JP2000312055A - 半導体レーザ装置及びそれを用いた光伝送装置 - Google Patents

半導体レーザ装置及びそれを用いた光伝送装置

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JP2000312055A JP11893499A JP11893499A JP2000312055A JP 2000312055 A JP2000312055 A JP 2000312055A JP 11893499 A JP11893499 A JP 11893499A JP 11893499 A JP11893499 A JP 11893499A JP 2000312055 A JP2000312055 A JP 2000312055A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】Si基板に容易に形成可能な半導体レーザ及び
それを用いた光伝送装置を提供すること。 【解決手段】半導体レーザの活性層をベータ鉄シリサイ
ド(β−FeSi2)によって形成し、クラッド層をSi系
材料によって形成する。 【効果】同一Si基板に半導体レーザと電気信号回路と
を集積化してなる光伝送装置を実現することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体材料からな
るレーザ装置及び当該装置を用いた光伝送装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】光通信システムの光源に発光波長が1.
3μm帯及び1.55μm帯の半導体レーザ装置(以下
単に「半導体レーザ」という)が広くに用いられる。現
在実用化されているそのような波長帯の半導体レーザ
は、InGaAsP等のIII−V族化合物半導体によって形
成されるのが普通である。光通信システムで用いられる
通常の光ケーブルは、1.3μm帯及び1.55μm帯
で損失が最も低くなる特性を有しているが、前記化合物
半導体は、その波長帯に対応するバンドギャップを持つ
直接遷移半導体である。
【0003】なお、半導体レーザは、基本的には、活性
層と当該活性層で発光した光を閉じ込めるためのn型ク
ラッド層及びp型クラッド層とを有し、その代表例とし
て、基板面に垂直な2個の反射面でそれらを挟んで共振
器を形成する端面反射型と、基板面に平行な2個の反射
鏡でそれらを挟んで共振器を形成する面発光型とがあ
る。通常、n型クラッド層が下部に(基板側に)配置さ
れ、p型クラッド層が上部に配置される。
【0004】光通信システムを代表する光通信網は、高
速大容量化が進み、幹線系の発展が著しいが、今後の構
想として、光通信網を家庭にまで浸透させることを狙
い、加入者系に光通信を導入しようとする動きが浮上し
つつある。
【0005】さて、インターネットの普及及び発展に伴
い、家庭への送受信データは、将来ますます大容量化さ
れると予想されるが、光通信導入の光加入者系は、その
ような動きに応えるものとなる。光加入者系の基本要素
となる半導体レーザ及びこれを用いた光伝送装置は、家
庭用を指向するため、特にその低コスト化・高性能化が
厳しく追及され、今後の素子開発に必須の技術課題がと
なっている。
【0006】光伝送装置の低コスト化、高性能化の追及
の一つとして、光デバイスと電気信号回路との集積化が
盛んに研究されている。そのような集積化が進めば、単
にサイズの小型化に止まらず、部品の削減や信頼性の向
上などの効果により、低価格化、堅牢化、高信頼化、低
電力化、高性能化が実現されることになる。
【0007】Si基板上に電気信号回路を集積化する技
術は高度に成熟している。従って、そのSi基板上にGa
As系半導体レーザを搭載する技術(例えば「ジャパニ
ーズ・ジャーナル・オブ・アプライド・フィジクス〔Ja
panese journal of AppliedPhysics)」(1991年1
2月発行)第30巻第12B号第3876頁〜第387
8頁参照〕が集積化光伝送装置を実現するためのポイン
トとなる。しかし、GaAs系等のIII−V族化合物半導
体とSiとは、結晶構造が大きく異なるため、Si基板と
半導体レーザとの間に格子不整合による歪を緩和するた
めの層の介在が必要になる。介在する層の構造は、複雑
であり、また多くの製造工程を必要とし、目的とする低
コスト化を実現することが困難という問題点があった。
【0008】また、実用化が期待されている集積化の別
の技術として、平面光回路(PLC:Planer Lightwave Cir
cuit)を用いたハイブリッド光集積回路がある。これ
は、従来光ファイバを用いていた光デバイス間接続を基
板上に形成されたSiO2等の光導波路で置き換えること
により小型化を図るものである。
【0009】しかしながら、III−V族化合物半導体を
材料に用いた半導体レーザがSiやSiO2と屈折率や熱
膨張係数等が大きく異なるため、半導体レーザと光導波
路との間に結合損失が生じることが避けられず、また位
置合わせが厳しくなるという問題点があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
従来技術の前者の問題点を解決し、Si基板に容易に形
成可能な半導体レーザ及びそれを用いた光伝送装置を提
供することにある。
【0011】
【発明を解決するための手段】本発明の前記課題は、半
導体レーザの活性層をベータ鉄シリサイド(β−FeSi
2)によって形成し、更に、上部及び下部クラッド層を
Si系材料によって形成することにより、効果的に解決
することが可能である。そのような手段を採用すれば、
全体がSi系材料で形成される結果、Si基板との間に格
子不整合を生ずることがなく、Si基板上に容易に半導
体レーザを形成することができるからである。面発光型
の場合、反射鏡もSi系材料の採用が可能となる。
【0012】もっとも、ベータ鉄シリサイドが直接遷移
半導体であることを示し、これを活性層に利用した発光
波長が1.5μmの発光ダイオードが開示されている
〔例えば英国雑誌「ネーチャ(nature)」(1997年6
月発行)第387巻第686頁〜第688頁参照〕。
【0013】本発明は、直接遷移半導体であるベータ鉄
シリサイドのバンドギャップが0.8〜0.95eVで
発光波長が1.3μm〜1.55μm帯になることか
ら、これを半導体レーザの活性層に用い、かつ、全体を
Si系材料で形成することにより、加入者系等の一般向
け光通信に好適な半導体レーザを提案するものである。
【0014】半導体レーザを形成する基板をSiとする
ことにより、当該基板に通常の半導体集積回路技術によ
って多数の電気信号回路を集積化することが可能とな
り、それによって同一Si基板上に光デバイスと電気信
号回路とを集積化した光伝送装置を実現することができ
る。本発明の光伝送装置には、半導体集積回路で培われ
た円熟した技術が利用可能であり、従って、コストの大
幅な削減を実現することができる。
【0015】また、本発明の半導体レーザをSiO2等の
導波路を形成してなるSi基板に形成することにより、
結合損失の少ないハイブリッド光集積回路を実現するこ
とができる。半導体レーザがSi系材料によってなるの
で、その屈折率や熱膨張係数等が光導波路と合致するか
らである。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る半導体レーザ
及びそれを用いた光伝送装置を図面を用いた幾つかの実
施例による発明の実施の形態を参照して更に詳細に説明
する。なお、図1〜図9における同一の記号は、同一物
又は類似物を表示するものとする。
【0017】
【実施例】<実施例1>本発明による面発光半導体レー
ザの実施例を図1に示す。図1は、当該半導体レーザの
断面構造を示し、101はn型Si基板、102は、n型Si基
板101上に形成したSi/SiO2多層膜からなる下部反射
鏡、103は、下部反射鏡102上に形成した不純物濃度1×
1018/cm3のn型Siクラッド層(下部クラッド
層)、104は、n型クラッド層103上に形成したベータ鉄
シリサイドによる活性層、105は、活性層104上に形成し
た不純物濃度1×1018/cm3のp型Siクラッド層
(上部クラッド層)、106は、p型クラッド層105の上に
形成したSi/SiO2多層膜からなる上部反射鏡、107,
108は、n型クラッド層103及びp型クラッド層105に電
気的に接続されたそれぞれn型電極、p型電極である。
活性層104で生起した光がクラッド層103,105によって
閉じ込められかつ下部及び上部反射鏡102,106で反射し
て共振し、レーザ光となる。下部及び上部反射鏡102,1
06に挟まれた構造が共振器となる。レーザ光の波長は、
1.55μmである。
【0018】以上の本面発光半導体レーザの作製方法を
図2及び図3を用いて以下に説明する。まず、図2に示
すように、Si基板101上に熱酸化とウエハ融着により、
10周期のSi/SiO2多層膜からなる下部反射鏡102を
形成する。即ち、最初にSi基板101を熱酸化してSiO2
膜110を形成する(図2a)。次に、形成したSiO2膜1
10の表面と、別のSi基板111の表面とを密着させ、真空
中で加重を掛けながら、500℃で30分アニールして
融着させる(図2b)。続いて、SiO2膜110上に融着
したSi基板111を研磨により所定の厚さを残して除去す
る(図2c)。以上の工程により、一周期の反射鏡が形
成される。
【0019】この工程を繰返すことにより、図2dに示
す任意の周期の反射鏡が得られる。本実施例では、10
周期としたが、周期数は、任意に選択可能であることは
言うまでもない。なお、次にエピタキシャル成長工程が
あることを考慮して、反射鏡の最上部層は、Si層とす
る。
【0020】下部反射鏡102を形成した後の工程を図3
に示す。まず、反射鏡102の上に分子線エピタキシー法
により、n型Siクラッド層103、不純物を含まないアン
ドープSi層112、p型Siクラッド層105を順にエピタキ
シャル成長させる(図3a)。このとき、n型の不純物
(ドーパント)にBを用い、p型の不純物にSbを用い
る。
【0021】次に、ベータ鉄シリサイド活性層104を形
成するためにFeのイオン打ち込みを行なう(図3b)。
Feイオンの打ち込みエネルギーは100kV、ドーズ
量は1×1017ions/cm2とする。イオン打ち込みの
後、Ar雰囲気中で900℃で24時間のアニールを行
なう。このイオン打ち込みとそれに続くアニールによ
り、アンドープSi層112は、膜厚0.15μmのβ−F
eSi2活性層104となる(図3c)。以上の工程でp型ク
ラッド層105までが形成される。
【0022】以上の工程とは別に、図2に示した工程を
用いてSi/SiO2多層膜からなる上部反射鏡106を形成
したSi基板を用意する。この別途用意したSi基板を反
射鏡側を下にしてp型クラッド層105に融着し、余分な
部分を研磨により削り落す(図3d)。融着の条件は、
図2bに示した工程の場合と同じとする。
【0023】続いて、フォトリソグラフィとドライエッ
チングにより、下部反射鏡106を所定の形状にすると共
に、n型クラッド層103及びp型クラッド層105を露出さ
せる(図3e)。最後に、それらの層の上にAl蒸着に
より、それぞれn型電極107、p型電極108を形成する
(図3f)。
【0024】本実施例の面発光半導体レーザは、活性層
104にβ−FeSi2を用いることにより、反射鏡102,106
にSi/SiO2多層膜の採用が可能となり、更に、活性
層104及び反射鏡102,106にSi系材料を用いることか
ら、半導体レーザをSi基板上に形成することが可能と
なる。
【0025】Si/SiO2多層膜においては、Siが屈折
率3.24、SiO2が屈折率1.46であることから、
大きな屈折率差が得られ、これによって高い反射率の反
射鏡を少ない層数で形成することが可能となる。従来の
InP系の材料では、この屈折率差が小さいため、層数
を多くしても十分な反射率を得ることが困難である。本
実施例は、InP系材料では作製が困難であった1.5
5μm帯の面発光半導体レーザを提供するものである。
なお、本発明では、この波長に限らず、活性層104のベ
ータ鉄シリサイドの組成比を変えることによってバンド
ギャプを変え、1.3μm帯とすることが可能である。
【0026】次に、同一のSi基板上に面発光半導体レ
ーザと電気信号回路とを形成して集積化した光伝送装置
の実施例を図4に示す。図4において、150は、Si基板
101上に上記の方法によって形成した面発光半導体レー
ザ、152は、面発光半導体レーザ150に伝送すべき送信信
号を供給するための駆動回路、153は、駆動回路152に供
給する送信信号を生成する送信回路である。駆動回路15
2及び送信回路153が電気信号回路151となるが、この電
気信号回路と、半導体レーザ150、駆動回路152及び送信
回路153を電気的に相互に接続するための配線154とが通
常の半導体集積回路技術によって形成される。
【0027】本実施例の光伝送装置は、面発光半導体レ
ーザと電気信号回路とを同一基板上に形成することによ
って著しく小型化され、低価格かつ高信頼の装置とな
る。
【0028】<実施例2>上部及び下部反射鏡に3次元
ブラッグ(Bragg)反射器を用いた別の面発光半導体レ
ーザの実施例を図5に示す。図5において、201はn型
Si基板、202,206は、Si/SiO2からなる3次元ブラ
ッグ(Bragg)反射器によるそれぞれ下部反射鏡及び上
部反射鏡、213は、下部反射鏡202及び上部反射鏡206で
挟んだ光閉じ込め層、204は、光閉じ込め層213の中央部
に形成した活性層を示す。なお、本実施例の場合は、n
型電極207が基板201の裏面に形成され、p型電極208が
上部反射鏡206の上に形成される。レーザ光の波長は、
実施例1の場合と同様1.55μmである。
【0029】ここで用いる3次元ブラッグ反射器は、S
iとSiO2からなるストライプが互いに井桁状に重なっ
たものである。SiO2は、この井桁構造の周期、即ち、
Si:SiO2の充填率は、活性層204の発光波長(1.5
5μm)の光の伝播を禁止するように設定される。通
常、各層の厚さ及ストライプの幅は、0.1〜1μmで
ある。
【0030】一方、光閉じ込め層213は、基板201の水平
方向にのみ周期構造を持つ。このような3次元構造の層
213と同じく3次元構造の下部及び上部反射鏡202,206
とにより、自然放出光はレーザの出射方向のみに制限さ
れる。これにより、レーザ光の共振モードへの結合効率
が増大し、従って、閾値電流が低減するという好ましい
結果を得ることができる。なお、下部及び上部反射鏡20
2,206のSiは、それぞれn型Si、p型Siを用いて形
成されており、反射鏡202,206のSi部分が導電層を兼
ねている。
【0031】以上の本面発光レーザの作製方法を図6及
び図7を用いて以下に説明する。最初に、n型Si基板2
01の上に電子線リソグラフィによってレジストパターン
214を形成する(図6a)。これを熱酸化することによ
り、レジストパターン214が塗布されない部分にSiO2
のストライプパターン215が形成される(図6b)。
【0032】次に、この上に別のn型Si基板216を融着
し、一層分の厚さまで研磨する(図6c)。その後、電
子線リソグラフィを用いて先に形成したストライプと直
交する方向にレジストパターンを形成する。これを熱酸
化することにより、レジストパターン214が塗布されな
い部分にSiO2の一組の直交するストライプパターンが
形成される(図6d)。この図6a〜図6dの工程を繰
返すことにより、任意の周期の構造を得ることができ
る。
【0033】このようにして10周期積み重ねの構造を
形成した後、その上に光閉じ込め層213を形成する。即
ち、図6cに示したのと同様の方法でアンドープSi基
板を10周期構造の上に融着し、研磨する。研磨後残す
層厚は、完成時の光閉じ込め層213の厚さ(3層分)と
同じにする。続いて、研磨面にレジストパターン214を
形成し、熱酸化を行なう(図6e)。更に、これと直交
する方向に同様の工程を行なう。その結果、図6fに示
した田の字型のパターンが形成される。ここでは、精度
を上げるため、二段階の工程を採用したが、初めからレ
ジストパターンを田の字型としてもよい。
【0034】その後、Feのイオン注入と、アニールを
行ない、光閉じ込め層213の中央部分にβ−FeSi2活性
層204を形成する。注入及びアニールの条件は、実施例
1の場合と同じである。光閉じ込め層213は、活性層204
とその上下の層の3層構造になるが、その上の層が上部
クラッド層、下の層が下部クラッド層になる。
【0035】活性層204の形成の後、光閉じ込め層213の
上に上部反射鏡206を形成する。上部反射鏡206は、基板
にp型Si基板を採用して図6a〜図6dと同様の方法
を用いて形成する。最後に、Al蒸着により、上記各層
を形成したSi基板201の表面にp型電極208、裏面にn
型電極207を形成する。
【0036】本実施例の面発光半導体レーザは、前記し
た閾値電流を低減することができる効果に加え、実施例
1の場合と同様、Si基板上に形成することが可能とい
う効果を有する。
【0037】なお、上記のブラッグ反射器202,206及び
光閉じ込め層213のSi化合物にSiO2を採用したが、本
発明は、これに限らず、屈折率の低い他のSi化合物、
例えばSiGeやSi34等を採用可能であり、同様の効
果を得ることができる。
【0038】<実施例3>本発明による端面反射型のリ
ッジ型半導体レーザの実施例を図8に示す。図8は、当
該半導体レーザの断面構造を示し、301はn型Si基板、
303は、n型Si基板301の上に形成した不純物濃度が1
×1018/cm3のn型Siクラッド層(下部クラッド
層)、304はn型Siクラッド層303上に形成したベータ
鉄シリサイドによる活性層、305は、活性層304上に形成
した不純物濃度が1×1018/cm3のp型Siクラッド
層(上部クラッド層)、307は、基板301の裏面に形成し
たn型電極、308は、クラッド層305に接して形成したp
型電極である。
【0039】以上の本半導体レーザの作製方法を以下に
記す。n型Si基板301上に、n型Siクラッド層303、ア
ンドープSi層、p型Siクラッド層305を分子線エピタ
キシー法によって形成する。各層の膜厚は、クラッド層
303,305を各々1μm、アンドープSi層を0.1μm
とする。このとき、n型の不純物にBを用い、p型の不
純物にSbを用いる。なお、不純物は、これに限らず、
それぞれの導電性を与える他の不純物を使用することが
できる。
【0040】次に、Feのイオン打ち込みを行なう。打
ち込みエネルギーは1.4MeV、ドーズ量は1×10
17ions/cm2とする。この打ち込みエネルギーは、Fe
イオンがクラッド層305を通過し、アンドープSi層に丁
度届くように設定されたものである。クラッド層305の
厚さを変えた場合は、打ち込みエネルギーはそれに準じ
た値になる。続いて、Ar雰囲気中において、900℃
で24時間のアニールを行なう。このアニールによりア
ンドープSi層がβ−FeSi2の活性層304となる。
【0041】以上の工程によって積層構造が作製され、
次にリッジの形成と電極形成の工程に移る。フォトリソ
グラフィによって幅2μm、長さが少なくとも600μ
mのレジストパターンを形成する。このレジストパター
ンをマスクにしてマイクロ波プラズマエッチングによ
り、約1.5μmエッチングを行なう。このドライエッ
チングによってストライプ構造を形成した後、パッシベ
ーション層309となるポリイミドを塗布し、表面を平坦
化する。続いて、上記各層を形成してなる基板301の表
面にAlを蒸着してp型電極308を形成する。更に、基板
301の裏面を研磨した後、研磨面にAlを蒸着してn型電
極307を形成する。最後に、前記ストライプの両端で、
ストライプに対して垂直な方向に基板301を劈開して反
射面を形成する。
【0042】本実施例の半導体レーザは全体がSi系材
料によって形成されるので、SiO2などのSi化合物に
よる光導波路と屈折率や熱膨張係数等が合致し、それに
よって半導体レーザと光導波路とを低損失で結合するこ
とが可能となるほか、両者の位置合わせ精度を緩和する
ことができる。
【0043】本実施例の半導体レーザを搭載したハイブ
リッド光集積回路による光伝送装置を図9に示す。図9
において、321はSi基板、322は、上記方法によって作
製した半導体レーザ(LD)、323は、Si基板321上に
形成したSiO2による光導波路、325はSi系材料によっ
て作製したフォトダイオード(PD)、324は、半導体
レーザ322及びフォトダイオード325に接続する電気信号
回路である。
【0044】電気信号回路324は、伝送する信号を生成
する送信回路、同信号を半導体レーザ322に供給する駆
動回路及びフォトダイオード325からの電気信号を受け
て受信信号を生成する受信回路からなり、1個の集積回
路として構成される。
【0045】本発明の半導体レーザを採用することによ
り、半導体レーザ322と光導波路323との結合が容易とな
る。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、Si基板上に容易に形
成可能なSi系材料による半導体レーザを実現すること
ができる。そのため、同一Si基板上に半導体レーザと
電気信号回路とを集積化することが可能となり、従っ
て、光伝送装置を1個の光集積回路で構成することがで
き、光伝送装置の小型化、低価格化、信頼性向上を達成
することができる。それにより光通信システムの大幅な
コストダウン、信頼性の向上が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る半導体レーザの第1の実施例を説
明するための断面図。
【図2】図1の半導体レーザの作製方法を説明するため
の工程図。
【図3】図1の半導体レーザの作製方法を説明するため
の工程図。
【図4】図1の半導体レーザを用いた光伝送装置を説明
するための平面図。
【図5】本発明の半導体レーザの第2の実施例を説明す
るための断面図。
【図6】図5の半導体レーザの作製方法を説明するため
の工程図。
【図7】図5の半導体レーザの作製方法を説明するため
の工程図。
【図8】本発明の半導体レーザの第3の実施例を説明す
るための断面図。
【図9】図8の半導体レーザを用いた光伝送装置を説明
するための平面図。
【符号の説明】
101,111,201,301…Si基板、102,202…下部反射
鏡、103,303…下部クラッド層、104,204,304…β−
FeSi2活性層、105,305…上部クラッド層、106,206
…上部反射鏡、107,207,307…n型電極、108,208,3
08…p型電極、110…SiO2膜、112…アンドープSi
層、213…光閉じ込め層、150…半導体レーザ、151…電
気信号回路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 勝山 俊夫 東京都国分寺市東恋ヶ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 Fターム(参考) 5F073 AA51 AA62 AB17 CA24 CB04 DA06 DA14 DA35

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に下部クラッド層、活性層及び上
    部クラッド層を順次積層してなる構造を有し、当該構造
    を含んで共振器を形成する半導体レーザ装置において、
    前記活性層は、ベータ鉄シリサイドによって形成され、
    前記上部及び下部クラッド層は、シリコン系材料によっ
    て形成されていることを特徴とする半導体レーザ装置。
  2. 【請求項2】 前記基板は、材料がSiであることを特
    徴とする請求項1に記載の半導体レーザ装置。
  3. 【請求項3】 前記共振器が基板面に垂直な2個の反射
    面を有し、当該2個の反射面によって前記構造が挟まれ
    た端面反射型であることを特徴とする請求項1又は請求
    項2に記載の半導体レーザ装置。
  4. 【請求項4】 前記共振器が基板面に平行な2個の反射
    鏡を有し、前記構造が当該2個の反射鏡によって挟まれ
    た面発光型であることを特徴とする請求項1又は請求項
    2に記載の半導体レーザ装置。
  5. 【請求項5】 前記2個の反射鏡は、3次元のブラッグ
    反射器で構成されていることを特徴とする請求項4に記
    載の半導体レーザ装置。
  6. 【請求項6】 前記2個の反射鏡は、Siの層とSi化合
    物の層とを交互に積層してなることを特徴とする請求項
    4又は請求項5に記載の半導体レーザ装置。
  7. 【請求項7】 前記Si化合物は、SiO2、SiGe、Si
    34からなる群から選択された化合物であることを特徴
    とする請求項6に記載の半導体レーザ装置。
  8. 【請求項8】 請求項1〜請求項7のいずれか一に記載
    の半導体レーザ装置と、伝送すべき信号を当該半導体レ
    ーザ装置に供給する電気信号回路とを備えていることを
    特徴とする光伝送装置。
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