JP2000316471A - エアゾール容器入りの食用油 - Google Patents

エアゾール容器入りの食用油

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JP2000316471A
JP2000316471A JP11127736A JP12773699A JP2000316471A JP 2000316471 A JP2000316471 A JP 2000316471A JP 11127736 A JP11127736 A JP 11127736A JP 12773699 A JP12773699 A JP 12773699A JP 2000316471 A JP2000316471 A JP 2000316471A
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injection
injected
aerosol container
gas
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Kazuo Iijima
和男 飯島
Masayuki Takahashi
正行 高橋
Haruhisa Uenoyama
晴久 上野山
Toshio Aoki
敏夫 青木
Motomune Seki
幹宗 関
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Kyowa Industrial Co Ltd
Original Assignee
Kyowa Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 細かい粒子で良好な噴霧塗布状態を得ること
ができ、煙の発生を抑えて、引火性が少なく安全面でも
問題がないと共に、臭いや味の点でも不快感を与えない
エアゾール容器入り食用油の提供を図る。 【解決手段】 食用脂肪酸トリグリセライドを主成分と
して含有しアルコールを含有しない被噴射液を、窒素ガ
スと炭酸ガス等の噴射用ガスと共に、噴射機構を備えた
エアゾール容器1に封入する。エアゾール容器1の噴射
機構には、噴射される被噴射液の導通路中に噴射用ガス
を混入させるベーパタップ18を設ける。さらに、噴射
機構に、噴射圧力を一定にするレギュレーター機構部を
備えた貯溜室44を設けることにより、時間当たりの噴
射量及び噴射状態を一定にし、かつ被噴射液を微粒子状
として噴射させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、噴射用ガスによ
るガス圧によってエアゾール容器から食用油を噴射して
使用できるようにしたエアゾール容器入りの食用油の改
良に関する。
【0002】
【従来の技術】エアゾール容器から食用油を噴射して使
用できれば、フライパン等の調理器具上に手早く噴射で
き、使い勝手が良いと考えられるため、従来よりエアゾ
ール容器入りの食用油については種々の提案がなされて
いるが、以下のような幾つかの未解決の問題があり、満
足するものが得られていないのが現状である。通常、噴
射用ガスによるガス圧によってエアゾール容器から液体
を霧状等によって吐出させるスプレー製品にあっては、
噴射用ガスとして、フロンガス、DME(ジメチルエー
テル)、LPG(液化石油ガス)、窒素ガス、炭酸ガス
等を用いているが、食用油を被噴射液として用いた場合
には、安全上の問題から、窒素ガス、炭酸ガス等の食用
として無害なものが最も好ましい。ところが、窒素ガス
や炭酸ガスにあっては、フロンガス、DME、LPG等
に比して噴射時の膨張性が低く、充分な噴射性を得るこ
とができず、適切な微粒子状に噴射できない。また、食
用油は、殺虫剤や芳香剤等の一般にスプレー製品として
多用されている被噴射液に比して粘度が高く、この点か
らも微粒子状に噴射することが困難である。さらに、熱
せられたフライパン上に霧状で噴射すると、油が燃焼し
易く多量の煙が発生するという問題もある。そのため、
特開昭56−144052号の出願には、液体の食用脂
肪酸トリグリセライド94〜80%とエチルアルコール
6〜20%との混合物を被噴射液として用い、炭酸ガス
を噴射用ガスとして用いたスプレー油が開示されてい
る。このスプレー油は、食用脂肪酸トリグリセライドに
エチルアルコールを混合することによって、被噴射液の
粘度を高めると同時に、炭酸ガスの溶解度を向上させる
ことによって、良好な噴射性を得ようとするものであ
る。ところが、エチルアルコールを配合することによっ
て、引火性の問題が生ずる。エアゾール容器入りの食用
油は、調理に際して熱せられたフライパン上に食用油を
含む被噴射液を噴射するものであるが、エチルアルコー
ルの配合割合を高くすると、霧状の被噴射液が広がりす
ぎ、フライパンの外まで飛散することは勿論、飛散した
被噴射液に引火するおそれがある。そのため、特開昭5
6−144052号では、エチルアルコールの配合割合
を6〜20%としているが、引火性の問題を完全に解決
し得たとは言いがたい。また、エチルアルコールを配合
した場合、エチルアルコール特有の臭いがあり、食品の
味が変化してしまうという問題も指摘される。さらに、
この特開昭56−144052号公報に記載のスプレー
油では、食用脂肪酸トリグリセライドへの溶解度が高い
炭酸ガスを、噴射用ガスとして用いており、窒素ガスで
は、充分な噴射性が得られないとしている。より詳しく
は、噴射用ガスの一部が被噴射液に溶解していると、被
噴射液が噴射された際に、溶解した噴射用ガスが膨張す
ることにより、被噴射液を微粒子化して霧状となすが、
溶解性が殆どない窒素ガスでは、このような作用は発揮
されず、充分な噴射性が得られないこととなる。ところ
が、被噴射液の選択の幅は広いことが望ましく、窒素ガ
ス等の溶解性が低い噴射用ガスにあっても、充分な噴射
性が得られるようにすることが望ましい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかして、本願発明は
次の要求を満足させ得るエアゾール容器入り食用油の提
供を目的とする。第1に、フライパン等に手早く均一に
噴射できると言った観点から、適度の大きさの噴射パタ
ーン(霧の広がり)を持ち、偏りない霧化状態が得られ
る事。第2に、適当な細かさの霧を得ることができ、フ
ライパン上に噴射した時、霧状の油が繋がって、フライ
パン上に略均一に油を塗布できる事。第3に、熱せられ
たフライパン上に噴射した時、油が煙となりにくく、通
常の容器から油を注ぎ出した場合と同等の状態となる
事。第4に、火にかけたフライパンに使用しても、引火
のおそれがない事。第5に、臭い、味覚の点で、調理食
品の質を落とさない事。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本願発明は、食用脂肪酸トリグリセライドを主成分
として含有し、アルコールを含有しない被噴射液が(好
ましくは、純度90%以上(より好ましくは純度95%
以上)の食用脂肪酸トリグリセライド100%からなる
被噴射液が)、噴射用ガスと共に、噴射機構を備えたエ
アゾール容器に封入されてなり、このエアゾール容器の
噴射機構が、噴射される被噴射液の導通路中に噴射用ガ
スを混入させるベーパタップを有するものであることを
特徴とするエアゾール容器入りの食用油を提供する。
【0005】食用脂肪酸トリグリセライドとしては、M
CTの名称で知られる液状の中鎖脂肪酸トリグリセライ
ドをその代表例として挙げることができ(以下、MCT
と言う)、このMCTは、食用油として安全であること
は勿論、液状ではあるが不飽和脂肪酸を含まないため酸
化安定性に優れており、比較的低粘度で凝固点も低く、
流動性が良好である。また、一般油脂に比べて生体内で
の消化吸収性が良いという特徴も有するものである。こ
のMCTはエチルアルコールとの相溶性に優れており、
エチルアルコールと混合されることにより、粘性が低下
して噴射性が向上するという特徴もあるが、エチルアル
コールは引火性や臭い、味覚上の問題を惹起するため、
本願発明では、エチルアルコールを配合せずに、食用脂
肪酸トリグリセライドのみを被噴射液として用いる。こ
の食用脂肪酸トリグリセライドは、純度100%である
ことが理論上では最も望ましいが、市販の中鎖脂肪酸ト
リグリセライドでは約1%以下の水分を含有することが
通常であり、純度100%のものを得ることは実際上困
難であるため、純度は90%以上(より好ましくは95
%以上)のものを用いればよい。また、製品の特徴を出
すためや、嗜好性に応じた製品作りのために、他の油脂
や香味料を副成分として含むことも可能である。
【0006】このように、エチルアルコールを配合せ
ず、食用脂肪酸トリグリセライドのみを被噴射液として
用いた場合、噴射性に問題が残り、良好な霧の状態を得
ることができない。そこで、本願発明では、噴射される
被噴射液の導通路中に噴射用ガスを混入させるベーパタ
ップを、エアゾール容器の噴射機構に設けることによ
り、エチルアルコールを配合せずとも、良好な霧の状態
を得ることを可能とした。被噴射液は、噴射用ガスの圧
力によって、噴射機構を経て外部に噴射される。この噴
射機構の導通路中にベーパタップから噴射用ガスをさら
に混合することによって、被噴射液は細かい粒子とな
り、ソフトな感じの霧となって良好に噴霧される。噴射
用ガスとしては、特に限定はされないが、安全上の観点
から食用油に適するものとして、二酸化炭素(C02
)、窒素(N2 )の他、空気、笑気ガス、ヘリウム、
酸素等を例示し得る。尚、酸素を用いる場合には、食用
脂肪酸トリグリセライドの酸化を促進しない程度の濃度
とすることが望ましい。また、LPG、DME等の液化
ガスも、安全上の問題がない程度で用いることができ、
特に、噴射時において被噴射剤の膨張性を高める助剤と
して用いることができる。
【0007】さらに、上記の噴射機構に、噴射圧力を一
定にするレギュレーター機構部を設けることも望まし
い。一般にエアゾール製品は、使用によって被噴射液が
減少すると、エアゾール容器の内圧が低下する。このエ
アゾール容器の内圧の低下は、安全性の観点から、噴射
用ガスとして、窒素ガスや炭酸ガスを用いた場合に顕著
に現れ、使用当初は噴射に充分な内圧を得ることができ
たとしても、残量が少なくなると、良好な噴射性を得る
ことができなくなってしまう。さらに、本願発明では、
噴射機構の導通路中にベーパタップから噴射用ガスをさ
らに混合するため、その傾向が一層激しくなる。そこ
で、本願の第3の発明では、噴射圧力を一定にするレギ
ュレーター機構部を設けて、常時一定の圧力で被噴射液
を噴射させることによって、時間当たりの噴射量及び噴
射状態を一定にし、かつ被噴射液を微粒子状として噴射
させるようにしたものである。従って、気化ガスとして
エアゾール容器に封入される噴射用ガスは、その一部
が、被噴射液に溶解した状態となっているものであって
も、殆ど溶解しないものであっても、何れの場合にも問
題なく使用することができるものである。
【0008】この噴射機構は、噴射孔7を有する被操作
部材2がノズル11に取り付けられ、この被操作部材2
を操作してノズル11を動かすことによりバルブが開い
て被噴射液等が噴射され得る機構であって、被操作部材
2における被噴射液等の導通路に少なくとも1つの貯溜
室44が設けられ、この貯溜室44の内部に一時的に被
噴射液等を貯溜させることができ、この貯溜室44の内
圧を調節するレギュレーター機構部が設られたものとす
ることができる。このように、一時的に被噴射液等を貯
溜させる貯溜室44を設けて、レギュレーター機構部に
よって貯溜室44の内圧を調節することにより、噴射さ
れる被噴射剤の圧力をより確実に一定に保つことができ
る。その際、エアゾール容器内に位置する被噴射液の導
通路の壁面に設けたベーパタップ18を、直径0.25
mm以下のものとする。前述のように、ベーパタップを設
けることによって、霧の状態を良好なものとすることが
できるが、ベーパタップを通じて噴射用ガスがエアゾー
ル容器外に流出するため、使用を続けることによって、
エアゾール容器の内圧の低下が顕著となり、レギュレー
ター機構部を設けたとしても、良好な霧を得ることかで
きない場合がある。これを解決するには、封入時のエア
ゾール容器の内圧を高くすればよいが、爆発防止等の安
全上の観点から、最高内圧は一定値以下に制限される。
そこで、ベーパタップ18を直径0.25mm以下のもの
とすることによって、必要以上の噴射用ガスがエアゾー
ル容器外に流出することを防ぎ、最後まで、良好な噴射
性を得ることを可能とする。尚、使用可能なベーパタッ
プ18の最小径は、導通路中に噴射用ガスを混入し得る
ことが可能な大きさであればよく、0.05mm以上を例
示し得る。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面と共に本願発明の実施
形態について説明する。図1は、本願発明の一実施形態
の要部拡大断面説明図であり、図2及び図3は、噴射状
態の要部拡大断面説明図である。
【0010】本願発明のエアゾール製品の噴射機構は、
エアゾール容器1の上端中央部に設けられたノズル11
を有するバルブハウジング13と、このノズル11に取
り付けられる被操作部材2とから構成されている。
【0011】この実施形態におけるノズル11は、この
ノズル11を下方に押圧すると下方に下がってノズル孔
12から被噴射液が排出され、押圧を止めるとノズル1
1に付設された付勢手段によって押し上げられ被噴射液
の送り出しを止めるように形成されたものである。
【0012】エアゾール容器1の内部には食用脂肪酸ト
リグリセライドとしてMCTを主成分としてアルコール
を含有しない被噴射液が、噴射用ガスと共に封入されて
いる。
【0013】このエアゾール容器1の上端中央部には、
エアゾール容器1の内外の流路を開閉するバルブを備え
たバルブハウジング13が設けられ、このバルブハウジ
ング13にノズル孔12を有する筒状のノズル11が備
えられている。バルブハウジング13の下端部には、筒
状の連結部14が形成され、この連結部14にチューブ
15が連結し、エアゾール容器1内の被噴射液をこのチ
ューブ15から連結部14を通過してノズル11のノズ
ル孔12へと被噴射液を送り込むことができる。
【0014】ノズル11は、有底の筒状体から形成さ
れ、その壁面の適宜位置に、連通孔17が穿設されてお
り、ノズル11の下端部とバルブハウジング13の内部
底面との間にコイルスプリング16が介装され、ノズル
11が下方に押圧されることにより、バルブが開いて連
通孔17を介してノズル孔12とバルブハウジング13
の内部の導通路20とが連通され、従ってチューブ15
とノズル孔12とが連通するように構成されている。
【0015】以上の構成は、従来のノズル及びバルブハ
ウジングと同様のものであるが、本願発明においては、
このバルブハウジング13の壁面に、ベーパータップ1
8と言われる小孔18を設けている。このベーパータッ
プ18によって、エアゾール容器1の内部スペース19
とバルブハウジング13の内側の被噴射液の導通路20
とが連通されることとなる。これにより、エアゾール容
器1の内部スペース19内に存在する噴射用の気化ガス
が導通路20内に侵入し、被噴射液に気化ガスが混入す
るのである。
【0016】このように被噴射液に気化ガスが混入する
ことによって、被操作部材2の噴射孔7から噴射する被
噴射液の霧が極めて細かいものとなり、ソフトな感じの
霧となって良好に噴霧されることとなる。この実施形態
においては、ベーパータップの孔の径を、0.25mm以
下に設定している。この範囲内において、噴射用気化ガ
スの圧力によって、エアゾール容器1内部の被噴射液が
最後まで、良好に噴射され、内部の被噴射液を最後まで
使いきることができるのである。
【0017】被操作部材2は、本体部10と、この本体
部10に備えられた操作部と、レギュレーター機構部
と、噴射孔7を有する噴射部材70とから構成されてい
る。操作部は、本体部10の下方中心部に形成されたノ
ズル嵌合孔3からなる。このノズル嵌合孔3は、その上
部にノズル11の上端縁が当接できる段部であるノズル
上端面当接部31を備える。このノズル上端面当接部3
1にエアゾール容器1のノズル11上端面が当接するよ
うにして、ノズル11上部のみが被操作部材2に嵌合す
るように形成されていると共に、このノズル上端面当接
部31が、被操作部材2を下方に押すことによってノズ
ル11を下方に押圧操作することができる。
【0018】レギュレーター機構部は、被操作部材2の
中央部に形成された略円筒形の空間部4内に、ノズル1
1の軸方向(図中上下方向)に摺動できるように配設さ
れた摺動部材5と、この摺動部材5を常時ノズル11
(図中下方向)側に付勢する付勢手段6とを備えてな
る。この実施形態においては、付勢手段6として円筒コ
イルバネを使用している。付勢手段6の上方には上蓋8
が固定されている。摺動部材5は、その上方部に仕切部
51を有する筒形状のものからなり、この仕切部51が
区画壁となる。また摺動部材5は、その仕切部51の中
心部から下方に向かって延長する突出片54を有し、こ
の突出片54の先端部に形成される遮蔽部52とから構
成されている。
【0019】本体部10の下方中心部内に設けられたノ
ズル上端面当接部31の上方にはノズル用開口部41が
形成され、摺動部材5の仕切部51の下方部には貯溜室
44が形成され、これらノズル用開口部41と貯溜室4
4とを連通する接続孔43が設けられている。この実施
形態では接続孔43を、ノズル用開口部41の上に、本
体部10の下方中心部の内壁の内径をノズル用開口部4
1の内径よりも小さくすることによって形成している。
これによりノズル用開口部41との境界に段部が形成さ
れることとなる。
【0020】摺動部材5の筒状外周部53の上方外周面
には、環状の溝部を設け、この溝部内に密閉手段として
のリング状の密閉部材51aを備える。この筒状外周部
53の上方外周面が摺動部材5の摺動面となる。摺動部
材5の筒状外周部53の下端部と空間部4の内壁面との
間にも貯溜室45が円環状に形成されている。このよう
に摺動部材5と空間部4の内壁面との間に形成された貯
溜室44、45は、密閉部材51aが摺動部材5と空間
部4の内壁面との間を機密に塞ぐことによって付勢手段
配設室42と完全に分離され、貯留室44、45に入っ
たエアゾール容器1内の被噴射液が付勢手段配設室42
に漏れることがなく、エアゾール容器1のノズル11か
ら適宜圧で送り出される被噴射液を一時的に貯留でき
る。又、当然のこととしてこれらの貯留室44、45同
士の間、及びこの貯留室45と噴射部材70との間には
両者を連通する導通路が設けられている。
【0021】これらの導通路は、狭い通路から形成され
ており、貯留室44、45内の内圧が所定の圧力にまで
良好に上昇するように、貯留室44、45内に被噴射液
及びガスが良好に保持されると共に、その所定内圧で貯
留室44、45に入り込んだ被噴射液を噴射部材70に
送るためのものである。この実施形態ではこれらの導通
路を、摺動部材5と空間部4の内壁面との間隔を狭く形
成することによって上記効果を発揮させている。貯溜室
45から噴射部材70へと連通する導通路は、連通孔7
3を通過して噴射部材70へと連通する。
【0022】突出片54は、丸棒状のものからなり、そ
の軸径がノズル用開口部41と貯溜室44との間に形成
される上記接続孔43より小径に形成され、先端側が接
続孔43を貫通してノズル用開口部41内に延長してい
る。突出片54の先端の遮蔽部52は、ノズル用開口部
41内に配設され、鍔部52aと、遮蔽部材52bとか
らなる。鍔部52aは、上面の外周径が接続孔43の径
より大きく、ノズル用開口部41の径より小さく形成さ
れ、又、下面は平面状に形成され、ノズル11の軸方向
に対し下面全体が直交するように形成され、ノズル孔1
2から送り出されるエアゾール容器1内の被噴射液及び
ガスがこの下面に当たるように形成されている。
【0023】他方、遮蔽部材52bは、弾性力を有する
シーリング用のOリングから成り、鍔部52a上部で突
出片54に巻回されて配設されている。又、この遮蔽部
材52bの外周径は、突出片54に巻回された状態で接
続孔43の径より大きく、接続孔43を密閉することが
できるものである。付勢手段6としては、この実施形態
では円筒コイルバネが使用され、下端が摺動部材5の仕
切部51上面に、上端が上蓋8下面に夫々当接するよう
に仕切部51と上蓋8間にセットされて付勢手段配設室
42内に配設されている。図1に示すように貯留室4
4、45内にノズル11からの被噴射液及びガスが送り
込まれていない不使用時においては、連通孔73は密閉
部材51aによって封鎖された状態となっている。尚、
密閉部材51aは、上記不使用時において、連通孔73
を塞ぐ位置でなく、連通孔73を開放する位置、即ち連
通孔73の少し上方位置に設けてもよい。
【0024】噴射孔7は、この実施形態では、本体部1
0と別体のものからなる噴射部材70に設けられ、この
噴射部材70は被操作部材2の本体部10の連通孔73
の部位に取り付けられる。この噴射部材70は、図中左
側に噴射孔7を有する有底筒状のものからなる噴射部本
体75と、この噴射部本体75の内部に配設される筒状
のものからなる噴射用チップ74とから形成されてい
る。この噴射用チップ74には、その中心部に小さい貯
溜部76が設けられ、その外周部に導通路71が形成さ
れている。この導通路71は、後に詳説するが、噴射部
本体75の内周面と噴射用チップ74の外周面に形成さ
れた複数条の溝部によって形成された幅狭の隙間から形
成されている。
【0025】連通孔73から送り込まれる被噴射液は、
一時この貯溜部76に溜まり、その後幅狭の導通路71
を通過して噴射孔7から外部に噴射されうる。噴射孔7
は、小孔とされ、導通路71から押し出されてくる被噴
射液を、この噴射孔7によって噴霧状に噴射する。そし
て、この噴射部材70が、被操作部材2の外壁に設けら
れた噴射部材嵌合孔2aに嵌合されることによって本体
部10の連通孔73と導通路71とが連通されるが、導
通路71が、幅狭に形成されるとともに、噴射孔7が小
孔に形成されているため、連通孔73を通過して噴射孔
7から噴射されるまでの間、貯溜部76内に送り込まれ
た被噴射液及びガスの送り出しが制限され、上述の貯溜
室44と貯溜室45との導通路、或いは、貯溜室45と
連通孔73との導通路と同様の機能を果たす。
【0026】次にこの噴射機構の作動について説明す
る。先ず、被操作部材2のノズル嵌合孔3にエアゾール
容器1のノズル11を嵌合させ、エアゾール容器1のノ
ズル11に被操作部材2を取り付ける。この取り付け状
態においては、図1に示すように摺動部材5が付勢手段
6によって下方に付勢され、摺動部材5の筒状外周部5
3の密閉部材51aが連通孔73を閉鎖した状態とな
り、遮蔽部52が、ノズル用開口部41の略中央部に位
置し、接続孔43を開口状態にしている。次に、被操作
部材2の上面を指で下方に押圧する。これにより、ノズ
ル11がノズル嵌合孔3のノズル上端面当接部31によ
って下方に押し下げられ、これに伴いエアゾール容器1
内部の被噴射液がエアゾール容器1内の気化ガスの圧力
によってノズル孔12より噴出される。
【0027】噴出された被噴射液は、遮蔽部52の下面
に当たって上方向の圧力W3を負荷するとともに、遮蔽
部52の外周とノズル用開口部41内周との間隙から開
口状態の接続孔43を通って貯留室44内に流入する。
貯留室44内にある程度の量の被噴射液及び気化ガスが
入り込むと、気化ガスによって押し出された被噴射液に
より、貯留室44内の内圧W2が上昇する。その際、貯
留室44内に入り込んだ被噴射液は、狭い導通路を通っ
て2つ目の貯溜室45内にも流れ込む。このようにして
貯溜室44、45内の内圧W2が更に上昇して、貯留室
44、45の上方に位置する摺動部材5にかかる内圧W
2と上記遮蔽部52の下面にかかる圧力W3との総和の
圧力W2+W3が、付勢手段6によって摺動部材5を下
方に付勢する付勢力W1より大きくなると、摺動部材5
が上方に押し上げられる。
【0028】摺動部材5が上方に押し上げられると連通
孔73が開口して、被噴射液は噴射用チップ74の貯溜
部76内に送り込まれ、この貯溜部76の内圧も上昇し
て、導通路71を通過して噴射孔7から外部に被噴射液
の噴射が開始される。この噴射の状態が維持されて、貯
溜室44、45及び貯溜部76の内圧が所定内圧以上と
なると、即ち、円筒コイルバネとしての付勢手段6の付
勢圧力W1以上になると、摺動部材5は更に上昇する。
摺動部材5が更に押し上げられると図3に示すように遮
蔽部52の鍔部52aが、接続孔43を下方から塞いで
閉口状態にしてしまう。従って、貯留室44、45、7
6内は、それ以上内圧W2が上がることなく、その内圧
W2で噴射孔7から被噴射液が噴射される。
【0029】被噴射液がある程度噴射されると、貯留室
76、45、44内の内圧W2は徐々に下がり始め、上
記総和圧W2+W3が付勢手段6の付勢力W1より小さ
くなる。すると摺動部材5が下方に下降する。摺動部材
5が下降すると、噴射部材70への被噴射液及び気化ガ
スの送りが制限されるとともに、接続孔43が再び開口
状態になる。そして、再び、貯留室44、45内に被噴
射液が入り込み、総和圧W2+W3が上昇して貯留室4
4、45内の被噴射液が連通孔73から噴射部材70に
送り込まれ、つまり噴射部材70の貯溜部76内にも被
噴射液が送り込まれ、噴射が促進されて所定圧力の噴射
が継続される。以上の動作を瞬時に繰り返すことによ
り、常時内圧W2で被噴射液が噴射孔7から噴霧状に噴
射されるのである。
【0030】従って、使用当初から使用終了まで常時W
2の一定圧で被噴射液を送り出すことができ、一定の噴
射状態及び噴霧状態を維持できることとなる。又、付勢
力の異なる種々の付勢手段6を使用することによって、
必要に応じて容易に所望の噴射圧力に調整することがで
きるのである。更に、本願発明においては、ノズル11
を備えるバルブハウジング13の壁面にベーパータップ
といわれる小孔18を形成して、被噴射液に気化ガスを
混入させることができるため、被噴射液は極めて細かい
霧となって噴射孔7から噴霧されうるのである。
【0031】そして、上記のように、被噴射液等を一時
的に貯溜する貯溜室44、45、76を複数設けること
によって、アフタードロー(即ち、被操作部材2の押圧
を停止して、噴射を停止した際に生ずる噴射孔7からの
被噴射液の漏洩)を、最小限に止めることもできた。こ
の複数の貯溜室の1つ(貯溜室76)は、噴射機構の流
路の先端、より詳しくは、噴射孔7が形成されている噴
射部材70の内部に配備された噴射用チップ74の内部
に形成されたものとすることが、アフタードロー防止の
観点からは最も好ましい。
【0032】尚、本実施形態においては、付勢手段6と
して円筒コイルバネを使用しているが、これに限らず、
適宜他の付勢手段を使用することができる。また、付勢
手段6の配設位置についても、摺動部材5の仕切部51
の上面に限らず、例えばノズル用開口部41内におい
て、遮蔽部52の上面と、接続孔43の段部との間に配
設したり、或いは、貯留室44の部分に、即ち摺動部材
5の仕切部51の下面と、本体部10の空間部4の内壁
との間に、仕切部51を下方に引き下げるような付勢手
段を配設する等、適宜変更できるものである。
【0033】図4は、上記実施形態に係る噴射機構で使
用された密閉部材51aを図示しており、その(A)が
その平面図、その(B)が前図のS−S断面図である。
この密閉部材51aは、柔軟な弾力性に富む合成ゴム、
エラストマー、或いは合成樹脂等からなるリング状のパ
ッキンである。この断面形状は、図4(B)の断面図か
ら解る通り、逆V字形状又は逆U字形状に形成され、下
方に2本の脚部51bを有し、脚部間に空間部51cを
有するものである。この形状を採用することにより、上
記空間部51cを持たない通常のシーリング用パッキン
に見られるように、膨潤によって円滑性が損なわれると
いう問題が回避されうるのである。またこの密閉部材5
1aを使用することにより、摺動部材5と空間部4の内
壁との密閉度が向上し、被操作部材2の押圧を停止し
て、噴射を停止した際の噴射孔からの被噴射液の漏洩
(「アフタードロー」という)をより完全に防止するこ
ともできる。
【0034】図5は、上記実施形態に係る噴射機構で使
用された噴射部材70内に配備された噴射用チップ74
を図示しており、その(A)が平面図、その(B)が前
図のA−A’−O−B線断面図、その(C)が底面図で
ある。この噴射用チップ74には、その断面図から解る
通り、その中央部に被噴射液を貯溜するための略円筒形
の孔部からなる貯溜部76が設けられ、この貯溜部76
の開口部から4方向に略放射状に溝部76aが形成され
(図5(C)参照)、この溝部76aから連続して噴射
用チップ74の外周面に溝部76bを軸方向に設け、更
にこの溝部76bから噴射用チップ74の上面中央部に
設けられた凹所76dに向かって溝部76cを設けた
(図5(A)参照)ものである。
【0035】従って、被操作部材2の本体部10の連通
孔73から送り込まれた被噴射液は、一旦、噴射用チッ
プ74の貯溜部76に溜まり、その後貯溜部76の開口
部から略放射状に形成された溝部76aを通過して、噴
射用チップ74の外周面に設けられた溝部76bを通過
し、更に噴射用チップ74の噴射孔7の側の端面に形成
された溝部76cを通って、その中央の凹所76dに至
り、噴射部材70の噴射孔7から外部に噴射されるので
ある。これらの溝部76a、76b、76cが導通路7
1(図1乃至図3参照)を形成している。これらの溝部
76a、76b、76cは、極めて狭い通路となってい
るため、被操作部材2内の貯溜室44、45、及び噴射
用チップ74内の貯溜部76内の内圧は、エアゾール容
器1内から送り込まれて来る被噴射液及び噴射用ガスの
圧力により容易に上昇することになる。
【0036】そして、貯溜室44、45内の圧力が下が
ればすぐに付勢手段6の作用によって接続孔43が開口
されて被噴射液が供給されることとなり、その圧力が上
昇すれば接続孔43が閉鎖されることとなり、貯溜室4
4、45内の内圧W2がほぼ一定に維持されるのであ
る。前述のように、噴射用ガス剤としては、種々の気化
ガスが用いられる。これらの気化ガスは(特にN2
は)、被噴射液に溶解し難いため、噴射の際に、被噴射
液が霧状になり難いが、上記したベーパータップを形成
したことにより、この被噴射液に気化ガスが混入するこ
ととなり、極めて細かい霧状の噴霧を得ることができる
のである。
【0037】本願発明は上記の実施の形態に限定される
ものではなく、請求項の記載の範囲内で種々変更して実
施し得るものであるが、その変更例の一部を如何に示
す。被噴射液を貯溜させるための貯溜室は、最低1つ設
けられていればよい。バルブハウジング13に設けるベ
ーパータップの個数も適宜必要に応じて設けることもで
きるが、エアゾール容器の初期内圧や、噴射圧力等の設
定に応じて、気化ガスの流出量が決定されるため、それ
に応じて決定することができる。また、ベーパータップ
の設置位置も任意に設定することができ、被噴射液が流
通する導通路と気化ガスが充満しているエアゾール容器
の内部スペースとを連通しうることができる位置であれ
ば何れの位置に設けてもよい。レギュレーター機構部の
構成も適宜自由に設計することができ、被噴射液を一時
的に貯溜できる貯溜室が設けられ、この貯溜室内の内圧
を適宜一定に維持しうるようなものであれば、どのよう
な構成であってもよい。噴射用チップ74の内部に設け
た貯溜部76については、これを設けなくとも実施可能
である。図1の状態において、摺動部材5の外周に設け
た密閉部材51aは、連通孔73を塞ぐ位置に配置され
ているが、これよりも上方で、連通孔73を塞がない位
置に設けることもできる。
【0038】
【実施例】次に、本願発明の理解をさらに深めるため
に、実施例を示すが、本願発明はこの実施例に限定して
理解されるべきではない。まず、上記の図1に示す噴射
機構を用いて、種々の穴径のベーパータップを用いたと
きの圧力のロスについて試験を行った。その試験結果の
一例を以下の表1に示す。試験の条件は以下の通りであ
る。 (1) 容器の大きさ : 45(直径)×155(高さ)(mm) (2) 内容量 : 120ml(容器内容積の55%を充填) (3) 噴射用気化ガス : 窒素ガス (4) 容器初期内圧 : 9.0kg/cm2 (25°Cのとき) (5) 噴射条件 : 連続噴射
【0039】
【表1】
【0040】表1において、「圧力容器最終内圧」と
は、被噴射液が出尽くして、圧縮ガスのみが噴出される
ようになった時の容器内の最終内圧である。尚、上記試
験においては、付勢手段6として2.0kg/cm2 のも
の、つまりW1=2.0kg/cm2 のものを使用して測定
したが、(5) の場合には、W1=2.0kg/cm2 のも
のを使用すると、被噴射液を完全に噴射することが出来
なかったために、W1=1.0kg/cm2 のものを使用し
て試験を行った。この試験に用いた図1の噴射機構は、
好ましい噴霧状態を保つようにするために、付勢手段6
の円筒コイルバネによって摺動部材5を所定の付勢圧W
1で下方に付勢している。そのため、容器内圧が一定圧
以下となると、摺動部材5を上昇させることができず、
被噴射液が噴射されなくなるため、一定圧以上で被噴射
液が全て噴出してしまう程度の圧縮ガスを残す必要があ
る。上記の試験においては、その付勢力W1を約2.0
kg/cm2 に設定しており、これにより上記表1に示され
た通り、ベーパータップの内径は、およそ0.25mmよ
り小さければ、被噴射液を最後まで完全に噴出させるこ
とができ、且つ、一定のきめの細かい良好な霧の噴霧状
態を得ることができた。
【0041】次に、純度98%以上のMCT100%か
らなる被噴射液を封入し、窒素ガスを上記の試験条件に
従って、上記の試験を行った噴射機構を有するエアゾー
ル容器に充填して、3種類の実施例(実施例1〜3)の
エアゾール容器入り食用油を作成した。また、純度98
%以上のMCT100%からなる被噴射液を封入し、窒
素ガスを上記の試験条件に従って、ベーパータップを備
えているものの貯溜室並びにレギュレーター機構部を備
えていないエアゾール容器に充填して、3種類の実施例
(実施例4〜6)のエアゾール容器入り食用油を作成し
た。さらに、上記の試験を行った噴射機構を有するエア
ゾール容器に充填して、3種類の比較例(比較例1〜
3)のエアゾール容器入り食用油を作成した。各実施例
及び比較例について、後述の試験を行い、その結果を表
2に示す。
【0042】実施例1及び実施例4はベーパタップ内径
を0.15mmとし、実施例2及び実施例5はベーパタッ
プ内径を0.20mmとし、実施例3及び実施例6はベー
パタップ内径を0.25mmとしたものである。比較例1
は、ベーパタップを設けていない点が実施例1と相違す
るが、他の点は実施例1と同じものとした。比較例2
は、実施例2と同じくベーパタップ内径を0.20mmと
するが、被噴射剤として、MCT90重量%とエチルア
ルコール10重量%とを配合したものを用いた。比較例
3は、ベーパタップを設けておらず、且つ、被噴射剤と
して、MCT90重量%とエチルアルコール10重量%
とを配合したものを用いた。
【0043】
【表2】
【0044】上記の表2に示す試験項目の内容は、次の
通りである。 霧の状態の試験 霧の状態の試験は、15cm及び30cm離れたところか
ら、各実施例及び比較例を食料油を噴射し、霧化とパタ
ーンとの2点から良否を判断する。パターンは、直径が
7cm以上で偏りのない霧化状態を得た場合に良いとす
る。表2に示す判定結果は、次の通りである。 A:良い。B:少し劣る。C:悪い。
【0045】粒子の大きさ試験 粒子の大きさ試験は、15cm離れたところから、各実施
例及び比較例を食料油を噴射してフライパン上に塗布
し、噴射時の霧の状態及びフライパン上での塗布状態の
点から良否を判断する。霧が適当な細かさを持ち、フラ
イパン上で霧の繋がりがあり、きれいなレベリング状態
で均一に塗布できるか否かを判断する。尚、霧が細かす
ぎて、フライパンに付く量が少なすぎる場合も悪いと判
断する。表2に示す判定結果は、次の通りである。 AA:優れている。A:良い。B:少し劣る。C:悪
い。
【0046】煙の試験 煙の試験は、直径30cmのフライパンを用い、家庭用コ
ンロの強火で30秒間加熱した後、火を点けたままの状
態で、30cm離れたところから、各実施例及び比較例を
食料油を噴射し、その時の煙の出方を観察する。表2に
示す判定結果は、次の通りである。 AA:優れている(煙が殆ど出ない)。A:普通(気に
ならない程度の煙がでる)。B:少し劣る。C:悪い。
【0047】引火性の試験 引火性の試験は、煙の試験を行った後、続けて試験を行
う。30cm離れたところから、各実施例及び比較例を食
料油をフライパン内に噴射する際、フライパンの回りに
少し霧がはみ出るようにして塗布し、その霧等に引火す
るか否かを観察する。表2に示す判定結果は、次の通り
である。 A:通常では火が移らない。B:火が移りやすい。C:
炎が出る。
【0048】臭いの試験 臭いの試験は、各実施例及び比較例を食料油をフライパ
ンに噴射して塗布した時の異臭の有無、及び、塗布後に
調理した後の食品への着臭度を観察する。表2に示す判
定結果は、次の通りである。 AA:優れている(異臭を感じない)。A:普通(異臭
を殆ど感じない)。B:劣る(異臭を感じる)。C:悪
い(臭くなる)。
【0049】味覚の試験 味覚の試験は、各実施例及び比較例を食料油をフライパ
ンに噴射塗布して、調理した後の食品の味の変化を観察
する。表2に示す判定結果は、次の通りである。 AA:優れている(殆ど味を変えない)。A:普通(少
し油っぽい感じがする)。B:劣る(異味が入る)。
C:悪い(味が変わる)。
【0050】総合判断 以上の試験とエアゾール容器から噴射する利便性を総合
的に検討して、食用油をエアゾール容器から噴射するこ
との意義を判定した。 AA:最も適している。A:エアゾール化する価値有
り。B:エアゾール化する価値は無くもないが要注意。
C:エアゾール化する価値無し。
【0051】以上の試験から明らかなように、実施例1
〜6は何れの試験でも良好な結果を示し、特に、表2で
は示されていないが、実施例4〜6では、残量が極僅か
になっても、噴霧状態が変化しなかった。これに対し
て、比較例1では良好な噴霧状態を得ることができず、
比較例2では、霧の状態が良好であるものの、引火性の
問題があり、また、臭いや味覚の点でも劣っている。さ
らに、比較例3では、霧の状態に問題があると共に、引
火性、及び、臭いや味覚の点でも劣っている。
【0052】
【発明の効果】本願発明は、従来のエアゾール容器入り
食用油の問題を解決し、細かい粒子で良好な噴霧塗布状
態を得ることができ、煙の発生を抑えて、引火性が少な
く安全面でも問題がないと共に、臭いや味の点でも不快
感を与えないエアゾール容器入り食用油を提供すること
ができたものである。本願の第2の発明は、上記の効果
を確実に発揮でき、上記の窒素ガスや炭酸ガスを噴射用
ガスとして用いた食品の安全性の高いエアゾール容器入
り食用油を提供することができたものである。本願の第
3及び第4の発明は、上記の効果を確実に発揮できると
共に、最後まで安定した噴射圧で使い切ることができ、
良好な霧の状態を得ることができるエアゾール容器入り
食用油を提供することができたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の実施形態の内部構造の説明図であ
る。
【図2】本願発明の実施形態の噴射状態を示す内部構造
の説明図である。
【図3】本願発明の実施形態の噴射状態を示す内部構造
の説明図であって、ノズル用開口部と貯溜室とを連絡す
る接続孔が閉鎖された状態を示している。
【図4】本願発明の実施形態に使用された密閉部材を示
し、その(A)が平面図、その(B)がS−S端面図で
ある。
【図5】本願発明の実施形態に使用された噴射用チップ
を示し、その(A)が平面図、その(B)が前図のA’
−A−O−B線断面図、その(C)が底面図である。
【符号の説明】
1…エアゾール容器、2…被操作部材、4…空間部、5
…摺動部材、6…付勢手段、7…噴射孔、11…ノズ
ル、12…ノズル孔、13…バルブハウジング、17…
連通孔、18…ベーパータップ、44、45…貯溜室、
51…仕切部、51a…密閉部材、52…遮蔽部、52
b…遮蔽部材、54…突出片、70…噴射部材、74…
噴射用チップ、76…貯溜部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 青木 敏夫 埼玉県越谷市上間久里437−8 (72)発明者 関 幹宗 千葉県市川市行徳駅前4−25−7 ヴィラ スプリング1−202 Fターム(参考) 3E014 PA01 PB01 PC13 PD02 PF02 4B026 DC04 DG01 DL01 DP06 DX01 DX10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 食用脂肪酸トリグリセライドを主成分と
    して含有しアルコールを含有しない被噴射液が、噴射用
    ガスと共に、噴射機構を備えたエアゾール容器に封入さ
    れてなり、 このエアゾール容器の噴射機構が、噴射される被噴射液
    の導通路中に噴射用ガスを混入させるベーパタップを備
    えたものであることを特徴とするエアゾール容器入りの
    食用油。
  2. 【請求項2】 上記の噴射用ガスが窒素ガスと炭酸ガス
    との少なくとも何れか一方であり、被噴射液が純度90
    %以上の食用脂肪酸トリグリセライド100%からなる
    ものであることを特徴とする請求項1記載のエアゾール
    容器入りの食用油。
  3. 【請求項3】 上記の噴射機構が噴射圧力を一定にする
    レギュレーター機構部を備え、時間当たりの噴射量及び
    噴射状態を一定にし、かつ被噴射液を微粒子状として噴
    射させるものであることを特徴とする請求項1又は2記
    載のエアゾール容器入りの食用油。
  4. 【請求項4】 噴射機構は、噴射孔(7) を有する被操作
    部材(2) がノズル(11)に取り付けられ、この被操作部材
    (2) を操作してノズル(11)を動かすことによりバルブが
    開いて被噴射液等が噴射され得る機構であり、 被操作部材(2) における被噴射液等の導通路に少なくと
    も1つの貯溜室(44)が設けられ、この貯溜室(44)の内部
    に一時的に被噴射液等を貯溜させることができ、この貯
    溜室(44)に、その内圧を調節するレギュレーター機構部
    が設られ、エアゾール容器内に位置する被噴射液の導通
    路の壁面に、直径0.25mm以下のベーパタップ(18)が
    設けられたことを特徴とする請求項3記載のエアゾール
    容器入りの食用油。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004067406A1 (en) * 2003-01-24 2004-08-12 S. C. Johnson & Son, Inc. Dispenser assembly for aerosols having low volatile organic compound (voc) content
KR101323374B1 (ko) 2012-06-27 2013-10-29 김재기 식용기름병
JP2018193120A (ja) * 2017-05-22 2018-12-06 株式会社ダイゾー エアゾール製品

Cited By (4)

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