JP2000311308A - 磁気ヘッドおよびその製造方法 - Google Patents
磁気ヘッドおよびその製造方法Info
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- JP2000311308A JP2000311308A JP11122118A JP12211899A JP2000311308A JP 2000311308 A JP2000311308 A JP 2000311308A JP 11122118 A JP11122118 A JP 11122118A JP 12211899 A JP12211899 A JP 12211899A JP 2000311308 A JP2000311308 A JP 2000311308A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 ギャップ接合の強度を高めて、ギャップ近傍
の割れ、クラックのない、また偏摩耗による記録再生特
性の劣化のない、信頼性の高い磁気ヘッドおよびその製
造方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 金属磁性膜2を形成したヘッドコアの磁
気ギャップを、金属磁性膜2上に下地層29を形成し、
その上に順次SiO2を主成分とする非磁性酸化物30
と低融点結晶化ガラス36を形成した三層構造のギャッ
プ材で構成する。
の割れ、クラックのない、また偏摩耗による記録再生特
性の劣化のない、信頼性の高い磁気ヘッドおよびその製
造方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 金属磁性膜2を形成したヘッドコアの磁
気ギャップを、金属磁性膜2上に下地層29を形成し、
その上に順次SiO2を主成分とする非磁性酸化物30
と低融点結晶化ガラス36を形成した三層構造のギャッ
プ材で構成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、デジタルVTRや
データストリーマ等のシステムで用いられる高保磁力磁
気記録媒体に対して多量の磁気情報の記録・再生を行う
のに適する磁気ヘッドおよびその製造方法に関するもの
である。
データストリーマ等のシステムで用いられる高保磁力磁
気記録媒体に対して多量の磁気情報の記録・再生を行う
のに適する磁気ヘッドおよびその製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気記録の分野において、一対の
板状のフェライト製の磁気コア半体を突き合わせて磁気
ギャップを形成し、磁気ギャップ部の両側をガラス等の
非磁性材料で溶着したフェライトヘッドや、磁性膜を一
対の非磁性材料からなる基板で挟み込んだ薄膜積層型ヘ
ッドや、磁気ギャップ部に飽和密度の高い金属磁性膜を
配したメタル・イン・ギャップ型ヘッド(以下MIGヘ
ッドと記す)等が実用化されている。特にメタルテープ
や蒸着テープといった高保磁力の磁気記録媒体に対して
高密度に情報記録するシステムでは、前記の薄膜積層型
ヘッドやMIGヘッドが主として用いられる。
板状のフェライト製の磁気コア半体を突き合わせて磁気
ギャップを形成し、磁気ギャップ部の両側をガラス等の
非磁性材料で溶着したフェライトヘッドや、磁性膜を一
対の非磁性材料からなる基板で挟み込んだ薄膜積層型ヘ
ッドや、磁気ギャップ部に飽和密度の高い金属磁性膜を
配したメタル・イン・ギャップ型ヘッド(以下MIGヘ
ッドと記す)等が実用化されている。特にメタルテープ
や蒸着テープといった高保磁力の磁気記録媒体に対して
高密度に情報記録するシステムでは、前記の薄膜積層型
ヘッドやMIGヘッドが主として用いられる。
【0003】薄膜積層型ヘッドは、通常、図15に示す
ように、金属磁性膜と絶縁層を交互に積層した磁気コア
4の両側を非磁性基板1で挟持した構造を有する。薄膜
積層型ヘッドのテープ摺動面13の拡大図である図16
に示すように、磁気ギャップを形成するギャップ材料は
SiO2等の非磁性層11と結晶化ガラス12の二層か
ら構成されている。
ように、金属磁性膜と絶縁層を交互に積層した磁気コア
4の両側を非磁性基板1で挟持した構造を有する。薄膜
積層型ヘッドのテープ摺動面13の拡大図である図16
に示すように、磁気ギャップを形成するギャップ材料は
SiO2等の非磁性層11と結晶化ガラス12の二層か
ら構成されている。
【0004】従来の薄膜積層型ヘッドの製造方法を図1
7〜図22に基づいて説明する。まず非磁性基板1上
に、図17のA部の拡大図である図23に示すように、
スパッタリング法などによって順次形成された高飽和磁
束密度および高透磁率を有する金属磁性膜2とSiO2
等の絶縁層3から成る磁気コア4を形成し、非磁性基板
1の反対側に接着ガラス層5を形成して図17に示すヘ
ッドコア6を作製する。このようにして得られた複数の
ヘッドコア6を重ねあわせ、加圧熱処理することによっ
て図18に示す積層ブロック7を作製する。その後、積
層ブロック7を所定の寸法に加工することによって、図
19に示す一対のヘッドコア半体8a、8bを得る。続
いて、図20、21に示すように必要に応じてヘッドコ
ア半体8aに巻線溝10を形成し、ギャップ面9a、9
bを平滑に研磨し、所定の厚みのSiO2等の非磁性層
11をスパッタリング法等によって形成し、その上に所
定の厚みの結晶化ガラス12をスパッタリング法等によ
って形成する。そして、図22に示すように各ヘッドコ
ア半体8a、8bのギャップ面9a、9bを突き合わせ
て加熱処理してギャップを接合させる。その後、図22
の切断線C1、C2で所定のヘッドチップコア幅に切断
し、摺動面を研磨して図15に示すヘッドチップが完成
する。この後、ベース接着・巻線等の処理を行い、薄膜
積層型ヘッドが完成する。
7〜図22に基づいて説明する。まず非磁性基板1上
に、図17のA部の拡大図である図23に示すように、
スパッタリング法などによって順次形成された高飽和磁
束密度および高透磁率を有する金属磁性膜2とSiO2
等の絶縁層3から成る磁気コア4を形成し、非磁性基板
1の反対側に接着ガラス層5を形成して図17に示すヘ
ッドコア6を作製する。このようにして得られた複数の
ヘッドコア6を重ねあわせ、加圧熱処理することによっ
て図18に示す積層ブロック7を作製する。その後、積
層ブロック7を所定の寸法に加工することによって、図
19に示す一対のヘッドコア半体8a、8bを得る。続
いて、図20、21に示すように必要に応じてヘッドコ
ア半体8aに巻線溝10を形成し、ギャップ面9a、9
bを平滑に研磨し、所定の厚みのSiO2等の非磁性層
11をスパッタリング法等によって形成し、その上に所
定の厚みの結晶化ガラス12をスパッタリング法等によ
って形成する。そして、図22に示すように各ヘッドコ
ア半体8a、8bのギャップ面9a、9bを突き合わせ
て加熱処理してギャップを接合させる。その後、図22
の切断線C1、C2で所定のヘッドチップコア幅に切断
し、摺動面を研磨して図15に示すヘッドチップが完成
する。この後、ベース接着・巻線等の処理を行い、薄膜
積層型ヘッドが完成する。
【0005】MIGヘッドは、通常、図24に示すよう
に、フェライト等の強磁性酸化物37に飽和磁束密度の
高い金属磁性膜21を形成したヘッドコア半体22を突
き合わせ、金属磁性膜21間に磁気ギャップ26を設け
た構造を有している。従来、磁気ギャップ26を構成す
るギャップ材料は、MIGヘッドのテープ摺動面25の
拡大図である図25に示すように、金属磁性膜21上に
順次SiO2や珪酸ガラスからなるSiO2を主成分と
する非磁性酸化物層27と、CrやCr2O3からなる
ガラス流動層28の二層から構成されている。そしてヘ
ッドコア半体22は低融点ガラスである鉛ガラス24に
より接合されている。
に、フェライト等の強磁性酸化物37に飽和磁束密度の
高い金属磁性膜21を形成したヘッドコア半体22を突
き合わせ、金属磁性膜21間に磁気ギャップ26を設け
た構造を有している。従来、磁気ギャップ26を構成す
るギャップ材料は、MIGヘッドのテープ摺動面25の
拡大図である図25に示すように、金属磁性膜21上に
順次SiO2や珪酸ガラスからなるSiO2を主成分と
する非磁性酸化物層27と、CrやCr2O3からなる
ガラス流動層28の二層から構成されている。そしてヘ
ッドコア半体22は低融点ガラスである鉛ガラス24に
より接合されている。
【0006】従来のMIGヘッドの製造方法を図26〜
図31に基づいて説明する。まず、図26に示す一対の
フェライトコア31に図27に示す巻線溝32およびバ
ックガラス溝33を形成する。次にフェライトコア31
に図28に示すトラック溝34を形成し、ギャップ面3
5を研磨する。さらに、図29に示すようにフェライト
コア31のギャップ面35を含む領域に、金属磁性膜2
1とSiO2を主成分とする非磁性酸化物層27とガラ
ス流動層28とをこの順にスパッタリング法などにより
形成する。このようにしてギャップ材料を形成した一対
のヘッドコア半体22を図30に示すようにギャップ面
が対向するように突き合わせ、鉛ガラス24を溝部に載
置する。さらに熱処理により図31に示すように鉛ガラ
ス24をガラス流動層28上に流し込んで一対のヘッド
コア半体22をギャップで接合し、一つのギャップドバ
ーを作製する。この工程の後、ギャップドバーを所定の
ヘッドチップコア幅、アジマス角度で切断し、摺動面を
研磨して図24に示すヘッドチップが完成する。この
後、ベース接着・巻線等の処理を行い、MIGヘッドが
完成する。
図31に基づいて説明する。まず、図26に示す一対の
フェライトコア31に図27に示す巻線溝32およびバ
ックガラス溝33を形成する。次にフェライトコア31
に図28に示すトラック溝34を形成し、ギャップ面3
5を研磨する。さらに、図29に示すようにフェライト
コア31のギャップ面35を含む領域に、金属磁性膜2
1とSiO2を主成分とする非磁性酸化物層27とガラ
ス流動層28とをこの順にスパッタリング法などにより
形成する。このようにしてギャップ材料を形成した一対
のヘッドコア半体22を図30に示すようにギャップ面
が対向するように突き合わせ、鉛ガラス24を溝部に載
置する。さらに熱処理により図31に示すように鉛ガラ
ス24をガラス流動層28上に流し込んで一対のヘッド
コア半体22をギャップで接合し、一つのギャップドバ
ーを作製する。この工程の後、ギャップドバーを所定の
ヘッドチップコア幅、アジマス角度で切断し、摺動面を
研磨して図24に示すヘッドチップが完成する。この
後、ベース接着・巻線等の処理を行い、MIGヘッドが
完成する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の薄
膜積層型ヘッドの製造方法に示されている結晶化ガラス
によるギャップ接合では、接合されているギャップの強
度が充分ではなく、ギャップ近傍における割れ、クラッ
クなどの発生が問題であった。また、ギャップ強度の向
上のために、ギャップ部をガラスでモールドして補強す
る方法があるが、このモールドガラスが記録媒体との摺
動面上に露出していると、各材料の摩耗特性の違いに起
因した偏摩耗によって摺動面形状が変化し、記録再生特
性の劣化が生じるという別の問題が発生する。
膜積層型ヘッドの製造方法に示されている結晶化ガラス
によるギャップ接合では、接合されているギャップの強
度が充分ではなく、ギャップ近傍における割れ、クラッ
クなどの発生が問題であった。また、ギャップ強度の向
上のために、ギャップ部をガラスでモールドして補強す
る方法があるが、このモールドガラスが記録媒体との摺
動面上に露出していると、各材料の摩耗特性の違いに起
因した偏摩耗によって摺動面形状が変化し、記録再生特
性の劣化が生じるという別の問題が発生する。
【0008】一方、上記のMIGヘッドの製造方法に示
されているようなガラスの流し込み、または圧入による
ギャップ接合では、ギャップ接合時に熱処理によってガ
ラスを流動させなければならず、低融点のガラスを用い
る必要がある。しかし一般的に低融点ガラスにはPbO
が多く含まれており、還元されたPbOによってPbの
金属微粒子の析出が生じ、ガラス自体の強度が低下する
という問題がある。また、ガラス自体の摩耗速度が大き
く、記録媒体との摺動時に偏摩耗によって摺動面形状が
変化し、記録再生特性の劣化が生じる。また、融点の高
いガラスを高温にして半溶融状態で圧入してギャップ接
合する方法の場合は、加圧する最にギャップ部分の突き
合わせがずれてしまうという問題も生じる。
されているようなガラスの流し込み、または圧入による
ギャップ接合では、ギャップ接合時に熱処理によってガ
ラスを流動させなければならず、低融点のガラスを用い
る必要がある。しかし一般的に低融点ガラスにはPbO
が多く含まれており、還元されたPbOによってPbの
金属微粒子の析出が生じ、ガラス自体の強度が低下する
という問題がある。また、ガラス自体の摩耗速度が大き
く、記録媒体との摺動時に偏摩耗によって摺動面形状が
変化し、記録再生特性の劣化が生じる。また、融点の高
いガラスを高温にして半溶融状態で圧入してギャップ接
合する方法の場合は、加圧する最にギャップ部分の突き
合わせがずれてしまうという問題も生じる。
【0009】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、ギャップ接合の強度を高めて、ギャップ近傍の割
れ、クラックのない、また偏摩耗による記録再生特性の
劣化のない、信頼性の高い磁気ヘッドおよびその製造方
法を提供することを目的とする。
で、ギャップ接合の強度を高めて、ギャップ近傍の割
れ、クラックのない、また偏摩耗による記録再生特性の
劣化のない、信頼性の高い磁気ヘッドおよびその製造方
法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、本発明の磁気ヘッドは、金属磁性膜を形成したヘ
ッドコアの磁気ギャップが、前記金属磁性膜上に下地層
を形成し、その上に順次SiO2を主成分とする非磁性
酸化物と低融点結晶化ガラスを形成した三層構造のギャ
ップ材で構成されていることを特徴としたものである。
めに、本発明の磁気ヘッドは、金属磁性膜を形成したヘ
ッドコアの磁気ギャップが、前記金属磁性膜上に下地層
を形成し、その上に順次SiO2を主成分とする非磁性
酸化物と低融点結晶化ガラスを形成した三層構造のギャ
ップ材で構成されていることを特徴としたものである。
【0011】また、本発明の磁気ヘッドの製造方法は、
金属磁性膜を形成したヘッドコア半体の磁気ギャップ面
に下地層とSiO2を主成分とする非磁性酸化物を順次
形成する工程と、前記非磁性酸化物上に低融点結晶化ガ
ラスを形成する工程と、両コア半体を磁気ギャップ面で
突き合わせて熱処理を行い、前記低融点結晶化ガラスを
溶融、結晶化させて磁気ギャップにおける機械的強度を
高めたコアバーを作製する工程と、前記コアバーを所定
のコア幅で切断し、磁気ヘッドチップを完成させる工程
を有することを特徴としたものである。
金属磁性膜を形成したヘッドコア半体の磁気ギャップ面
に下地層とSiO2を主成分とする非磁性酸化物を順次
形成する工程と、前記非磁性酸化物上に低融点結晶化ガ
ラスを形成する工程と、両コア半体を磁気ギャップ面で
突き合わせて熱処理を行い、前記低融点結晶化ガラスを
溶融、結晶化させて磁気ギャップにおける機械的強度を
高めたコアバーを作製する工程と、前記コアバーを所定
のコア幅で切断し、磁気ヘッドチップを完成させる工程
を有することを特徴としたものである。
【0012】本発明により、ギャップ近傍における割れ
やクラックのない、また偏摩耗による記録再生特性の劣
化のない、信頼性の高いヘッドが得られる。
やクラックのない、また偏摩耗による記録再生特性の劣
化のない、信頼性の高いヘッドが得られる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、金属磁性膜を形成したヘッドコアの磁気ギャップ
が、前記金属磁性膜上に下地層を形成し、その上に順次
SiO2を主成分とする非磁性酸化物と低融点結晶化ガ
ラスを形成した三層構造のギャップ材で構成されている
ことを特徴とする磁気ヘッドである。
は、金属磁性膜を形成したヘッドコアの磁気ギャップ
が、前記金属磁性膜上に下地層を形成し、その上に順次
SiO2を主成分とする非磁性酸化物と低融点結晶化ガ
ラスを形成した三層構造のギャップ材で構成されている
ことを特徴とする磁気ヘッドである。
【0014】本発明の請求項2に記載の発明は、金属磁
性膜を一対の非磁性材料からなる基板で挟み込んだ薄膜
積層型ヘッドであることを特徴とする請求項1記載の磁
気ヘッドである。
性膜を一対の非磁性材料からなる基板で挟み込んだ薄膜
積層型ヘッドであることを特徴とする請求項1記載の磁
気ヘッドである。
【0015】本発明の請求項3に記載の発明は、金属磁
性膜が強磁性酸化物のギャップ対向面上に形成されたメ
タル・イン・ギャップ型ヘッドであることを特徴とする
請求項1記載の磁気ヘッドである。
性膜が強磁性酸化物のギャップ対向面上に形成されたメ
タル・イン・ギャップ型ヘッドであることを特徴とする
請求項1記載の磁気ヘッドである。
【0016】本発明の請求項4に記載の発明は、下地層
が、Al2O3、Cr2O3、CrN、Ta2O5のう
ちの一種からなることを特徴とする請求項2または請求
項3のいずれかに記載の磁気ヘッドである。
が、Al2O3、Cr2O3、CrN、Ta2O5のう
ちの一種からなることを特徴とする請求項2または請求
項3のいずれかに記載の磁気ヘッドである。
【0017】本発明の請求項5に記載の発明は、下地層
の膜厚が10nm以下であることを特徴とする請求項2
または請求項3のいずれかに記載の磁気ヘッドである。
の膜厚が10nm以下であることを特徴とする請求項2
または請求項3のいずれかに記載の磁気ヘッドである。
【0018】本発明の請求項6に記載の発明は、SiO
2を主成分とする非磁性酸化物層が珪酸ガラス層である
ことを特徴とする請求項2または請求項3のいずれかに
記載の磁気ヘッドである。
2を主成分とする非磁性酸化物層が珪酸ガラス層である
ことを特徴とする請求項2または請求項3のいずれかに
記載の磁気ヘッドである。
【0019】本発明の請求項7に記載の発明は、珪酸ガ
ラス層がホウ珪酸ガラス層であることを特徴とする請求
項2または請求項3のいずれかに記載の磁気ヘッドであ
る。
ラス層がホウ珪酸ガラス層であることを特徴とする請求
項2または請求項3のいずれかに記載の磁気ヘッドであ
る。
【0020】本発明の請求項8に記載の発明は、金属磁
性膜を形成したヘッドコア半体の磁気ギャップ面に下地
層とSiO2を主成分とする非磁性酸化物を順次形成す
る工程と、前記非磁性酸化物上に低融点結晶化ガラスを
形成する工程と、両コア半体を磁気ギャップ面で突き合
わせて熱処理を行い、前記低融点結晶化ガラスを溶融、
結晶化させて磁気ギャップにおける機械的強度を高めた
コアバーを作製する工程と、前記コアバーを所定のコア
幅で切断し、磁気ヘッドチップを完成させる工程を有す
ることを特徴とする磁気ヘッドの製造方法である。
性膜を形成したヘッドコア半体の磁気ギャップ面に下地
層とSiO2を主成分とする非磁性酸化物を順次形成す
る工程と、前記非磁性酸化物上に低融点結晶化ガラスを
形成する工程と、両コア半体を磁気ギャップ面で突き合
わせて熱処理を行い、前記低融点結晶化ガラスを溶融、
結晶化させて磁気ギャップにおける機械的強度を高めた
コアバーを作製する工程と、前記コアバーを所定のコア
幅で切断し、磁気ヘッドチップを完成させる工程を有す
ることを特徴とする磁気ヘッドの製造方法である。
【0021】本発明の請求項9に記載の発明は、金属磁
性膜を一対の非磁性材料からなる基板で挟み込んだ薄膜
積層型ヘッドであることを特徴とする請求項8記載の磁
気ヘッドの製造方法である。
性膜を一対の非磁性材料からなる基板で挟み込んだ薄膜
積層型ヘッドであることを特徴とする請求項8記載の磁
気ヘッドの製造方法である。
【0022】本発明の請求項10に記載の発明は、金属
磁性膜が強磁性酸化物のギャップ対向面上に形成された
メタル・イン・ギャップ型ヘッドであることを特徴とす
る請求項8記載の磁気ヘッドの製造方法である。
磁性膜が強磁性酸化物のギャップ対向面上に形成された
メタル・イン・ギャップ型ヘッドであることを特徴とす
る請求項8記載の磁気ヘッドの製造方法である。
【0023】本発明の請求項11に記載の発明は、下地
層が、Al2O3、Cr2O3、CrN、Ta2O5の
うちの一種からなることを特徴とする請求項9または請
求項10のいずれかに記載の磁気ヘッドの製造方法であ
る。
層が、Al2O3、Cr2O3、CrN、Ta2O5の
うちの一種からなることを特徴とする請求項9または請
求項10のいずれかに記載の磁気ヘッドの製造方法であ
る。
【0024】本発明の請求項12に記載の発明は、下地
層の膜厚が10nm以下であることを特徴とする請求項
9または請求項10のいずれかに記載の磁気ヘッドの製
造方法である。
層の膜厚が10nm以下であることを特徴とする請求項
9または請求項10のいずれかに記載の磁気ヘッドの製
造方法である。
【0025】本発明の請求項13に記載の発明は、Si
O2を主成分とする非磁性酸化物層が珪酸ガラス層であ
ることを特徴とする請求項9または請求項10のいずれ
かに記載の磁気ヘッドの製造方法である。
O2を主成分とする非磁性酸化物層が珪酸ガラス層であ
ることを特徴とする請求項9または請求項10のいずれ
かに記載の磁気ヘッドの製造方法である。
【0026】本発明の請求項14に記載の発明は、珪酸
ガラス層がホウ珪酸ガラス層であることを特徴とする請
求項9または請求項10のいずれかに記載の磁気ヘッド
の製造方法である。
ガラス層がホウ珪酸ガラス層であることを特徴とする請
求項9または請求項10のいずれかに記載の磁気ヘッド
の製造方法である。
【0027】以下、本発明の実施の形態について図面を
用いて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定され
るものではない。
用いて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定され
るものではない。
【0028】(実施の形態1)図1に本発明による薄膜
積層型ヘッドの実施の形態1におけるテープ摺動面の拡
大図を示す。従来の薄膜積層型ヘッドと同様に、飽和磁
束密度の高いCoCrNb層のような金属磁性膜2とS
iO2等の絶縁層3を交互に積層した磁気コアの両側を
非磁性基板1で狭持して得られた一対のヘッドコア半体
が、ギャップ材料を介して接合されている。本発明の薄
膜積層型ヘッドのギャップ材料として、平滑に研磨され
たギャップ面上にAl2O3から成る下地層29、ホウ
珪酸ガラスから成るSiO2を主成分とする非磁性酸化
物層30、低融点結晶化ガラス36がこの順に形成され
ている。低融点結晶化ガラスとしては、軟化点445℃
(η=10の7.6乗dPa・s)、作業点535℃
(η=10の4乗dPa・s)の特性を有する結晶性は
んだガラスを用いた。
積層型ヘッドの実施の形態1におけるテープ摺動面の拡
大図を示す。従来の薄膜積層型ヘッドと同様に、飽和磁
束密度の高いCoCrNb層のような金属磁性膜2とS
iO2等の絶縁層3を交互に積層した磁気コアの両側を
非磁性基板1で狭持して得られた一対のヘッドコア半体
が、ギャップ材料を介して接合されている。本発明の薄
膜積層型ヘッドのギャップ材料として、平滑に研磨され
たギャップ面上にAl2O3から成る下地層29、ホウ
珪酸ガラスから成るSiO2を主成分とする非磁性酸化
物層30、低融点結晶化ガラス36がこの順に形成され
ている。低融点結晶化ガラスとしては、軟化点445℃
(η=10の7.6乗dPa・s)、作業点535℃
(η=10の4乗dPa・s)の特性を有する結晶性は
んだガラスを用いた。
【0029】本発明の薄膜積層型ヘッドの実施の形態1
における製造方法を図2〜図7に示すが、図5、図6に
示すようにギャップ面を平滑に研磨した後、Al2O3
から成る下地層29、ホウ珪酸ガラスから成るSiO2
を主成分とする非磁性酸化物層30、低融点結晶化ガラ
ス36をこの順に形成する以外は、図17〜図22に示
した従来の製造方法と基本的には同様の手順で製造でき
る。各ヘッドコアのギャップ面を突き合わせた後の加熱
処理温度は、結晶性半田ガラスの軟化点と作業点の間の
510℃とした。
における製造方法を図2〜図7に示すが、図5、図6に
示すようにギャップ面を平滑に研磨した後、Al2O3
から成る下地層29、ホウ珪酸ガラスから成るSiO2
を主成分とする非磁性酸化物層30、低融点結晶化ガラ
ス36をこの順に形成する以外は、図17〜図22に示
した従来の製造方法と基本的には同様の手順で製造でき
る。各ヘッドコアのギャップ面を突き合わせた後の加熱
処理温度は、結晶性半田ガラスの軟化点と作業点の間の
510℃とした。
【0030】(実施の形態2)図8に本発明によるMI
Gヘッドの実施の形態2におけるテープ摺動面の拡大図
を示す。従来のMIGヘッドと同様に、強磁性酸化物3
7、飽和磁束密度の高いFeTaN層のような金属磁性
膜21、ギャップ材料から成る一対のヘッドコア半体2
2が低融点ガラスである鉛ガラス24によって接合され
ている。本発明のMIGヘッドのギャップ材料として金
属磁性膜21上に、Al2O3から成る下地層29、ホ
ウ珪酸ガラスから成るSiO2を主成分とする非磁性酸
化物層30、低融点結晶化ガラス36がこの順に形成さ
れている。
Gヘッドの実施の形態2におけるテープ摺動面の拡大図
を示す。従来のMIGヘッドと同様に、強磁性酸化物3
7、飽和磁束密度の高いFeTaN層のような金属磁性
膜21、ギャップ材料から成る一対のヘッドコア半体2
2が低融点ガラスである鉛ガラス24によって接合され
ている。本発明のMIGヘッドのギャップ材料として金
属磁性膜21上に、Al2O3から成る下地層29、ホ
ウ珪酸ガラスから成るSiO2を主成分とする非磁性酸
化物層30、低融点結晶化ガラス36がこの順に形成さ
れている。
【0031】本発明のMIGヘッドの製造方法の実施の
形態2を図9〜図14に示すが、図12に示すようにフ
ェライトコア31のギャップ面35を含む領域に金属磁
性膜21を形成した後、Al2O3から成る下地層2
9、ホウ珪酸ガラスから成るSiO2を主成分とする非
磁性酸化物層30、低融点結晶化ガラス36をこの順に
形成する以外は、図26〜図31に示した従来の製造方
法と基本的には同様の手順で製造できる。
形態2を図9〜図14に示すが、図12に示すようにフ
ェライトコア31のギャップ面35を含む領域に金属磁
性膜21を形成した後、Al2O3から成る下地層2
9、ホウ珪酸ガラスから成るSiO2を主成分とする非
磁性酸化物層30、低融点結晶化ガラス36をこの順に
形成する以外は、図26〜図31に示した従来の製造方
法と基本的には同様の手順で製造できる。
【0032】このように実施の形態1、実施の形態2に
おける磁気ヘッドでは、下地層としてAl2O3を用い
たが、Al2O3に限られることはなく、Cr2O3、
CrN、Ta2O5等の材料を用いても良い。低融点結
晶化ガラスとしては、加熱処理時の金属磁性膜の特性劣
化を避けるためにも、軟化点500℃以下のガラスを用
いるのが好ましい。また、実施の形態2において、強磁
性酸化物としてフェライトを用いたが、これに限られる
ことはなく、他の強磁性酸化物を用いても良い。また、
一対のヘッドコア半体の少なくとも一方の強磁性酸化物
のギャップ対向面上に金属磁性層が形成され、その上に
下地層等のギャップ材料が形成されている構成でも良
い。金属磁性膜として実施の形態1の薄膜積層型ヘッド
ではCo系アモルファス合金膜を、実施の形態2のMI
GヘッドではFeTaN膜を用いたが、これらの材料に
限られることはなく、薄膜積層型ヘッドでFeTaN膜
を、またMIGヘッドでCo系アモルファス合金膜を用
いても良く、センダスト、FeGaSiRu等のその他
の金属磁性膜も同様に使用できる。また、下地層上にホ
ウ珪酸ガラスから成るSiO2を主成分とする非磁性酸
化物層を形成したが、これに限ることはなく、SiO2
を主成分とする非磁性層であれば良い。非磁性層として
は、例えばSiO2ガラス層、アルミノ珪酸ガラス層、
ソーダライム珪酸ガラス層等のSiO2を骨格成分とす
るガラスを用いることが好ましい。これは、ギャップ材
料全体の硬度が大きくなりすぎると、例えば金属蒸着
(ME)テープ等のメタルテープを長時間走行させた時
にギャップ材料が金属磁性膜より突出した偏摩耗が生
じ、ヘッド出力を低下させるからである。
おける磁気ヘッドでは、下地層としてAl2O3を用い
たが、Al2O3に限られることはなく、Cr2O3、
CrN、Ta2O5等の材料を用いても良い。低融点結
晶化ガラスとしては、加熱処理時の金属磁性膜の特性劣
化を避けるためにも、軟化点500℃以下のガラスを用
いるのが好ましい。また、実施の形態2において、強磁
性酸化物としてフェライトを用いたが、これに限られる
ことはなく、他の強磁性酸化物を用いても良い。また、
一対のヘッドコア半体の少なくとも一方の強磁性酸化物
のギャップ対向面上に金属磁性層が形成され、その上に
下地層等のギャップ材料が形成されている構成でも良
い。金属磁性膜として実施の形態1の薄膜積層型ヘッド
ではCo系アモルファス合金膜を、実施の形態2のMI
GヘッドではFeTaN膜を用いたが、これらの材料に
限られることはなく、薄膜積層型ヘッドでFeTaN膜
を、またMIGヘッドでCo系アモルファス合金膜を用
いても良く、センダスト、FeGaSiRu等のその他
の金属磁性膜も同様に使用できる。また、下地層上にホ
ウ珪酸ガラスから成るSiO2を主成分とする非磁性酸
化物層を形成したが、これに限ることはなく、SiO2
を主成分とする非磁性層であれば良い。非磁性層として
は、例えばSiO2ガラス層、アルミノ珪酸ガラス層、
ソーダライム珪酸ガラス層等のSiO2を骨格成分とす
るガラスを用いることが好ましい。これは、ギャップ材
料全体の硬度が大きくなりすぎると、例えば金属蒸着
(ME)テープ等のメタルテープを長時間走行させた時
にギャップ材料が金属磁性膜より突出した偏摩耗が生
じ、ヘッド出力を低下させるからである。
【0033】
【実施例】次に、本発明の具体例を示す。
【0034】(実施例1)図1に示したような構造を有
する薄膜積層型ヘッドを、図2〜図7に示したような工
程に従って製造した。非磁性基板としてはチタン酸カル
シウム、金属磁性膜としてはCo系アモルファス合金、
絶縁層としてSiO2、接着ガラス層として結晶化ガラ
スを用いた。また、ギャップ面には膜厚5nmのAl2
O3下地層、膜厚50nmのホウ珪酸ガラス、膜厚25
nmの低融点結晶化ガラスを順次形成した。
する薄膜積層型ヘッドを、図2〜図7に示したような工
程に従って製造した。非磁性基板としてはチタン酸カル
シウム、金属磁性膜としてはCo系アモルファス合金、
絶縁層としてSiO2、接着ガラス層として結晶化ガラ
スを用いた。また、ギャップ面には膜厚5nmのAl2
O3下地層、膜厚50nmのホウ珪酸ガラス、膜厚25
nmの低融点結晶化ガラスを順次形成した。
【0035】(実施例2)ギャップ面に形成するAl2
O3下地層の膜厚を10nmとした以外は、実施例1と
同様にして薄膜積層型ヘッドを作製した。
O3下地層の膜厚を10nmとした以外は、実施例1と
同様にして薄膜積層型ヘッドを作製した。
【0036】(実施例3)ギャップ面に形成するAl2
O3下地層の膜厚を15nmとした以外は、実施例1と
同様にして薄膜積層型ヘッドを作製した。
O3下地層の膜厚を15nmとした以外は、実施例1と
同様にして薄膜積層型ヘッドを作製した。
【0037】(実施例4)ギャップ面に形成するAl2
O3下地層の膜厚を20nmとした以外は、実施例1と
同様にして薄膜積層型ヘッドを作製した。
O3下地層の膜厚を20nmとした以外は、実施例1と
同様にして薄膜積層型ヘッドを作製した。
【0038】(実施例5)ギャップ面に形成するAl2
O3下地層の膜厚を25nmとした以外は、実施例1と
同様にして薄膜積層型ヘッドを作製した。
O3下地層の膜厚を25nmとした以外は、実施例1と
同様にして薄膜積層型ヘッドを作製した。
【0039】(実施例6)ギャップ面に形成するAl2
O3下地層の膜厚を30nmとした以外は、実施例1と
同様にして薄膜積層型ヘッドを作製した。
O3下地層の膜厚を30nmとした以外は、実施例1と
同様にして薄膜積層型ヘッドを作製した。
【0040】次に、本発明の比較例を示す。
【0041】(比較例1)ギャップ面にAl2O3下地
層を形成せずに、膜厚50nmのホウ珪酸ガラス、膜厚
25nmの低融点結晶化ガラスを順次形成した以外は、
実施例1と同様にして薄膜積層型ヘッドを作製した。
層を形成せずに、膜厚50nmのホウ珪酸ガラス、膜厚
25nmの低融点結晶化ガラスを順次形成した以外は、
実施例1と同様にして薄膜積層型ヘッドを作製した。
【0042】次に、本発明の別の具体例を示す。
【0043】(実施例7)図8に示したような構造を有
するMIGヘッドを、図9〜図14に示したような工程
に従って製造した。強磁性酸化物としてはMn−Znフ
ェライト、金属磁性膜としてはFeTaN膜を用いた。
また、ギャップ面には膜厚5nmのAl2O3下地膜、
膜厚50nmのホウ珪酸ガラス、膜厚25nmの低融点
結晶化ガラスを順次形成した。
するMIGヘッドを、図9〜図14に示したような工程
に従って製造した。強磁性酸化物としてはMn−Znフ
ェライト、金属磁性膜としてはFeTaN膜を用いた。
また、ギャップ面には膜厚5nmのAl2O3下地膜、
膜厚50nmのホウ珪酸ガラス、膜厚25nmの低融点
結晶化ガラスを順次形成した。
【0044】(実施例8)ギャップ面に形成するAl2
O3下地層の膜厚を10nmとした以外は、実施例7と
同様にしてMIGヘッドを作製した。
O3下地層の膜厚を10nmとした以外は、実施例7と
同様にしてMIGヘッドを作製した。
【0045】(実施例9)ギャップ面に形成するAl2
O3下地層の膜厚を15nmとした以外は、実施例7と
同様にしてMIGヘッドを作製した。
O3下地層の膜厚を15nmとした以外は、実施例7と
同様にしてMIGヘッドを作製した。
【0046】(実施例10)ギャップ面に形成するAl
2O3下地層の膜厚を20nmとした以外は、実施例7
と同様にしてMIGヘッドを作製した。
2O3下地層の膜厚を20nmとした以外は、実施例7
と同様にしてMIGヘッドを作製した。
【0047】(実施例11)ギャップ面に形成するAl
2O3下地層の膜厚を25nmとした以外は、実施例7
と同様にしてMIGヘッドを作製した。
2O3下地層の膜厚を25nmとした以外は、実施例7
と同様にしてMIGヘッドを作製した。
【0048】(実施例12)ギャップ面に形成するAl
2O3下地層の膜厚を30nmとした以外は、実施例7
と同様にしてMIGヘッドを作製した。
2O3下地層の膜厚を30nmとした以外は、実施例7
と同様にしてMIGヘッドを作製した。
【0049】次に、本発明の別の比較例を示す。
【0050】(比較例2)ギャップ面にAl2O3下地
層を形成せずに、膜厚50nmのホウ珪酸ガラス、膜厚
25nmの低融点結晶化ガラスを順次形成した以外は、
実施例7と同様にしてMIGヘッドを作製した。
層を形成せずに、膜厚50nmのホウ珪酸ガラス、膜厚
25nmの低融点結晶化ガラスを順次形成した以外は、
実施例7と同様にしてMIGヘッドを作製した。
【0051】以上の各実施例および各比較例で得られた
磁気ヘッドチップについて、図32に示すように磁気ヘ
ッドチップ40を二つの支柱41で支え、二つの支柱4
1の中央に荷重Fをかけて、磁気ヘッドチップのギャッ
プ接合面が破壊する時の応力を測定して、磁気ヘッドチ
ップ強度を評価した。
磁気ヘッドチップについて、図32に示すように磁気ヘ
ッドチップ40を二つの支柱41で支え、二つの支柱4
1の中央に荷重Fをかけて、磁気ヘッドチップのギャッ
プ接合面が破壊する時の応力を測定して、磁気ヘッドチ
ップ強度を評価した。
【0052】比較例で得られた薄膜積層型ヘッドおよび
MIGヘッドの磁気ヘッドチップ強度を1とした時の本
発明における磁気ヘッドのチップ強度を(表1)に各々
示す。
MIGヘッドの磁気ヘッドチップ強度を1とした時の本
発明における磁気ヘッドのチップ強度を(表1)に各々
示す。
【0053】
【表1】 (表1)から明らかなように、ホウ珪酸ガラスの下地層
にAl2O3層を用いた本発明の磁気ヘッドチップ強度
は大幅に向上していることがわかる。また、その磁気ヘ
ッドチップ強度はAl2O3下地層の膜厚と関係があ
り、Al2O3下地層の膜厚が10nmを超えると低下
する傾向にあることがわかる。磁気ヘッドチップ強度試
験にて破壊した面を分析すると、Al2O3下地層を形
成していない磁気ヘッドの場合はホウ珪酸ガラス形成面
とホウ珪酸ガラスの界面で剥離破壊していることが判明
した。一方、Al2O3下地層を形成した本発明の磁気
ヘッドの場合は、Al2O3形成面とAl2O3膜の界
面で剥離破壊していることが判明した。従って、Al2
O3下地層を形成することによって、ホウ珪酸ガラス形
成面とホウ珪酸ガラスの付着強度以上の強度が得られ、
磁気ヘッドチップ強度が向上したことがわかる。しか
し、ホウ珪酸ガラスの下地層としてのAl2O3の膜厚
が増加するとAl2O3下地層内部の応力が増加し、A
l2O3下地層とAl2O3下地層形成面との付着強度
が急に劣化するために、Al2O3下地層の膜厚が大き
いと磁気ヘッドチップ強度が低下すると考えられる。従
って、下地層の膜厚は10nm以下が望ましい。
にAl2O3層を用いた本発明の磁気ヘッドチップ強度
は大幅に向上していることがわかる。また、その磁気ヘ
ッドチップ強度はAl2O3下地層の膜厚と関係があ
り、Al2O3下地層の膜厚が10nmを超えると低下
する傾向にあることがわかる。磁気ヘッドチップ強度試
験にて破壊した面を分析すると、Al2O3下地層を形
成していない磁気ヘッドの場合はホウ珪酸ガラス形成面
とホウ珪酸ガラスの界面で剥離破壊していることが判明
した。一方、Al2O3下地層を形成した本発明の磁気
ヘッドの場合は、Al2O3形成面とAl2O3膜の界
面で剥離破壊していることが判明した。従って、Al2
O3下地層を形成することによって、ホウ珪酸ガラス形
成面とホウ珪酸ガラスの付着強度以上の強度が得られ、
磁気ヘッドチップ強度が向上したことがわかる。しか
し、ホウ珪酸ガラスの下地層としてのAl2O3の膜厚
が増加するとAl2O3下地層内部の応力が増加し、A
l2O3下地層とAl2O3下地層形成面との付着強度
が急に劣化するために、Al2O3下地層の膜厚が大き
いと磁気ヘッドチップ強度が低下すると考えられる。従
って、下地層の膜厚は10nm以下が望ましい。
【0054】また上記実施例では、ホウ珪酸ガラス層の
膜厚を50nmとしたが、この膜厚が小さすぎると、低
融点結晶化ガラスの相互拡散による金属磁性膜の表面酸
化が発生する。これは、Al2O3下地層による低融点
結晶化ガラスと金属磁性膜の拡散反応防止効果が非常に
小さく、主としてホウ珪酸ガラスが拡散防止の役割を果
たしているが、ホウ珪酸ガラス層の膜厚が薄くなると低
融点結晶化ガラスと金属磁性膜の拡散反応防止効果が小
さくなるためと考えられる。従って、金属磁性膜の表面
酸化防止のためには、SiO2を主成分とする非磁性酸
化物層の膜厚は30nm以上が好ましい。
膜厚を50nmとしたが、この膜厚が小さすぎると、低
融点結晶化ガラスの相互拡散による金属磁性膜の表面酸
化が発生する。これは、Al2O3下地層による低融点
結晶化ガラスと金属磁性膜の拡散反応防止効果が非常に
小さく、主としてホウ珪酸ガラスが拡散防止の役割を果
たしているが、ホウ珪酸ガラス層の膜厚が薄くなると低
融点結晶化ガラスと金属磁性膜の拡散反応防止効果が小
さくなるためと考えられる。従って、金属磁性膜の表面
酸化防止のためには、SiO2を主成分とする非磁性酸
化物層の膜厚は30nm以上が好ましい。
【0055】なお、上記実施例では金属磁性膜上に形成
する下地層をAl2O3としたが、本発明の磁気ヘッド
およびその製造方法はこれに限ることはなく、Cr2O
3、CrN、Ta2O5のうちの一種類から構成しても
同様の効果が得られる。
する下地層をAl2O3としたが、本発明の磁気ヘッド
およびその製造方法はこれに限ることはなく、Cr2O
3、CrN、Ta2O5のうちの一種類から構成しても
同様の効果が得られる。
【0056】
【発明の効果】以上のように本発明の磁気ヘッドおよび
その製造方法によれば、従来の磁気ヘッドで課題であっ
たギャップ近傍における割れやクラックを低減すること
が可能となる。また薄膜積層型ヘッドで、ギャップ強度
向上のために必要であったモールドガラスの量を大幅に
減少、あるいはゼロとすることが可能となり、その結
果、各材料の摩耗特性の違いに起因した偏摩耗によって
記録再生特性が劣化するという問題が解決でき、信頼性
の高いヘッドの供給が可能となる。一方MIGヘッドに
おいても接合されているギャップの強度が向上したため
に、対摩耗性の良好な高融点ガラスの圧入が可能とな
り、薄膜積層型ヘッドの場合と同様に、偏摩耗による記
録再生特性の劣化のない、信頼性の高いヘッドが得られ
る。
その製造方法によれば、従来の磁気ヘッドで課題であっ
たギャップ近傍における割れやクラックを低減すること
が可能となる。また薄膜積層型ヘッドで、ギャップ強度
向上のために必要であったモールドガラスの量を大幅に
減少、あるいはゼロとすることが可能となり、その結
果、各材料の摩耗特性の違いに起因した偏摩耗によって
記録再生特性が劣化するという問題が解決でき、信頼性
の高いヘッドの供給が可能となる。一方MIGヘッドに
おいても接合されているギャップの強度が向上したため
に、対摩耗性の良好な高融点ガラスの圧入が可能とな
り、薄膜積層型ヘッドの場合と同様に、偏摩耗による記
録再生特性の劣化のない、信頼性の高いヘッドが得られ
る。
【図1】本発明の実施の形態1における薄膜積層型ヘッ
ドのテープ摺動面を示す拡大図
ドのテープ摺動面を示す拡大図
【図2】本発明の実施の形態1における薄膜積層型ヘッ
ドの製造方法を示す斜視図
ドの製造方法を示す斜視図
【図3】本発明の実施の形態1における薄膜積層型ヘッ
ドの製造方法を示す斜視図
ドの製造方法を示す斜視図
【図4】本発明の実施の形態1における薄膜積層型ヘッ
ドの製造方法を示す斜視図
ドの製造方法を示す斜視図
【図5】本発明の実施の形態1における薄膜積層型ヘッ
ドの製造方法を示す斜視図
ドの製造方法を示す斜視図
【図6】本発明の実施の形態1における薄膜積層型ヘッ
ドの製造方法を示す斜視図
ドの製造方法を示す斜視図
【図7】本発明の実施の形態1における薄膜積層型ヘッ
ドの製造方法を示す斜視図
ドの製造方法を示す斜視図
【図8】本発明の実施の形態2におけるMIGヘッドの
テープ摺動面を示す拡大図
テープ摺動面を示す拡大図
【図9】本発明の実施の形態2におけるMIGヘッドの
製造方法を示す斜視図
製造方法を示す斜視図
【図10】本発明の実施の形態2におけるMIGヘッド
の製造方法を示す斜視図
の製造方法を示す斜視図
【図11】本発明の実施の形態2におけるMIGヘッド
の製造方法を示す斜視図
の製造方法を示す斜視図
【図12】本発明の実施の形態2におけるMIGヘッド
の製造方法を示す拡大図
の製造方法を示す拡大図
【図13】本発明の実施の形態2におけるMIGヘッド
の製造方法を示す拡大図
の製造方法を示す拡大図
【図14】本発明の実施の形態2におけるMIGヘッド
の製造方法を示す拡大図
の製造方法を示す拡大図
【図15】従来の薄膜積層型ヘッドの構造を示す斜視図
【図16】従来の薄膜積層型ヘッドのテープ摺動面を示
す拡大図
す拡大図
【図17】従来の薄膜積層型ヘッドの製造方法を示す斜
視図
視図
【図18】従来の薄膜積層型ヘッドの製造方法を示す斜
視図
視図
【図19】従来の薄膜積層型ヘッドの製造方法を示す斜
視図
視図
【図20】従来の薄膜積層型ヘッドの製造方法を示す斜
視図
視図
【図21】従来の薄膜積層型ヘッドの製造方法を示す斜
視図
視図
【図22】従来の薄膜積層型ヘッドの製造方法を示す斜
視図
視図
【図23】従来の薄膜積層型ヘッドの要部を示す拡大図
【図24】従来のMIGヘッドの構造を示す斜視図
【図25】従来のMIGヘッドのテープ摺動面を示す拡
大図
大図
【図26】従来のMIGヘッドの製造方法を示す斜視図
【図27】従来のMIGヘッドの製造方法を示す斜視図
【図28】従来のMIGヘッドの製造方法を示す斜視図
【図29】従来のMIGヘッドの製造方法を示す拡大図
【図30】従来のMIGヘッドの製造方法を示す拡大図
【図31】従来のMIGヘッドの製造方法を示す拡大図
【図32】磁気ヘッドチップ強度試験の概略を示す模式
図
図
1 非磁性基板 2、21 金属磁性膜 3 絶縁層 5 接着ガラス層 11 非磁性層 12 結晶化ガラス 27、30 非磁性酸化物層 29 下地層 31 フェライトコア 36 低融点結晶化ガラス 37 強磁性酸化物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 昇 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 山西 斉 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5D093 AA01 AD05 CA01 HB15 HC01 5D111 AA02 AA13 AA23 BB12 FF21 GG03 HH16 JJ34 KK07
Claims (14)
- 【請求項1】 金属磁性膜を形成したヘッドコアの磁気
ギャップが、前記金属磁性膜上に下地層を形成し、その
上に順次SiO2を主成分とする非磁性酸化物と低融点
結晶化ガラスを形成した三層構造のギャップ材で構成さ
れていることを特徴とする磁気ヘッド。 - 【請求項2】 金属磁性膜を一対の非磁性材料からなる
基板で挟み込んだ薄膜積層型ヘッドであることを特徴と
する請求項1記載の磁気ヘッド。 - 【請求項3】 金属磁性膜が強磁性酸化物のギャップ対
向面上に形成されたメタル・イン・ギャップ型ヘッドで
あることを特徴とする請求項1記載の磁気ヘッド。 - 【請求項4】 下地層が、Al2O3、Cr2O3、C
rN、Ta2O5のうちの一種からなることを特徴とす
る請求項2または請求項3のいずれかに記載の磁気ヘッ
ド。 - 【請求項5】 下地層の膜厚が10nm以下であること
を特徴とする請求項2または請求項3のいずれかに記載
の磁気ヘッド。 - 【請求項6】 SiO2を主成分とする非磁性酸化物層
が珪酸ガラス層であることを特徴とする請求項2または
請求項3のいずれかに記載の磁気ヘッド。 - 【請求項7】 珪酸ガラス層がホウ珪酸ガラス層である
ことを特徴とする請求項2または請求項3のいずれかに
記載の磁気ヘッド。 - 【請求項8】 金属磁性膜を形成したヘッドコア半体の
磁気ギャップ面に下地層とSiO2を主成分とする非磁
性酸化物を順次形成する工程と、前記非磁性酸化物上に
低融点結晶化ガラスを形成する工程と、両コア半体を磁
気ギャップ面で突き合わせて熱処理を行い、前記低融点
結晶化ガラスを溶融、結晶化させて磁気ギャップにおけ
る機械的強度を高めたコアバーを作製する工程と、前記
コアバーを所定のコア幅で切断し、磁気ヘッドチップを
完成させる工程を有することを特徴とする磁気ヘッドの
製造方法。 - 【請求項9】 金属磁性膜を一対の非磁性材料からなる
基板で挟み込んだ薄膜積層型ヘッドであることを特徴と
する請求項8記載の磁気ヘッドの製造方法。 - 【請求項10】 金属磁性膜が強磁性酸化物のギャップ
対向面上に形成されたメタル・イン・ギャップ型ヘッド
であることを特徴とする請求項8記載の磁気ヘッドの製
造方法。 - 【請求項11】 下地層が、Al2O3、Cr2O3、
CrN、Ta2O5のうちの一種からなることを特徴と
する請求項9または請求項10のいずれかに記載の磁気
ヘッドの製造方法。 - 【請求項12】 下地層の膜厚が10nm以下であるこ
とを特徴とする請求項9または請求項10のいずれかに
記載の磁気ヘッドの製造方法。 - 【請求項13】 SiO2を主成分とする非磁性酸化物
層が珪酸ガラス層であることを特徴とする請求項9また
は請求項10のいずれかに記載の磁気ヘッドの製造方
法。 - 【請求項14】 珪酸ガラス層がホウ珪酸ガラス層であ
ることを特徴とする請求項9または請求項10のいずれ
かに記載の磁気ヘッドの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11122118A JP2000311308A (ja) | 1999-04-28 | 1999-04-28 | 磁気ヘッドおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11122118A JP2000311308A (ja) | 1999-04-28 | 1999-04-28 | 磁気ヘッドおよびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000311308A true JP2000311308A (ja) | 2000-11-07 |
Family
ID=14828081
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11122118A Pending JP2000311308A (ja) | 1999-04-28 | 1999-04-28 | 磁気ヘッドおよびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000311308A (ja) |
-
1999
- 1999-04-28 JP JP11122118A patent/JP2000311308A/ja active Pending
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