JP2000314619A - 光学式偏角測定装置 - Google Patents

光学式偏角測定装置

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JP2000314619A
JP2000314619A JP12243199A JP12243199A JP2000314619A JP 2000314619 A JP2000314619 A JP 2000314619A JP 12243199 A JP12243199 A JP 12243199A JP 12243199 A JP12243199 A JP 12243199A JP 2000314619 A JP2000314619 A JP 2000314619A
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declination
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measurement
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JP12243199A
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Hikari Yamamoto
光 山本
Yoshiaki Shimomura
義昭 下村
Yasushi Minomoto
泰 美野本
Takeshi Kamei
亀井  健
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光を検出器に当てる操作を不要にするだけで
はなく、湿気や粉塵等の多い環境下でも偏角の計測が支
障なく行える光学式偏角測定装置を提供する。 【解決手段】 基点とこれと距離を置いて基点の両側に
設定した各地点とをそれぞれを結ぶ二つの線分の偏角を
光で計測するため、各光源11,12からの拡散光を集
光するレンズ21と、この集光した各光を受光してその
受光位置を検出する位置検出素子22−1,22−2
と、レンズに入射しようとする各光源12,11からの
拡散光を透過しかつレンズで集光する各光源11,12
からの光を各位置検出素子22−1,22−2に導く反
射プリズム23−1,23−2とを設け、その場合、厚
みが均一で平板状の透明板25aを設けた密閉容器24
にレンズ、位置検出素子及び反射プリズムを納めるとと
もに、透明板の外側表面を撥水性の物質で被覆し、その
外側表面の付着物を噴流により除去できるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基点とこれと距離
を置いて基点の両側に設定した各地点とをそれぞれを結
ぶ二つの線分の偏角を光で計測する光学式偏角測定装置
に関するものであり、地上や地下で行う建設作業にとっ
て特に有用なものでる。
【0002】
【従来の技術】地上や地下で建設作業を行う場合、基点
となる地点とこれと距離を置いてその両側にそれぞれ設
定した地点とをそれぞれを結ぶ二つの線分同士の角度関
係を知る必要が生じる。例えば、曲折した道路を施工す
るときには、施工路面の曲折部の角度を知ることが必要
になる。その場合には、曲折部の適所に基点となる計測
地点を設定するとともに、これと距離を置いてその両側
の路面施工区域にもそれぞれ計測地点を設定して、基点
となる計測地点とその両側の各計測地点を結ぶ各線分同
士の角度を計測する。また、地中掘進機でカーブした地
下坑を掘削するには、地中掘進機が計画路線(予め設定
された掘進経路)に沿って正しく掘進しているかどうか
を知るため、その掘進位置を確認しなければならない。
その場合にも、後に詳述するように、基点となる計測地
点とその両側の各計測地点を結ぶ各線分同士の角度関係
を知ることが必要になる。このような基点を頂点とする
両側の線分同士の角度関係を知るには、両線分同士の内
角及び外角の何れを計測してもよく、その角度関係を一
義的に特定できるような角度に関する値が計測できれば
その目的が果たせる。この明細書では、こうした二つの
線分同士の角度関係を特定し得るような角度に関する値
を偏角と称している。
【0003】建設作業においては、これまで、こうした
偏角を計測するのに、トランシットを用いて計測する方
法が一般的に採用されている。このトランシットによる
偏角の計測方法は、人的能力に依存する方法であるた
め、熟練技術者等人手を要するだけでなく一回の測量時
間が長くなる。また、望遠鏡をヨーイング方向(水平方
向)やピッチング方向(垂直方向)に回動させるための
回動機構を必要とするため、この回動機構に起因して機
械的な計測誤差が生じやすく、高い計測精度を確保する
ことが困難である。さらに、ヨーイング方向やピッチン
グ方向に傾動させるような振動等の外力が作用すると、
こうした外力による計測誤差が生じて計測結果に影響を
及ぼす。
【0004】ところで、地下坑を掘削しながら地中を掘
進する地中掘進機でカーブする地下坑を掘削する場合に
は、地中掘進機が計画路線に沿って正しく掘進できるよ
うに地中掘進機の掘進位置の計測を行う。こうした地中
掘進機の掘進位置の計測をするには、通常、発進立坑等
の地中掘進機の掘進の出発点となる地点及び地中掘進機
内にそれぞれ計測始点及び計測終点を設定するととも
に、地中掘進機の掘進の進展に応じてこれらの中間に適
当数の中間計測点を設定する。そして、これらの計測点
間の各距離を計測するほか、中間計測点と隣接する両側
の計測地点を結ぶ各線分同士の偏角を計測して、これら
の計測結果に基づいて地中掘進機の掘進位置を演算によ
り求めるようにしている。こうした地中掘進機の掘進位
置の計測過程で偏角を計測するときにも、従来、トラン
シットで計測する方法が採用されていた。このトランシ
ットによる方法は、前述したように、一回の測量時間が
長く人手を要し、特に手狭な坑内で測量するときには、
測量作業に多大の労力と危険が伴うことから、この種の
地中掘進機の掘進位置計測技術として、従来、掘進位置
の計測の際に、偏角をトランシットによらないでレーザ
ビームで光学的に計測する方法を採り入れたものがあ
る。
【0005】こうした方法を採り入れた地中掘進機の掘
進位置計測技術の代表例として、例えば特開平5ー34
0186号公報に記載された技術を挙げることができ
る。この特開平5ー340186号公報に記載の技術
(以下「従来の技術」という。)は、「カーブする地下
坑内に設定される後方視準点の前方に、測角機能を有す
るレーザ照準機を設置し、シールド掘進機内に、ミニ反
射プリズムを付設した位置検出素子(光電素子)のター
ゲットを設置するとともに、これらの中間位置には、レ
ーザ照準機からのレーザビームを屈折させ屈折させたレ
ーザビームの方向転角を計測できる距離儀付きのウエッ
ジプリズムを、地中掘進機の掘進の進展に応じて適当数
設置するようにした」ものである。
【0006】この従来の技術により地中掘進機の掘進位
置を計測するときは、ウエッジプリズムを遠隔操作で回
動させることにより、レーザ照準機からのレーザビーム
を、ウエッジプリズムを介してシールド掘進機内のター
ゲットに常に当てるようにする。そうすると、ウエッジ
プリズムを経由したレーザ照準機からのレーザビームが
ターゲットの位置検出素子に当てられるため、レーザス
ポットの位置が検出されるとともに、ウエッジプリズム
の設置点の偏角がウエッジプリズムの回動量により計測
され、また、各計測点間の距離がウエッジプリズムの距
離儀により計測される。従来の技術では、こうして得ら
れた各計測点間の距離、偏角及びレーザスポットの位置
に基づいて地中掘進機の掘進位置を座標位置により計測
する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この従来の技術に採り
入れられている偏角計測技術は、収束度の高いレーザ光
であるレーザビームを、検出器をなす位置検出素子に当
てるようにウエッジプリズムを回動させて、その回転量
によりウエッジプリズムの設置点の偏角を計測するよう
にしている。そのため、地中掘進機の掘進位置を計測す
る際、レーザビームを検出器の位置検出素子に的確に当
てるようにウエッジプリズムを回動させる操作を要して
操作が複雑であるばかりでなく、ウエッジプリズムを回
動させるための回動機構を要し、これに伴って種々の問
題がもたらされることとなる。例えば、回動機構を要す
るために機械的な計測誤差が生じやすく、光学的な誤差
に機械的な誤差が加わって高い計測精度を確保すること
が困難であるとともに、レーザ照準機が外力によりピッ
チングやヨーイング方向に振動すると、大きな計測誤差
が生じる。特に、地中掘進機の掘進位置の計測では、偏
角の計測結果が掘進位置の計測結果に及ぼす度合いが大
きいことに加えて、緩やかなカーブをなす場所の偏角を
計測する機会が多く、偏角を精度よく計測する必要性が
高いことから、回動機構による機械的な計測誤差や振動
による計測誤差が生じると、地中掘進機の掘進位置の計
測結果に多大な影響を及ぼす。
【0008】こうしたことから、出願人は、検出器に当
てるための光源として、レーザビームよりも広い領域を
照らせる拡散光を用いて、レーザビームのように光を検
出器の位置検出素子に的確に当てるための操作は要せず
機械的な計測誤差や振動による計測誤差も生じないよう
にした斬新的な偏角測定装置やこれを用いた地中掘進機
の位置計測装置について技術開発を進めている。その技
術開発の過程で生まれた発明は、すでに特許出願されて
おり、その代表的なものとして、特願平9ー29729
5号に係る発明を挙げることができる。
【0009】この発明に係る光学式偏角測定装置は、基
点に設置される偏角計測用の検出器と、基点の両側に設
定した各地点にそれぞれ設置され拡散光を発する偏角計
測用の光源とからなり、偏角計測用の各光源が発する拡
散光を検出器の集光手段でそれぞれ集光した後、検出器
の各位置検出素子でそれぞれ受光してその受光位置を検
出し、各位置検出素子での検出結果に基づいて各光源の
光軸同士の偏角を演算により算出できるようにしたもの
である。この光学式偏角測定装置は、光源に、レーザビ
ームより広領域を照らせる拡散光を用いて、従来の技術
で生じる前記の問題を解決するようにした点に特徴があ
る。この光学式偏角測定装置の詳細は、後に、この出願
の発明を説明する過程で詳述する。
【0010】この光学式偏角測定装置について、その
後、実用化を図るための技術開発を進めたところ、大気
中に湿気や粉塵等の夾雑物が多量に含まれる地下坑内で
偏角を計測したとき、こうした地下坑内の湿気や粉塵等
の大気中の夾雑物が検出器に悪影響を及ぼして偏角の計
測精度の低下や誤検出をもたらし、さらには偏角が計測
不能になる事態を招く恐れのあることが判明した。
【0011】本発明は、前記当社開発の光学式偏角測定
装置についてこうした問題を改善するために創作された
ものであって、その技術課題は、計測時に光を検出器に
当てる操作を不要にし機械的な計測誤差や振動による計
測誤差を生じにくくするだけでなく、湿気や粉塵等の夾
雑物の多い環境下で計測しても偏角の計測を支障なく行
うことができる光学式偏角測定装置を提供することにあ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明のこうした技術課
題は、次の手段により解決される。
【0013】基点に設置される検出器と、基点の両側に
設定した各地点にそれぞれ設置され拡散光を発する光源
とからなり、基点と基点の両側に設定した各地点とをそ
れぞれを結ぶ二つの線分の偏角を光で計測する光学式偏
角測定装置を構成する場合、各光源からの拡散光をそれ
ぞれ集光する共通の集光手段と、集光手段でそれぞれ集
光した各光源からの光をそれぞれ受光してその受光位置
を検出する各位置検出素子と、集光手段に入射しようと
する各光源からの拡散光の少なくとも一部をそれぞれ透
過しかつ集光手段で集光する各光源からの光をそれぞれ
各位置検出素子に導くように方向転換させる各光方向転
換手段とを設け、集光手段に入射しようとする各光源か
らの拡散光を遮断しない位置に各位置検出素子を配置し
て、これら集光手段、各位置検出素子及び各光方向転換
手段を密閉容器に納め、光を透過できるように外側表面
を撥水性の物質で被覆した厚みが均一で平板状の透明板
を各光源からの拡散光が入射できるように密閉容器に設
けて、拡散光が透明板を通じて各光方向転換手段へ入射
できるようにするとともに、透明板の外側表面の付着物
を噴流により除去する付着物除去手段を密閉容器に設け
て検出器を構成し、各位置検出素子での検出結果に基づ
いて各光源の光軸同士の偏角を演算により算出できるよ
うにする。
【0014】本発明の光学式偏角測定装置は、光源とし
て、特に拡散光を発する光源を用いて、拡がりをもつ光
でレーザビームよりも広い領域を照らせるようにしたこ
とにより、光源にレーザビームを用いる従来の技術のよ
うに光源の光を位置検出素子に当てるための操作は要せ
ず、ひいては、その操作を可能にするための回転機構を
設ける必要がなくなって、回転機構に起因する機械的な
計測誤差も生じない。また、各光源からの拡散光を共通
の集光手段で集めて位置検出素子で各光源の受光位置を
検出することにより、同一の検出器で双方の光源の方向
を検出できるようにし、その検出結果に基づいて各光源
の光軸同士の偏角を求め得るようにしたので、検出器が
ピッチング及びヨーイング方向に振動しても、偏角の計
測結果がその影響を受けにくいとともに、検出器を設置
する際、位置設定さえ正確に行えば、偏角の計測結果が
検出器の取付姿勢に影響されることもない。
【0015】特に、本発明の光学式偏角測定装置では、
集光手段、各位置検出素子及び各光方向転換手段を、透
明板を設けた密閉容器に納めて、各光源からの拡散光が
透明板を通じて各光方向転換手段へ入射できるようにし
たので、集光手段、各位置検出素子及び各光方向転換手
段に大気中の湿気や粉塵等の夾雑物が触れるのを密閉容
器で防ぎつつ偏角を計測することができて、湿気や粉塵
等の多い環境下で偏角を計測しても、偏角の計測精度の
低下や誤検出が生じたしたり偏角の計測ができなくなっ
たりするようなことはない。また、透明板を、特に厚み
が均一で平板状のものにして、光源からの拡散光が入射
できる位置に設けたので、検出器の取付姿勢に応じて透
明板への光の入射方向が変動しても、偏角の計測結果に
誤差が生じるようなことはない。
【0016】偏角の計測時に、透明板の外側表面に水滴
や粉塵等が付着していると、計測精度の低下をもたらす
が、本発明の光学式偏角測定装置では、この透明板の外
側表面を特に撥水性の物質で被覆したので、水や湿気に
より水滴が生じて透明板に付着しようとしたときでも、
その水滴を撥水性の物質で弾いて水滴の付着を防止する
ことができる。また、密閉容器に特に付着物除去手段を
設けているので、透明板の外側表面に水滴や粉塵等が万
一付着したときでも、水滴や粉塵等の付着物を付着物除
去手段の噴流により除去することができて計測精度の低
下をもたらすようなことはない。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明が実際上どのように
具体化されるのかを示す具体化例を図1及び図2に基づ
いて説明することにより、本発明の実施の形態を明らか
にする。図1は、検出器と光源とをユニット化して一体
にした本発明の光学式偏角測定装置の具体化例を示す斜
視図、図2は、図1の光学式偏角測定装置の要部の縦断
面及び横断面を示す図である。
【0018】冒頭で述べたように、光学式偏角測定装置
は、基点とこれと距離を置いて基点の両側に設定した各
地点とをそれぞれを結ぶ二つの線分の偏角を光で計測す
る装置である。ここで基点とは、計測しようとする角度
の頂点の個所に設定する計測点を意味する。光学式偏角
測定装置は、その一例が図1に図示されており、大別す
ると、基点の両側に設定した地点にそれぞれ設置され拡
散光を発する偏角計測用の各光源11,12と、基点に
設置されこれらの各光源11,12の方向を検出できる
偏角計測用の検出器20とからなる。
【0019】まず、前記当社開発の光学式偏角測定装置
の基本的な技術内容を、図1を用いて説明する。図1に
示す偏角計測用の検出器20は、多数の計測点で偏角を
計測する機会が多い地中掘進機の掘進位置の計測に適す
るように光源11,12を一体的に付設するようにして
いる。したがって、こうしたユニット状の検出器20を
多数の計測点にそれぞれ設置すると、各計測点には光源
11,12も自動的に設置され、隣合う検出器20同士
で互いに拡散光を授受して隣の検出器20の光源の方向
を検出することができることとなり、きわめて簡便であ
る。図1中、点11は、図1に図示の検出器20の隣後
方に配置した検出器20が内蔵している前方光源を表
し、点12は、図1に図示の検出器20の隣前方に配置
した検出器20が内蔵している後方光源を表す。偏角計
測用の検出器20に光源11,12を一体的に付設する
ことは、偏角を計測する上で必ずしも必要なことではな
く、光源11,12の方向を検出できる偏角計測用の検
出器と光源11,12とを用意すれば、任意の計測点に
検出器を設置しその両側の計測点に光源11,12を設
置することにより、任意の計測点を頂点とする偏角を計
測することができる。
【0020】偏角計測用の検出器20の概要を説明する
と、検出器20は、隣合う前方の検出器20(後方光源
12以外図示せず。以下同じ。)及び後方の検出器20
(前方光源11以外図示せず。以下同じ。)に対してそ
れぞれ拡散光を発する前方光源11及び後方光源12
と、隣後方の検出器20の前方光源11及び隣前方の検
出器20の後方光源12から拡散光をそれぞれ受けて各
光源11,12の方向を検出するための、共通のレンズ
21、位置検出素子22−1,22−2及び反射プリズ
ム23−1,23−2を有する検出手段とを一体化して
ユニットをなすように構成されている。
【0021】次に、この偏角計測用の検出器20の詳細
を説明すると、21は隣前方の検出器20の後方光源1
2及び隣後方の検出器20の前方光源11の拡散光を集
光する(収束させて集める)両光源11,12に共通の
集光手段としてのレンズ、22−1は、このレンズ21
で集められた後方の検出器20の前方光源11からの拡
散光を受光しその受光位置を検出する光センサとしての
位置検出素子、22−2はレンズ21で集められた前方
の検出器20の後方光源12からの拡散光を受光しその
受光位置を検出する同様の位置検出素子、23−1はレ
ンズ21で集光する後方の検出器20の前方光源11か
らの拡散光を位置検出素子22−1に導くように光の方
向を転換する光方向転換手段としての反射プリズム、2
3−2はレンズ21で集光する前方の検出器20の後方
光源12からの拡散光を位置検出素子22−2に導くよ
うに光の方向を転換する光方向転換手段としての反射プ
リズムである。
【0022】図1に示す偏角計測用の検出器20は、大
別すると、以上述べた光源11,12とレンズ21と位
置検出素子22−1,22−2と反射プリズム23−
1,23−2とで構成される。光源11,12には、例
えば発光ダイオードやある種の半導体レーザのような拡
散光を発するいわゆる点光源のようなものを用いる。す
なわち、レーザビームのような収束度の高い光線を発す
るものは用いることができないが、基本的には、微小な
エリアから放射状に拡がる拡散光を発するようなもので
あれば、設計上、適宜選択して使用することができる。
【0023】位置検出素子22−1及び位置検出素子2
2−2は、隣合う前後の検出器20の後方光源12及び
前方光源11からレンズ21に入射しようとする拡散光
を遮断しない位置にそれぞれ配置することとする。ここ
に示す例では、位置検出素子22−1は、その受光面を
レンズ21の光軸C(レンズ21の中心を通りこれに直
交する軸線)と直交する方向に向けて側方に配置し、位
置検出素子22−2は、その受光面をレンズ21の光軸
Cと直交する方向に向けて上方に配置している。位置検
出素子22−1,22−2には、フォトダイオードをマ
トリックス状に配置したMOS型撮像素子やCCD(C
harge−Coupled−Device)撮像素子
等の二次元光センサを用いることとしている。また、フ
ォトダイオードの表面抵抗を利用して光スポットの位置
を検出することのできるPSD(Position−S
ensitive−Device)のようなものを用い
てもよく、要は、集光レンズで集められた光を受光しそ
の受光した光の位置を検出できるものであればよく、そ
の種類は限定されない。
【0024】反射プリズム23−1及び反射プリズム2
3−2は、それぞれ、レンズ21の前方位置及び後方位
置に配置され、隣合う前方の検出器20の後方光源12
及び後方の検出器20の前方光源11からレンズ21に
入射しようとする各拡散光の少なくとも一部をそれぞれ
透過させ、レンズ21で集光した前方光源11及び後方
光源12からの光の少なくとも一部をそれそれ反射面で
反射させて位置検出素子22−1及び位置検出素子22
−2の受光面に導くように方向転換させる働きをする。
また、これらの反射プリズム23−1及び反射プリズム
23−2は、それぞれ、検出器20それ自体に一体的に
付設されている前方光源11及び後方光源12の拡散光
の少なくとも一部をそれぞれ反射面で反射させて隣合う
前方の検出器20及び後方の検出器20に向けるように
方向転換させる働きもする。
【0025】こうした反射プリズム23−1,23−2
に一般的なものを用いると、レンズ21に入射しようと
する各光源11,12からの拡散光が、それぞれ、その
入射前に、反射プリズム23−2,23−1で一部反射
されて減少するため、各位置検出素子22−1,22−
2に導かれる光量が損失する。こうした問題を解消する
ため、レンズ21に入射しようとする各光源11,12
からの拡散光を、互いに振動方向の直交する直線偏光の
拡散光になるようにするとともに、各反射プリズム23
−1,23−2として、レンズ21に入射しようとする
一方の直線偏光の拡散光を透過させかつレンズ21で集
光される過程の他方の直線偏光の拡散光を位置検出素子
22−1,22−2に導くように反射する偏光反射プリ
ズムを用いるとよい。反射プリズム23−1,23−2
にこうした偏光反射プリズムを用いると、レンズ21に
入射しようとする光源12,11からの拡散光を、その
光量を損失させることなく透過させるとともに、レンズ
21で集光される過程の光源11,12からの拡散光
を、位置検出素子22−1,22−2に導くように全反
射させることができ、レンズ21で集光した光の受光位
置を位置検出素子22−1,22−2で明確に検出する
ことができる。
【0026】以上の構造を備えた偏角計測用の検出器2
0の作用を説明する。隣前方の検出器20の後方光源1
2から発せられる拡散光は、当該検出器20の前方の反
射プリズム23−1に入射後、その少なくとも一部が同
反射プリズム23−1を透過してレンズ21で集光さ
れ、しかる後、その背後の反射プリズム23−2で反射
されて方向転換をし、当該検出器20の後方の位置検出
素子22−2上に結像する。同様にして、隣後方の検出
器20の前方光源11からの拡散光は、その少なくとも
一部が当該検出器20の手前の反射プリズム23−2を
透過してレンズ21で集光され、しかる後、その背後の
反射プリズム23−1で反射されて当該検出器20の前
方の位置検出素子22−1上に結像する。この間、当該
検出器20に付設された前方光源11及び後方光源12
の拡散光は、それぞれ、反射プリズム23−1及び反射
プリズム23−2の作用により隣前方の検出器20及び
隣後方の検出器20に向けて出射される。
【0027】各位置検出素子22−1,22−2には、
それぞれの受光面にX−Y平面座標が予め設定されてい
るため、両隣の光源11,12からの拡散光が結像する
と、その結像位置すなわち集光した拡散光の受光位置を
X,Y軸の座標点として検出する。こうして拡散光の受
光位置が検出されると、その検出結果に基づいて各光源
11,12の方向を演算により検出することができる。
これらの各光源11,12の方向は、検出器20の基準
線(通常はレンズ21の光軸Cに合わせるように設定)
に対して各光源11,12の光軸D(各光源11,12
の拡散光が前後方向に直進するときの各出発点の中心位
置とレンズ21の中心位置とをそれぞれ結ぶ各線)のな
す角度αで表すことができる。この角度αは、各光源1
1,12の方向の水平方向の成分(レンズ21の光軸C
と各光源11,12の光軸Dを水平面上へ正投影した線
同士のなす角度)と垂直方向の成分(レンズ21の光軸
Cと各光源11,12の光軸Dをレンズ21の光軸Cと
平行な垂直面上へ正投影した線同士のなす角度)とで特
定することができる。
【0028】これら各光源11,12の方向の水平方向
の成分及び垂直方向の成分は、レンズ21の光軸C上を
通る各光源11,12の光軸Dがそれぞれレンズ21に
入射後、レンズ21の中心位置から位置検出素子22−
1,22−2に到達するまでの過程にたどる距離の総和
(この値は検出器20の仕様により定まる既知の値であ
る。)と、位置検出素子22−1,22−2への各光源
11,12の拡散光の結像位置のX軸方向の成分及びY
軸方向の成分との関係から、演算によりそれぞれ求める
ことができる。こうした演算は、中央演算装置のような
演算装置で行ってもよいが、光源11,12の方向の水
平方向の成分及び垂直方向の成分は、前記の拡散光の結
像位置のX軸方向の成分及びY軸方向の成分が検出され
れば、一義的に定まる値であって機械的に求められるの
で、ここに示す例では検出器20に付設した図示しない
コントローラで求めている。
【0029】こうして光源11,12の方向の水平方向
の成分及び垂直方向の成分を検出すると、その検出結果
に基づいて各光源11,12の光軸D同士の偏角の水平
方向の成分(各光源11,12の光軸Dを水平面上へ正
投影した線同士のなす角度)及び垂直方向の成分(各光
源11,12の光軸Dをレンズ21の光軸Cと平行な垂
直面上へ正投影した線同士のなす角度)を算出できる。
すなわち、光源11の方向の水平方向の成分に関する角
度から光源12の方向の水平方向の成分に関する角度を
減算することにより、検出器20のレンズ21の中心点
を頂点とする各光源11,12の光軸D同士のなす偏角
(外角の偏角)の水平方向の成分を求めることができ、
同じく、前者の垂直方向の成分に関する角度から後者の
水平方向の成分に関する角度を減算することにより、レ
ンズ21の中心点を頂点とする各光源11,12の光軸
D同士のなす偏角(外角の偏角)の垂直方向の成分を求
めることができる。その場合、これらの角度には極性を
もたせて、光源11,12の光軸Dをレンズ21の光軸
Cに重なるように最小の角度で回動させる方向が時計方
向であるときを正、反時計方向であるときを負とする。
こうした手法で求めた偏角は、検出器20が傾動しても
変動しない。
【0030】こうして検出器20のレンズ21の中心点
を頂点とする各光源11,12の光軸D同士の偏角を求
め得ることから、二つの線の偏角を計測するには、測定
しようとする角度の頂点すなわち基点の個所にレンズ2
1の中心点が位置するように検出器20を設置するとと
もに、二つの線上の任意の個所にそれぞれ光源11,1
2を設置して以上述べた手法で偏角の垂直方向の成分及
び水平方向の成分を求めればよく、これにより二つの線
の角度関係が特定されて偏角を計測することができる。
こうした偏角の計算は、別途設けた演算装置で行えばよ
い。以上のように、光学式偏角測定装置は、基点の両側
に設置するための偏角計測用の一対の光源11,12
と、基点に設置され両光源11,12の方向を検出でき
る偏角計測用の検出器20とで構成される。
【0031】こうして構成される光学式偏角測定装置
は、各光源11,12に特に拡散光を発する光源を用い
て、拡がりをもつ光でレーザビームよりも広い領域を照
らせるようにしているため、偏角を光学的に計測する場
合に、ウエッジプリズムを回動させることによりレーザ
ビームを位置検出素子に当てる従来の技術で行われてい
るような操作は行わなくても計測することができる。そ
の結果、こうした操作を可能にするための回転機構を設
ける必要もなくなるため、従来の技術と異なり、回転機
構に起因する機械的な計測誤差も生じない。また、拡散
光の光源11,12は、このように照射領域が広いた
め、検出器20や光源11,12が外力により振動して
も、検出器20中の光源方向の検出手段を常に照らすこ
とができて計測に支障が生じることもない。
【0032】また、各光源11,12からの拡散光を共
通の集光手段21で集めて位置検出素子22−1,22
−2で各光源11,12の受光位置を検出することによ
り、同一の検出器20で双方の光源11,12の方向を
検出するようにし、その検出結果に基づいて各光源1
1,12の光軸同士の偏角を求め得るようにしたので、
その結果求められる偏角の計測値は、偏角計測用の検出
器20が姿勢の変化や振動等により上下方向(ピッチン
グ方向)や左右方向(ヨーイング方向)に傾動して、各
光源11,12の方向に関する角度が変動しても、その
変動にほとんど影響されることなく一定に保たれる。し
たがって、検出器20が外力によりピッチング方向やヨ
ーイング方向に振動しても、計測誤差が生じにくい。さ
らに、光源11,12に拡散光を用いてレンズ21で集
光するようにしていることと前記のこととが相俟って、
偏角計測用の検出器20を設置する際、位置設定さえ正
確に行えば、偏角の計測結果が検出器20の取付姿勢に
影響されることもない。
【0033】偏角計測用の検出器20を構成する場合、
反射プリズム23−1,23−2を設けないで、検出器
20の前部及び後部にそれぞれレンズ21を配置し、各
レンズ21の背後にそれぞれ位置検出素子22−1,2
2−2を配置するとともに、レンズ21の前方位置及び
後方位置にそれぞれ光源11及び光源12を配置して構
成しても、以上のような効果を奏する。しかしながら、
ここに示すように反射プリズム23−1,23−2を設
けると、隣前方の検出器20の後方光源12及び隣後方
の検出器20の前方光源11からの拡散光がレンズ21
に入射するのを阻止しない位置にそれぞれ位置検出素子
22−1及び位置検出素子22−2を配置することが可
能となるため、拡散光を集めるためのレンズ21を各光
源11,12ごとに設けることは要せず共通化すること
ができる。
【0034】このように光源11,12の拡散光を集光
するレンズ21を共通化すると、各光源11,12の方
向に基づいて当該検出器20で計測される偏角は、共通
のレンズ21の中心位置を頂点とする各光源11,12
の光軸D同士のなす偏角が計測されることとなる。その
結果、その計測される偏角は、レンズ21を前記のよう
に前方光源11及び後方光源12に対応して別々に設け
る場合に比べて、当該検出器20がピッチング方向及び
ヨーイング方向に変位しても確実に変動しなくなるた
め、当該検出器20の取付時の取付姿勢の不統一やその
後の外力による姿勢の変化にも一層影響されなくなって
精度の高いものとなる。
【0035】以上、当社開発の光学式偏角測定装置の基
本的な技術内容を述べたが、この光学式偏角測定装置
は、前述したように、大気中に湿気や粉塵等が多量に含
まれる場所で偏角を計測したときに計測に支障が生じる
ことから、本発明では、こうした問題を解消するように
この光学式偏角測定装置に改良を加えている。そこで、
この点に関する技術内容を、図1及び図2を用いて以下
に説明する。
【0036】これらの図において、24は光源の方向の
検出手段であるレンズ21、位置検出素子22−1,2
2−2及び反射プリズム23−1,23−2を納めるた
めの直方体形状の密閉容器、25は隣合う前後の検出器
20の光源12,11の拡散光が入射できるようにする
ための密閉容器24の前後の側壁に設けた窓部、25a
はこの窓部25を構成するための、密閉容器24の側壁
の光採取孔に設けた硝子製の透明板、25bはこの透明
板25aと密閉容器24の側壁との隙間をシールするシ
ール部材、25cは透明板25aの外側表面を撥水性の
物質で被覆して形成した撥水性被覆層である。なお、こ
こに示す例では、密閉容器24内に、前記の光源の方向
の検出手段のほか、検出器20に付設した光源11,1
2や図示していないコントローラを収めているが、これ
らを密閉容器24内に納めることは、本発明にとって不
可欠のことではない。
【0037】透明板25aは、表裏両面が平行な平行平
板の板ガラスで形成されているが、厚みが均一で平板状
の透明板であれば、他の材料で形成したものでもよい。
こうした透明板25aを、両隣の各光源11,12から
の拡散光が入射できるように密閉容器24の側壁に設け
て、各光源11,12からの拡散光が各透明板25aを
通じてそれぞれ各反射プリズム23−2,23−1へ入
射できるようにしている。透明板25aの外側表面に撥
水性被覆層25cを形成する場合には、撥水性の物質を
透明板25aの外側表面に光を透過できるようにコーテ
ィングして形成してもよいし、透明な撥水性のフィルム
を透明板25aの外側表面に被着するようにして形成し
てもよく、要は、透明板25aの外側表面を、光が透過
できるように撥水性の物質で被覆するようにすればよ
い。
【0038】撥水性の物質とは、水を弾く性質を有する
物質であり、水に対する接触角が90度以上の接触角が
大きいすなわち臨界表面張力(γc(mNm))の小さ
い物質を意味する。透明板25aの外側表面をこうした
撥水性の物質で被覆すると、水や湿気により水滴が生じ
て透明板25aに付着しようとしたときでも、その水滴
を撥水性の物質で弾いて水滴の付着を妨げる。そのた
め、透明板25aは、水や湿気が多い環境下でも水滴が
付着せず、厚みが均一な平行平板の状態を保持できて、
どのような方向から光が入射したときでも、その光の方
向に変動をもたらさない。撥水性の大きい物質として
は、例えば、パーフルオロラウリン酸単分子膜(γc=
6、-CF3(後半の化学式は「表面配向基」を表す。以下
同じ。))、ポリ(パーフルオロオクチルエチルアクリ
レート)(γc=10、-CF3,-CF2-)、ポリテトラ
フルオロエチレン(γc=18、-CF2- )、パラフィ
ン(γc=22、-CH3, -CH2- )、オクタデシルア
ミン単分子膜(γc=22〜24、-CH3)、ポリジメ
チルシロキサン(γc=24、-CH3)、ポリエチレン
(γc=31、-CH2- )を挙げることができ、何れも
C−F結合やC−H結合を多く含んだ物質である。
【0039】この光学式偏角測定装置では、透明板25
aへの水滴や粉塵等の付着を防止するため、こうした手
段のほか、透明板25aの外側表面の付着物を噴流によ
り除去するための付着物除去手段を密閉容器に設けて偏
角計測用の検出器20を構成している。そこで、その付
着物除去手段の技術内容を説明すると、25dはシール
部材25bの外側端部に付設した、窓部25に圧縮空気
を導入するための空気導入管路部、25eは透明板25
aの外側表面部又はその近傍に圧縮空気を噴出するよう
に空気導入管路部25dに形成された空気噴出口、25
fは空気導入管路部25dに圧縮空気を供給する空気供
給通路部である。
【0040】空気導入管路部25dは、円盤状の透明板
25aの外周部を囲繞するように環状に配置されてお
り、この空気導入管路部25dの内周部には、内周側に
向かって空気を噴射するように、多数の空気噴出口25
eが等間隔で設けられている。空気供給通路部25f
は、空気導入管路部25d内の管路に接続され、図示し
ていない圧縮空気供給源から圧縮空気が送られるように
なっている。したがって、空気供給通路部25fに圧縮
空気が送られると、その圧縮空気は、空気導入管路部2
5dに導入されて、多数の空気噴出口25eから透明板
25aの外側表面部又はその近傍に向けて噴射される。
その結果、透明板25aの外側表面に付着している付着
物は、その噴射時に発生する空気の噴流により強制的に
除去される。ここに示す例では、空気噴出口25eから
空気を噴射させるようにしているが、温風や他の流体を
噴射させるようにしてもよい。
【0041】この改良された光学式偏角測定装置では、
レンズ21、各位置検出素子22−1,22ー2及び各
反射プリズム23−1,23−2を、透明板25aを設
けた密閉容器24に納めて、各光源11,12からの拡
散光がそれぞれ透明板25aを通じて各反射プリズム2
3−2,23−1へ入射できるようにしたので、レンズ
21、各位置検出素子22−1,22ー2及び各反射プ
リズム23−1,23−2に大気中の湿気や粉塵等の夾
雑物が触れるのを密閉容器24で防ぎつつ偏角を計測す
ることができて、地下坑等、湿気や粉塵等の多い環境下
で偏角を計測しても、偏角の計測精度の低下や誤検出が
生じたしたり偏角の計測ができなくなったりするような
ことはない。したがって、この改良された光学式偏角測
定装置によれば、計測時に光を偏角計測用の検出器20
に当てる操作を不要にし、機械的な計測誤差や振動によ
る計測誤差を生じにくくするだけでなく、湿気や粉塵等
の夾雑物の多い環境下で計測しても、偏角の計測を支障
なく行うことができる。
【0042】この光学式偏角測定装置は、前述したよう
に、偏角計測用の検出器20を設置する際、位置設定さ
え正確に行えば、検出器20の取付姿勢を調整しなくて
も正しく計測できて、偏角の計測結果がその取付姿勢に
影響されないようにした点に一つの特徴がある。こうし
たことと関連して、この改良された光学式偏角測定装置
では、光源11,12からの拡散光が入射する透明板2
5aを、特に厚みが均一で平板状をなす透明な平行平板
にしたので、検出器20の設置時の取付姿勢のバラツキ
に応じて透明板25aへの光の入射方向が変動しても、
偏角の計測結果に誤差が生じるようなことはなく、偏角
を、検出器20の取付姿勢に影響させることなく、一層
精度よく計測することができる。
【0043】偏角の計測時に、透明板25aの外側表面
に水滴や粉塵等が付着していると、計測精度の低下をも
たらすが、このの光学式偏角測定装置では、この透明板
25aの外側表面を特に撥水性の物質で被覆することに
より撥水性被覆層25cを形成したので、水や湿気によ
り水滴が生じて透明板25aに付着しようとしたときで
も、その水滴は、撥水性被覆層25cで弾かれて透明板
25aに付着できずに重力により落下することとなり、
透明板25aに水滴が付着するを防ぐことができる。ま
た、密閉容器24には、特に空気導入管路部25d、空
気噴出口25e及び空気供給通路部25fからなる付着
物除去手段を設けているので、透明板25aの外側表面
に水滴や粉塵等が万一付着したときでも、空気噴出口2
5eから空気を噴射させることにより、水滴や粉塵等の
付着物を空気の噴流により除去することができる。これ
らの結果、透明板25aの外側表面に水滴や粉塵等が付
着するのを確実に防ぐことができて、透明板25aの外
側表面への水滴や粉塵等の付着に起因する計測精度の低
下も防止することができるため、本発明によれば、湿気
や粉塵等の夾雑物の多い環境下で計測するのに好適な光
学式偏角測定装置を得ることができる。
【0044】図1に示す光学式偏角測定装置では、偏角
計測用の検出器20に、特に偏角計測用の光源11,1
2を付設して密閉容器24に納めるようにしているの
で、その光源11,12に対しても大気中の湿気や粉塵
等の夾雑物が触れるのを密閉容器24で防ぐことができ
て偏角の計測を精度よく行うことができる。また、透明
板25aを透明な平行平板にしてその外側表面を撥水性
の物質で被覆したことにより、検出器20に付設した光
源11,12の光が透明板25aを経て出射するときに
も、透明板25aは、その出射方向に変動をもたらすよ
うなことはなく、そのため、隣合う偏角計測用の検出器
20での偏角の計測結果に誤差をもたらすようなことは
ない。
【0045】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
は、「課題を解決するための手段」の項に示す手段を採
用しているので、計測時に光を検出器に当てる操作を不
要にし機械的な計測誤差や振動による計測誤差を生じに
くくするだけでなく、湿気や粉塵等の夾雑物の多い環境
下で計測しても偏角の計測を支障なく行うことができる
光学式偏角測定装置を得ることができる。こうした効果
を奏することに加え、検出器を設置する際に位置設定さ
え正確に行えば、計測結果が検出器の取付姿勢に影響さ
れるようなことはないという効果も併せ奏することがで
きる。また、透明板を、特に厚みが均一で平板状のもの
にして、光源からの拡散光が入射できる位置に設けたの
で、検出器の取付姿勢に応じて透明板への光の入射方向
が変動しても、偏角の計測結果に誤差が生じるようなこ
とはなく、偏角を、検出器の取付姿勢に影響させること
なく、一層精度よく計測することができる。
【0046】本発明においては、透明板の外側表面を特
に撥水性の物質で被覆したので、偏角の計測時に水や湿
気により水滴が生じて透明板に付着しようとしたときで
も、その水滴を撥水性の物質で弾いて水滴の付着を防止
することができる。また、密閉容器に特に付着物除去手
段を設けているので、透明板の外側表面に水滴や粉塵等
が万一付着したときでも、水滴や粉塵等の付着物を付着
物除去手段の噴流により除去することができる。これら
の結果、透明板の外側表面に水滴や粉塵等が付着するの
を確実に防ぐことができて、透明板の外側表面への水滴
や粉塵等の付着に起因する計測精度の低下も防止するこ
とができるため、本発明によれば、湿気や粉塵等の夾雑
物の多い環境下で計測するのに好適な光学式偏角測定装
置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】検出器と光源とをユニット化して一体にした本
発明の光学式偏角測定装置の具体化例を示す斜視図であ
る。
【図2】図1の光学式偏角測定装置の要部の縦断面及び
横断面を示す図である。
【符号の説明】 11,12 光源 20 偏角計測用の検出器 21 レンズ 22−1,22−2 位置検出素子 23−1,23−2 反射プリズム 24 密閉容器 25 窓部 25a 透明板 25b シール部材 25c 撥水性被覆層 25d 空気導入管路部 25e 空気噴出口 25f 空気供給通路部 C レンズの光軸 D 光源の光軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 美野本 泰 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 (72)発明者 亀井 健 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 Fターム(参考) 2D054 GA17 GA62 GA82 2F065 AA32 CC14 DD13 DD14 FF01 GG01 GG06 GG07 HH02 JJ03 JJ16 JJ18 JJ26 LL12

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基点に設置される検出器と、基点の両側
    に設定した各地点にそれぞれ設置され拡散光を発する光
    源とからなり、基点と基点の両側に設定した各地点とを
    それぞれを結ぶ二つの線分の偏角を光で計測する光学式
    偏角測定装置であって、各光源からの拡散光をそれぞれ
    集光する共通の集光手段と、集光手段でそれぞれ集光し
    た各光源からの光をそれぞれ受光してその受光位置を検
    出する各位置検出素子と、集光手段に入射しようとする
    各光源からの拡散光の少なくとも一部をそれぞれ透過し
    かつ集光手段で集光する各光源からの光をそれぞれ各位
    置検出素子に導くように方向転換させる各光方向転換手
    段とを設け、集光手段に入射しようとする各光源からの
    拡散光を遮断しない位置に各位置検出素子を配置して、
    これら集光手段、各位置検出素子及び各光方向転換手段
    を密閉容器に納め、光を透過できるように外側表面を撥
    水性の物質で被覆した厚みが均一で平板状の透明板を各
    光源からの拡散光が入射できるように密閉容器に設け
    て、拡散光が透明板を通じて各光方向転換手段へ入射で
    きるようにするとともに、透明板の外側表面の付着物を
    噴流により除去する付着物除去手段を密閉容器に設けて
    検出器を構成し、各位置検出素子での検出結果に基づい
    て各光源の光軸同士の偏角を演算により算出できるよう
    にしたことを特徴とする光学式偏角測定装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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