JP2000310559A - 走査ビーム径測定方法および装置 - Google Patents

走査ビーム径測定方法および装置

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JP2000310559A
JP2000310559A JP15207699A JP15207699A JP2000310559A JP 2000310559 A JP2000310559 A JP 2000310559A JP 15207699 A JP15207699 A JP 15207699A JP 15207699 A JP15207699 A JP 15207699A JP 2000310559 A JP2000310559 A JP 2000310559A
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grating
beam diameter
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JP15207699A
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Keiichi Sugimura
圭一 杉村
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Ricoh Optical Industries Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】走査光学ユニットの走査ビーム径を簡便且つ容
易に測定する。 【解決手段】遮光幅と透過幅とが略等しい格子幅:Wを
有する光学格子6を、走査光学ユニット4の走査ビーム
5により走査し、光学格子6を通過したレーザ光を電気
信号に変換し、この電気信号の波形から、最大値:Pmax
と最小値:Pminとを測定し、これらと格子幅:Wとに基
づき格子方向に直交するビーム径を測定することを、所
望の測定位置において、格子方向を走査方向に対して9
0度、±30度に設定して行うことにより、走査方向の
ビーム径:2Aと、走査方向に対して±60度方向のビ
ーム径:2B,2Cを得る。これら2A,2B,2Cか
ら、走査直交方向のビーム径:2Eを演算算出できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、製版用レーザー
スキャナ、レーザープリンタ、レーザープロッタ等の書
き込み用として知られる走査光学ユニットの走査ビーム
のビーム径を測定する方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】製版用レーザスキャナ、レーザプリン
タ、レーザプロッタ等の書込みに用いられる走査光学ユ
ニットは「レーザビームを光学的に走査する」ことによ
り、被走査面の実体をなす感光材料に所望の画像情報を
記録する。図13により、走査光学ユニットを簡単に説
明する。走査光学ユニット4は基本的に、レーザ光源
(半導体レーザ)1から発せられたレーザビームを偏向
手段としての回転多面鏡2により反射・偏向し、偏向す
るレーザビーム5を結像レンズ3により、図示されない
被走査面上にビームスポットとして集光させて走査を行
うものである。図13には示されていないが、実際の走
査光学ユニットでは、レーザ光源1から放射されたレー
ザ光はカップリングレンズにより以後の光学系に適した
光束形態(平行光束とするとも、発散性の光束とするこ
とも集束性の光束とすることも可能である)に変換し、
光束形態を変換されたレーザビームを、シリンドリカル
レンズ等の線像結像光学系により回転多面鏡2の偏向反
射面近傍に、主走査方向(ビームスポットが理想的に走
査すべき方向)に長い線像として結像させるようになて
いるものが多い。このようにすることにより、回転多面
鏡2のいわゆる「面倒れ」を有効に補正することができ
る。また偏向手段は回転多面鏡2に限らず、回転2面鏡
や回転単面鏡等を用いることもできる。以下では、図1
3に示された走査光学ユニットを例として説明を行う
が、この発明において「走査ビーム径を測定されるべき
走査結像ユニット」は、図13に示されたものに限定さ
れるものではなく、この発明の走査ビーム径測定方法お
よび装置は公知の任意の走査光学ユニットに対して適用
できる。
【0003】走査ビームが理想的に走査する方向は、被
走査面上に於いて主走査方向とよばれ、被走査面上にお
いて主走査方向に直交する方向は副走査方向と呼ばれ
る。被走査面上に形成されるビームスポットの、主走査
方向および副走査方向のスポット径をそれぞれ「主走査
ビーム径」および「副走査ビーム径」と呼ぶ。これら主
・副走査ビーム径は、光走査により形成する画像情報の
画質を左右する重要な因子であるため、走査光学ユニッ
トの走査ビームのビーム径が所望の大きさのものか否か
を測定により知る必要がある。主・副走査ビーム径の測
定方法としては、以下の如きものがある。第1の方法
は、図14に示すように、走査光学ユニット4(以下、
被検ユニット4と称する)の回転多面鏡2の回転を停止
し、走査ビーム5の方向を図のように固定する。被走査
面と略等価な面位置に光学スリット24を配し、その背
後に光電変換素子7を配備する。光学スリット24と光
電変換素子7とを走査ビーム5に対し、所定の方向(図
では主走査方向)に定速度:Vで変位させ、スリット2
4を通過したレーザ光を光電変換素子7で光電変換し、
光電変換出力を受光信号増幅回路8で増幅し、オシロス
コープ等の波形観測装置9で測定すると、図の如きガウ
ス分布型の波形が得られる。レーザ光束は実質的にガウ
ス分布に従う強度分布を持つので、そのピーク値を1と
するとき、強度が1/e2(=0.135)以上となる
部分の時間幅:Tを測定すれば、主走査ビーム径は「T
・V」で与えられる。スリット24と光電変換素子7の
移動方向を副走査方向(図面に直交する方向)とすれ
ば、上と同様にして副走査ビーム径を測定できる。
【0004】第2の方法は、図15に示すように、被検
ユニット4からの走査ビームが走査する被走査面に略等
価な面位置において、測定位置に光学スリット24と光
電変換素子7とを図の如く配置する。光学スリット24
を走査ビーム5により走査し、光学スリット24を透過
したレーザ光を光電変換素子7で電気信号に変換し、受
光信号増幅回路8で増幅して波形観測装置9で観測し、
観測波形に基づきビーム径を得る。即ち、走査ビーム5
の走査速度:vと、波形のピーク値(100%)の1
3.5%以上となる部分の時間幅:Tとによりビーム径
を「T・v」で知ることができる。この方法では、光学
スリット24を固定し、走査ビーム5を主走査方向に走
査してビーム径を測定するため、副走査ビーム径は測定
できない。第3の方法は、図16に示すように、1次元
CCDアレイ25を用いてビーム径を測定する方法で、
1次元CCDアレイ25は被検ユニット4からの走査ビ
ーム5の走査位置に配置され、走査ビーム5により走査
される。1次元CCDアレイ25の受光エレメントは、
図16(b)に示すように、走査方向に直交する方向
((a)では図面に直交する方向)に配列されている。
1次元CCDアレイ25上を走査ビーム5で走査し、1
次元CCDアレイ25の出力波形を受光信号増幅回路8
で増幅して波形観測装置9で測定する。走査により1次
元CCDアレイ25に蓄積された走査ビームの「走査方
向に直交する方向の光量分布」から副走査ビーム径を得
る。即ち、図16(a)に示された階段状の波形のピー
ク値の13.5%以上となる受光エレメント数:nと、
各受光エレメントの「配列方向のエレメントサイズ:
s」とにより、副走査ビーム径は「n・s」として知る
ことができる。この方法では主走査ビーム径は測定でき
ない。以上をまとめると、第1の方法では、測定位置に
走査ビーム5を留め置く必要があるので、回転多面鏡2
を操作して測定位置に走査ビーム5を合わせるため、回
転多面鏡2を操作する手段と、測定位置を割り出す手段
を必要とし、測定に時間がかかり効率的な測定が難し
い。また、光学スリット24の変位速度:V(mm/
秒)を予め測定や計算等で確定しておく必要がある。第
2の方法では、測定位置での走査ビーム5の走査速度:
v(mm/秒)を予め測定や計算等で確定しておくか、
走査ビーム測定時に同時に、光学スリット24の面での
走査速度:v(mm/秒)を測る必要があり、測定に手
間や時間がかかり、やはり効率的な測定は難しい。第3
の方法は、光に対する1次元CCDアレイ25の感度が
高いので、走査ビーム5が1次元CCDアレイ25に直
接入射すると、1次元CCDアレイ25の出力が飽和し
てビーム径を観測できないため、走査ビームの光量を下
げなければならない。上述のように、第2の方法では副
走査ビーム径を測定できず、第3の方法では主走査ビー
ム径を測定できないので、主走査ビーム径の測定は第2
の方法で行ない、副走査ビーム径の測定は第3の方法で
行うことが考えられる。このように、第3の方法を第2
の方法と併用した場合、第2の方法は光量を必要とする
ため、1次元CCDアレイ25の前に減光フィルター等
を配置して1次元CCDアレイ25に入射する光量を減
光する必要がある。また1次元CCDアレイ25の出力
は、1次元CCDアレイ25のエレメント単位の階段状
の出力となるため、ビーム径の測定精度は1次元CCD
アレイ25のエレメントサイズとエレメント数によって
決まり、測定対象とする副走査ビーム径の大きさが「1
次元CCDアレイ25のエレメント10個以下の大き
さ」になると誤差が大きくなってしまう。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、走査ビー
ム径を簡便に測定する方法および装置の実現を課題とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、レーザビー
ムを光学的に走査する走査光学ユニットにおいて、走査
される走査ビームのビーム径を測定する方法であって、
光学格子を用い、少なくとも以下の3工程を有する。
「光学格子」は、遮光幅と透過幅とが略等しい格子幅:
Wを有する。「第1の工程」は、光学格子を、格子方向
が走査ビームの走査方向に対して略90度の角度をなす
ように設定し、光学格子と走査ビームを、所望の測定位
置において走査方向へ相対的に変位させる。そして、光
学格子を透過したレーザ光を電気信号に変換し、変換さ
れた電気信号における最大値:Pmaxと、最小値:Pmin
と、格子幅:Wとに基づき、測定位置における走査方向
のビーム径:2Aを算出する工程である。「第2の工
程」は、光学格子を、格子方向が走査ビームの走査方向
に対して略−30度の角度をなすように設定し、光学格
子と走査ビームを、所望の測定位置において走査方向へ
相対的に変位させ、光学格子を透過したレーザ光を電気
信号に変換し、変換された電気信号における最大値:Pm
axと、最小値:Pminと、格子幅:Wとに基づき、測定位
置における走査方向に対し+60度の角をなす方向にお
けるビーム径:2Bを算出する工程である。「第3の工
程」は、光学格子を、格子方向が走査ビームの走査方向
に対して略+30度の角度をなすように設定し、光学格
子と走査ビームを、所望の測定位置において走査方向へ
相対的に変位させ、光学格子を透過したレーザ光を電気
信号に変換し、変換された電気信号における最大値:Pm
axと、最小値:Pminと、格子幅:Wとに基づき、測定位
置における走査方向に対し−60度の角をなす方向にお
けるビーム径:2Cを算出する工程である。光学格子
は、遮光部と透過部の交互の繰り返しで形成され、透過
部はスリット状であるが、上記の如く、遮光部の幅であ
る遮光幅と、透過部の幅である透過幅が互いに略:Wに
等しい。
【0007】「格子方向」とは、スリット状の透過部の
長手方向である。透過幅は「透過部に置ける上記長手方
向に直交する方向の幅」であり、遮光幅もこの方向にお
ける幅である。「所望の測定位置」は、走査ビーム径を
測定したい位置であり、一般に、走査光学ユニットの走
査ビームが走査すべき被走査面と略等価な面上の所望の
位置である。「走査方向」は、走査ビームを測定すべき
走査光学ユニットの走査ビームが走査される方向であっ
て主走査方向に対応する。現実には、ビームスポットの
移動が厳密には直線でない場合があり、このような場合
を考慮し、上記走査方向は、走査ビームの走査領域の中
央部近傍におけるビームスポットの移動方向を言うもの
とする。上記のように、光学格子と走査ビームを、所望
の測定位置において「走査方向へ相対的に変位」させる
には、静止した光学格子に走査ビームを走査しても良い
し、逆に、走査ビームを固定して光学格子を移動させて
もよく、走査ビームを走査しつつ光学格子を変位させて
もよい。上記第1〜第3の工程を行う順序は、全く任意
であって、どのような順序で行ってもよい。また、後述
する請求項4の場合には、上記第1〜第3の工程を略同
時に行うことができる。上記請求項1記載の走査ビーム
測定方法では、上記の如く、ビーム径:2A,2B,2
Cを算出するが、算出されたビーム径:2A,2B,2
Cに基づき「走査直交方向におけるビーム径」を算出で
きる(請求項2)。「走査直交面」は、光学格子の格子
面上で走査方向に直交する方向であり、副走査方向に対
応する。上記請求項1または2記載の走査ビーム径測定
方法において、ビーム径:2A,2B,2Cを求める各
工程において「同一の光学格子を、格子方向が上記90
度、±30度の方向になるように設定して用いる」こと
もできるし(請求項3)、光学格子として「格子幅が互
いに等しい3つの格子部分を、走査方向に対する格子方
向を90度および±30度に設定して一体化したもの」
を用い、一度の走査によりビーム径:2A,2B,2C
の算出に必要なデータを得ることも出きる(請求項
4)。勿論、格子方向が上記90度、±30度の方向に
なるように設定された3種の光学格子を、工程ごとに差
し替えても良い。光学格子を用いるビーム径測定方法は
従来から知られており「L.D.Dickson”Ronchi Ruling M
ethod for Measuring Beam Diameter”Optical Enginee
ring,Vol.18 No.1,January-February 1979」に詳しい記
載がある。
【0008】この発明の走査ビーム径測定方法は、この
「光学格子を用いるビーム径測定方法」を利用するもの
であるので、この測定方法の原理を簡単に説明する。図
2において、符号6で示す光学格子は、図2(b)に示
すように、透過幅:Wと遮光幅:Wが共に等しい光学格
子であり、これをレーザビーム5に対し矢印方向へ変位
させると、ビーム5は遮光部による遮光と透過部の通過
とを交互に繰り返すことにより変調される。この変調さ
れたレーザ光を光電変換素子7で電気信号に変換し、受
光信号増幅回路8で増幅して波形観測装置9で測定する
と、測定される信号は図2(a)に示すように、最大
値:Pmaxと最小値:Pminの周期的な繰り返しになる。こ
のとき、レーザビーム5のビーム径:d0は、最大値:Pm
axと最小値:Pminと遮光幅:W(=透過幅)を用いて、 d0=(2.2×Pmin/Pmax+1)×W (i) で与えられる。このように算出されたビーム径:d0
遮光幅:Wに対して、 1.3W≦d0≦2.7W の関係を満たせば、算出されたビーム径:d0の精度は
理論的に1%の誤差である。(i)式は、レーザビーム
5がガウス型の強度分布を有するガウスビームであるこ
とを利用して得られたものであるが、(i)式には、時
間のパラメータも速度のパラメータもない。したがっ
て、ビーム径を測定するにあたり光学格子6の変位速度
を予め知る必要はない。図2の説明では、レーザビーム
5を固定して光学格子6を変位させたが、光学格子6を
固定してレーザビーム5を走査してもよく、この発明の
走査ビーム径測定方法では上記の如く「所望の測定位置
において、光学格子と走査ビームを走査方向へ相対的に
変位」させ、光学格子を透過したレーザ光を電気信号に
変換し、変換された電気信号における最大値:Pmaxと最
小値:Pminを求めるのである。
【0009】ところで、周知の如く、走査光学装置の走
査ビームにより被走査面上に形成されるビームスポット
は一般に楕円形状である。楕円の具体的な形状は、光源
である半導体レーザと被走査面との間に配備される光学
系の、主走査方向と副走査方向の各倍率により決定され
るが、楕円の長軸方向が副走査方向になるようにするの
が普通である。しかし、設計上はそうであっても、実際
に被走査面上に形成されるビームスポットの楕円形状
は、必ずしも長軸の方向が主走査方向に直交する方向に
向くとは限らない。半導体レーザやレンズ系等の組み付
け誤差等により、一般には、図4の最上図に示すよう
に、楕円形状の長軸方向が走査方向に直交する方向に対
して傾く場合が多い。図2に即して説明したビーム径測
定方法では、図2(b)に示すように、光学格子6にお
ける格子方向は、レーザビーム5と光学格子6との相対
的な変位方向(光学格子走査方向)に直交している。そ
して、上述の方法で測定されるビーム径は「光学格子の
格子方向に直交する方向におけるビーム径」である。従
って、光学格子の格子方向を走査方向に直交させた状態
(格子方向が走査方向と90度の角をなす状態)でビー
ム径を測定すれば、上記(i)式で与えられるビーム径
は走査方向のビーム径であるが、実際のビームスポット
が、図4の最上図に示すように、長軸方向が走査方向に
対し90度以外の角をなしている場合には、測定される
走査方向のビーム径は「2a(短軸径)」ではなく、図
4最上図に示す「2D」である。このとき当然に、ビー
ムスポットにおける実際の「走査直交方向の走査ビーム
径」は「2b(長軸径)」ではなく、図4最上図の「2
E」である。図4について説明を補足すると、図4
(2)に示したように「長軸が座標軸から傾いた楕円」
は、図4の(1)式で表され、ビームスポットが図4最
上図のように傾いた場合の、走査方向のビーム半径(主
走査ビーム半径:D)、走査直交方向のビーム半径(副
走査ビーム半径:E)は、図4の(2)式で与えられる
ことになる。図4に示すように、主走査ビーム半径:
D、副走査ビーム半径:Eは、角:γ傾いた楕円の極座
標表現において、先の楕円式(図4の(2)式)におけ
る主走査方向、副走査方向の極値となる。これら極値は
(±)両方向に存在し、数値的には(−)となる場合が
あるが、この明細書中において、ビーム径を表示する2
Dや2EにおけるEやDは、上記極値の「絶対値」であ
る。後述する2A,2Bや2Cについても同様である。
図5(a)は、光学格子6の格子方向を走査方向に対し
て−30度傾けた状態を示している。このような状態の
光学格子を走査ビーム5で走査した場合、走査ビーム5
の走査方向のベクトル:Xは、光学格子6の格子方向の
ベクトル:Yと光学格子6の格子と直交する方向のベク
トル:Zに分解できる。走査ビーム5が光学格子6の格
子方向に移動することを示すベクトル:Yは光学格子6
を透過する光量変化には寄与しない。光学格子6を透過
する光量の変化は、走査ビーム5が光学格子6の格子と
直交する方向に移動することを示すベクトル:Zによっ
て発生する光量変化である。従って、走査ビーム5の走
査方向に対して光学格子6の格子方向を−30度傾ける
と、光学格子6の格子と直交する方向のベクトル:Zは
走査方向のベクトル:Xに対して60度方向となるの
で、走査方向に対して光学格子6の格子方向を−30度
傾けて得られた、前記PmaxとPminから、(i)式によっ
て得られるビーム径は「走査方向に対して+60度方向
のビーム径」であり、走査方向に対して光学格子6の格
子方向を+30度傾けて測定を行った場合には「走査方
向に対して−60度方向のビーム径」が得られることに
なる。
【0010】図3最上図は、走査ビームの楕円形状のビ
ームスポットの短軸方向が、走査方向に対して角:γ傾
いている状態において、光学格子の格子方向を走査方向
に対して90度に設定して測定された「走査方向のビー
ム径:2A」、格子方向を走査方向に対して−30度に
設定して測定された「走査方向に対して+60度の角を
なす方向のビーム径:2B」と、格子方向を走査方向に
対して+30度に設定して測定された「走査方向に対し
て−60度の角をなす方向のビーム径:2B」を示して
いる。図3最上図におけるビームスポットの楕円形状の
長軸半径:a、短軸半径:bおよび上記角:γと上記
A,B,Cとの関には、角:γが−45度<γ<+45
度の範囲にあるとき、図3(1)に示す如き関係があ
る。従って、上記の如くして2A,2B,2Cを測定し
てA,B,Cを得ることができる。このようにして得ら
れたA,B,Cを用いると、図3に示す式に従い、長軸
半径a,短軸半径:bと角:γが求められる。このよう
に求められたa,b,γを用いると、図4に示す変換方
法により、走査直交方向の走査ビーム半径:Eを、図4
の(2)式に従って算出できる。そして、このEから
「走査直交方向の走査ビーム径:2E」を得ることがで
きる。この発明の走査ビーム径測定装置は「レーザビー
ムを光学的に走査する走査光学ユニットにおいて、走査
される走査ビームのビーム径を測定する装置」であっ
て、保持手段と、光学格子手段と、光電変換素子と、変
位手段と、受光信号増幅回路と、波形観測装置と、演算
手段とを有する。「保持手段」は、ビーム径を測定すべ
き走査光学ユニット(前述の「被検ユニット」)を保持
する手段である。「光学格子手段」は、遮光幅と透過幅
とが略等しい格子幅:Wを有し、格子方向が走査ビーム
の走査方向に対して略90度および略−30度および略
−30度の角度に設定され得る。「光電変換素子」は、
この光学格子手段を通過したレーザ光を光電変換する。
「変位手段」は、光学格子手段と光電変換素子とを、所
望の測定位置に位置させる手段である。「受光信号増幅
回路」は、光電変換素子の出力を増幅する。「波形観測
装置」は、受光信号増幅回路により増幅された信号の最
大値:Pmaxと最小値:Pminとを測定する。「演算手段」
は、波形観測装置による測定結果と上記格子幅:Wとに
基づき、上記測定位置における、走査方向のビーム径:
2Aと、走査方向に対し+60度の角をなす方向におけ
るビーム径:2Bと、走査方向に対し−60度の角をな
す方向におけるビーム径:2C、もしくはこれらととも
に測定位置における走査直交方向のビーム径2Eを算出
する。この請求項5記載のビーム径測定装置はまた、記
憶手段と、測定座標記憶手段と、コントローラとを有す
ることができる(請求項6)。
【0011】「記憶手段」は、演算手段により算出され
たビーム径を記憶する手段である。「測定座標記憶手
段」は、1以上の所望の測定位置を記憶する手段であ
る。「コントローラ」は、被検ユニットを保持した保持
手段を制御するとともに、測定座標記憶手段に記憶され
た測定位置に応じて変位手段を制御し、光学格子手段と
光電変換素子を測定位置に配置し、演算手段により算出
されたビーム径を記憶手段に記憶させる。上記請求項6
記載の走査ビーム径測定装置において、光学格子手段は
「光学格子と光学格子角度設定器」を有することができ
る(請求項7)。「光学格子」は、遮光幅と透過幅とが
略等しい格子幅:Wを有する光学格子である。「光学格
子角度設定器」はコントローラにより制御され、光学格
子を、変位手段に保持された状態において、格子方向を
走査方向に対して「略90度、略+30度、略−30度
の何れか」に選択的に設定する。上記請求項5または6
記載の走査ビーム径測定装置においては、光学格子手段
を「格子幅が互いに等しい3つの格子部分を、走査方向
に対する格子方向を90度および±30度に設定して一
体化した光学格子」として構成し、所望の測定位置にお
ける1度の走査により、ビーム径:2A,2B,2Cの
算出に必要なデータを得られるように構成することがで
きる(請求項8)。光学格子手段はまた、3種の光学格
子を1組として構成し、これら3種の光学格子を順次に
変位手段に設定することにより、走査方向に対する格子
方向のなす角を90度、+30度、−30度に切り替え
るようにすることもできる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、発明の実施の形態を説明す
る。図1において、被検ユニット4はX方向に移動可能
なステージ10の定位置に固定的に保持される。ステー
ジ10に保持された被検ユニット4の走査ビームの走査
方向であるY方向に移動可能なステージ11が設けら
れ、このステージ11に、図の如く、光学格子6と光電
変換素子7が配備されている。ステージ10には、その
X方向の位置を管理できるように位置センサ12が設け
られ、ステージ10のX方向の位置を検出するようにな
っている。位置センサ12が検出したステージ10の位
置は、位置表示装置13に表示される。ステージ11の
Y方向に於ける位置は位置センサ14により検出され、
位置表示装置15に表示される。ステージ10と位置セ
ンサ12と位置表示装置13とは「保持手段」を構成す
る。ステージ10の定位置に被検ユニット4を固定的に
保持させて、位置センサ12と位置表示装置13とによ
りステージ10のX方向位置を確認しつつ、ステージ1
0の位置を調整することにより、光学格子6の格子面
が、被検ユニット4の走査ビームにより走査されるべき
被走査面に略等価な面となるよう、被検ユニット4の位
置を調整・設定できる。ステージ11と位置センサ14
と位置表示装置14とは「変位手段」を構成する。位置
センサ14と位置表示装置15とにより、ステージ11
のY方向位置を確認しつつ、ステージ11のY方向位置
を調整することにより、光学格子6を所望の測定位置に
位置させることができる。なお、図1の実施の形態で
は、光学格子6が光学格子手段を構成し、光学格子6の
格子方向を手動により走査方向に対して、90度、+3
0度、−30度の角に選択的に設定するようになってい
る。光電変換素子7の出力は受光信号増幅回路8により
増幅され、増幅された結果はオシロスコープ等の波形観
測装置91に入力して測定され、その結果は「演算手
段」をなすビーム径自動換算装置16に送られる。上記
の如き構成において、被検ユニット4の保持態位を測定
態位に設定し、ステージ11により光学格子6と光電変
換素子7を所望の測定位置に配備して、被検ユニット4
の走査ビーム5により光学格子6を走査すると、波形観
測装置91により測定されるべき信号は波状に変動す
る。その最大値:Pmaxと最小値:Pminを測定してビーム
径自動換算装置16に送る。すると、ビーム径自動換算
装置16はビーム径の算出を行う。
【0013】図1に示す実施の形態における、ビーム径
自動換算装置16の処理フローの1例を説明するフロー
チャートを図6に示す。図6に示すように、ビーム径自
動換算装置16は、波形観測装置91により測定された
最大値:Pmaxと最小値:Pminと光学格子の遮光幅:Wと
から、走査ビーム(ガウシアンビーム)のビーム径:d
0を、前述の式(i)即ち、 d0=(2.2×Pmin/Pmax+1)×W により演算して表示する。ビーム径自動換算装置16は
また、d0が1.3W≦d0≦2.7Wの範囲にあるかど
うかを評価し、d0が1.3W≦d0≦2.7Wの範囲に
あるときにはビーム径が1%以内の誤差で測定されてい
ると表示する。ビーム径自動換算装置16は、自動的に
ビーム径の演算表示とその確度表示をするので、走査ビ
ームの走査方向のビーム径を簡便に且つ容易に測定でき
る。図7のように、光学格子6の格子方向を、走査方向
に対して90度(a)、−30度(b)、+30度
(c)となるように設定して上記の手順を繰り返せば、
図3最上図に示すような、走査方向のビーム径:2A、
走査方向に対して±60度の方向のビーム径:2B,2
Cが得られる。すると、図3(1)に示す関係に従い
a,b,γが得られるので、これらを用い、図4(3)
の変換式(2)に従い走査直交方向の走査ビーム径:2
Eが得られる。これらの演算をビーム径自動換算装置1
6で行うことにより、走査ビーム5のビーム径を走査方
向および走査直交方向につき知ることができる。
【0014】即ち、図1、図6、図7に即して実施形態
を説明した走査ビーム測定装置は、レーザビームを光学
的に走査する走査光学ユニットにおいて、走査される走
査ビームのビーム径を測定する装置であって、ビーム径
を測定すべき走査光学ユニット4を保持する保持手段1
0,12,13と、遮光幅と透過幅とが略等しい格子
幅:Wを有し、格子方向が走査ビームの走査方向に対し
て略90度および略−30度および略−30度の角度に
設定され得る光学格子手段6と、この光学格子手段を通
過したレーザ光を光電変換する光電変換素子7と、光学
格子手段と光電変換素子とを所望の測定位置に位置させ
る変位手段11,14,15と、光電変換素子7による
電気信号を増幅する受光信号増幅回路8と、この受光信
号増幅回路により増幅された信号の最大値:Pmaxと最小
値:Pminとを測定する波形観測装置91と、この波形観
測装置による測定結果と格子幅:Wとに基づき、測定位
置における走査方向のビーム径:2Aと、走査方向に対
し+60度の角をなす方向におけるビーム径:2Bと、
走査方向に対し−60度の角をなす方向におけるビーム
径:2C、もしくはこれらとともに測定位置における走
査直交方向のビーム径2Eを算出する演算手段16とを
有するものである(請求項5)。そして、図1の実施の
形態の走査ビーム測定装置においては、レーザビームを
光学的に走査する走査光学ユニットにおいて、走査され
る走査ビームのビーム径を測定する方法であって、遮光
幅と透過幅とが略等しい格子幅:Wを有し、格子方向が
走査ビームの走査方向に対して略90度の角度に設定さ
れた光学格子6と走査ビーム5を、所望の測定位置にお
いて走査方向へ相対的に変位させ、光学格子6を透過し
たレーザ光を電気信号に変換し、変換された電気信号に
おける最大値:Pmaxと最小値:Pminと格子幅:Wとに基
づき、測定位置における走査方向のビーム径:2Aを算
出する工程と、遮光幅と透過幅とが略等しい格子幅:W
を有し、格子方向が走査ビームの走査方向に対して略−
30度の角度に設定された光学格子6と走査ビーム5
を、所望の測定位置において走査方向へ相対的に変位さ
せ、光学格子6を透過したレーザ光を電気信号に変換
し、変換された電気信号における最大値:Pmaxと最小
値:Pminと格子幅:Wとに基づき、測定位置における走
査方向に対し+60度の角をなす方向におけるビーム
径:2Bを算出する工程と、遮光幅と透過幅とが略等し
い格子幅:Wを有し、格子方向が走査ビームの走査方向
に対して略+30度の角度に設定された光学格子6と走
査ビーム5を、所望の測定位置において走査方向へ相対
的に変位させ、光学格子6を透過したレーザ光を電気信
号に変換し、変換された電気信号における最大値:Pmax
と最小値:Pminと格子幅:Wとに基づき、測定位置にお
ける走査方向に対し−60度の角をなす方向におけるビ
ーム径:2Cを算出する工程とを有する走査ビーム径測
定方法が行われ(請求項1)、算出されたビーム径:2
A,2B,2Cに基づき、走査直交方向におけるビーム
径の算出が行われ(請求項2)、ビーム径:2A,2
B,2Cを求める各工程において、光学格子6は、同一
のものが格子方向を上記90度、±30度の方向に設定
して用いられる(請求項3)。
【0015】図8に、実施の別の形態を示す。図8にお
いて、符号17,18は駆動装置、符号19は測定座標
記憶装置、符号20は測定結果記憶装置、符号21はコ
ントローラをそれぞれ示している。コントローラ21は
演算処理装置(CPU)や各種制御回路等からなり、走
査ビーム径測定動作を制御するべく、図示のように、駆
動装置17,18、測定座標記憶装置19、測定結果記
憶装置20を制御する。コントローラ19は位置表示装
置13を介してステージ10のX方向の位置を知り、そ
の結果に基づき駆動装置17によりステージ10のX方
向の変位を制御して、被検ユニット4を適正な測定態位
に配備する。この実施の形態では、ステージ10、位置
センサ12、位置表示装置13とともに駆動装置17が
「保持手段」を構成する。コントローラ19はまた、測
定座標記憶装置19内に記憶されている測定座標(測定
位置のY座標)を読み取り、読み取った座標位置に光学
格子6と光電変換素子7とを変位させる。その際、コン
トローラ19は位置表示装置15を介してステージ11
のY方向の位置を知り、その結果に基づき駆動装置18
によりステージ11のY方向の変位を制御する。この実
施の形態では、ステージ11、位置センサ14、位置表
示装置15とともに駆動装置18が「変位手段」を構成
する。
【0016】図9は上記コントローラ21の処理フロー
の1例を説明するフローチャートを図9に示す。測定が
開始されると、コントローラ21は測定座標記憶装置1
9内に記憶された最初の測定座標を読み取り(「ビーム
測定位置の座標データ読取り」)、被検ユニットを所定
の測定態位に配備し(「ビーム進行方向に移動し移動を
確認」)、、走査ビーム径の(最初の)測定位置に光学
格子6と光電変換素子7を位置させる(「走査方向に移
動し移動を確認」)。このとき光学格子6の格子方向は
走査方向に対して90度の方向にセットされる。この状
態で走査ビームによる走査を行い、光電変換素子7の出
力を受光信号増幅回路8により増幅して波形観測装置9
1に入力させ、最大値:Pmaxと最小値:Pminとを測定
し、ビーム径自動換算装置16により前述の如くしてビ
ーム径:2Aが算出される。次に、光学格子の格子方向
を走査方向に対して±30度に順次に設定して、上記と
同様のプロセスを繰返し、走査方向に対して−60度方
向、+60度方向のビーム径:2B,2Cを算出させ、
さらにこれらに基づき、走査直交方向のビーム径:2E
を算出させる。それとともに、算出された各ビーム径:
0が1.3W≦d0≦2.7Wの範囲にあるか否か、即
ち、測定誤差が1%以内であるか否かを判断させる。コ
ントローラ19は、これらデータを受取り、測定結果記
憶装置20に測定位置のデータとともに記憶させる
(「ビーム径換算データ受け取り、ビーム軽換算評価デ
ータ受け取り」)。所望の測定位置が2以上ある場合
は、さらに測定すべき測定位置があるか否かを判断し
(「測定箇所の座標データはまだあるか」)、測定位置
が残っていれ次の測定位置に尽き上記プロセスを繰り返
す。全ての測定位置における測定が終了したら測定を終
了する(「測定終了」)。測定が終了したら、必要に応
じて、測定結果記憶装置20内の測定結果をコントロー
ラ221から外部のアウトプット装置(コンピュータの
ディスプレイ等のモニタやプリンタ)に出力する。この
ように、コントローラ21が、測定座標読み取り、被検
ユニット4の測定態位への設定、光学格子6と光電変換
素子7の移動、ビーム径換算データ読み取り、ビーム径
換算データの記憶という一連の作業を、予め設定された
1以上の測定位置に対し順次実行するので、1以上の所
望の測定位置でのビーム径を、走査方向および走査直交
方向について簡便且つ容易に測定できる。
【0017】図10に、発明の実施の他の形態を示す。
この図の実施形態が、図8の実施の形態と異なる点は以
下の点にある。即ち、この実施の形態は、光学格子6の
格子方向を走査方向に対して略90度、略−30度、略
+30度の角度に設定する光学格子角度設定器22を有
する。この実施の形態では光学格子6と光学格子角度設
定器22とが「光学格子手段」を構成している。図10
に示すように、光学格子角度設定器22はコントローラ
23の制御を受ける。この場合のコントローラ23の処
理フローの1例を図11に示す。測定が開始されると、
光学格子角度設定器22はコントローラ23の指示によ
り、走査ビームの走査方向に対する光学格子6の格子方
向の角度を、走査方向に対して略90度の方向に設定す
る。走査ビームの走査ビーム径を測定する位置は予め複
数の箇所が測定座標記憶装置19に設定されており、コ
ントローラ23は測定座標記憶装置19のデータに従い
最初の測定位置に光学格子6と光電変換素子7を移動さ
せる。この測定位置で測定した走査ビーム径および「ビ
ーム径評価結果(測定誤差1%以内か)」をビーム径自
動換算装置16から読み取り、光学格子6の設定角度と
ともに測定結果記憶装置20に記憶する。コントローラ
23は測定座標記憶装置19から次の測定位置の座標を
読取り、上記と同じプロセスを繰り返してビーム径及び
ビーム径評価結果を得、これらを測定結果記憶装置19
に記憶させる。このようにして全ての測定位置での測定
を行い、その結果を測定結果記憶装置20に記憶する。
そしてコントローラ23は再度、光学格子角度設定器2
2を制御して、光学格子6の格子方向を−30度方向に
設定し、上記プロセスを繰り返す。その後、コントロー
ラ23により光学格子6の格子方向が+30度方向に切
り替えられて上記測定プロセスが実行される。このプロ
セスが終了した段階で、測定結果記憶装置20には、全
ての測定位置における走査ビーム径:2A,2B,2C
と、それらのビーム評価結果が記憶されている。その
後、コントローラ23により上記各測定位置における走
査ビーム径:2A,2B,2Cに基づき、各測定位置に
おける走査直交方向の走査ビーム径:2Eを演算し、そ
のビーム評価を行う。この工程はコントローラ23にお
ける演算機能で行っても良いし、データをビーム径自動
換算装置16に送って演算させ、その結果を受けとるよ
うにしてもよい。
【0018】図12は、発明の実施の他の形態の特徴部
分を説明するための図である。図12(a)に示す光学
格子6’は、走査ビーム5の走査方向に対する格子方向
を+30度、90度、−30度とする3種類の格子部分
6a,6b,6cを一体化して形成されている。格子部
分6a,6b,6cは何れも、透過幅=遮光幅=Wで
「走査方向に対する格子方向のみ」が異なる。この光学
格子6’を、例えば図8の実施の形態における光学格子
6に代えて用い、走査ビーム5で走査すれば、略同時
に、走査方向に対する格子方向を+30度、90度、−
30度とした場合の波形を観測できるので、この波形か
ら走査方向に対する格子方向のなす角:+30度、90
度、−30度に対する最大値:Pmaxと最小値:Pminをそ
れぞれ求め、走査ビーム径:2A,2B,2Cもしくは
これらとその「ビーム評価結果」を得、さらに、2A,
2B,2Cに基づき走査直交方向の走査ビーム径:2E
及びそのビーム評価結果を得ることができる。従って、
光学格子6’を用いれば、光学格子の格子方向を切り換
えることなく走査方向に対して直交する方向の走査ビー
ム径:2Eを得ることができる。
【0019】上に図8〜図12に即して説明した実施の
各形態は、レーザビームを光学的に走査する走査光学ユ
ニットにおいて、走査される走査ビームのビーム径を測
定する装置であって、ビーム径を測定すべき走査光学ユ
ニット4を保持する保持手段10,12,13,17
と、遮光幅と透過幅とが略等しい格子幅:Wを有し、格
子方向が走査ビームの走査方向に対して略90度および
略−30度および略−30度の角度に設定され得る光学
格子手段6(または6,22もしくは6’)と、この光
学格子手段を通過したレーザ光を光電変換する光電変換
素子7と、光学格子手段と光電変換素子とを所望の測定
位置に位置させる変位手段11,14,15,18と、
光電変換素子による電気信号を増幅する受光信号増幅回
路8と、この受光信号増幅回路により増幅された信号の
最大値:Pmaxと最小値:Pminとを測定する波形観測装置
91と、波形観測装置による測定結果と格子幅:Wとに
基づき、測定位置における走査方向のビーム径:2A
と、走査方向に対し+60度の角をなす方向におけるビ
ーム径:2Bと、走査方向に対し−60度の角をなす方
向におけるビーム径:2C、もしくはこれらとともに測
定位置における走査直交方向のビーム径2Eを算出する
演算手段16とを有し(請求項5)、演算手段16によ
り算出されたビーム径を記憶する記憶手段20と、1以
上の所望の測定位置を記憶する測定座標記憶手段19
と、保持手段を制御するとともに、測定座標記憶手段1
9に記憶された測定位置に応じて変位手段を制御して、
光学格子手段と光電変換素子を測定位置に配置し、演算
手段により算出されたビーム径を記憶手段に記憶させる
コントローラ21(または23)とを有する(請求項
6)。
【0020】また図10,図11に即して説明した実施
の形態は、光学格子手段が、遮光幅と透過幅とが略等し
い格子幅:Wを有する光学格子6と、この光学格子を、
変位手段に保持された状態において、格子方向が走査方
向に対して略90度、略+30度、略−30度の何れか
を選択的に設定できる光学格子角度設定器22とを有
し、コントローラ23が光学格子角度設定器22を制御
して格子方向の角度設定を行うものである(請求項
7)。図12に特徴部分を示した実施の形態は、光学格
子手段が、格子幅が互いに等しい3つの格子部分6a,
6b,6cを、走査方向に対する格子方向を90度およ
び±30度に設定して一体化した光学格子6’であり、
所望の測定位置における1度の走査により、ビーム径:
2A,2B,2Cの算出に必要なデータを得られるよう
に構成されたものである(請求項8)。そして、これら
の実施の形態においては、遮光幅と透過幅とが略等しい
格子幅:Wを有し、格子方向が走査ビームの走査方向に
対して略90度の角度に設定された光学格子6と走査ビ
ーム5を、所望の測定位置において走査方向へ相対的に
変位させ、光学格子を透過したレーザ光を電気信号に変
換し、変換された電気信号における最大値:Pmaxと最小
値:Pminと格子幅:Wとに基づき、測定位置における走
査方向のビーム径:2Aを算出する工程と、遮光幅と透
過幅とが略等しい格子幅:Wを有し、格子方向が走査ビ
ームの走査方向に対して略−30度の角度に設定された
光学格子6と走査ビーム5を、所望の測定位置において
走査方向へ相対的に変位させ、光学格子を透過したレー
ザ光を電気信号に変換し、変換された電気信号における
最大値:Pmaxと最小値:Pminと格子幅:Wとに基づき、
測定位置における走査方向に対し+60度の角をなす方
向におけるビーム径:2Bを算出する工程と、遮光幅と
透過幅とが略等しい格子幅:Wを有し、格子方向が走査
ビームの走査方向に対して略+30度の角度に設定され
た光学格子6と走査ビーム5を、所望の測定位置におい
て走査方向へ相対的に変位させ、光学格子を透過したレ
ーザ光を電気信号に変換し、変換された電気信号におけ
る最大値:Pmaxと最小値:Pminと格子幅:Wとに基づ
き、測定位置における走査方向に対し−60度の角をな
す方向におけるビーム径:2Cを算出する工程とを少な
くとも有する走査ビーム径測定方法(請求項1)が実施
され、さらに、算出されたビーム径:2A,2B,2C
に基づき走査直交方向におけるビーム径の算出が行われ
る(請求項2)。そして、図8〜図12に即して説明し
た実施の形態では、ビーム径:2A,2B,2Cを求め
る各工程において、光学格子6は、同一のものが、格子
方向を上記90度、±30度の方向に設定して用いられ
(請求項3)、図12に即して説明した実施の形態で
は、光学格子6’として、格子幅が互いに等しい3つの
格子部分6a,6b,6cを、走査方向に対する格子方
向を90度および±30度に設定して一体化したものを
用い、一度の走査によりビーム径:2A,2B,2Cを
算出するためのデータを得る(請求項4)。
【0021】
【発明の効果】以上に説明したように、この発明によれ
ば新規な走査ビーム測定方法および走査ビーム測定装置
を実現できる。この発明の走査ビーム測定方法によれ
ば、走査ビームの走査速度や、走査ビームに相対的な光
学格子の変位速度を予め知る必要なく、走査方向の走査
ビーム径を知ることができ、走査直交方向の走査ビーム
径を知ることも可能になる。
【0022】この発明の走査ビーム径測定装置によれ
ば、上記方法を実施することにより、走査ビーム径を簡
便且つ容易に測定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の1形態を説明する図である。
【図2】光学格子を使用したビーム径測定の原理を説明
する図である。
【図3】レーザビームの断面形状(ビームスポット)を
説明する図であって、走査方向に対して傾いた楕円形状
とその楕円の式を説明する図である。
【図4】ビームスポットの楕円形状が走査方向に対して
傾いた状態での主走査ビーム径と副走査ビーム径を説明
する図である。
【図5】走査ビームの走査方向に対する60度方向のビ
ーム径を測定する方法を説明する図である。
【図6】図1に示す実施の形態におけるビーム径自動換
算装置の処理フローの1例を示すフローチャートであ
る。
【図7】図1に示す実施の形態での測定時における光学
格子の3つの状態を説明する図である。
【図8】この発明の実施の別形態を説明する図である。
【図9】図8の実施の形態におけるコントローラの処理
フローの1例を示すフローチャートである。
【図10】この発明の実施の他の形態を説明する図であ
る。
【図11】図10に示す実施の形態におけるコントロー
ラの処理フローの1例を示すフローチャートである。
【図12】この発明の実施のさらに他の形態の特徴部分
を説明するための図である。
【図13】走査光学ユニットの概略を説明するための図
である。
【図14】従来の走査ビーム径測定方法の一例を説明す
る図である。
【図15】従来の走査ビーム径測定方法の別例を説明す
る図である。
【図16】従来の走査ビーム径測定方法の他の例を説明
する図である。
【符号の説明】
1:レーザー光源 2:回転多面鏡 3:結像レンズ 4:走査光学ユニット 5:レーザービーム(走査ビーム) 6,6’:光学格子 7:光電変換素子 8:受光信号増幅回路 9,91:波形観測装置 10,11:ステージ 12,14:位置センサ 13,15:位置表示装置 16:ビーム径自動換算装置 17,18:駆動装置 19:測定座標記憶装置 20:測定結果記憶装置 21,23:コントローラ 22:光学格子角度設定器 24:光学スリット 25:1次元CCDアレイ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】レーザビームを光学的に走査する走査光学
    ユニットにおいて、走査される走査ビームのビーム径を
    測定する方法であって、 遮光幅と透過幅とが略等しい格子幅:Wを有し、格子方
    向が走査ビームの走査方向に対して略90度の角度に設
    定された光学格子と走査ビームを、所望の測定位置にお
    いて上記走査方向へ相対的に変位させ、上記光学格子を
    透過したレーザ光を電気信号に変換し、変換された電気
    信号における最大値:Pmaxと、最小値:Pminと、格子
    幅:Wとに基づき、上記測定位置における走査方向のビ
    ーム径:2Aを算出する工程と、 遮光幅と透過幅とが略等しい格子幅:Wを有し、格子方
    向が走査ビームの走査方向に対して略−30度の角度に
    設定された光学格子と走査ビームを、所望の測定位置に
    おいて上記走査方向へ相対的に変位させ、上記光学格子
    を透過したレーザ光を電気信号に変換し、変換された電
    気信号における最大値:Pmaxと、最小値:Pminと、格子
    幅:Wとに基づき、上記測定位置における上記走査方向
    に対し+60度の角をなす方向におけるビーム径:2B
    を算出する工程と、 遮光幅と透過幅とが略等しい格子幅:Wを有し、格子方
    向が走査ビームの走査方向に対して略+30度の角度に
    設定された光学格子と走査ビームを、所望の測定位置に
    おいて上記走査方向へ相対的に変位させ、上記光学格子
    を透過したレーザ光を電気信号に変換し、変換された電
    気信号における最大値:Pmaxと、最小値:Pminと、格子
    幅:Wとに基づき、上記測定位置における上記走査方向
    に対し−60度の角をなす方向におけるビーム径:2C
    を算出する工程と、を少なくとも有する走査ビーム径測
    定方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の走査径ビーム測定方法にお
    いて、 算出されたビーム径:2A,2B,2Cに基づき、走査
    直交方向におけるビーム径:2Eを算出することを特徴
    とする走査ビーム径測定方法。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の走査ビーム径測定
    方法において、 ビーム径:2A,2B,2Cを求める各工程において、
    光学格子は、同一のものを、格子方向を上記90度、±
    30度の方向に設定して用いることを特徴とする走査ビ
    ーム径測定方法。
  4. 【請求項4】請求項1または2または3記載の走査ビー
    ム径測定方法において、 光学格子として、格子幅が互いに等しい3つの格子部分
    を、走査方向に対する格子方向を90度および±30度
    に設定して一体化したものを用い、一度の走査によりビ
    ーム径:2A,2B,2Cを算出するためのデータを得
    ることを特徴とする走査ビーム径測定方法。
  5. 【請求項5】レーザビームを光学的に走査する走査光学
    ユニットにおいて、走査される走査ビームのビーム径を
    測定する装置であって、 ビーム径を測定すべき走査光学ユニットを保持する保持
    手段と、 遮光幅と透過幅とが略等しい格子幅:Wを有し、格子方
    向が走査ビームの走査方向に対して略90度および略−
    30度および略−30度の角度に設定され得る光学格子
    手段と、 この光学格子手段を通過したレーザ光を光電変換する光
    電変換素子と、 上記光学格子手段と光電変換素子とを、所望の測定位置
    に位置させる変位手段と、 上記光電変換素子による電気信号を増幅する受光信号増
    幅回路と、 この受光信号増幅回路により増幅された信号の最大値:
    Pmaxと最小値:Pminとを測定する波形観測装置と、 この波形観測装置による測定結果と、上記格子幅:Wと
    に基づき、上記測定位置における、走査方向のビーム
    径:2Aと、上記走査方向に対し+60度の角をなす方
    向におけるビーム径:2Bと、上記走査方向に対し−6
    0度の角をなす方向におけるビーム径:2C、もしくは
    これらとともに上記測定位置における走査直交方向のビ
    ーム径2Eを算出する演算手段と、を有することを特徴
    とするビーム径測定装置。
  6. 【請求項6】請求項5記載のビーム径測定装置におい
    て、 演算手段により算出されたビーム径を記憶する記憶手段
    と、 1以上の所望の測定位置を記憶する測定座標記憶手段
    と、 保持手段を制御するとともに、上記測定座標記憶手段に
    記憶された測定位置に応じて変位手段を制御して、光学
    格子手段と光電変換素子を測定位置に配置し、演算手段
    により算出されたビーム径を上記記憶手段に記憶させる
    コントローラとを有することを特徴とする走査ビーム径
    測定装置。
  7. 【請求項7】請求項6記載の走査ビーム径測定装置にお
    いて、 光学格子手段が、遮光幅と透過幅とが略等しい格子幅:
    Wを有する光学格子と、この光学格子を、変位手段に保
    持された状態において、格子方向が走査方向に対して、
    略90度、略+30度、略−30度の何れかを選択的に
    設定できる光学格子角度設定器とを有し、 コントローラが上記光学格子角度設定器を制御して、格
    子方向の角度設定を行うものであることを特徴とする走
    査ビーム径測定装置。
  8. 【請求項8】請求項5または6記載の走査ビーム径測定
    装置において、 光学格子手段が、格子幅が互いに等しい3つの格子部分
    を、走査方向に対する格子方向を90度および±30度
    に設定して一体化した光学格子であり、所望の測定位置
    における1度の走査により、ビーム径:2A,2B,2
    Cの算出に必要なデータを得られるように構成されたこ
    とを特徴とする走査ビーム径測定装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009115819A (ja) * 2009-01-30 2009-05-28 Seiko Epson Corp 走査光ビームスポット測定方法及び測定装置
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