JP2000314770A - ローカルエリア統合測位システム - Google Patents

ローカルエリア統合測位システム

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JP2000314770A
JP2000314770A JP11123931A JP12393199A JP2000314770A JP 2000314770 A JP2000314770 A JP 2000314770A JP 11123931 A JP11123931 A JP 11123931A JP 12393199 A JP12393199 A JP 12393199A JP 2000314770 A JP2000314770 A JP 2000314770A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ローカルエリアDGPSのシステム規模なが
らそのサービスエリアをワイドエリアDGPSなみの広
域に拡張し、インテグリティ判定機能も非常に高い信頼
性を期待できるようにする。 【解決手段】 DGPS基準局A〜Eの観測データを中
央管理局CTRに伝送し、隣接基準局間の時刻誤差をコ
モンビュー方式で算出する。隣接したDGPS基準局同
士のコモンビューは、サービスエリアがオーバーラップ
する部分を基本とし、最終的には全基準局A〜Eについ
て鎖状に時刻同期をかける。ローカルエリアDGPSの
補正情報生成において、基準局間の時刻同期、電離層遅
延の観測、対流圏遅延の算出を行い、通常のDGPS補
正情報に加えて衛星軌道誤差の擬似距離成分をも放送す
る。これにより、ユーザー側のローカルエリアDGPS
測位のスムージング化が可能となり、広域サービスを実
現することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、分散配置される複
数のローカルエリア基準DGPS(ディファレンシャル
・グローバル・ポジショニング・システム)局を統合し
て、ワイドな高品位測位サービスを提供するローカルエ
リア統合測位システムに関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、ローカルエリアDGPS
方式は、DGPS基準局において、DGPS誤差情報を
観測し、観測擬似距離誤差のスカラ量に集約された形式
でのGPS補正情報に変換して、エリア内のユーザへデ
ータリンクという形式で提供し、ユーザーのGPS測位
誤差補正を可能ならしるものである。
【0003】ところが、従来のローカルエリアDGPS
方式にあっては、基本的に各DGPS基準局が互いに独
立しており、それぞれ独自にDGPS誤差情報を観測
し、GPS補正情報に変換して提供する構成となってお
り、あるDGPS基準局で作成された補正情報は隣接す
るDGPS基準局の補正情報とは全くの関連を持ってい
ない。このため、ユーザ−があるDGPS基準局から隣
接する他のDGPS基準局へ補正情報のデータリンクを
切り換えた場合に、DGPS測位にレベル差を生じる可
能性がある。
【0004】また、GPSのインテグリティ判定機能で
も、自局のみでの各GPS観測に基づいてのみ判定せざ
るを得ないので、擬似距離観測値の異常値(例えば理論
値に対して異常に過大または過小な擬似距離の値)でし
か判定できない。このため、インテグリティ判定性能に
おいては、あまり高い信頼性を期待することはできな
い。
【0005】特に、DGPS基準局で発生したマルチパ
スや外来電波干渉によってGPS観測自体に誤差を生じ
ていた場合には、不良のGPS衛星に対して「使用可」
の判定を下したり、逆に正常なGPS衛星に対して「使
用不可」の判定を下すおそれがある。あるいはシステム
のインテグリティ判定による安全性を高くするために、
少しでも観測擬似距離に理論値からの相違があればその
GPS衛星を「使用不可」と判定するようにした場合に
は、多くのGPS衛星を「使用不可」とする確率が増加
してしまい、システムの利用率が低下して効率性の低下
を免れない。
【0006】この様な欠点を有せず、かつ広域のサービ
スエリアを有する方式がワイドエリアDGPSである
が、ローカルエリアDGPSに比べ大規模なデータネッ
トワークや複雑多岐な中央処理機能及び多数の静止衛星
を必要とする、国家的事業となる莫大な規模のプロジェ
クトにならざるを得ない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上のように従来のロ
ーカルエリアDGPSシステムでは、個々のDGPS基
準局が互いに独立しており、互いに隣接するDGPS基
準局の補正情報間で全くの関連を持っていないため、ユ
ーザ−があるDGPS基準局から隣接する他のDGPS
基準局へ補正情報のデータリンクを切り換えた場合に、
DGPS測位にレベル差を生じる可能性がある。
【0008】また、GPSのインテグリティ判定機能で
も、自局のみでの各GPS観測に基づいてのみ判定せざ
るを得ないので、擬似距離観測値の異常値でしか判定で
きず、あまり高い信頼性を期待することができない。
【0009】本発明は、上記の問題を解決し、ローカル
エリアDGPSのシステム規模ながらそのサービスエリ
アをワイドエリアDGPSなみの広域に拡張することが
でき、インテグリティ判定機能も非常に高い信頼性を期
待できるローカルエリア統合測位システムを提供するこ
とを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明に係るローカルエリア統合測位システムは、以
下のように構成される。
【0011】それぞれ自己のサービスエリア内にDGP
S補正情報を送信し、隣接局間ではサービスエリアが重
複するように配置される複数のローカルエリアDGPS
基準局と、前記複数のDGPS基準局の観測情報を中央
で集中管理し、各DGPS基準局における時刻を同期化
する中央管理局とを具備し、ユーザー側で同一GPS衛
星の擬似距離をその地点をカバーするDGPS基準局の
観測データをもとに補正処理することを特徴とする。
【0012】上記の構成において、特に、前記中央管理
局は、前記複数のDGPS基準局のうち、サービスエリ
アが互いにオーバーラップする局間で時刻同期を行い、
最終的に全基準局に対して鎖状に時刻同期をかけるもの
とする。
【0013】また、前記中央管理局は、全てのDGPS
基準局からの情報に基づいて個々のDGPS基準局に対
して可視直前のGPSの情報を事前に通知するものとす
る。
【0014】さらに、前記複数のDGPS基準局は、隣
接基準局同士相互の補正情報を受信して、そのフィール
ドモニタとして相互に時刻誤差の監視を行うものとす
る。
【0015】また、前記複数のDGPS擬準局は、通常
のDGPS補正情報に加えて衛星軌道誤差の疑似距離成
分を放送するものとする。
【0016】以上の構成により、本発明は、ローカルエ
リアDGPSのシステム規模ながら、そのサービスエリ
アをワイドエリアDGPSなみの広域に拡張することの
できるものである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を説明
するに先立ち、ローカルエリアDGPSの基本的な概念
について説明する。
【0018】ローカルエリアDGPSにおいて、DGP
S基準局が観測する擬似距離は図1に示す如く表され
る。図1において、Aは真のDGPS基準局、A′はD
GPS基準局Aの観測誤差に伴う疑似DGPS基準局、
Bは真のGPS衛星、B′はGPS衛星Bの観測誤差に
伴う疑似GPS衛星であり、DGPS基準局AとGPS
衛星Bとの間には対流圏、電離層が存在する。
【0019】以下の説明において、Robserは観測疑似
距離、[Rgeome ]は衛星・基準間幾何学距離、[ΔR
ephem ]は衛星軌道ベクトル誤差、ΔRephem は衛星軌
道ベクトル誤差の基準局方向誤差成分、Tgps は衛星時
刻誤差、[diono]は電離層遅延、[dtropo ]は対流
圏遅延、dionoは衛星と基準局方向の電離層遅延成分、
[dtropo ]は衛星と基準局方向の対流圏遅延成分、T
ref は基準局時刻誤差を示す。
【0020】ここで、基準局における観測値Robser は
(1)式のように表される。 Robser =[Rgeome ]+ΔRephem +Tgps +diono+dtropo +Tref …(1) 一方、理想のDGPSの補正情報[Didel]は(2)式
で表される。 [Didel]=[Robser ]−[Rgeome ] =[ΔRephem ]+Tgps +[diono]+[dtropo ] …(2) しかし、実際に生成可能なローカルエリアDGPS補正
情報Dactuは(3)式で表される。 Dactu=Robser−[Rgeome] =ΔRephem +Tgps +diono+dtropo +Tref …(3) ここで理想の補正量との差異の一つは、衛星軌道誤差の
ベクトル量[ΔRephem ]にある。この衛星軌道誤差の
ベクトル量[ΔRephem ]は、その衛星の基準局方向誤
差成分ΔRephem で補正している。この場合、基準局近
傍のユーザーにとっては、[ΔRephem ]とΔRephem
との差が基準局とユーザーの共通誤差として消去される
ので、衛星軌道誤差の補正量誤差としては無視できる。
しかしながら、ユーザーが基準局より離れていくと、衛
星軌道誤差の補正量誤差は次第に増加してくる。DGP
S基準局とユーザー間のベースライン距離と補正量誤差
の概念については図1に示す通りである。
【0021】さらに、電離層遅延[diono]と対流圏遅
延[dtropo ]についても全く同様のことが言える。図
2はエフェメリス(衛星軌道位置)誤差が電離層誤差に
より疑似距離誤差に与える影響を示すもので、δは基準
局と衛星との距離を示している。図3は距離に対する電
離層遅延の残量の関係を示している。図4は仰角に対す
る対流圏の遅延誤差について(衛星軌道誤差と電離層誤
差でのベースライン関数ではなく観測衛星の仰角の関数
であるが)示している。
【0022】もう一つの差異は、ローカルエリアの補正
量に基準局時刻誤差Tref が含まれている点である。こ
れは、ローカルエリアの場合、真の衛星時刻誤差Tgps
が算出できず、そのため当然基準局時刻誤差Trefとの
識別もできないので、Tgps+Tref全体を衛星時刻誤差
として取り扱っている点である。しかし、補正値は基準
局の真の観測位置に測位点が一致する様にTgps +Tre
f の値を逆算して求めており、それで生成される補正情
報はDGPS基準局近傍のユーザーにとっても共通誤差
として消去され、時刻補正情報の誤差としては現れな
い。
【0023】このように、基準局とユーザーが測位誤差
を共有することで成立するのがローカルエリアである
が、一方、基準局の切り替えでユーザーのDGPS測位
にバイアスを生じる不都合は避けられない。
【0024】以上述べたように、ローカルエリアDGP
S方式は、基本的にユーザーがDGPS基準局と同一地
点にいて、GPS測位誤差をDGPS基準局での観測値
の共通誤差として処理することにより、GPS測位補正
を成立させている。したがって、他のDGPS基準局間
での測位補正情報の相関はなく、各DGPS基準局のG
PS測位補正情報は独立である。
【0025】以上のことから、ユーザー測位において、
DGPS基準局切り替えを行うとすれば、例えば隣接す
るDGPS基準局間のベースライン距離と各々測位補正
情報の差違の理論値を推定する。すなわち、その値は、
隣接するDGPS基準局サービスエリアがオーバーラッ
プする地域において、ユーザが基準局補正情報の切り替
えを実施した際のユーザー測位のDGPSバイアスを現
している。
【0026】このようにDGPS基準局間のベースライ
ンを仮定するにおいて、日本における船舶用ビーコン局
は平均約300km間隔で設置されている。また航空用
VOR局の設置間隔は200kmであり、日本における
第一種及び第二種空港の設置間隔の平均も約200km
である。したがって、算出例におけるDGPS基準局の
ベースラインを200kmと仮定する。その際、200
kmの間隔で同一GPS衛星を望む仰角の差は2度とな
る。また、基準局間の時刻誤差は、GPSの測位によっ
て得られるGPSタイムタランスファの時刻精度が30
0nsであるを考慮して300nsとする。
【0027】すなわち、算出条件は、 DGPS局間ベースライン:200km GPSの軌道誤差:16m 基準局間時刻誤差:300ns 2基準局の同一衛星への仰角(差):15度と17度
(差;2度) PDOP:3 とする。
【0028】基準局切り替えによるユーザーのDGPS
測位バイアスによれば、DGPS擬似距離誤差は、図2
よりGPS軌道誤差0.13m、図3より電離層誤差
2.4m、図4より対流圏誤差1.0mとなり、合計
3.53mとなる。この場合、ユーザー測位誤差は3.
53×3=10.59(m)となる。
【0029】このように、ローカルエリアDGPSで、
ユーザーが基準局を切り替えた際に発生するDGPS測
位誤差は、特に霧などの低視界時における船舶の狭水路
航行やヘリコプター等の航空機の飛行には支障をきた
す。
【0030】次に、GPSインテグリティ判定について
説明する。
【0031】ローカルエリアDGPSのインテグリティ
判定は、基本的に観測した擬似距離の異常値を検出する
ことで達成している。しかしながら、前述の如く、基準
局の受信機がマルチパスや外乱雑音(電波)を受けた場
合には、インテグリティ判定の信頼度が低下する。この
ため、複数の基準局で同一のGPS衛星を観測できれ
ば、インテグリティ判定機能の信頼性向上が可能とな
る。
【0032】しかし、基準局間の時刻誤差が300ns
もあると、同一衛星の擬似距離は300ns×0.3m
/ns=90mのごとく各基準局間で90mもの大差が
生じてしまう。この場合、同一衛星観測データの並列処
理はできないので、複数観測値による信頼性の向上は不
可能である。
【0033】そこで、本発明は、第1の課題として、D
GPS基準局間の時刻誤差を減少させてインテグリティ
性能の向上を図る。また、第2の課題として、複数のD
GPS基準局を鎖状に連結することで、広域のDGPS
サービスを行えるようにする。
【0034】図5は本発明の実施の形態に係るローカル
エリア統合測位システムの構成を示すもので、(a)は
システム全体図、(b)は個々のDGPS基準局の構成
図である。
【0035】図5(a)において、A〜EはDGPS基
準局、CTRは中央管理局、STはGPS衛星を表して
いる。DGPS基準局Aは、図5(b)に示すように、
GPS衛星STからのGPS電波と他の隣接するDGP
S基準局(図ではC)からのDGPS電波を捕捉する2
周波GPS受信アンテナA1と、このGPS受信アンテ
ナA1で捕捉された電波を受信検波する2周波GPS受
信機A2と、設置位置における気圧、温度、湿度等の気
象情報を取得する気象センサA3と、中央管理局CTR
との間で情報のやりとりを行うためのネットワーク・イ
ンターフェース(I/O)A4と、上記GPS受信機A
2の受信出力、気象センサA3の観測出力、中央管理局
CTRからの補正情報からDGPS補正情報を生成する
信号処理部A5と、この信号処理部A5で生成されたD
GPS補正情報を送信するDGPS送信機A6及び送信
アンテナA7とを備える。この構成は、他のDGPS基
準局B〜Eについても同様である。
【0036】上記DGPS基準局A〜Eは全国に数百キ
ロメートル毎に配置される。全国のDGPS基準局A〜
Eの観測データは中央管理局CTRに伝送され、隣接の
基準局間の時刻誤差が、例えばコモンビュー方式で算出
される。図6に隣接局間コモンビューの概念を示す。隣
接したDGPS基準局同士のコモンビューは、サービス
エリアがオーバーラップする部分を基本として実施す
る。図6では、A局、B局、C局で実施する。また、同
時にB局、D局、E局で実施する。最終的には、全基準
局A〜Eは鎖状に時刻同期がかけられる。
【0037】次に、図7を参照して本発明のシステムに
おけるインテグリティ処理の概要について説明する。
【0038】まず、中央管理局CTRは、全国のDGP
S基準局の観測データを収集する(S1)。次に、隣接
するDGPS基準局間の時刻誤差をコモンビュー方式で
算出する(S2)。続いて、隣接局間時刻誤差を算出
し、各々の基準局に伝送する(S3)。この処理とは並
列に、隣接する基準局数局の同一衛星観測疑似距離の理
論値との残差を求め、平均値等のフィルタリング処理に
より異常値検出のインテグリティ処理を行う(S4)。
そして、そのインテグリティ処理結果を全DGPS基準
局に伝送する(S5)。
【0039】一方、ステップS6において、各DGPS
基準局は、上記ステップS3またはS5の情報伝送を受
けると、隣接基準局間の時刻同期をかけて観測疑似距離
バイアスを削減し、中央管理部CTRのインテグリティ
処理時間の短縮を図っておく。また、中央管理部CTR
から伝送される全国の可視GPSインテグリティ情報に
より、各基準局は自局が可視となる前の、より西側のG
PSインテグリティ情報を事前に放送する。さらに、隣
接基準局同士相互の放送データを受信し、そのフィール
ドモニタとして相互に時刻誤差の監視を行う。
【0040】ここで重要なこととして、コモンビュー処
理は、ワイドエリアDGPS方式とは異なり、全国の多
数の基準局を同時には実施しせず、必要な隣接基準局数
局で実施する。このため、処理時間も早く、また各局が
各種の外乱など有色雑音によって計算結果の分散が増加
することもない。
【0041】さらに、基準局間は数百キロメートルであ
り、2万キロメートルの衛星高度に比較すると、数百キ
ロの離れた基準局は衛星から見ればほぼ同一点に近似さ
れるので、コモンビューの主要な誤差要因である衛星軌
道誤差は、共通誤差として削除することができ、これに
よって精度の高い時刻誤差が算出できる。
【0042】期待値は数nsオーダーであり、仮に10
nsとしても、それによる擬似距離残差は3mにすぎ
ず、前述の90mに比べて30倍である。よって、擬似
距離異常値のしきい値も感度を上げられるので、高いイ
ンテグリティ性能が期待できる。
【0043】さらに、図5に示すように、各DGPS基
準局は、相互に隣接局の補正情報を受信モニターするこ
とによってDGPSシステムのインテグリティチェック
を行うようにすることにより、システム自体のインテグ
リティ向上を図ることができる。この場合、DGPS局
がシュードライト(Pseudolite)であった場合は、その
擬似GPS信号を観測することによって、基準局自体で
相互に局間時刻誤差を観測できる。
【0044】ところで、前例で算出したDGPS基準局
切り換えに伴う、ユーザーのDGPS測位のバイアス1
0.59mは、GPS軌道誤差、電離層遅延誤差、対流
圏遅延誤差の要因で生じている。しかし、電離層遅延
は、基準局に2周波GPS受信機を使用しているので、
直接観測でき、対流圏遅延は気圧、温度、湿度の気象条
件よりザースタモイネンの近似式で図4の如く算出でき
る。
【0045】これに対し、衛星軌道ベクトル誤差の基準
局方向誤差成分は、DGPS基準局毎に相違するが、直
接識別による観測も算出もできない値である。GPS軌
道誤差[ΔRephem ]を観測局(DGPS基準局)Aと
Bで観測した場合の観測値の様子を図8に示す。図8に
おいて、STは真のGPS衛星、ST′はSTの軌道誤
差[ΔRephem ]による疑似GPS衛星である。また、
USRはユーザーGPSである。この図は、前述の如く
電離層遅延誤差、対流圏遅延誤差は観測局で直接観測/
算出されており、さらに局間時刻誤差もコモンビューで
求められており、観測擬似距離誤差からは差し引かれて
いるものとする。
【0046】この場合、ユーザーUSRが受けるDGP
S残差は衛星軌道誤差ΔRephemUであり、その値はRep
hemA及びΔRepheBの距離の比例配分で近似できる。
【0047】さらに、複数局がオーバーラップされた区
域においての一般式は(4)式で表される。
【数1】
【0048】ここで、ウェイティングファクターである
D(x,y) は基本的に距離の関数であるが、地域的な特性
含めて決められる。
【0049】このように、ユーザーUSRは、補正情報
にウェイティングをかけることによって、基準局を切り
替えてもDGPS測位にバイアスを受けずに、1局のサ
ービスエリアから次のサービスエリアまで滑らかな航法
が可能となり、ローカルエリアの鎖状連結によって広域
のDGPSと同様のサービスが可能となる。
【0050】以上のようなサービスは、ローカルエリア
DGPSの補正情報生成において、基準局間の時刻同
期、電離層遅延の観測、対流圏遅延の算出を行い、通常
のDGPS補正情報に加えて衛星軌道誤差の擬似距離成
分をも放送することで、ユーザー側の処理において、ロ
ーカルエリアDGPS測位のスムージング化が可能とな
り、広域サービスを実現することができる。
【0051】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、ローカル
エリアDGPSのシステム規模ながらそのサービスエリ
アをワイドエリアDGPSなみの広域に拡張することが
でき、インテグリティ判定機能も非常に高い信頼性を期
待できるローカルエリア統合測位システムを提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ローカルエリアDGPSにおいて、DGPS
基準局が観測する擬似距離について説明するための概念
図。
【図2】 エフェメリス(衛星軌道位置)誤差が電離層
誤差により疑似距離誤差に与える影響を示す特性図。
【図3】 距離に対する電離層遅延の残量の関係を示す
特性図。
【図4】 仰角に対する対流圏の遅延誤差の関係を示す
特性図。
【図5】 本発明の実施の形態に係るローカルエリア統
合測位システムの構成を示す構成図。
【図6】 同実施形態に用いられる隣接局間コモンビュ
ー方式の概念を示す図。
【図7】 同実施形態のシステムにおけるインテグリテ
ィ処理の概要を示す機能ブロック図。
【図8】 同実施形態において、GPS軌道誤差を観測
局AとBで観測した場合の観測値の様子を示す図。
【符号の説明】
A〜E…DGPS基準局、 CTR…中央管理局、 ST…GPS衛星、 ST′…疑似GPS衛星 USR…ユーザーGPS A1…2周波GPS受信アンテナ、 A2…2周波GPS受信機、 A3…気象センサ、 A4…ネットワーク・インターフェース(I/O)、 A5…信号処理部、 A6…DGPS送信機、 A7…送信アンテナ。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれ自己のサービスエリア内にDG
    PS(ディファレンシャル・グローバル・ポジショニン
    グ・システム)補正情報を送信し、隣接局間ではサービ
    スエリアが重複するように配置される複数のローカルエ
    リアDGPS基準局と、 前記複数のDGPS基準局の観測情報を中央で集中管理
    し、各DGPS基準局における時刻を同期化する中央管
    理局とを具備し、 ユーザー側で同一GPS衛星の擬似距離をその地点をカ
    バーするDGPS基準局の観測データをもとに補正処理
    することを特徴とするローカルエリア統合測位システ
    ム。
  2. 【請求項2】前記中央管理局は、前記複数のDGPS基
    準局のうち、サービスエリアが互いにオーバーラップす
    る局間で時刻同期を行い、最終的に全基準局に対して鎖
    状に時刻同期をかけるようにしたことを特徴とする請求
    項1記載のローカルエリア統合測位システム。
  3. 【請求項3】前記中央管理局は、全てのDGPS基準局
    からの情報に基づいて個々のDGPS基準局に対して可
    視直前のGPSの情報を事前に通知するようにしたこと
    を特徴とする請求項1記載のローカルエリア統合測位シ
    ステム。
  4. 【請求項4】前記複数のDGPS基準局は、隣接基準局
    同士相互の補正情報を受信して、そのフィールドモニタ
    として相互に時刻誤差の監視をおこなうことを特徴とす
    る請求項1記載のローカルエリア統合測位システム。
  5. 【請求項5】前記複数のDGPS擬準局は、通常のDG
    PS補正情報に加えて衛星軌道誤差の疑似距離成分を放
    送することを特徴とする請求項1記載のローカルエリア
    統合測位システム。
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Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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