JP2000312004A - 低消費電力論理機能回路 - Google Patents

低消費電力論理機能回路

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JP2000312004A
JP2000312004A JP11119651A JP11965199A JP2000312004A JP 2000312004 A JP2000312004 A JP 2000312004A JP 11119651 A JP11119651 A JP 11119651A JP 11965199 A JP11965199 A JP 11965199A JP 2000312004 A JP2000312004 A JP 2000312004A
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Masami Hashimoto
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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来のSOI基板を用いた集積回路の論理回路
は広範囲に電源電圧変動する場合に、低電圧側で停止し
やすい回路であるか、もしくは低電圧動作に強くとも高
電圧側でリーク電流が生じる回路であるか、もしくは消
費電力と素子効率の悪い回路であって、電源電圧が大き
く変動する電源の場合に広範囲で低消費電力に適した回
路方式がないという課題があった。 【解決手段】高電圧に適したFBMOS方式の第1論理
機能回路と低電圧に適したDTMOS方式の第2論理機
能回路を設け、かつ電源電圧検出回路と、高電位でも低
電位でも動作するMTMOS方式の切替制御回路によっ
て電源電圧の高低によって第1,第2論理機能回路を切
り替えるようにした。 【効果】電源電圧が高低いずれであっても、電力消費が
少なく、かつ低電圧でも動作する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は埋め込み酸化膜層を
有するシリコン・オン・インシュレータ(以下SOIと
略す)基板を用いた半導体集積回路、特に絶縁ゲート電
界効果型トランジスタ(以下MOSFETと略す)を用
いた集積回路の低消費電力化の技術に関わる。殊に有限
なエネルギー源が消耗するとともに電圧が減少する電源
を用いた集積回路の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の集積回路において、論理機能回路
の低消費電力化を図る技法として、様々な方法がある。
相補型MOSFET(以下CMOSと略す)回路の消費
電力は簡易的にはfCV2で表される。ここでfは動作
周波数であり、Cは信号が変化する箇所の寄生静電容量
であり、Vは電源電圧である。前記の式が消費電力を簡
易的に表現しており、これらの各要素を小さくすれば論
理機能回路の消費電力は低減することができる。そこで
寄生静電容量Cを低減する有力な方法として埋め込み酸
化膜層を有するSOI基板を集積回路に用いることが広
まって来た。SOI基板を用いた集積回路のMOSFE
Tの断面の構造を図8に示す。
【0003】図8において、86は二酸化珪素からなる
埋め込み絶縁膜層である。絶縁膜層があるためにドレイ
ン電極83やゲート電極81と基板87との間の寄生静
電容量は通常バルクの場合に比較して著しく少なくな
り、論理機能回路として動作する際の充放電による消費
電力が低減する。したがって、反転回路(以下インバー
タ回路と略す)例で説明すれば、図7のように従来の通
常バルクと同様のCMOSインバータ回路をSOI基板
の上で構成しただけでも、ドレイン電極の拡散層による
ジャンクション容量が減少し、低消費電力となった。
【0004】また、図4に示すようにCMOSインバー
タ回路を構成する各P、NのMOSFETのボディ電位
をフローティング状態(以下FBMOSと略す)として
電位を固定せずに使用した場合はゲート電極の寄生静電
容量は更に減少し、低消費電力となった。以上が寄生静
電容量を減らして低消費電力を図った従来例である。
【0005】さて、次に電源電圧Vを小さくして論理機
能回路の消費電力の低減を図った従来例を挙げる。
【0006】図5はSOI基板を用いたMOSFETに
おいてゲート電極とボディ電位を接続して用いた動的し
きい値MOSFET(以下DTMOSと略す)の構成を
示している。ゲート電極にMOSFETをオン(ON)
させる電位を加えたときボディ電位もゲート電極と同電
位になるので、通常のMOSFETの使い方であるボデ
ィはソース電極と同電位の場合に比較してバックゲート
効果により実効的なスレッショルド電圧(しきい値電
圧)は低くなり、よりオンしやすくなって、低電圧で動
作させることが出来る。なお、図5において、ゲート電
極にオフ(OFF)する電位を与えた場合はボディ電位
はソース電極と同電位となるのでバックゲート効果は消
え従来と同様のスレッショルド電圧になるのでオフ時に
リーク電流(漏洩電流)は流れない。以上より、実効的
に低スレッショルド電圧が実現できるので電源電圧を低
くすることが出来て、消費電力を低減する方法である。
【0007】また、図6はSOI基板を用いたMOSF
ETにおいて逆方向ダイオード手段を介してゲート電極
とボディ電位を接続して用いた可変しきい値MOSFE
T(以下MTMOSと略す)の構成を示している。この
MTMOS方式はDTMOS方式と同様に実効的に低ス
レッショルド電圧が実現できるので電源電圧を低くする
ことが出来て、消費電力を低減する方法であり、かつ電
源電圧が高くなった場合にも順方向ダイオードによるリ
ーク電流が防止できるのでDTMOSよりも広い電源電
圧範囲で使用できる方式である。以上のようにSOI基
板を用いることにより、寄生静電容量を減らし、かつボ
ディ電位を制御することにより、実効的に低スレッショ
ルド電圧となる構成として、電源電圧を下げ、低消費電
力としていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】さて、電源電圧が一定
であれば従来例の方式はそれぞれ、有効な方式である。
つまり、図4のFBMOS方式は電源電圧が高く一定の
場合には寄生静電容量が減った分だけ低消費電力とな
る。しかしながら、非常に低い電源電圧の場合にはスレ
ッショルド電圧が必ずしも低くないのでDTMOS方式
やMTMOS方式に比較して低電圧動作は不十分であ
る。したがって低電圧にして更に低消費電力化を図る手
法がとれない欠点がある。
【0009】また、図5のDTMOS方式を用いた回路
方式は電源電圧が低い場合には非常に有効な方式である
が、逆に電源電圧が高くなるとゲート電極とボディを接
続しているため、MOSFETをオンさせる電位をゲー
ト電極に与えると、ゲート電極からボディ、そしてソー
ス電極という経路に順方向ダイオードが存在し、それを
介してリーク電流が流れてしまうという課題がある。
【0010】また、図6のMTMOS方式を用いた回路
は前述したDTMOSを高い電源電圧で用いた際のリー
ク電流を防ぐためにゲート電極とボディを逆方向ダイオ
ード手段65、66を介して接続している。このため実
効的に低いスレッショルド電圧が実現するので低電圧で
使用できる、とともに電源が高い電圧になっても前述し
たリーク電流が流れない特徴をもつ回路方式である。し
かし逆方向ダイオード手段を有するためレイアウトパタ
ーン面積は大きくなり、ゲート電極に付随する寄生静電
容量が増加しているので、低い電圧においてはDTMO
S方式より消費電力が増加し、また高い電圧ではFBM
OS方式より消費電力が増加するという課題がある。
【0011】以上、従来においてもそれぞれ低電力化の
手法はあるものの、電源電圧がある程度高い電圧から消
耗して低い電圧まで変化するような用途では必ずしも最
良でも万能な方法でもない。つまり、具体的には消耗す
る電池やコンデンサやゼンマイから発生させた電源にお
いては初期は比較的高い電源電圧があり、そして次第に
エネルギーが消耗されるにつれ、電源電圧が低下するよ
うな場合であって、かつ限られたエネルギー源を可能な
限り有効に使いきる場合にはまだ、無駄の多い方式であ
った。
【0012】そこで本発明はこのような課題・問題点を
解決するもので、その目的とするところは有限、かつエ
ネルギーが消耗するにつれ、電源電圧が変動、減少して
いく電源において、電源電圧が高い間においても、消耗
して低い電圧になった場合においても、それぞれの領域
で低消費電力で動作し、かつエネルギーが消耗しつくす
極限の低電圧までも動作する低消費電力の論理機能回路
を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の低消費電力論理
機能回路はSOI基板上に形成し、FBMOS方式で構
成された第1論理機能回路と、それと等価の論理機能を
持つDTMOS方式で構成させた第2論理機能回路と、
電源電圧を検出する電源電圧検出回路と、この電源電圧
検出回路の信号によって第1論理機能回路と第2論理機
能回路を切り替えるMTMOS方式で構成された切替制
御回路からなることを特徴とする。
【0014】
【作用】本発明の上記の構成によれば、SOI基板上に
構成しているので、寄生静電容量が少なく消費電力が低
減される。
【0015】また、電源電圧検出回路と切替制御回路に
より、電源電圧が高い場合にはFBMOS方式の第1論
理機能回路が動作し、第2論理機能回路は停止するの
で、高い電圧では余計なレイアウトパターンがなく寄生
静電容量が少ない第1論理機能回路が、より少ない消費
電力で動作する。また、電源エネルギーが消耗して低い
電源電圧となった場合には第2論理機能回路が動作し、
第1論理機能回路は停止するので、第2論理機能回路は
低スレッショルド電圧で非常に低い電源電圧でも動作を
つづけ、電源エネルギーが消耗しつくすまで有効に動作
する。
【0016】また、切替制御回路はMTMOS回路方式
であるので電源が高い場合でも低い場合でもリーク電流
が流れることなく、確実に動作をする。なお、切替制御
回路はMTMOS回路方式であるのでDTMOS方式に
比較してレイアウトパターンはやや無駄が多く、かつ低
電圧時における消費電力はやや大きいが、切替制御の役
目をする回路に限定して使用するので、回路規模は小さ
く、総合的には最も消費電力が少ない、あるいは有効に
消費する論理機能回路となる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、実施例により本発明の詳細
を示す。
【0018】図1は本発明の実施例を示す回路ブロック
図である。図1において1はFBMOS方式によって構
成された第1論理機能回路である。なお、FBMOS方
式とは図4のインバータ回路の例に示すごとく、図4の
インバータ回路を構成するP型MOSFET41やN型
MOSFET42のようにMOSFETのボディ(通常
バルクのMOSFETの基板に相当する)の電位を浮い
た状態(フローティング状態)として電位を固定しない
方式である。P型MOSFET41のソース電極は正極
の電源+VDDに接続され、N型MOSFET42のソー
ス電極は負極の電源−VSSに接続され、P型MOSFE
T41とN型MOSFET42のゲート電極とドレイン
電極は互いにそれぞれ接続されていて、通常バルクのC
MOS回路と同様にインバータ回路を構成している。し
かし、ボディ電位はP型MOSFET41もN型MOS
FET42もフローティング状態である。したがってM
OSFETのスレッショルド電圧は動作状態において微
妙に変動するが、単なるロジック回路の機能としては支
障のない程度である。このときゲート電極43から見た
寄生静電容量はボディが固定されている状態よりは小さ
くなる。
【0019】この理由を図8でさらに詳しく説明する。
図8はSOI基板でMOSFETを構成した断面図であ
る。図8において81はポリシリコンによるゲート電
極、82はN+拡散層によるソース電極、83はN+拡散
層によるドレイン電極、84は二酸化珪素によるゲート
膜、85はボディ(通常バルクのMOSFETの基板に
相当する)である。また、86は二酸化珪素の埋め込み
酸化膜層、87はシリコンによる基板である。さて、ゲ
ート電極81の寄生静電容量は主としてゲート膜84を
介してホディ85との間によるキャパシタであるが、ホ
ディをFBMOSとしてフローティング状態として用い
れば、ボディ85は電位的には当然のごとく、どことも
接続されていない。したがって埋め込み酸化膜層86を
介したボディ85と基板87の間に存在するキャパシタ
と前述したゲート膜84を介したゲート電極81とボデ
ィ85の間に存在するキャパシタの直列接続として合成
されたキャパシタの静電容量がゲート電極81と基板8
7の間に存在する寄生静電容量となる。この寄生静電容
量がゲート電極81の主とする寄生静電容量となる。こ
の寄生静電容量は前述したように直列接続の関係となっ
ており、かつゲート膜84の厚さに比較して埋め込み酸
化膜86の厚みは通常10倍以上厚いので、静電容量の
値は非常に小さくなる。したがってボディをフローティ
ング状態にするとホディ電位を固定した場合に比較して
ゲート電極の寄生静電容量は非常に小さくなり、動作に
よる充放電電流による消費電力は少なくすることが出来
る。なお、ここではN型MOSFETの場合で説明した
が、P型MOSFETの場合でもほぼ同様である。ま
た、FBMOS方式の場合、ボディ電位をとるための余
計な構成を必要としないのでレイアウトパターンが簡
単、効率的で占有面積は小さくて済む。なお、第1論理
機能回路において回路構成はインバータ回路のみなら
ず、非論理積回路(以下NAND回路と略す)、非論理
和回路(以下NOR回路と略す)など一般の論理回路を
含めて構成している。ただし、その構成するMOSFE
Tのボディ電位はすべてフローティング状態で構成して
いる。
【0020】さて、図1にもどる。図1において2はD
TMOS方式によって構成された第2論理機能回路であ
る。該第2論理機能回路2は論理機能としては前記第1
論理機能回路1と等価の機能を有している。第2論理機
能回路2と第1論理機能回路1の違いは第1論理機能回
路1がFBMOSで構成されているのに対し、第2論理
機能回路2はDTMOSで構成されていることである。
【0021】ここでDTMOS方式を図5のインバータ
回路を例として説明する。図5においてP型MOSFE
T51のソース電極は正極の電源+VDDに接続され、N
型MOSFET52のソース電極は負極の電源−VSSに
接続され、P型MOSFET51とN型MOSFET5
2のゲート電極とドレイン電極は互いにそれぞれ接続さ
れていて、通常バルクのCMOS回路と同様にインバー
タ回路を構成している。そしてボディ電位はP型MOS
FET51もN型MOSFET52もともにそれぞれの
ゲート電極に接続されている。何故にゲート電極とボデ
ィ電位を接続するかをN型MOSFET52を例にとっ
て次に説明する。N型MOSFET52はゲート電極の
電位が高電位(High)のときオンし、低電位(LO
W)のときオフする。通常バルクで通常のN型MOSF
ETの使い方としては基板電位は−VSSに固定している
が、図5のN型MOSFET52のボディ(基板に相
当)はゲート電極に接続されている。なお、SOI基板
を用いているので図8のボディは二酸化珪素の絶縁膜に
より、基板から独立しており、接続したゲート電極とほ
ぼ同電位となる。さてボディ電位が−VSSとなるのはゲ
ート電極の電位が低電位となるオフ状態の場合である。
オンの場合はゲート電極の電位は高電位となり、かつそ
の電位がボデイの電位となる。つまり本来N型MOSF
ETのボディ(基板)電位は−VSSが通常の使い方であ
るのい対し、DTMOS方式ではオンのときボディ(基
板)電位は+VDDとなる。したがってバックゲートバイ
アス効果により、スレッショルド電圧は低く(オンしや
すい方向)なる。したがってDTMOS方式をとるとオ
フ時にはリーク電流を流さないスレッショルド電圧であ
りながら、オン時にはそのスレッショルド電圧より非常
に低いスレッショルド電圧を実効的に作り出すことがで
きる。したがって、その分、より低電圧動作が可能とな
り、電源電圧を下げることができたり、また、電源が消
耗して低電圧となっても引き続き動作し続けることが可
能となる。電源電圧が低い場合には前述したように消費
電力が低下する。
【0022】なお、ゲート電極とボディ電位を如何にと
るかの一例を図9に示す。図9はN型MOSFETを上
から見た平面図である。図9において、91はポリシリ
コンによるゲート電極、92はN型拡散層によるソース
電極、93はN型拡散層によるドレイン電極である。ゲ
ート電極91の直下のチャネルはボディとなっている。
94はゲート電極のポリシリコンにコンタクトを開け、
+拡散をドープしている。P型のボディはゲート電極
91の下からコンタクトが存在するP+拡散層94を通
りアルミでコンタクトを覆うことでゲート電極91と接
続して同電位となる。
【0023】また、図5に戻るが、以上がそのまま成立
するのは電源電圧がPNダイオードの接触電位(ダイオ
ードの順方向降下電圧)より、低い場合であって、電源
電圧が高い場合にはオン時のゲート電極が高電位のと
き、ボディ電位も高電位となるが、N型MOSFET5
2のボディはP型拡散に対し、ソース電極はN型拡散で
−VSSであるので、ボディ(P)とソース電極(N)の
間にPNの順方向ダイオードが存在することになり、リ
ーク電流が流れてしまう。したがってDTMOS方式は
電源電圧がダイオードの接触電位より低い状態に限られ
る。また、以上はN型MOSFETの場合で説明した
が、P型MOSFETもゲート電極とボディ電位を接続
すれば同様の効果があり、低電圧動作が可能となる。か
つ、電源電圧が高い場合にはリーク電流が流れるという
同様の課題がある。また、図5ではインバータ回路の例
を示したが、NAND回路やNOR回路などを含む論理
回路において、MOSFETのゲート電極とそのボディ
を接続して同電位とすればDTMOS方式の論理機能回
路が構成出来る。
【0024】さて再び図1に戻る。図1において、3は
電源電圧検出回路である。この電源電圧検出回路3は電
源電圧がFBMOSが充分動作する程、高いか、あるい
は電源エネルギーが消耗してDTMOSの回路の方が適
するかの判断する境界の電圧を検知するものである。
【0025】図2に電源電圧検出回路の簡単な一例を示
す。図2において、21はN型MOSFETであり、2
2は抵抗手段である。この場合の抵抗手段22は薄い濃
度の抵抗値の高い拡散層を用いている。23はインバー
タ回路である。24はインバータ回路23の出力であっ
て、かつ電源電圧検出回路としての出力信号である。
【0026】さて、抵抗22の第1端子は+VDDに接続
され、第2端子はN型MOSFET21のドレイン電極
に接続されている。N型MOSFET21のソース電極
は−VSSに接続され、ゲート電極は+VDDに接続されて
いる。抵抗22の第2端子とN型MOSFETのドレイ
ンの接続点の電位がインバータ回路23に入力している
が、抵抗22の抵抗値は電源電圧にかかわらずほぼ一定
であるのに対し、N型MOSFET21の等価抵抗値は
電源電圧が高い場合には小さく、電源電圧が低くなると
大きくなる。したがって抵抗22とN型MOSFET2
1の接続点の電位は電源電圧が高いと−VSS側に振れ、
電源電圧が低いと+VDD側に振れていく。したがって抵
抗22の抵抗値と、N型MOSFET21のコンダクタ
ンス定数βおよびスレッショルド電圧と、インバータ回
路23のロジックレベルを適切に設計することにより、
DTMOSがリーク電流を生じず、かつFBMOSが動
作できる限界付近の電源電圧でインバータ回路23の出
力24が高電位から低電位へ切り替わるように設定する
ことが出来る。したがって図2はFBMOSからDTM
OSへ切り替えるに都合のよい、電源電圧検出回路とな
っていることが解る。なお、インバータ回路23は広範
な電源電圧で動作する為に後述するMTMOS方式が望
ましい。
【0027】さて図1にもどって、4は切替制御回路で
ある。この切替制御回路4は電源電圧検出回路3の電源
電圧が高いか、低いかの信号を受けて、高い場合にはF
BMOSで構成されて第1論理機能回路1を動作させる
べく、かつ、第2論理機能回路2を停止すべく制御信号
や、クロック信号を供給したり、停止する制御回路の動
作をする。この切替制御回路4の実施例を図3に示し、
実際の動作を詳しく説明する。
【0028】図3において、30、31はインバータ回
路である。32、33はNAND回路である。インバー
タ回路30の入力信号34は電源電圧検出回路の出力を
受けている。インバータ回路31の入力はインバータ回
路30の出力を受けている。インバータ回路30とイン
バータ回路31の出力信号はそれぞれ電源電圧の高低の
状態を示す信号として、出力信号38と出力信号39と
なっている。つまり、電源電圧が高くFBMOSの動作
が都合の良い場合には出力信号38は高電位、出力信号
39は低電位となる。一方、電源電圧が低下して、DT
MOS動作の方が良い場合には出力信号38は低電位、
出力信号39は高電位となる。これらの信号を用いてF
BMOS構成の第1論理機能回路を動作させるか、DT
MOS構成の第2論理機能回路を動作させるか切替制御
する。また、図3において、35はクロック信号の入力
でありNAND回路32とNAND回路33のそれぞれ
の第1入力ゲートに接続されている。また、NAND回
路32の第2入力ゲートにはインバータ回路31の出力
が接続され、 NAND回路33の第2入力ゲートには
インバータ回路30の出力が接続されている。したがっ
て電源電圧が高い場合にはNAND回路32の出力信号
36からクロック信号が供給され、電源電圧が低い場合
にはNAND回路33の出力信号37からクロック信号
が供給される。ちなみに、出力信号36からクロック信
号が図1のFBMOS構成の第1論理機能回路1に供給
され、出力信号37からクロック信号が図1のDTMO
S構成の第2論理機能回路2に供給される。これらは必
要なクロック信号を供給するとともに、不要な場合には
クロック信号を停止して余計な電力を消費しないように
制御する為のものである。
【0029】なお、図3の切替制御回路における各回路
を構成するMOSFETはMOSFETのボディ電位を
逆方向ダイオード手段を介してゲート電極に接続した可
変しきい値MOSFET(以下MTMOSと略す)の構
成をとる。このMTMOSについて図6でインバータ回
路の例にとり詳しく説明する。
【0030】図6において、P型MOSFET61のソ
ース電極は+VDDに接続され、N型MOSFET62の
ソース電極は−VSSに接続され、P型MOSFET61
とN型MOSFET62のゲート電極とドレイン電極は
互いにそれぞれ接続されていて、CMOSインバータ回
路を構成している。そしてP型MOSFET61のボデ
ィはゲート電極とドレイン電極を接続したP型MOSF
ET65を介してP型MOSFET61のゲート電極に
接続されている。 またN型MOSFET62のボディ
はゲート電極とドレイン電極を接続したN型MOSFE
T66を介してN型MOSFET62のゲート電極に接
続されている。ゲート電極とボディを同電位にする目的
は前述したDTMOSと同様に実効的なスレッショルド
電圧を下げて、より低電圧動作をさせる為である。しか
し、ここでMOSFETはゲート電極とドレイン電極を
接続すると等価的にダイオード特性をもつので、図6に
おけるN型MOSFET66をN型MOSFET62の
ゲート電極とボディの間に逆方向ダイオードとして接続
する。するとDTMOSで問題となったN型MOSFE
T62がオンする場合のゲート電極の電位が高電位でソ
ース電極が−VSSとなるときに生ずるボディとソース電
極の間のPNの順方向ダイオードでリーク電流が流れる
という課題が、逆方向ダイオードの機能するN型MOS
FET66によって防止できる。したがって、低い電源
電圧から高い電源電圧まで広範囲にリーク電流もなく動
作可能となる。図6においてP型MOSFET61と6
5の関係も同様である。また、インバータ回路のみなら
ず、NAND回路やNOR回路などの論理回路もゲート
電極とボディとを逆方向ダイオード手段を介してそれぞ
れ接続することにより、MTMOSの構成の論理回路が
構成できる。なお、図6のMTMOS構成の回路は低い
電源電圧から高い電源電圧まで広範囲に動作するが、図
6のように逆方向ダイオード手段を必要とするので集積
回路全面に使用するのは面積効率の観点からも消費電力
の観点からも必ずしも得策ではない。電源電圧の広範囲
の変動に対して必ず動作する回路に限定して用いた方が
低消費電力の観点からは得策である。
【0031】さて、図1にもどり、全体の動作をあらた
めて説明すると、電源電圧検出回路3によって電源電圧
の高低を検知し、切替制御回路4によって電源電圧が高
い場合には、それに適したFBMOS構成の第1論理機
能回路1を動作させるべく、制御信号とクロック信号を
第1論理機能回路1に送る。なお、このとき第2論理機
能回路は電力を消費しないように制御信号を送るととも
にクロックの供給を停止する。また、電源電圧が低い場
合には、それに適したDTMOS構成の第2論理機能回
路2を動作させるべく、制御信号とクロック信号を第2
論理機能回路2に送る。また、このとき第1論理機能回
路は電力を消費しないように制御信号を送るとともにク
ロックの供給を停止する。前述したようにFBMOS構
成の第1論理機能回路は高い電源電圧では消費電力効率
が良く、DTMOS構成の第2論理機能回路は低い電源
電圧で消費電力効率がよいので、これを切替制御回路4
で適切に切り替えることで広範な電源電圧の変動におい
てもっとも消費電力が少ないように制御できる。また、
切替制御回路4は必ずしもレイアウトパターンの面積効
率や電力消費効率は良くないが、電源電圧の広範な変動
があっても充分に動作し、第1、第2論理機能回路を使
いわけ、かつ素子数は高々限られているので図1の全体
の回路としては非常に効率のよい低消費電力論理機能回
路が実現する。
【0032】なお、図1において、第1論理機能回路は
FBMOS、第2論理機能回路はDTMOSの構成がと
れれば論理回路としての機能は任意である。
【0033】また、電源電圧検出回路3は図2の回路例
を実施例としてあげたが、図2の回路例に限らない。例
えば、図2の抵抗手段22はMOSFETで構成しても
よい。
【0034】また、図2の回路では消費電力が大きくな
る場合はサンプリングして間欠動作させ、電源電圧検出
回路としての消費電力を低減してもよい。またその判定
結果を保持しておくラッチ回路を付加してもよい。
【0035】また、図1の切替制御回路4の実施例は図
3の回路例に限らない。例えば図3において第2の周波
数のクロック信号を必要とするときはその信号を送るか
停止するかの回路を付加してもよい。また逆に制御信号
38のみ送り、図3のNAND回路32やNAND回路
33の回路機能を図1の第1論理機能回路や第2論理機
能回路に持たせてもよい。
【0036】
【発明の効果】以上、述べたように本発明の低消費電力
論理機能回路によれば、電源電圧が高い場合にはFBM
OS方式の機能回路を用い、電源電圧が低い場合にはD
TMOS方式の機能回路を動作させるので電源電圧が高
い場合でも、低い場合でもそれぞれ最適な低消費電力論
理機能回路となる効果がある。
【0037】また、低電源電圧において、DTMOS方
式の機能回路を用いるので電源が消耗しつくすまで動作
するという効果がある。
【0038】したがって、電池やコンデンサやゼンマイ
などをエネルギー源として、初期と末期ではそれから得
られる電源電圧が広範囲に変動し、かつ有限なエネルギ
ーを無駄なく利用する必要がある携帯機器用の集積回路
に適した低消費電力の論理回路を提供するという効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す回路ブロック図である。
【図2】本発明の実施例の中で用いている電源電圧検出
回路の実施例を示す回路図である。
【図3】本発明の実施例の中で用いている切替制御回路
の実施例を示す回路図である。
【図4】本発明の実施例の中で用いているFBMOS方
式の実施例を示す回路図である。
【図5】本発明の実施例の中で用いているDTMOS方
式の実施例を示す回路図である。
【図6】本発明の実施例の中で用いているMTMOS方
式の実施例を示す回路図である。
【図7】従来の回路方式で用いられるボディ電位固定方
式の回路例を示す回路図である。
【図8】本発明で使用しているSOI基板上のMOSF
ETの断面図である。
【図9】本発明で使用しているSOI基板上のMOSF
ETの平面図である。
【符号の説明】
1 ・・・ 第1論理機能回路 2 ・・・ 第2論理機能回路 3 ・・・ 電源電圧検出回路 4 ・・・ 切替制御回路 21、42、52、62、66、72 ・・・ N型M
OSFET 41、51、61、65、71 ・・・ P型MOSF
ET 22 ・・・ 抵抗手段 23、30、31 ・・・ インバータ回路 24、36、37、38、39、44、54、64 ・
・・ 出力信号 34、35、43、53、63、43 ・・・ 入力信
号 81、91 ・・・ ゲート電極 82、92 ・・・ N型拡散層によるソース電極 83、93 ・・・ N型拡散層によるドレイン電極 84 ・・・ ゲート酸化膜 86 ・・・ 埋め込み絶縁膜層 87 ・・・ シリコン基板 94 ・・・ コンタクト内のP型拡散層

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】a)埋め込み酸化膜層を有するシリコン・
    オン・インシュレータ基板を用いた半導体集積回路装置
    において、 b)絶縁ゲート電界効果型トランジスタのボディ電位を
    浮かしたフローティングボディMOSFETを組み合わ
    せて構成した第1論理機能回路と c)MOSFETのボディ電位をゲート電極に接続した
    動的しきい値MOSFETを組み合わせて構成し、かつ
    論理機能としては前記第1論理機能回路と等価の第2論
    理機能回路と、 d)電源電圧を検出する電源電圧検出回路と、 e)前記電源電圧検出回路の信号によって電源電圧が低
    い場合には前記第1論理機能回路を動作させ、電源電圧
    が高い場合には前記第2論理機能回路を動作させるよう
    に制御信号を前記第1論理機能回路と前記第2論理機能
    回路に接続した切替制御回路からなり、かつ該切替制御
    回路は絶縁ゲート電界効果型トランジスタのボディ電位
    を逆方向ダイオード手段を介してゲート電極に接続した
    可変しきい値MOSFETを組み合わせて構成したこと
    を特徴とする低消費電力論理機能回路。
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