンチレータ板15はフォトダイオードアレ
イ16の受光面を覆う大きさの1枚の薄い板で、後工程で
フォトダイオード3と対応付けて同数に分割される。
【0048】図3(c)では、シンチレータ板15がプリン
ト基板上4のフォトダイオードアレイ16の受光面に位置
合わせして、透明接着剤を使用して接着固定される。図
3(d)では、シンチレータ板15の端部よりわずかに露出
しているフォトダイオードアレイ16のチャンネル分離パ
ターンを位置基準として、スライス方向の分離位置に合
わせて、シンチレータ板15にスライス方向分離溝17が等
間隔に加工される。図示の場合、11本のスライス方向分
離溝17がある。
【0049】図3(e)および図3(f)では、スライス方向
分離溝17に隔壁板18が挿入され、透明接着剤で分離溝17
内に固定される。隔壁板18は長方形の金属薄板またはプ
ラスチックフィルムから成り、その表面には光反射処理
が施されている。このため、隔壁板18は光反射板とも呼
ばれる。図3(g)では、シンチレータ板15のチャンネル
方向にも、スライス方向の場合と同様に、チャンネル方
向分離溝19が等間隔に加工され、その分離溝19に隔壁板
18が挿入され、透明接着剤で固定される。以上の手順に
より、スライス方向およびチャンネル方向にそれぞれ分
離されたX線検出素子アレイ10が完成する。
【0050】上記の製造過程において、シンチレータ2
は、シンチレータ板15をフォトダイオードアレイ16のチ
ップパターン(チャンネル分離パターンおよびスライス
分離パターン)を基準に溝加工して分離されるため、仕
上がり状態でのシンチレータ2はフォトダイオードアレ
イ16のチップに対し、スライス方向、チャンネル方向と
も高精度に位置決めされる。
【0051】図3の実施例では、スライス方向分離溝17
およびチャンネル方向分離溝19の中に隔壁板18を挿入す
る方法を採用しているが、この方法の代わりに、分離溝
17、19の中に、白色顔料などを混ぜて表面の光反射率を
高めた合成樹脂材料等で直接入れて固定する方法によっ
ても、スライス方向およびチャンネル方向の分離を行う
ことができる。この場合の手順としては、フォトダイオ
ードアレイ16の受光面に接着したシンチレータ板15をス
ライス方向およびチャンネル方向に分離溝17、19を加工
した後に、それらの溝に上記の合成樹脂等を充填するこ
とになる。
【0052】上記の如くスライス方向に等間隔で分離さ
れたX線検出素子1は、各素子ともスライス方向の感度
分布は同一形状と成るので、各素子とも同一スライス厚
さで同一強度のX線を受光した場合に同一の出力信号を
出力することになる。このため、複数個のX線検出素子
1の出力をスライス方向にまとめて計測を行う場合、ま
とめる素子数が同じであれば、中心部でまとめても、周
辺部でまとめても、場所によらず、同一の出力特性を示
すことになる。
【0053】図4は、X線検出素子アレイのフォトダイ
オードアレイチップから外部(プリント基板上)への信
号取出しの状態を示した図である。図4(a)はX線検出
素子アレイ10の一部の平面図、図4(b)は同じ部分の側
面図であるが、両図ともシンチレータ2を取り除いた状
態の図を示してある。図4(a)において、フォトダイオ
ードアレイ16を構成するフォトダイオード3の受光面25
はスライス方向(図の水平方向)およびチャンネル方向
(図の上下方向)に分離されていて、各フォトダイオー
ド3の受光面25からフォトダイオードアレイ16のチップ
上の配線ラインA26により各フォトダイオード3の出力
信号がチップ端部のボンディングパッド27に接続されて
いる。さらに、ボンディングパッド27から、細い金線ま
たはアルミニウム線などの配線ワイヤ28にて、プリント
基板4上の対応する位置にある配線パッド29に接続され
ている。配線ワイヤ28のボンディングパッド27または配
線パッド29との接続には、通常超音波ボンディング等の
手法が用いられる。
【0054】さらに配線パッド29にはプリント基板4上
の配線ラインB30が接続され、この配線ラインB30を経
由してX線検出素子1の出力信号が後段のスイッチ回路5
に送られる。
【0055】フォトダイオードアレイ16のチップはプリ
ント基板4上に搭載されるために、チップ上のボンディ
ングパッド27とプリント基板4上の配線パッド29の間に
は、フォトダイオードアレイ16のチップの厚さ分の段差
があり、配線ワイヤ28は二つのパッド27、29間に空間的
に配線されることになる。後工程での取り扱いなどによ
り、空中に配線された配線ワイヤ28が切断されたり、各
パッド27、29から引き剥がされたりすることを防止する
ために、ボンディングパッド27、配線ワイヤ28、配線パ
ッド29は保護用プラスチック31によってモールドされ、
外部から配線ワイヤ28に直接力がかからないように保護
されている。
【0056】フォトダイオードアレイ16のチップの各チ
ャンネル間にはチャンネル方向分離溝19があり、この部
分にはフォトダイオード3の受光面25からの配線ライン
A26やボンディングパッド27は配置されていない。これ
はチャンネル方向分離溝19の加工時に溝底がフォトダイ
オードアレイ16のチップの表面にまで達することから、
信号用の配線ラインA26の切断が起こらないようにする
ためである。各スライス方向分離溝17の部分について
は、配線ラインA26が通過することになるが、スライス
方向分離溝17はその溝底がフォトダイオードアレイ16の
チップの表面まで達しないように浅く加工され、その結
果信号用の配線ラインA26が切断されることは避けられ
る。
【0057】スライス方向分離溝17を浅くすることで、
スライス間の光のクロストークは若干増加することにな
るが、その溝深さに関して高精度に加工することができ
ることから、光のクロストークに寄与するスライス方向
分離溝17部分のシンチレータ板15の残存部の厚さを極め
て薄くすることが可能となり、またX線検出素子1のス
ライス方向厚さ寸法はチャンネル方向幅寸法に比較して
大きいため、このスライス方向の光のクロストークの影
響はわずかなものとなり、特性的な問題は生じない。
【0058】チャンネル方向分離溝19に関しても、その
溝深さを浅くしてチャンネル方向分離溝19の部分に信号
用の配線ラインA26などを配置することも可能である
が、この場合はX線検出素子1のチャンネル方向幅寸法
が小さいため、光のクロストークの影響が出やすい。従
って、この光のクロストークが特性に影響を与えないよ
うにするためには、チャンネル方向分離溝19の部分のシ
ンチレータの残存厚さ(従って、溝深さ)を高精度に管
理する必要がある。
【0059】以上の如く組み立てられたX線検出素子ア
レイ10は、検出器容器37内に複数個配列されて、最終的
にX線検出器38としてまとめられる。複数個のX線検出
素子アレイ10の配列は、チャンネル方向にX線管36の焦
点を中心とする円弧上にポリゴン状に並べられる。
【0060】次に、本発明のX線検出器を使用してスラ
イス厚さを変えてX線計測を行う様子について、図6の
X線CT装置全体図を参照しながら説明する。図7〜図3
4の各図は、図2に示した如く、X線検出器の1つのチ
ャンネルに着目し、その中でスライス方向に分割されて
いるX線検出素子からの出力信号をどのように取出して
処理するのかを示したものである。この中で、図7〜図
17は、本発明の第1の実施例のX線検出器を使用した
もので、X線検出素子アレイ10の1つのチャンネルはス
ライス方向に12個のX線検出素子1に分割されている。
以下このようなX線検出器を、12分割のX線検出素子列
をもつX線検出器という。ここで、1個のX線検出素子
1のスライス方向の厚さは、スキャナの回転中心上で1.
25mmに相当する寸法とし、同様にスライス方向全体とし
ての長さは、15mm(1.25mm×12)に相当する寸法になる
ものとして、以下説明する。
【0061】図7は本発明の第1の実施例の12分割のX
線検出素子列をもつX線検出器を使用して1.25mm×4ス
ライスの計測を行う場合の信号の処理の仕方を示したブ
ロック図である。ここでは本発明の第1の実施例で共通
する手順を代表して説明することにする。図7におい
て、X線管の焦点から放射されるX線は、スライス方向
コリメータ(図6のX線ビームコリメータ49のスライス
方向分に相当)61により、所望のスライス厚さ(スキャ
ナの回転中心位置でのスライス厚さ、以下同じ)の、1.
25mm×4スライス分の厚さのX線ビーム60に絞られて、
X線検出素子アレイ10の4個のX線検出素子1のシンチ
レータ2に入射する。図中4スライス分のX線ビームに
ついては60A、60B、、60C、60Dで示してある。このX線
ビーム60のスライス厚さの制御は、図6のスキャン条件
設定回路55からスキャナ制御回路48を経由して送られる
コリメータ開口制御信号67によって行われる。
【0062】4個のX線検出素子1のフォトダイオード3
からの出力信号は4本の配線A7を経由してスイッチ回
路5に入力される。スイッチ回路5は本実施例の場合、フ
ォトダイオード3からの出力信号を1チャンネルあたり
4個の信号にまとめて出力するように構成されている。
このスイッチ回路5の制御は、図6のスキャン条件設定
回路55からスキャナ制御回路48を経由して送られるスイ
ッチ制御信号68によって行われる。本図の例では、中心
部分の4本の配線A7で送られて来た中心部分の4個の
X線検出素子1からの出力信号をそのまま信号増幅ユニ
ット62の4個の増幅回路40に渡すように制御される。こ
のように、スイッチ回路5を示す長方形枠内の太線はス
イッチ回路5の出力をどのように組合せて出力するかを
表している。
【0063】増幅回路40では入力信号を適当なレベルに
増幅した後、アナログ‐デジタル変換し、後段の画像処
理ユニット47の4個の画像再構成回路50に渡す。画像再
構成回路50では入力信号から4枚のスライス画像が作成
される。さらに、後続の画像加算回路51にてスライス画
像間の加算が行われる。画像加算回路51を示す長方形枠
内の太線は入力画像をどのように組合せて加算画像を作
るのかを示すものである。画像加算回路51の制御は、図
6のスキャン条件設定回路55からの画像加算信号66によ
って行われる。画像加算の必要がない場合には、画像加
算回路51は加算演算を行わず、入力画像をそのまま出力
する。
【0064】図7は、1.25mm厚さの4スライスを同時計
測する場合の動作を示している。X線検出素子アレイ10
に入射するX線ビーム(スライス方向)60は、スライス
方向コリメータ61により、中心部分の4個のX線検出素
子分の厚さに絞られて、X線検出素子1のシンチレータ2
に入射する。スイッチ回路5はスイッチ制御信号68によ
り中心部分の4素子のフォトダイオード3の出力信号は
4個の増幅回路40に送られ、増幅後、さらに後段の4個
の画像再構成回路50に送られて4枚のスライス画像が作
られて、画像加算は行われずにそのまま出力される。こ
こで得られるそれぞれのスライス画像はX線ビーム60A
〜60Dが入射したX線検出素子に対応する1.25mmのスラ
イス厚さの画像となる。
【0065】図8は、2.5mm厚さの4スライスを同時計
測する場合の動作を示している。X線検出素子アレイ10
に入射するX線ビーム(スライス方向)60は、スライス
方向コリメータ61により、中心部分8個のX線検出素子
分の厚さに絞られて、X線検出素子1のシンチレータ2に
入射する。スイッチ回路5はスイッチ制御信号68によ
り、フォトダイオード3の出力信号が、中心側では2素
子分ずつまとめ、外側では4素子分ずつまとめて取出さ
れて、4個の増幅回路40に送られるように設定される。
このとき、外側では4素子分の出力信号がまとめられて
いるが、入射してくるX線ビーム60が絞られているた
め、4個の増幅回路40に入力される信号は、それぞれ2
個のX線検出素子1に対応した出力信号となる。増幅回
路40からの出力信号は、画像再構成回路50により4枚の
スライス画像に再構成される。それぞれのスライス画像
はX線ビーム60A〜60Dが入射した2素子分のX線検出素
子に対応する1.25mm×2=2.5mmのスライス厚さの画像と
なる。
【0066】図9は、3.75mm厚さの4スライスを同時計
測する場合の動作を示している。X線検出素子アレイ10
に入射するX線ビーム(スライス方向)60は、スライス
方向のX線検出素子12個全部の厚さに広げられて、12
個全部のシンチレータ2に入射する。スイッチ回路5はス
イッチ制御信号68により、フォトダイオード3の出力信
号が中心側では3素子分ずつまとめ、外側でも3素子分
ずつまとめ(但し、この3素子の出力はすでに配線B8
でまとめられている)て取出されて、4個の増幅回路40
に送られるように設定される。X線検出素子1からの信
号は増幅回路40を通り、画像再構成回路50にて4枚のス
ライス画像に再構成される。それぞれのスライス画像
は、X線ビーム60A〜60Dが入射した3素子分のX線検出
素子に対応する1.25mm×3=3.75mmのスライス厚さの画
像となる。
【0067】図10は5mm厚さの2スライスを同時計測
する場合の動作を示している。X線検出素子アレイ10に
入射するX線ビーム(スライス方向)60はスライス方向
コリメータ61により、中心部分8個のX線検出素子分の
厚さに絞られて、X線検出素子1のシンチレータ2に入射
する。スイッチ回路5は図8の場合と同様に中心側では
2素子分ずつまとめ外側では4素子分ずつまとめて取出
されて、4個の増幅回路40に送られるように設定され
る。このとき、外側では4素子分の出力信号がまとめら
れているが、入射してくるX線ビーム60が絞られている
ため、4個の増幅回路40に入力される信号は、それぞれ
2個のX線検出素子1に対応した出力信号となる。増幅
回路40からの出力信号は、画像再構成回路50により4枚
のスライス画像が再構成される。さらに、この4枚のス
ライス画像は画像加算回路51にて2枚ずつ加算され、そ
の結果2枚のスライス画像が得られる。このとき、画像
加算回路51の制御は、図6のスキャン条件設定回路55か
ら送られる画像加算信号66によって行われる。それぞれ
の加算画像は、X線ビーム60A、60Bが入射した4個のX
線検出素子の出力信号を加算して作成したことになるの
で、1.25mm×4=5mmのスライス厚さの画像となる。
【0068】図11は5mm厚さの3スライスを同時計測
する場合の動作を示している。X線検出素子アレイ10に
入射するX線ビーム(スライス方向)60はスライス方向
のX線検出素子12個全部の厚さに広げられて、12個
全部のシンチレータ2に入射する。スイッチ回路5はスイ
ッチ制御信号68により、フォトダイオード3の出力信号
が中心側では2素子分ずつまとめ、外側では4素子分ず
つまとめて取出されて、4個の増幅回路40に送られるよ
うに設定される。増幅回路40からの出力は画像再構成回
路50に送られ、4枚のスライス画像に再構成される。さ
らに、この4枚の画像のうち中心側の2枚の画像を次段
の画像加算回路51にて加算処理し、1枚のスライス画像
とする。画像加算回路51の制御は、図10の場合と同様
画像加算信号66によって行われる。ここで得られる3枚
のスライス画像はX線ビーム60A〜60Cが入射した4素子
分のX線検出素子10に対応する1.25mm×4=5mmのスライ
ス厚さの画像となる。
【0069】図12は、7.5mm厚さの2スライスを同時
計測する場合の動作を示している。X線検出素子アレイ
10に入射するX線ビーム(スライス方向)60はスライス
方向のX線検出素子12個全部の厚さに広げられて、12
個全部のシンチレータ2に入射する。スイッチ回路5はス
イッチ制御信号68により、フォトダイオード3の出力信
号が中心側では2素子分ずつまとめ、外側では4素子分
ずつまとめて取出されて、4個の増幅回路40に送られる
ように設定される。増幅回路40の出力は、画像再構成回
路50に送られ、4枚のスライス画像に再構成される。さ
らにこの4枚の画像は、次段の画像加算回路51にて隣接
する2枚ずつ加算処理され、2枚のスライス画像が得ら
れる。画像加算回路51の制御は、図10と同様に行われ
る。ここで得られる2枚のスライス画像はX線ビーム60
A、60Bが入射した6素子分のX線検出素子に対応する1.
25mm×6=7.5mmのスライス厚さの画像となる。
【0070】図13は、10mm厚さの1スライスの計測を
行う場合の動作を示している。X線検出素子アレイ10に
入射するX線ビーム(スライス方向)60はスライス方向
コリメータ61により中心部分の8個のX線検出素子分の
厚さに絞られて、X線検出素子1のシンチレータ2に入射
する。スイッチ回路5はスイッチ制御信号68により、フ
ォトダイオード3の出力信号が中心側では2素子分ずつ
まとめ、外側では4素子分ずつまとめて取出されて、4
個の増幅回路40に送られるように設定される。増幅回路
40の出力は、画像再構成回路50に送られ、4枚のスライ
ス画像に再構成される。さらにこの4枚の画像は、次段
の画像加算回路51にて全部加算処理され、1枚のスライ
ス画像が得られる。画像加算回路51の制御は、図10と
同様に行われる。ここで得られる1枚の画像はX線ビー
ム60が入射した8素子分のX線検出素子に対応する1.25
mm×8=10mmのスライス厚さの画像となる。
【0071】図14は、X線検出素子のスライス方向厚
さよりも狭いスライス厚さの計測を行う場合の動作を示
している。X線検出素子アレイ10に入射するX線ビーム
(スライス方向)60は、スライス方向コリメータ61によ
り2個のX線検出素子分の厚さよりも狭く絞られて(こ
こでは、0.5mm×2=1mmを想定している)、X線検出素
子1のシンチレータ2に入射する。スイッチ回路5はスイ
ッチ制御信号68により中心部の4個のX線検出素子1の
フォトダイオード3の出力信号が取出されるように設定
され、これらの出力信号は4個の増幅回路40に送られ
る。増幅回路40からの出力は、画像再構成回路50にてス
ライス画像に再構成される。しかし、この場合、中心側
の2枚の画像のみが有効なものとなり、外側の2枚の画
像はX線が入射していない素子からの信号によるもの
で、画像再構成しても意味がない(この画像データはダ
ミーデータとなる)。中心側の2枚のスライス画像に関
しては、各X線検出素子のスライス厚さは1.25mmである
が、入射X線ビーム60A、60Bの厚さはそれぞれ0.5mmで
あることから、得られる画像のスライス厚さは0.5mmで
ある。(本計測例では、画像加算回路51にて2枚のスラ
イス画像を加算処理することにより、スライス厚さ1mm
の画像を得ることができる。)
【0072】図15〜図17は、2〜5mm厚さの単一スラ
イスの計測を行う場合の動作を示している。各図におい
て、X線検出素子アレイ10に入射するX線ビーム(スラ
イス方向)60はスライス方向コリメータ61によりそれぞ
れ2mm、3mm、5mmに絞られて、X線検出素子1のシンチレ
ータ2に入射する。スイッチ回路5は、スイッチ制御信号
68により、中心部分の4個のX線検出素子1のフォトダ
イオード3の出力信号を取出して4個の増幅回路40に送
るように設定される。増幅回路40の出力は、画像再構成
回路50に送られ、4枚のスライス画像に再構成される。
さらにこの4枚の画像は、次段の画像加算回路51にて全
てが加算されて、1枚の画像が得られる。画像加算回路
51の制御は、図10と同様に行われる。ここで得られる
1枚の画像は、中心部分の4素子に入射したX線ビーム
60のスライス方向厚さに対応するスライス厚さの画像と
なる。各図のスライス厚さは、図15では2mm、図16
では3mm、図17では5mmである。
【0073】本説明では、2mm、3mm、5mm厚さの1スラ
イスの計測について示したが、このように1スライス画
像の計測の場合には、X線検出素子アレイ10に入射する
X線ビーム(スライス方向)60のスライス方向厚さをス
ライス方向コリメータ61にて絞り、X線検出素子1のフ
ォトダイオード3の出力信号のまとめをスイッチ回路5に
より行い、また画像加算処理を画像加算回路51にて行う
ことにより、任意のスライス厚さでの計測を行うことが
できる。なお、スライス方向コリメータ61、スイッチ回
路5、画像加算回路51の制御は図6のスキャン条件設定
回路55からの制御信号によって行われる。
【0074】以上の説明の中で、スライス厚さの厚い画
像を得るために複数画像の加算処理を行っているが、こ
れは単に所望のスライス厚さの画像を得ることができる
というだけでなく、画像アーチファクトを低減する効果
を併せ持っている。X線吸収係数が周囲組織と異なる組
織が計測対象スライス内に部分的に入り込んでいるよう
な場合、X線ビームの入射方向によりその部分の平均化
したX線減弱量が異なる値として計測されてしまい、こ
のようなデータから作られた再構成画像にはアーチファ
クトが発生してしまうことが知られている(パーシャル
ボリューム効果)。
【0075】これは頭蓋底部などの骨の辺縁形状が複雑
な部分などを含む部位などを計測したときに画像にすじ
状あるいは帯状のアーチファクトとなって現われ、画像
の診断価値を著しく低下させてしまう。このパーシャル
ボリューム効果は計測時のスライス厚さが厚くなるほど
強く現れるため、従来のシングルスライスX線検出器の
10mmスライスなどのスライス厚さの厚い場合に問題とな
るアーチファクトである。本発明の7.5mmスライス、10m
mスライスなどのスライス厚さの厚い画像では、薄いス
ライス厚さで計測したデータに基づきスライス画像を作
成した後に、その画像を加算処理して厚いスライス厚さ
の画像を得ることになるため、前述のパーシャルボリュ
ーム効果によるアーチファクトは低減し、画像の診断能
を向上させることができる。
【0076】図18には、図7〜図17の各計測での計
測仕様組合せ一覧を示す。第1欄はスライス構成で、ス
ライス厚さとスライス個数を、第2欄はX線ビーム幅
で、スキャナの回転中心位置におけるX線ビームのスラ
イス方向の全体の幅を示している。第3欄は検出素子ス
イッチ回路の動作パターンを類別したもので、本実施例
の場合には3種類のパターンに類別される。第4欄は画
像加算動作で、加算処理の有無および画像再構成回路の
出力である4個の画像A、B、C、Dについて、どの画
像とどの画像を加算するかを示している。第5欄はキャ
リブレーションデータセットの組合せを、第6欄は対応
する図番を示している。キャリブレーションは各X線検
出素子の感度や特性のばらつきを補正するために必要な
処理であり、標準物質(空気や均一材料のファントー
ム)のX線計測を行い、各素子毎の補正量を求める処理
である。
【0077】図18から、第1の実施例での計測時のス
ライス構成例が11種類であるのに対し、検出素子スイ
ッチ回路動作パターンは3種類であり、キャリブレーシ
ョンデータセットとしては7種類で対応可能であること
がわかる。キャリブレーションデータセットが7種類と
なることは、入射X線ビームのスライス方向の全体の幅
と検出素子スイッチ回路動作パターンとが同じ組合せの
ものに関しては、同一のキャリブレーションデータセッ
トが使えるため、異なるスライス構成でもキャリブレー
ションデータセットを共用することが可能となるためで
ある。
【0078】次に、図19〜図31は、本発明の第2の
実施例のX線検出器を使用したもので、X線検出素子ア
レイ10の1つのチャンネルはスライス方向に16個のX
線検出素子1に分割されている。以下、このようなX線
検出器を、16分割のX線検出素子列を持つX線検出器
という。ここで、1個のX線検出素子1のスライス方向
の厚さを第1の実施例と同様とすると、1チャンネルの
スライス方向全体としての長さ(スキャナの回転中心位
置における長さ)は20mm(=1.25×16)に相当する寸法
となる。
【0079】図19は本発明の第2の実施例の16分割
のX線検出素子列を持つX線検出器を使用して1.25mm×
4スライスの計測を行う場合の信号の処理のしかたを示
したブロック図である。第2の実施例における特徴は、
1チャンネルのスライス方向の分割X線検出素子数が1
6個であることと、外側の4個ずつのX線検出素子1の
出力信号を1つにまとめてスイッチ回路5に送っている
ことである。このような構成にするため、本実施例で
は、X線検出素子アレイ10が1チャンネル毎にスライス
方向に同一寸法で16分割されたシンチレータ2とフォ
トダイオード3とから成る16個のX線検出素子1を持
ち、両外側の4個のX線検出素子1のフォトダイオード3
の出力信号を配線B8にまとめて、スイッチ回路5に入力
させている。
【0080】図19において、X線管の焦点から放射さ
れるX線はスライス方向コリメータ61によって、スライ
ス厚さ1.25mm×4スライス分の厚さのX線ビーム60に絞
られて、X線検出素子アレイ10の中心部分の4個のX線
検出素子1のシンチレータ2に入射する。図中、4スライ
ス分のX線ビームについては、60A、60B、60C、60Dの4
個のビームに区分して示してある。このX線ビーム60の
スライス厚さの制御は図6にスキャン条件設定回路55か
らのコリメータ開口制御信号67によって行われる。
【0081】中心部分の4個のX線検出素子1のフォト
ダイオード3からの出力信号は4本の配線A7を経由して
スイッチ回路5に入力される。スイッチ回路5を示す長方
形枠内の太線はスイッチ回路5の入力をどのように組合
せて出力するかを表すもので、この組合せは図6のスキ
ャン条件設定回路55からのスイッチ制御信号68により制
御される。スイッチ回路5に入力されたフォトダイオー
ド3の4個の出力信号はそのまま4個の増幅回路40に送
られ、増幅後に後段の4個の画像再構成回路50に送られ
て、4枚のスライス画像に再構成される。その後、4枚
のスライス画像については画像加算処理は行われずに、
そのまま出力される。ここで得られたスライス画像はX
線ビーム60A〜60Dが入射したX線検出素子1に対応する
1.25mmのスライス厚さの画像である。
【0082】図20は、第2の実施例のX線検出器を使
用して2.5mm厚さの4スライスを同時計測する場合の動
作を示している。X線検出素子アレイ10に入射するX線
ビーム60はスライス方向コリメータ61により中心部分の
8個のX線検出素子分の厚さに絞られて、X線検出素子
1のシンチレータ2に入射する。スイッチ回路5はスイッ
チ制御信号68により、フォトダイオード3の出力信号が
中心部分のそれぞれ2素子分ずつまとめて取出されて、
増幅回路40に送られるように設定される。増幅回路40の
出力信号は、画像再構成回路50に送られ、4枚のスライ
ス画像に再構成される。それぞれのスライス画像は、X
線ビーム60A〜60Dが入射した2素子分のX線検出素子に
対応する1.25mm×2=2.5mmのスライス厚さの画像とな
る。
【0083】図21は、第2の実施例のX線検出器を使
用して3.75mm厚さの4スライスを同時計測する場合の動
作を示している。X線検出素子アレイ10に入射するX線
ビーム60はスライス方向コリメータ61により中心部分の
12個(中心から両側に6個ずつ)のX線検出素子分の
厚さに絞られて、X線検出素子1のシンチレータ2に入射
する。スイッチ回路5はスイッチ制御信号68により、フ
ォトダイオード3の出力信号が中心側では3素子分ずつ
まとめ、外側では5素子分ずつまとめ(但し、最も外側
の4素子分の出力は配線B8でまとめられているので、
実際は2本の配線をまとめ、3素子分の出力をまとめる
ことになる)て取出されて、4個の増幅回路40に送られ
るように設定される。X線検出素子1からの信号は増幅
回路40を通り、画像再構成回路50にて、4枚のスライス
画像に再構成される。それぞれのスライス画像は、X線
ビーム60A〜60Dが入射した3素子分のX線検出素子に対
応する1.25mm×3=3.75mmのスライス厚さの画像とな
る。
【0084】図22は、第2の実施例のX線検出器を使
用して5mm厚さの4スライスを同時計測する場合の動作
を示している。X線検出素子アレイ10に入射するX線ビ
ーム60はスライス方向コリメータ61を全開にすることに
より、スライス方向のX線検出素子16個全部の厚さに
広げられて、16個全部のシンチレータ2に入射する。
スイッチ回路5はスイッチ制御信号68により、フォトダ
イオード3の出力信号が中心側では4素子分ずつまとめ
て、外側では配線B8に接続された4素子分について、
それぞれ取出されて、4個の増幅回路40に送られるよう
に設定される。増幅回路40からの出力信号は、画像再構
成回路50にて4枚のスライス画像に再構成される。それ
ぞれのスライス画像は、X線ビーム60A〜60Dが入射した
4素子分のX線検出素子に対応する1.25mm×4=5mmのス
ライス厚さの画像となる。
【0085】図23は、第2の実施例のX線検出器を使
用して7.5mm厚さの2スライスを同時計測する場合の動
作を示している。X線検出素子アレイ10に入射するX線
ビーム60はスライス方向コリメータ61により中心部分の
12個(中心から両側に6個ずつ)のX線検出素子分の
厚さに絞られて、X線検出素子1のシンチレータ2に入射
する。スイッチ回路5はスイッチ制御信号68により、フ
ォトダイオード3の出力信号が中心側では3素子分ずつ
まとめ、外側では5素子分ずつまとめ(但し、最も外側
の4素子分の出力は配線B8でまとめられているので、
実際は2本の配線7、8をまとめ、3素子分の出力をま
とめることになる)て取出されて、4個の増幅回路40に
送られるように設定される。増幅回路40の出力信号は、
画像再構成回路50にて4枚のスライス画像に再構成され
る。さらにこの4枚の画像は、画像加算回路51にて、画
像加算信号66により、2枚ずつ加算処理されて、最終的
には2枚の画像が得られる。ここで得られた画像は、X
線ビーム60A、60Bが入射した6素子分のX線検出素子に
対応する1.25mm×6=7.5mmのスライス厚さの画像とな
る。
【0086】図24は、第2の実施例のX線検出器を使
用して10mm厚さの2スライスを同時計測する場合の動作
を示している。X線検出素子アレイ10に入射するX線ビ
ーム60は、スライス方向コリメータ61を全開することに
より、スライス方向のX線検出素子16個全部の厚さに
広げられて、16個全部のシンチレータ2に入射する。
スイッチ回路5はスイッチ制御信号68により、フォトダ
イオード3の出力信号が、中心側では4素子分ずつまと
めて、外側では配線B8に接続された4素子分につい
て、それぞれ取出されて、4個の増幅回路40に送られる
ように設定される。増幅回路40の出力信号は、画像再構
成回路50にて4枚のスライス画像に再構成される。さら
にこの4枚の画像は、画像加算回路51にて、画像加算信
号66により、2枚ずつ加算処理されて、結果として2枚
の画像が得られる。ここで得られた画像は、X線ビーム
60A、60Bが入射した8素子分のX線検出素子に対応する
1.25mm×8=10mmのスライス厚さの画像となる。
【0087】図25は、第2の実施例のX線検出器を使
用して5mm厚さの2スライスを同時計測する場合の動作
を示している。X線検出素子アレイ10に入射するX線ビ
ーム60はスライス方向コリメータ61により中心部分の8
個のX線検出素子分の厚さに絞られて、X線検出素子1
のシンチレータ2に入射する。スイッチ回路5は、スイッ
チ制御信号68により、フォトダイオード3の出力信号が
それぞれ2素子分ずつまとめて取出されて、4個の増幅
回路40に送られるように設定される。増幅回路40からの
出力信号は、画像再構成回路50にて4枚のスライス画像
に再構成される。さらにこの4枚の画像は、画像加算回
路51にて、画像加算信号66により、2枚ずつ加算処理さ
れて、結果として2枚の画像が得られる。ここで得られ
た画像は、X線ビーム60A、60Bが入射した4素子分のX
線検出素子に対応する1.25mm×4=5mmのスライス厚さの
画像となる。
【0088】図26は、第2の実施例のX線検出器を使
用して5mm厚さの3スライスを同時計測する場合の動作
を示している。X線検出素子アレイ10に入射するX線ビ
ーム60はスライス方向コリメータ61により中心部分の1
2個のX線検出素子分の厚さに絞られて、X線検出素子
1のシンチレータ2に入射する。スイッチ回路5はスイッ
チ制御信号68により、フォトダイオード3の出力信号が
中心側では2素子分ずつまとめ、外側では6素子分ずつ
まとめ(但し、最も外側の4素子分の出力は配線B8で
まとめられているので、実際は3本の配線をまとめ、4
素子分の出力をまとめることになる)て取出されて、4
個の増幅回路40に送られるように設定される。増幅回路
40の出力信号は、画像再構成回路50にて4枚のスライス
画像に再構成される。さらに、この4枚の画像のうち、
中心側の2枚の画像を画像加算回路51にて、画像加算信
号66により、加算処理して1枚の画像とすることで、最
終的には3枚の画像が得られる。ここで得られた画像
は、X線ビーム60A〜60Cが入射した4素子分のX線検出
素子に対応する1.25mm×4=5mmのスライス厚さの画像と
なる。
【0089】図27は、第2の実施例のX線検出器を使
用して、X線検出素子のスライス方向厚さよりも狭いス
ライス厚さの計測を行う場合の動作を示している。X線
検出素子アレイ10に入射するX線ビーム60は、スライス
方向コリメータ61により2個のX線検出素子分の厚さよ
りも狭く絞られて(ここでは、0.5mm×2=1mmを想定し
ている)、X線検出素子1のシンチレータ2に入射する。
スイッチ回路5はスイッチ制御信号68により中心部の4
個のX線検出素子1のフォトダイオード3の出力信号が取
出されるように設定され、これらの出力信号は4個の増
幅回路40に送られる。増幅回路40からの出力は、画像再
構成回路50にてスライス画像に再構成される。しかし、
この場合、中心側の2枚の画像のみが有効なものとな
り、外側の2枚の画像はX線が入射していない素子から
の信号によるもので、画像再構成しても意味がない(こ
の画像データはダミーデータとなる)。中心側の2枚の
スライス画像に関しては、各X線検出素子のスライス厚
さは1.25mmであるが、入射X線ビーム60A、60Bの厚さは
それぞれ0.5mmであることから、得られる画像のスライ
ス厚さは0.5mmである。
【0090】図28〜図30は、第2の実施例のX線検
出器を使用して、2〜5mm厚さの単一スライスの計測を行
う場合の動作を示している。各図において、X線検出素
子アレイ10に入射するX線ビーム(スライス方向)60は
スライス方向コリメータ61によりそれぞれ2mm、3mm、5m
mに絞られて、X線検出素子1のシンチレータ2に入射す
る。スイッチ回路5は、スイッチ制御信号68により、中
心部分の4個のX線検出素子1のフォトダイオード3の出
力信号を取出して4個の増幅回路40に送るように設定さ
れる。増幅回路40の出力は、画像再構成回路50に送ら
れ、4枚のスライス画像に再構成される。さらにこの4
枚の画像は、画像加算回路51にて、画像加算信号66の制
御のもとで、4枚全てが加算されて、1枚の画像が得ら
れる。ここで得られる1枚の画像は、中心部分の4素子
に入射したX線ビーム60のスライス方向厚さに対応する
スライス厚さの画像となる。各図のスライス厚さは、図
28では2mm、図29では3mm、図30では5mmである。
【0091】本説明では、2mm、3mm、5mm厚さの1スラ
イスの計測について示したが、このように第2の実施例
のX線検出器を使用して、1スライス画像の計測の場合
には、X線検出素子アレイ10に入射するX線ビーム60の
スライス厚さをスライス方向コリメータ61にて絞り、X
線検出素子1のフォトダイオード3の出力信号のまとめを
スイッチ回路5にて行い、また画像加算処理を画像加算
回路51にて行うことにより、任意のスライス厚さでの計
測を行うことができる。
【0092】図31は、第2の実施例のX線検出器を使
用して10mm厚さの単一スライスを計測する場合の動作を
示している。X線検出素子アレイ10に入射するX線ビー
ム60はスライス方向コリメータ61により中心部分の8個
のX線検出素子分の厚さに絞られて、X線検出素子1の
シンチレータ2に入射する。スイッチ回路5はスイッチ制
御信号68により、フォトダイオード3の出力信号が2素
子分ずつまとめて取出されて、4個の増幅回路40に送ら
れるように設定される。増幅回路40からの出力信号は、
画像再構成回路50にて4枚のスライス画像に再構成され
る。さらに、この4枚の画像は、画像加算回路51にて、
画像加算信号66により4枚全てが加算され、最終的には
1枚の画像が得られる。ここで得られた画像は、X線ビ
ーム60が入射した8素子分のX線検出素子に対応する1.
25mm×8=10mmのスライス厚さの画像となる。
【0093】以上の説明の中で、スライス厚さの厚い画
像を得るために複数画像の加算処理を行っているが、こ
の第2の実施例の場合も、第1の実施例で述べたような
画像加算を行うことによる効果、すなわちパーシャルボ
リューム効果によって発生するアーチファクトを低減す
る効果が得られる。
【0094】図32には、図19〜図31の各計測での
計測仕様組合せ一覧を示す。図32において、各欄の項
目は図18の場合と同様である。この第2の実施例の場
合、第3欄の検出素子スイッチ回路の動作パターンは5
種類であり、また、第5欄のキャリブレーションデータ
セットは8種類である。従って、第2の実施例において
も、計測時のスライス構成は13種類であるが、キャリ
ブレーションデータセットは8種類で対応が可能であ
り、異なるスライス構成でもキャリブレーションデータ
セットの共用が可能であることがわかる。
【0095】図33〜図36は、本発明の第3の実施例
のX線検出器を使用したもので、X線検出素子アレイ10
の1つのチャンネルはスライス方向に8個のX線検出素
子1に分割されている。以下、このようなX線検出器
を、8分割のX線検出素子列を持つX線検出器という。
ここで、1個のX線検出素子1のスライス方向の厚さを
第1の実施例と同様とすると、1チャンネルのスライス
方向全体としての長さ(スキャナの回転中心位置での長
さ)は10mm(=1.25×8)に相当する寸法となる。
【0096】図33は本発明の第3の実施例の8分割の
X線検出素子列を持つX線検出器を使用して1.25mm×4
スライスの計測を行う場合の信号の処理のしかたを示し
たブロック図である。この第3の実施例における特徴
は、1チャンネルのスライス方向の分割X線検出素子数
が8個であることと、外側の2個ずつのX線検出素子1
の出力信号を1つにまとめてスイッチ回路5に送ってい
ることである。このような構成にするため、本実施例で
は、X線検出素子アレイ10が1チャンネル毎にスライス
方向に同一寸法で8分割されたシンチレータ2とフォト
ダイオード3とから成る8個のX線検出素子1を持ち、両
外側の2個のX線検出素子1のフォトダイオード3の出力
信号を配線B8にまとめて、スイッチ回路5に入力させて
いる。
【0097】図33において、X線管の焦点から放射さ
れるX線はスライス方向コリメータ61によって、スライ
ス厚さ1.25mm×4スライス分の厚さのX線ビーム60に絞
られて、X線検出素子アレイ10の中心部分の4個のX線
検出素子1のシンチレータ2に入射する。図中、4スライ
ス分のX線ビームについては、60A、60B、60C、60Dの4
個のビームに区分して示してある。このX線ビーム60の
スライス厚さの制御は図6にスキャン条件設定回路55か
らのコリメータ開口制御信号67によって行われる。
【0098】中心部分の4個のX線検出素子1のフォト
ダイオード3からの出力信号は4本の配線A7を経由して
スイッチ回路5に入力される。スイッチ回路5を示す長方
形枠内の太線は、スイッチ回路5の入力を、図6のスキ
ャン条件設定回路55からのスイッチ制御信号68に基づ
き、どのように組合せて出力するかを表すものである。
スイッチ回路5に入力されたフォトダイオード3の4個の
出力信号はそのまま4個の増幅回路40に送られ、増幅後
に後段の4個の画像再構成回路50に送られて、4枚のス
ライス画像に再構成される。その後、4枚の画像につい
ては画像加算処理を行わずにそのまま出力される。ここ
で得られた画像はX線ビーム60A〜60Dが入射したX線検
出素子1に対応する1.25mmのスライス厚さの画像であ
る。
【0099】図34は、第3の実施例のX線検出器を使
用して2.5mm厚さの4スライスを同時計測する場合の動
作を示している。X線検出素子アレイ10に入射するX線
ビーム60はスライス方向コリメータ61を全開することに
より、スライス方向のX線検出素子8個全部の厚さに広
げられて、8個全部のシンチレータ2に入射する。スイ
ッチ回路5はスイッチ制御信号68により、フォトダイオ
ード3の出力信号が、中心側では2素子分ずつまとめ
て、外側では配線B8に接続された2素子分の出力とし
て取出されて、4個の増幅回路40に送られるように設定
される。増幅回路40の出力信号は、画像再構成回路50に
て4枚のスライス画像に再構成され、画像加算を行わず
にそのまま出力される。それぞれの画像は、X線ビーム
60A〜60Dが入射した2素子分のX線検出素子に対応する
1.25mm×2=2.5mmのスライス厚さの画像となる。
【0100】図35は、第3の実施例のX線検出器を使
用して3.75mm厚さの2スライスを同時計測する場合の動
作を示している。X線検出素子アレイ10に入射するX線
ビーム60はスライス方向コリメータ61により中心部分の
6個のX線検出素子分の厚さに絞られて、X線検出素子
1のシンチレータ2に入射する。スイッチ回路5はスイッ
チ制御信号68により、フォトダイオード3の出力信号が
中心側では2素子分ずつまとめて、外側では配線B8に
接続された2素子分の出力(但し、1素子分の出力信号
しか存在しない)として取出されて、4個の増幅回路40
に送られるように設定される。増幅回路40からの出力信
号は、画像再構成回路50にて、4枚のスライス画像に再
構成される。さらにこの4枚の画像は、画像加算回路51
にて、画像加算信号66により、2枚ずつ加算処理されて
2枚の画像が得られる。ここで得られた画像は、X線ビ
ーム60A、60Bが入射した3素子分のX線検出素子に対応
する1.25mm×3=3.75mmのスライス厚さの画像となる。
【0101】図36は、第3の実施例のX線検出器を使
用して10mm厚さの単一スライスの計測を行う場合の動作
を示している。X線検出素子アレイ10に入射するX線ビ
ーム60は、スライス方向コリメータ61を全開にすること
により、スライス方向のX線検出素子8個全部の厚さに
広げられて、8個全部のシンチレータ2に入射する。ス
イッチ回路5はスイッチ制御信号68により、フォトダイ
オード3の出力信号が、中心側では2素子分ずつまとめ
て、外側では配線B8に接続された2素子分の出力とし
て取出されて、4個の増幅回路40に送られるように設定
される。増幅回路40からの出力信号は、画像再構成回路
50にて4枚のスライス画像に再構成される。さらにこの
4枚の画像は、画像加算回路51にて、画像加算信号66に
より、全部加算されて、最終的には1枚の画像が得られ
る。ここで得られた画像は、X線ビーム60が入射した8
素子分のX線検出素子に対応する1.25mm×8=10mmのス
ライス厚さの画像となる。
【0102】以上で説明した、第1〜第3の実施例のX
線検出器では、12列、16列、8列のX線検出素子列
を持ち、スライス方向の端部のX線検出素子の出力信号
がそれぞれ3個、4個、2個ずつまとめられているX線
検出素子アレイ10を持つものを対象としてきた。すなわ
ち、X線検出素子列の数は4の倍数(4nとする)であ
り、端部のX線検出素子の出力信号のまとめ数はそれぞ
れn個となっている。従って、出力信号数をn個ずつま
とめると、4個の出力となる。また、スイッチ回路5か
らの出力信号数、増幅回路数、画像再構成回路数はそれ
ぞれ4個となっている。このように構成した場合、スラ
イス方向のX線検出素子からの出力信号のスイッチ回路
5以降の流れは極めてスムーズとなり、処理が容易とな
る。スライス構成の各種のバリエーションへの主たる対
応はスイッチ回路5で行われ、従たる対応は画像加算回
路51で行われる。両者の制御は、スキャン条件設定回路
55からのスライス構成信号65(スイッチ制御信号68)と
画像加算信号66によって行われるもので、スライス構成
の各種のバリエーションに対応して設定することができ
るものである。
【0103】X線検出器のX線検出素子列の列数、端部
のX線検出素子の出力信号のまとめ数、スイッチ回路で
のスライス信号の制御の仕方、増幅回路の数、画像再構
成回路の数、画像加算回路の数、画像加算回路の制御の
仕方については上記実施例に限定されず、本発明の趣旨
を変えない範囲で異なる数に変更することができる。す
なわち、上記の各々の数および仕方は相互に関係があ
り、X線検出素子列数、端部のX線検出素子の出力信号
のまとめ数、増幅回路の数、画像再構成回路の数、画像
加算回路の数などの装置の構成を考慮して、スライス構
成の各種のバリエーションに対応して、スイッチ回路で
のスライス信号の制御の仕方および画像回路の制御の仕
方を変えればよい。
【0104】以上の説明では、X線検出器の構成および
その組立方法、X線検出器と画像再構成手段を含んだ信
号処理系およびキャリブレーション等に関して、主に複
数個の画像再構成回路を持ち、画像再構成後に画像加算
を行うシステムについて述べたが、本発明はこれに限定
されず、画像再構成回路を1個しか持たない場合でも、
この1個の画像再構成回路にて、複数枚分の取り込んだ
データを順次画像再構成し、その後画像加算するシステ
ムや、画像再構成する以前の生データ間で加算処理を行
ってから画像再構成を行うシステムなどでも、本発明を
具現化することができる。
【0105】
【発明の効果】以上説明した如く、本発明のマルチスラ
イスX線CT装置によれば、マルチスライス計測時に、検
査目的に応じて種々のスライス厚さおよびスライス数を
選択することが可能であり、さらにX線検出器の光検出
素子の分離パターンを位置基準とした溝加工方法によ
り、X線検出素子のシンチレータと光検出素子との間の
位置合わせを高精度に行い、各X線検出素子間の特性ば
らつきを低減して良好な画質のスライス画像を得ること
ができる。
【0106】また、本発明によれば、X線検出素子アレ
イのスライス方向の端部のX線検出素子の出力信号を複
数個分まとめることにより、その出力信号数をX線検出
素子のスライス方向分割数よりも少なくしてスイッチ回
路に接続することが可能となり、信号配線の接続および
スイッチ回路の構造を単純化することができた。
【0107】また、本発明によれば、X線ビームのスラ
イス方向厚さを制御するスライス方向コリメータ、X線
検出素子からの出力信号の組合せを設定するスイッチ回
路、再構成して複数個のスライス画像データを加算処理
する画像加算回路を組合せて制御することにより、スラ
イス構成(スライス厚さ×スライス数)の種々のバリエ
ーションに対し対応することができ、また少ない数のキ
ャリブレーション数で計測が可能となった。
【0108】この結果、キャリブレーションデータを保
管するためのメモリエリアのサイズを小さくすることが
でき、さらにキャリブレーションデータを取得するため
の作業時間を短縮することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例のX線検出素子アレイの
外観図。
【図2】本発明の第1の実施例のX線検出素子アレイの
1チャンネル中の信号の流れを示したブロック図。
【図3】本発明の第1の実施例のX線検出素子アレイの
製造過程を示した図。
【図4】本発明の第1の実施例のフォトダイオードアレ
イチップから外部への信号取出しの状態を示した図。
【図5】本発明の第1の実施例のX線検出器をスキャナ
回転板上に搭載した図。
【図6】本発明のマルチスライスX線CT装置のシステム
全体を示すブロック図。
【図7】本発明の第1の実施例の12分割のX線検出素
子列を持つX線検出器を使用して1.25mm×4スライスの
計測を行う場合の信号の処理の仕方を示したブロック
図。
【図8】同じく2.5mm×4スライスの計測を行う場合のブ
ロック図。
【図9】同じく3.75mm×4スライスの計測を行う場合の
ブロック図。
【図10】同じく5mm×2スライスの計測を行う場合のブ
ロック図。
【図11】同じく3.75mm×3スライスの計測を行う場合
のブロック図。
【図12】同じく7.5mm×2スライスの計測を行う場合の
ブロック図。
【図13】同じく10mm×1スライスの計測を行う場合の
ブロック図。
【図14】同じく0.5mm×2スライスの計測を行う場合の
ブロック図。
【図15】同じく2mm×1スライスの計測を行う場合のブ
ロック図。
【図16】同じく3mm×1スライスの計測を行う場合のブ
ロック図。
【図17】同じく5mm×1スライスの計測を行う場合のブ
ロック図。
【図18】1チャンネル12分割の場合の計測仕様組合
せ一覧。
【図19】本発明の第2の実施例の16分割のX線検出
素子列を持つX線検出器を使用して1.25mm×4スライス
の計測を行う場合の信号の処理の仕方を示したブロック
図。
【図20】同じく2.5mm×4スライスの計測を行う場合の
ブロック図。
【図21】同じく3.75mm×4スライスの計測を行う場合
のブロック図。
【図22】同じく5mm×4スライスの計測を行う場合のブ
ロック図。
【図23】同じく7.5mm×2スライスの計測を行う場合の
ブロック図。
【図24】同じく10mm×2スライスの計測を行う場合の
ブロック図。
【図25】同じく5mm×2スライスの計測を行う場合のブ
ロック図。
【図26】同じく5mm×3スライスの計測を行う場合のブ
ロック図。
【図27】同じく0.5mm×2スライスの計測を行う場合の
ブロック図。
【図28】同じく2mm×1スライスの計測を行う場合のブ
ロック図。
【図29】同じく3mm×1スライスの計測を行う場合のブ
ロック図。
【図30】同じく5mm×1スライスの計測を行う場合のブ
ロック図。
【図31】同じく10mm×1スライスの計測を行う場合の
ブロック図。
【図32】1チャンネル16分割の場合の計測仕様組合
せ一覧。
【図33】本発明の第3の実施例の8分割のX線検出素
子列を持つX線検出器を使用して1.25mm×4スライスの
計測を行う場合の信号の処理の仕方を示したブロック
図。
【図34】同じく2.5mm×4スライスの計測を行う場合の
ブロック図。
【図35】同じく3.75mm×2スライスの計測を行う場合
のブロック図。
【図36】同じく10mm×1スライスの計測を行う場合の
ブロック図。
【図37】マルチスライス計測の原理を説明する概念
図。
【図38】従来例1のマルチスライス型X線計測系のブ
ロック図。
【図39】従来例2のマルチスライス型X線計測系のブ
ロック図。
【図40】シンチレータと光検出素子を組合せたX線検
出素子のX線検出の原理を示した概念図。
【図41】素子長さの異なるX線検出素子の長さ方向の
感度分布の違いを示した図。
【符号の説明】
1,111,111A…X線検出素子 2,112,112A…シンチレータ 3,113,113A…光検出素子(フォトダイオード) 4…フォトダイオードアレイ基板(プリント基板) 5,122,122A…スイッチアレイ(スイッチ回路) 6,114,114A…コネクタ 7…配線A 8…配線B 9…配線C 10,110,110A…X線検出素子アレイ 11…制御信号(CS) 15…シンチレータ板 16…光検出素子アレイ(フォトダイオードアレイ) 17…スライス方向分離溝 18…隔壁板 19…チャンネル方向分離溝 25…フォトダイオード受光部 26…配線ラインA 27…ボンディングパッド 28…配線ワイヤ 29…配線パッド 30…配線ラインB 31…保護用樹脂 35…スキャナ回転板 36,101…X線管 37…検出器容器 38,103…X線検出器 39…コリメータ板 40,121…増幅回路(増幅器) 41…開口部 42,105…被検体 45…スキャナ 46…操作卓 47,130…画像処理装置(画像処理ユニット) 48…スキャナ制御回路 49…X線ビームコリメータ 50,131…画像再構成回路 51…画像加算回路 52…磁気ディスク装置 53…画像表示装置 54…キーボード 55…スキャン条件設定回路 60,102…X線ビーム 60A,60B,60C,60D…1スライス分のX線ビーム 61…スライス方向コリメータ 62,120,120A…信号増幅ユニット 65…スライス構成信号 66…画像加算信号 67…コリメータ開口制御信号 68…検出器スイッチ切替制御信号 104…X線検出素子列 106…スライス 140…入射X線 141…発光中心 142…光反射層 143…光の経路 144…受光面 145…境界 150…感度の山 151…感度の谷 152…感度の低下部 153…感度の平坦度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C093 AA22 BA03 BA08 CA01 CA32 CA37 CA50 EB12 EB16 EB17 EB18 EB20 EB22 FC03 FD11 FE14 FE26 FF36 FH04

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 X線源と、入射した放射線を検知するこ
    とにより発光するシンチレータと、シンチレータでの発
    光を受光することによりシンチレータが検知した放射線
    の線量に対応する出力信号を発生する光検出素子とを組
    み合わせたX線検出素子をX線源の焦点を中心とする円
    弧状に複数個配列(この配列方向を以下、チャンネル方
    向という)したX線検出素子列をチャンネル方向と直交
    する方向(以下、スライス方向という)に複数列配列す
    るX線検出器を搭載し、X線検出器のスライスごとの出
    力信号(以下、スライス信号という)を受ける増幅回路
    および増幅回路の出力信号から被検体のスライス画像を
    再構成する画像再構成回路をそれぞれ1個以上持ち、X
    線源およびX線検出器を対向して配置して搭載した走査
    機構部を被検体の周りに1回転することにより被検体の
    複数個のスライス画像を得ることができるマルチスライ
    スX線CT装置において、(1)X線検出器の各X線検出
    素子のシンチレータのスライス方向の長さは単位ピッチ
    にて均等に分割されており、(2)X線検出器の同一チ
    ャンネル内でスライス方向に配列された光検出素子から
    のスライス信号のうち端側の複数素子分については単一
    信号としてまとめ、中心側の他の素子分についてはその
    まま取出して、(3)X線検出器と増幅回路との間に各
    X線検出素子からのスライス信号の増幅回路への取り出
    し組み合わせを制御するスイッチ回路を具備することを
    特徴とするマルチスライスX線CT装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載のマルチスライスX線CT装
    置において、X線検出器からの複数個のスライス信号を
    受けて、各々のスライス位置に対応するスライス画像を
    画像再構成回路で作成した後に、前記スライス画像を加
    算して合成スライス画像を作成することを特徴とするマ
    ルチスライスX線CT装置。
  3. 【請求項3】請求項1記載のマルチスライスX線CT装
    置において、X線検出器からの複数個のスライス信号を
    受けて、各々のスライス位置に対応する計測データを加
    算する加算手段を持ち、加算手段で加算された合成計測
    データにより画像再構成回路にて各々のスライス位置に
    対応するスライス画像を作成することを特徴とするマル
    チスライスX線CT装置。
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