JP2000313663A - 導電性セラミックスおよびこれを用いた帯電防止部材並びに磁気ディスク装置 - Google Patents
導電性セラミックスおよびこれを用いた帯電防止部材並びに磁気ディスク装置Info
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Abstract
かも熱膨張係数の制御が可能で高ヤング率を有する導電
性セラミックスおよびそれを用いた帯電防止部材を作製
する。 【解決手段】Zn、Mg、Ca、SrおよびBaの群か
ら選ばれる少なくとも1種と、TiおよびSiとを含有
する酸化物に対して、導電性付与材として、金属、カー
ボン、酸化鉄、酸化錫、酸化銅、酸化コバルト、酸化ニ
オブ、酸化ニッケル、炭化チタンおよび窒化チタンの群
から選ばれる少なくとも1種を含有し、−50〜85℃
における体積固有抵抗が102 〜108 Ω・cm、かつ
表面粗さ(Ra)が2.0μm以下である導電性セラミ
ックスを用いて帯電防止用部材を作製する。
Description
電材料、接点、センサ、ヒーター、真空管部品等に使用
可能な導電性セラミックスに関するものであり、特に搬
送用アーム、ハンドリング治具、ウェハー搬送用ピンセ
ット等の半導体製造装置等で静電気防止が必要な帯電防
止(静電気防止)部材、および帯電防止機能のある磁気
ディスク保持部材を有する磁気ディスク装置に関する。
化珪素質セラミックスやランタンクロマイト等のペロブ
スカイト系セラミックス等の導電性を有するセラミック
スが知られており、また、アルミナやジルコニア等の絶
縁性セラミックス材料に導電性付与材、例えば、TiO
2 、TiC、NiO、CoO等を添加して還元雰囲気下
で焼成したの導電性セラミックスが知られている(特開
平2−295009号公報、特開平1−243388号
公報参照)。
電気防止が必要な部品(搬送用アーム、ハンドリング治
具、ウェハー搬送用ピンセット等)に用いる静電気防止
用部材、あるいは抵抗体基体、導電材料、接点、ヒータ
ー、真空管部品、磁気ディスク用スペーサには、上述し
た材料からなり、104 〜108 Ωcm程度の体積固有
抵抗を有するセラミックスが用いられている。
て使用される磁気ディスク装置は、図1に示すように、
複数枚の磁気ディスク基板15をシム10、スペーサ1
1及びクランプ12で固定して、回転軸13を回転させ
ながら磁気ヘッド17にて磁気ディスク基板15表面上
に非接触状態で情報の書き込みや読み取りを行うもので
ある。
情報が高密度で大容量化するに伴って、磁気ヘッド17
と磁気ディスク基板15との距離の極小化、磁気ディス
ク基板15のより高度な平面化と表面の平滑化等が要求
されており、磁気ディスク基板15を固定・保持するス
ペーサ11、シム10、及びクランプ12等の保持部材
は熱膨張差に伴う磁気ディスク基板15の歪みを防止す
る為に、セラミックスやガラスで形成することが検討さ
れている(特公平5−80745号公報、特開昭61−
148667号公報参照)。
ラミックスやガラスは一般的に絶縁性材料である為、こ
れらの保持部材で磁気ディスク基板15を保持すると、
磁気ディスク基板15が帯電し、情報の読み込みや書き
込みの際にノイズが発生して、記録内容を破壊してしま
うという問題があり、その対策として上記セラミックス
やガラス等の磁気ディスク基板15との当接面にアルミ
ニウムや亜鉛などの金属膜を被覆して静電気を除去する
ことが考えられている。
ク基板15との当接面の平坦度が損なわれ、磁気ディス
ク基板15に歪みを生じたり、場合によっては、磁気ヘ
ッド17が磁気ディスク基板15と接触して傷付けてし
まう恐れがあった。また、セラミックスやガラスと金属
被膜との熱膨張差のために繰り返しの使用により金属被
膜が剥がれるといった課題もあり、前述したアルミナ等
に導電性付与材を添加した導電性セラミックスで保持部
材を形成することが提案されている(特開平2−226
566号公報参照)。
た導電性セラミックスでは、例えば、上記炭化珪素質セ
ラミックスは、難焼結体であるために非酸化性雰囲気で
かつ2000℃以上の温度で焼成しなければならず、ま
た、ホットプレスや熱間静水圧プレス(HIP)を行う
必要があり生産性が悪くコストが高くなる、また、ペロ
ブスカイト系セラミックスについては原料単価が高く、
しかも、曲げ強度が10kg/mm2 未満と低く、構造
部品材料としての信頼性が低いという問題があった。
等を添加したアルミナ質やジルコニア質の導電性低温焼
成セラミックスでは充分に緻密化させることが難しく、
表面の平滑性が悪いために表面から脱粒等が生じてパー
ティクルが発生し、悪影響を及ぼす等の問題があった。
例えば、ガラス製の磁気ディスク基板との間に熱膨張差
があるため、ディスクの高速回転に伴う温度上昇のため
に磁気ディスク基板15に歪みを生じたり、磁気ディス
ク基板15間の平行度が損なわれるといった課題があっ
た。そのため、磁気ディスク装置20の高密度化および
大容量化には限界があった。
を満足する材料について検討したところ、TiおよびS
iを含有する特定の酸化物相と、導電性付与材とを含有
するセラミックスを用いることによって、体積固有抵抗
値を所定の範囲に調整でき、かつ容易に緻密化でき平滑
な表面とすることにより、高い寸法精度を有するととも
に耐磨耗性に優れたセラミックスが得られることを見出
し、本発明に至った。
は、Zn、Mg、Ca、SrおよびBaの群から選ばれ
る少なくとも1種と、TiおよびSiとを含有する酸化
物に対して、導電性付与材として、金属、カーボン、酸
化鉄、酸化錫、酸化銅、酸化コバルト、酸化ニオブ、酸
化ニッケル、炭化チタンおよび窒化チタンの群から選ば
れる少なくとも1種を含有し、−50〜85℃における
体積固有抵抗が102 〜108 Ω・cm、かつ表面粗さ
(Ra)が2.0μm以下であることを特徴とするもの
である。
は、Zn、Mg、Ca、SrおよびBaの群から選ばれ
る少なくとも1種と、TiおよびSiとを含有する酸化
物系セラミックスからなり、該セラミックス中に導電性
付与材として酸化亜鉛が存在してなり、−50〜85℃
における体積固有抵抗が102 〜108 Ω・cm、かつ
表面粗さ(Ra)が2.0μm以下であることを特徴と
するものである。
Baの群から選ばれる少なくとも1種と、TiおよびS
iとを含有する酸化物が、スピネル型結晶相、イルメナ
イト型結晶相、ウイレマイト型結晶相、エンスタタイト
型結晶相、CaSiO3 、SrSiO3 、BaSi
O3 、SiO2 型結晶相の群から選ばれる少なくとも1
種以上であることであること、上記セラミックス中に
は、ホウ素(B)を酸化物換算で15重量%以下含有す
ることが望ましい。
が4×10-6〜1×10-5/℃以下、ヤング率が80G
Pa以上であることが望ましい。
ミックスを帯電防止部材として用いることにより、優れ
た信頼性と耐久性を有する帯電防止部材を得ることがで
きる。
の磁気ディスクを所定の間隔で保持し、該複数の磁気デ
ィスクからの情報の読み取りまたは情報の書き込みが可
能なものであって、前記磁気ディスクを保持する部材を
導電性セラミックスによって形成することにより優れた
特性を有する装置とすることができる。
る少なくとも1種と、TiおよびSiとを含む複合酸化
物相は比較的低温での焼成により容易に緻密化でき、平
滑な表面を有する耐磨耗性に優れた材料であるととも
に、100GPa以上のヤング率を有し、かつ各成分を
調整することによりセラミックスの熱膨張係数を所定の
範囲に制御可能なものであるが、室温における体積固有
抵抗値が1012Ω・cm以上の絶縁体である。
めることによりセラミックスの体積固有抵抗を所望の範
囲内に制御でき、帯電防止部材として優れた特性を有す
るものとなる。
物を用いることにより容易にセラミックスを製造するこ
とができる。例えば、酸化亜鉛(ZnO)は通常半導体
材料であるが、焼成等により結晶内に酸素欠損等の格子
欠陥等を生成させることにより、その体積固有抵抗を低
下せしめることができる、いわゆる不定比化合物であ
る。これが、導電性付与材としての機能を有するもので
あることから、上記絶縁体材料に所定量含有させること
によりセラミックスの体積固有抵抗値を102 〜108
Ω・cmに調整することができる。
Zn、Mg、Ca、SrおよびBaの群から選ばれる少
なくとも1種と、TiおよびSiとの酸化物と、導電性
付与材とを含有するものである。
値が108 Ωcm以下の化合物、具体的には、Zn、F
e、Sn、Cu、Co、Ni、Ag、Au等の金属、カ
ーボン、酸化鉄、酸化錫、酸化銅、酸化コバルト、酸化
ニッケル、酸化ニオブ等の金属酸化物、窒化チタン等の
金属窒化物、炭化チタン等の金属炭化物および酸化亜鉛
のうちの1種以上によって構成されるが、体積固有抵抗
値の制御の容易性、製造の容易性、原料コスト、原料の
経時変化が少なく管理が容易である点で金属酸化物であ
ることが望ましく、特に、体積固有抵抗値の制御の容易
性および製造の容易性の点で、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化
錫、酸化銅、酸化コバルト、酸化ニッケルおよび酸化ニ
オブの群から選ばれる少なくとも1種であることが望ま
しい。
ス中で主として結晶粒界に存在するが、連続的に存在す
ることが望ましく、粒界を通して導通するものである。
また、前記導電性付与材が酸化亜鉛からなる場合は、セ
ラミックス中に独立した相として存在し、酸化亜鉛相の
割合は、30〜75体積%であることが望ましい。
ないと、セラミックスの体積固有抵抗値を所望の範囲内
に制御することが難しく、帯電防止部材としての機能が
低下するためであり、逆に、酸化亜鉛相が75体積%を
超えると、通常の焼成でセラミックスを緻密化させるこ
とが難しくなり、耐磨耗性が悪くなるとともに、ヤング
率が低下し構造部材としての信頼性が低下するためであ
る。
の群から選ばれる少なくとも1種と、TiおよびSiと
の酸化物のAサイト成分になりうるZn、Mg、Ca、
SrおよびBaから選ばれる少なくとも1種(A)に対
するBサイト成分になりうるTiおよびSi(B)の比
率(B/A)は焼結性および熱膨張係数を任意に調整で
き、またヤング率を高める点で、モル比で0.14〜
3.5、特に0.5〜1.5であることが望ましい。ま
た、本発明によれば、Zn、Mg、Ca、SrおよびB
aの群から選ばれる少なくとも1種と、TiおよびSi
との酸化物に対して、ホウ素(B)を酸化物換算で15
重量%以下含有することにより、ホウ素(B)が焼結助
剤としての働き、セラミックスの焼結性を改善させるこ
とができ、セラミックス中に存在するボイドを低減する
ことができ、セラミックス表面の平滑性を高める結果、
構造部材としての耐摩耗性を高めることができるが、構
造体としての安定した強度を維持する点で、ホウ素
(B)の含有量は15重量%以下、特に10重量%以下
であることが望ましい。
またはB2 S3 やH2 BO3 等の焼成の過程でB2 O3
になりうるもの、あるいはホウ素(B)含有のガラス、
例えばホウ珪酸鉛系ガラス、ホウ珪酸亜鉛系ガラスやA
l2 O3 を30重量%以下と、アルカリ金属酸化物を2
0重量%以下の割合で含むものが好適に使用される。
の群から選ばれる少なくとも1種と、TiおよびSiと
の酸化物としては、少なくともZr、Mg、Ca、Sr
およびBaから選ばれる少なくとも1種とTiとを含む
スピネル型結晶相、少なくともZn,MgおよびTiを
含むイルメナイト型結晶相、少なくともZn、Mgおよ
びSiを含むウイレマイト型結晶相、CaSiO3 結晶
相、SrSiO3 結晶相、BaSiO3 結晶相、エンス
タタイト型結晶相、SiO2 型結晶相の少なくとも1種
以上が析出することが望ましく、これらの結晶相を析出
させることによって、構造部材として必要な硬度および
強度を有するとともに、所望のヤング率、熱膨張係数を
得ることができる。
分を含有する絶縁性ガラス相が析出してもよい。
よび熱膨張係数の調整、表面の平滑性の向上およびセラ
ミックスの体積固有抵抗値の調整の容易さの点でZnを
モル比換算で0.25以上含有することが望ましい。
Al、Zr、Li、Na、K、Y(イットリウム)を含
む希土類元素、Pb、Bi等を酸化物換算で0.1重量
%以下の範囲で含有しても特性に影響を及ぼさない。
値が102 〜108 Ω・cmであることからセラミック
スが帯電することなく耐電防止部材として好適に使用で
きる。また、表面粗さ(Ra)が2.0μm以下である
ことから、耐摩耗性が高く、寸法精度の高い部材を作製
できる。
し被覆層等がないことから、使用時等の熱膨張差による
被覆層の剥離が生じず、また、−50〜85℃における
熱膨張係数が4×10-6〜1×10-5/℃、特に5×1
0-6〜9×10-6/℃の範囲に制御できることから、ガ
ラスやセラミックスからなる磁気ディスク基板との熱膨
張差が小さく、温度上昇によっても精度よくディスクを
保持することができる。
ことから、ネジ止め等によっても変形することがなく、
構造部材としての信頼性が高いものである。
する方法について説明する。まず、出発原料として、Z
n、Mg、Ca、SrおよびBaの群から選ばれる少な
くとも1種と、TiおよびSiとの酸化物を形成するた
めの金属成分の酸化物、炭酸塩、窒化物、炭化物等を上
述した割合で調合、混合し、酸化性雰囲気中、あるいは
非酸化性雰囲気にて800〜1000℃で仮焼する。こ
れに、導電性付与材となりうる成分を添加して混合す
る。
法、冷間静水圧プレス法、ドクターブレード法、カレン
ダーロール法、圧延法法の周知の成形法により所定形状
に成形した後、酸化性雰囲気中、あるいは非酸化性雰囲
気にて1000〜1200℃の温度で1〜2時間程度の
焼成を行うことにより相対密度95%以上、特に98%
以上、さらに99.5%以上に緻密化した本発明の導電
性セラミックスを得ることができる。また、所望により
セラミックスの表面を研磨して表面粗さ(Ra)が2.
0μm以下とすることができる。
クスを用いることによって、帯電する静電気を速やかに
除去することができることから、例えば、磁気記録装置
や各種電子部品の製造工程や取扱工程において用いられ
るハンドリング治具やピンセット等の治工具等の帯電防
止部材として、少なくとも各種部品との接触面を本発明
の導電性低温焼成ガラスセラミックスで形成することに
より、静電気を除去して悪影響を及ぼすことを防止でき
る部材を形成することができる。
を好適に使用しうる一例である磁気ディスク装置の概略
断面図を示す。磁気ディスク装置20は、回転軸13に
固定されたハブ14に、複数枚の磁気ディスク基板15
とスペーサ11とを交互に挿入し、最後にシム10およ
びクランプ12を配設してネジ16で固定するものであ
る。そして、回転軸13の回転に伴い、磁気ディスク基
板15が回転するとともに、磁気ヘッド17が磁気ディ
スク基板15の表面上を非接触状態で移動しながらディ
スク基板の所定の位置に情報の書き込みや読み取りを行
うものである。
板、Al2 O3 などのセラミックスの表面にグレーズ層
を形成し、該グレーズ層上に磁性膜を備えたもの、ある
いは全体がガラスからなりその表面に磁性膜を備えたも
の等を用いてもよい。さらに、その他の材質として、チ
タン、シリコン、YAG、カーボン等を用いることもで
きるが、表面の平滑性、剛性の高さおよびコストの点で
ガラスからなることが望ましい。
およびクランプ12は上述した導電性セラミックスによ
り形成されており、磁気ディスク基板15が帯電するの
を防止でき、情報の書き込みや読み込みの際のノイズを
低減することができる。
ーサ11については、磁気ディスク基板15との接触面
11aの表面粗さ(Ra)が2.0μm以下、特に1.
0μm以下、また接触面11aの平行度が5μm以下で
あることが望ましく、これにより磁気ディスク基板15
を極めて高精度に保持することができる。また、スペー
サ11、シム10およびクランプ12の各エッジ部には
C面またはR面の面取りが施されている。
シム10およびクランプ12がヤング率80GPa以上
の高剛性部材からなるため、締め付け時に変形すること
がなく、高精度に保持できる。 また、磁気ディスク基
板15として熱膨張係数が4×10-6〜1×10-5のガ
ラスからなるものを用いた場合、高速回転による温度上
昇によっても磁気ディスク基板15とスペーサ11、シ
ム10およびクランプ12との熱膨張差が小さくできる
ため、磁気ディスク基板15を高精度に保持することが
できる。したがって、磁気ヘッド17の磁気ディスク基
板15に対する浮上量を極めて小さくすることができ、
情報記録密度を高めることができる。
iO4 、MgTiO3 、CaTiO3 、SrTiO3 、
BaTiO3 、Zn2 SiO4 、TiO2 、SiO2 お
よびB2 O3 のTiとSiとを含む酸化物を形成する成
分粉末を表1、2に示す割合で混合し、仮焼した後、表
1に示す導電性付与材を添加して、これに所定量の水又
は有機溶剤及び結合材を添加して約1時間混合した。そ
して、該混合粉を1.0ton/cm2 の成形圧で所定
の形状にプレス成形した後、大気雰囲気中にて表1に示
す温度で2時間焼成を行った。
デス法により密度を測定し、理論密度に対する比率であ
る相対密度を算出した。また、X線回折チャートから析
出結晶相の同定を行い、さらに、セラミックス表面を研
削加工した後、表面粗さ計により表面粗さ(Ra)を測
定した。
2mmの寸法に研削加工して体積固有抵抗値を測定し
た。さらに、同時に熱膨張係数とヤング率の測定を行っ
た。なお、各測定方法についてはJIS規定に基づいて
測定した。さらに、研磨面のSEM観察およびルーゼッ
クス解析から酸化物相と導電性付与相との割合を求め
た。結果は、表1、2に示した。
てTiCまたはTiNを添加混合し、大気中にて焼成す
る以外は実施例1と同様に作製し、評価した。結果は表
2に示した(試料No.25、26)。
に示す元素を含むガラス材料に変える以外は実施例1と
同様に作製し、評価した。結果は、表2に示した(試料
No.27〜29)。
示す導電性付与材を30重量%と、少量の公知の焼結助
剤成分を添加して成形後、非酸化性雰囲気中、1450
℃にて焼成してAl2 O3 質セラミックスを作製し、実
施例1と同様に評価した。結果は表2に示した(試料N
o.30、31)。
ない試料No.8では、表面粗さ(Ra)が2.0μm
を超えてしまった。結晶相として導電性付与材の析出が
見られない試料No.17では、セラミックスの体積固
有抵抗値が108 を超えてしまった。
る試料No.30、31では体積固有抵抗値が102 よ
り低くなり、また、研削時の研削抵抗が高く、かつ時間
がかかった。
面粗さ(Ra)2.0μm以下、特に1.2μm以下、
体積固有抵抗値が102 〜108 Ω・cmで、特に、導
電性付与材としての酸化亜鉛相の比率が30〜75体積
%の範囲内である試料No.1〜7、10〜16、18
〜29では、熱膨張係数が4×10-6〜1×10-5/℃
であり、ヤング率が80GPa以上を有するものを優れ
たものであった。
ラミックスを用いて磁気ディスク保持部材を作製し、図
1の磁気ディスク装置に搭載したところ、磁気ディスク
への静電気によるノイズが発生することなく良好な書き
込みが可能であった。
スを用いて磁気ディスク保持部材を作製し、図1の磁気
ディスク装置に搭載したところ、磁気ディスクへ静電気
によるノイズが発生してしまった。
セラミックスの体積固有抵抗値を所望の値に制御でき、
かつ容易に緻密化ができ平坦な表面を有することから、
高い寸法精度および耐摩耗性に優れた帯電防止部材が作
製でき、静電気による悪影響を防止することができる。
範囲に制御できるとともに、高いヤング率を有するもの
であることから、構造部材、特に磁気ディスクの保持部
材として使用すれば、磁気ディスク基板の熱膨張係数と
近似させることが出来、高速回転時に高温になっても熱
膨張差に伴う不都合を生じることが無く、かつ磁気ディ
スク基板に帯電した静電気を効率良く逃すことができ
る。
ある。
ための図である。
Claims (8)
- 【請求項1】Zn、Mg、Ca、SrおよびBaの群か
ら選ばれる少なくとも1種と、TiおよびSiとを含有
する酸化物に対して、導電性付与材として、金属、カー
ボン、酸化鉄、酸化錫、酸化銅、酸化コバルト、酸化ニ
オブ、酸化ニッケル、炭化チタンおよび窒化チタンの群
から選ばれる少なくとも1種を含有し、−50〜85℃
における体積固有抵抗が102 〜108 Ω・cm、かつ
表面粗さ(Ra)が2.0μm以下であることを特徴と
する導電性セラミックス。 - 【請求項2】Zn、Mg、Ca、SrおよびBaの群か
ら選ばれる少なくとも1種と、TiおよびSiとを含有
する酸化物系セラミックスからなり、該セラミックス中
に導電性付与材として酸化亜鉛が存在してなり、−50
〜85℃における体積固有抵抗が102 〜102 Ω・c
m、かつ表面粗さ(Ra)が2.0μm以下であること
を特徴とする導電性セラミックス。 - 【請求項3】前記Zn、Mg、Ca、SrおよびBaの
群から選ばれる少なくとも1種と、TiおよびSiとを
含有する酸化物が、スピネル型結晶相、イルメナイト型
結晶相、ウイレマイト型結晶相、エンスタタイト型結晶
相、CaSiO3 、SrSiO3 、BaSiO3 、Si
O2 型結晶相の群から選ばれる少なくとも1種以上であ
ることを特徴とする請求項1または2記載の導電性セラ
ミックス。 - 【請求項4】ホウ素(B)を酸化物換算で15重量%以
下含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか
記載の導電性セラミックス。 - 【請求項5】−50〜85℃における熱膨張係数が4×
10-6〜1×10-5/℃であることを特徴とする請求項
1乃至4のいずれか記載の導電性セラミックス。 - 【請求項6】−50〜85℃におけるヤング率が80G
Pa以上であることを特徴とする請求項1乃至5のいず
れか記載の導電性セラミックス。 - 【請求項7】請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の
導電性セラミックスからなることを特徴とする帯電防止
部材。 - 【請求項8】複数の磁気ディスクを所定の間隔で保持
し、該複数の磁気ディスクからの情報の読み取りまたは
情報の書き込みが可能な磁気ディスク装置であって、前
記磁気ディスクを保持する部材が、請求項1乃至請求項
6のいずれかに記載の導電性セラミックスからなること
を特徴とする磁気ディスク装置。
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