JP2000310735A - 共焦点顕微鏡 - Google Patents

共焦点顕微鏡

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JP2000310735A
JP2000310735A JP11121716A JP12171699A JP2000310735A JP 2000310735 A JP2000310735 A JP 2000310735A JP 11121716 A JP11121716 A JP 11121716A JP 12171699 A JP12171699 A JP 12171699A JP 2000310735 A JP2000310735 A JP 2000310735A
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JP11121716A
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Katsuya Sadamori
克也 貞森
Shingo Kajima
伸悟 鹿島
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Olympus Corp
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Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】簡便な装置構成により色収差を低減する。 【解決手段】光源1と、この光源1から照射された光を
通すピンホール4bを有する回転ディスク4と、非球面
特性を有する回折レンズ8bを含み、ピンホール4bを
通過する光を試料面上に集光する対物レンズ8と、ピン
ホール4bを通過する試料9の焦点面からの光を撮像す
るCCDカメラ11と、このCCDカメラ11で撮像さ
れた画像を画像処理することにより試料9の共焦点画像
を得るコンピュータ14とから構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、試料の微小構造や
3次元構造の形状を観察・測定するのに用いられる共焦
点顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、代表的な共焦点顕微鏡として、多
数のピンホールをそのピンホール径の10倍の間隔で螺
旋状に配置したNipkowディスクと呼ばれているデ
ィスクを用いた共焦点顕微鏡が広く知られている。ま
た、このNipkowディスクを用いた共焦点顕微鏡の
光利用効率を向上させることを主目的として、国際公開
番号第97/31282号(Tony Wilson ,Rlmvydas Ju
skaitis:Oxford大学)に改良したディスクを用
いた共焦点顕微鏡(以下、Tony Wilson型ディスクと記
す)が考案されている。
【0003】これら共焦点顕微鏡の全体構成を、Tony W
ilson型ディスク(以下、回転ディスクと記す)を用い
た共焦点顕微鏡を例にとって図7を用いて説明する。
【0004】ハロゲン光源又は水銀光源等の光源1から
出射される光は、光源からの光を均一光にするコリメー
タレンズ2を通って偏光ビームスプリッタ3で反射して
回転ディスク41に入射する。回転ディスク41は図示
しないモータの駆動により回転軸5を中心に一定の速度
で回転する。
【0005】この回転ディスク41の詳細な構成を図4
に示す。図4に示す回転ディスク41はランダムピンホ
ール部41aと開口部41bとが互いに対向する位置に
配置されており、ランダムピンホール部41aと開口部
41bとの間には光を遮光する遮光部41c及び41d
が配置されている。ここで、ランダムピンホール部41
aは複数のピンホールがランダムに配置され、各々のピ
ンホール間の平均間隔がピンホール径とほぼ同一に形成
されている。また、開口部41bは光が自由に通過でき
る領域である。
【0006】この回転ディスク41におけるランダムピ
ンホール部41aのピンホール又は開口部41bを通過
した光はコンデンサレンズ7を介して対物レンズ81に
より集光され、試料9に入射する。そして、試料9から
反射された光は対物レンズ81を介して再度回転ディス
ク41のピンホール又は開口部41bを通過し、さらに
偏光ビームスプリッタ3を透過して集光レンズ10を介
してCCDカメラ11に試料9の焦点位置近傍の像が結
像される。CCDカメラ11は回転ディスク41の回転
速度に同期して撮像タイミングが制御され、ランダムピ
ンホール部41a及び開口部41bを通過した2つの像
を撮像する。
【0007】CCDカメラ11の出力画像はコンピュー
タ14に蓄積される。ランダムピンホール部41aで得
られた非共焦点成分と共焦点成分を含む画像データと、
開口部41bから得られた非共焦点成分のみの画像デー
タは、コンピュータ14で差分演算によって、共焦点画
像データに変換される。得られた共焦点画像データを基
に、モニタ15に共焦点画像として表示される。
【0008】なお、試料9を載置した不図示の水平移動
ステージをピエゾ素子によって、図中矢印に示す上下方
向に移動させて高さ方向の画像を複数蓄積し、その蓄積
した画像をコンピュータ14により合成することで得ら
れる。
【0009】以上のように構成されたTony Wilson型デ
ィスクを用いた共焦点顕微鏡では、Nipkowディス
クを用いた場合と比較して光の利用効率が向上する。具
体的には、光源からの入射光に対して利用可能な試料か
らの反射光は0.5〜1.0%であったが、Tony Wilso
n型ディスクを用いた場合、25〜50%であり、より
明るい画像が得られると報告されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このように、回転ディ
スクを用いた共焦点顕微鏡によれば、共焦点効果を持つ
ピンホールによって、画像フレアをカットし、鮮明な画
像を得ることができる。しかしながら、上述した共焦点
顕微鏡のみでは、色収差による影響をすべて補正するこ
とは非常に困難であり、鮮明な共焦点顕微鏡を得ること
ができなかった。
【0011】本発明は上記課題を解決するためになされ
たもので、その目的とするところは、簡便な装置構成に
より色収差を低減した共焦点顕微鏡を提供することにあ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係る共焦点顕微
鏡は、光源と、この光源から出射された光を通す透光パ
ターンを有する回転体と、非球面特性を有する回折光学
素子を含み、透光パターンを通過する光を試料面上に集
光する対物レンズ系と、透光パターンを通過する試料の
焦点面からの光を撮像する第1の撮像手段と、第1の撮
像手段で撮像された画像を画像処理することにより試料
の共焦点画像を得る画像処理手段とを具備してなること
を特徴とする。
【0013】また、上記共焦点顕微鏡において、回折光
学素子と第1の撮像手段との光路上には、回折光学素子
の色収差を補正する光学素子が配置されていることを特
徴とする。
【0014】また、上記共焦点顕微鏡において、画像処
理手段は、回折光学素子の色収差を補正するフィルタリ
ング部を備えていることを特徴とする。
【0015】この結果、本発明によれば、共焦点顕微鏡
に色収差補正するための回折光学素子を対物レンズ系に
配置したので、共焦点画像における色収差を回折光学素
子で補正するとともに、回折光学素子によって生じる画
像のフレアを回転体の透光パターンで遮断することがで
きる。
【0016】また、回折光学素子を含めた対物レンズ系
が構成されていることにより、回折光学素子を含まない
対物レンズ系と比較して色収差補正能力及び非球面効果
を高くすることができる。
【0017】さらに、対物レンズ系に回折光学素子を用
いたことにより、回折光学素子を含む光学系の設計が容
易になり、その上、回折光学素子は薄肉性を有するた
め、装置全体の小型化も可能になる。
【0018】また、本発明によれば、回折光学素子と第
1の撮像手段との光路上に、色収差を補正する光学素子
を配置したので、回折光学素子の色収差を補正すること
ができる。
【0019】また、本発明によれば、画像処理手段に回
折光学素子の色収差を補正するフィルタリング部を備え
たので、回折光学素子の色収差を補正することができる
上に、当該機能を有する光学素子を設ける必要がないの
で、装置のさらなる小型化を可能にし、簡単な構成で明
るく鮮明な共焦点画像を得ることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施形態を説明する。
【0021】(第1実施形態)図1は本発明の第1実施
形態に係る共焦点顕微鏡の全体構成を示す図である。
【0022】1は光源であり、水銀光源やハロゲン光源
等が用いられる。この光源1から出射される光の光路上
には、光源1からの光を均一光にするコリメータレンズ
2と、このコリメータレンズ2からの均一光を所定の方
向に反射させる偏光ビームスプリッタ3が配置されてい
る。また、この偏光ビームスプリッタ3で反射した光の
光路上には、この反射光の上流側から、反射光を透過す
る透光パターンを有する回転ディスク4,偏光ビームス
プリッタ6,コンデンサレンズ7,所定の分光透過率特
性を有する色補正フィルタ16及び対物レンズ8が配置
されている。
【0023】回転ディスク4の詳細な構成を図2(a)
に示す。この回転ディスク4は円板状のピンホール基板
4aに多数のピンホール4bが等ピッチで螺旋状に形成
されている。なお、本実施形態では図2(a)に示す回
転ディスク4を用いて説明するが、図2(b)に示すよ
うにピンホール4b’がピンホール基板4a’にランダ
ムに配置された回転ディスク4’に置換することも可能
である。さらに、ピンホールの配置はこれらには限定さ
れず、マトリクス状配置や、等角螺旋配置等でもよい。
【0024】偏光ビームスプリッタ6は、ピンホール4
bを通過した光を透過させてコンデンサレンズ7に入射
させるとともに、試料9からの光を、その光に対してほ
ぼ直角の方向に反射させる。
【0025】対物レンズ8には、屈折レンズ8aと、回
折レンズ8bが光軸上に直列に配置されている。コンデ
ンサレンズ7から出射した光はレンズ8bを介して屈折
レンズ8aで集光される。
【0026】また、この対物レンズ8における回折効率
の波長依存性は、所定の分光透過率特性を有する色補正
フィルタ16を用いることにより、光学系全体としてほ
ぼ均一な分光透過率特性にすることができるため、色収
差をほぼ完全に解消することができる。
【0027】対物レンズ8,色補正フィルタ16,コン
デンサレンズ7及び偏光ビームスプリッタ6を介してピ
ンホール4bを通過する試料9からの光の光路上であっ
て、偏光ビームスプリッタ3のさらに下流側には集光レ
ンズ10が配置されている。この集光レンズ10は通常
用いられる屈折レンズであり、その焦点位置に置かれた
CCDカメラ11に試料9の焦点位置近傍での像を結像
させる。この集光レンズ10と同様に、偏光ビームスプ
リッタ6で反射された光の光路上には、通常用いられる
屈折レンズからなる集光レンズ12が配置されており、
その焦点位置に置かれたCCDカメラ13に試料9から
の像を結像させる。
【0028】CCDカメラ11及び13の撮像画像はコ
ンピュータ14に出力され、該コンピュータ14でCC
Dカメラ11及び13で得た画像を画像処理してモニタ
15に表示される。
【0029】次に、本実施形態に係る共焦点顕微鏡の動
作を説明する。
【0030】水銀光源、ハロゲン光源等の光源1から出
射される光は、コリメータレンズ2により均一光にさ
れ、偏光ビームスプリッタ3で反射して回転ディスク4
に入射する。回転ディスク4は図示しないモータの駆動
により回転軸5を中心に一定の速度で回転する。
【0031】回転ディスク4におけるピンホール4bを
通過した光は偏光ビームスプリッタ6を透過し、コンデ
ンサレンズ7及び対物レンズ8を介して試料9上に照射
される。
【0032】そして、試料9からの光は再び対物レンズ
8及びコンデンサレンズ7を介して偏光ビームスプリッ
タ6に入射する。偏光ビームプリッタ6に入射した光
は、そのまま偏光ビームスプリッタ6を透過して直進す
る光と、偏光ビームスプリッタ6により入射角度に対し
てほぼ直角の方向に反射する光に分岐する。偏光ビーム
スプリッタ6を透過して直進する光は、再度回転ディス
ク4のピンホール4bを通過し、さらに偏光ビームスプ
リッタ3を透過して集光レンズ10を介してCCDカメ
ラ11に試料9の焦点位置近傍での像が結像される。C
CDカメラ11に撮像される像は、ピンホール4bを通
過した試料面像となる。
【0033】一方、偏光ビームスプリッタ6で反射され
た光は集光レンズ12を介してCCDカメラ13に試料
9の像が結像される。CCDカメラ13に撮像される像
は、試料9からの光がピンホール4bを通過しない試料
面像となる。
【0034】CCDカメラ11及び13の出力画像は、
コンピュータ14に蓄積される。CCDカメラ11で撮
像された画像データは、ピンホール4bを通して得られ
た非共焦点成分を含む共焦点画像データであり、CCD
カメラ13で撮像された画像データは、ピンホール4b
を通さない非共焦点成分のみの画像データである。コン
ピュータ14は、非共焦点成分を含む共焦点画像データ
から、非共焦点成分のみの画像データを差分演算するこ
とによって共焦点成分のみの共焦点画像データに変換す
る。得られた共焦点成分のみの共焦点画像データは、モ
ニタ15に共焦点画像として表示される。
【0035】なお、試料9の表面近傍の立体画像は、試
料9を載置した不図示の水平移動ステージをピエゾ素子
によって、図中矢印に示す上下方向に移動させて高さ方
向の画像を複数蓄積し、その蓄積した画像をコンピュー
タ14により合成することで得られる。
【0036】このように、本実施形態に係る共焦点顕微
鏡によれば、対物レンズ8に用いられる回折レンズ8b
の非球面特性及びその単純な構成により、通常の対物レ
ンズに比較して容易に色収差が補正できる。また、対物
レンズ8と並列に所定の分光透過率特性を有する色補正
フィルタ16が配置され、光学系全体としてほぼ均一な
分光透過率特性とすることができ、色収差をほぼ完全に
解消することができる。さらに、回折レンズ8bを用い
ることにより発生するフレアは、ピンホール4bの共焦
点効果により除去することができる。従って、所定の観
察面に焦点の合った鮮明な共焦点画像が得られる。
【0037】(第2実施形態)図3は本発明の第2実施
形態に係る共焦点顕微鏡の全体構成を示す図である。以
下の実施形態においては、上記実施形態と同様の構成に
は共通の符号を付し、詳細な説明は省略する。本実施形
態は、Tony Wilson型ディスクを用いた共焦点顕微鏡に
本発明を適用した例を示す。
【0038】図3に示すように、ハロゲン光源や水銀光
源等の光源1から出射される光はコリメータレンズ2に
より均一光にされ、偏光ビームスプリッタ3で反射して
回転ディスク41に入射する。回転ディスク41は図示
しないモータの駆動により回転軸5を中心に回転する。
【0039】回転ディスク41の詳細な構成を図4に示
す。
【0040】図4に示す回転ディスク41はランダムピ
ンホール部41aと開口部41bとが互いに対向する位
置に配置されている。また、ランダムピンホール部41
aと開口部41bとの間には光を遮光する遮光部41c
及び41dが配置されている。ここで、ランダムピンホ
ール部41aは複数のピンホールがランダムに配置さ
れ、各々のピンホール間の平均間隔がピンホール径とほ
ぼ同一に形成されている。開口部41bは光が自由に通
過できる領域である。
【0041】この回転ディスク41におけるランダムピ
ンホール部41aのピンホール又は開口部41bを通過
した光は、コンデンサレンズ7を介し、さらに対物レン
ズ42により試料面上に集光される。
【0042】対物レンズ42は、屈折レンズ42a及び
回折レンズ42bから構成される。回折レンズ42bと
しては、例えば薄肉レリーフ型回折素子が用いられ、こ
の場合、断面形状をブレーズ形状にすることにより、特
定の波長及び回折次数においてのみほぼ100%の回折
効率を得ることができる。逆に言えば、この回折レンズ
42bは波長により回折効率が異なるものである。
【0043】試料9からの光は対物レンズ42及びコン
デンサレンズ7を介して再度回転ディスク41のピンホ
ール又は開口部41bを通過し、さらにビームスプリッ
タ3を透過し、集光レンズ10を介してCCDカメラ4
3に試料9の焦点位置近傍の像が結像される。CCDカ
メラ43は回転ディスク41の回転速度に同期して撮像
タイミングが制御され、ランダムピンホール部41a及
び開口部41bを通過した2つの画像を撮像する。
【0044】CCDカメラ43の出力画像はコンピュー
タ44に蓄積される。この蓄積される出力画像は、ラン
ダムピンホール部41aで得られた非共焦点成分を含む
共焦点画像データと、開口部41bから得られた非共焦
点成分のみの画像データとを差分演算することによっ
て、共焦点成分のみの共焦点画像データに変換する。得
られた共焦点画像データは、モニタ15に共焦点画像と
して表示される。
【0045】次に、CCDカメラ43とコンピュータ4
4の詳細な構成を説明する。
【0046】CCDカメラ43は3つの撮像素子43a
〜43cを有し、それぞれRGBの3原色光に対応した
撮像信号が得られるようになっている。これにより、感
度、解像度及び色調に優れ、ダイナミックレンジが広
く、色解像度が高い画像が得られる。また、全体が3個
のプリズムブロック43d〜43fで入射光線を透過あ
るいは反射させて色分離を行うので、光利用効率が高
い。このようにCCDカメラ43から得られたR信号,
G信号及びB信号は、それぞれ独立した信号としてコン
ピュータ44に入力される。
【0047】コンピュータ44内にはフィルタリング部
44’が設けられており、CCDカメラ43から入力さ
れた各撮像信号は、このフィルタリング部44’による
画像処理により回折レンズ42bの波長依存性が補償さ
れる。このフィルタリング部44’のフィルタリング特
性曲線を図5(a)に示す。図5(a)に示す横軸は波
長、縦軸は画像係数を表している。図5(a)は、各波
長に対して、差分演算によって得られた共焦点成分のみ
の共焦点画像データに乗ずる画像係数を示している。な
お、この特性曲線すなわち、波長に対応した画像係数デ
ータはコンピュータ44内のルックアップテーブル等に
蓄積されている。
【0048】また、回折レンズ42bを通過する波長と
回折効率の関係を図5(b)に示す。図5(b)におい
て、横軸は波長、縦軸は回折効率である。
【0049】図5(b)に示される回折効率の波長依存
性を補償すべく、各々の波長(すなわちR,G,B信
号)に対応した差分演算によって得られた共焦点成分の
みの共焦点画像データに、図5(a)に基づいた各々の
画像係数を乗ずることにより、各画像データの明るさが
均一となる。よってR,G,B画像信号を合成して得ら
れる共焦点画像データは、色収差がほぼ完全に解消した
鮮明な画像とすることができる。従って、フィルタリン
グ部44’は第1実施形態で示した色補正フィルタと同
じ作用を有するため、本実施形態における対物レンズ4
2には色補正フィルタは必要とされない。
【0050】なお、光学系全体の分光透過率に影響する
要因としては、コンデンサレンズ7及び屈折レンズ42
aの分光透過率も考えられるが、これは回折レンズ42
bを含まない通常のレンズ系と同様であり、しかも回折
レンズ42bにおける回折効率の波長依存性に比較して
影響は小さいため、回折レンズ42bにおける回折効率
の波長依存性のみを補償するフィルタリング特性を持つ
フィルタリング部44’を用いればいよい。
【0051】なお、試料9の表面近傍の立体画像は、試
料9を載置した不図示の水平移動ステージをピエゾ素子
によって、図中矢印に示す上下方向に移動させて高さ方
向の画像を複数蓄積し、その蓄積した画像をコンピュー
タ44により合成することで得られる。
【0052】このように本実施形態によれば、第1実施
形態と同様の効果を奏するとともに、CCDカメラ43
で異なる波長毎に独立して撮像し、得られた波長毎の撮
像信号をフィルタリング部44’で画像処理することに
より、光学系内に色補正フィルタを用いることなく色収
差の影響をほぼ完全に解消することができる。また、色
補正フィルタを用いないため、対物レンズ42を薄肉化
することができ、かつ画像全体を明るくして鮮明な観察
画像を得ることが可能となる。
【0053】本発明はこの実施形態に限定されるもので
はない。ディスク41の構成には限定されず、例えば、
ディスク41のランダムピンホール部41aを透光部と
遮光部が交互に配置されたラインパターン部に置換して
もよく、遮光部41c及び41dを挟んで共焦点成分及
び非共焦点成分の双方を含む画像を通す領域と、非共焦
点成分のみを通す領域が形成されているものであれば特
に限定されるものではない。
【0054】(第3実施形態)図6は本発明の第3実施
形態に係る共焦点顕微鏡の全体構成を示す図である。
【0055】水銀光源等の光源1から出射される光はコ
リメータレンズ2により均一光にされ、偏光ビームスプ
リッタ3で反射して回転ディスク4に入射する。回転デ
ィスク4は図示しないモータの駆動により回転軸5を中
心に一定の速度で回転する。回転ディスク4の構成は、
第1実施形態と同様に図2(a)に示すような螺旋状配
置のピンホールパターンでも、図2(b)に示すような
ランダムピンホールパターンであってもよく、またこれ
らのパターン配置には限定されない。
【0056】この回転ディスク4におけるピンホール4
bを通過した光は偏光ビームスプリッタ6を透過し、コ
ンデンサレンズ7を介し、さらに対物レンズ42により
試料面上に集光する。そして、試料9からの光、ここで
は試料9から反射された光は対物レンズ42及びコンデ
ンサレンズ7を介して偏光ビームスプリッタ6に入射す
る。
【0057】偏光ビームスプリッタ6に入射した光は、
そのまま偏光ビームスプリッタ6を透過して直進する光
と、偏光ビームスプリッタ6により入射角度に対してほ
ぼ直角の方向に反射する光に分岐する。偏光ビームスプ
リッタ6を透過して直進する光は、再度回転ディスク4
のピンホール4bを通過し、さらに偏光ビームスプリッ
タ3を透過して集光レンズ10を介してCCDカメラ4
3に試料9の焦点位置での像が結像される。
【0058】一方、偏光ビームスプリッタ6で反射した
光は集光レンズ12を介してCCDカメラ71に試料9
の焦点位置での像が結像される。
【0059】CCDカメラ43及び71の撮像画像はコ
ンピュータ44に画像データとして蓄積される。CCD
カメラ43で撮像された画像データは、ピンホール4b
を通して得られた非共焦点成分を含む共焦画像データで
あり、CCDカメラ71で撮像された画像データは、ピ
ンホール4bを通さない非共焦点成分のみの画像データ
である。コンピュータ44は、非共焦点成分を含む共焦
点画像データから非共焦点成分のみの画像データを差分
演算することによって共焦点成分のみの画像データに変
換する。得られた共焦点画像データは、モニタ15に共
焦点画像として表示される。
【0060】CCDカメラ43及び71の構成は第2実
施形態と同様に、異なる波長域の信号を独立して撮像す
ることができる。またコンピュータ44も、第2実施形
態と同様に、CCDカメラ43及び71からの撮像信号
を図5(a)に示すフィルタリング特性を有するフィル
タリング部44’で画像処理することで、ほぼ均一な分
光透過率特性を有する光学系で得られたのと同様の画像
データを得ることができ、これにより色収差の影響をほ
ぼ完全に解消することができる。
【0061】なお、試料9の表面近傍の立体画像は、試
料9を載置した不図示の水平移動ステージをピエゾ素子
によって、図中矢印に示す上下方向に移動させて高さ方
向の画像を複数蓄積し、その蓄積した画像をコンピュー
タ44により合成することで得られる。
【0062】このように本実施形態によれば、第1実施
形態と同様に非共焦点成分を含む共焦点画像データから
非共焦点成分のみの画像データを差分演算することによ
り、共焦点画像を効果的に抽出することができる。ま
た、第2実施形態と同様に、CCDカメラ43及び71
で異なる波長域毎に独立して撮像し、得られた波長毎の
撮像信号をフィルタリング部44’で画像処理する事に
より、対物レンズに色補正フィルタを用いることなく色
収差の影響をほぼ完全に解消することができる。従っ
て、色補正フィルタの挿入部又は設置部を光学系に設け
る必要が無く、対物レンズ42を薄肉化することができ
るとともに、色補正フィルタを用いることにより生じる
低・高波長に対する光透過率の低下が無く、画像全体が
明るくなり、鮮明な観察画像を得ることができる。
【0063】本発明は上記実施形態に限定されるもので
はない。各実施形態で示したディスクの構成には限定さ
れず、ディスク状のものに限らず、円筒状のもの、ベル
ト状のものなどにも適用することができる。さらに、デ
ィスク、円筒状・ベルト状等の回転体のみならず、マト
リクス状に液晶素子が配置された液晶装置に置換しても
本発明を適用可能である。この液晶装置を用いる場合に
は、それぞれの液晶素子への電圧の印加をオンオフ制御
して光を透過する微小領域をマトリクス走査することに
より、回転体を回転させるのと同じ効果を得ることがで
きる。
【0064】また、上述した実施形態、例えば第1実施
形態では、色補正フィルタを光路上に配置していたが、
特性波長の画像をモニタ上で観察する場合、色補正フィ
ルタを配置しなくても良い。
【0065】第2及び第3実施形態では、試料面像の撮
像方式として、撮像素子を3個用いて撮像する3板式を
用いたが、撮像素子1個により撮像する単板式や、2板
式、4板式等であってもよい。また、撮像画像の色特性
をさらに改善するため、各光路にトリミングフィルタを
配置することにより、色再現性が優れ、色調の良いカラ
ー画像が得られる。
【0066】また、第2及び第3実施形態において、差
分演算で得られたR,G,B画像信号である共焦点成分
のみの共焦点画像データに、図5(a)のR,G,B信
号の波長に応じた画像係数を乗じて共焦点画像を得てい
る。左記のように共焦点画像を得る以外に、図2の回転
ディスク4’や図4の回転ディスク41を利用したTony
Wilson型回転ディスクを用いた共焦点顕微鏡におい
て、非共焦点成分を含む共焦点画像データと、ある任意
の値を乗じた非共焦点成分のみの非共焦点画像データと
の間の差分演算を行った後に、図5(a)の画像係数を
乗じてもよい。その結果、非共焦点成分が少ないすなわ
ち、コントラストがよくフレアが少ない鮮明な共焦点画
像を得ることができる。
【0067】また、上述した実施形態では、試料からの
反射光を撮像していたが、これに限られるものではな
く、例えば簡単な設計変更を行うことで、容易に試料か
らの蛍光も撮像できる。
【0068】なお、この明細書には、以下の発明が含ま
れることを確認する。
【0069】(1)光源と、この光源から照射された光
を通す透光パターンを有する光遮蔽部材と、回折光学素
子を含む光学系により構成され、前記透光パターンを通
過する光を試料面上に集光する対物レンズ系と、前記試
料から反射した光が前記透光パターンを通過した試料面
像を撮像する撮像手段と、この撮像手段で撮像された画
像を画像処理することにより前記試料面の共焦点像を得
る画像処理手段とを具備してなり、前記透光パターンの
位置は、前記試料及び前記撮像手段の位置に対して前記
光遮蔽部材において移動可能に設定されてなることを特
徴とする共焦点顕微鏡。
【0070】(2)光遮蔽部材は、マトリクス状に複数
の液晶素子が配置された液晶装置である。
【0071】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、回
折光学素子を含めて対物レンズ系が構成されるため、簡
便な装置構成により色収差を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る共焦点顕微鏡の全
体構成を示す図。
【図2】本発明の対象とする回転ディスクの詳細な構成
を示す図。
【図3】本発明の第2実施形態に係る共焦点顕微鏡の全
体構成を示す図。
【図4】本発明の対象とする回転ディスクの詳細な構成
を示す図。
【図5】同実施形態に係る画像処理手段の特性を示す
図。
【図6】本発明の第3実施形態に係る共焦点顕微鏡の全
体構成を示す図。
【図7】従来の共焦点顕微鏡の全体構成を示す図。
【図8】回折素子及び色補正フィルタの波長依存性を示
す図。
【符号の説明】
1…光源 2,7…コリメータレンズ 3,6…偏光ビームスプリッタ 4,41…回転ディスク 5…回転軸 8,42…対物レンズ 8a…屈折レンズ 8b…回折レンズ 9…試料 10,12…集光レンズ 11,13,43,71…CCDカメラ 14,44…コンピュータ 15…モニタ 16…色補正フィルタ 42a…屈折レンズ 42b…回折レンズ 43a〜43c,71a〜71c…撮像素子 43d〜43f,71d〜71f…プリズムブロック 44’…フィルタリング部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年12月16日(1999.12.
16)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このように、回転ディ
スクを用いた共焦点顕微鏡によれば、共焦点効果を持つ
ピンホールによって、画像フレアをカットし、鮮明な画
像を得ることができる。しかしながら、上述した共焦点
顕微鏡のみでは、色収差による影響をすべて補正するこ
とは非常に困難であり、鮮明な共焦点画像を得ることが
できなかった。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係る共焦点顕微
鏡は、光源と、この光源から出射された光を通す透光パ
ターンを有する回転体と、非球面特性を有する回折光学
素子を含み、前記透光パターンを通過する光を試料面上
に集光する対物レンズ系と、前記透光パターンを通過し
た試料の焦点面からの光を撮像する撮像手段と、この撮
像手段で撮像された画像を画像処理することにより前記
試料の共焦点画像を得る画像処理手段と、を具備してな
ることを特徴とする。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】また、上記共焦点顕微鏡において、回折光
学素子と撮像手段との光路上には、前記回折光学素子に
対応する分光透過率特性を有する光学素子が前記回折光
学素子と組み合わせて配置されていることを特徴とす
る。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】また、共焦点顕微鏡において、画像処理手
段は、前記回折光学素子の回折効率の波長依存性を補償
する分光透過率特性を有するフィルタリング部を備えて
いることを特徴とする。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】また、本発明によれば、回折光学素子と撮
像手段との光路上に、前記回折光学素子に対応する分光
透過率特性を有する光学素子が前記回折光学素子と組み
合わせて配置されていることにより、光学系全体として
ほぼ均一な分光透過率特性とすることができる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0059
【補正方法】変更
【補正内容】
【0059】CCDカメラ43及び71の撮像画像はコ
ンピュータ44に画像データとして蓄積される。CCD
カメラ43で撮像された画像データは、ピンホール4b
を通して得られた非共焦点成分を含む共焦点画像データ
であり、CCDカメラ71で撮像された画像データは、
ピンホール4bを通さない非共焦点成分のみの画像デー
タである。コンピュータ44は、非共焦点成分を含む共
焦点画像データから非共焦点成分のみの画像データを差
分演算することによって共焦点成分のみの画像データに
変換する。得られた共焦点画像データは、モニタ15に
共焦点画像として表示される。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源と、 この光源から出射された光を通す透光パターンを有する
    回転体と、 非球面特性を有する回折光学素子を含み、前記透光パタ
    ーンを通過する光を試料面上に集光する対物レンズ系
    と、 前記透光パターンを通過した試料の焦点面からの光を撮
    像する第1の撮像手段と、 この第1の撮像手段で撮像された画像を画像処理するこ
    とにより前記試料の共焦点画像を得る画像処理手段とを
    具備してなることを特徴とする共焦点顕微鏡。
  2. 【請求項2】 前記回折光学素子と前記第1の撮像手段
    との光路上には、前記回折光学素子の色収差を補正する
    光学素子が配置されていることを特徴とする請求項1に
    記載の共焦点顕微鏡。
  3. 【請求項3】 前記画像処理手段は、 前記回折光学素子の色収差を補正するフィルタリング部
    を備えていることを特徴とする請求項1に記載の共焦点
    顕微鏡。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010078611A (ja) * 2001-09-19 2010-04-08 Tripath Imaging Inc 定量ビデオ顕微鏡法とそれに関連するシステムおよびコンピュータソフトウェアプログラム製品
JP2018180401A (ja) * 2017-04-19 2018-11-15 日本分光株式会社 赤外顕微鏡

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010078611A (ja) * 2001-09-19 2010-04-08 Tripath Imaging Inc 定量ビデオ顕微鏡法とそれに関連するシステムおよびコンピュータソフトウェアプログラム製品
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